JP6024207B2 - 自動車のフロントピラー設計支援システム - Google Patents

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Description

本発明は、自動車のフロントピラー設計支援システムに関するものである。
自動車においては、車両の軽量化、空力改善、独自デザイン実現等のために、車室内空間がコンパクト化され易いものとなっており、これに伴って乗員に与える車室内における圧迫感が課題となる。よって、乗員が感じる領域で、絶対空間が狭くても広々とした感じの車室内空間を形成することが望まれることになる。特に、フロントピラー(Aピラーとも呼ばれる)は、運転者からの視野に対して妨害角を形成すると共に運転者に接近していることから、ピラートリムを含むフロントピラーを目視した際に、車室内空間の広々さというものが阻害されないようにすることが重要となる。
特許文献1には、フロントピラーの圧迫感をシュミレータで評価するシステムが提案されている。特許文献2には、断面形状が台形とV字形状との間の形状となるようにしたフロントピラー構造が開示されている。
特開2005−242463号公報 特開平10−310010号公報
特許文献1に記載のものでは、評価対象となるフロントピラーを設定した後に、官能評価するものであり、評価に多大な時間を要すると共に、評価の精度にばらつきを生じやすいものとなる。また、評価対象となるフロントピラーは、例えばデザインや断面積の大きさ等の観点から設定されていて、乗員に与える圧迫感という観点からは設定されたものではないため、広々感が得られるような最終的なフロントピラーの断面形状の決定までに、評価対象となるフロントピラーそのものを試行錯誤して多数設定する必要があった。また、特許文献2のものでは、車両衝突時のエネルギを効果的に吸収するという観点からなされたもので、フロントピラーが乗員に与える圧迫感ということは認識されていない。
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、乗員からの距離と太さとが同じフロントピラーであっても、乗員に与える圧迫感を軽減して広々感が得られるようにした自動車のフロントピラー構造を、官能評価に依存することなく安定して設計できるようにした自動車のフロントピラー設計支援システムを提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明にあっては、基本的に、乗員がフロントピラーから受ける広々感(逆に言えば圧迫感)が、基本的に、乗員からの距離と見かけ長さ(見かけの幅)と奥行き感とに依存することに着目してなされたもので、特に奥行き感と見かけ長さとの調和点を見いだすことにより、フロントピラーが与える圧迫感を低減して広々感を向上するようにしたものである。特に本発明では、フロントピラーが上下方向において乗員つまりアイポイントからの距離が異なることを考慮して、上記見かけ長さと奥行き感とを調和させるようにしてある。
記目的を達成するため、本発明にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、請求項に記載のように、
運転席近傍に配設されたフロントピラーによって、運転者の視野に対して、運転者のアイポイントを中心として伸びる前側境界視線と後側境界視線とのなす角度となる妨害角が形成されると共に、上下方向において該アイポイントからの距離が異なるようにされた自動車のフロントピラーを設計する際の基準モデルを提供するようにした自動車のフロントピラー設計支援システムであって、
前記基準モデルについて、前記アイポイントから前記フロントピラーを見たときに、該フロントピラーの乗員対面の見かけの幅の端部位置を決定する前記前側境界視線上における前側コーナ部と前記外側境界視線上における後側コーナ部とが設定され、
前記基準モデルは、前記前側境界視線上において前記アイポイントからもっとも離れた見かけ長さが最大となる最大見かけ長さ位置と、前記前側境界視線上において、前記アイポイントからの距離が、前記外側境界視線上における前記アイポイントから前記後側コーナ部までの距離と同じに設定されて見かけ長さが最小となる最小見かけ長さ位置との間に、前記前側コーナ部が位置設定され、
前記基準モデルは、前記フロントピラーのうち前記アイポイントに近い部位が遠い部位に比して、前記該前側コーナ部の前記後側コーナ部に対する相対位置が前記アイポイントから遠くなるように前記前側コーナ部が位置設定されている、
ようにしてある。
