JP2004282328A - Dsrc路側無線機の通信領域の試験装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】DSRC路側無線機の定期的な試験作業を容易にして、試験要員が無線技術に関する高度な知識や判断能力を必要としない操作の簡易な試験装置、および一般の交通流を阻害することなく、DSRC無線通信サービスを中断することなくDSRC路側無線機の通信領域の電波の強さを試験できる試験装置を提供すること。
【解決手段】指定された経路上を移動する試験車両1で行うDSRC路側無線機2の通信領域の電界強度の試験において、周辺車両からの電波の反射が原因で生じる受信電界強度信号の急激な変動成分を抑圧する手段を有し、通信領域の受信電界強度が規定する範囲にあることを判定するとき、前記抑圧手段が急激な変動成分を抑圧した受信電界強度信号を用いることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】指定された経路上を移動する試験車両1で行うDSRC路側無線機2の通信領域の電界強度の試験において、周辺車両からの電波の反射が原因で生じる受信電界強度信号の急激な変動成分を抑圧する手段を有し、通信領域の受信電界強度が規定する範囲にあることを判定するとき、前記抑圧手段が急激な変動成分を抑圧した受信電界強度信号を用いることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、DSRC路側無線機の通信領域を試験する試験装置、特に、試験車両によって受信電界強度を自動測定する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、移動体通信の電波強度の測定の自動化の手段が示されている移動体通信試験装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特許第3068467号公報(第1頁、図1,2)
【0004】
この移動体通信試験装置によれば、固定局から発信された電波の受信電界強度測定と、固定局との通話試験とが同時に行え、測定電界強度値とメリット試験結果との総合判定を自動的に解析でき、簡単な操作で信頼性の高いデータの取得が可能である。
【0005】
しかしながら、前記の試験装置の例では、携帯電話の固定局と移動局間のように通信領域が広く、その通信領域の一部の経路区間の電波強度について区間の平均値、最小値、最大値、分散を測定して判定する場合に適しているが、DSRC無線方式は通信領域が狭く、規定の電波の強さの範囲を道路上の位置と経路上の距離で規定している設置条件の検査には適用できないという問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、全国の道路上の複数箇所に離散的に設置されるDSRC路側無線機の定期的な試験作業を容易にして、試験要員が無線技術に関する高度な知識や判断能力を必要としない操作の簡易な試験装置を提供することである。また、一般の交通流を阻害することなく、DSRC無線通信サービスを中断することなくDSRC路側無線機の通信領域の電波の強さを試験できる試験装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、指定された経路上を移動する試験車両で行うDSRC路側無線機の通信領域の電界強度の試験において、周辺車両からの電波の反射が原因で生じる受信電界強度信号の急激な変動成分を抑圧する手段を有し、通信領域の受信電界強度が規定する範囲にあることを判定するとき、前記抑圧手段が急激な変動成分を抑圧した受信電界強度信号を用いることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記抑圧手段は、今回の測定データおよび過去の測定データに加重平均計算した結果を用いることを特徴とする。請求項3に記載の発明は、請求項1又は2において、検査情報データベースを有し、この検査情報データベースには検査場所の位置情報とDSRC路側無線機の通信領域の距離の範囲を規定する通信領域規定情報と通信領域における受信電界強度の範囲を規定する通信領域電界強度規定情報とを含むことを特徴とする。
【0009】
