JP6021677B2 - プラズマcvd装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プラスチックフィルムなどシート状の基材の表面に機能性皮膜を連続的に成膜するプラズマCVD装置に関する。
近年、食品包装などに用いられる薄膜フィルム(例えば、プラスチックフィルムなどの絶縁性の材料)や映像等を表示する表示デバイス用の基板材料に用いられる薄膜ガラス(ガラスフィルム)に対しては、水蒸気や酸素を通さない特性(バリア性)が高く要求されている。このようなプラスチックフィルムなどのシート状の基材(シート材)に高バリア性を付与するためには、透明性のあるSiOやAlなどの皮膜を基材の表面にコーティングする必要がある。
従来より、SiOx皮膜のコーティング技術としては、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法などの物理蒸着法(PVD法)があるが、近年、これらの技術に比して成膜速度、高バリア皮膜の形成の面で優位な化学的蒸着法(プラズマCVD法)が用いられるようになっている。
上記したプラズマCVD法に用いられるプラズマCVD装置の構造を開示する文献としては、特許文献1や特許文献2に開示されたものがある。
特許文献1は長尺の基材を連続的に搬送しながら、該基材上に連続的に成膜するプラズマCVD成膜装置において、第1成膜ロール及び該第1成膜ロールに対して平行に対向配置された第2成膜ロールを含み、前記基材を巻き付けて搬送する成膜ロールと、前記第1成膜ロール及び前記第2成膜ロール間に位置しており、前記第1成膜ロールの回転軸と前記第2成膜ロールの回転軸とを最短距離で結ぶ線分を2等分し、かつ該線分と直交する第1対称面、並びに前記第1成膜ロール及び前記第2成膜ロールの全長を2等分し、かつ前記第1対称面と直交する第2対称面が設定されており、該第1対称面及び該第2対称面に対して鏡面対称となるように配置されているか、又は該第1対称面と該第2対称面とが交差して画成される交差線に対して軸対称となるように配置されている1個又は2個以上の真空排気口を有し、前記成膜ロールを格納している真空チャンバと、前記第1成膜ロール及び前記第2成膜ロール間に成膜ガスを供給する成膜ガス供給部と、前記真空排気口に接続されており、前記真空チャンバ外に設けられている真空ポンプとを備えるプラズマCVD装置を開示する。
また、特許文献2は、真空チャンバと、この真空チャンバ内に配備された成膜ロールとを有し、この成膜ロールに巻き掛けられたシート状の基材の表面に皮膜を形成するCVD成膜装置において、前記真空チャンバは、前記成膜ロールを各々配備する複数の成膜チャンバユニットと、これらの各成膜チャンバユニットを接続する複数の接続チャンバユニットとを有し、前記成膜チャンバユニットは、前記各成膜ロールが水平方向に並ぶように配置されていることを特徴とするプラズマCVD装置を開示する。
特開2011−137225号公報 特開2011−89165号公報
特許文献1及び特許文献2に開示されているような、従来のプラズマCVD装置を用いてシート状の基材の表面に皮膜を成膜する作業を進めていると、以下に述べるような様々な問題が発生することが明らかとなっている。
(問題1)
まず、従来のプラズマCVD装置による成膜を進めると、真空チャンバ内に備えられている成膜ロールの両端部にも厚い皮膜が形成されることとなる。成膜ロールの両端部に形成された厚い皮膜は、その内部に応力を有するようになり、その皮膜が成膜ロールの両端
部に堆積されるにつれて弾けるように剥離する。剥離された皮膜はダストとなり、成膜ロールの下方に落下したり、真空ポンプ(排気手段)の開口部に到達したりして、真空チャンバ内及び排気手段の開口部の周辺に堆積するようになる。
例えば、特許文献1のプラズマCVD装置においては、同文献の図1−2に示すように、成膜ロールのほぼ直下に排気手段の開口部が設けられており、成膜ロールの表面から剥離したダスト(厚い皮膜)は、真空中でほぼ直線的に進んで直接、排気手段の開口部(真空排気口)に侵入し、排気手段の損傷や汚染を招く虞がある。また、特許文献2のプラズマCVD装置においては、同文献の図2に示すように、成膜ロールの下方に排気手段の開口部が水平方向を向くように備えられており、成膜ロールから落下したダストが排気手段を作動させている間にその開口部に侵入し、真空ポンプの損傷や汚染を招く虞がある。
特に、プラズマCVD装置の排気手段には、高速でタービン(羽根)が回転するターボ分子ポンプ(真空ポンプ)が用いられており、飛散した厚い皮膜が高速で回転するタービンに直撃すると、タービンが損傷し、ターボ分子ポンプを損傷させたり、汚染させたりする虞がある。
(問題2)
また、従来のプラズマCVD装置による成膜を進めると、排気手段及び排気手段の開口部近傍に直接、皮膜が形成される問題が発生する。
プラズマCVD装置は、強力なプラズマやイオンが成膜ロール表面の近傍に形成される(プラズマ領域)ことが特徴であるが、基材の表面の成膜に寄与しなかったイオンやラジカル(残留ガス)は、障害物との衝突を繰り返しながら成膜エリア(基材の表面に皮膜を成膜する領域)から排気手段の近傍にエネルギを失わずに到達することがある。その場合、成膜ロールと排気手段との間で原料ガスや原料ガスの分解物にエネルギを付与するようになる。残留ガスが排気手段及び排気手段の近傍に到達すると、その排気手段の周辺、例えば、真空ポンプのタービンに皮膜が形成されたり、排気手段の開口部や排気経路に皮膜が形成されたりといった、所望としない皮膜が形成される虞がある。
(問題3)
従来のプラズマCVD装置では、皮膜の成膜速度や皮膜の膜質を制御するために、供給するガスの量の制御と真空チャンバ内の圧力の制御とが極めて重要となる。そこで、プラズマCVD装置には、所定の供給ガス流量の基で真空チャンバ内の圧力を調整するために、排気速度を調整する排気速度調整手段が設けられることが多くある。しかしながら、問題2で説明したように、排気手段周辺に皮膜が形成される問題が生じると、排気速度調整手段にも皮膜が形成されてしまう。その場合、排気速度調整手段の動きや性能が低下し、真空チャンバ内の圧力の制御ができなくなる虞がある。
(問題4)
従来のプラズマCVD装置による成膜を進めると、成膜された基材にダストが転写される問題が発生する。
問題1で述べたように、成膜ロールの両端部に形成された皮膜は成膜ロールから剥離しダストとなる。このダストは、大気導入などの工程により、真空チャンバ内で舞い上がるようになる。真空チャンバ内で舞い上がったダストなどは、真空チャンバ内に備えられている搬送ロールの表面などに付着する。搬送ロールの表面などに付着したダストは、搬送された基材の表面に転写されたり、コンタミや皮膜の欠陥の原因となったりする虞がある。
(問題5)
プラズマCVD装置を長時間稼働させて基材の表面に皮膜を成膜すると、真空チャンバの内壁面に徐々に皮膜が形成されてしまう問題が発生する。そこで、真空チャンバに、皮膜除去のための空間(メンテナンス用スペース)を設ける対策が講じられていた。
しかし、従来のプラズマCVD装置では、排気手段が大きくスペースを占有していたり、真空チャンバの規模が小さかったりといったことで、十分な広さのメンテナンス用スペースを確保することが困難であった。仮に、メンテナンス用スペースを確保できたとしても、成膜ロールから遠い場所にメンテナンス用の開口が形成されることが多いため、所望
とされていない場所に形成された皮膜や堆積したダストの回収が困難である。例えば、特許文献2では、排気手段が成膜エリアの下方であって、成膜ロールの回転軸と並行な面に互いに対向するように配置されており、メンテナンス用の開口部(扉部材)を設けるスペースがない。仮に、回転軸と垂直な面にメンテナンス用の扉部材を設けることが考えられるが、シート状の基材の幅が広い場合、基材の中央部の下方に届き難くなり、メンテナンスが困難になる。
そこで、本発明は、上記問題点を鑑み、排気手段の内部にダストが侵入することを防ぐとともに、排気手段の近傍にダストが堆積することを防止することができ、仮に、排気手段の近傍にダストが堆積しても、容易にダストを外部へ取り出すことができるプラズマCVD装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明に係るプラズマCVD装置は、真空チャンバと、前記真空チャンバ内に配備され且つ交流電源が接続された一対の成膜ロールと、前記一対の成膜ロールの表面にプラズマ領域を形成する磁場発生手段と、前記真空チャンバの一方の側壁に配備され且つ真空チャンバ内の気体を外部に排出する排気手段と、を有し、基材の表面に皮膜を形成する、プラズマCVD装置において、前記真空チャンバ内であって前記排気手段と前記プラズマ領域との間には、前記排気手段への皮膜形成を防止する遮蔽手段が設けられていることを特徴とする。
好ましくは、前記真空チャンバは前記一対の成膜ロールを配備したメインチャンバと、側壁の一方に排気手段を有するメインチャンバの下方に設けられたサブチャンバからなるとよい。
好ましくは、前記遮蔽手段は、前記排気手段に備えられた流入開口部の前方に配設されているとよい。
好ましくは、前記排気手段の流入開口部が下向きに開口を有するとよい。
好ましくは、前記真空チャンバには、一方の側壁に設けられた排気手段と対向するように、他方の側壁に扉部が設けられていて、前記扉部の開放により、前記真空チャンバと外部空間とが連通可能とされているとよい。
好ましくは、前記排気手段の流入開口部と前記遮蔽手段との間には、排気経路が形成されており、前記排気経路には、前記排気手段へ流入する気体の流入速度を調整する排気速度調整手段が設けられているとよい。
好ましくは、前記排気速度調整手段は、前記排気経路の流路面積を調整し、該排気経路を通過する気体の流量を制御しているとよい。
好ましくは、前記真空チャンバ内には、前記一対の成膜ロールが隣接するように複数連結されて配置されているとよい。
好ましくは、前記一対の成膜ロールごとに複数のサブチャンバが設けられ、一のサブチャンバに備えられた扉部と、前記一のサブチャンバに隣接する他のサブチャンバに備えられた扉部とが、互いに対面するように配置されているとよい。
好ましくは、前記メインチャンバ内のみに前記基材を配置し、前記メインチャンバとサブチャンバの間を分離できる扉を設けるとよい。
また、本発明に係るプラズマCVD装置の最も好ましい形態は、真空チャンバと、前記真空チャンバ内に配備され且つ交流電源が接続された一対の成膜ロールと、前記一対の成膜ロールの表面にプラズマ領域を形成する磁場発生手段と、前記真空チャンバの一方の側壁に配備され且つ真空チャンバ内の気体を外部に排出する排気手段と、を有し、基材の表面に皮膜を形成する、プラズマCVD装置において、前記真空チャンバ内であって前記排気手段と前記プラズマ領域との間には、前記排気手段への皮膜形成を防止する遮蔽手段が設けられ、前記真空チャンバは前記一対の成膜ロールを配備したメインチャンバと、前記メインチャンバの下方に設けられたサブチャンバからなり、前記遮蔽手段は、前記サブチャンバの一方の側壁から突出するように形成され、当該遮蔽手段の先端が下方に垂下するように延び、前記排気手段の流入開口部はサブチャンバの底部よりも高い位置に配置されることを特徴とする。
本発明のプラズマCVD装置によれば、排気手段の内部にダストが侵入することを防ぐとともに、排気手段の近傍にダストが堆積することを防止することができ、仮に、排気手段の近傍にダストが堆積しても、容易にダストを外部へ取り出すことができる。
本発明のプラズマCVD装置の第1実施形態を示した図である。 本発明のプラズマCVD装置の第1実施形態の変形例を示した図である。 本発明のプラズマCVD装置の第1実施形態の変形例を示した図である。 本発明のプラズマCVD装置の第2実施形態を示した図である。 本発明のプラズマCVD装置の第3実施形態を示した図である。 本発明のプラズマCVD装置の第4実施形態を示した図である。
以下、本実施形態に係るプラズマCVD装置1を、図を基に説明する。
なお、以下に説明する各実施形態及び図面において、プラズマCVD装置1における同一の構成部材には、同一の符号及び同一の名称を付すこととする。従って、同一の符号及び同一の名称が付された構成部材については、同じ説明を繰り返さない。
なお、図1において、紙面の左右方向をプラズマCVD装置1の水平方向とする。また、紙面の左方向をプラズマCVD装置1の上流とし、紙面の右方向をプラズマCVD装置1の下流ともする。また、紙面の上下方向を本発明のプラズマCVD装置1の上下方向とし、紙面貫通方向を本発明のプラズマCVD装置1の幅方向(左右方向)とする。
[第1実施形態]
本発明のプラズマCVD装置1は、減圧下において、並べて配備した成膜ロール5に交流あるいは極性反転を伴うパルス電圧を印加し、プラズマを発生させる。プラズマの発生は基材Wが巻き掛けられた領域内であればよいが、主に成膜ロール5の対向空間にプラズマを発生させ、成膜ロール5に巻き掛けたシート状の基材WにプラズマCVDによる成膜を行うものである。
プラズマCVD装置1は、基材Wの表面に皮膜を成膜するメインチャンバ3、ならびにメインチャンバ3と連通し且つその上下方向に突出するように設けられたサブチャンバ4で構成される真空チャンバ2と、そのメインチャンバ3内に配備され且つ交流電源の電極が接続された一対の成膜ロール5と、この一対の成膜ロール5の表面にプラズマ領域Pを形成する磁場発生手段6と、サブチャンバ4の一方の側壁に配備され且つ真空チャンバ2内の気体を外部に排出する排気手段8(以下、真空ポンプと呼ぶ)と、を有している。なお、本実施形態では、サブチャンバ4は、メインチャンバ3の上下方向に突出するように設けている。
加えて、真空チャンバ2内に形成されている成膜エリアA周辺に成膜ガス(原料ガスを含む)を供給するガス供給手段(図示せず)が備えられている。
プラズマCVD装置1は、メインチャンバ3内に配備された一対の成膜ロール5に巻き掛けられたシート状の基材Wを磁場発生手段6によって形成されたプラズマ領域P内に通過させることで、その基材Wの表面に皮膜を成膜するものである。
本発明のプラズマCVD装置1を説明する前に、成膜対象となる基材Wについて、説明する。
基材Wは、背景技術に示したように、食品包装などに用いられる薄膜フィルムで構成されるものであり、例えば、厚さは真空中で搬送が可能な5μm 〜0.5mm程度の薄いシート状に成形されたものである。より好ましくは、基材Wの厚さが50〜200μm程度の極めて薄いシート状に成形されたものを用いるとよい。この場合、基材Wが厚いと皺が発生し難くなり、基材Wの表面に皮膜を成膜しやすくなるが、皮膜の緻密性が落ちることがあり、皺の発生と皮膜性能のバランスをみて基材Wの厚さを決めるとよい。基材の裏面にはすべり性を良くする加工をして皺の発生を抑制することが望ましい。
成膜対象となる基材Wとしては、例えば、プラスチックのフィルムや樹脂シート、紙、ガラスフィルムなどが挙げられる。また、プラスチックフィルム及び樹脂シートとしては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタラート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PES(ポリエーテルサルホン)、CCP(連鎖硬化ポリマー)、COP(環状ポリオレフィン)、ポリカーボネート、ポレオレフィン、ポリイミド等が挙げられる。基材Wの表面に平滑化や密着性改善などのためにドライ処理やウェット処理で前処理や下地皮膜を形成しておいてもよい。成膜処理を行う前の基材Wに含まれる水分や残留原料の量を調整したり、除去したりするとよく、同一の真空チャンバ内でこれらの前処理を行うこともできる。基材Wは、その薄さゆえに可撓性を有するので、ロール状に巻き取りすることが可能である。また、基材Wは、絶縁性を有する材料でもある。
前述の如く、基材Wは絶縁性の材料であるため、直流の電圧の印加においては、電流を流すことができないが、適切な周波数(およそ1kHz〜100MHz、好ましくは10
kHz〜100MHz)であれば、基材Wを介して電流を伝播させることが可能である。交流電源から供給される放電の電圧は、数百V〜2千Vの範囲が好ましい。
図1に示すように、上記した基材Wは、プラズマCVD装置1を構成する真空チャンバ2内に収容されている。基材Wを真空チャンバに収容せず、大気中から真空チャンバ内に送り込むこともできるが、この場合、基材Wの通路近辺から大気が真空チャンバ内に流入しないように、基材Wを細い隙間を通して大気中から真空チャンバ内に送り込む。
真空チャンバ2は、内部が真空状態に減圧可能なチャンバである。真空チャンバ2は、ステンレス等の金属製の板材で形成された内部が空洞の筺体であり、内部を気密に保持するものである。この真空チャンバ2には、基材Wの表面に皮膜を成膜するメインチャンバ3と、そのメインチャンバ3と連通し且つその下方向に突出するように設けられたサブチャンバ4とを有している。
メインチャンバ3は、下方が開口された筐体であり、基材Wに透明性のあるSiOやTiOxなどの皮膜を施す成膜装置7を備えている。成膜装置7には、円筒状又は円柱状に形成された一対の成膜ロール5とプラズマを生成する磁場発生手段6とが備えられ、この一対の成膜ロール5が基材Wの搬送を行っている。つまり、メインチャンバ3は、成膜ロール5にて搬送中の基材WにCVD等の表面処理を実施するものである。
サブチャンバ4は、上方が開口されたコ字状の断面をもつ筐体であり、サブチャンバ4の一方の側壁に真空ポンプ8が配備されている。この真空ポンプ8によって、真空チャンバ2の内部を真空状態または低圧状態にまで減圧することができる。真空ポンプ8は高速回転するタービン(羽根)を持つターボ分子ポンプであり、下流に粗引用のドライポンプなどが設置される。
成膜ロール5は、ステンレス材料等で形成された円筒であって、メインチャンバ3内に回転自在に配備されたローラである。2本の成膜ロール5は同径で同長であることが普通であるが、互いに違った直径や長さにしてもよい。成膜ロール5は、所定の間隔を空けて対向するように一対備えられており、その回転中心が略同じ高さに配置され、互いの成膜ロール5の軸心が平行で且つ水平となるように配備されている。成膜対象の基材Wが成膜ロール5に巻回されるようになっており、成膜ロール5の回転とともに基材Wが搬送される。また、各成膜ロール5には、図示しないが、真空シール部、給電部、温度調整水などの温媒導入部などの回転トルク負荷機構が備えられており、回転トルク負荷機構は成膜ロール5を任意の回転速度で駆動させるようになっている。
成膜ロール5の表面には、超硬材料やクロム系材料などでの硬質化処理がなされており、メンテナンスなどで疵がつかないようになっている。一対の成膜ロール5は、真空チャンバ2から電気的に絶縁されるとともに互いが電気的に絶縁されており、交流電源の電極(両極)に接続されている。また、この交流電源は、高周波の交流電圧、または、両極の極性が反転可能なパルス状の電圧が発生可能とされている。
一対の成膜ロール5の周辺領域を囲むように、メインチャンバ3内を2つのエリアに隔離する成膜エリア区画手段9が設けられている。
成膜エリア区画手段9は、ステンレス材等の金属製の板材や樹脂やセラミックの絶縁体で構成された隔壁であって、詳しくは、メインチャンバ3の底部から垂直方向に立設される側壁と、一対の成膜ロール5の上方を塞ぐとともに側壁同士を掛け渡すように固定する上壁と、から構成されている。つまり、メインチャンバ3は、成膜エリア区画手段9によって、その内側が成膜エリアA、その外側が加圧エリアBとされている。
成膜エリアAは、成膜ガスが満たされている中で、基材Wの表面に皮膜を成膜する領域である。一方、加圧エリアBは、成膜エリアA内よりも高圧となる加圧放電ガスで満たされている領域である。加圧放電ガスとしては、酸素、窒素及びAr等のガスが挙げられる。また、成膜エリアA内には、成膜エリアAに成膜ガスを供給するガス供給手段が備えられている。ガス供給手段は、円筒管、矩形管、あるいは機械加工で形成された溝形態の部品に蓋をした内部に空間を持つ部品などの管状の部品に複数の穴を形成したガスシャワーなどがよい。穴の間隔などの配置や、穴の直径や深さなどは、成膜の膜厚分布を決められたものとするため、適宜調整できるようにするとよい。穴形状ではなく、スリット形状で
もよい。ガス供給手段には、原料ガスの結露などを防止するための温度調整手段を設けてもよい。温度調整手段は水などの温媒を流して行うものでもよいし、電熱ヒータなどのヒータを用いてもよい。ガス供給手段の表面に付着した不要な皮膜を取り除いたり、メンテナンスが容易になるように、原料供給手段の表面は交換可能になっているとなおよい。原料供給手段は真空チャンバの上方から脱着可能として、メンテナンス性を高めるとよい。
ガス供給手段は、成膜エリアA内を減圧した後に、基材Wの表面に皮膜を成膜する際に寄与する成膜ガス(原料ガスを必須として、反応ガス、補助ガスを含む)を供給するものである。また、ガス供給手段は、成膜ロール5上方に水平方向に並べて配置されることが多いが、成膜ロール5に対する相対位置を自由に調整できるようにして、成膜ガス(原料ガス)が成膜ロール5に到達する時間などを変更できるようにするとよい。
ここで、成膜エリアA内に供給される成膜ガス(原料ガス)について、説明する。
原料ガスは、皮膜の主成分となる材料を供給する気体であり、例えば、基材Wの表面にSiO皮膜を形成する場合には、HMDSO(ヘキサメチルジシロキサン)、TEOS(テトラエトキシシラン)、シラン等のSiを含有するガスである。分子中に酸素を含むものはSiOxを形成するのに適するし、分子中に窒素を含むものや、分子中に酸素を含まないものはSiN系の皮膜を形成するのに適する。また、チタニウムイソプロポキサイドやTDMAT(テトラキスジメチルアミノチタン)などのTiを含有するガスやTMA(トリメチルアルミニウム)などのAlを含有するガスを用いてもよい。金属有機化合物や塩化金属やフッ化金属など、加熱などで気化できるものを用いてもよい。液相や気相の状態で原料流量を調整して、真空チャンバ2に供給する。
また、基材Wの表面に炭素系の皮膜を形成する場合には、メタン、ブタン、プロパン、エチレン、アセチレン、トルエン、ベンゼンなどの炭化水素ガスを用いてもよい。
次に、反応ガスは、それ自身は基材Wの表面に皮膜を成膜することに寄与しない気体であるが、原料ガスと反応して、成膜される皮膜内に取り込まれるガスのことである。例えば、SiO成膜の場合、酸素(O)やNOがそれに該当する。また、SiN成膜の場合、窒素(N)やアンモニア(NH)などがそれに該当する。また、皮膜内に水素含有させる目的として、水素(H)を用いることもある。
また、補助ガスは、原則として皮膜内に含まれない気体であるが、放電の安定性の向上や皮膜の膜質の向上等の目的で供給されるガスである。例えば、SiO成膜の場合、アルゴン(A)、ヘリウム(H)等がそれに該当する。
一般的に、ガス供給手段は一対の成膜ロール5の上方側に配備され、ガス供給手段に備えられている軸の軸心と成膜ロール5の回転軸11の軸心とが略平行となるように配置されていることが多いが、ガス供給手段に形成された皮膜が成膜ロール5に付着することを防ぐために、成膜ロール5の下方側にガス供給手段を配備してもよい。また、原料ガス、反応ガス、補助ガスなどの目的別や供給するガスの種類別ごとにガス供給手段を設けて、それらのガス供給手段から成膜エリアAに供給してもよいし、予め各ガスを混合して一つのガス供給手段から成膜エリアAに供給してもよい。
成膜ロール5の内側には、一対の成膜ロール5の表面にプラズマを生成し、且つプラズマ領域Pを形成する磁場発生手段6が設けられている。磁場発生手段6は、このプラズマ領域Pを各成膜ロール5の所定領域にするためのものである。
この磁場発生手段6は、発生した磁力線が成膜ロール5の内面から外面(表面)に至り、再び成膜ロール5内部へ戻るようになっているものである。磁場発生手段6は、真空チャンバ2に対して位置決めされており、成膜ロール5の回転時においても、常に真空チャンバ2に対して決まった位置に磁場を発生できるものとなっている。真空チャンバ2と磁場発生手段6の相対位置を変更することで、磁場の発生位置を調整することもできるし、回転や揺動させることで、プラズマ発生の位置を動かして成膜することも可能である。
なお、プラズマ領域Pとは、磁場発生手段6によって、成膜エリアA内に位置する一対の成膜ロール5の表面にプラズマを集めて形成された領域のことである。プラズマP以外でも皮膜形成は行われるのであるが、このプラズマ領域Pにおいて、緻密な皮膜形成が行われるため、プラズマ領域Pを成膜領域と考えることができる。
このプラズマ領域Pを指向するように、ガス供給手段から成膜ガスが噴射されることとなる。そして、磁場発生手段6が形成したプラズマ領域Pを一対の成膜ロール5に巻き掛けられた基材Wが通過するようになっている。
なお、磁場発生手段6としては、様々な形態のものが採用可能であるが、例えば、ロール軸方向に長い中央磁石と、この中央磁石を取り囲むレーストラック状の外周磁石と、これらをロール内側で接続する磁界短絡部材とを備えているマグネトロン磁場(レーストラック状磁場)発生機構が挙げられる。また、1つの成膜ロール5に複数のマグネトロン磁場を形成できるものを用いれば、効率よく皮膜を成膜ができるので、より生産性が高まるようになる。
さて、真空チャンバ2の下側、すなわちサブチャンバ4には、真空ポンプ8(排気手段)が配備されている。真空ポンプ8は、一方の側壁の中央に配置されており、その流入開口部10が他方の側壁を向くように配備されている。つまり、真空ポンプ8の流入開口部10が水平方向を向くように配備されている。また、真空ポンプ8は、一対の成膜ロール5の回転軸11の軸心から等しい距離の点の集合で定義される面に対し、一方側に配備されているともいえる。言い換えれば、真空ポンプ8は、一方(紙面で左側)の成膜ロール5と、他方(紙面で右側)の成膜ロール5との間の中央に形成される上下(垂直)方向の面に対面する一方の側壁に配備されている。
真空ポンプ8は、基材Wの表面に皮膜を成膜する前に、真空チャンバ2内及び成膜エリアA内を減圧したり、ガス供給手段から供給され且つ皮膜の成膜に寄与した後の成膜ガスを真空チャンバ2の外部に排出したりする機能を有している。
一般的に、プラズマCVD装置1の真空ポンプ8は、この装置に適した軸受け構造を有するターボ分子ポンプを用いることが多くある。また、ポンプの回転数による排気速度制御機構を有する真空ポンプ8であれば、この排気速度制御機構をプラズマCVD装置1の成膜圧力の制御に使用可能であるのでより好ましい。
図1に示すように、サブチャンバ4内であって、真空ポンプ8とプラズマ領域Pとの間に成膜時に発生するダストZが真空ポンプ8への流入を遮蔽する遮蔽手段12が設けられている。つまり、遮蔽手段12によって、真空ポンプ8の流入開口部10から成膜ロール5が見えないようになっている。
遮蔽手段12は、真空チャンバ2と同様に、ステンレス材等の金属製の板材で形成され、サブチャンバ4を構成する板材の厚みより薄肉となっている。遮蔽手段12は、サブチャンバ4の一方の側壁(図1におけるサブチャンバ4の左側壁)から突出するように形成されていて、その先端は下方に垂下するように延びている。つまり、遮蔽手段12は、正面視で、逆L字状に形成され、サブチャンバ4の一方の側壁から庇のように突設されている。また、遮蔽手段12の左右方向の幅は、流入開口部10を十分に遮る程度の幅を有している。
遮蔽手段12の上面は、メインチャンバ3の底部に面一で沿うようになっており、遮蔽手段12の垂下状の側壁は、サブチャンバ4の一方の側壁から所定の間隔をあけて配置され、且つ真空ポンプ8に備えられた流入開口部10の前方に設けられている。また、遮蔽手段12は、流入開口部10の前方の一部(上側)をサブチャンバ4から遮るようになっており、真空ポンプ8が駆動したときの排気流路13は確保されている。
すなわち、遮蔽手段12は、真空ポンプ8とプラズマ領域Pとを結ぶ直線に対して交差するように設けられており、成膜時に発生するダストZを遮るようになっている。
また、遮蔽手段12は、サブチャンバ4(真空チャンバ2)にボルトなどの締結具(図示せず)によって固定されていて、サブチャンバ4から着脱可能になっている。ゆえに、遮蔽手段12はプラズマCVD装置1のメンテナンス時に容易に交換ができるようになっている。
次に、上記した第1実施形態のプラズマCVD装置1を用いて、基材Wの表面に皮膜を成膜する手順について、説明する。
図1に示すように、まず真空ポンプ8(排気手段)を作動させて、真空チャンバ2内部の空気を外部に排出してほぼ真空状態にする。そして、基材Wの表面に皮膜を成膜する前
に成膜エリアA内を減圧した上で、ガス供給手段により、成膜エリアA内に連続的に成膜ガス(原料ガス、反応ガス、補助ガス)を供給するようにする。このとき、成膜エリアA内の圧力P(P=0.1Pa〜10Pa程度)となるように圧力を調整し、成膜エリアA内部を上記した所定の圧力に維持する。
また、成膜エリアA内の圧力の調整は、可変開度弁などによる排気速度調整でも可能であるし、真空ポンプ8の排気速度を調整する方法を用いてもよい。また、交流電源(図示せず)による電圧印加によって、原料ガスなどが分解されて圧力が増加するなどの変化を見越しておいて、予め排気速度調整の可変開度弁などを所定の開度で固定し、低い圧力に設定をするなどの開度調整方法を併用してもよい。このようにすると、電圧印加後においての成膜エリアA内の圧力を安定させる時間を短くすることができる。
そして、所定の圧力条件に維持した状態で、成膜ロール5に交流電源からの高周波の交流又は、パルス状の電圧を印加すると、磁場発生手段6により磁場が形成された空間に選択的にグロー放電が発生し、強力なプラズマやイオンが生じるようになる。このプラズマは、成膜ロール5の表面の近傍に生じ、その領域がプラズマ領域Pとなる。このプラズマ領域Pには、ガス供給手段により成膜ガスが供給されて、供給された成膜ガスに含まれる原料ガスがプラズマによって分解され、基材Wの表面に所望の皮膜が化学反応などによって形成される。
このような状況下で、巻出ロール(図示せず)から巻き出された基材Wは、一方の成膜ロール5(上流側)の外周面に巻きかけられつつ、プラズマ領域Pを通過する。このプラズマ領域Pを通過することによって、基材Wに表面処理が施される。そして、基材Wは搬送ローラ(フリーロール17)によって、他方の成膜ロール5(下流側)に搬送される。搬送された基材Wは、他方の成膜ロール5の外周面に巻きかけられつつ、再度プラズマ領域Pを通過する。基材Wは、成膜が2回行われ、巻取ロール(図示せず)に巻き取られることとなる。
このとき、基材Wが巻きかけられている成膜ロール5の中央部は、成膜ロール5の表面がプラズマ領域Pに露出していないため、成膜ロール5の表面に皮膜が形成されることはない。しかし、基材Wが巻きかけられていない成膜ロール5の両端部は、成膜ロール5に設置された絶縁体などが露出しており、プラズマCVD装置1を長時間運転させていると、成膜ロール5の両端部に厚い皮膜が形成されるようになる。
形成された皮膜は、内部に応力を有しており、皮膜の堆積に伴って弾けるように剥離することがある。剥離した皮膜は、ダストZとなって成膜ロール5の真下に重力に引かれるように落下したり、弾けるように剥離した皮膜の一部は、真空チャンバ2内に放射状に飛散することもある。
また、成膜ロール5の間を通過して成膜に寄与しなかった残留ガスは、プラズマ領域Pから真空ポンプ8に向けて進むようになる。一方、成膜ロール5付近で形成されたイオンやラジカルの一部は、障害物に衝突してエネルギを失わず真空ポンプ8近傍にまで到達する。そして、そのイオンやラジカルは、成膜ロール5と真空ポンプ8との間で原料ガス(残留ガス)や原料ガスの分解物にエネルギを与えるようになり、真空ポンプ8の周辺に皮膜を形成させるようになる。
ここで、本実施形態のプラズマCVD装置1には、ダストZ(剥離された皮膜)の侵入を防ぐための遮蔽手段12が真空ポンプ8の開口部の前方に設けられている。この遮蔽手段12は、一対の成膜ロール5の下方に配設されており、落下してくるダストZを遮るようになっている。ダストZは、遮蔽手段12の側壁に付着するようになり、真空ポンプ8の流入開口部10に到達しない。ゆえに、サブチャンバ4に遮蔽手段12を設けることによって、真空ポンプ8の損傷を防ぐことができる。また、真空ポンプ8の流入開口部10にダストZが堆積することもなくなり、真空ポンプ8における排気流路13を確保することもできる。
この遮蔽手段12は、サブチャンバ4から着脱可能となっており、ダストZが堆積したり、側壁が汚染されたりした場合には別の遮蔽手段12(ダストZが除去された遮蔽手段12)に交換することができる。遮蔽手段12の交換の頻度を多くすることで、大気導入
などの工程でのダストZの舞い上がりを防いだり、フリーロール17などに付着したダストZが基材Wに転写されるといったことが要因でのコンタミや皮膜の欠陥の原因を除去することができる。なお、大型の遮蔽手段12の場合、それ自体を分解又は分離可能とされているとよい。
以上述べたように、第1実施形態のプラズマCVD装置1を採用することで、真空ポンプ8の内部にダストZが侵入することを防ぐとともに、真空ポンプ8の近傍にダストZが堆積することを防止することが可能となる。
[第1実施形態の第1変形例]
次に、本発明のプラズマCVD装置1における第1実施形態の第1変形例について、図を参照して説明する。
図2に示すように、第1実施形態の第2変形例に係るプラズマCVD装置1の構成は、第1実施形態の装置(図1参照)と略同じである。
すなわち、第1変形例のプラズマCVD装置1は、メインチャンバ3、ならびにサブチャンバ4で構成される真空チャンバ2と、メインチャンバ3内に配備された一対の成膜ロール5と、一対の成膜ロール5の表面にプラズマ領域Pを形成する磁場発生手段6と、サブチャンバ4の一方の側壁に配備された真空ポンプ8(排気手段)と、を有している点が同じである。
加えて、真空チャンバ2内の成膜エリアA周辺に成膜ガスを供給するガス供給手段が備えられている点も同じである。
しかしながら、第1変形例では、サブチャンバ4に設けられている遮蔽手段12の構造及び形状が大きく異なっている。それに伴って、真空ポンプ8の配置も大きく異なっている。つまり、本変形例は、真空ポンプ8の流入開口部10とサブチャンバ4の一方の側壁(図1における左側壁)との間に排気流路13が形成されており、排気流路13を構成する流路壁14(アダプタチャンバ)が遮蔽手段12とされていることが特徴である。この流路壁14は、一方の側壁の中央から上流方向に突出するように形成され、真空ポンプ8の流入開口部10とサブチャンバ4の一方の側壁とを所定の間隔を空けて連接するものである。つまり、排気流路13は、真空ポンプ8をサブチャンバ4から上流方向に遠ざけるように配置するものである。また、流路壁14(遮蔽手段12)によって、真空ポンプ8の流入開口部10から成膜ロール5が見えないようになっている。
真空ポンプ8の流入開口部10がサブチャンバ4の側壁に面していないので、直接成膜ロール5からのダストZの侵入を防ぐことができる。また、ダストZが流路壁14に堆積するようにもなり、真空ポンプ8まで到達しないようになっている。なお、真空ポンプ8の流入開口部10は大きく確保されており、真空引き時の性能低下などの問題も起こらない。
このように、遮蔽手段12を構成することで、真空ポンプ8にダストZの侵入を遮断することができ、真空ポンプ8の損傷を防ぐことができるようになる。
なお、第1実施形態の第1変形例におけるその他の構成、奏する作用効果は第1実施形態と略同じであるため、その説明は省略する。
[第1実施形態の第2変形例]
次に、本発明のプラズマCVD装置1における第1実施形態の第2変形例について、図を参照して説明する。
図3に示すように、第1実施形態の第2変形例に係るプラズマCVD装置1の構成は、第1実施形態の装置(図1参照)と略同じである。
すなわち、第2変形例のプラズマCVD装置1は、メインチャンバ3、ならびにサブチャンバ4で構成される真空チャンバ2と、メインチャンバ3内に配備された一対の成膜ロール5と、この一対の成膜ロール5の表面にプラズマ領域Pを形成する磁場発生手段6と、サブチャンバ4の一方の側壁に配備された真空ポンプ8(排気手段)と、を有している点が同じである。
加えて、成膜エリアA周辺に成膜ガス(原料ガス)を供給するガス供給手段が備えられている点も同じである。
しかしながら、第2変形例では、サブチャンバ4に設けられている遮蔽手段12の構造及び形状が大きく異なっている。それに伴って、真空ポンプ8の配置も大きく異なっている。つまり、本変形例は、サブチャンバ4の底部と真空ポンプ8との間に排気流路13が形成されており、排気流路13を構成する流路壁14が遮蔽手段12とされていることが特徴である。
この排気流路13は、サブチャンバ4の一方の側壁の下端、すなわちサブチャンバ4の底部に水平方向に細長状に形成されており、サブチャンバ4の底部から水平方向に突出するように流路壁14が形成されている。流路壁14は、サブチャンバ4の一方の側壁(図1における左側壁)底部から上流方向に向けて突出するように形成されている。すなわち、本変形例のサブチャンバ4は、正面視で、L字状の形成された筐体ともいえる。
流路壁14の上側には、サブチャンバ4の流入開口部10が下方に向くように接続されている。つまり、排気流路13は、真空ポンプ8をサブチャンバ4から上流方向に遠ざけるように配置し、流入開口部10がサブチャンバ4側に向かないようにするものである。また、流路壁14(遮蔽手段12)によって、真空ポンプ8の流入開口部10から成膜ロール5が見えないようになっている。
真空ポンプ8の流入開口部10がサブチャンバ4の側壁に面していないので、直接成膜ロール5からのダストZの侵入を防ぐことができる。また、ダストZが流路壁14に堆積するようにもなり、真空ポンプ8まで到達しないようになっている。なお、真空ポンプ8の流入開口部10は大きく確保されており、真空引き時の性能低下などの問題も起こらない。
このように、遮蔽手段12を構成することで、真空ポンプ8にダストZの侵入を遮断することができ、真空ポンプ8の損傷を防ぐことができるようになる。
なお、第1実施形態の第2変形例におけるその他の構成、奏する作用効果は第1実施形態の第1変形例と略同じであるため、その説明は省略する。
[第2実施形態]
次に、本発明のプラズマCVD装置1における第2実施形態について、図を参照して説明する。
図4に示すように、第2実施形態に係るプラズマCVD装置1の構成は、第1実施形態の装置(図1参照)と略同じである。
すなわち、第2実施形態のプラズマCVD装置1は、メインチャンバ3、ならびにサブチャンバ4で構成される真空チャンバ2と、メインチャンバ3内に配備された一対の成膜ロール5と、一対の成膜ロール5の表面にプラズマ領域Pを形成する磁場発生手段6と、サブチャンバ4の一方の側壁に配備された真空ポンプ8(排気手段)と、を有している点が同じである。加えて、成膜エリアA周辺に成膜ガスを供給するガス供給手段が備えられている点と、遮蔽手段12がサブチャンバ4に設けられている点も同じである。
しかしながら、第2実施形態では、サブチャンバ4の他方の側壁に扉部15が設けられている点が大きく異なっている。つまり、第2実施形態は、サブチャンバ4の一方の側壁に配備された真空ポンプ8と対面するように他方の側壁に扉部15を備え、その扉部15は開閉自在となっている。また、扉部15の開放により、サブチャンバ4と外部空間とが連通可能とされていることが特徴である。
この扉部15は、サブチャンバ4の他方の側壁に対してヒンジなどの回動機構を介して取り付けられている。扉部15は、サブチャンバ4と同様の厚みを有していて、例えばステンレス等の金属製の板材で形成されている。扉部15は、サブチャンバ4に密着するように閉じられるようになっており、サブチャンバ4(真空チャンバ2)内部を気密に保持するようになっている。また、扉部15は、サブチャンバ4内にある遮蔽手段12を外部へ容易に取り出すことができる大きさ及び取り付け方法であることとよい。扉部15の外壁には、開閉を容易にする取手(図示せず)が設けられていてもよい。
また、真空ポンプ8近傍のダストZやその周辺に形成される皮膜を監視したり、成膜ロール5の放電状態を確認したりするために、扉部15の全体又は、その一部にアクリルや強化ガラスなどの透明の部材を用いてもよい。このような扉部15を用いることで、真空
ポンプ8側の排気口を正面から観察したり、保守したりすることができる。その結果、メンテナンスに要する時間を短縮することができ、且つ生産性を向上させることができる。なお、この扉部15は、サブチャンバ4と外部空間とが連通可能とされるようになっていれば、扉部15の開放機構はどのようなものであってもよい。
このように、扉部15を構成することで、ダストZを除去する際において、最も汚染されやすい成膜ロール5への案内が容易となる。また、メンテナンスに十分な大きさの扉部15が設けられていることで、堆積したダストZや皮膜の回収・除去が容易となる。さらには、メンテナンスが行われる周辺に真空ポンプ8が存在しないため、真空ポンプ8の配管や配線の干渉されることがなく、十分なメンテナンス用スペースが確保することができる。
なお、第2実施形態におけるその他の構成、奏する作用効果は第1実施形態と略同じであるため、その説明は省略する。
[第3実施形態]
次に、本発明のプラズマCVD装置1における第3実施形態について、図を参照して説明する。
図5に示すように、第3実施形態に係るプラズマCVD装置1の構成は、第1実施形態の装置(図1参照)と略同じである。
すなわち、第3実施形態のプラズマCVD装置1は、メインチャンバ3、ならびにサブチャンバ4で構成される真空チャンバ2と、メインチャンバ3内に配備された一対の成膜ロール5と、一対の成膜ロール5の表面にプラズマ領域Pを形成する磁場発生手段6と、サブチャンバ4の一方の側壁に配備された真空ポンプ8(排気手段)と、を有している点が同じである。
加えて、成膜エリアA周辺に成膜ガスを供給するガス供給手段が備えられている点も同じである。加えて、サブチャンバ4の一方の側壁に遮蔽手段12が設けられ、その他方の側壁に扉部15が設けられている点も同じである。
しかしながら、第3実施形態では、真空ポンプ8の流入開口部10と遮蔽手段12との間に排気流路13が形成されていて、その排気流路13に排気速度調整手段16が設けられている点が大きく異なっている。つまり、第3実施形態は、遮蔽手段12から真空ポンプ8につながる排気流路13の間に排気速度調整手段16を設け、その排気速度調整手段16によって排気流路13の流路面積を調整し、この排気流路13を通過する気体の流量を制御していることが特徴である。
排気速度調整手段16は、遮蔽手段12の側壁の下端に回動自在に吊下された板材であり、排気速度調整手段16が水平軸心回りに回動することによって排気流路13の流路面積を調整するものである。なお、排気速度調整手段16を上下に移動させる直動機構(上下にスライドする開閉式の扉)を用いてもよい。排気速度調整手段16の左右方向の幅は、遮蔽手段12と同様であり、流入開口部10を十分に遮る程度の幅を有している。
排気速度調整手段16は、プラズマCVD装置1に備えられている制御部(図示せず)によって制御されている。
例えば、排気速度調整手段16がほぼ直立した状態であると、排気流路13は塞がれており、排気流路13に成膜ガスなどを通過させないようにすることができる。そして、制御部が排気速度調整手段16を上方に揺動するように回動させてゆくと、排気流路13が少しずつ開口されるとともに、排気流路13の流路面積が大きくなって排気流路13に成膜ガスなどを通過させることができる。ゆえに、排気速度調整手段16は、制御部によって上方への回動量が制御されており、排気流路13の流路面積を変化させている。
また、排気速度調整手段16は、真空ポンプ8よりも下方に配置されており、成膜ロール5から流れてきた成膜ガス等の排気が一度、サブチャンバ4の底部を通過するようになっている。このとき、成膜ガス等の排気に含まれる大きなダストZが、サブチャンバ4の底部に堆積するようになり、ダストZが真空ポンプ8に到達しないようになっている。
なお、排気速度調整手段16の回転軸11の軸心は、排気速度調整手段16の上端に配置されていてもよいし、その下端に配置されていてもよいし、また排気速度調整手段16
の略中央に配置されていてもよい。
例えば、図5に示すように、排気速度調整手段16の回転軸11の軸心がその上端にある場合、排気速度調整手段16を開くと、サブチャンバ4の底部に堆積したダストZを扉部15側に容易に寄せることができ、扉部15からダストZを簡単に回収することができる。一方で、排気速度調整手段16の回転軸11の軸心がその下端にある場合、排気速度調整手段16の上部が大きく回動するが軸心部分(下部)は上部に比べて回動しないので、軸心近傍に溜まったダストZが排気速度調整手段16を乗り越えることはなく、真空ポンプ8側にダストZが溜まらないようになっている。
また、排気速度調整手段16にシールできる機構を加えると、排気速度調整手段16を閉じたときに真空ポンプ8に流入する成膜ガスなどの気体の量を止めることができる。そして、真空ポンプ8を停止させることなく、成膜エリアAと外部とを連通させることができる。
また、排気速度調整手段16は、遮蔽手段12から着脱可能になっており、プラズマCVD装置1のメンテナンス時に容易に交換ができるようになっている。排気速度調整手段16の幅が広い場合は、排気速度調整手段16が汚れたときの交換を容易にするため、分解・分離できる構造体とするとよい。
このように、遮蔽手段12に排気速度調整手段16を設けることで、真空ポンプ8(排気手段)の排気能力の調整に依存することなく成膜する際の真空チャンバ2内の圧力を調整することができる。
次に、上記した排気速度調整手段16を用いて、成膜エリアA内の圧力を減圧する手順について、説明する。
まず、真空ポンプ8を作動させ、基材Wに皮膜を成膜する前に成膜エリアAを減圧した上で、ガス供給手段により、成膜エリアA内に連続的に成膜ガスを供給するとともに、成膜エリアAの圧力をPD(PD=0.1Pa〜10Pa程度)となるように成膜エリアA内の圧力を調整・維持する。
このとき、成膜エリアA内の圧力の調整を排気速度調整手段16で行う。排気速度調整手段16の回動によって排気流路13の流路面積を調整し、この排気流路13を通過する気体の流量を制御する。このように制御することで、成膜エリアA内の圧力を所望の圧力に調整することが可能となる。ゆえに、基材Wに皮膜を成膜するときには、真空ポンプ8が定格回転数に近い状態で運転することができるようになる。
また、交流電源(図示せず)による電圧印加によって、原料ガスなどが分解されて圧力が増加するなどの変化を見越しておいて、予め排気速度調整の可変開度弁などを所定の開度で固定し、低い圧力に設定をする。このようにすると、電圧印加後においての成膜エリアA内の圧力を安定させる時間を短くすることができる。
このように、排気速度調整手段16を用いて成膜エリアA内の圧力を減圧すると、真空ポンプ8を定格回転数付近に維持できるようになり、真空ポンプ8の運転が安定するようになる。ゆえに、成膜エリアA内の圧力を減圧する工程が安定的に行えるようになる。また、排気速度調整手段16を用いて排気速度を調整できるようにすることで、圧力の調整幅が大きくすることができたり、圧力の調整の応答速度が速くすることができたりする。
なお、第3実施形態におけるその他の構成、奏する作用効果は第1実施形態と略同じであるため、その説明は省略する。
[第4実施形態]
次に、本発明のプラズマCVD装置1における第4実施形態について、図を参照して説明する。
図6に示すように、第4実施形態に係るプラズマCVD装置1の構成は、第3実施形態の装置(図5参照)と略同じである。
すなわち、第4実施形態のプラズマCVD装置1は、メインチャンバ3、ならびにサブチャンバ4で構成される真空チャンバ2と、メインチャンバ3内に配備された一対の成膜ロール5と、一対の成膜ロール5の表面にプラズマ領域Pを形成する磁場発生手段6と、サブチャンバ4の一方の側壁に配備された真空ポンプ8(排気手段)と、を有している点
が同じである。加えて、成膜エリアA周辺に成膜ガスを供給するガス供給手段が備えられている点も同じである。サブチャンバ4の一方の側壁に遮蔽手段12が設けられ、その他方の側壁に扉部15が設けられている点も同じである。また、真空ポンプ8の流入開口部10と遮蔽手段12との間に排気流路13が形成されていて、その排気流路13に排気速度調整手段16が設けられている点も同じである。
しかしながら、第4実施形態では、複数のメインチャンバ3が上下流方向(水平方向)に隣接するように連結され、真空チャンバ2が連結されたメインチャンバ3で構成されている点が大きく異なっている。さらに、第4実施形態は、第3実施形態のプラズマCVD装置1が複数連結されており、真空チャンバ2を構成する一のサブチャンバ4に備えられた扉部15と、一のサブチャンバ4に隣接する他のサブチャンバ4に備えられた扉部15とが、互いに対面するように配置されていることが特徴である。
本実施形態の場合、図6に示すように、2つのサブチャンバ4が真空チャンバ2に設けられている。
まず、一のサブチャンバ4は、一のサブチャンバ4の側壁に備えられた扉部15が下流側(紙面で右側)になるように配置されている。ゆえに、一のサブチャンバ4に備えられた真空ポンプ8は、上流側(紙面で左側)になるように配置されている。次に、他のサブチャンバ4の側壁に備えられた扉部15が上流側(紙面で左側)になるように配置されている。ゆえに、他のサブチャンバ4に備えられた真空ポンプ8は、下流側(紙面で右側)になるように配置されている。すなわち、上流側にある一のサブチャンバ4と、一のサブチャンバ4に隣接する他のサブチャンバ4は、各サブチャンバ4の側壁に備えられた扉部15が互いに対面するように配置されている。
なお、一のサブチャンバ4の上流側に別のサブチャンバ4(メインチャンバ3も含む)が存在した場合、別のサブチャンバ4の側壁に備えられた扉部15は、上流側(左側)になるように配置され、別のサブチャンバ4と一のサブチャンバ4は、各サブチャンバ4に備えられた真空ポンプ8が互い対面するようになる。また、他のサブチャンバ4の下流側にさらに別のサブチャンバ4(メインチャンバ3も含む)が存在した場合、さらに別のサブチャンバ4の側壁に備えられた扉部15は、下流側(右側)になるように配置され、さらに別のサブチャンバ4と他のサブチャンバ4は、各サブチャンバ4に備えられた真空ポンプ8が互い対面するようになる。
このように、各サブチャンバ4の側壁に備えられた扉部15が互いに対面するように配置されていることで、扉部15同士が互いに向かい合う空間をメンテナンスする際の作業用空間として利用することができ、各サブチャンバ4のメンテナンス性が高まる。また、隣接する2つのサブチャンバ4に対して1つの空間を設けることで、隣接するサブチャンバ4のメンテナンスを同時に行えるようにもなる。
なお、第4実施形態におけるその他の構成、奏する作用効果は第3実施形態と略同じであるため、その説明は省略する。
以上述べた如く、プラズマCVD装置1のサブチャンバ4に遮蔽手段12を備えることで、真空ポンプ8の内部にダストZが侵入することを防ぐとともに、真空ポンプ8の近傍にダストZが堆積することを防止することができる。また、サブチャンバ4の側壁に扉部15を備えることで、真空ポンプ8の近傍にダストZが堆積しても、容易にダストZを外部へ取り出すことができる。
[第5実施形態]
次に、本発明のプラズマCVD装置1における第5実施形態について、説明する。
第5実施形態に係るプラズマCVD装置1の構成は、第1〜4実施形態の装置と略同じである。
しかしながら、第5実施形態では、メインチャンバ3内のみに基材Wを配置し、メインチャンバ3とサブチャンバ4の間を分離できる扉を設けることが特徴である。
成膜が終了し、基材Wを取り出すときに、メインチャンバ3やサブチャンバ4の中に空気や窒素などのガスを取り込み、内部を大気圧にすることをベントと呼ぶが、ベントの際、チャンバ内に付着した皮膜はベントによる急激なガスの流入により剥離して飛散し、チ
ャンバ内にダストZとして舞い散り付着する。特に成膜エリアAよりも下流に位置するサブチャンバ4内では、メインチャンバ3内に比べ多くのダストZが発生し飛散する。
メインチャンバ3とサブチャンバ4の間を分離できる扉を閉めてベントを行うことで、サブチャンバ内で発生し飛散したダストZはサブチャンバ4内に留まり、メインチャンバ3に輸送されることが防止できる。メインチャンバ3内には、成膜対象である基材Wや基材Wを搬送させるための成膜ロール5やフリーロール17が配置されており、これらの表面にサブチャンバ4内で発生したダストZが付着することを未然に防止でき、基材Wの表面に付着するダストZを軽減でき皮膜の品質を向上できる。
メインチャンバ3とサブチャンバ4の間を分離できる扉は開口をシールできるものであれば、メインチャンバ3やサブチャンバ4を独立にベントすることが可能となる。
これにより、例えば、サブチャンバ4は真空を維持しながらメインチャンバ3をベントして、基材Wの交換作業を行うことも可能となる。基材W交換中サブチャンバ4を真空状態に維持できることで、サブチャンバ4内の皮膜が空気中の水分を吸着するなどして剥離したり飛散したりすることを未然に防止できる。
また、メインチャンバ3を真空に維持しておいて、サブチャンバ4のみをベントしてサブチャンバ4内に付着したダストZのメンテナンスを実施でき、再度真空引きする際、メインチャンバ3内の真空引きする時間分の真空引き短縮を図ることも可能となる。
よって、メインチャンバ3、サブチャンバ4にそれぞれ個別にガスや大気を導入するためのバルブを設けると良い。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
1 プラズマCVD装置
2 真空チャンバ
3 メインチャンバ
4 サブチャンバ
5 成膜ロール
6 磁場発生手段
7 成膜装置
8 排気手段(真空ポンプ)
9 成膜エリア区画手段
10 流入開口部
11 回転軸
12 遮蔽手段
13 排気流路
14 流路壁(アダプタチャンバ)
15 扉部
16 排気速度調整手段
17 フリーロール
A 成膜エリア
B 加圧エリア
P プラズマ領域
W 基材
Z ダスト

Claims (9)

  1. 真空チャンバと、前記真空チャンバ内に配備され且つ交流電源が接続された一対の成膜ロールと、前記一対の成膜ロールの表面にプラズマ領域を形成する磁場発生手段と、前記真空チャンバの一方の側壁に配備され且つ真空チャンバ内の気体を外部に排出する排気手段と、を有し、基材の表面に皮膜を形成する、プラズマCVD装置において、
    前記真空チャンバ内であって前記排気手段と前記プラズマ領域との間には、前記排気手段への皮膜形成を防止する遮蔽手段が設けられ
    前記真空チャンバは前記一対の成膜ロールを配備したメインチャンバと、前記メインチャンバの下方に設けられたサブチャンバからなり、
    前記遮蔽手段は、前記サブチャンバの一方の側壁から突出するように形成され、当該遮蔽手段の先端が下方に垂下するように延び、
    前記排気手段の流入開口部はサブチャンバの底部よりも高い位置に配置される
    ことを特徴とするプラズマCVD装置。
  2. 前記遮蔽手段は、前記排気手段に備えられた流入開口部の前方に配設されていることを特徴とする請求項に記載のプラズマCVD装置。
  3. 前記排気手段の流入開口部が下向きに開口を有することを特徴とする請求項に記載のプラズマCVD装置。
  4. 前記真空チャンバには、一方の側壁に設けられた排気手段と対向するように、他方の側壁に扉部が設けられていて、前記扉部の開放により、前記真空チャンバと外部空間とが連通可能とされていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のプラズマCVD装置。
  5. 前記排気手段の流入開口部と前記遮蔽手段との間には、排気経路が形成されており、
    前記排気経路には、前記排気手段へ流入する気体の流入速度を調整する排気速度調整手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のプラズマCVD装置。
  6. 前記排気速度調整手段は、前記排気経路の流路面積を調整し、該排気経路を通過する気体の流量を制御していることを特徴とする請求項に記載のプラズマCVD装置。
  7. 前記真空チャンバ内には、前記一対の成膜ロールが隣接するように複数連結されて配置されていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のプラズマCVD装置。
  8. 前記一対の成膜ロールごとに複数のサブチャンバが設けられ、一のサブチャンバに備えられた扉部と、前記一のサブチャンバに隣接する他のサブチャンバに備えられた扉部とが、互いに対面するように配置されていることを特徴とする請求項に記載のプラズマCVD装置。
  9. 前記メインチャンバ内のみに前記基材を配置し、前記メインチャンバとサブチャンバの間を分離できる扉を設けることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のプラズマCVD装置
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