記解決手法によれば、乗員に与える圧迫感を軽減して広々感が得られるようにしたフロントピラー構造を、官能評価に頼ることなく安定して提供できる。とりわけ、基準モデルによって乗員対面となる前側コーナ部と後側コーナ部との位置が特定されるので、あとはデザインや所望断面積等の要請から最終的な断面形状を決定するだけでよく、安定して、広々感が得られフロントピラー構造を設計することができる。また、広々感を得つつ他の機能要求等に対応するための対策を行なう上でも好ましいものとなる。なお、アイポイントとフロントピラーとの距離の相違に応じて前側コーナ部の位置を変更することにより、フロントピラーの見かけ長さと奥行き感とが適度に調和されて、圧迫感を受けないで広々感を得ることができる。特に、アイポイントからの距離が近い部位では、見かけ長さよりも距離で圧迫感を感じるため、前側コーナ部を相対的にアイポイントから離れる方向に位置させることにより奥行き感を強調して、広々感を向上せることができる。
記解決手法を前提とした好ましい態様は、請求項以下に記載のとおりである。すなわち、
前記基準モデルと設計者により作成されたフロントピラーの設計モデルとの差異が設計者に提供される、ようにしてある(請求項対応)。この場合、フロントピラーに要求される太さ(断面積)と広々感とを両立できる形状を、立体的に容易に検討できる。また、広々感が得られるフロントピラーを得るための今後の設計に役立てる上でも好ましいものとなる。
設計者により作成されたフロントピラーの設計モデルについての広々感指数を、見かけ長さ指数と奥行き感指数とをパラメータとして決定して、設計者に報知する、ようにしてある(請求項対応)。この場合、広々感指数によって、広々感を数値的に設計者に知らせることができる。また、広々感指数は、見かけ長さ指数と奥行き感指数とをパラメータとして設定されて、被験者による広々感評価との相関性が極めて高く、信頼性の高いものとなる。
前記奥行き感指数が、前記乗員対面と前記アイポイントとの距離が大きいほど悪くなるように補正される、ようにしてある(請求項対応)。この場合、距離が遠くなるほど奥行き感に対する乗員の感度が小さくなるので、距離に応じて奥行き感指数を補正することにより、広々感指数をより適切なものとすることができる。
本発明によれば、上下方向においてアイポイントとの距離が異なるフロントピラーにおいて、広々感を得ることのできる自動車のフロントピラー構造を、官能評価によることなく安定して設計することができる。
本発明が適用された車両の一例を示す要部側面図。 図1の要部平面図。 図1の要部正面図。 第1点〜第5点の設定を説明するための説明図。 見かけ長さと奥行き感とを決定する際の説明図。 見かけ長さと奥行き感とを決定する際の説明図で図4に対応した図。 第4点の設定による広々感をシュミレータによって評価する様子を示す図。 見かけ長さ指数と奥行き感指数と距離との関係を示す図。 第4点の設定位置を変更した場合における広々感指数と広々感評価との関連を示す図。 第4点の設定位置を変更した場合における乗員からフロントピラーを見たときの状態を簡略的に示す説明図。 本発明により第4点を位置設定したときに、アイポイントと同一高さ位置でかつアイポイントからの視線方向での断面形状を示す図。 図11の断面形状を、フロントピラーの長手方向と直交する方向で断面した断面形状を示す図。 見開き角の相違に応じた第4点の好ましい位置設定を示す図。 フロントピラーの乗員への距離変化に応じた第4点の好ましい位置設定を示す図。 前方に向かうほど見かけ長さを短くした場合の説明図。
まず、図1〜図9を参照しつつ、広々感を得るようにするための形状設定の仕方について説明する。
図1において、Vは自動車(車両)の前部を示し、実施形態では乗用車あるいはワゴン車の前部とされている。車両Vのフロントピラー(Aピラー)が符合1で示され、ルーフが符合2で示され、フロントウインドガラスが符合3で示され、前サイドドアが符合4で示され、前サイドドア4に装備されたサイドウインドガラスが符合5で示される。フロントピラー1は、上方に向かうにつれて後方に位置するように大きく傾斜設定されている(図1参照で、前下がりあるいは後上がりの傾斜設定)。また、フロントピラー1は、上方に向かうにつれて徐々に車幅方向内方側に向かうように若干傾斜されている(図3参照)。
乗員としての運転者が符合Hで示され、そのアイポイント(左右両眼の中心位置)が符合Eで示される。アイポイントEの位置は、乗員Hが標準体格を有する男性を想定して設定されている(いわゆるAM50規格の体格)。
