ところが、従来の観測装置には、以下の問題点が存在する。すなわち、従来の観測装置では、5つの項目に関する測定処理を常時実行して、その測定結果をモニターに表示させると共に、適正値を外れた信号が測定されたときにアラームを発する構成が採用されている。この場合、例えば、走行中に何らかの不具合が生じる車両の故障診断を目的として各種項目についての測定処理を実行するときには、対象の車両が停止している状態においての各項目についての測定処理が不要となる。しかしながら、従来の観測装置では、対象の車両の状態に拘わらず、5つの項目に関する測定処理を常時実行する構成が採用されているため、このような故障診断を目的とする用途においては、不要な測定処理の実行によって、電力が消費されるという問題点がある。
また、この種の装置の用途としては、例えば、所定の高度(標高)を超えたときや、所定の高度(標高)を下回ったときに何らかの不具合が生じる車両の故障診断を目的とする測定処理が挙げられる。しかしながら、従来の観測装置では、対象の車両の高度を特定可能な情報を得ることができないため、不具合が生じることのない高度においても、各項目についての測定処理を実行する必要が生じる。このため、このような故障診断を目的とする用途においても、不要な測定処理の実行によって、電力が消費されるという問題点がある。
さらに、この種の装置の用途としては、故障診断を目的とした各項目についての測定処理だけでなく、例えば、サーキット走行時における各項目についての測定処理が挙げられる。この場合、例えば、一周のうちの任意の区間においてのみ、各項目についての測定処理を実行したいことがある。しかしながら、従来の観測装置では、対象の車両がコース上のどの区間を走行中であるかを特定可能な情報を得ることができないため、所望の区間以外においても、各項目についての測定処理を実行する必要が生じる。このため、このような用途においても、不要な測定処理の実行によって、電力が消費されるという問題点がある。
一方、上記した各種の用途において、測定処理の測定結果をメモリ等の記録部に記録しようとした場合、対象の車両の状態に拘わらず各項目についての測定処理を実行する構成の従来の観測装置では、不要な測定結果を記録する処理によって電力が消費されるだけでなく、記録部に記録される測定結果のデータ量が短時間で増加してしまう。このため、記録部の記録可能容量が短時間で減少してしまう。したがって、従来の観測装置に対して測定結果を記録する構成を付加した場合には、必要な測定結果を長時間に亘って記録することができないという問題が生じる。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、消費電力を低減しつつ、必要な測定結果を取得させ得る測定装置を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の測定装置は、測定対象体についての電気的パラメータを測定する測定処理を実行する測定部と、前記測定処理の測定結果を記録する記録部と、当該記録部を制御して前記測定結果の記録を開始させる記録開始処理および当該記録部を制御して当該測定結果の記録を停止させる記録停止処理を実行する制御部とを備えた測定装置であって、前記制御部は、前記記録開始処理を実行した後に、予め規定された速度で移動しているとの第1の条件、および予め規定された方位に移動しているとの第2の条件のうちの少なくとも1つの条件を満たす測位情報がGPSレシーバから出力されたときに、前記記録停止処理を実行する。
また、請求項2記載の測定装置は、測定対象体についての電気的パラメータを測定する測定処理を実行する測定部と、当該測定部を制御して前記測定処理を開始させる測定開始処理および当該測定部を制御して当該測定処理を停止させる測定停止処理を実行する制御部とを備えた測定装置であって、前記制御部は、予め規定された速度で移動しているとの第1の条件、および予め規定された方位に移動しているとの第2の条件のうちの少なくとも1つの条件を満たす測位情報がGPSレシーバから出力されたときに、前記測定開始処理および前記測定停止処理のうちの当該少なくとも1つの条件に対応付けられた少なくとも一方を実行する。
なお、「予め規定された速度」には、「規定された速度を中心とする規定範囲内の速度」、「規定された速度以外の速度」および「規定された速度を中心とする規定範囲以外の速度」がこれに含まれる。さらに、「予め規定された方位」には、「規定された方位を中心とする規定範囲内の方位」、「規定された方位以外の方位」および「規定された方位を中心とする規定範囲以外の方位」がこれに含まれる。
