JP6023425B2 - グラム陽性菌感染症の治療のための抗菌組合せ療法 - Google Patents

グラム陽性菌感染症の治療のための抗菌組合せ療法 Download PDF

Info

Publication number
JP6023425B2
JP6023425B2 JP2011517993A JP2011517993A JP6023425B2 JP 6023425 B2 JP6023425 B2 JP 6023425B2 JP 2011517993 A JP2011517993 A JP 2011517993A JP 2011517993 A JP2011517993 A JP 2011517993A JP 6023425 B2 JP6023425 B2 JP 6023425B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
miconazole
nisin
pharmaceutically acceptable
clostridium
acceptable salt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011517993A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012503594A (ja
Inventor
フィリップ ヤング マルコム
フィリップ ヤング マルコム
メアリー トーマス キャサリン
メアリー トーマス キャサリン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
E Therapeutics PLC
Original Assignee
E Therapeutics PLC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by E Therapeutics PLC filed Critical E Therapeutics PLC
Publication of JP2012503594A publication Critical patent/JP2012503594A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6023425B2 publication Critical patent/JP6023425B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/04Peptides having up to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • A61K38/12Cyclic peptides, e.g. bacitracins; Polymyxins; Gramicidins S, C; Tyrocidins A, B or C
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/335Heterocyclic compounds having oxygen as the only ring hetero atom, e.g. fungichromin
    • A61K31/336Heterocyclic compounds having oxygen as the only ring hetero atom, e.g. fungichromin having three-membered rings, e.g. oxirane, fumagillin
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/41Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having five-membered rings with two or more ring hetero atoms, at least one of which being nitrogen, e.g. tetrazole
    • A61K31/41641,3-Diazoles
    • A61K31/4174Arylalkylimidazoles, e.g. oxymetazolin, naphazoline, miconazole
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/41Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having five-membered rings with two or more ring hetero atoms, at least one of which being nitrogen, e.g. tetrazole
    • A61K31/42Oxazoles
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/16Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/04Antibacterial agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Communicable Diseases (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)