図4に示すように、ピラートリムを有するフロントピラー1は、アイポイントEから目視した際に、妨害角を形成することになる。つまり、フロントピラー1とフロントウインドガラス3との境界付近をアイポイントEと結ぶ線を前側境界視線αとし、フロントピラー1とサイドウインドガラス5の前端との境界付近をアイポイントEと結ぶ線を外側境界視線βとしたとき、この両線αとβとによってなす角度が妨害角となる。
また、アイポイントEから正面視したときの視線をγとして、この正面視での角度を0度としたとき、フロントピラー1の前端部によって視線を妨げられ始める前側境界視線αまでの角度、つまり正面視線γと外側境界視線αとのなす角度が見開き角となる。図2に、フロントピラー1が実線と一点鎖線で2種類示してあるが、フロントピラー1が車幅方向外側にいくほど見開き角が大きくなる。また、車幅方向外側位置が同じ場合には、フロントピラー1が後方に位置されるほど見開き角が大きくなる。
次に、図4を参照しつつ、フロントピラー1の断面形状の設定について説明する。まず、前側境界視線α上において、フロントピラー1とフロントウインドガラス3との境界付近に第1点(第1コーナ部)C1が設定される。この第1点は、主として、フロントウインドガラス3の車幅方向端部位置に基づいて設定される。また、後側境界視線β上において、フロントピラー1とサイドウインドガラス5との境界付近に第2点(第2コーナ部)C2が設定される。第2点C2は、フロントウインドガラス3の車幅方向端部位置と、前サイドドア4(のサイドウインドガラス5)の前端部位置と前後方向距離に基づいて決定される。そして、外側境界視線β上でかつアイポイントEに近い側に、第3点(第3コーナ部で、後側コーナ部となる)C3が設定される。第3点は、前サイドドア4の車幅方向幅を考慮して設定される。
前側境界視線α上において、アイポイントEに近い側に第4点(第4コーナ部で前側コーナ部となる)C4が設定される。また、前側境界視線α上において、第4点C4よりもさらにアイポイントEに近い側に、第5点(第5Cコーナ部)C5が想定される。前側境界視線α上におけるアイポイントEから第5点C5までの距離は、外側境界視線β上におけるアイポイントEから第3点C3までの距離と等距離に設定される。図4では、前側境界視線α上において、第4点C4が、第1点C1と第5点C5とのほぼ中間に位置設定された場合が示される。
ピラートリムを含むフロントピラー1は、その断面形状が、第1点C1から、第2点C2、第3点C3、第4点C4を通って第1点C1に戻る形状であり、台形形状となる。第1点C1と第2点C2とを結ぶ第1の面M1が、フロントピラー1の外形形状を決定し、外形デザイン上もっとも重要な面となる。第2点C2と第3点C3とを結ぶ第2の面M2が、前サイドドア4の幅に対応して、第1の面M1と共に基本的な断面積決定用となる。第3点C3と第4点C4とを結ぶ第3の面M3が、アイポイントEからもっともよく見える面つまり乗員対面となり、圧迫感や広々感に与える影響が大きい面となる。この第3の面M3は、通常ピラートリムによって覆われており、第3の面M3はピラートリムを含むものとされる。第4点C4と第1点C1とを結ぶ面が第4の面M4とされるが、アイポイントEからは死角領域となる面となる。なお、上記各面M1〜M4は、直線、曲線、凹凸を有する面等、適宜選択できるものである。
ここで、車室内空間において、アイポイントEから近距離に存在する物体としてのフロントピラー1を目視した際に、広々感に与える要素として、フロントピラー1までの距離、フロントピラーの1の形状、アイポイントEからの正面視したときの見開き角、妨害角(投影面積)、色、明度等が考えられる。形状による広々感を検討するため、見開き角、妨害角、色、明度は一定として考える。
広々感に与える影響を考察するため、比較のために3つの断面形状(A〜Cの3つの案)を設定する。A案となる第1の断面形状は、第1点C1から、第2点C2、第3点C3を通って第1点C1に戻る形状であり、三角形状となる。このA案は、アイポイントEからの距離が最大で、第4点C4を第1点C1に一致させた断面形状ともいえ、断面積最小となる。
B案となる第2の断面形状は、第1点C1から、第2点C2、第3点C3、第5点C5を通って第1点C1に戻る形状であり、略台形形状となる。このB案は、アイポイントEからの距離が最小で、第4点C4を第5点C5に一致させた断面形状ともいえ、断面積最大となる。
C案となる第3の断面形状は、前述した本発明による設定で、第4点C4が第1点C1と第5点C5とのほぼ中間に位置設定した場合で、第1点C1から、第2点C2、第3点C3、第4点C4を通って第1点C1に戻る形状である。このC案は、略台形形状となり、第1の断面形状と第2の断面形状との中間の断面積を有する設定となる。
