JP6025745B2 - ヒト遺伝子由来プロモーター - Google Patents
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Description
(1)配列表の配列番号1に記載のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド。
(2)配列表の配列番号2に記載のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド。
(3)配列表の配列番号3に記載のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド。
(4)前記(1)乃至(3)のいずれか一つに記載のヌクレオチド配列に対して95%以上同一性を有するヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドであって、プロモーター活性を有するポリヌクレオチド。
(5)前記(1)乃至(3)のいずれか一つに記載のヌクレオチド配列に対して99%以上同一性を有するヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドであって、プロモーター活性を有するポリヌクレオチド。
(6)前記(1)乃至(3)のいずれか一つに記載のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチドであって、プロモーター活性を有するポリヌクレオチド。
(7)前記(1)乃至(6)のいずれか一つに記載のポリヌクレオチドを含むことからなる、外来遺伝子発現ユニット。
(8)外来遺伝子が多量体蛋白質をコードする遺伝子である、前記(7)に記載の外来遺伝子発現ユニット。
(9)外来遺伝子がヘテロ多量体蛋白質をコードする遺伝子である、前記(7)に記載の外来遺伝子発現ユニット。
(10)外来遺伝子が抗体又はその機能性断片をコードする遺伝子である、前記(7)に記載の外来遺伝子発現ユニット。
(11)前記(7)乃至(10)のいずれか一つに記載の外来遺伝子発現ユニットを含む外来遺伝子発現ベクター。
(12)前記(7)乃至(10)のいずれか一つに記載の外来遺伝子発現ユニット及び下記A群の(a)乃至(i)に記載のポリヌクレオチドから選択されるいずれか一つ又は複数のポリヌクレオチドを含む外来遺伝子発現ベクター。
A群
(a)配列表の配列番号10に記載のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド。
(b)配列表の配列番号11に記載のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド。
(c)配列表の配列番号12に記載のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド。
(d)配列表の配列番号13に記載のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド。
(e)配列表の配列番号14に記載のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド。
(f)配列表の配列番号10乃至14のいずれか一つに記載のヌクレオチド配列のうち少なくとも3000の連続するヌクレオチドを含むポリヌクレオチド。
(g)配列表の配列番号10乃至14のいずれか一つに記載のヌクレオチド配列のうち少なくとも2000の連続するヌクレオチドを含むポリヌクレオチド。
(h)前記(a)乃至(g)のいずれか一つに記載のヌクレオチド配列に対して95%以上同一性を有するポリヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドであって、外来遺伝子発現亢進活性を有するポリヌクレオチド。
(i)上記(a)乃至(g)のいずれか一つに記載のヌクレオチド配列に対して99%以上同一性を有するヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドであって、外来遺伝子発現亢進活性を有するポリヌクレオチド。
(13)前記(11)又は(12)に記載の外来遺伝子発現ベクターが導入された形質転換細胞。
(14)前記(11)又は(12)に記載の外来遺伝子発現ベクターとエレメントベクターが導入された形質転換細胞。
(15)細胞が哺乳動物由来の培養細胞である、前記(13)又は(14)に記載の形質転換細胞。
(16)哺乳動物由来の培養細胞が、COS−1細胞、293細胞、又はCHO細胞である、前記(15)に記載の形質転換細胞。
(17)前記(13)乃至(16)のいずれか一つに記載の形質転換細胞を培養し、培養物から外来遺伝子由来の蛋白質を取得することを特徴とする、該蛋白質の製造方法。
(18)形質転換細胞において外来遺伝子を発現させることを目的とする、前記(1)乃至(6)のいずれか一つに記載のポリヌクレオチド配列の使用。
(19)形質転換細胞において外来遺伝子を発現させることを目的とする、前記(11)又は(12)に記載の外来遺伝子発現ベクターの使用。
1.外来遺伝子の発現亢進に使用されるプロモーター
本発明のヒト遺伝子由来のプロモーター(以下、「本発明のプロモーター」ということもある)として、ヒトリボソーム蛋白質遺伝子の転写開始点の上流約2kbpのヌクレオチドから開始コドンに対応するヌクレオチド配列の直前のヌクレオチドまでのポリヌクレオチドが好ましく、転写開始点の上流約1kbpのヌクレオチド、又は0.5kbpから開始コドン配列に対応するヌクレオチド配列の直前のヌクレオチドまでのポリヌクレオチドでもよい。
該ヒトリボソーム蛋白質遺伝子としては、好ましくは、ヒトリボソーム蛋白質S7遺伝子(以下、「RPS7」という)、ヒトリボソーム蛋白質L32遺伝子(以下、「RPL32」という)、ヒトリボソーム蛋白質L34遺伝子(以下、「RPL34」という)である。
2.外来遺伝子発現ユニット
本発明の外来遺伝子発現ユニット(以下、「本発明の遺伝子発現ユニット」ということもある)は、転写の読み枠の方向に、少なくとも前記1.に記載の本発明のプロモーター、外来遺伝子、及び転写ターミネーター領域(ポリA付加シグナル)を有するものである。
また、ポリA付加配列は、プロモーターからの転写に対して転写終結を起こす活性を有する配列であればよく、プロモーターの遺伝子と同じ又は異なる遺伝子のものであってもよい。
3.外来遺伝子の発現亢進に使用されるDNAエレメント
前記2.に記載の本発明の遺伝子発現ユニットとDNAエレメントを組み合わせて使用することにより、外来遺伝子の発現をさらに亢進することができる。組み合わせて使用するDNAエレメントは、実施例6に示されるように、アセチル化ヒストンH3との相互作用を指標として取得することが可能である。一般にヒストン(H3、H4)のアセチル化は転写の活性化に関与しているといわれており、主に2つの説が考えられている。ヒストンテールがアセチル化することで電荷的に中和され、DNAとヒストンとの結合が緩くなるというヌクレオソームの立体構造変化が関係している説(Mellor J. (2006) Dynamic nucleosomes and gene transcription. Trends Genet. 22(6):320−329)と、様々な転写因子のリクルートに関与するという説(Nakatani Y. (2001) Histone acetylases−versatile players. Genes Cells. 6(2):79−86)である。いずれの説においても、ヒストンのアセチル化が転写活性化に関与している可能性は高く、抗アセチル化ヒストンH3抗体を用いたクロマチン免疫沈降(Chromatin Immunoprecipitation;ChIP)によって、アセチル化ヒストンH3と相互作用するDNAエレメントを濃縮することが可能である。
4.ポリヌクレオチドの取得