すなわち、前記の試験装置は、DSRC路側無線機が送信する無線フレームを受信するための車載アンテナと、受信した無線フレームに同期した受信電界強度信号と同期信号を出力する車載無線機と、試験車両の走行距離に応じてサンプリングパルスと走行距離情報を出力する第1の手段と、試験車両が基点を通過するときにその位置を入力するための第2の手段と、試験車両が走行している位置を道路上の地点として検出するための第3の手段と、測定したデータを一時的に記録するための第4の手段と、判定結果および測定データを記録保存する第5の手段と、検査場所の位置情報とDSRC路側無線機の通信領域の距離の範囲を規定する通信領域規定情報と通信領域における受信電界強度の範囲を規定する通信領域電界強度規定情報とを含みDSRC路側無線機の通信領域の試験に必要な規定情報を記録保存しておく検査情報データベースと、測定の起動と測定結果の表示を行う第6の手段と、試験処理装置とを含む試験機(試験車両)によって構成されている。
【0010】
そして試験処理装置は、第6の手段によって起動され第3の手段によって得た地点情報を使って検査情報データベースから試験対象のDSRC路側無線機の検査情報を読みとり、第1の手段で得たサンプリングパルスによって車載無線機から出力される受信電界強度信号を読みとり、該受信電界強度測定データと第1の手段で得た走行距離情報と第2の手段で得られた位置情報とを関連させて第4の手段に出力する機能を有し、第5の手段の保存データを加算処理することにより受信電界強度の急激な変化成分を除去した受信電界強度測定データを生成し、その生成した測定データと検査情報データベースから読み出した通信領域規定情報および通信領域電界強度規定情報と比較することにより測定結果を判定する機能を有し、第6の手段に表示する機能を有することによって解決する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、一実施の形態について、図面に基づいて詳細に述べる。
【0012】
図1はDSRC路側無線機の通信領域の検査機器の構成例の図である。図2は、試験車両が検査対象領域を通過する状況を示している。図3は受信電界強度測定の状況を示している。図4は測定したデータの一時記録の内容の例を示している。図5は今回の測定データと過去の測定データを加算処理することによって急激に変動する成分を除く方法を示している。
【0013】
図1において、DSRC路側無線機2が送信する電波を試験車両1の車載アンテナが受け、車載無線機は復調して無線フレームの同期信号と受信電界強度信号を出力する。該受信電界強度信号は、車載無線機が受信する電波が周辺車両や道路構造物からの電波の反射の影響を受けて急激に変動する場合があり、検査対象領域における通常の受信電界強度を示さない場合があるため、受信電界強度信号から急激な変動成分を抑える必要がある。急激な変動成分を抑える手段としては試験処理装置の加算処理機能により行う。他の方法としては車載無線機の出力に低域濾波回路を挿入する方法もある。試験車両の走行位置情報を出力する手段としてGPS(Global Positioning System:人工衛星を利用して位置を検出するナビゲーションシステム)で行う。GPSと走行距離計とマーカ入力器と車載無線機の出力を試験処理装置に入力する。試験処理装置は一時記録部や判定結果と測定データの保存部とは双方向で随時書き込み、読み出しが可能である。試験処理装置は測定作業の場合は検査情報データベースを検索して必要な情報を読み出して利用する。
【0014】
図2において、試験車両1が道路上を指定された経路で走行し、検査対象領域に近づいている。検査対象領域ではDSRC路側無線機2の送信する電波を測定する。検査対象領域100に対して、検査開始点103、検査終了点102が検査の基点101からの距離情報として規定されている。また、検査開始点103の手前にデータ採取開始点が規定されている。判定は通信領域の距離規定120における受信電界強度の規定を満たすことを検査する。
【0015】
図3において、試験車両1が検査対象領域100に対してサンプリングパルスによって受信電界強度測定値140を測定する。受信電界強度の規定は無応答領域の電波強度規定の上限値131、通信領域の電波強度規定の下限値132、通信領域の電波強度規定の上限値133であり、判定は受信電界強度測定値140の交点の位置と通信領域の距離規定120との関係を検査する。
【0016】