B案(第2の断面形状)は、A案(第1の断面形状)に対して、死角領域があり、アイポイントEから見た見かけ長さが短いものとなる。この見かけ長さの短さが、フロントピラー1の存在を小さく見せさせると考えられる。この見かけ長さSの指標を、左右上下の形状変化を考慮して、次式(1)のように設定する。なお、数式(1)に示す各種パラメータの意味は、図5,図6に示すとおりである。
Figure 0006024207


B案(第2の断面形状)は、A案(第1の断面形状)に対して、フロントピラー1がアイポイントEからの視線に対してほぼ面直にあり、フロントピラー1に対する視線の進入角度が大きくなる。これによりアイポイントEに対して前後の奥行き感(立体感)が無くなり、フロントピラー1までの距離感を変えていると考えられる。つまり、この奥行き感θの指標を、前述したのよう同様に左右、上下の形状変化を考慮して、次式(2)のように設定する。
Figure 0006024207


奥行き感は、フロントピラー1とアイポイントEとの距離が遠いほど鈍感になる。よって、奥行き感指数θは、上記距離が大きくなるほど悪くなる(大きくなる)ように補正するのが好ましい。すなわち、例えば補正係数をk(0<k≦1)として設定し、補正後の奥行き感指数をθ×kとし、上記距離が大きくなるほど補正係数kが大きくなるように設定すればよい。
広々感指数は、フロントピラー1までの距離と相関して変化する。見かけ長さ指標Sは、フロントピラー1までの距離が短いほど小さくなり、フロントピラー1の存在を小さく見えさせて、広々感を増大させると考えられる。この一方、奥行き感指数θは、距離が短いほど大きくなり、奥行き感が無くなり、広々感を阻害すると考えられる。つまり、この2つの指標Sとθとは相反する指標となる。よって、この2つの指標Sとθとが交錯する付近が、もっとも広々感を感じると考えられる。つまり、広々感指数=見かけ長さ指数S×奥行き感指数θに依存するものと考えることができる。なお、この広々感指数は、上述の積に限らず、見かけ長さ指数Sと奥行き感指数θにそれぞれ重みを付加した和としてとらえることも可能である。
上記A案〜C案の3つの断面形状について、シュミレータを用いて広々感についての官能評価を行った。このシュミレータは、被験者の視線を計測する視線計測部と、3D画像を提示する表示部とからなる。表示部での3D画像の提示のために、CAVE多面立体視表示システム(SCSK社製、没入型、VR、スクリーン:2.1m四方、5面)を用いた。なお、3D画像では、被験者の頭部を光学式モーションキャップチャカメラ(VICON社製、サンプリング:60Hz)によってトラッキングされた被験者の視点に応じて画像が歪みなく提示される。被験者から見たフロントピラー1の画像事例が図7に示される。
被験者11名で広々感の評価試験を行ったところ、広々感の評価のもっとも高いのは、第4点C4を第12点C1と第5点C5のほぼ中間に位置したC案(第3の断面形状)であった。また、見かけ長さ指数Sと奥行き感指数θで指数化した広々感指数が、被験者による官能評価の結果と相関性の高いことが確認された(図9参照)。このように、アイポイントEからフロントピラー1までの距離が近づいても、奥行き感指数θと見かけ長さ指数Sの関係を基に形状工夫することにより、広々感を与えることができる。また、広々感指数が高ければ高いほど広々感が高まっていることから、この広々感指数を基に、広々感を最大化できる形状予測を行うことができる。なお、第4点C4の設定位置となる第1点C1と第5点C5のほぼ中間位置は、丁度真ん中となる中間位置そのものに限らないものであり、上記中間位置そのものに対して、第1点C1と第5点C5との距離の例えば10〜15%程度ずれた範囲をも含むものである。
図11、図12は、第4点C4を第1点C1と第5点C5とのほど中間に設定した場合(C案で、第3の断面形状)の具体例を示す。なお、図11は、アイポイントEの高さ位置でフロントピラー1を水平に断面した断面形状を示し、図12は、図11の断面形状部分においてフロントピラー1の長手方向と直交する方向での断面形状を示す。この図11、図12において、フロントピラー1のうち、ピラーアウタが符合11で示され、ピラーインナが符合12で示され、ピラートリムが符合13で示される。第4点C4が、第1点C1と第5点C5とのほぼ中間に位置することにより、例えば第4点C4を第1点C1により近い側に設定した一点鎖線の場合に比して、断面積を大きくすることができ、この大きくされた断面積を有効に利用して、ピラートリム13内に例えばカーテンエアバッグ等を配設することができる。