Description

本発明は、治療効果のあるイミダゾールと、細菌細胞膜又は細胞壁作用薬剤、又はその誘導体又は代謝体との相乗的な組合せを含む生成物を、グラム陽性菌が原因又は一因の感染症の治療のための組合せ薬剤として提供する。
ブドウ球菌、腸球菌、クロストリジウム属菌等のグラム陽性菌は、人医学と獣医学の両方において極めて重大な病原体である。米国では、1995年から1998年の間の病院血流感染症の60%にグラム陽性菌が関与していた。この比率は増加し続けている。グラム陽性菌における抗生物質耐性の発現は、治療を複雑にし、罹患率と死亡率を増加させる。
細菌における抗生物質耐性は、人医学と家畜学の両方における抗生物質の多用と、無秩序な処方と、治療計画への患者の不遵守とによって選択取得された。このような薬剤耐性微生物、特にグラム陽性菌の治療のための治療上の選択肢が益々限られてきている。抗生物質耐性の問題は薬剤耐性微生物の広がりと細菌間での耐性遺伝子の広まりにより悪化した。抗生物質耐性の発現と広がりによる細菌感染症治療の成功に対する脅威は、人医学と獣医学における最も重大な問題の1つである。
ブドウ球菌
ブドウ球菌は重大な医療関連感染(HAI)の主要な原因である。特に注目すべきは、メチシリン等の抗生物質への様々なレベルの耐性を発達させた又は取得したブドウ球菌株である。これらの治療が困難な微生物は一般にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)及びメチシリン耐性表皮ブドウ球菌(MRSE)として知られている。器具関連感染からの表皮ブドウ球菌分離株の約80%は、多剤耐性でありかつメチシリン耐性(MRSE)である。複数の抗生物質への耐性と、不活性表面に生物膜を形成する表皮ブドウ球菌の能力は、これらの微生物による感染症の治療問題を悪化させる。
米国において、臨床黄色ブドウ球菌分離株の50%超は、βラクタムメチシリンに耐性がある(NNIS、2004)。同様に、家畜のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の報告が近年より頻繁になった(O'Mahonyら、2005)。MRSAが犬、猫、牛、羊、鶏、兎、及び馬から分離された(DevrieseとHommez, 1975、Hartmannら、1997、Pakら、1999、Tomlinら、1999、Lee、2003、Goniら、2004、及びWeese、2004)。
人医学と獣医学の両方において、細菌生物膜(自己生成ポリマー基質に囲まれ、不活性又は生体表面に付着した細菌細胞の構造的共同体(Costertonら、1999))は重大な問題である。畜産において、細菌生物膜は鳥肉処理器具に発生しうる(ArnoldとSilvers、2000)、また黄色ブドウ球菌に感染した乳牛の乳腺炎の治療失敗を引き起こす可能性がある(Melchiorら、2006)。人医療において、細菌生物膜は、整形用インプラントを含む多くの医療デバイスにコロニーをつくることが示された(Bahnaら、2007)。英国では、人工股関節の感染症の35%は黄色ブドウ球菌が原因であり、敗血性弛緩と断裂不結合と骨髄炎とを引き起こす(Sanderson、1991)。整形用デバイスの使用とのMRSAの関連は、この微生物の広い耐性範囲、及び生物膜成長相により付与される免疫系からの保護の故に極めて問題である(しばしば汚染したデバイスの除去が必要となり、患者に更なる精神的外傷を引き起こし、医療コストを増加させる)。MRSAのコロニー形成はMRSA感染症の発現の通常の前兆であるので、人または医療デバイス等の表面のコロニー形成のレベルを低減する介入は、医療施設における感染の広がりを低減する。
ブドウ球菌類におけるメチシリン耐性の取得は、現在入手可能なβラクタム抗生物質の全ての使用を妨げるだけでなく、多数の薬剤類への耐性にも通常関連する。
ブドウ球菌のメチシリン耐性は薬剤の標的の改変により発現する。メチシリン等のβラクタム抗生物質は、「ペニシリン結合タンパク質」と呼ばれるタンパク質に結合し阻害することで感受性菌株に作用する。ブドウ球菌におけるメチシリン耐性はこのタンパク質の改変体PBP2’によって生じ、βラクタムがこのタンパク質に結合し難くなる。これによりこの細菌は現在入手可能なβラクタム薬剤の全てに耐性を持つ。MRSA及びMRSE感染症をバンコマイシン等のグリコペプチド薬で治療することが出来る。MRSA及びMRSEの罹患率の増加と、腸球菌におけるアミノグリコシド及びアンピシリンへの高レベルの耐性の発現とにより、バンコマイシンへの依存が増大した。これは次に、バンコマイシン耐性病原体を出現させた。特に注目すべきは、バンコマイシン低度耐性黄色ブドウ球菌(VISA)及びバンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VRSA)として通常知られている菌株群であり、これらは全て多剤耐性であり治療が困難である。VISA及びVRSAの出現は、現在の抗生物質が心内膜炎、菌血症、骨髄炎等のヒト感染症の治療に効果がなくなる可能性があることを意味する。
再発MRSA感染症の患者へのバンコマイシンの投与は、VISA又はVRSA株の出現リスクを増加させる。米国におけるVISA感染症の大部分は、バンコマイシンで治療された再発MRSAの患者に発生する(Appelbaum、2006)。バンコマイシン等のグリコペプチドの使用を劇的に減らすことは、VISA及びVRSAの出現と広がりを低減しうるが、多剤耐性の発現を促進しない代わりの化合物の使用なしには現実的でない。
クロストリジウム属菌
クロストリジウム属菌は、現在までで治療が最も困難な医療関連感染症の1つとなってきている多剤耐性グラム陽性菌である。アンピシリン、アモキシシリン、セファロスポリン等の広域抗生物質の投与は、クロストリジウム・ディフィシレ関連下痢(CDAD)の発症に重要な役割をする。クロストリジウム・ディフィシレのゲノム内の多数の可動遺伝因子の存在がこの細菌類に見られる多剤耐性の原因であると考えられている。広域抗生物質の使用は腸内の細菌コロニー形成を低減し、クロストリジウム・ディフィシレの異常増殖を許す。クロストリジウム・ディフィシレは極めて頑強であり、胞子を形成することで、温度、エタノール、及び抗生物質の極限を生き延びることが出来、従って、治療が非常に困難である。クロストリジウム・ディフィシレの治療において重大な問題の1つは、これらの高度耐性のhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8A%BD%E8%83%9E胞子を形成できるという事実である。即ち、抗生物質治療は活発に成長するクロストリジウム細胞を阻害するが、栄養胞子を阻害しない。治療後、胞子は哺乳動物の腸内に残存して、発芽し新たなクロストリジウム・ディフィシレ感染を生じうる。現在、クロストリジウム・ディフィシレの治療のために選択される抗生物質は、メトロニダゾールであり、メトロニダゾールが効かない場合、バンコマイシンである。しかし、これらの薬のいずれもクロストリジウム胞子の成長を防ぐことが出来ない。治療後のクロストリジウム・ディフィシレ感染症の再発の広がりは、全症例の約55%と推定されている。
当初、CDADの治療において経口バンコマイシンが第1選択薬として使用されたが、バンコマイシン耐性腸内菌叢(腸球菌等)の促進と淘汰の危険性のために、バンコマイシンは第1治療(メトロニダゾール)に反応しない症例の場合にだけ推奨されている。最近、クロストリジウム・ディフィシレ分離株におけるバンコマイシン及びメトロニダゾールへの耐性が報告され、これらの薬剤の使用は、保菌患者の便中のバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)の密度を増加させることが示された。
要約すると、クロストリジウムの治療のための新規な治療薬剤を設計する時、考慮すべき3つの重要な要素が存在する。これらを下記に示す。
1.該薬剤は多剤耐性で活発に成長するクロストリジウム属菌を殺して病気からの効率的な救済を患者に与えることが出来なければならない。
2.該薬剤はクロストリジウム胞子の成長を阻止し、再発の可能性を最小化しなければならない。
3.バンコマイシン耐性の広がりを促進しない薬剤が好ましい。
腸球菌
近年のバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)の出現は重大である。腸球菌はかって人と動物の腸内菌叢の無害な居住者と見られていたが、最後の薬剤、バンコマイシンを含む多種の抗生物質への耐性を取得した。米国では、バンコマイシン耐性を示すフェシウム菌の罹患率が1995年の26.2%から2004年の約70%に上昇し、米国の病院で最も恐れられる病原体の1つとなった。
腸球菌の幾つかの菌株におけるバンコマイシン耐性の取得は、これらの菌株が新しいどの抗生物質に対しても耐性を取得してきた順次性の故に多種の薬剤への耐性と関連する。
多剤耐性グラム陽性菌の遺伝子型と表現型
MRSA、MRSE、VISA、VRSA、及びVREは、遺伝子型、表現型とも他の感受性ブドウ球菌及び腸球菌と明らかに異なり、独立した分枝系を形成する可能性が高い。
英国におけるMRSAの最も多い分枝系は、EMRSA−15及びEMRSA−16である。EMRSA−16は英国の病院の大多数において通常見つかると考えられている。これらのMRSA分枝系は幾つかの遺伝子のカセット(SCCmec遺伝子カセット)が存在することが他のブドウ球菌と異なり、メチシリンに加えて多種の抗生物質に通常、耐性がある。この遺伝子カセットはメチシリン耐性の遺伝子と、このカセットが菌株間を移動するのを可能にするのに重要な遺伝子とを含み、他種類の抗生物質への耐性をコードする他の多くの遺伝子を通常含む。EMRSA−16株と感受性ブドウ球菌株との遺伝子比較は、MRSA株は追加の106遺伝子を含み、それらの多くが該菌株の毒性と薬への耐性にとって重要であることを明らかにした。
同様に、大発生するVRE及びクロストリジウム属菌も通常、分枝系であり、vanA遺伝子カセット(バンコマイシンに結合しない細胞壁前駆体をコードする)が大発生するVREにおいて最も多い遺伝的耐性機構である。英国では、クロストリジウム・ディフィシレの3つの分枝系菌株が、全てのCDAD症例の約75%の原因であると推定されている。
薬剤耐性の機構
薬剤耐性は特異、即ち、ある薬剤又はある種類の薬剤に特定であるか、又は必ずしも相互に関連のないある範囲の薬剤に耐性があるという意味で非特異である。VISAの場合、細胞壁厚の増加が観察される薬剤耐性の主な原因である。
VISA及びVRSAは、4〜8mg/L(VISA)又は8mg/L以上(VRSA)のバンコマイシンMICを持つ任意のブドウ球菌株と定義される。これらのレベルの耐性は、バンコマイシンが結合できない細胞壁前駆体の産生、又は他の機構により細胞壁厚が増加したためでありうる。感受性グラム陽性微生物は、末端がD-ala-D-alaの細胞壁前駆体を合成し、一方、VISA、VRSA、及びVRE等のバンコマイシン耐性グラム陽性微生物は、例えばD-ala-D-lac前駆体を合成する。ブドウ球菌株と腸球菌株におけるバンコマイシン耐性の存在は、培養液又は寒天希釈法によるか又はEtest(登録商標)によるバンコマイシンMICの測定、又はポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によるvanA、vanB、vanC、vanD、vanE、vanG遺伝子等の同定により特定されうる。本発明はヘテロVISA(hVISA)であるVISA株の下位分類も含む。これらは、従来の試験法によればバンコマイシン感受性メチシリン耐性黄色ブドウ球菌であるが、中度耐性細胞の分集団を有する。hVISA株はVISAの前駆体であると考えられる。
多剤耐性グラム陽性感染症の対策
MRSA、MRSE、VISA、VRSA及びVREが原因となるヒト感染症の対策は、上記遺伝子型及び表現型の違いを反映しており、ブドウ球菌又は腸球菌の他の菌株の場合に比べて病院インフラ、患者隔離設備、及び感染抑制対策により大きな投資を必要とする。クロストリジウム・ディフィシレが病院環境内で広がる容易さ、及び高度耐性の胞子を形成するこの細菌の能力は、クロストリジウム・ディフィシレ感染症も他の大多数のグラム陽性感染症の場合より広範な感染抑制対策を必要とすることを意味する。英国及び米国での最近の費用推定はCDADのために1症例あたり4000米ドルを超える。
VISA、VRSA及びVREが一因又は原因の感染症に対する治療の選択肢は現在非常に限られており、VRE用の2つの最も新しい抗生物質(キヌプリスチン・ダルホプリスチンとリネゾリド)に対する耐性が報告された。リネゾリドは既にVRE感染症の治療失敗と関連付けられた。このような微生物を阻害又は殺す新しい化合物を見出し、これらの多剤耐性病原体の出現と広がりを抑える緊急の必要性がある。
クロストリジウム・ディフィシレに対する現在の治療は常に効果があるわけではなく、再発感染症と耐性発現との報告が増加している。CDADは治療後、患者の55%以下に再発する。CDADの治療の限られた選択肢と高い再発率の故に、成長する細菌細胞と栄養胞子の両方を標的とする新しい治療法が至急必要とされている。
特定のイミダゾール及び/又はそれらの誘導体はクロストリジウム・ディフィシレ(George、1979)、MRSA(LeeとKim、1999)、及び/又はVISA、VRSA、及びVREの成長を阻止できることが発見された。しかし、これらの薬剤(イミダゾール)と相乗的に働く化合物の特定は、低濃度の元の薬剤を使用するのでイミダゾールの望ましくない副作用が低減され、この薬剤治療の寿命を延ばす(例えば、2つの薬剤の相乗的な組合せは、その効能がなくなるには、両方の成分への耐性が発現することを必要とする)可能性があることを意味する。微生物における耐性発現の自然発生率が108であれば、2つの薬剤の組合せへの耐性の発現は約1064となる。従って、耐性発現の危険性は劇的に低い。
抗生物質間の相乗効果は、2つの抗生物質が同じ代謝経路内の細菌タンパク質を標的にする時、発生する。トリメトプリムとスルファメトキサゾールは細菌葉酸合成経路内の2つの異なる酵素を標的にするので、通常一緒にコトリモキサゾールとして投与される。相乗効果は、排出ポンプ等の耐性機構が阻害され(単独で投与された場合、排出ポンプにより除去される)抗生物質の蓄積が可能になった時に発生する。2つの化合物が相乗的に働き個々の薬剤の効果の和より大きな抗菌効果を与えることを予測するための既知の技術は、各薬剤の作用機構が既知(その場合でも相乗効果は保証されない)でなければ存在しない。同様に、化合物が特定の抗生物質と相乗的に働く場合、異なる細菌標的又は細菌株に働く抗生物質との組合せも相乗効果を示すことを予測することは出来ない。
バシトラシンとミコナゾールが黄色ブドウ球菌及び表皮ブドウ球菌に対して相乗的に働くことが知られている(CornelissenとBossche、1983)。しかし、この組合せをMRSA及びVISA等の多剤耐性菌株に試した時(詳細は表3)、相乗効果は発生しなかった。このことは感受性菌株と耐性菌株との表現型及び遺伝子型の違いは、感受性菌株についてのデータから相乗効果を予測することを妨げる。また、細菌を殺すか成長を阻止するために使用された時、全ての細胞壁又は膜作用薬剤がミコナゾール又は他のイミダゾールとの相乗効果を示すわけではない。
ナイシンはクロストリジウム・ディフィシレに対して試験管内活性を有することが知られており(Bartoloni Aら、2004;Kerrら、1997)、ナイシンとバンコマイシンとが相乗的である可能性が開示されている。しかし、上記のように、特にミコナゾールのクロストリジウムに対する作用方式が明らかでないので、この情報からナイシンと他の抗生物質との相乗効果を予測することはできない。例えば、ナイシンは、バンコマイシンと同様に細胞壁に働くバシトラシン、クロラムフェニコール等の他の抗生物質(クロラムフェニコールは細胞壁ペプチドグリカンの蓄積を引き起こす)と相乗的に働かない。実際、ナイシンはクロラムフェニコールの抗菌作用を弱めることが発見された。従って、相乗効果がナイシンとミコナゾールに発生すると予測できない。
同様に、ホスホマイシンとその誘導体は、幾つかの感受性グラム陽性菌に対して活性であることが知られており、幾つかの抗生物質(リファンピシン、リネゾリド等)とは相乗効果があり、バンコマイシン等の他の抗生物質とはないことが示されている(Grifら、2001)。これは幾つかの抗生物質との相乗効果の検出を、他の薬剤との相乗効果の一括予測に使用できないことを示している。
本発明は、あるイミダゾールと細菌細胞膜又は細菌細胞壁に活性な1つ以上の特定の薬剤との組合せが、どちらか一方を単独で使用するより劇的に低濃度でMRSA、MRSE、VISA、VRSA、VRE、及びクロストリジウム属菌の成長を阻止できるという知見、或いはその追加効果を開示する。ミコナゾールとナイシンとの組合せは、活発に成長する細胞に対して驚くべき相乗効果を示すが、この組合せの更なる利点は、ナイシン成分は栄養細胞にもその成長を阻止することで働いて感染症再発の可能性を低減することである。
本発明の目的は、MRSA、MRSE、VISA、VRSA、VRE、及びクロストリジウム属菌等の治療が困難なグラム陽性菌が一因又は原因の感染症の新しく効果的な治療法を提供することである。
第1の態様においては、本発明は、治療効果のあるイミダゾール及びその誘導体と、コリスチン、ナイシン、D‐シクロセリン、ホスホマイシン、ポリミキシンB、及びこれらの誘導体のうち1つ以上からなるグループから選択された細菌細胞表面に活性のある薬剤とを含む組成物を提供する。
細菌細胞は内部構造(DNA、リボソーム、貯蔵顆粒、及び必ずではないが内生胞子を含む)と、表面構造(細胞壁及び細胞膜、及び幾つかの細菌では、莢膜、外部膜、細胞膜周辺腔を含む)とを有する。従って、本明細書における「細菌細胞表面に活性のある薬剤」という用語は、細胞壁又は細胞膜等の1つ以上の細菌細胞表面要素に作用することで細菌細胞に効果を及ぼす薬剤を指す。
これらの薬剤及びそれらの誘導体は、特に次の点で有利である。ナイシンは細菌細胞膜に孔を形成し、コリスチン及び/又はポリミキシンBは細胞膜を、例えば洗剤に似た機構により壊し、D‐シクロセリンは細胞質内での細菌細胞壁合成の初期段階に2つの酵素の競合的阻害により干渉し、ホスホマイシンは細菌のペプチドグリカン細胞壁の主要素であるN‐アセチルムラミン酸の形成を妨げる。
本発明において使用される治療効果のあるイミダゾールを含む代表的な化合物は、下記の一般式(化1)とその誘導体とにより与えられる。
Figure 0006023425