図4において、一時記録部の中に記録されている測定データの構成例を示している。各測定データは、マークフィールドと走行距離値フィールドと受信電界フィールドからなり、マークフィールドには検査開始点の測定データを識別するための検査開始点マーク、基点位置の測定データを識別するための基点マーク、検査終了点の測定データを識別するための検査終了点マークを設ける。
【0017】
図5において、今回および過去の測定データを重み付けによる加算処理を行い、急激に変動する成分を除いた受信電界強度測定データを得るための処理例を示す。重み付けは、 α0+α1+・・・+αN−1=1とする。
【0018】
次に、DSRC路側無線機の通信領域の試験装置の動作を説明する。
図2に示すように、試験車両1はDSRC路側無線機2が設置された場所に向けて指定された経路を走行する。指定された経路上にDSRC路側無線機2と該DSRC路側無線機の検査区間が存在する。試験車両1は測定のための走行に先だって、試験車両の試験処理装置を起動する。起動によって測定処理装置は検査情報データベースから道路地図上の位置と検査区間識別番号の関係を示す情報(以下、検査位置情報という)を読み出す。該測定処理装置はGPSによって道路地図上の試験車両の位置を検出する。該測定処理装置は試験車両の位置が道路地図上の検査区間識別番号100を有する通信領域検査区間の手前の位置に定義するデータ採取開始点の位置に到達したときに検査区間識別番号100に対応した検査情報を検査情報データベースから読み出す。この検査情報には、無線周波数、受信電力の規定値、通信領域の距離の規定値に関する情報が含まれている。試験処理装置は車載無線機に受信周波数を与える。車載無線機は該周波数で受信を開始し、受信電界強度信号の出力を開始し、試験処理装置はデータ採取を開始する。GPSで試験車両の走行位置を検出するが、誤差があるため正確な位置を特定できない問題がある。GPSによる位置測定でデータ採取開始点を決定するが、このデータ採取開始点はGPSの誤差を考慮して余裕をもって検査開始点より手前になるように決めておく。
【0019】
車載無線機は車載アンテナで受けたDSRC路側無線機2が放射する電波を復調して、無線フレームの同期信号と、この同期信号に同期した受信電界強度信号を出力する。該受信電界強度信号はアナログデジタル変換をして試験処理装置が読みとり一時記録機能に蓄えることが出来る受信電界強度値に変換する。
【0020】
一方、走行距離計は走行距離単位ごとに、例えば、0.01mごとにサンプリングパルスを生成し出力する。また、サンプリングパルスを計数して走行距離値を出力する。試験処理装置はデータ採取開始点で走行距離値を初期設定する。試験車両1に同乗する検査員が路側空中線横を通過する時点にマーカ入力を行い基点位置とする。基点位置を基準にして、検査終了点の位置にくるとデータの採取を停止する。また、基点を基準に検査開始点を求め、検査開始点より前に採取した測定データは廃棄する。したがって、一時記録機能の中には基点を基準にした検査開始点の位置から検査終了点の位置までの測定データは基点を基準とした相対位置で表される距離情報を付加した受信電界強度のデータとなる。試験処理装置が一時記録部に記録する測定データの一例を図4に示す。測定データはマークフィールドと走行距離値フィールドと受信電界強度値フィールドを含み、サンプリングパルスごとに測定データを1個記録する。
【0021】
走行距離値フィールドには、サンプリングパルスが出力されたときの走行距離値を記録する。マークフィールドには、基点位置マーカにより入力が行われた地点の測定データに基点を識別するための基点マークを記録する。また、測定データの終了点、すなわち検査終了点を識別するための検査終了点マークを記録する。受信電界強度値フィールドに記録する受信電界強度値は、サンプリングパルスと車載受信機の同期信号が必ずしも一致しないため、受信電界強度値はある走行距離値に対応するサンプリングパルスから次の走行距離値に対応するサンプリングパルスが発生するまでの間に出力された最初の車載無線機の同期信号を検出して、そのときの受信電界強度値を走行距離値に対応させて記録する。
【0022】
測定データは検査終了点まで記録する。検査終了点は基点マーク入力が行われた位置から検査情報データベースにある通信領域の距離規格における基点から検査終了点までの距離を走行した地点である。
【0023】
