JP6020862B1 - 継手装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】外筒部と内筒部とを係合する係合部材が抜け出すことを防止できる継手装置を提供すること。【解決手段】戻り側アーム14の外筒部142には、挿入孔144が貫通形成されている。外部筒体11の内筒部64には、周方向に延びる係合溝644が形成されている。外筒部142に内筒部64が挿入された状態で、係合ピン部材7が挿入孔144と係合溝644に跨って配置されることで、戻り側アーム14と外部筒体11との互いの抜け出しが防止されかつ、戻り側アーム14と外部筒体11との相対回動が許容される。外部筒体11には抜け止め壁11Aが設けられている。抜け止め壁11Aは、戻り側アーム14と外部筒体11との相対回動によって、挿入孔144に臨んで係合ピン部材7の抜け出しを防止する第一位置と、挿入孔144に対して周方向へずれて係合ピン部材7の抜け出しを許容する第二位置に相対変位が可能である。【選択図】図2

Description

本発明は、例えば浴槽用循環具に用いられて給湯器からの外部配管を接続するための継手装置に関する。
特許文献1の浴槽用給湯口アダプタは、槽外取付部材に突設された雌側管部に、ジョイント管が有する雄側管部が挿入され、当該ジョイント管に給湯器からの外部配管が接続されるようになっている。雌側幹部の周壁には、内外方向にピン挿通孔が貫通形成されている。雄側管部の外周面には、周方向に延びるピン収容溝が形成されている。
そして、前記雌側管部に雄側管部が挿入された状態で、当該雌側管部の外側からピン挿通孔へと固定ピン部材が挿入されかつ、当該ピン挿通孔とピン収容溝に跨って当該固定ピン部材が配置される。したがって、槽外取付部材とジョイント管との互いの抜け出しが防止されかつ固定ピン部材がピン収容溝によって周方向へ案内されることで、雄側管部及び雌側管部を軸心とした槽外取付部材とジョイント管との相対回動が許容される。
特開2015−21638号公報
ところが、前記浴槽用給湯口アダプタにおいては、ピン挿通孔から固定ピン部材の一部が露出されているため、当該露出部分に何かが引っかかり、固定ピン部材が意図せずに抜け出してしまう問題があった。
本発明の目的は、外筒部と内筒部とを係合する係合部材が抜け出すことを防止できる継手装置を提供すること。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、内筒部を有する第一流路部材と、外筒部を有する第二流路部材とを備え、前記内筒部を前記外筒部に挿入することで、前記第一流路部材の内部に形成された流路と前記第二流路部材の内部に形成された流路とを接続する継手装置であって、前記外筒部の周壁には内外方向に挿入孔が貫通形成され、前記内筒部の外周面には周方向に延びる係合溝が形成され、前記外筒部に前記内筒部が挿入された状態で、前記外筒部に対して前記周壁の外側から前記挿入孔へと係合部材が挿入されかつ当該挿入孔と前記係合溝に跨って当該係合部材が配置されることで、前記第一流路部材と前記第二流路部材との互いの抜け出しが防止されかつ前記係合部材が前記係合溝によって周方向へ案内されることで、前記内筒部及び前記外筒部を軸心とした前記第一流路部材と前記第二流路部材との相対回動を許容する継手装置において、前記第一流路部材には抜け止め壁が設けられ、当該抜け止め壁は前記外筒部の外周面に対して当該外周面の周方向に関し部分的に臨むように配置され、当該抜け止め壁は、前記第一流路部材と前記第二流路部材との相対回動によって、前記挿入孔に臨んで当該挿入孔からの前記係合部材の抜け出しを防止する第一位置と、前記挿入孔に対して周方向へずれて当該挿入孔からの前記係合部材の抜け出しを許容する第二位置とに相対変位が可能であることを特徴とする。
本発明によれば、例えば継手装置のメンテナンス時等において、係合部材を一旦抜き出す作業を行う場合には、第二位置を選択することで、抜け止め壁が当該作業の妨げとなることを防止できる。メンテナンス作業が完了した後には、第一位置を選択することで、意図しない係合部材の抜け出しを、抜け止め壁によって当接規制することができる。
一実施形態の浴槽用循環具を示す分解斜視図。 外部筒体及び戻り側アーム並びに往き側アームを示す分解斜視図。 (a)は区画部材を示す正面図、(b)区画部材本体を示す正面図。 (a)は弁体カバーを示す正面図、(b)は弁体カバーを示す側面図、(c)は弁体カバーを示す背面図 浴槽用循環具を浴槽の側壁に固定した状態を示す断面図。 (a)は外筒部及び内筒部を分解して示す断面図、(b)は外筒部に内筒部を挿入して係合ピン部材で係合した状態を示す断面図。 (a)は戻り側アームが第二位置にある状態での浴槽用循環具の側面図、(b)は戻り側アームが第一位置にある状態での浴槽用循環具の側面図。
以下、本発明を浴槽用循環具において具体化した一実施形態について、図1〜図7にしたがって詳細に説明する。
図1及び図5に示すように、浴槽用循環具10を構成する外部筒体11は浴槽の側壁12外部に配置され、黄銅等の金属又はポリフェニレンサルファイド等の合成樹脂で筒状に形成されている。外部筒体11の外端部には、戻り側アーム14及び往き側アーム16が設けられている。戻り側アーム14には、給湯器(図示しない)への戻り側配管13が接続されている。往き側アーム16には、給湯器からの往き側配管15が接続されている。戻り側配管13及び往き側配管15は、架橋ポリエチレン等の合成樹脂により形成されている。
そして、浴槽水を前記戻り側アーム14内の流路及び戻り側配管13を介して給湯器に送り、給湯器で加熱された湯(加熱水)を往き側配管15から往き側アーム16内の流路へ循環するように構成されている。浴槽用循環具10は無極性のものであり、外部筒体11の戻り側アーム14及び往き側アーム16と給湯器の配管接続部分との間の配管の接続は制限されない。
前記外部筒体11の開口端部には拡径筒部17が設けられ、その拡径筒部17にゴム製のシール部材18が被せられ、側壁12の外面に密着されている。外部筒体11の内周面には雌ねじ19が刻設されているとともに、外部筒体11内には連結筒部51が外部筒体11の軸線方向に延びるように突設されている。連結筒部51内の流路は往き側アーム16内の流路に通じ、外部筒体11と連結筒部51との間の流路が戻り側アーム14内の流路に通じている。
前記締付筒体20はポリフェニレンサルファイド等の合成樹脂により円筒状に形成され、その内端部(図1の左端部)にはフランジ21が突設されている。締付筒体20の外周面には雄ねじ22が螺刻されている。フランジ21の外周面には、端部側が雄ねじ22側より高くなるように段差状に形成された被係合段部23が環状に形成されている。
前記締付筒体20は浴槽の側壁12の内側に配置され、ポリエチレン製のパッキン25とゴム製のシールリング26が介装された状態で側壁12の貫通孔12aに挿通されている。そして、締付筒体20の雄ねじ22が外部筒体11の雌ねじ19に螺合固定されることで、締付筒体20と外部筒体11とが浴槽の側壁12を挟んで連結固定されている。
区画部材27はポリアセタール等の合成樹脂により形成され、区画部材本体28とその中心より締付筒体20側へ延びる筒部29とにより構成されている。区画部材本体28の外周部には締付筒体20側に延びる係合爪30が周方向の複数箇所に突設され、当該係合爪30が締付筒体20の被係合段部23に係合されて、締付筒体20からの区画部材27の抜け出しが防止されている。筒部29は、締付筒体20内を挿通され、外部筒体11の連結筒部51に挿入されている。
図5に示すように、前記区画部材本体28及びその筒部29により、外部筒体11の往き側アーム16内の流路に接続される吐出用流路31が形成されているとともに、その周囲には外部筒体11の戻り側アーム14内の流路に接続される吸入用流路32が区画形成されている。これら吐出用流路31及び吸入用流路32は、それらの流路方向が90度変更されている。吐出用流路31及び吸入用流路32の流路方向を変更する流路方向変更部33は、区画部材本体28と一体成形されている。