ここで、R1とR2は水素、低級アルキル基、フェニル基、又は置換フェニル基から独立に選択され、該置換フェニル基は、ハロ、低級アルキル基、及び低級アルコキシ基からなるグループから選択された1つ以上のフェニル置換基を含み、
Rは水素、低級アルキル基、フェニル基、又は置換フェニル基から独立に選択され、該置換フェニル基は、ハロ、低級アルキル基、及び低級アルコキシ基からなるグループから選択された1つ以上のフェニル置換基を含み、
1はゼロ、又は1であり、
Xはオキシ、S、NH、又はOであり、
2はゼロ、又は1であり、
3はゼロ、1、又は2であり、
X’はS、オキシ、又は存在しない、
Arはフェニル基、置換フェニル基、チエニル基、及びハロチエニル基からなるグループから独立に選択され、該置換フェニル基は、ハロ、低級アルキル基、及び低級アルコキシ基からなるグループから選択された1つ以上のフェニル置換基を含み、
4はゼロ、又は1であり、
Ar’はフェニル基、置換フェニル基、及びα‐テトラリル基からなるグループから選択された要素であり、該置換フェニル基は、フェニル基、チエニル基、フェニルチオ基、ハロ、低級アルキル基、低級アルコキシ基、シアン、ニトロ、及びアミノからなるグループから選択された1つ以上のフェニル置換基を含み、
R’は水素、メチル基、及びエチル基からなるグループから選択された要素であり、
R”は水素、及びメチル基からなるグループから選択された要素であり、
下記条件を満たす:
(i)XがNHである場合、前記Rは水素であり、
(ii)前記Ar’がニトロ及びアミノからなるグループから選択された1つ以上のフェニル置換基を含む置換フェニル基である場合、前記Xはオキシで、前記n3はゼロであり、
(iii)前記Ar’がα‐テトラリル基である場合、前記XはNHで、前記n3はゼロであり、
(iv)Xがオキシで、Ar’がフェニル基と、ハロ、低級アルキル基、低級アルコキシ基、及びシアンからなるグループから選択された1つ以上のフェニル置換基を含む置換フェニル基とからなるグループから選択された要素である場合、前記n3はゼロ以外である。
用語「低級アルキル基」と「低級アルコキシ基」は、約1〜約6炭素を含有する直鎖又は分枝鎖炭化水素、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、及び同様のアルキル基と、対応するアルコキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基などをそれぞれ含むことは理解されるべきである。
好ましい低級アルキル基と低級アルコキシ基はそれぞれメチル基とメトキシ基である。また、用語「ハロ」は原子量127未満のハロゲン、即ち、フルオロ、ヨード、ブロモ、及びクロロを指す。前記Arに関する好ましい置換フェニル基は、モノ‐、ジ‐、及びトリ‐ハロフェニル基、チオールジハロフェニル基、低級アルキルフェニル基、及び低級アルコキシフェニル基であり、前記Ar’に関しての置換フェニル基は、モノ‐、ジ‐、及びトリ‐ハロフェニル基、ジフェニル基、チオールフェニル基、低級アルコキシフェニル基、シアンフェニル基、モノニトロフェニル基、ジニトロフェニル基、及びアミノフェニル基である。
特に関心があるのは、クロトリマゾール、エコナゾール、ミコナゾール、ブトコナゾール、フェンチコナゾール、硝酸オキシコナゾール、セルタコナゾール、スルコナゾール、及びこれらの誘導体からなるグループから選択された治療効果のあるイミダゾールである。
特別に関心があるのは、1‐[(2‐クロロフェニル)ジフェニルメチル]‐1H‐イミダゾール(C2217ClN2)、即ちクロトリマゾール;1−[2−[(4−クロロフェニル)メトキシ]‐2‐(2、4‐ジクロロフェニル)エチル]−1H−イミダゾール(C1815Cl32O)、即ちエコナゾール;及び1‐[2‐(2、4‐ジクロロフェニル)‐2‐[(2、4‐ジクロロフェニル)メトキシ]エチル]‐1H‐イミダゾール(C1814Cl42O)、即ちミコナゾール;及びこれらの誘導体からなるグループから選択された治療効果のあるイミダゾールである。これらの化合物のそれぞれの式を下記に示す。
Figure 0006023425
クロトリマゾール
Figure 0006023425
エコナゾール
Figure 0006023425
ミコナゾール
関心がある他のイミダゾール化合物は、(±)‐1‐[4‐(4‐クロロフェニル)‐2[(2、6‐ジクロロフェニル)チオ]ブチル]‐1H‐イミダゾール(C1917Cl32S:ブトコナゾール);1‐[2‐(2、4‐ジクロロフェニル)‐2‐[[4‐フェニルチオ)フェニル]メトキシ]エチル]‐1H‐イミダゾール(C2420Cl22OS:フェンチコナゾール);(Z)‐1‐(2、4‐ジクロロフェニル)‐2‐(1H‐イミダゾール‐1‐イル)エタノン O‐[2、4‐ジクロロフェニル)‐メチル]オキシムモノ硝酸塩(C1814Cl444:硝酸オキシコナゾール);1‐[2‐[(7‐クロロベンゾチオフェン‐3‐イル)メトキシ]‐2‐(2、4‐ジクロロフェニル)‐エチル]イミダゾール(C2015Cl32OS:セルタコナゾール);及び1‐[2‐[[(4‐クロロフェニル)メチル]‐チオ]‐2‐(2、4‐ジクロロフェニル)エチル]‐1H‐イミダゾール(C1815Cl32S:スルコナゾール)、及びこれらの誘導体を含む。
用語「誘導体」はこれらに限定されないが代謝体、プロドラッグ、及び/又は薬学上許容される塩を含む。用語「薬学上許容される塩」は記載した化合物の生物学的効果と特性を保持し生物学上又はそれ以外で望ましくなくはない塩を指す。薬学上許容される酸付加塩は、無機酸又は有機酸から形成でき、例えば、酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩/炭酸塩、重硫酸塩/硫酸塩、ホウ酸塩、カンシル酸塩、クエン酸塩、エジシル酸塩、エシル酸塩、蟻酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩, グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/塩化物、臭化水素酸塩/臭化物、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフチル酸塩、2‐ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロチン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素/リン酸二水素、サッカリン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、及びトリフルオロ酢酸塩である。塩が誘導されうる無機酸は、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などを含む。塩が誘導されうる有機酸は、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p‐トルエンスルホン酸、サリチル酸などを含む。
薬学上許容される塩基付加塩は、無機塩基又は有機塩基から形成され。塩が誘導されうる無機塩基は、例えば、ナトリウム、二ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムなどを含み、特にアンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、及びマグネシウムの各塩が好ましい。塩が誘導されうる有機塩基は、例えば、第1、第2、及び第3アミン、自然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、塩基イオン交換樹脂など、特に例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、及びトロメタモール(トロメタミン)を含む。本発明の薬学上許容される塩は、親化合物、塩基性又は酸性部分から従来の化学方法により合成できる。このような塩はこれらの化合物の遊離酸を化学量論量の適当な塩基(例えば、Na、Ca、Mg、又はKの水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩など)と反応させるか、又はこれらの化合物の遊離塩基を化学量論量の適当な酸と反応させることで調製されうる。
従って、イミダゾールの好ましい塩は通常、硝酸塩である。従って、本発明は特に、例えば、硝酸ミコナゾール(C1814Cl42O・HNO3)及び硝酸エコナゾール(C1815Cl32O・HNO3)等の硝酸イミダゾールを提供する。ホスホマイシンの好ましい塩は、例えば、二ナトリウム塩とトロメタモール塩である。
更に好適な実施形態では、本発明はクロトリマゾール、硝酸クロトリマゾール、エコナゾール、硝酸エコナゾール、ミコナゾール、及び硝酸ミコナゾールのうち1つ以上と、コリスチン、ナイシン、D‐シクロセリン、ホスホマイシン、ポリミキシンB、及びこれらの誘導体のうち1つ以上との組合せを含む組成物を提供する。
従って、1つの実施形態では、本発明はクロトリマゾール、硝酸クロトリマゾール、エコナゾール、硝酸エコナゾール、ミコナゾール、及び硝酸ミコナゾールのうち1つ以上と、コリスチン、ナイシン、D‐シクロセリン、ホスホマイシン、ポリミキシンB、及びこれらの誘導体のうち1つ以上からなるグループから選択された細菌細胞表面に活性のある薬剤との組合せを含む組成物を、MRSA、MRSE、VISA、VRSA、VRE、及び/又はクロストリジウム属菌等のグラム陽性菌が一因又は原因の感染症の治療のために提供する。