さらに、請求項3記載の測定装置は、請求項1または2記載の測定装置において、前記GPSレシーバにおける少なくともレシーバ本体部を内蔵している。
請求項1記載の測定装置によれば、制御部が、測定部による測定処理の測定結果の記録を記録部に開始させる記録開始処理を実行した後に、予め規定された条件を満たす測位情報がGPSレシーバから出力されたときに、記録部を制御して、測定結果の記録を停止させる記録停止処理を実行することにより、測定結果を記録する必要のない状態において不要な測定結果が記録部に記録され続けることがないため、不要な測定結果によって記録部の貴重な記録可能領域が占有される事態を回避して、少容量の記録部によって必要な測定結果を長時間に亘って記録して取得させることができる。また、記録する必要のない測定結果を記録し続けるのに要する電力の分だけ、消費電力を低減することができる。
また、請求項2記載の測定装置によれば、制御部が、予め規定された条件を満たす測位情報がGPSレシーバから出力されたときに、測定部を制御して、測定対象体についての電気的パラメータを測定する測定処理を開始させる測定開始処理、および測定部を制御して測定処理を停止させる測定停止処理のうちの予め規定された条件に対応付けられた少なくとも一方を実行することにより、測定結果を取得させる必要がないときに測定処理が実行されることがないため、消費電力を低減しつつ、必要な測定結果を取得させることができる。
さらに、上記の測定装置によれば、制御部が、予め規定された速度で移動しているとの第1の条件、および予め規定された方位に移動しているとの第2の条件のうちの少なくとも1つの条件を予め規定された条件とすることにより、希望する用途に応じたきめ細かな条件設定を行うことができる。このため、記録停止処理を実行する構成の測定装置においては、必要な測定結果を一層長時間に亘って記録することができると共に、記録し続ける必要のない測定結果の記録による電力の消費を回避して、電力消費量を一層低減することができる。また、測定開始処理および測定停止処理を実行する構成の測定装置においては、実行する必要のない測定処理による電力の消費を回避して、電力消費量を一層低減することができる。
また、請求項3記載の測定装置によれば、GPSレシーバにおける少なくともレシーバ本体部を内蔵したことにより、これらを別個に設けた構成の測定装置とは異なり、測定装置の設置とは別個にレシーバ本体部を設置する作業が不要となり、測定装置を設置するだけで、測定処理や、測定結果の記録処理を迅速かつ容易に開始することができる。
以下、測定装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
図1に示す測定装置1は、「測定装置」の一例である車載型のデータレコーダであって、GPSレシーバ2、測定部3、操作部4、表示部5、記録部6および制御部7を備えて構成されている。この場合、GPSレシーバ2は、一例として、レシーバ本体部と、レシーバ本体部に対してケーブルを介して接続された受信アンテナとを備えて構成されている(共に図示せず)。また、本例では、レシーバ本体部を上記の各構成要素3〜7と共に測定装置1の筐体内に配設する(内蔵する)共に、受信アンテナを測定対象体の自動車における任意の部位に固定することができるように構成されている。このGPSレシーバ2は、レシーバ本体部における処理部が、受信アンテナを介して受信したGPS信号S1に基づき、GPSレシーバ2(受信アンテナ)の位置、移動速度および移動方向などを特定して測位情報D1として出力する。なお、上記の測位情報D1は、一例として、現在時刻、補足している衛星に関する情報、緯度、軽度、高度(標高:海抜)、方位(進行方向)、および速度等の情報で構成されている。
一方、測定部3は、一例として、自動車の故障診断用コネクタに接続可能な接続用コネクタ3aを備え、この接続用コネクタ3aを介して入力される各種測定対象信号S2についての測定処理を実行して、その測定結果を示す測定結果情報D2を制御部7に出力する。この場合、本例では、一例として、測定装置1に電源が投入されている状態において、測定部3が、故障診断用コネクタおよび接続用コネクタ3aを介して、「クランク角センサからのセンサ信号」、「インジェクタ制御信号」、「水温センサからのセンサ信号」、「エアフロメータ、吸気圧センサおよび過給圧センサ等からのセンサ信号」、「スロットルセンサからのセンサ信号」、「O2センサからのセンサ信号」、および「車速センサからのセンサ信号」などの各種の信号を測定対象信号S2として取得し、これらの信号についての電流値、電圧値および位相や、これらの信号に基づく各センサの抵抗値など(「電気的パラメータ」の一例)の測定処理を継続的に実行して測定結果情報D2を出力する。