試験処理装置は基点マークから逆算して検査開始点の測定データを求める。試験処理装置は一時記録している測定データを元に検査開始点の測定データから順に検査終了点までのデータを測定データの保存部に出力して記録する。検査開始点の測定データのマークフィールドには検査開始点の測定データであることを識別するための検査開始マークを書き込む。試験処理装置は測定データの保存部に出力するときに、各測定データの走行距離値を、基点マークの付いた地点の走行距離値で減算し、減算した結果を各測定データの走行距離値に置き換えて出力する。
【0024】
次に、急激に変動する受信電界強度測定データから急激に変動する成分を除く方法について説明すると、図5を参照して、試験処理装置は今回の測定からN−1回前の測定までの受信電界強度測定データの測定データに対して重み付けをした加算処理をして急激に変動する成分を除いた受信電界強度測定データを求める。但し、重み付けは α0+α1+・・・+αN−1=1となるα0、α1、・・・、αN−1とする。加算することによって、道路構造に基づく変動はそのまま残り、移動する周辺車両による変動は消し合うことにより、変動分が減少した測定データになる。重み付けは古い測定ほど小さくすることにより、最近の道路環境状況の影響をより強く反映するようにする。
【0025】
測定結果の判定については、測定データが通信領域の距離規定および受信電界強度の規定値の範囲にあるかどうかを判定して検査結果を出す。図2において、検査対象領域100に対して、検査開始点103、検査終了点102が検査の基点101からの距離情報として規定されている。また、検査開始点103の手前にデータ採取開始点が規定されている。判定は通信領域の距離規定120における受信電界強度の規定を満たすことを検査する。受信電界強度の規定方法については図3に示す。試験車両1が検査対象領域100に対してサンプリングパルスによって受信電界強度測定値140を測定する。受信電界強度の規定は無応答領域の電波強度規定の上限値131、通信領域の電波強度規定の下限値132、通信領域の電波強度規定の上限値133であり、判定は受信電界強度の測定値(131,132,133)と受信電界強度測定値140の交点の位置と、通信領域の距離規定120との関係を検査する。
判定結果を表示機能で表示するとともに判定結果と測定データの保存部に保存する。
【0026】
図6に他の実施の形態を示す。試験処理機能と検査情報データベースと判定結果および測定データの保存機能を試験車両1に持たず、センターに置き、試験車両1はGPSにより位置を調べ、センターと無線通信を行って測定データをセンターに送り、センターで試験処理を行う方法であり、試験車両のコスト低減となる。また、検査情報データベースの更新作業も容易になる利点がある。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、次のような効果を得ることが出来る。
第1の効果は、試験車両にスペクトラムアナライザを搭載する必要がないため、試験機のコストを抑えることができる。また、スペクトラムアナライザを操作する必要がないため無線機器の操作に熟練した検査員でなくても容易に結果を判定することが出来る。
第2の効果は、検査するときに検査対象道路の一般車両の交通を妨げることがないため、運用上の問題が生じない。
以上の効果により、DSRC路側無線機の検査が容易になり、道路管理者にとってDSRC路側無線機の品質の維持管理を効率よく行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態を示す、DSRC路側無線機の通信領域の検査機器の構成例の図である。
【図2】試験車両が検査対象領域を通過する状況を示す図である。
【図3】受信電界強度測定の状況を示す図である。
【図4】測定したデータの一時記録の内容の例を示す図である。
【図5】今回の測定データと過去の測定データを加算処理することによって急激に変動する成分を除く方法を示す図である。
【図6】センターに試験処理機能を集約した構成例を示す図である。
【符号の説明】
1 試験車両
2 DSRC路側無線機
100 検査対象領域
101 検査の基点
102 検査の終了点
103 検査の開始点
111 測定した距離
112 測定した距離
120 通信領域の距離規定
131 無応答領域の電波強度規定の上限値
132 通信領域の電波強度規定の下限値
133 通信領域の電波強度規定の上限値
140 受信電界強度測定値
【発明の属する技術分野】
本発明は、DSRC路側無線機の通信領域を試験する試験装置、特に、試験車両によって受信電界強度を自動測定する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、移動体通信の電波強度の測定の自動化の手段が示されている移動体通信試験装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特許第3068467号公報(第1頁、図1,2)
【0004】
この移動体通信試験装置によれば、固定局から発信された電波の受信電界強度測定と、固定局との通話試験とが同時に行え、測定電界強度値とメリット試験結果との総合判定を自動的に解析でき、簡単な操作で信頼性の高いデータの取得が可能である。
【0005】
しかしながら、前記の試験装置の例では、携帯電話の固定局と移動局間のように通信領域が広く、その通信領域の一部の経路区間の電波強度について区間の平均値、最小値、最大値、分散を測定して判定する場合に適しているが、DSRC無線方式は通信領域が狭く、規定の電波の強さの範囲を道路上の位置と経路上の距離で規定している設置条件の検査には適用できないという問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、全国の道路上の複数箇所に離散的に設置されるDSRC路側無線機の定期的な試験作業を容易にして、試験要員が無線技術に関する高度な知識や判断能力を必要としない操作の簡易な試験装置を提供することである。また、一般の交通流を阻害することなく、DSRC無線通信サービスを中断することなくDSRC路側無線機の通信領域の電波の強さを試験できる試験装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、指定された経路上を移動する試験車両で行うDSRC路側無線機の通信領域の電界強度の試験において、周辺車両からの電波の反射が原因で生じる受信電界強度信号の急激な変動成分を抑圧する手段を有し、通信領域の受信電界強度が規定する範囲にあることを判定するとき、前記抑圧手段が急激な変動成分を抑圧した受信電界強度信号を用いることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記抑圧手段は、今回の測定データおよび過去の測定データに加重平均計算した結果を用いることを特徴とする。請求項3に記載の発明は、請求項1又は2において、検査情報データベースを有し、この検査情報データベースには検査場所の位置情報とDSRC路側無線機の通信領域の距離の範囲を規定する通信領域規定情報と通信領域における受信電界強度の範囲を規定する通信領域電界強度規定情報とを含むことを特徴とする。
【0009】
すなわち、前記の試験装置は、DSRC路側無線機が送信する無線フレームを受信するための車載アンテナと、受信した無線フレームに同期した受信電界強度信号と同期信号を出力する車載無線機と、試験車両の走行距離に応じてサンプリングパルスと走行距離情報を出力する第1の手段と、試験車両が基点を通過するときにその位置を入力するための第2の手段と、試験車両が走行している位置を道路上の地点として検出するための第3の手段と、測定したデータを一時的に記録するための第4の手段と、判定結果および測定データを記録保存する第5の手段と、検査場所の位置情報とDSRC路側無線機の通信領域の距離の範囲を規定する通信領域規定情報と通信領域における受信電界強度の範囲を規定する通信領域電界強度規定情報とを含みDSRC路側無線機の通信領域の試験に必要な規定情報を記録保存しておく検査情報データベースと、測定の起動と測定結果の表示を行う第6の手段と、試験処理装置とを含む試験機(試験車両)によって構成されている。
【0010】
そして試験処理装置は、第6の手段によって起動され第3の手段によって得た地点情報を使って検査情報データベースから試験対象のDSRC路側無線機の検査情報を読みとり、第1の手段で得たサンプリングパルスによって車載無線機から出力される受信電界強度信号を読みとり、該受信電界強度測定データと第1の手段で得た走行距離情報と第2の手段で得られた位置情報とを関連させて第4の手段に出力する機能を有し、第5の手段の保存データを加算処理することにより受信電界強度の急激な変化成分を除去した受信電界強度測定データを生成し、その生成した測定データと検査情報データベースから読み出した通信領域規定情報および通信領域電界強度規定情報と比較することにより測定結果を判定する機能を有し、第6の手段に表示する機能を有することによって解決する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、一実施の形態について、図面に基づいて詳細に述べる。