更に好適な実施形態では、本発明はクロトリマゾール、硝酸クロトリマゾール、エコナゾール、硝酸エコナゾール、ミコナゾール、及び硝酸ミコナゾールのうち1つ以上と、コリスチン、ナイシン、D‐シクロセリン、ホスホマイシン、ポリミキシンB、及びこれらの誘導体のうち1つ以上との組合せを含む組成物を提供する。
従って、本発明の特定の態様によれば、本発明はミコナゾール及びその誘導体と、ホスホマイシン及びその誘導体とを含む組成物を提供する。本発明のこの態様に係る組成物は成人における多剤耐性細菌感染症の治療のために、例えば静脈内投与に特に適している。
本発明の別の特定の態様によれば、本発明はミコナゾール及びその誘導体と、ナイシン及びその誘導体とを含む組成物を提供する。本発明のこの態様に係る組成物はクロストリジウム属の多剤耐性グラム陽性微生物が一因又は原因の感染症の治療に特に適している。
本明細書記載の化合物の対応する溶媒和物を調製、精製、及び/又は処理することが便利であるか又は望ましい場合がある。これらは本記載の使用/方法のいずれかにおいて使用されうる。用語「溶媒和物」は、本明細書において溶質(例えば、化合物又は化合物の塩)と溶媒との複合物を指すために使用される。溶媒が水であれば、溶媒和物を水化物、例えば、基質の1分子当たりの水分子の数に依って、一水化物、二水化物、三水化物などと称する。
特に、本発明は前述したような組成物を、グラム陽性菌が一因又は原因の感染症を治療するために提供する。
本発明は前述したような組成物を、治療が困難なグラム陽性菌が一因又は原因の感染症を治療するために提供する。
治療が困難なグラム陽性菌は、これらに限定されないがクロストリジウム・ディフィシレ及び他の多剤耐性微生物を含む。このような多剤耐性微生物は、これらに限定されないがMRSA、MRSE、VISA、VRSA、VRE、及び/又はクロストリジウム属菌を含む。
また、第2の態様では、本発明は前述したようなグラム陽性菌が一因又は原因の感染症を患う被験者の治療方法を提供する。この方法は効果的な量の治療効果のあるイミダゾール及びその誘導体を投与し、別々に、同時に、又は順にコリスチン、ナイシン、D‐シクロセリン、ホスホマイシン、ポリミキシンB、及びこれらの誘導体のうち1つ以上からなるグループから選択された細菌細胞表面に活性のある薬剤を投与するステップを含む。
本発明のこの態様に係る方法は、治療上効果的な量のイミダゾールと、治療上効果的な量の細菌細胞壁に活性のある薬剤とを投与することを含んでもよい。しかし、当業者は、本発明の1つの態様をなす相乗効果の故に、従来考えられていたよりも少ない量で治療効果がありうることを理解するであろう。
本発明の方法は特に、MRSA、MRSE、VISA、VRSA、VRE、及びクロストリジウム属菌のうち1つ以上が一因又は原因の感染症を患う被験者の治療方法を提供する。
特に、本発明は前述したようなイミダゾール及びその誘導体と、コリスチン、ナイシン、D‐シクロセリン、ホスホマイシン、ホスホマイシン・トロメタモール、ポリミキシンB、及びこれらの誘導体のうち1つ以上からなるグループから選択された細菌細胞表面に活性のある薬剤との組合せを含む化合物を、MRSA、MRSE、VISA、VRSA、VRE、及び/又はクロストリジウム属菌等のグラム陽性菌が一因又は原因の感染症の治療のための薬剤を製造するために使用することに関する。
また、本発明は、感染症、例えばMRSAが一因又は原因の感染症を治療することでVISA又はVRSAの出現を抑えるための組合せ薬剤の製造における、治療効果のあるイミダゾール及びその誘導体の使用を提供する。
また、本発明は、感染症、例えばMRSA等のグラム陽性菌が一因又は原因の感染症を治療することでVISA又はVRSAの出現を抑えるための治療効果のあるイミダゾール及びその誘導体を含む組合せ薬剤の製造における、コリスチン、ナイシン、D‐シクロセリン、ホスホマイシン、ポリミキシンB、及びこれらの誘導体のうち1つ以上の使用を提供する。
また、本発明は、感染症、例えばクロストリジウム属菌が一因又は原因の感染症を治療することで感染症の再発の可能性を最小化するための組合せ薬剤(成長する細菌細胞と栄養胞子の両方を阻害する)の製造における、治療効果のあるイミダゾール及びその誘導体の使用を提供する。
また、本発明は、クロストリジウム胞子の成長を妨げることが出来る薬剤と、細菌細胞成長及び細菌胞子成長を阻止することが出来る薬剤とを含む組合せ療法を提供する。本発明のこの態様によれば、クロストリジウム胞子の成長を妨げることが出来る薬剤は、コリスチン、ナイシン、D‐シクロセリン、ホスホマイシン、ホスホマイシン・トロメタモール、ホスホマイシン・二ナトリウム、ポリミキシンB、及びこれらの誘導体のうち1つ以上であってもよい。細菌細胞成長及び細菌胞子成長を阻止することが出来る薬剤は、前述したようなイミダゾール及びその誘導体であってもよい。
本発明は、特に、感染症、例えばクロストリジウム属菌が一因又は原因の感染症を治療することで感染症の再発の可能性を最小化するための本発明のこの態様に係る組合せ療法を提供する。
また、本発明は、感染症、例えばクロストリジウム属菌が一因又は原因の感染症を治療することで感染症の再発の可能性を最小化するために細菌細胞成長及び細菌胞子成長を阻止する治療効果のあるイミダゾールとの組合せ薬剤の製造におけるクロストリジウム胞子の成長を妨げることが出来る薬剤の使用を提供する。
例示として、本発明は多剤耐性グラム陽性微生物(例えば、MRSA)が原因の感染症を治療するために静脈内に投与されうる、ミコナゾール及びその誘導体と、ホスホマイシン及びその誘導体とからなる相乗的な組合せを提供する。
好適な実施形態では、本発明のこの態様によれば、ミコナゾールとホスホマイシンとの前述したような相乗的な組合せは、多剤耐性グラム陽性微生物(例えば、MRSA、MRSE、VRE、VISA、又はVRSA)が一因又は原因の感染症の患者の静脈内に、ミコナゾールとホスホマイシンの血清濃度がそれぞれ最小濃度2mg/Lと5mg/Lに達するように投与されてもよい。これらの効果的な濃度を達成するのに必要な正確な1日投与量は特に、使用される具体的な配合に依存する。
従って、好適な実施形態では、200〜3600mg/日のミコナゾール及びその誘導体(3回に分割してもよい)と、相乗効果を得るのに十分な量のホスホマイシン及びその誘導体との静脈内投与を、成人における多剤耐性細菌感染症の治療のために提案する。ホスホマイシンの提案する静脈内投与量は、ホスホマイシン・二ナトリウムとして100〜5000mg、1日3回である。子供(1歳〜12歳)の場合、20〜40mg/kg/日(最大15mg/kg/回)のミコナゾールと、効果的(相乗的)な量のホスホマイシンとの静脈内投与を提案する。静脈内投与のための組成物は、前述したようにミコナゾールの誘導体とホスホマイシンの誘導体とを含んでもよいが、前述した投与量の計算はミコナゾールとホスホマイシンそれぞれに基づくことは理解されるであろう。
クロストリジウム属の多剤耐性グラム陽性微生物が一因又は原因の感染症の治療の場合、本発明は該感染症の治療のために経口投与されてもよいミコナゾール及びその誘導体と、ナイシン及びその誘導体とからなる相乗的な組合せを提供する。従って、好適な実施形態では、ミコナゾール及びその誘導体と、ナイシン及びその誘導体との相乗的な組合せをクロストリジウム・ディフィシレが原因の感染症を治療するために経口投与してもよい。この相乗的な組合せの利点は特に、活発に成長するクロストリジウム・ディフィシレ細胞とその胞子の両方にこの薬剤組合せが作用することである。この新規な手法は、細菌胞子を阻害することは該微生物の再成長を妨げるので患者の再発の可能性を低減する。
腸管内腔濃度として決定されるクロストリジウム感染症の治療のための適切な投与量は、0.12〜64mg/Lのミコナゾールと、0.12〜50mg/Lのナイシンである。このような濃度を達成するのに必要な正確な1日投与量は特に、送達デバイスの性質に依存する。
腸管内腔へのこのような濃度の送達のためのデバイスは、これらに限定されないが下記を含む。
1.結腸特異の送達手段であって、亜鉛又は任意の関係する2価、3価、又は多価カチオンと架橋結合したペクチンビーズを含み、ビーズは多価カチオン重合体で被覆され、及び/又は胃腸管の所望の部分への送達のためにEudragit(登録商標)型重合体等の任意の適切な重合体で被覆されてもよい、送達手段。
2.活性薬剤に悪影響を及ぼさずに少なくとも胃を通過するのであれば、持続性の送達システムを使用してもよい。例えば、活性薬剤は次第に分解又は溶解して該活性薬剤を放出する重合体と混合されてよい。このタイプのシステムはしばしば腸溶性の被膜で被覆されて、胃を通過し、胃腸管全体に薬剤を放出する。
3.結腸特異送達を、結腸内で分解するペクチン等の特定の重合体とともに活性薬剤を処方することで得てもよい。ペクチンを亜鉛カチオン等のカチオンと架橋結合させる。典型的には、イオン架橋結合したペクチンビーズの形態の薬剤をポリリシン、キチン、ポリエチレンイミン等の適切な重合体で更に被覆し、及び/又はEudragit(登録商標)重合体等の特定の重合体で被覆してもよい。
薬剤送達システムは、例えば米国特許出願第10/524318号、米国特許出願第60/651352号、及び国際特許出願第WO2009/037264号の教示に従って処方されてもよい。
好適な実施形態では、腸溶性の被膜を含み結腸内で特異的に分解するよう設計された経口薬の形態のミコナゾール及びナイシンを使用して、成長するクロストリジウム・ディフィシレとその栄養胞子の両方を阻害するのに効果的な量の薬剤を送達する。