操作部4は、一例として、表示部5と一体的に構成されたタッチパネルや、各種操作を行うための操作スイッチを備え、これらの操作に応じた操作信号を制御部7に出力する。表示部5は、一例として、液晶表示器を備えて構成され、制御部7の制御に従って、測定装置1の動作条件を設定するための「設定画面」や、測定部3による測定結果(一例として、数値、記号、グラフおよび波形など)を表す「測定結果表示画面」などを表示する(図示せず)。なお、表示部5を設けることなく、外部装置としての「表示部」に測定結果等を表示させる構成を採用することもできる。記録部6は、一例として、リムーバブルメモリと、このリムーバブルメモリを装着可能なメモリ装着部を備えて構成され(共に図示せず)、制御部7の制御に従って、測定部3から出力される測定結果情報D2などを記録する。
制御部7は、測定装置1を総括的に制御する。具体的には、制御部7は、測定部3を制御して、上記の各測定対象信号S2についての測定処理を実行させると共に、測定部3から出力される測定結果情報D2に基づく各種の情報を表示部5に表示させる。また、制御部7は、図2に示す測定結果記録処理10を実行して、GPSレシーバ2から出力される測位情報D1を解析し、後述する各種の条件を満たす測位情報D1が出力されたと判別したときに、測定部3からの測定結果情報D2の記録部6(リムーバブルメモリ)への記録を開始する記録開始処理、および記録部6への測定結果情報D2の記録を停止する記録停止処理を実行する。
なお、本例の測定装置1では、制御部7が測位情報D1を解析することで、以下の各条件のうちの選択された1つまたは複数の条件を満たす測位情報D1が出力されたと判別したときに、その条件に対応付けられている「記録開始処理」および「記録停止処理」のいずれかを実行する構成が採用されている。具体的には、本例の測定装置1では、GPSレシーバ2(すなわち、対象車両)の「位置」についての条件、GPSレシーバ2(すなわち、対象車両)の「移動速度」についての条件(「第1の条件」)、およびGPSレシーバ2(すなわち、対象車両)の「移動方向(方位)」についての条件(「第2の条件」)のうちから、「記録開始処理」および「記録停止処理」に対応付ける「任意の1つの条件」、「AND条件」または「OR条件」を任意に選択することが可能に構成されている。
より具体的には、この測定装置1では、上記の「GPSレシーバ2(対象車両)の位置についての条件」として、「規定された緯度・経度に位置している」との条件、「規定された高度に位置している」との条件、「規定された緯度・経度を中心とする規定範囲内に位置している」との条件、「規定された高度を中心とする規定範囲内に位置している」との条件、「規定された緯度・経度以外に位置している」との条件、「規定された高度以外に位置している」との条件、「規定された緯度・経度を中心とする規定範囲以外に位置している」との条件、および「規定された高度を中心とする規定範囲以外に位置している」との条件のうちの任意の条件を選択することができるように構成されている。
また、この測定装置1では、上記の「第1の条件」として、「規定された速度で移動しているとき」との条件、「規定された速度を中心とする規定範囲内の速度で移動しているとき」との条件、「規定された速度以外の速度で移動しているとき」との条件、および「規定された速度を中心とする規定範囲以外の速度で移動しているとき」との条件のうちの任意の条件を選択することができるように構成されている。さらに、この測定装置1では、上記の「第2の条件」として、「規定された方位に移動しているとき」との条件、「規定された方位を中心とする規定範囲内の方位に移動しているとき」との条件、「規定された方位以外の方位に移動しているとき」との条件、および「規定された方位を中心とする規定範囲以外の方位に移動しているとき」との条件のうちの任意の条件を選択することができるように構成されている。
この測定装置1の使用に際しては、一例として、測定対象体の自動車におけるダッシュボードに測定装置1を設置する。次いで、GPSレシーバ2の受信アンテナをルーフに固定すると共に、図示しないハーネスを使用して故障診断用コネクタと接続用コネクタ3aとを相互に接続する。続いて、操作部4を操作して、上記の「記録開始処理」を実行する「条件」(以下、「開始条件」ともいう)、および「記録停止処理」を実行する「条件」(以下、「停止条件」ともいう)をそれぞれ設定する。この際には、一例として、「30km/hを超える速度で移動しているとき」との条件を開始条件として設定すると共に、「20km/hを下回る速度で移動しているとき」との条件を停止条件として設定する。