フロントピラー1は、傾斜設定等によって、その長手方向において見開き角が相違することが多いものである。図13に示すように、見開き角の相違に対応して、見開き角が小さいほど、第4点C4の位置を、基準位置となる第1点C1と第5点C5とのほぼ中間位置よりも第1点C1に近づけた設定とするのが好ましい。すなわち、見開き角が小さいほど、前後距離に対して敏感になることから、奥行き感を強調した設定とするのが好ましい。
フロントピラー1は、傾斜設定等によって、アイポイントEに対して、下側が車幅方向外側に位置し、上側が車幅方向内側に入る設定とされることが多い。このようなフロントピラー1の長手方向(上下方向)における車幅方向位置の相違に応じて、第4点C4の位置を変更するのが好ましい。すなわち、車幅方向内側に入るほど前後距離に対して敏感になるため、この敏感になるフロントピラー1の上側ほど第4点C4を第1点C1に近づけた設定とするのが好ましい(奥行き感を強調する)。
ここで、第4点C4の設定に際しては、次のように行うのが好ましいものである。まず、アイポイントEから正面視したときに、運転者の両眼での左右方向の周辺視野(正面視を0度としたときに、20度〜24度の範囲)付近では、フロントピラー1の存在が特に気になる領域となる。よって、この周辺視野付近では、フロントピラー1の存在感を極力低減するために、他の領域に比して、見かけ長さが小さくなるように設定する(第4点C4を第5点C5に近づける)のが好ましい。
また、フロントピラー1のうち、アイポイントEからの正面視において上下方向の周辺視野やその外側の視野となる部位は、フロントピラー1の存在が殆どあるいは全く気にならない部位となる。よって、フロントピラー1のうち上下方向の周辺視野からその外側の視野となる部位での第4点C4の位置を、上下方向中心視野となる部位での第4点C4の位置に比して、第5点C5に近い位置となるように設定するのが好ましい(より大きな断面積の確保)。
フロントピラー1は、特に空気抵抗低減のために、下方に向かうにつれて徐々に前方へ位置される前下がり(後上がり)に傾斜設定されることが一般的である。この場合、車体への連結部位となるフロントピラー1の下端部は特に大きな断面積を確保することが望まれる。また、このようなフロントピラー1の下端部は、アイポイントEからの距離が遠いものとなり、奥行き感に対して鈍感となる。よって、フロントピラー1の下方に向かうにつれて徐々に第4点C4をアイポイントE(第5点C5)に近づけるように変化させる設定とすることにより、フロントピラー1が下方に向けて先細に見えることとなって、広々感が得られると共に、下端部分での断面積も十二分に確保することができる。図15実線は、下方に向かうにつれて徐々に第4点C4をアイポイントEに接近させた場合の形状例を簡略化して示すものである。図15一点鎖線は、第4点C4の位置を一定とした場合の比較例を示し、フロントピラー1の下端部分が相当に太くなって、実線の場合に比して広々感が阻害されるものとなる。
また、フロントピラー1の下端部を極端に前方に配置する車両においては、この下側部位に対し、上側が車幅方向内側に入る設定であっても、フロントピラー1は、見かけ上アイポイントEに対して下側が上側よりも車幅方向内側に見えることがある。そうすると、上述のように内側ほど距離に対して敏感であるという知見に基づくと、この距離に敏感になるフロントピラー1の下側ほど第4点C4を第1点C1に近づけた設定とするのが好ましい(奥行き感を強調する)ことになるが、もう1つの知見であるアイポイントEからの距離が遠いものとなり、奥行き感に対して鈍感となることを考慮し、下方に向かうにつれて徐々に第4点C4をアイポイントEに接近させた場合の形状にして広々感を向上させる、あるいはその中間の形状(フロントピラー1の下部を略同一形状とする)ほうが、フロントピラー1の断面積と広々感を両立できるので好ましい。
次に、フロントピラーの設計支援システムについて説明するが、この設計支援システムでは、前述したような前側コーナ部となる第4点C4の位置を設計者に提供することがもっともポイントとなる。すなわち、フロントピラー1の設計に際しては、適用対象となる自動車の見開き角が所定の見開き角として設定され、また自動車の大きさ等に応じてフロントピラー1の妨害角が所定の妨害角として設定される。
見開き角及び妨害角が所定値に設定されていることから、図4に示すように、第1点C1と第2点C2とが決定される。また、自動車の大きさ等に応じてサイドドア4の幅が決定されることから、これに応じて第3点C3が決定される。第3点C3の決定により、第5点C5が設定される。そして、第1点C1と第5点C5とのほぼ中間位置に、第4点C4が設定される。第1点C1〜C4を設定した図4に示すような情報が、基準モデルとして紙媒体によりあるいは電子データにより、設計者に提供される。なお、参考用として第5点C5も合わせて提供することができる。