【0012】
図1はDSRC路側無線機の通信領域の検査機器の構成例の図である。図2は、試験車両が検査対象領域を通過する状況を示している。図3は受信電界強度測定の状況を示している。図4は測定したデータの一時記録の内容の例を示している。図5は今回の測定データと過去の測定データを加算処理することによって急激に変動する成分を除く方法を示している。
【0013】
図1において、DSRC路側無線機2が送信する電波を試験車両1の車載アンテナが受け、車載無線機は復調して無線フレームの同期信号と受信電界強度信号を出力する。該受信電界強度信号は、車載無線機が受信する電波が周辺車両や道路構造物からの電波の反射の影響を受けて急激に変動する場合があり、検査対象領域における通常の受信電界強度を示さない場合があるため、受信電界強度信号から急激な変動成分を抑える必要がある。急激な変動成分を抑える手段としては試験処理装置の加算処理機能により行う。他の方法としては車載無線機の出力に低域濾波回路を挿入する方法もある。試験車両の走行位置情報を出力する手段としてGPS(Global Positioning System:人工衛星を利用して位置を検出するナビゲーションシステム)で行う。GPSと走行距離計とマーカ入力器と車載無線機の出力を試験処理装置に入力する。試験処理装置は一時記録部や判定結果と測定データの保存部とは双方向で随時書き込み、読み出しが可能である。試験処理装置は測定作業の場合は検査情報データベースを検索して必要な情報を読み出して利用する。
【0014】
図2において、試験車両1が道路上を指定された経路で走行し、検査対象領域に近づいている。検査対象領域ではDSRC路側無線機2の送信する電波を測定する。検査対象領域100に対して、検査開始点103、検査終了点102が検査の基点101からの距離情報として規定されている。また、検査開始点103の手前にデータ採取開始点が規定されている。判定は通信領域の距離規定120における受信電界強度の規定を満たすことを検査する。
【0015】
図3において、試験車両1が検査対象領域100に対してサンプリングパルスによって受信電界強度測定値140を測定する。受信電界強度の規定は無応答領域の電波強度規定の上限値131、通信領域の電波強度規定の下限値132、通信領域の電波強度規定の上限値133であり、判定は受信電界強度測定値140の交点の位置と通信領域の距離規定120との関係を検査する。
【0016】
図4において、一時記録部の中に記録されている測定データの構成例を示している。各測定データは、マークフィールドと走行距離値フィールドと受信電界フィールドからなり、マークフィールドには検査開始点の測定データを識別するための検査開始点マーク、基点位置の測定データを識別するための基点マーク、検査終了点の測定データを識別するための検査終了点マークを設ける。
【0017】
図5において、今回および過去の測定データを重み付けによる加算処理を行い、急激に変動する成分を除いた受信電界強度測定データを得るための処理例を示す。重み付けは、 α0+α1+・・・+αN−1=1とする。
【0018】
次に、DSRC路側無線機の通信領域の試験装置の動作を説明する。
図2に示すように、試験車両1はDSRC路側無線機2が設置された場所に向けて指定された経路を走行する。指定された経路上にDSRC路側無線機2と該DSRC路側無線機の検査区間が存在する。試験車両1は測定のための走行に先だって、試験車両の試験処理装置を起動する。起動によって測定処理装置は検査情報データベースから道路地図上の位置と検査区間識別番号の関係を示す情報(以下、検査位置情報という)を読み出す。該測定処理装置はGPSによって道路地図上の試験車両の位置を検出する。該測定処理装置は試験車両の位置が道路地図上の検査区間識別番号100を有する通信領域検査区間の手前の位置に定義するデータ採取開始点の位置に到達したときに検査区間識別番号100に対応した検査情報を検査情報データベースから読み出す。この検査情報には、無線周波数、受信電力の規定値、通信領域の距離の規定値に関する情報が含まれている。試験処理装置は車載無線機に受信周波数を与える。車載無線機は該周波数で受信を開始し、受信電界強度信号の出力を開始し、試験処理装置はデータ採取を開始する。GPSで試験車両の走行位置を検出するが、誤差があるため正確な位置を特定できない問題がある。GPSによる位置測定でデータ採取開始点を決定するが、このデータ採取開始点はGPSの誤差を考慮して余裕をもって検査開始点より手前になるように決めておく。