本発明において、後記の産生亢進の対象となる外来蛋白質をコードする外来遺伝子を含むポリヌクレオチドは、以下に示す一般的な方法により取得することができる。例えば、外来遺伝子が発現している細胞や組織に由来するcDNAライブラリーを、当該遺伝子断片をもとにして合成したDNAプローブを用いてスクリーニングすることにより単離することができる。mRNAの調製は、当該技術分野において通常用いられる手法により行うことができる。例えば、前記細胞又は組織を、グアニジニン試薬、フェノール試薬等で処理して全RNAを得、その後、オリゴ(dT)セルロースカラムやセファロース2Bを担体とするポリU−セファロース等を用いたアフィニティーカラム法により、あるいはバッチ法によりポリ(A)+RNA(mRNA)を得る。さらに、ショ糖密度勾配遠心法等によりポリ(A)+RNAをさらに分画してもよい。次いで、得られたmRNAを鋳型として、オリゴdTプライマー及び逆転写酵素を用いて一本鎖cDNAを合成し、該一本鎖cDNAからDNA合成酵素I、DNAリガーゼ及びRNaseH等を用いて二本鎖cDNAを合成する。合成した二本鎖cDNAをT4DNA合成酵素によって平滑化後、アダプター(例えば、EcoRIアダプター)の連結、リン酸化等を経て、λgt11等のλファージに組み込んでin vivoパッケージングすることによってcDNAライブラリーを作製する。また、λファージ以外にもプラスミドベクターを用いてcDNAライブラリーを作製することもできる。その後、cDNAライブラリーから目的のDNAを有する株(ポジティブクローン)を選択すればよい。
5.外来遺伝子発現ベクター、エレメントベクター
本発明の外来遺伝子発現ベクターとしては、前記1.に記載の本発明のプロモーターを含む前記2.に記載の外来遺伝子発現ユニットを含むベクターが提供される。本発明の外来遺伝子発現ベクターは、前記3.に記載のDNAエレメントの1種、前記のDNAエレメントの1種を2個以上のコピー数、又は前記のDNAエレメントの2種以上の組み合わせを含んでもよい。前記の外来遺伝子発現ベクターによって外来遺伝子を宿主細胞内で発現させる際には、DNAエレメントを遺伝子発現ユニットの直前又は直後に配置してもよく、又は遺伝子発現ユニットから離れた位置に配置しても良い。また、複数のDNAエレメントを含む1つの外来遺伝子発現ベクターを用いてもよい。なお、DNAエレメントの向きは、遺伝子発現ユニットに対して順方向又は逆方向のいずれであっても良い。
本発明の形質転換細胞は、前記5.の外来遺伝子発現ベクターを用いて導入した形質転換細胞である。外来遺伝子発現ベクターとして、(A)DNAエレメントを含まない外来遺伝子発現ベクターのみを導入しても良く、又は(B)DNAエレメントを含まない外来遺伝子発現ベクターとエレメントベクターを組み合わせて導入しても良い。あるいは、(C)DNAエレメントを含む外来遺伝子発現ベクターを導入しても良く、又は(D)DNAエレメントを含む外来遺伝子発現ベクターとエレメントベクターを組み合わせて導入しても良い。
本発明における外来蛋白質の製造は、外来蛋白質をコードする遺伝子を、前記6.の項目に記載の形質転換細胞を公知の方法により培養し、その培養物から採取し、精製することにより行うことができる。「培養物」とは、培養上清のほか、培養細胞、又は細胞の破砕物のいずれをも意味するものである。なお、6.の項目に記載の形質転換細胞を用いて産生することのできる外来蛋白質としては、単量体蛋白質のみならず多量体蛋白質を選択することも可能である。異なる複数のサブユニットから構成されるヘテロ多量体蛋白質の生産を行う場合、これらのサブユニットをコードしている複数の遺伝子を、それぞれ6.の項目に記載の宿主細胞に導入する必要がある。
前記7.の項目に記載の製造方法を用いて製造されるヘテロ多量体蛋白質としては抗体蛋白質を挙げることができる。抗体蛋白質は、2分子の重鎖ポリペプチド及び2分子の軽鎖ポリペプチドからなる4量体蛋白質である。従って、抗原結合能を維持した形態で抗体蛋白質を取得するためには、前記6.の項目に記載の形質転換細胞において、重鎖及び軽鎖の遺伝子の双方が導入されている必要がある。この場合に、重鎖及び軽鎖の遺伝子発現ユニットは、同じ発現ベクター上に存在しても良く、あるいは異なる発現ベクター上に存在していても良い。
本発明の製造方法の対象となる外来蛋白質としては、前述の抗体に加え、ヒト又は非ヒト動物由来の各種蛋白質、その機能性断片、その改変体等を挙げることができる。そのような蛋白質等としては、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)、C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)、バソプレッシン、ソマトスタチン、成長ホルモン(GH)、インスリン、オキシトシン、グレリン、レプチン、アディポネクチン、レニン、カルシトニン、オステオプロテジェリン、インスリン様成長因子(IGF)等のペプチドホルモン、インターロイキン、ケモカイン、インターフェロン、腫瘍壊死因子(TNFα/βほかTNFスーパーファミリー等)、神経成長因子(NGF)、細胞増殖因子(EGF、FGF、PDGF、HGF、TGF等)、造血因子(CSF、G−CSF、エリスロポエチン等)、アディポカイン等のサイトカイン、ТNF受容体等の受容体、リゾチーム、プロテアーゼ、プロテイナーゼ、ペプチダーゼ等の酵素、その機能性断片(元の蛋白質の生物活性を一部又は全部保持している断片)、それらの蛋白質を含むことからなる融合蛋白質等を挙げることができるが、それらに限定されるものではない。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。ただし、これらの実施例は本発明の技術的範囲をなんら限定するものではない。本発明の実施例で用いるプラスミド、制限酵素、DNA修飾酵素等は市販のものであり、常法に従って使用することができる。また、DNAのクローニング、ポリヌクレオチド配列の決定、宿主細胞の形質転換、形質転換細胞の培養、得られる培養物からの蛋白質の採取、精製等に用いた操作についても当業者によく知られているものであるか、文献により知ることのできるものである。
(実施例1)プロモーター活性評価用ベクターCMV/pSeapIRESpuroの構築
プロモーター活性の評価は、SEAPの発現を指標にして行うこととし、評価用ベクターの構築を行った。
1−1)SEAPのcDNAのPCRによる増幅との制限酵素部位の付加
SEAPのcDNAは、開始コドンのATGの直前にNheI部位、終止コドンの直後にBglIIを付加したプライマーとKOD−Plus(TOYOBO)を用いたPCRにより増幅した。テンプレートとしては、pSEAP2−control(Clontech)を使用した。得られたフラグメントをNheIおよびBglIIで消化し、minelute reaction kit(QIAGEN)で精製した。
使用したプライマー
SEAPF:AAAGCTAGCATGCTGCTGCTGCTGCTGCTGCTGGGCC
SEAPR:AAAAGATCTTCATGTCTGCTCGAAGCGGCCGGCCGC
1−2)CMV/pSeapIRESpuroの構築
pIRESpuro3(Clontech)を、NheI―BamHIで消化後、1−1)で調製したSEAPフラグメントをligation反応により組み込んだ。得られたプラスミドをCMV/pSeapIRESpuro命名した。
(実施例2)RPS7、RPL32、及びRPL34のプロモーター領域のクローニング
mRNA量を指標とし、転写活性の高いプロモーターを有すると考えられるヒト遺伝子として、EEF2、YBX1,PPIA,PSAP,RAN,PRL32,PRL34,RPLP1,RPS7,RPS24,TMSB4X、UBC,YWHAE,ARPC2,SERBP1を選出し、各遺伝子のプロモーター領域のクローニングを行い、実施例3のプロモーター活性の評価に供した。
2−1)RPS7のプロモーター領域のクローニング
RPS7のプロモーター領域としては、GenBankにNM_001011.3で登録されているmRNAの配列を参考にして、RPS7の転写開始点の上流約2kbpのヌクレオチドから開始コドン配列に対応するヌクレオチド配列の直前のヌクレオチドまでの配列を用いた。
RPS7のプライマーセット
RPS7−F:TTGATTATTGACTAGTATTTATGTATATTAACAGCACATTAACAGC
RPS7−R:GCAGCAGCATGCTAGCGGCTTTCTCCTGGGAGAACTGAAGGCACAGCGG