第2の実施形態として、クロトリマゾール及びその誘導体をクロストリジウム・ディフィシレが一因又は原因の感染症を治療するためにナイシンと組み合わせて経口投与してもよい。クロトリマゾールは経口投与後、人体に良く吸収され、主に不活性な代謝産物として排出される。投与量1.5〜3gのクロトリマゾールの経口投与は約3時間の半減期を有し、コリスチン、ナイシン、D‐シクロセリン、ホスホマイシン、ホスホマイシン・トロメタモール、ポリミキシンB、又はこれらの誘導体又は代謝体のうち1つ以上からなるグループから選択された細菌細胞表面に活性のある薬剤との相乗的な組合せとして処方され、1日1回又は2回の経口投与が、クロトリマゾールを用いる多剤耐性グラム陽性菌感染症の治療に適している。1.5〜3gのクロトリマゾールと効果的な濃度のナイシンとの組合せは、多剤耐性グラム陽性菌感染症(例えばクロストリジウム属菌、特にクロストリジウム・ディフィシレ)の経口治療に適切であると考えられる。
有利なことに、イミダゾール又はその誘導体と、コリスチン、ナイシン、D‐シクロセリン、ホスホマイシン、ポリミキシンB、又はこれらの誘導体のうち1つ以上からなるグループから選択された細菌細胞表面に活性のある薬剤とからなる相乗的な組合せは、経口で、局所的に感染部位に、経粘膜で、経皮で、又は静脈内に投与されてよい。従って、イミダゾール及びその誘導体と、コリスチン、ナイシン、D‐シクロセリン、ホスホマイシン、ポリミキシンB、及びこれらの誘導体のうち1つ以上からなるグループから選択された細菌細胞表面に活性のある薬剤とからなる相乗的な組合せは、重合体ナノ粒子、例えばアルギン酸塩又はポリラクチド‐コグリコリドナノ粒子として、又は薬学上許容される担体又は賦形剤を含む殺菌された医薬組成物として処方されてもよい。このような担体又は賦形剤は当業者に周知であり、例えば水、食塩水、リン酸緩衝食塩水、デキストロース、グリセリン、エタノール、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清アルブミン等の血清タンパク質、リン酸塩等の緩衝物質、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、植物性飽和脂肪酸の部分グリセリド混合物、乳酸、硫酸プロタミン等の水溶性塩又は電解質、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、α‐シクロデキストリン、β‐シクロデキストリン、スルホブチルエーテル7‐β‐シクロデキストリン及びヒドロキシプロピル‐β‐シクロデキストリン等のシクロデキストリン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、蝋、ポリエチレン‐ポリプロピレン‐ブロックポリマー、ポリエチレングリコール、羊毛脂など、及びこれらの組合せを含んでよい。
イミダゾール又はその誘導体と、コリスチン、ナイシン、D‐シクロセリン、ホスホマイシン、ポリミキシンB、又はこれらの誘導体からなるグループから選択された細菌細胞表面に活性のある薬剤とからなる相乗的な組合せは、他の薬剤と組み合わせて投与されてもよい。例えば、イミダゾール及びその誘導体と、コリスチン、ナイシン、D‐シクロセリン、ホスホマイシン、ポリミキシンB、及びこれらの誘導体又は代謝体からなるグループから選択された細菌細胞表面に活性のある薬剤とからなる相乗的な組合せは、化学療法薬剤、浸透を容易にする洗浄剤、免疫刺激化合物又は薬剤、オリゴヌクレオチド、サイトカイン、ホルモン等と組み合わせて投与されてもよい。
イミダゾール及びその誘導体と、コリスチン、ナイシン、D‐シクロセリン、ホスホマイシン、ポリミキシンB、及びこれらの誘導体のうち1つ以上からなるグループから選択された細菌細胞表面に活性のある薬剤とからなる相乗的な組合せ、又は前述したいずれかの組合せ処方を、経皮で、例えばある種の経皮送達デバイスにより投与することが可能である。このようなデバイスは、例えば経口又は静脈内薬剤に比べてより長い治療期間を可能にしうるので、特に抗生物質の投与に有利である。
経皮送達デバイスの例は、例えば、患者の皮膚を通して化合物又は物質を放出するのに適合したパッチ、外傷用医薬材料、包帯、又は絆創膏を含んでよい。当業者は、化合物又は物質の経皮送達に使用しうる材料や技術を熟知しているであろう。代表的な経皮送達デバイスは、英国特許第2185187号、米国特許第3249109号、米国特許第3598122号、米国特許第4144317号、米国特許第4262003号、及び米国特許第4307717号により提供される。
一例として、イミダゾール及びその誘導体と、コリスチン、ナイシン、D‐シクロセリン、ホスホマイシン、ポリミキシンB、及びこれらの誘導体のうち1つ以上からなるグループから選択された細菌細胞表面に活性のある薬剤とからなる相乗的な組合せを、経皮送達システムでの使用に適するように、非水系の高分子担体等の何らかの基質と組み合わせてもよい。この混合物は、患者の体の特定領域に一時的に取り付けることのできるパッチ、包帯、絆創膏等を製造するために、織布、ニット、不織布、又は比較的目の粗い布を用いることで、強化することができる。これにより、経皮送達デバイスは、患者の皮膚と接触している間、必要に応じて感染部位に直接、或いは皮膚を通して、化合物又は物質を放出する。
本明細書が提供する化合物は、MRSA、MRSE、VISA、VRSA、VRE、及び/又はクロストリジウム属菌による汚染を低減及び/又は除去するために、例えば表面の上で使用するための殺菌又は清浄助剤として使用されてもよい。一例として、イミダゾール及びその誘導体と、コリスチン、ナイシン、D‐シクロセリン、ホスホマイシン、ポリミキシンB、及びこれらの誘導体からなるグループから選択された細菌細胞表面に活性のある薬剤とからなる相乗的な組合せ、例えばミコナゾール又は硝酸ミコナゾールとナイシンとの組合せを塗布してもよく、MRSA、MRSE、VISA、VRSA、VRE、及び/又はクロストリジウム属菌による汚染が疑われる任意の表面に塗布するために調製してもよい。例えば、本発明の化合物は、殺菌剤又は清浄剤として使用するために、適当な賦形剤又は溶液に加えるか、又は希釈することができる。代表的な賦形剤を上述した。このような殺菌液又は清浄液は、例えば、家具、床、或いは病院専用機器及び/又は手術器具等を含む機器の除染のために用いることができる。
有利なことに、イミダゾール及びその誘導体と、コリスチン、ナイシン、D‐シクロセリン、ホスホマイシン、ポリミキシンB、及びこれらの誘導体からなるグループから選択された細菌細胞表面に活性のある薬剤とからなる相乗的な組合せは、MRSA、MRSE、VISA、VRSA、VRE、及びクロストリジウム属菌の成長を阻止しその環境における、例えばバンコマイシン耐性の発現及び拡散の可能性を低減するために、医療又は獣医表面に塗布されてよい。本明細書で使用する用語「表面」は、医療用か産業用かにかかわらず、流体と固体との界面である任意の表面を指す。流体と固体との界面は断続的であってもよく、流れる又は停滞した流体、煙霧、又は他の空中浮遊流体曝露手段により生じてもよい。本明細書における表面はより具体的には黄色ブドウ球菌、腸球菌等の細菌の付着を許す機械的構造を持った平面を指す。本明細書において、用語「医療又は獣医表面」は様々な使い捨て又は使い捨てでない器具及びデバイスの内面と外面を含む。これらの例は全ての種類の医療デバイスを含む。
本明細書で使用する用語「医療環境で見つかる表面」は、使い捨てか繰返し使用するものかにかかわらず、様々な器具及びデバイスの内面と外面を含む。これらの例は全ての種類の医療用の物品を含み、これらはメス、針、鋏、及び侵襲的な外科処置、治療処置、又は診断処置に使用する他のデバイス;人工血管、カテーテル、及び患者への流体の送達又は除去のための他のデバイス、人工心臓、人工腎臓、整形外科用ピン、プレート、及びインプラントを含む埋め込み医療デバイス;カテーテル及び他のチューブ(泌尿チューブ、胆汁チューブ、気管内チューブ、末梢挿入中心静脈カテーテル、透析カテーテル、長期留置トンネル式中心静脈カテーテル、末梢静脈カテーテル、短期中心静脈カテーテル、動脈カテーテル、肺カテーテル、Swan‐Ganzカテーテル、導尿カテーテル、腹膜カテーテルを含む)、導尿デバイス(長期導尿デバイス、組織結合尿道デバイス、人工尿道括約筋、尿道拡張器を含む)、シャント(脳室シャント又は動静脈シャントを含む);人工器官(乳房インプラント、人工陰茎、人工移植血管、心臓弁、人工関節、人工喉頭、耳鼻科用インプラントを含む)、血管カテーテルポート、創傷排液管、水頭症シャント、ペースメーカー、及び埋め込み除細動器などを含む。他の例は、当業者には容易に明らかであろう。医療環境で見つかる表面は、医療機器と、医療現場において職員が着用又は携行する医療用装具との内面及び外面も含む。このような表面は、医療処置のために使用するエリア、或いは酸素、噴霧器内の可溶化薬剤、及び麻酔剤の投与を含む呼吸器治療に使用する医療器具、管、及びキャニスターの準備のために使用するエリアにあるカウンター上面及び設備を含んでもよい。また、医療現場において感染性微生物に対する生物学的障壁として意図された表面、例えば手袋、エプロン、及びフェイスシールドも含まれる。生物学的障壁に通常使用される材料は、ラテックス系、又は非ラテックス系、例えばビニールであってもよい。他の表面は、無菌であると意図されていない医療用または歯科用機器のハンドル及びケーブルを含んでもよい。また、このような表面は、血液、体液、又は他の危険な生体材料に通常出会うエリアに存在する管及び他の装置の無菌でない外面を含んでもよい。