なお、測定装置1の動作原理についての理解を容易とするために、1つの条件を開始条件として設定する(「記録開始処理」に対応付ける)と共に、他の1つの条件を停止条件として設定する(「記録停止処理」に対応付ける)例について説明するが、開始条件や停止条件として複数の条件(例えば、「30km/hを超える速度で移動しているとき」との条件、および「標高300m以上に位置しているとき」との条件)をそれぞれ設定することもできる。
この場合、例えば、測定対象体の自動車における車速センサから出力されるセンサ信号を対象とする「測定処理」を実行して、対象の車両が走行しているときにだけ、各項目についての「測定処理」を実行する構成を採用することも考えられる。しかしながら、このような構成を採用したときには、「速度」に関する「測定処理」や、「速度」についての測定結果情報D2の記録が不要な場合においても、他の測定項目についての「測定処理」や、測定結果情報D2の記録を開始/停止するタイミングを特定するために、測定部3の測定ユニット(測定チャンネル)のうちの1つが「速度」の測定用に占有されることとなる。
これに対して、後述するように、GPSレシーバ2からの測位情報D1に応じて「記録開始処理」や「記録停止処理」を実行する構成のこの測定装置1では、測定部3の測定ユニットうちの1つが、「記録開始処理」や「記録停止処理」の実行を目的とする「速度」の測定用に占有される事態が回避されている。これにより、「速度」に関する「測定処理」や、「速度」についての測定結果情報D2の記録が不要な場合には、測定部3の測定ユニットを「速度」以外の測定項目の測定に割り当てることが可能となっている。
次いで、図示しないスタートスイッチを操作した後に、自動車を走行させる。この際に、GPSレシーバ2は、GPS信号S1を受信すると共に、受信したGPS信号S1を解析することで、GPSレシーバ2(受信アンテナ)の位置、移動速度、および移動方向を演算して測位情報D1を出力する。なお、GPSレシーバ2による測位の原理については公知のため、詳細な説明を省略する。一方、制御部7は、スタートスイッチの操作に応じて、測定部3を制御して測定対象信号S2についての「測定処理」を開始させる。この際には、故障診断用コネクタ、専用のハーネスおよび接続用コネクタ3aを介して測定部3に測定対象信号S2が入力され、これに伴い、測定部3が各測定対象信号S2についての電気的パラメータを測定して測定結果情報D2を制御部7に出力する。また、制御部7は、測定部3から出力された測定結果情報D2に基づき、一例として、「速度」、「エンジンの運転回転数」、「水温」および「吸気圧(または、加給圧)」などの情報を表示部5に表示させる(図示せず)。
また、制御部7は、スタートスイッチの操作に応じて、図2に示す測定結果記録処理10を開始する。この測定結果記録処理10では、制御部7は、まず、上記の開始条件を満たす測位情報D1が出力されたか否かを判別する(ステップ11)。この際に、制御部7は、30km/h以下の速度で移動していると判別したときには、30km/hを超える速度となるまで待機すると共に、30km/hを超える速度で移動していると判別したときには、測定部3から出力されている測定結果情報D2の記録部6への記録を開始させる(「記録開始処理」の一例:ステップ12)。これにより、30km/hを超える速度において測定部3によって実行された「測定処理」の測定結果情報D2が記録部6に順次記録される。
一方、制御部7は、「記録開始処理」の実行後に、上記の停止条件を満たす測位情報D1が出力されたか否かを判別する(ステップ13)。この際に、制御部7は、20km/h以上の速度で移動していると判別したときには、20km/hを下回る速度となるまで測定結果情報D2の記録部6への記録を継続して実行すると共に、20km/hを下回る速度で移動していると判別したときには、測定部3から出力されている測定結果情報D2の記録部6への記録を停止させる(「記録停止処理」の一例:ステップ14)。この後、制御部7は、開始条件を満たす測位情報D1が出力されたときに(ステップ11)、「記録開始処理」を実行すると共に(ステップ12)、停止条件を満たす測位情報D1が出力されたときに(ステップ13)、「記録停止処理」を実行する(ステップ14)。以上により、利用者に取得させる必要がある測定結果情報D2の記録部6への記録が完了する。