2−2)RPL32のプロモーター領域のクローニング
RPL32のプロモーター領域としては、GenBankにNM_000994.3で登録されているmRNAの配列を参考にして、RPL32の転写開始点の上流約2kbpのヌクレオチドから開始コドン配列に対応するヌクレオチド配列の直前のヌクレオチドまでの配列を用いた。
RPL32のプライマーセット
RPL32−F:TTGATTATTGACTAGTCTAAAGTGATTCCTAAAGAATTCTTCCC
RPL32−R:GCAGCAGCATGCTAGCGATGCCTTTTGGGGAAGAAGCGGCCCC
2−3)RPL34のプロモーター領域のクローニング
RPL34のプロモーター領域としては、GenBankにNM_033625.2で登録されているmRNAの配列を参考にして、RPL34の転写開始点の上流約2kbpのヌクレオチドから開始コドン配列に対応するヌクレオチド配列の直前のヌクレオチドまでの配列を用いた。
RPL34のプライマーセット
RPL34−F:TTGATTATTGACTAGTATGGTGGCACAATCATGGTTCACTGCAGCC
RPL34−R:GCAGCAGCATGCTAGCTCTGAGTGCCTAAATTAAGAATAGAGTAACATC
2−4)他のヒト遺伝子のプロモーター領域のクローニング
前記2−1)に記載の方法に準じて、EEF2、YBX1、PPIA、PSAP、RAN、PRL32、PRL34、RPLP1、RPS7、RPS24、TMSB4X、UBC、YWHA、ARPC2、SERBP1のプロモーター領域のクローニングを行い、クローニングされたポリヌクレオチドを含むpSeapIRESpuroを構築した。
(実施例3)CHO−K1ポリクローナル形質転換細胞におけるSEAP発現量を指標としたプロモーター活性の評価
3−1)トランスフェクション
CHO―K1細胞(ATCC)は10% Ultra−Low IgG FBS(GIBCO)を含むF−12 Nutrient Mixture培地(GIBCO)を用いて5%CO2、37℃で継代培養した。
3−2)Puromycinによる薬剤選択
トランスフェクションの2日後に、6 well plateから細胞をトリプシン処理により回収し、全量を6cm dish(Nunc)に播種するとともに培地に終濃度8 μg/mLのPuromycin(Clontech)を添加して薬剤選択を開始した。
3−3)ポリクローナル形質転換細胞株による評価
薬剤選択開始から11日後にポリクローナル形質転換細胞株をトリプシンで回収し細胞数を測定し、1×105cells/mL/wellで24 well plate(IWAKI)に播種し、24時間後に培養上清を回収し上清のSEAP活性をSensoLyteTM pNPP Secreted Alkaline Phosphatase Reporter Assay(ANASPEC)を用いて測定した。対照としたCMVプロモーター(CMV/pSeapIRESpuro)のSEAP活性と比べて強かったのは、RPS7、RPL32、RPL34のプロモーター領域であり、それぞれ1.7倍以上、2.0倍以上、2.5倍以上のSEAP活性であった(図1)。EEF2、YBX1、PPIA、PSAP、RAN、PRL32、PRL34、RPLP1、RPS7、RPS24、TMSB4X、UBC、YWHA、ARPC2、SERBP1のプロモーター領域は、CMVプロモーターのSEAP活性と比べて弱かった。
(実施例4)トランケート型プロモーターのクローニング
RPS7、RPL32、及びRPL34のトランケート型プロモーターとして、各遺伝子の転写開始点の約1kb上流のヌクレオチドから開始コドンに対応するヌクレオチド配列の直前のヌクレオチドまでのヌクレオチド配列(T1)、及び転写開始点の約0.5kb上流のヌクレオチドから開始コドンまで対応するヌクレオチド配列の直前のヌクレオチドまでのヌクレオチド配列(T2)を用いて、そのトランケート型プロモーターのクローニングを実施した。
4−1)RPS7T1、及びRPS7T2のクローニング
RPS7T1、及びRPS7T2は、2−1)で作製したRPS7/pSeapIRESpuroをテンプレートとして、以下に示すプライマーセットとKOD−Plus(TOYOBO)を用いたPCRで増幅し、minelute reaction kit(QIAGEN)で精製した。CMV/pSeapIRESpuroをSpeI−NheI消化して、CMVプロモーターを取り除いた後に、SpeI−NheI部位にRPS7T1、及びRPS7T2のプロモーター領域をIn−Fusion Advantage PCRクローニングキット(Clontech)を用いて組み込み、RPS7T1/pSeapIRESpuro、及びRPS7T2/pSeapIRESpuroを構築した。クローニングしたRPS7T1、及びRPS7T2のプロモーター領域のヌクレオチド配列を配列表の配列番号4、及び配列番号5に示す。
RPS7T1のプライマーセット
RPS7−T1:TTGATTATTGACTAGTCCTAGTGTGGCTTCTGCATTTTTCACAGTGC
RPS7−R:GCAGCAGCATGCTAGCGGCTTTCTCCTGGGAGAACTGAAGGCACAGCGG
RPS7T2のプライマーセット
RPS7−T2:TTGATTATTGACTAGTCCTCGGCTCACGGCAGCCTCGACCTTTCGGC
RPS7−R:GCAGCAGCATGCTAGCGGCTTTCTCCTGGGAGAACTGAAGGCACAGCGG
4−2)RPL32T1、及びRPL32T2のクローニング
RPL32T1、及びRPL32T2は、2−2)で作製したRPL32/pSeapIRESpuroをテンプレートとして、以下に示すプライマーセットとKOD−Plus(TOYOBO)を用いたPCRで増幅し、minelute reaction kit(QIAGEN)で精製した。CMV/pSeapIRESpuroをSpeI−NheI消化して、CMVプロモーターを取り除いた後に、SpeI−NheI部位にRPL32T1、及びRPL32T2のプロモーター領域をIn−Fusion Advantage PCRクローニングキット(Clontech)を用いて組み込み、RPL32T1/pSeapIRESpuro、及びRPL32T2/pSeapIRESpuroを構築した。クローニングしたRPL32T1、及びRPL32T2のプロモーター領域のヌクレオチド配列を配列表の配列番号6、及び配列番号7に示す。
RPL32T1のプライマーセット
RPL32T1:TTGATTATTGACTAGTCCTCTCGAGTAACTGGGACTACAGGCATGC
RPL32−R:GCAGCAGCATGCTAGCGATGCCTTTTGGGGAAGAAGCGGCCCC
RPL32T2のプライマーセット
RPL32T2:TTGATTATTGACTAGTGCAGTTTCGCCCAGTGGTTAGAAGCGTGG
RPL32−R:GCAGCAGCATGCTAGCGATGCCTTTTGGGGAAGAAGCGGCCCC
4−3)RPL34T1、及びRPL34T2のクローニング
RPL34T1、及びRPL34T2は、2−3)で作製したRPL34/pSeapIRESpuroをテンプレートとして、以下に示すプライマーセットとKOD−Plus(TOYOBO)を用いたPCRで増幅し、minelute reaction kit(QIAGEN)で精製した。CMV/pSeapIRESpuroをSpeI−NheI消化して、CMVプロモーターを取り除いた後に、SpeI−NheI部位にRPL34T1、及びRPL34T2のプロモーター領域をIn−Fusion Advantage PCRクローニングキット(Clontech)を用いて組み込み、RPL34T1/pSeapIRESpuro、及びRPL34T2/pSeapIRESpuroを構築した。クローニングしたRPL34T1、及びRPL34T2のプロモーター領域のヌクレオチド配列を配列表の配列番号8、及び配列番号9に示す。
RPL34T1のプライマーセット
RPL34T1:TTGATTATTGACTAGTGCTTCCTGGAGGTGCATTCTAAGAGCGCTCCCC
RPL34−R:GCAGCAGCATGCTAGCTCTGAGTGCCTAAATTAAGAATAGAGTAACATC