別の実施形態では、本明細書に記載された化合物は、身体部分、特に例えば手についたMRSA、MRSE、VISA、VRSA、VRE、及びクロストリジウム属菌による汚染を除去及び/又は低減するために使用されてもよい。イミダゾール及びその誘導体と、コリスチン、ナイシン、D‐シクロセリン、ホスホマイシン、ポリミキシンB、及びこれらの誘導体のうち1つ以上からなるグループから選択された細菌細胞表面に活性のある薬剤とからなる相乗的な組合せを、水性、非水性、又は有機溶媒に溶解して水性または非水性溶液として希釈し、身体部分、例えば手に用いてもよい。このような溶液は、MRSA、MRSE、VISA、VRSA、VRE、及びクロストリジウム属菌の罹患率及び感染率がしばしば高い、例えば病院、介護施設、及び/又は保育所において特に利用されうる。
別の実施形態では、本明細書に記載された方法及び薬剤を、MRSA、MRSE、VISA、VRSA、VRE、及びクロストリジウム属菌が原因又は一因の感染症の発現を防止するか、又は例えばMRSA感染症からVISA又はVRSAが出現する可能性を低減するための手段として、予防的に使用してもよい。予防的使用のための薬剤及び/又は方法は、MRSA、MRSE、VISA、VRSA、VRE、及びクロストリジウム属菌が原因又は一因の感染症を発現する危険性のある任意の人または哺乳動物に投与又は適用されてよい。例えば、介護施設、養護施設、スポーツセンター、コミュニティーセンター、小売店、飲食店、喫茶店、保育所、及び/又は学校で働く人々は、予防処置を必要とする場合がある。
従って、本発明は予防的使用のために上述した組成物を提供する。
有利なことには、本明細書に記載された薬剤及び/又は方法は、MRSA、MRSE、VISA、VRSA、VRE、及びクロストリジウム属菌に感染又は発症し易いか又は危険性のある人々または患者を収容、保護、介護、又は拘束する施設において特に有用である可能性がある。この薬剤及び方法は、病院、養護施設、保育所、及び/又は学校において特に有用である可能性がある。より一般的には、高齢、若年、または免疫不全の人または患者は、本明細書に記載された薬剤及び方法から特に利益を得る可能性がある。また、本発明の方法及び薬剤は、病院、例えば集中治療施設に長期滞在中の患者にとって特に有用である可能性がある。
また(又は或いは)、本明細書に記載された薬剤及び方法は、コミュニティーセンター、スポーツ施設、小売店、飲食店、喫茶店、又は細菌、特にMRSA、MRSE、VISA、VRSA、VRE、及びクロストリジウム属菌の感染が起こり易い他の場所において有用である可能性がある。
従って、本発明はまた、殺菌及び/又は清浄剤に使用するために上述した組成物を提供する。
下記の実施例と図を参照すると、本発明は例示のために提示した実施形態に限定されず、上記開示の範囲に入る全ての形態を含むことは理解されるであろう。
MICの4倍のミコナゾール及びホスホマイシンの存在中においてMRSA株に対して達成された殺菌カーブ(円マーカー付き黒色破線、Fos 4x)と、現在の標準治療、MICの4倍のバンコマイシンの場合(円マーカー付き灰色点線、Vanc 4x)とを示す。 図2は、MRSAに対してミコナゾールを単独で使用した場合に得られた殺菌カーブ(灰色線)を、ミコナゾールと準阻止濃度のホスホマイシンとの組合せ(Micon + fos 4x、黒色破線)、及びミコナゾールと準阻止濃度のコリスチンとの組合せ(Micon + Col 4x、灰色点線)と比較して示し、ミコナゾールとコリスチンとの組合せ、及びミコナゾールとホスホマイシンとの組合せの明らかな相乗効果を示している。 MRSAに対してミコナゾールを単独で使用した場合に得られた殺菌カーブ(灰色線、四角マーカー)を、ミコナゾールと準阻止濃度のD‐シクロセリンとの組合せ(Micon + D-cyc 4x、黒色破線、三角マーカー)、ミコナゾールと準阻止濃度のナイシンとの組合せ(Micon + nisin 4x、黒色破線、四角マーカー)、及びミコナゾールと準阻止濃度のポリミキシンBとの組合せ(Micon + polymixin B、灰色点線)と比較して示し、ミコナゾールとD‐シクロセリンとの組合せ、ミコナゾールとナイシンとの組合せ、及びミコナゾールとポリミキシンBとの組合せの明らかな相乗効果を示している。
==方法==
実施例の実験において、硝酸ミコナゾール、硝酸エコナゾール、及びクロトリマゾールをそれぞれDMSOに溶解させた。コリスチン、D‐シクロセリン、ホスホマイシン、及びポリミキシンBを水に溶解させた。ナイシンを0.02MのHClに10mg/mLで懸濁させ、10,000gで10分間の遠心分離後の上澄み部分を下記の実験に使用した。
使用可能な他の溶媒は、ヒマシ油、ピリジン、及び0.9%の生理食塩水などである。静脈内投与のために、薬剤を、ポリエトキシル化したヒマシ油、又はスルホブチルエーテル7‐β‐シクロデキストリンもしくはヒドロキシプロピル‐β‐シクロデキストリン等のシクロデキストリン、及び乳酸内で可溶性にすることができる。BSAC(英国抗菌薬化学療法学会、British Society for Antimicrobial Chemotherapy)のガイドライン(Andrews 2001)に従って、各薬剤に対して様々な臨床細菌生物及び対照細菌生物の最小発育阻止濃度(MIC)を測定した。イミダゾールとコリスチン、D‐シクロセリン、ホスホマイシン、ポリミキシンB、又はナイシンとの組合せのMICを測定する方法を下記に簡単に説明する。MICは寒天希釈法で測定された。GarrisonとNuemiller、2007の方法に従って、殺菌カーブ測定を行った。殺菌カーブは平均CFU/mLデータを時間経過に対して対数プロットすることで作成される。細菌数の全対数減少は最初の接種から24hCFU/mL値を減算することで決定される。
<寒天プレート及び液体培地の調製>
以下の式を用いて各薬剤の原液を調製した。
(1000/P)×V×C=W
ここで、
Pはmgあたりの活性化合物のμgであり(μg/mg)、
Vは必要な容量(mL)であり、
Cは溶液の最終濃度(mg/L)であり、
Wは容量V(mL)に溶解させる薬剤の重量(mg)である。
原液は、1000mg/L及び100mg/Lの濃度で調製した。ミコナゾールのMICを測定するために、適当な量の各原液を別々のペトリ皿に加えて、0.12〜32mg/Lの範囲の最終濃度(溶解寒天20mLを加えた後の)とした。ミコナゾールと細菌細胞表面に活性のある特定の薬剤との組合せのMICを測定するために、これらの濃度のミコナゾールを細菌細胞表面に活性があり固定準阻止量の薬剤に加えて使用した。使用した細胞膜又は細胞壁活性薬剤の濃度は次のとおりであった:コリスチン5mg/L、D‐シクロセリン10mg/L、ホスホマイシン5mg/L、ポリミキシンB20mg/L、ナイシン2.5mg/L。これらの濃度は試験した細菌株の成長に阻止効果を持たないことが示された。このため、これらの細胞表面活性薬剤の存在中で観察されたミコナゾールのMICのいかなる減少も相乗効果を示す。所定量(20mL)の冷ました溶解IST寒天(Oxoid社)を各ペトリ皿に加え撹拌により混合した。乾燥後、これらのプレートを4℃で保存し、遮光した。プレートは、調製したその日に使用した。
<接種材料の調製>
試験生物を、IST液体培地5mL中で一晩成長させた。0.9%の生理食塩水による1:100の希釈液を使用し、適当な寒天プレートに多点接種器を用いて接種した。
<培養>
寒天プレートとマイクロタイタープレートを空気中で37℃で18〜20時間培養した。
<結果の説明>
MICは、視認できる細菌の成長がない抗生物質の最小量である。極小さな単一のコロニーや、かすかな濁りは、成長としてカウントしなかった。組合せた薬剤の阻止効果が各薬剤単独の阻止効果の和より大きい場合、相乗効果を報告した。試験菌株の50%の成長と90%の成長を阻止できるミコナゾール(細胞膜又は細胞壁活性薬剤有りと無しの両方)の濃度をそれぞれMIC50とMIC90として報告する。細菌株の各群のMIC範囲も報告する。
==結果==
表1a、1b、1c、1d、及び1eは、試験した各組合せのMIC50、MIC90、及び範囲を示す。これら各組合せで、単独で使用されたミコナゾールと比べて該組合せのMICの減少が相乗効果を示している。
表1a:ミコナゾールと組み合わせて10mg/Lで使用したシクロセリンの場合のMIC50、MIC90、及び範囲
Figure 0006023425
表1b:ミコナゾールと組み合わせて5mg/Lで使用したホスホマイシンの場合のMIC50、MIC90、及び範囲
Figure 0006023425
表1c:ミコナゾールと組み合わせて5mg/Lで使用したコリスチンの場合のMIC50、MIC90、及び範囲
Figure 0006023425
表1d:ミコナゾールと組み合わせて20mg/Lで使用したポリミキシンBの場合のMIC50、MIC90、及び範囲
Figure 0006023425
表1e:ミコナゾールと組み合わせて2.5mg/Lで使用したナイシンの場合のMIC50、MIC90、及び範囲
Figure 0006023425
表2:ビホナゾール、ケトコナゾール、及びフルコナゾールの活性の不足を示す他のイミダゾールのMIC
Figure 0006023425
表3:バシトラシンとの組合せの多剤耐性菌株への相乗効果の不足を示す、バシトラシン有りと無しの両方のミコナゾールのMIC。ここで1:1の比のバシトラシンとミコナゾールを1つの実験に使用し、固定の準阻止濃度のバシトラシン(2.5mg/L)を第2の実験に使用した。
Figure 0006023425
このデータはバシトラシンとミコナゾールの間のどんな相乗効果も、ミコナゾールへの2.5mg/Lバシトラシンの追加によるミコナゾールMICの減少の利益も示していない。
下記の表4はミコナゾールとナイシンとの組合せの観察された相乗効果と、これらの薬剤を単独で使用した場合とを示す。
Figure 0006023425
下記の表5はミコナゾールとナイシンとの相乗的な組合せのクロストリジウム・ディフィシレの様々な臨床分離株に対する阻止効果を示す。
Figure 0006023425