このように、この測定装置1によれば、制御部7が、測定部3による「測定処理」の測定結果情報D2の記録を記録部6に開始させる「記録開始処理」を実行した後に、「予め規定された条件」を満たす測位情報D1がGPSレシーバ2から出力されたときに、記録部6を制御して、測定結果情報D2の記録を停止させる「記録停止処理」を実行することにより、測定結果情報D2を記録し続ける必要のない状態において不要な測定結果情報D2が記録部6に記録されることがないため、不要な測定結果情報D2によって記録部6の貴重な記録可能領域が占有される事態を回避して、少容量の記録部6によって必要な測定結果情報D2を長時間に亘って記録して取得させることができる。また、取得させる必要のない測定結果情報D2を記録し続けるのに要する電力の分だけ、消費電力を低減することができる。
また、この測定装置1によれば、制御部7が、「予め規定された速度で移動している」との「第1の条件」、および「予め規定された方位に移動している」との「第2の条件」のうちの少なくとも1つの条件を「予め規定された条件」とすることにより、希望する用途に応じたきめ細かな条件設定を行うことができるため、必要な測定結果情報D2を一層長時間に亘って記録することができると共に、記録する必要のない測定結果情報D2の記録による電力の消費を回避して、電力消費量を一層低減することができる。
さらに、この測定装置1によれば、GPSレシーバ2における「レシーバ本体部」を内蔵したことにより、これらを別個に設けた構成の「測定装置」とは異なり、「測定装置」の設置とは別個に「レシーバ本体部」を設置する作業が不要となり、「測定装置」を設置するだけで、測定処理や、測定結果情報D2の記録処理を迅速かつ容易に開始することができる。
なお、「記録開始処理」および「記録停止処理」の双方を実行する構成の測定装置1について説明したが、少なくとも「記録停止処理」を実行する構成を採用することができる。具体的には、測位情報D1とは無関係な条件に応じて「記録開始処理」を実行する(例えば、予め規定された時刻に記録を開始する)構成や、手動で測定結果情報D2の記録を開始する構成を採用することができる。このような構成を採用した場合においても、不要な測定結果情報D2の記録を十分に低減することができる。
また、測位情報D1に応じて、「記録開始処理」および「記録停止処理」のいずれかを実行する構成において、測定部3による「測定処理」を継続的に実行する構成の測定装置1を例に挙げて説明したが、「測定処理」を継続的に実行せずに、測位情報D1に応じて、「測定開始処理」および「記録開始処理」と、「測定停止処理」および「記録停止処理」とのいずれかを実行する構成(「測定処理」の開始/停止に連動して測定結果情報D2の記録を開始/停止する構成)を採用することもできる。
さらに、データレコーダ(測定結果記録装置)に適用した例について説明したが、測定結果情報D2を記録せずに、例えば、測定結果情報D2に基づく情報(測定結果)を表示部5に表示させるだけのインフォメーションディスプレイ装置において、GPSレシーバ2からの測定結果情報D2に応じて測定処理の開始/停止を制御する構成を採用することもできる。なお、インフォメーションディスプレイ装置に本願発明を適用する場合には、一例として、上記の測定装置1における記録部6を不要とし、他の構成要素2〜5,7については、測定装置1と同様に構成する。この場合、このような構成における測定部3による「測定処理」の内容は、上記の測定装置1と同様のため、その説明を省略する。また、「測定処理」を開始させる「測定開始条件」や、「測定処理」を停止させる「測定停止条件」は、前述した測定装置1における「記録開始条件」や「記録停止条件」と同様のため、その説明を省略する。
インフォメーションディスプレイ装置に本願発明を適用する場合、制御部7が、「予め規定された条件」を満たす測位情報D1がGPSレシーバ2から出力されたときに、測定部3を制御して、測定対象体についての電気的パラメータを測定する「測定処理」を開始させる「測定開始処理」、および測定部3を制御して「測定処理」を停止させる「測定停止処理」のうちの「予め規定された条件」に対応付けられた少なくとも一方を実行する。したがって、このような構成を採用することにより、測定結果を取得させる必要がないときに「測定処理」が実行されることがないため、消費電力を低減しつつ、必要な測定結果を取得させることができる。