RPL34T2のプライマーセット
RPL34T2:TTGATTATTGACTAGTGTAAAGCTTGTGCTCTGAATAAATGACAAGG
RPL34−R:GCAGCAGCATGCTAGCTCTGAGTGCCTAAATTAAGAATAGAGTAACATC
(実施例5)CHO−K1ポリクローナル形質転換細胞におけるSEAP発現量を指標としたトランケート型プロモーターの活性の評価
5−1)トランスフェクション
CHO―K1細胞(ATCC)は10% Ultra−Low IgG FBS(GIBCO)を含むF−12 Nutrient Mixture培地(GIBCO)を用いて5%CO2、37℃で継代培養した。
5−2)Puromycinによる薬剤選択
トランスフェクションの2日後に、6 well plateから細胞をトリプシン処理により回収し、全量を6cm dish(Nunc)に播種するとともに培地に終濃度8 μg/mLのPuromycin(Clontech)を添加して薬剤選択を開始した。
5−3)ポリクローナル形質転換細胞株による評価
薬剤選択開始から11日後にポリクローナル形質転換細胞株をトリプシンで回収し細胞数を測定し、1×105cells/mL/wellで24 well plate(IWAKI)に播種し、24時間後に培養上清を回収し上清のSEAP活性をSensoLyte(登録商標) pNPP Secreted Alkaline Phosphatase Reporter Assay(ANASPEC)を用いて測定した。測定結果を図2に示す。各トランケート型プロモーターにおいても、対照としたCMVプロモーター(CMV/pSeapIRESpuro)のSEAP活性を上回るSEAP活性が得られ、これらのプロモーターがCMVよりも強いプロモーター活性を持つことが示された。
(実施例6)DNAエレメントの抽出
(6−1) 抗アセチル化ヒストンH3抗体を用いたクロマチン免疫沈降
抗アセチル化ヒストン抗体を用いたChIPは、下記手順によりEZ ChIP(Upstate)を用いて行った。尚、特記がない限り、下記手順の中で使用した抗体、buffer等はUpstate社製品を使用した。
次に、その上清に5M塩化ナトリウムを加えて65℃で一晩加熱し、更に、RNase Aを加えて37℃で30分間インキュベートした。0.5M EDTA、1M Tris−HCl、Ptoteinase Kを加えて45℃で2時間静置した。
最後に、Ptoteinase Kで処理した溶液の5倍量のReagentA、B、Cを加え、Spin filterによる遠心分離(10000rpm、30秒、室温)によりクロマチン免疫沈降されたDNAの精製を行った。
(6−2)マイクロアレイ解析
GenomePlex Complete Whole Genome Amplification(WGA) Kit(Sigma)を用いて、(6−1)の各ChIPサンプルの増幅を行った。手順はKit付属のSigma社のプロトコールに従って行った。
ChIPの確認を行うため、WGAにより増幅した各DNA320ngを鋳型として、下記プライマー及びSYBR(登録商標) Premix Ex TaqTM(Perfect Real Time)(TAKARA)を用いて、PCR法(95℃ 5秒、60℃ 20秒×45cycle)によりグリセルアルデヒド3リン酸脱水素酵素(glycelaldehyde−3−phosphate dehydrogenase:GAPDH)遺伝子内部の増幅を行った。なお、GAPDHは、ChIPによりDNAエレメントが濃縮されたことを確認するための陽性コントロールとなるハウスキーピング遺伝子であり、EZ ChIP(Upstate)に付属のプライマーを用いてPCR法を実施した。
5’−TACTAGCGGTTTTACGGGCG−3’
5’−TCGAACAGGAGGAGCAGAGAGCGA−3’
その結果、抗アセチル化ヒストンH3抗体で免疫沈降を行ったサンプル特異的にGAPDHの増幅が確認された(図3)。WGAによって増幅した各DNAサンプルをマイクロアレイ解析(NimbleGen)にかけることにより、Chromatin immunoprecipitation on Chip(ChIP on chip)を行った。ChIP on chipは、(6−1)で濃縮されたDNAをマイクロアレイ解析に供することによって、各DNAエレメントの同定を行う手法である。
(6−3)DNAエレメントの抽出
(6−2)から得られたChIP on chip解析結果を基に、62%以上のAT含量を有する5つの配列の抽出を行った。
A2;15番染色体(80966429〜80974878)
A7;11番染色体(88992123〜89000542)
A18;4番染色体(111275976〜111284450)
B5;1番染色体(143034684〜143043084)
C14;11番染色体(46089056〜46097482)
(実施例7)
分泌型アルカリフォスファターゼ(SEAP)の発現を指標とした、DNAエレメントの効果
(7−1)SEAP発現ベクターの構築
pSEAP2−control(Clontech)を鋳型に、下記プライマー及びKOD−plus−(TOYOBO)を用いたPCR法(94℃ 30秒、68℃ 2分×40cycle)により、SEAP遺伝子の増幅を行った。
5’−AAAGCTAGCATGCTGCTGCTGCTGCTGCTGCTGGGCC−3’
5’−AAAAGATCTTCATGTCTGCTCGAAGCGGCCGGCCGC−3’
次に、アガロースゲル電気泳動により増幅されたSEAP断片を分離後、ゲルから切り出し、QIAquick Gel Extraction Kit(Qiagen)により精製し、このDNA断片をインサートとした。インサートを制限酵素NheI、BglII、ベクターpIRES hyg3(clontech)を制限酵素NheI,BamHIで処理後、アガロース電気泳動によりそれぞれの目的断片を分離後、ゲルから切り出し、精製後に、ligation反応、transformationを行った。Ligation反応は、LigaFast Rapid DNA Ligation System(Promega)を用いて行った。Transformationは、まず、凍結しているコンピテントセルJM109(TAKARA)を融解し、その溶液にligation反応後の溶液10μlを加え、氷上で30分静置した。その後、heat shock(42℃、45秒)を行い、5分氷冷した。この菌体懸濁液に1mlのLB培地を加え、37℃で1時間振とうし、0.1mg/mlアンピシリン入りのLBプレートに播き、37℃で14〜16時間培養した。その後、アルカリ法によりLBプレート上で培養したコロニーから目的プラスミドの回収を行った。最後に、アルカリ法にて得られたプラスミド中のSEAPのポリヌクレオチド配列を決定することで、pCMV/SEAP ires Hygroを構築した。
(7−2)DNAエレメントのクローニング
次に、実施例6で抽出したDNAエレメントを、それぞれのポリヌクレオチド配列を有するバクテリア人工染色体(BAC)からBAC SUBCLONING Kit(Gene Bridges)を用いて(7−1)のSEAP発現ベクターへクローニングを行った。
A2D;
5’−GGAAATTGAGAAGTATCATTCACAACAGTACCACAAACATGAAATAAATGTGGATCCTATTAATAGTAATCAATTACG−3’
A2R;
5’−CTCATTCTGTGGGTTGTCATTTCACTTCCTTGATGCTATCCTTTCAAGCAAAATCCTAGTCAATAATCAATGTCAACG−3’
A7D;
5’−CTTATTTTCTAAGTAGTATAGACTTAATTGTGAGAACAAAATAAAAACTTGGATCCTATTAATAGTAATCAATTACG−3’
A7R;
5’−CTCTTCCCATTCTCATTTGAATCTACTTCAAAAGGTTTACCATACTAAGACCTAGTCAATAATCAATGTCAACG−3’
A18D;
5’−CGCCTGTAATCCCAGCACTTTGGGAGGCTGAGGCGGGTGGATCACCTGAGGTCGATCCTATTAATAGTAATCAATTACG−3’