Claims (17)

  1. ミコナゾール又は薬学上許容される塩と、ナイシン又は薬学上許容される塩とを含む、グラム陽性菌が一因又は原因の感染症を治療するための組成物。
  2. 前記ミコナゾールの薬学上許容される塩は、薬学上許容される硝酸塩である請求項1に記載の組成物。
  3. 前記グラム陽性菌は多剤耐性グラム陽性菌である請求項2に記載の組成物。
  4. 前記多剤耐性グラム陽性菌はブドウ球菌、腸球菌、及びクロストリジウム属菌からなるグループから選択される請求項3に記載の組成物。
  5. 前記多剤耐性グラム陽性菌はMRSA、MRSE、VISA、VRSA、VRE、及びクロストリジウム属菌からなるグループから選択される請求項4に記載の組成物。
  6. 前記ミコナゾール又は薬学上許容される塩と、前記ナイシン又は薬学上許容される塩とを含み、クロストリジウム属の多剤耐性グラム陽性生物が一因又は原因の感染症を治療するための請求項1に記載の組成物。
  7. 前記クロストリジウム属の多剤耐性グラム陽性生物はクロストリジウム・ディフィシレである請求項6に記載の組成物。
  8. 経口投与のための請求項1に記載の組成物。
  9. ミコナゾール又は薬学上許容される塩と、ナイシン又は薬学上許容される塩とを含む、予防的使用のための組成物。
  10. ミコナゾール又は薬学上許容される塩と、ナイシン又は薬学上許容される塩とを含む、殺菌のため、又は清浄助剤としての組成物。
  11. グラム陽性菌が一因又は原因の感染症を治療するための薬剤の製造における、ミコナゾール又は薬学上許容される塩と、ナイシン又は薬学上許容される塩との組合せの使用。
  12. 前記グラム陽性菌は多剤耐性グラム陽性菌である請求項11に記載の使用。
  13. 前記多剤耐性グラム陽性菌はブドウ球菌、腸球菌、及びクロストリジウム属菌からなるグループから選択される請求項12に記載の使用。
  14. グラム陽性菌が一因又は原因の感染症を治療するためのミコナゾールとの組合せ薬剤の製造における、ナイシン又は薬学上許容される塩の使用。
  15. 前記使用はVISAまたはVRSAの出現を低減する請求項14に記載の使用。
  16. クロストリジウム属菌が一因又は原因の感染症を治療するためのミコナゾールとの組合せ薬剤の製造における、ナイシン又は薬学上許容される塩の使用。
  17. ミコナゾール又は薬学上許容される塩と、ナイシン又は薬学上許容される塩との前記組合せ薬剤はクロストリジウム・ディフィシレ等のクロストリジウム属菌による感染症の再発率を低減する請求項16に記載の使用。
JP2011517993A 2008-07-18 2009-07-17 グラム陽性菌感染症の治療のための抗菌組合せ療法 Expired - Fee Related JP6023425B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GBGB0813211.0A GB0813211D0 (en) 2008-07-18 2008-07-18 Antibacterial combination therapy for the treatment of gram positive bacterial infections
GB0813211.0 2008-07-18
PCT/GB2009/001772 WO2010007381A1 (en) 2008-07-18 2009-07-17 Antibacterial combination therapy for the treatment of gram positive bacterial infections