また、制御部7が、「予め規定された速度で移動している」との「第1の条件」、および「予め規定された方位に移動している」との「第2の条件」のうちの少なくとも1つの条件を「予め規定された条件」として、この「予め規定された条件」に対応付けられた一方を実行することにより、希望する用途に応じたきめ細かな条件設定を行うことができるため、実行する必要のない「測定処理」による電力の消費を回避して、電力消費量を一層低減することができる。
この場合、「測定開始処理」および「測定停止処理」の双方を実行する構成だけでなく、「測定開始処理」および「測定停止処理」のうちの一方だけを実行する構成を採用することができる。具体的には、測位情報D1とは無関係な条件に応じて「測定開始処理」を実行する(例えば、予め規定された時刻に測定処理を開始する)構成や、手動で測定処理を開始する構成を採用することができる。また、測位情報D1とは無関係な条件に応じて「測定停止処理」を実行する構成(例えば、予め規定された時間が経過したときに測定処理を停止する)構成や、手動で測定処理を停止する構成を採用することができる。このような構成を採用した場合においても、不要な測定処理の実行を十分に低減することができる。
さらに、測定部3による測定処理の測定結果については、継続的に表示させることなく、測位情報D1に応じて、「測定結果表示開始処理」および「測定結果表示停止処理」の少なくとも一方を実行する構成(測位情報D1に応じて、測定結果の表示を開始/停止する構成)を採用することができる。なお、測定結果の表示を開始させる条件や、測定結果の表示を停止させる条件は、前述した測定装置1における「記録開始条件」や「記録停止条件」と同様のため、その説明を省略する。このような構成を採用することにより、測定結果を取得させる必要がないときに測定結果の表示処理が実行されることがないため、消費電力を低減しつつ、必要な測定結果を表示して取得させることができる。この場合、このような構成の測定装置に本願発明を適用するときには、上記の測定装置1と同様にして、測定結果情報D2を記録する構成、および測定結果情報D2を記録しない構成のいずれを採用してもよい。さらに、測定処理や、測定結果の記録処理については、測定結果の表示に連動して開始/停止する構成を採用することもできるし、測定結果の表示とは無関係に、例えば、継続的に測定処理や記録処理を実行する構成を採用することもできる。
さらに、GPSレシーバ2からの測位情報D1に応じて「記録開始処理」、「記録停止処理」、「測定開始処理」、「測定停止処理」、「測定結果表示開始処理」および「測定結果表示停止処理」を実行する構成を例に挙げて説明したが、測位情報D1に関連する任意の条件と、「測定対象信号S2についての測定結果が、予め規定された条件を満たしたとき」との条件との双方を満たしたときに、「記録開始処理」、「記録停止処理」、「測定停止処理」、「測定結果表示開始処理」および「測定結果表示停止処理」のうちの少なくとも1つを実行する構成を採用することもできる。具体的には、一例として、「80km/hを超える速度で移動しているとき」との条件、および「エンジン回転数が3000回転を超えているとき」との条件の双方を満たしたときに「記録開始処理」(または、「測定結果表示開始処理」)を実行し、「20km/hを下回っているとき」との条件、および「エンジン回転数が1500回転を下回っているとき」との条件の双方を満たしたときに、「記録停止処理」(または、「測定停止処理」や「測定結果表示停止処理」)を実行するように構成することもできる。
また、故障診断コネクタに接続可能な接続用コネクタ3aを備えて、両コネクタを介して入力される各種の信号についての測定処理を実行する構成を例に挙げて説明したが、対象車両等のセンサに測定部3を直接的に接続する構成や、測定装置専用のセンサを対象車両等に取り付けて信号を得る構成を採用することもできる。さらに、「測定装置」の用途(「測定対象体」)は、自動車(四輪車)についての電気的パラメータの測定に限定されず、二輪車や電車などの各種の車両や、航空機および船舶などの各種測定対象体と共に移動させられる各種測定装置についての電気的パラメータを測定可能に構成することができる。
また、受信アンテナとは別体に構成されたレシーバ本体を各構成要素3〜7等と共に測定装置に内蔵(つまり一体化)した測定装置1を例に挙げて説明したが、受信アンテナを含めて「GPSレシーバ」の全体を各構成要素3〜7等に内蔵する構成を採用することもできるし、外部装置としての「GPSレシーバ」を制御部7に接続して測位情報D1を得る構成を採用することもできる(共に図示せず)。このような構成を採用した場合においても、前述した測定装置1と同様の効果を奏することができる。