図4のような情報が提供された設計者は、広々感を最大化するには、第1点C1から、第2点C2,第3連C3,第4点C4を通って、第1点C1に戻る断面形状とすればよいことが容易に理解される。そして、デザインや所望断面積等を考慮して、極力広々感が阻害されないように(基準モデルにおける第4点C4の位置を極力ずらさないように)、最終的な断面形状を決定すればよい。このようにして設計されたフロントピラー1は、その後の官能評価等を行うことなく、広々感を十分に満足させたものとなっていることになる。勿論、前述したフロントピラー1の長手方向に応じて、第4点C4の位置を適宜第1点C1に近づけるような設定(補正)や、第5点C5に近づける設定(補正)を行った情報提供することもできる。つまり、フロントピラー1の長手方向に相違した位置毎に、それぞれ、基準モデルを提供することができる。
上記基準モデルの設計者への提供と合わせて、この基準モデルと設計者が作成した設計モデルとの差異に関する情報を提供することもできる。この場合、特に基準モデルが提供される前に作成された設計モデルと基準モデルとの差異を検討することにより、広々感を得るためにどのような注意点が必要であるか等の精度のよい情報を得ることができ、その後に広々感をも得られる設計モデルを作成する上で極めて有益となる。
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能である。勿論、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
本発明は、広々感を達成できる自動車のフロントピラー構造を、官能評価を別途行うことなく広々感を安定して得ることのできるフロントピラーの設計支援システムを提供することができる。
V:車両
α:前側境界視線
β:後側境界視線
C1:第1点
C2:第2点
C2:第3点(後側コーナ部)
C4:第4点(前側コーナ部)
C5:第5点
1:フロントピラー
2:ルーフ
3:フロントウインドガラス
4:前サイドドア
5:サイドウインドガラス
11:ピラーアウタ
12:ピラーインナ
13:ピラートリム

Claims (4)

  1. 運転席近傍に配設されたフロントピラーによって、運転者の視野に対して、運転者のアイポイントを中心として伸びる前側境界視線と後側境界視線とのなす角度となる妨害角が形成されると共に、上下方向において該アイポイントからの距離が異なるようにされた自動車のフロントピラーを設計する際の基準モデルを提供するようにした自動車のフロントピラー設計支援システムであって、
    前記基準モデルについて、前記アイポイントから前記フロントピラーを見たときに、該フロントピラーの乗員対面の見かけの幅の端部位置を決定する前記前側境界視線上における前側コーナ部と前記外側境界視線上における後側コーナ部とが設定され、
    前記基準モデルは、前記前側境界視線上において前記アイポイントからもっとも離れた見かけ長さが最大となる最大見かけ長さ位置と、前記前側境界視線上において、前記アイポイントからの距離が、前記外側境界視線上における前記アイポイントから前記後側コーナ部までの距離と同じに設定されて見かけ長さが最小となる最小見かけ長さ位置との間に、前記前側コーナ部が位置設定され、
    前記基準モデルは、前記フロントピラーのうち前記アイポイントに近い部位が遠い部位に比して、前記該前側コーナ部の前記後側コーナ部に対する相対位置が前記アイポイントから遠くなるように前記前側コーナ部が位置設定されている、
    ことを特徴とする自動車のフロントピラー設計支援システム。
  2. 請求項において、
    前記基準モデルと設計者により作成されたフロントピラーの設計モデルとの差異が設計者に提供される、ことを特徴とする自動車のフロントピラー設計支援システム。
  3. 請求項または請求項において、
    設計者により作成されたフロントピラーの設計モデルについての広々感指数を、見かけ長さ指数と奥行き感指数とをパラメータとして決定して、設計者に報知する、ことを特徴とする自動車のフロントピラー設計支援システム。
  4. 請求項において、
    前記奥行き感指数が、前記乗員対面と前記アイポイントとの距離が大きいほど悪くなるように補正される、ことを特徴とする自動車のフロントピラー設計支援システム。


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