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012503594A JP2012503594A (ja) 2012-02-09
JP6023425B2 true JP6023425B2 (ja) 2016-11-09

Family

ID=39737300

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011517993A Expired - Fee Related JP6023425B2 (ja) 2008-07-18 2009-07-17 グラム陽性菌感染症の治療のための抗菌組合せ療法

Country Status (15)

Country Link
US (1) US8614179B2 (ja)
EP (1) EP2328573B1 (ja)
JP (1) JP6023425B2 (ja)
CN (1) CN102112125B (ja)
AU (1) AU2009272485B2 (ja)
CA (1) CA2730826A1 (ja)
CY (1) CY1116056T1 (ja)
DK (1) DK2328573T3 (ja)
ES (1) ES2523968T3 (ja)
GB (1) GB0813211D0 (ja)
HR (1) HRP20141147T1 (ja)
PL (1) PL2328573T3 (ja)
PT (1) PT2328573E (ja)
WO (1) WO2010007381A1 (ja)
ZA (1) ZA201100705B (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2508231A3 (en) * 2006-11-16 2012-10-17 E-Therapeutics Plc Imidazoles for treating multi-drug resistant bacterial infections
GB0714226D0 (en) * 2007-07-20 2007-08-29 Therapeutics Ltd E anti-bacterial combination therapy
GB0813211D0 (en) 2008-07-18 2008-08-27 E Therapeutics Plc Antibacterial combination therapy for the treatment of gram positive bacterial infections
BRPI0904249B1 (pt) 2009-08-28 2018-03-06 Biolab Sanus Farmacêutica Ltda. Compostos éteres aralquil benzílicos, processo de preparação dos mesmos, uso dos referidos compostos, composição farmacêutica
US10471083B2 (en) 2011-07-12 2019-11-12 Savara Inc. Formulations of aminoglycoside and fosfomycin in combination for treatment of ventilator associated pneumonia (VAP) and ventilator associated tracheal (VAT) bronchitis
US8826904B2 (en) 2011-07-12 2014-09-09 Cardeas Pharma Corporation Formulations of aminoglycoside and fosfomycin combinations and methods and systems for treatment of ventilator associated pneumonia (VAP) and ventilator associated tracheal (VAT) bronchitis
WO2014052836A2 (en) 2012-09-27 2014-04-03 Dunman Paul M Methods and compositions for treating infection
US9662372B2 (en) 2013-02-20 2017-05-30 Biolog, Inc. Compositions and methods to inactivate and/or reduce production of microbial toxins
GB201305277D0 (en) * 2013-03-22 2013-05-01 Helperby Therapeutics Ltd Novel combination and use
RU2549447C1 (ru) * 2014-03-14 2015-04-27 Алексей Игоревич Панюков Противовоспалительное антибактериальное ранозаживляющее средство
DE102014218913A1 (de) * 2014-09-19 2016-03-24 Heraeus Medical Gmbh Verfahren zur Herstellung eines antibiotischen Polymehtylmethacrylat-Knochenzementpulvers und ein antibiotisches Polymethtylmethacrylat-Knochenzementpulver
CN106377757B (zh) * 2016-03-04 2020-05-19 广州英赛特生物技术有限公司 含氧碳氢衍生物作为多粘菌素的协同增效剂的应用
US10526343B2 (en) 2018-03-26 2020-01-07 University Of Sharjah Heterocyclic systems and pharmaceutical applications thereof
US10485790B1 (en) * 2018-09-13 2019-11-26 Syneurx International (Taiwan) Corp. Salts of cycloserine compounds and applications thereof
WO2022257105A1 (en) * 2021-06-11 2022-12-15 The Hong Kong Polytechnic University Methods for treating bacterial cell populations
US20230062900A1 (en) * 2021-08-05 2023-03-02 Jonathan SORRES New antibacterial compound isolated from psiloxylon mauritianum and its derivatives

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3249109A (en) 1963-11-01 1966-05-03 Maeth Harry Topical dressing
US3598122A (en) 1969-04-01 1971-08-10 Alza Corp Bandage for administering drugs
US4144317A (en) 1975-05-30 1979-03-13 Alza Corporation Device consisting of copolymer having acetoxy groups for delivering drugs
US4262003A (en) 1975-12-08 1981-04-14 Alza Corporation Method and therapeutic system for administering scopolamine transdermally
US4307717A (en) 1977-11-07 1981-12-29 Lectec Corporation Sterile improved bandage containing a medicament
NZ210840A (en) 1984-01-18 1987-05-29 Johnson & Johnson Baby Prod Composition comprising synergistic combination of miconazole nitrate and zinc oxide
US4725439A (en) 1984-06-29 1988-02-16 Alza Corporation Transdermal drug delivery device
HU199682B (en) * 1988-04-01 1990-03-28 Egyt Gyogyszervegyeszeti Gyar Process for producin synergetic veterinary composition
GB9224598D0 (en) * 1992-11-24 1993-01-13 Smithkline Beecham Plc Novel compositions
JP2875140B2 (ja) 1993-08-16 1999-03-24 明治製菓株式会社 抗mrsa組成物
US6461607B1 (en) 1998-08-24 2002-10-08 Ganeden Biotech, Inc. Probiotic, lactic acid-producing bacteria and uses thereof
FR2843302B1 (fr) 2002-08-09 2004-10-22 Centre Nat Rech Scient Forme galenique pour la delivrance colique de principes actifs
US7238363B2 (en) 2004-04-02 2007-07-03 Baylor College Of Medicine Modification of medical prostheses
EP2508231A3 (en) * 2006-11-16 2012-10-17 E-Therapeutics Plc Imidazoles for treating multi-drug resistant bacterial infections
GB0714226D0 (en) 2007-07-20 2007-08-29 Therapeutics Ltd E anti-bacterial combination therapy
US20100239682A1 (en) 2007-09-17 2010-09-23 Antoine Andremont Colonic delivery of antimicrobial agents
GB0724996D0 (en) * 2007-12-21 2008-01-30 Therapeutics Ltd E Antibacterial combination therapy for the treatment of gram positive bacterial infections
GB0813211D0 (en) 2008-07-18 2008-08-27 E Therapeutics Plc Antibacterial combination therapy for the treatment of gram positive bacterial infections

Also Published As

Publication number Publication date
HRP20141147T1 (hr) 2015-01-30
CN102112125B (zh) 2016-06-22
DK2328573T3 (en) 2014-12-08
AU2009272485B2 (en) 2015-02-12
GB0813211D0 (en) 2008-08-27
ES2523968T3 (es) 2014-12-03
EP2328573A1 (en) 2011-06-08
US8614179B2 (en) 2013-12-24
CA2730826A1 (en) 2010-01-21
AU2009272485A1 (en) 2010-01-21
US20110257078A1 (en) 2011-10-20
EP2328573B1 (en) 2014-08-27
CN102112125A (zh) 2011-06-29
ZA201100705B (en) 2012-04-25
CY1116056T1 (el) 2017-02-08
PL2328573T3 (pl) 2015-02-27
JP2012503594A (ja) 2012-02-09
WO2010007381A1 (en) 2010-01-21
PT2328573E (pt) 2014-12-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6023425B2 (ja) グラム陽性菌感染症の治療のための抗菌組合せ療法
CZ2005820A3 (cs) Antiseptické prostředky, způsoby a systémy
JP7075667B2 (ja) 細菌感染の予防および治療のためのトリアゾロ(4,5-d)ピリミジン誘導体の新規な使用
US20090170947A1 (en) Disinfectant compositions, methods and systems
US20110039906A1 (en) Antibacterial combination therapy
EP2094358B1 (en) Imidazoles for treating multi-drug resistant bacterial infections
EP2600927B1 (en) Antimicrobial hydrochloric acid catheter lock solution and method of use
WO2009081117A1 (en) Antibacterial combination therapy for the treatment of gram positive bacterial infections
CA3017097C (en) Broad spectrum antimicrobial & anticoagulant composition
AU2007320931A1 (en) Clotrimazol for treating staphylococcal infections
TW202245752A (zh) 用於減少抗生素抗性出現之方法
Wickens et al. Clinical uses of antimicrobial drugs
JP2001097891A (ja) 呼吸器系病原菌に対するフルオロキノロン化合物の使用法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120626

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131126

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20140226

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20140305

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140326

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140708

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141107

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20141225

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20150206

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20160608

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160707

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161007

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6023425

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees