JP6021677B2 - プラズマcvd装置 - Google Patents
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Description
上記したプラズマCVD法に用いられるプラズマCVD装置の構造を開示する文献としては、特許文献1や特許文献2に開示されたものがある。
(問題1)
まず、従来のプラズマCVD装置による成膜を進めると、真空チャンバ内に備えられている成膜ロールの両端部にも厚い皮膜が形成されることとなる。成膜ロールの両端部に形成された厚い皮膜は、その内部に応力を有するようになり、その皮膜が成膜ロールの両端
部に堆積されるにつれて弾けるように剥離する。剥離された皮膜はダストとなり、成膜ロールの下方に落下したり、真空ポンプ(排気手段)の開口部に到達したりして、真空チャンバ内及び排気手段の開口部の周辺に堆積するようになる。
(問題2)
また、従来のプラズマCVD装置による成膜を進めると、排気手段及び排気手段の開口部近傍に直接、皮膜が形成される問題が発生する。
(問題3)
従来のプラズマCVD装置では、皮膜の成膜速度や皮膜の膜質を制御するために、供給するガスの量の制御と真空チャンバ内の圧力の制御とが極めて重要となる。そこで、プラズマCVD装置には、所定の供給ガス流量の基で真空チャンバ内の圧力を調整するために、排気速度を調整する排気速度調整手段が設けられることが多くある。しかしながら、問題2で説明したように、排気手段周辺に皮膜が形成される問題が生じると、排気速度調整手段にも皮膜が形成されてしまう。その場合、排気速度調整手段の動きや性能が低下し、真空チャンバ内の圧力の制御ができなくなる虞がある。
(問題4)
従来のプラズマCVD装置による成膜を進めると、成膜された基材にダストが転写される問題が発生する。
(問題5)
プラズマCVD装置を長時間稼働させて基材の表面に皮膜を成膜すると、真空チャンバの内壁面に徐々に皮膜が形成されてしまう問題が発生する。そこで、真空チャンバに、皮膜除去のための空間(メンテナンス用スペース)を設ける対策が講じられていた。
とされていない場所に形成された皮膜や堆積したダストの回収が困難である。例えば、特許文献2では、排気手段が成膜エリアの下方であって、成膜ロールの回転軸と並行な面に互いに対向するように配置されており、メンテナンス用の開口部(扉部材)を設けるスペースがない。仮に、回転軸と垂直な面にメンテナンス用の扉部材を設けることが考えられるが、シート状の基材の幅が広い場合、基材の中央部の下方に届き難くなり、メンテナンスが困難になる。
本発明に係るプラズマCVD装置は、真空チャンバと、前記真空チャンバ内に配備され且つ交流電源が接続された一対の成膜ロールと、前記一対の成膜ロールの表面にプラズマ領域を形成する磁場発生手段と、前記真空チャンバの一方の側壁に配備され且つ真空チャンバ内の気体を外部に排出する排気手段と、を有し、基材の表面に皮膜を形成する、プラズマCVD装置において、前記真空チャンバ内であって前記排気手段と前記プラズマ領域との間には、前記排気手段への皮膜形成を防止する遮蔽手段が設けられていることを特徴とする。
好ましくは、前記遮蔽手段は、前記排気手段に備えられた流入開口部の前方に配設されているとよい。
好ましくは、前記真空チャンバには、一方の側壁に設けられた排気手段と対向するように、他方の側壁に扉部が設けられていて、前記扉部の開放により、前記真空チャンバと外部空間とが連通可能とされているとよい。
好ましくは、前記排気手段の流入開口部と前記遮蔽手段との間には、排気経路が形成されており、前記排気経路には、前記排気手段へ流入する気体の流入速度を調整する排気速度調整手段が設けられているとよい。
好ましくは、前記真空チャンバ内には、前記一対の成膜ロールが隣接するように複数連結されて配置されているとよい。
好ましくは、前記一対の成膜ロールごとに複数のサブチャンバが設けられ、一のサブチャンバに備えられた扉部と、前記一のサブチャンバに隣接する他のサブチャンバに備えられた扉部とが、互いに対面するように配置されているとよい。
好ましくは、前記メインチャンバ内のみに前記基材を配置し、前記メインチャンバとサブチャンバの間を分離できる扉を設けるとよい。
また、本発明に係るプラズマCVD装置の最も好ましい形態は、真空チャンバと、前記真空チャンバ内に配備され且つ交流電源が接続された一対の成膜ロールと、前記一対の成膜ロールの表面にプラズマ領域を形成する磁場発生手段と、前記真空チャンバの一方の側壁に配備され且つ真空チャンバ内の気体を外部に排出する排気手段と、を有し、基材の表面に皮膜を形成する、プラズマCVD装置において、前記真空チャンバ内であって前記排気手段と前記プラズマ領域との間には、前記排気手段への皮膜形成を防止する遮蔽手段が設けられ、前記真空チャンバは前記一対の成膜ロールを配備したメインチャンバと、前記メインチャンバの下方に設けられたサブチャンバからなり、前記遮蔽手段は、前記サブチャンバの一方の側壁から突出するように形成され、当該遮蔽手段の先端が下方に垂下するように延び、前記排気手段の流入開口部はサブチャンバの底部よりも高い位置に配置されることを特徴とする。
なお、以下に説明する各実施形態及び図面において、プラズマCVD装置1における同一の構成部材には、同一の符号及び同一の名称を付すこととする。従って、同一の符号及び同一の名称が付された構成部材については、同じ説明を繰り返さない。
なお、図1において、紙面の左右方向をプラズマCVD装置1の水平方向とする。また、紙面の左方向をプラズマCVD装置1の上流とし、紙面の右方向をプラズマCVD装置1の下流ともする。また、紙面の上下方向を本発明のプラズマCVD装置1の上下方向とし、紙面貫通方向を本発明のプラズマCVD装置1の幅方向(左右方向)とする。
[第1実施形態]
本発明のプラズマCVD装置1は、減圧下において、並べて配備した成膜ロール5に交流あるいは極性反転を伴うパルス電圧を印加し、プラズマを発生させる。プラズマの発生は基材Wが巻き掛けられた領域内であればよいが、主に成膜ロール5の対向空間にプラズマを発生させ、成膜ロール5に巻き掛けたシート状の基材WにプラズマCVDによる成膜を行うものである。
プラズマCVD装置1は、メインチャンバ3内に配備された一対の成膜ロール5に巻き掛けられたシート状の基材Wを磁場発生手段6によって形成されたプラズマ領域P内に通過させることで、その基材Wの表面に皮膜を成膜するものである。
基材Wは、背景技術に示したように、食品包装などに用いられる薄膜フィルムで構成されるものであり、例えば、厚さは真空中で搬送が可能な5μm 〜0.5mm程度の薄いシート状に成形されたものである。より好ましくは、基材Wの厚さが50〜200μm程度の極めて薄いシート状に成形されたものを用いるとよい。この場合、基材Wが厚いと皺が発生し難くなり、基材Wの表面に皮膜を成膜しやすくなるが、皮膜の緻密性が落ちることがあり、皺の発生と皮膜性能のバランスをみて基材Wの厚さを決めるとよい。基材の裏面にはすべり性を良くする加工をして皺の発生を抑制することが望ましい。
kHz〜100MHz)であれば、基材Wを介して電流を伝播させることが可能である。交流電源から供給される放電の電圧は、数百V〜2千Vの範囲が好ましい。
図1に示すように、上記した基材Wは、プラズマCVD装置1を構成する真空チャンバ2内に収容されている。基材Wを真空チャンバに収容せず、大気中から真空チャンバ内に送り込むこともできるが、この場合、基材Wの通路近辺から大気が真空チャンバ内に流入しないように、基材Wを細い隙間を通して大気中から真空チャンバ内に送り込む。
成膜エリア区画手段9は、ステンレス材等の金属製の板材や樹脂やセラミックの絶縁体で構成された隔壁であって、詳しくは、メインチャンバ3の底部から垂直方向に立設される側壁と、一対の成膜ロール5の上方を塞ぐとともに側壁同士を掛け渡すように固定する上壁と、から構成されている。つまり、メインチャンバ3は、成膜エリア区画手段9によって、その内側が成膜エリアA、その外側が加圧エリアBとされている。
もよい。ガス供給手段には、原料ガスの結露などを防止するための温度調整手段を設けてもよい。温度調整手段は水などの温媒を流して行うものでもよいし、電熱ヒータなどのヒータを用いてもよい。ガス供給手段の表面に付着した不要な皮膜を取り除いたり、メンテナンスが容易になるように、原料供給手段の表面は交換可能になっているとなおよい。原料供給手段は真空チャンバの上方から脱着可能として、メンテナンス性を高めるとよい。
原料ガスは、皮膜の主成分となる材料を供給する気体であり、例えば、基材Wの表面にSiOx皮膜を形成する場合には、HMDSO(ヘキサメチルジシロキサン)、TEOS(テトラエトキシシラン)、シラン等のSiを含有するガスである。分子中に酸素を含むものはSiOxを形成するのに適するし、分子中に窒素を含むものや、分子中に酸素を含まないものはSiN系の皮膜を形成するのに適する。また、チタニウムイソプロポキサイドやTDMAT(テトラキスジメチルアミノチタン)などのTiを含有するガスやTMA(トリメチルアルミニウム)などのAlを含有するガスを用いてもよい。金属有機化合物や塩化金属やフッ化金属など、加熱などで気化できるものを用いてもよい。液相や気相の状態で原料流量を調整して、真空チャンバ2に供給する。
また、基材Wの表面に炭素系の皮膜を形成する場合には、メタン、ブタン、プロパン、エチレン、アセチレン、トルエン、ベンゼンなどの炭化水素ガスを用いてもよい。
一般的に、ガス供給手段は一対の成膜ロール5の上方側に配備され、ガス供給手段に備えられている軸の軸心と成膜ロール5の回転軸11の軸心とが略平行となるように配置されていることが多いが、ガス供給手段に形成された皮膜が成膜ロール5に付着することを防ぐために、成膜ロール5の下方側にガス供給手段を配備してもよい。また、原料ガス、反応ガス、補助ガスなどの目的別や供給するガスの種類別ごとにガス供給手段を設けて、それらのガス供給手段から成膜エリアAに供給してもよいし、予め各ガスを混合して一つのガス供給手段から成膜エリアAに供給してもよい。
この磁場発生手段6は、発生した磁力線が成膜ロール5の内面から外面(表面)に至り、再び成膜ロール5内部へ戻るようになっているものである。磁場発生手段6は、真空チャンバ2に対して位置決めされており、成膜ロール5の回転時においても、常に真空チャンバ2に対して決まった位置に磁場を発生できるものとなっている。真空チャンバ2と磁場発生手段6の相対位置を変更することで、磁場の発生位置を調整することもできるし、回転や揺動させることで、プラズマ発生の位置を動かして成膜することも可能である。
このプラズマ領域Pを指向するように、ガス供給手段から成膜ガスが噴射されることとなる。そして、磁場発生手段6が形成したプラズマ領域Pを一対の成膜ロール5に巻き掛けられた基材Wが通過するようになっている。
一般的に、プラズマCVD装置1の真空ポンプ8は、この装置に適した軸受け構造を有するターボ分子ポンプを用いることが多くある。また、ポンプの回転数による排気速度制御機構を有する真空ポンプ8であれば、この排気速度制御機構をプラズマCVD装置1の成膜圧力の制御に使用可能であるのでより好ましい。
遮蔽手段12は、真空チャンバ2と同様に、ステンレス材等の金属製の板材で形成され、サブチャンバ4を構成する板材の厚みより薄肉となっている。遮蔽手段12は、サブチャンバ4の一方の側壁(図1におけるサブチャンバ4の左側壁)から突出するように形成されていて、その先端は下方に垂下するように延びている。つまり、遮蔽手段12は、正面視で、逆L字状に形成され、サブチャンバ4の一方の側壁から庇のように突設されている。また、遮蔽手段12の左右方向の幅は、流入開口部10を十分に遮る程度の幅を有している。
また、遮蔽手段12は、サブチャンバ4(真空チャンバ2)にボルトなどの締結具(図示せず)によって固定されていて、サブチャンバ4から着脱可能になっている。ゆえに、遮蔽手段12はプラズマCVD装置1のメンテナンス時に容易に交換ができるようになっている。
図1に示すように、まず真空ポンプ8(排気手段)を作動させて、真空チャンバ2内部の空気を外部に排出してほぼ真空状態にする。そして、基材Wの表面に皮膜を成膜する前
に成膜エリアA内を減圧した上で、ガス供給手段により、成膜エリアA内に連続的に成膜ガス(原料ガス、反応ガス、補助ガス)を供給するようにする。このとき、成膜エリアA内の圧力P(P=0.1Pa〜10Pa程度)となるように圧力を調整し、成膜エリアA内部を上記した所定の圧力に維持する。
また、成膜ロール5の間を通過して成膜に寄与しなかった残留ガスは、プラズマ領域Pから真空ポンプ8に向けて進むようになる。一方、成膜ロール5付近で形成されたイオンやラジカルの一部は、障害物に衝突してエネルギを失わず真空ポンプ8近傍にまで到達する。そして、そのイオンやラジカルは、成膜ロール5と真空ポンプ8との間で原料ガス(残留ガス)や原料ガスの分解物にエネルギを与えるようになり、真空ポンプ8の周辺に皮膜を形成させるようになる。
などの工程でのダストZの舞い上がりを防いだり、フリーロール17などに付着したダストZが基材Wに転写されるといったことが要因でのコンタミや皮膜の欠陥の原因を除去することができる。なお、大型の遮蔽手段12の場合、それ自体を分解又は分離可能とされているとよい。
[第1実施形態の第1変形例]
次に、本発明のプラズマCVD装置1における第1実施形態の第1変形例について、図を参照して説明する。
すなわち、第1変形例のプラズマCVD装置1は、メインチャンバ3、ならびにサブチャンバ4で構成される真空チャンバ2と、メインチャンバ3内に配備された一対の成膜ロール5と、一対の成膜ロール5の表面にプラズマ領域Pを形成する磁場発生手段6と、サブチャンバ4の一方の側壁に配備された真空ポンプ8(排気手段)と、を有している点が同じである。
しかしながら、第1変形例では、サブチャンバ4に設けられている遮蔽手段12の構造及び形状が大きく異なっている。それに伴って、真空ポンプ8の配置も大きく異なっている。つまり、本変形例は、真空ポンプ8の流入開口部10とサブチャンバ4の一方の側壁(図1における左側壁)との間に排気流路13が形成されており、排気流路13を構成する流路壁14(アダプタチャンバ)が遮蔽手段12とされていることが特徴である。この流路壁14は、一方の側壁の中央から上流方向に突出するように形成され、真空ポンプ8の流入開口部10とサブチャンバ4の一方の側壁とを所定の間隔を空けて連接するものである。つまり、排気流路13は、真空ポンプ8をサブチャンバ4から上流方向に遠ざけるように配置するものである。また、流路壁14(遮蔽手段12)によって、真空ポンプ8の流入開口部10から成膜ロール5が見えないようになっている。
なお、第1実施形態の第1変形例におけるその他の構成、奏する作用効果は第1実施形態と略同じであるため、その説明は省略する。
[第1実施形態の第2変形例]
次に、本発明のプラズマCVD装置1における第1実施形態の第2変形例について、図を参照して説明する。
すなわち、第2変形例のプラズマCVD装置1は、メインチャンバ3、ならびにサブチャンバ4で構成される真空チャンバ2と、メインチャンバ3内に配備された一対の成膜ロール5と、この一対の成膜ロール5の表面にプラズマ領域Pを形成する磁場発生手段6と、サブチャンバ4の一方の側壁に配備された真空ポンプ8(排気手段)と、を有している点が同じである。
しかしながら、第2変形例では、サブチャンバ4に設けられている遮蔽手段12の構造及び形状が大きく異なっている。それに伴って、真空ポンプ8の配置も大きく異なっている。つまり、本変形例は、サブチャンバ4の底部と真空ポンプ8との間に排気流路13が形成されており、排気流路13を構成する流路壁14が遮蔽手段12とされていることが特徴である。
なお、第1実施形態の第2変形例におけるその他の構成、奏する作用効果は第1実施形態の第1変形例と略同じであるため、その説明は省略する。
[第2実施形態]
次に、本発明のプラズマCVD装置1における第2実施形態について、図を参照して説明する。
すなわち、第2実施形態のプラズマCVD装置1は、メインチャンバ3、ならびにサブチャンバ4で構成される真空チャンバ2と、メインチャンバ3内に配備された一対の成膜ロール5と、一対の成膜ロール5の表面にプラズマ領域Pを形成する磁場発生手段6と、サブチャンバ4の一方の側壁に配備された真空ポンプ8(排気手段)と、を有している点が同じである。加えて、成膜エリアA周辺に成膜ガスを供給するガス供給手段が備えられている点と、遮蔽手段12がサブチャンバ4に設けられている点も同じである。
ポンプ8側の排気口を正面から観察したり、保守したりすることができる。その結果、メンテナンスに要する時間を短縮することができ、且つ生産性を向上させることができる。なお、この扉部15は、サブチャンバ4と外部空間とが連通可能とされるようになっていれば、扉部15の開放機構はどのようなものであってもよい。
[第3実施形態]
次に、本発明のプラズマCVD装置1における第3実施形態について、図を参照して説明する。
すなわち、第3実施形態のプラズマCVD装置1は、メインチャンバ3、ならびにサブチャンバ4で構成される真空チャンバ2と、メインチャンバ3内に配備された一対の成膜ロール5と、一対の成膜ロール5の表面にプラズマ領域Pを形成する磁場発生手段6と、サブチャンバ4の一方の側壁に配備された真空ポンプ8(排気手段)と、を有している点が同じである。
しかしながら、第3実施形態では、真空ポンプ8の流入開口部10と遮蔽手段12との間に排気流路13が形成されていて、その排気流路13に排気速度調整手段16が設けられている点が大きく異なっている。つまり、第3実施形態は、遮蔽手段12から真空ポンプ8につながる排気流路13の間に排気速度調整手段16を設け、その排気速度調整手段16によって排気流路13の流路面積を調整し、この排気流路13を通過する気体の流量を制御していることが特徴である。
例えば、排気速度調整手段16がほぼ直立した状態であると、排気流路13は塞がれており、排気流路13に成膜ガスなどを通過させないようにすることができる。そして、制御部が排気速度調整手段16を上方に揺動するように回動させてゆくと、排気流路13が少しずつ開口されるとともに、排気流路13の流路面積が大きくなって排気流路13に成膜ガスなどを通過させることができる。ゆえに、排気速度調整手段16は、制御部によって上方への回動量が制御されており、排気流路13の流路面積を変化させている。
なお、排気速度調整手段16の回転軸11の軸心は、排気速度調整手段16の上端に配置されていてもよいし、その下端に配置されていてもよいし、また排気速度調整手段16
の略中央に配置されていてもよい。
また、排気速度調整手段16は、遮蔽手段12から着脱可能になっており、プラズマCVD装置1のメンテナンス時に容易に交換ができるようになっている。排気速度調整手段16の幅が広い場合は、排気速度調整手段16が汚れたときの交換を容易にするため、分解・分離できる構造体とするとよい。
次に、上記した排気速度調整手段16を用いて、成膜エリアA内の圧力を減圧する手順について、説明する。
このとき、成膜エリアA内の圧力の調整を排気速度調整手段16で行う。排気速度調整手段16の回動によって排気流路13の流路面積を調整し、この排気流路13を通過する気体の流量を制御する。このように制御することで、成膜エリアA内の圧力を所望の圧力に調整することが可能となる。ゆえに、基材Wに皮膜を成膜するときには、真空ポンプ8が定格回転数に近い状態で運転することができるようになる。
このように、排気速度調整手段16を用いて成膜エリアA内の圧力を減圧すると、真空ポンプ8を定格回転数付近に維持できるようになり、真空ポンプ8の運転が安定するようになる。ゆえに、成膜エリアA内の圧力を減圧する工程が安定的に行えるようになる。また、排気速度調整手段16を用いて排気速度を調整できるようにすることで、圧力の調整幅が大きくすることができたり、圧力の調整の応答速度が速くすることができたりする。
[第4実施形態]
次に、本発明のプラズマCVD装置1における第4実施形態について、図を参照して説明する。
すなわち、第4実施形態のプラズマCVD装置1は、メインチャンバ3、ならびにサブチャンバ4で構成される真空チャンバ2と、メインチャンバ3内に配備された一対の成膜ロール5と、一対の成膜ロール5の表面にプラズマ領域Pを形成する磁場発生手段6と、サブチャンバ4の一方の側壁に配備された真空ポンプ8(排気手段)と、を有している点
が同じである。加えて、成膜エリアA周辺に成膜ガスを供給するガス供給手段が備えられている点も同じである。サブチャンバ4の一方の側壁に遮蔽手段12が設けられ、その他方の側壁に扉部15が設けられている点も同じである。また、真空ポンプ8の流入開口部10と遮蔽手段12との間に排気流路13が形成されていて、その排気流路13に排気速度調整手段16が設けられている点も同じである。
まず、一のサブチャンバ4は、一のサブチャンバ4の側壁に備えられた扉部15が下流側(紙面で右側)になるように配置されている。ゆえに、一のサブチャンバ4に備えられた真空ポンプ8は、上流側(紙面で左側)になるように配置されている。次に、他のサブチャンバ4の側壁に備えられた扉部15が上流側(紙面で左側)になるように配置されている。ゆえに、他のサブチャンバ4に備えられた真空ポンプ8は、下流側(紙面で右側)になるように配置されている。すなわち、上流側にある一のサブチャンバ4と、一のサブチャンバ4に隣接する他のサブチャンバ4は、各サブチャンバ4の側壁に備えられた扉部15が互いに対面するように配置されている。
以上述べた如く、プラズマCVD装置1のサブチャンバ4に遮蔽手段12を備えることで、真空ポンプ8の内部にダストZが侵入することを防ぐとともに、真空ポンプ8の近傍にダストZが堆積することを防止することができる。また、サブチャンバ4の側壁に扉部15を備えることで、真空ポンプ8の近傍にダストZが堆積しても、容易にダストZを外部へ取り出すことができる。
[第5実施形態]
次に、本発明のプラズマCVD装置1における第5実施形態について、説明する。
しかしながら、第5実施形態では、メインチャンバ3内のみに基材Wを配置し、メインチャンバ3とサブチャンバ4の間を分離できる扉を設けることが特徴である。
成膜が終了し、基材Wを取り出すときに、メインチャンバ3やサブチャンバ4の中に空気や窒素などのガスを取り込み、内部を大気圧にすることをベントと呼ぶが、ベントの際、チャンバ内に付着した皮膜はベントによる急激なガスの流入により剥離して飛散し、チ
ャンバ内にダストZとして舞い散り付着する。特に成膜エリアAよりも下流に位置するサブチャンバ4内では、メインチャンバ3内に比べ多くのダストZが発生し飛散する。