A18R;
5’−CATACAGAAGCCAGTTTGAACTGAGACCTCACTCCATTTCTTACAAGTTATGCCCTAGTCAATAATCAATGTCAACG−3’
B5D;
5’−ACCGTTTTATATTGTTTAAGCATTTCCTAGACATATTTGGCTACAAATCTAGATCCTATTAATAGTAATCAATTACG−3’
B5R;
5’−GATCTTAGGGGGGCTGATTATATAAAACAATAGAAATGTAGTCTTAGATGAAACCTAGTCAATAATCAATGTCAACG−3’
C14D;
5’−CACAAAGTTCACTGTCAAGGCCAGGTGATGAGGCCCACACATGCCCGGACCTTGATCCTATTAATAGTAATCAATTACG−3’
C14R;
5’−CAAAACCTCATCTCTACTGAAAATAGAAAATTAGCTGGGCGTGGTGGCAGGTGCCCTAGTCAATAATCAATGTCAACG−3’
反応溶液の一部を用いてアガロースゲル電気泳動により増幅の確認を行った後、残りの溶液はエタノール沈殿を行い、滅菌水で溶解し、形質転換用DNAとした。
実施例6で抽出された5配列と対応するBACクローンは以下の通り。
(7−3)SEAP発現を指標とした評価
宿主細胞CHO―K1細胞(ATCC)、遺伝子導入試薬Lipofectamine2000(Invitrogen)を用いて、(7−2)で構築された各プラスミドの評価を実施した。
(実施例8)併用プロモーターの一般性
実施例7においてDNAエレメントの評価に用いたベクターのプロモーターはCMVプロモーターであったが、他の一般的なプロモーターとの併用について検討を行った。
(8−1) EF−1α及びSV40プロモーターを用いたSEAP発現ベクターの構築
pSEAP2−control(Clontech)を鋳型に、(7−1)に記載のプライマー及びKOD−plus−を用いたPCR法(94℃ 30秒、68℃ 2分×40cycle)により、SEAP遺伝子の増幅を行った。増幅されたSEAPは、(7−1)と同様の方法によりインサートとして調製した。インサートを制限酵素NheI、BglII、ベクターpIRES puro3(clontech)を制限酵素NheI、BamHIで処理し、(7−1)と同様の方法でpCMV/SEAP ires Puroを構築した。
5’−AAAACTAGTCAGAGAGGAATCTTTGCAGCTAATGGACC−3’
5’−AAAGATATCCCTAGCCAGCTTGGGTGGTACCAAGC−3’
前記で構築したpCMV/SEAP ires Puroをベクターとして、それぞれを制限酵素SpeI、EcoRVで処理し、(7−1)に記載の方法に準じてpEF/SEAP ires Puroの構築を行った。
5’−AAAACTAGTCTGTGGAATGTGTGTCAGTTAGGGTG−3’
5’−AAAGATATCAGCTTTTTGCAAAAGCCTAGGCCTC−3’
前記で構築したpCMV/SEAP ires Puroをベクターとして、それぞれを制限酵素SpeI、EcoRVで処理し、(7−1)に記載の方法に準じてpSV40/SEAP ires Puroの構築を行った。
(8−2) DNAエレメントA2又はA7のクローニング
(8−1)で構築したpEF/SEAP ires Puro及びpSV40/SEAP ires Puroを基本骨格として、DNAエレメントA2又はA7のクローニングを行った。
A2(EF/D);
5’−GGAAATTGAGAAGTATCATTCACAACAGTACCACAAACATGAAATAAATGTGCTAGTCAGAGAGGAATCTTTGCAGC−3’
A2(SV40/D);
5’−GGAAATTGAGAAGTATCATTCACAACAGTACCACAAACATGAAATAAATGTGCTAGTCTGTGGAATGTGTGTCAGTTAG−3’
A2(共通/R);
5’−CTCATTCTGTGGGTTGTCATTTCACTTCCTTGATGCTATCCTTTCAAGCAAAATTTTAAAACTTTATCCATCTTTGCA−3’
A7(EF/D);
5’−CTTATTTTCTAAGTAGTATAGACTTAATTGTGAGAACAAAATAAAAACTTGCTAGTCAGAGAGGAATCTTTGCAGC−3’
A7(SV40/D);
5’−CTTATTTTCTAAGTAGTATAGACTTAATTGTGAGAACAAAATAAAAACTTGCTAGTCTGTGGAATGTGTGTCAGTTAG−3’
A7(共通/R);
5’−CTCTTCCCATTCTCATTTGAATCTACTTCAAAAGGTTTACCATACTAAGAACTAGTTTTAAAACTTTATCCATCTTTGCA−3’
調製した形質転換用DNA及びpRed/ETを形質転換したBACを用いて、DNAエレメントA2、A7を(8−1)に記載のベクターへクローニングを行った。尚、操作は(7−2)に記載の方法に準じて行った。
(8−3) SEAP発現を指標とした評価
宿主細胞CHO―K1細胞(ATCC)、遺伝子導入試薬Lipofectamine2000(Invitrogen)を用いて、(8−2)で構築された各プラスミドの評価を実施した。
(実施例9)抗体発現を指標とした評価
(9−1)ヒト軽鎖発現ベクターpEF6KCLの構築
プラスミドpEF6/V5−HisB(Invitrogen)を鋳型として下記プライマー及びKOD−plus−を用いてPCR法を行うことにより、BGHpAの直後(Sequence Position 2174)から、SmaI(Sequence Position 2958)までのDNA断片(f1 origin of replication及びSV40 promoter and originを含むDNAフラグメント、以下、「フラグメントA」とする。なお、フラクメントAのポリヌクレオチド配列は、配列表の配列番号15に記載されている。)を取得した。
5’−CCACGCGCCCTGTAGCGGCGCATTAAGC−3’
5’−AAACCCGGGAGCTTTTTGCAAAAGCCTAGG−3’
得られたフラグメントAと、ヒトκ鎖分泌シグナル、ヒトκ鎖定常領域及びヒトpolyA付加シグナルをコードするDNA配列を含むDNAフラグメント(以下、「フラグメントB」とする)をオーバーラップPCRにより結合した。得られたフラグメントAとフラグメントBとが結合したDNA断片を制限酵素KpnI及びSmaIで消化し、制限酵素KpnI及びSmaIで消化したプラスミドpEF6/V5−HisB (Invitrogen)とライゲーションし、EF−1αプロモーターの下流にシグナル配列、クローニングサイト、ヒトκ鎖定常領域、及びヒトpolyA付加シグナル配列をもつ、ヒト軽鎖発現ベクターpEF6KCLを構築した。
(9−2)ヒト重鎖発現ベクターpEF1FCCUの構築
ヒトIgG1シグナル配列及び定常領域のアミノ酸をコードするDNA配列を含むDNA断片(このDNA断片の有するポリヌクレオチド配列は、配列表の配列番号16に記載されている)を制限酵素NheI及びPmeIで消化し、NheI及びPmeIで消化したプラスミドpEF1KCLと結合し、EF−1αプロモーターの下流にシグナル配列、クローニングサイト、ヒト重鎖定常領域、及びヒトpolyA付加シグナル配列をもつヒト重鎖発現ベクターpEF1FCCUを構築した。
(9−3)ヒト化抗体遺伝子X発現シングルベクター(ヒト化抗体遺伝子X/pEF_LHN#)の構築
(9−1)、(9−2)で構築したL鎖又はH鎖発現ベクターを結合させることにより、ヒト化抗体発現シングルベクター(pEF_LHN(可変領域なし))の構築を行った。
5’−CGCGGCCGCACTAGTGACGT−3’
5’−CACTAGTGCGGCCGCGACGT−3’
それぞれのオリゴを5pmolに希釈し、T4 Polynucleotide Kinase(TAKARA)を用いて、37℃で1時間反応後、10×H buffer(TAKARA)を添加し、96℃ 1分、室温30分の反応によりアニーリングを行った。このオリゴと、制限酵素AatII処理したベクターpEF_LHNとをligationし、transformation、アルカリ法、配列確認により、pEF_LHN#(可変領域なし)を構築した。
まず、下記プライマー及びKOD−plus−を用いてPCR法(94℃ 15秒、55℃ 30秒、68℃ 1分×30cycle)により、ヒト化抗体遺伝子XのL鎖可変領域の増幅を行った。
L鎖可変領域;
5’−AAACATATGGCGACATCCAGATGAC−3’
5’−AAACGTACGCTTGATCTCCACCTTGG−3’
増幅したL鎖可変領域断片及び汎用ベクター(pEF_LHN#(可変領域なし))を制限酵素NdeI、BsiWI処理し、アガロースゲル電気泳動による目的断片の切り出し、精製、ligation反応、transformation、アルカリ法、配列確認によりL鎖可変領域の組込みを行った。同様に、下記プライマー及びKOD−plus−を用いてPCR法(94℃ 15秒、55℃ 30秒、68℃ 1分×30cycle)により、ヒト化抗体遺伝子XのH鎖可変領域の増幅を行った。
H鎖可変領域;
5’−AAAGCTGAGCCAGGTGCAGCTGCAGG−3’
5’−AAAGCTGAGCTCACGGTCACCAGGGTTC−3’
増幅したH鎖可変領域断片及びL鎖可変領域が挿入されたベクターを制限酵素BlpIで処理し、アガロースゲル電気泳動による目的断片の切り出し、精製、ligation反応、transformation、アルカリ法、配列確認によりH鎖可変領域の組込みを行い、ヒト化抗体遺伝子X発現シングルベクター(ヒト化抗体遺伝子X/pEF_LHN#)を構築した。
(9−4) ヒト化抗体遺伝子X発現シングルベクター(ヒト化抗体遺伝子X/pCMV_LHN#)の構築
(9−3)で構築したヒト化抗体遺伝子X発現シングルベクター(ヒト化抗体遺伝子X/pEF_LHN#)をベクター基本骨格として、下記手順によってプロモーターの交換を行い、ヒト化抗体遺伝子X発現シングルベクター(ヒト化抗体遺伝子X/pCMV_LHN#)の構築を行った。
H鎖上流;
5’−CTTTTGCAAAAAGCTTCGCGTTACATAACTTACGGTAAATGGCC−3’
5’−TTCATGGTGGCGCTAGCCCGCAGATATCGATCCGAGCTCGGTA−3’
L鎖上流;
5’−TGACGTCGACAAGCTTCGCGTTACATAACTTACGGTAAATGGCC−3’
5’−CTGGATGTCGCCATATGCGCCGGAGATCCACAGCAGCAGGGAGATGAACACCTGGGTCTGCAGCACCATGGTGGCGCTAGCCCGCAGATATCGATCCGAGCTCGGTA−3’
PCR反応溶液に制限酵素DpnIを加えて37℃、1時間反応させ、miniElute reaction Cleanup kit(Qiagen)により精製を行い、In―Fusion用のサンプルとした。一方、ヒト化抗体遺伝子X/pEF_LHN#を制限酵素HindIII、NheI、NdeI、FseIで処理し、アガロースゲル電気泳動を行うことで、断片の中で大きな断片2本の分離を行った。ゲルからそれぞれを切り出し、ゲルからDNAの抽出を行い、In―Fusion用のサンプルとした。全てのIN―Fusion用サンプルを集め、In―FusionTM Advantage PCRクローニングキット(TAKARA)、transformation、アルカリ法、配列確認により、ヒト化抗体遺伝子X発現シングルベクター(ヒト化抗体遺伝子X/pCMV_LHN#)を構築した。
(9−5) DNAエレメントA7のクローニング
SEAPの発現亢進効果が認められた5種類のDNAエレメントの中からA7を選択し、抗体発現ベクターへのクローニングを行った。
ヒト化抗体遺伝子X/pEF_LHN# D;
5’−CTCTTCCCATTCTCATTTGAATCTACTTCAAAAGGTTTACCATACTAAGACTCGAGGCACTAGTGACGTCAGGTGGCACT−3’
ヒト化抗体遺伝子X/pEF_LHN# R;
5’−CTCTTCCCATTCTCATTTGAATCTACTTCAAAAGGTTTACCATACTAAGAGCACTAGTGACGTCAGGTGGCACTTTTCGG−3’
ヒト化抗体遺伝子X/pCMV_LHN# D;
ヒト化抗体遺伝子X/pEF_LHN# Dを使用。
ヒト化抗体遺伝子X/pCMV_LHN# R;
ヒト化抗体遺伝子X/pEF_LHN# Rを使用。
調製した形質転換用DNA及びpRed/ETを形質転換したBACを用いて、DNAエレメントA7を(9−3)、(9−4)記載のヒト化抗体遺伝子X発現シングルベクターへクローニングを行った。図7にベクターの概略図を示す。尚、操作は(7−2)に記載の方法に準じて行った。
(9−6)抗体発現を指標とした評価
宿主細胞CHO―K1細胞(ATCC)、遺伝子導入試薬Lipofectamine2000(Invitrogen)を用いて、(9−5)で構築された各プラスミドの評価を実施した。
結果を図8に示す。EF−1αプロモーター又はCMVプロモーターを有する抗体発現ベクターにおいて、DNAエレメントA7を持つサンプルは、no elementであるコントロールよりも大きな抗体生産亢進効果を示すことが確認された。
(実施例10)外来遺伝子発現亢進活性を示す配列長
(10−1)配列長の異なるDNAエレメントのクローニング
実施例7で用いた配列長を基に、各DNAエレメントの異なる配列長を有するベクターの構築を行った。
A2−1D;
5’−CATGCACAGATTAGCCATTTAGTACTTACTAAATCAAACTCAATTTCTGAAGTCTAGTTATTAATAGTAATCAATTACG−3’
A2−1R;
5’−CTCATTCTGTGGGTTGTCATTTCACTTCCTTGATGCTATCCTTTCAAGCAAAATTCAATAATCAATGTCAACGCGTATAT−3’
A2−2D;
5’−ACACTGGTCAAAGGGACAGGTCATTGTTATGCTGGCAATGCAGGCTGCTGAAAACTAGTTATTAATAGTAATCAATTACG−3’
A2−2R;
5’−ACTGTAGCTTCTTATTTTTTACCTGCAGTGCATTCCTGTAAAAGTAGTGTGGAGTCAATAATCAATGTCAACGCGTATAT−3’
A2−3D;
5’−CTGGAAATTGAGAAGTATCATTCACAACAGTACCACAAACATGAAATAAATGTGCTAGTTATTAATAGTAATCAATTACG−3’
A2−3R;
5’−CCAAGCTTGTCCAACCGCGGCCTGCAGGCTGCATGCAGCCTGTGAAGGCTTTGATCAATAATCAATGTCAACGCGTATAT−3’
A2−4D;
5’−TCAATCATTTATCAATTTTATCTTCAAAGTCCCTCACTTCAGGGAGATGATATACTAGTTATTAATAGTAATCAATTACG−3’
A2−4R;
5’−ATATATAAAAGTTCATGTATATATAAAATCATGCAATACACGGCCTTTTGTGACTCAATAATCAATGTCAACGCGTATAT−3’
A2−5D;
5’−CGCATAAAAGGAAAAGCATCCTTAAAATAAACACCATCAATGGCTCCTCGGTGGCTAGTTATTAATAGTAATCAATTACG−3’
A2−5R;
A2−4Rを使用。
A2−6D;
5’−GGGAGGCTACAGCTTGCCTCTCTAACCACTAAAAGGCATGACCCTCCTCAAAGCTAGTTATTAATAGTAATCAATTACG−3’
A2−6R;
A2−4Rを使用。
A2−7D;
5’−TCTGGCTTCCCTGGGCCACGCTGGAAGAAGAATTGTCTTGCGCCACACATAAAACTAGTTATTAATAGTAATCAATTACG−3’
A2−7R;
5’−AGCTGATTTTTACGTTAAATGTAACATGTAAAGAAATATATGTGTGTTTTTAGATCAATAATCAATGTCAACGCGTATAT−3’
A2−8D;
5’−GTGAAGAGGAGGAGATGTCAAAATTCAAAGTCTTAAATGATGTAGTTTTAAGTACTAGTTATTAATAGTAATCAATTACG−3’