【0019】
車載無線機は車載アンテナで受けたDSRC路側無線機2が放射する電波を復調して、無線フレームの同期信号と、この同期信号に同期した受信電界強度信号を出力する。該受信電界強度信号はアナログデジタル変換をして試験処理装置が読みとり一時記録機能に蓄えることが出来る受信電界強度値に変換する。
【0020】
一方、走行距離計は走行距離単位ごとに、例えば、0.01mごとにサンプリングパルスを生成し出力する。また、サンプリングパルスを計数して走行距離値を出力する。試験処理装置はデータ採取開始点で走行距離値を初期設定する。試験車両1に同乗する検査員が路側空中線横を通過する時点にマーカ入力を行い基点位置とする。基点位置を基準にして、検査終了点の位置にくるとデータの採取を停止する。また、基点を基準に検査開始点を求め、検査開始点より前に採取した測定データは廃棄する。したがって、一時記録機能の中には基点を基準にした検査開始点の位置から検査終了点の位置までの測定データは基点を基準とした相対位置で表される距離情報を付加した受信電界強度のデータとなる。試験処理装置が一時記録部に記録する測定データの一例を図4に示す。測定データはマークフィールドと走行距離値フィールドと受信電界強度値フィールドを含み、サンプリングパルスごとに測定データを1個記録する。
【0021】
走行距離値フィールドには、サンプリングパルスが出力されたときの走行距離値を記録する。マークフィールドには、基点位置マーカにより入力が行われた地点の測定データに基点を識別するための基点マークを記録する。また、測定データの終了点、すなわち検査終了点を識別するための検査終了点マークを記録する。受信電界強度値フィールドに記録する受信電界強度値は、サンプリングパルスと車載受信機の同期信号が必ずしも一致しないため、受信電界強度値はある走行距離値に対応するサンプリングパルスから次の走行距離値に対応するサンプリングパルスが発生するまでの間に出力された最初の車載無線機の同期信号を検出して、そのときの受信電界強度値を走行距離値に対応させて記録する。
【0022】
測定データは検査終了点まで記録する。検査終了点は基点マーク入力が行われた位置から検査情報データベースにある通信領域の距離規格における基点から検査終了点までの距離を走行した地点である。
【0023】
試験処理装置は基点マークから逆算して検査開始点の測定データを求める。試験処理装置は一時記録している測定データを元に検査開始点の測定データから順に検査終了点までのデータを測定データの保存部に出力して記録する。検査開始点の測定データのマークフィールドには検査開始点の測定データであることを識別するための検査開始マークを書き込む。試験処理装置は測定データの保存部に出力するときに、各測定データの走行距離値を、基点マークの付いた地点の走行距離値で減算し、減算した結果を各測定データの走行距離値に置き換えて出力する。
【0024】
次に、急激に変動する受信電界強度測定データから急激に変動する成分を除く方法について説明すると、図5を参照して、試験処理装置は今回の測定からN−1回前の測定までの受信電界強度測定データの測定データに対して重み付けをした加算処理をして急激に変動する成分を除いた受信電界強度測定データを求める。但し、重み付けは α0+α1+・・・+αN−1=1となるα0、α1、・・・、αN−1とする。加算することによって、道路構造に基づく変動はそのまま残り、移動する周辺車両による変動は消し合うことにより、変動分が減少した測定データになる。重み付けは古い測定ほど小さくすることにより、最近の道路環境状況の影響をより強く反映するようにする。
【0025】
測定結果の判定については、測定データが通信領域の距離規定および受信電界強度の規定値の範囲にあるかどうかを判定して検査結果を出す。図2において、検査対象領域100に対して、検査開始点103、検査終了点102が検査の基点101からの距離情報として規定されている。また、検査開始点103の手前にデータ採取開始点が規定されている。判定は通信領域の距離規定120における受信電界強度の規定を満たすことを検査する。受信電界強度の規定方法については図3に示す。試験車両1が検査対象領域100に対してサンプリングパルスによって受信電界強度測定値140を測定する。受信電界強度の規定は無応答領域の電波強度規定の上限値131、通信領域の電波強度規定の下限値132、通信領域の電波強度規定の上限値133であり、判定は受信電界強度の測定値(131,132,133)と受信電界強度測定値140の交点の位置と、通信領域の距離規定120との関係を検査する。