これにより、例えば、サブチャンバ4は真空を維持しながらメインチャンバ3をベントして、基材Wの交換作業を行うことも可能となる。基材W交換中サブチャンバ4を真空状態に維持できることで、サブチャンバ4内の皮膜が空気中の水分を吸着するなどして剥離したり飛散したりすることを未然に防止できる。
よって、メインチャンバ3、サブチャンバ4にそれぞれ個別にガスや大気を導入するためのバルブを設けると良い。
2 真空チャンバ
3 メインチャンバ
4 サブチャンバ
5 成膜ロール
6 磁場発生手段
7 成膜装置
8 排気手段(真空ポンプ)
9 成膜エリア区画手段
10 流入開口部
11 回転軸
12 遮蔽手段
13 排気流路
14 流路壁(アダプタチャンバ)
15 扉部
16 排気速度調整手段
17 フリーロール
A 成膜エリア
B 加圧エリア
P プラズマ領域
W 基材
Z ダスト
Claims (9)
- 真空チャンバと、前記真空チャンバ内に配備され且つ交流電源が接続された一対の成膜ロールと、前記一対の成膜ロールの表面にプラズマ領域を形成する磁場発生手段と、前記真空チャンバの一方の側壁に配備され且つ真空チャンバ内の気体を外部に排出する排気手段と、を有し、基材の表面に皮膜を形成する、プラズマCVD装置において、
前記真空チャンバ内であって前記排気手段と前記プラズマ領域との間には、前記排気手段への皮膜形成を防止する遮蔽手段が設けられ、
前記真空チャンバは前記一対の成膜ロールを配備したメインチャンバと、前記メインチャンバの下方に設けられたサブチャンバからなり、
前記遮蔽手段は、前記サブチャンバの一方の側壁から突出するように形成され、当該遮蔽手段の先端が下方に垂下するように延び、
前記排気手段の流入開口部はサブチャンバの底部よりも高い位置に配置される
ことを特徴とするプラズマCVD装置。 - 前記遮蔽手段は、前記排気手段に備えられた流入開口部の前方に配設されていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマCVD装置。
- 前記排気手段の流入開口部が下向きに開口を有することを特徴とする請求項1に記載のプラズマCVD装置。
- 前記真空チャンバには、一方の側壁に設けられた排気手段と対向するように、他方の側壁に扉部が設けられていて、前記扉部の開放により、前記真空チャンバと外部空間とが連通可能とされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプラズマCVD装置。
- 前記排気手段の流入開口部と前記遮蔽手段との間には、排気経路が形成されており、
前記排気経路には、前記排気手段へ流入する気体の流入速度を調整する排気速度調整手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプラズマCVD装置。 - 前記排気速度調整手段は、前記排気経路の流路面積を調整し、該排気経路を通過する気体の流量を制御していることを特徴とする請求項5に記載のプラズマCVD装置。
- 前記真空チャンバ内には、前記一対の成膜ロールが隣接するように複数連結されて配置されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のプラズマCVD装置。
- 前記一対の成膜ロールごとに複数のサブチャンバが設けられ、一のサブチャンバに備えられた扉部と、前記一のサブチャンバに隣接する他のサブチャンバに備えられた扉部とが、互いに対面するように配置されていることを特徴とする請求項7に記載のプラズマCVD装置。
- 前記メインチャンバ内のみに前記基材を配置し、前記メインチャンバとサブチャンバの間を分離できる扉を設けることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のプラズマCVD装置
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