A2−8R;
5’−ATGACACTTGATATTGTTGTTTATATTGCTGGTTAGTATGTGCCTTCATTTACCTCAATAATCAATGTCAACGCGTATAT−3’
A2−9D;
A2−6Dを使用。
A2−9R;
A2Rを使用。
A2−10D;
A2−2Dを使用。
A2−10R;
A2−7Rを使用。
A2−11D;
A2−8Dを使用。
A2−11R;
A2−2Rを使用。
A2−12D;
A2−2Dを使用。
A2−12R;
A2−4Rを使用。
A2−13D;
A2−8Dを使用。
A2−13R;
A2−7Rを使用。
A2−14D;
A2Dを使用。
A2−14R;
A2−2Rを使用。
A2−15D;
A2−2Dを使用。
A2−15R;
A2Rを使用。
A2−16D;
A2−8Dを使用。
A2−16R;
A2−4Rを使用。
A2−17D;
A2Dを使用。
A2−17R;
A2−7Rを使用。
A7−1D;
5’−AAAAACAAAACTGGAGTAAACAAGATGAATTGTTTTAATAGAGGCACTGTATTACTAGTTATTAATAGTAATCAATTACG−3’
A7−1R;
5’−ATACAATGTTCCATGTATTCTGTGCCTGAACCTATGCAGCTGATGTAGCTGAAGTCAATAATCAATGTCAACGCGTATAT−3’
A7−2D;
5’−GATCTTATTTTCTAAGTAGTATAGACTTAATTGTGAGAACAAAATAAAAACTTGCTAGTTATTAATAGTAATCAATTACG−3’
A7−2R;
5’−TGTTGTTTTCAGCCACTAAGTTTGAGGTGATTTGTTCTGGCAGTCCTAGGAAACTCAATAATCAATGTCAACGCGTATAT−3’
A7−3D;
A7−2Dを使用。
A7−3R;
5’−AGCCTACACTACCCTTTGCAGCCTTTGGTAACTATCCTTCTGCTGTCTACCTCCTCAATAATCAATGTCAACGCGTATAT−3’
A7−4D;
5’−AGGAGCTCCTGAATGAAGGACATCACTCAGCTGTGTTAAGTATCTGGAACAATACTAGTTATTAATAGTAATCAATTACG−3’
A7−4R;
5’−GACATAAAATGTAAGATATGATATGCTATGTAAGATATGATACCTGCCTTAAAATCAATAATCAATGTCAACGCGTATAT−3’
A7−5D;
5’−CACTGCTTGATACTTACTGTGGACTTTGAAAATTATGAATGTGTGTGTGTGTGTCTAGTTATTAATAGTAATCAATTACG−3’
A7−5R;
5’−CAATTACATTCCAGTGATCTGCTACTTAGAATGCATGACTGAACTCCTGGGTGGTCAATAATCAATGTCAACGCGTATAT−3’
A7−6D;
5’−TTATTTTGAAGAGAAACTCCTGGTTCCCACTTAAAATCCTTTCTTGTTTCCAAGCTAGTTATTAATAGTAATCAATTACG−3’
A7−6R;
5’−AAGCAGTGTGTGTTTACCTGCATGTGTATGTGAATTAACTCTGTTCCTGAGGCATCAATAATCAATGTCAACGCGTATAT−3’
A7−7D;
5’−ATTGCATGTTCTCATTTATTTGTGGGATGTAAAAATCAAAACAATAGAACGTATCTAGTTATTAATAGTAATCAATTACG−3’
A7−7R;
5’−TTGGGAGGCCGCAGCTGGTAGATCACTTGAGGCCACGAATTTGACACCAGCAGGTCAATAATCAATGTCAACGCGTATAT−3’
A7−8D;
A7−1Dを使用。
A7−8R;
A7Rを使用。
A7−9D;
A7−7Dを使用。
A7−9R;
A7−5Rを使用。
A7−10D;
A7−4Dを使用。
A7−10R;
A7−7Rを使用。
A7−11D;
A7−6Dを使用。
A7−11R;
A7−4Rを使用。
A7−12D;
A7−2Dを使用。
A7−12R;
A7−6Rを使用。
A7−13D;
A7−7Dを使用。
A7−13R;
A7Rを使用。
A7−14D;
A7−4Dを使用。
A7−14R;
A7−5Rを使用。
A7−15D;
A7−6Dを使用。
A7−15R;
A7−7Rを使用。
A7−16D;
A7−2Dを使用。
A7−16R;
A7−4Rを使用。
A7−17D;
A7−4Dを使用。
A7−17R;
A7Rを使用。
A7−18D;
A7−6Dを使用。
A7−18R
A7−5Rを使用。
A18−1;
5’−ATCCCCTGCTCTGCTAAAAAAGAATGGATGTTGACTCTCAGGCCCTAGTTCTTGATCCTATTAATAGTAATCAATTACG−3’
A18−1R;
A18Rを使用。
A18−2D;
5’−CTAAAGTGCTGGGATTACAGGCATAAGCCACCGTGCCCGGCTGGAGCATTGGGATCCTATTAATAGTAATCAATTACG−3’
A18−2R;
5’−ACTACTTACACATTTCGAGTTTTAAATAAGGCGTTCAATATAGAGTGAACACCTAGTCAATAATCAATGTCAACG−3’
A18−3D;
5’−CAGGCATAAGCCACCGCACCCGGCCACCCCTTACTAATTTTTAGTAACGTCGATCCTATTAATAGTAATCAATTACG−3’
A18−3R;
5’−CTGATTGACTTTGACCTCTGCTTTCCAACTTTGCCCCAAAGAAAGTTAGTCACCTAGTCAATAATCAATGTCAACG−3’
A18−4D;
A18−3Dを使用。
A18−4R;
5’−TTCAATGAAACAAGCTCTGTGAGGCTCATTTGTACCCATTTTGTTCAGTACTGCCTAGTCAATAATCAATGTCAACG−3’
B5−1D;
5’−ACATACCCAGAGACACTGAGAGAGACAGACAGACAGTAAACAGAGGAGCACGATCCTATTAATAGTAATCAATTACG−3’
B5−1R;
B5Rを使用。
B5−2D;
5’−GCTCAATTGTATCTTATGAAAACAATTTTTCAAAATAAAACAAGAGATATGATCCTATTAATAGTAATCAATTACG−3’
B5−2R;
B5Rを使用。
B5−3D;
5’−CCTGTGCTGAATACCGTCTGCATATGTATAGGAAAGGGTTAACTCAGCAGGGATCCTATTAATAGTAATCAATTACG−3’
B5−3R;
5’−TATGTGAATGGAAATAAAATAATCAAGCTTGTTAGAATTGTGTTCATAATGACCCTAGTCAATAATCAATGTCAACG−3’
B5−4D;
B5Dを使用。
B5−4R;
5’−GAAAGTCTACAATTTTTTCAGTTTAAAATGGTATTTATTTGTAACATGTACCCTAGTCAATAATCAATGTCAACG−3’
B5−5D;
B5−1Dを使用。
B5−5R;
5’−CAAAGATGAAGGATGAGAGTGACTTCTGCCTTCATTATGTTATGTGTTCATATCCTAGTCAATAATCAATGTCAACG−3’
B5−6D;
5’−CAGTGAATTATTCACTTTGTCTTAGTTAAGTAAAAATAAAATCTGACTGTGATCCTATTAATAGTAATCAATTACG−3’
B5−6R;
5’−GAACAGACAGGTGAATGAGCACAGAGGTCATTTGTAAACCGTTTGTGGTTAGCCTAGTCAATAATCAATGTCAACG−3’
C14−1D;
5’−CTTTTTGGCTTCTGTGTTTAAGTTATTTTTCCCCTAGGCCCACAAACAGAGTCGATCCTATTAATAGTAATCAATTACG−3’
C14−1R;
5’−AACCTTGGAAAAATTCTGTTGTGTTTAGAAGCATGTACCAATCTATCACTCCTAGTCAATAATCAATGTCAACG−3’
C14−2D;