判定結果を表示機能で表示するとともに判定結果と測定データの保存部に保存する。
【0026】
図6に他の実施の形態を示す。試験処理機能と検査情報データベースと判定結果および測定データの保存機能を試験車両1に持たず、センターに置き、試験車両1はGPSにより位置を調べ、センターと無線通信を行って測定データをセンターに送り、センターで試験処理を行う方法であり、試験車両のコスト低減となる。また、検査情報データベースの更新作業も容易になる利点がある。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、次のような効果を得ることが出来る。
第1の効果は、試験車両にスペクトラムアナライザを搭載する必要がないため、試験機のコストを抑えることができる。また、スペクトラムアナライザを操作する必要がないため無線機器の操作に熟練した検査員でなくても容易に結果を判定することが出来る。
第2の効果は、検査するときに検査対象道路の一般車両の交通を妨げることがないため、運用上の問題が生じない。
以上の効果により、DSRC路側無線機の検査が容易になり、道路管理者にとってDSRC路側無線機の品質の維持管理を効率よく行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態を示す、DSRC路側無線機の通信領域の検査機器の構成例の図である。
【図2】試験車両が検査対象領域を通過する状況を示す図である。
【図3】受信電界強度測定の状況を示す図である。
【図4】測定したデータの一時記録の内容の例を示す図である。
【図5】今回の測定データと過去の測定データを加算処理することによって急激に変動する成分を除く方法を示す図である。
【図6】センターに試験処理機能を集約した構成例を示す図である。
【符号の説明】
1 試験車両
2 DSRC路側無線機
100 検査対象領域
101 検査の基点
102 検査の終了点
103 検査の開始点
111 測定した距離
112 測定した距離
120 通信領域の距離規定
131 無応答領域の電波強度規定の上限値
132 通信領域の電波強度規定の下限値
133 通信領域の電波強度規定の上限値
140 受信電界強度測定値
Claims (3)
- 指定された経路上を移動する試験車両で行うDSRC路側無線機の通信領域の電界強度の試験において、周辺車両からの電波の反射が原因で生じる受信電界強度信号の急激な変動成分を抑圧する手段を有し、通信領域の受信電界強度が規定する範囲にあることを判定するとき、前記抑圧手段が急激な変動成分を抑圧した受信電界強度信号を用いることを特徴とする試験装置。
- 前記抑圧手段は、今回の測定データおよび過去の測定データに加重平均計算した結果を用いる請求項1記載の試験装置。
- 検査情報データベースを有し、この検査情報データベースには検査場所の位置情報とDSRC路側無線機の通信領域の距離の範囲を規定する通信領域規定情報と通信領域における受信電界強度の範囲を規定する通信領域電界強度規定情報とを含む請求項1又は2記載の試験装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009164876A (ja) * | 2008-01-07 | 2009-07-23 | Hitachi Kokusai Electric Inc | 無線通信システムにおける電界強度測定方法 |
JP2012233820A (ja) * | 2011-05-06 | 2012-11-29 | Hioki Ee Corp | 測定装置 |
JP2015127717A (ja) * | 2015-03-27 | 2015-07-09 | 日置電機株式会社 | 測定装置 |
-
2003
- 2003-03-14 JP JP2003069875A patent/JP2004282328A/ja active Pending
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