5’−CTATTCACTGTCTGTAGGATGAAAAAGTTAATAACACCCTGAGAGGTTTCGATCCTATTAATAGTAATCAATTACG−3’
C14−2R;
5’−CCTTAGATTAGTTTATTGTATTTTTTATCAGCTACTATAAGGTTTACACACCCTAGTCAATAATCAATGTCAACG−3’
C14−3D;
5’−CAAGACCCTCAAAATTCAAAAATTTCCTTTATCTTGCTGTAGCACCTCCTGCGATCCTATTAATAGTAATCAATTACG−3’
C14−3R;
5’−GGAGGGGATAGGAAGGGGATGAGGCCTAACAGGTTGATGATCTAGGCTTTACCTAGTCAATAATCAATGTCAACG−3’
C14−4D;
5’−CTCAAAAAGGAGATAATTCCAGCCCCTCGCCTTAAAGAATCCCTATCAAGTGATCCTATTAATAGTAATCAATTACG−3’
C14−4R;
C14−1Rを使用。
C14−5D;
5’−CGCTTGAACCTGGGAGGCAGAGGTTGCAGTGAGCCGAGATCACGCCGTTGGATCCTATTAATAGTAATCAATTACG−3’
C14−5R;
C14−1Rを使用。
C14−6D;
C14−4Dを使用。
C14−6R;
5’−TTAACTTTTTCATCCTACAGACAGTGAATAGTAAAGCTTTCTGTGAAGACATACCCTAGTCAATAATCAATGTCAACG−3’
C14−7D;
C14−2Dを使用。
C14−7R;
C14−1Rを使用。
C14−8D;
C14−3Dを使用。
C14−8R;
5’−AAATTATTTCCTGGTGGGCAATATTAGAATATGGGGAATGTTTGCTTCTGAGCCTAGTCAATAATCAATGTCAACG−3’
C14−9D;
C14−4Dを使用。
C14−9R;
C14−3Rを使用。
C14−10D;
C14−2Dを使用。
C14−10R;
C14Rを使用。
C14−11D;
C14−3Dを使用。
C14−11R;
C14−2Rを使用。
C14−12D;
C14−4Dを使用。
C14−12R;
C14−8Rを使用。
C14−13D;
C14−3Dを使用。
C14−13R;
C14−1Rを使用。
C14−14D;
C14−4Dを使用。
C14−14R;
C14−2Rを使用。
(10−2)配列長の異なるDNAエレメントの評価
宿主細胞CHO―K1細胞(ATCC)、遺伝子導入試薬Lipofectamine2000を用いて、(10−1)で構築された各プラスミドの評価を実施した。
(実施例11)CHO細胞以外での効果
実施例7〜10における評価細胞にはCHO細胞が用いられてきたが、CHO細胞以外の細胞株としてHEK293細胞を選択した。HEK293細胞は10%FCS入りのDMEM培地(Invitrogen)を用いて37℃、5%CO2存在下で静置培養を行い、遺伝子導入前日に一定細胞数を6穴プレートに播種した。(8−2)で構築された各DNAエレメントを有するSEAP発現ベクターの評価を行うため、各プラスミド及び遺伝子導入試薬Lipofectamine2000(Invitrogen)を用いて遺伝子導入を行い、遺伝子導入2日後からhygromycinによる薬剤選択を約2週間行い、ポリクローナル安定発現株の樹立を行った。樹立された細胞株は、測定前日に培地交換後に一定細胞数を24穴plateに播種し、播種24時間後に培養上清の回収を行い、SEAP活性の測定を行った。培養上清中のSEAP活性は、SensoLyteTM pNPP Secreted Alkaline Phosphatase Reporter Assay(ANASPEC)を用いて、測定した。
Claims (17)
- 配列表の配列番号1に記載のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド。
- 請求項1に記載のヌクレオチド配列に対して95%以上同一性を有するヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドであって、プロモーター活性を有するポリヌクレオチド。
- 請求項1に記載のヌクレオチド配列に対して99%以上同一性を有するヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドであって、プロモーター活性を有するポリヌクレオチド。
- 請求項1に記載のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチドであって、プロモーター活性を有するポリヌクレオチド。
- 請求項1乃至4のいずれか一つに記載のポリヌクレオチドを含むことからなる、外来遺伝子発現ユニット。
- 外来遺伝子が多量体蛋白質をコードする遺伝子である、請求項5に記載の外来遺伝子発現ユニット。
- 外来遺伝子がヘテロ多量体蛋白質をコードする遺伝子である、請求項5に記載の外来遺伝子発現ユニット。
- 外来遺伝子が抗体又はその機能性断片をコードする遺伝子である、請求項5に記載の外来遺伝子発現ユニット。
- 請求項5乃至8のいずれか一つに記載の外来遺伝子発現ユニットを含む外来遺伝子発現ベクター。
- 請求項5乃至8のいずれか一つに記載の外来遺伝子発現ユニット及び下記A群の(1)乃至(9)に記載のポリヌクレオチドから選択されるいずれか一つ又は複数のポリヌクレオチドを含む外来遺伝子発現ベクター。
A群
(1)配列表の配列番号10に記載のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド。
(2)配列表の配列番号11に記載のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド。
(3)配列表の配列番号12に記載のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド。
(4)配列表の配列番号13に記載のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド。
(5)配列表の配列番号14に記載のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド。
(6)配列表の配列番号10乃至14のいずれか一つに記載のヌクレオチド配列のうち少なくとも3000の連続するヌクレオチドを含むポリヌクレオチド。
(7)配列表の配列番号10乃至14のいずれか一つに記載のヌクレオチド配列のうち少なくとも2000の連続するヌクレオチドを含むポリヌクレオチド。
(8)上記(1)乃至(7)のいずれか一つに記載のヌクレオチド配列に対して95%以上同一性を有するポリヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドであって、外来遺伝子発現亢進活性を有するポリヌクレオチド。
(9)上記(1)乃至(7)のいずれか一つに記載のヌクレオチド配列に対して99%以上同一性を有するヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドであって、外来遺伝子発現亢進活性を有するポリヌクレオチド。 - 請求項9又は10に記載の外来遺伝子発現ベクターが導入された形質転換細胞。
- 請求項9又は10に記載の外来遺伝子発現ベクターとエレメントベクターが導入された形質転換細胞。
- 細胞が哺乳動物由来の培養細胞である、請求項11又は12に記載の形質転換細胞。
- 哺乳動物由来の培養細胞が、COS−1細胞、293細胞、又はCHO細胞である、請求項13に記載の形質転換細胞。
- 請求項11乃至14のいずれか一つに記載の形質転換細胞を培養し、培養物から外来遺伝子由来の蛋白質を取得することを特徴とする、該蛋白質の製造方法。
- 形質転換細胞において外来遺伝子を発現させることを目的とする、請求項1乃至4のいずれか一つに記載のポリヌクレオチド配列の使用。
- 形質転換細胞において外来遺伝子を発現させることを目的とする、請求項9又は10に記載の外来遺伝子発現ベクターの使用。
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