図3(a)及び図3(b)に示すように、前記吐出用流路31及び吸入用流路32において流路方向変更部33よりも浴槽側に位置する部分には、吐出用開口部34が形成されている。吐出用開口部34には、一対の支承凹部38が設けられている。吐出用開口部34には、開閉弁35を保持する弁体カバー39が装着されている。この弁体カバー39には、網状に形成され浴槽水を吸入する吸入用開口部40が設けられている。開閉弁35において弁体36の両端には、支持片37が形成されている。
図3(a)及び図3(b)並びに図4(a)〜図4(c)に示すように、前記弁体カバー39の一端縁には、掛止突条39aが段差状に形成されている。この掛止突条39aの下部には、断面が浴槽側ほど狭くなるように傾斜する傾斜部39bが設けられている。この傾斜部39bは、吸入用開口部40よりも給湯器側に設けられている。
そして、図1及び図3(a)並びに図3(b)に示すように、前記開閉弁35の弁体36両端部の支持片37を支承凹部38に載せて支持し、弁体カバー39の掛止突条39aを流路方向変更部33の開口縁33aに掛止した後、弁体カバー39を回動させて流路方向変更部33と面一になるようにする。次いで、ビス52を区画部材本体28の挿通孔53に挿通して弁体カバー39の雌ねじ穴54に螺合することにより、弁体カバー39が流路方向変更部33に装着されている。
前記流路方向変更部33と区画部材27の外周壁27aとの間には、浴槽水の吸入側が広くなるようにテーパ状に形成された一対の吸入用切欠き55が形成されている。区画部材27の外周壁27aと流路方向変更部33との間には、吸入迂回流路56が正面円弧状をなすように凹設されている。この吸入迂回流路56の両端部に吸入用切欠き55が設けられ、当該吸入用切欠き55が吸入迂回流路56に臨んでいる。
前記区画部材27の外周壁27aから吸入迂回流路56の中央部及び流路方向変更部33の中央部を通って吸入迂回流路56及び流路方向変更部33を二分するように吸入側と吐出側を仕切る仕切リブ58が突出形成されている。吸入迂回流路56における仕切リブ58には切込み59が設けられ、吸入迂回流路56の吸入側(図3(a)の左半分)と吐出側(図3(a)の右半分)が連通されている。
図3(a)に示すように、前記区画部材27において、浴槽水は一方(図中の左側)の弁体カバー39の吸入用開口部40から図中の矢印に示すように吸入され、流路方向変更部33の吸入用流路32へ流れ、加熱水は流路方向変更部33の吐出用流路31から開閉弁35を通って浴槽内へ吐出されるようになっている。開閉弁35は加熱水が図中の矢印に示すように弁体36に当たり、弁体36が支持片37を中心にして回動することにより開弁される。流路方向変更部33の吐出用流路31から流れ出る加熱水は、傾斜部39b(図4(b)参照)を通過する際に流路が絞られるため、吐出速度が速められて吸入用開口部40から吐出され難くなっている。
図1に示すように、前記区画部材27の外周部には、区画部材本体28に片持ち支持されて周方向に延び、径方向に弾性変形する弾性変形部43が突設されている。弾性変形部43の外周面には案内保持部46が設けられている。フィルターカバー44はステンレス鋼により有底円筒状に形成され、前面に多数の流通孔47を有している。フィルターカバー44の外周部には、係合突起45が形成されている。そして、フィルターカバー44の係合突起45を区画部材27の案内保持部46に嵌め込んでからフィルターカバー44を周方向に回動させることにより、フィルターカバー44の周方向及び軸線方向への動きが規制され、区画部材本体28からフィルターカバー44の抜け出しが規制されている。フィルターカバー44の周壁の二箇所には吐出孔48が開口され、区画部材27の吐出用開口部34に対峙している。
前記浴槽用循環具10においては、浴槽水及び加熱水を強制循環させると、浴槽水はフィルターカバー44前面の流通孔47から吸い込まれ、区画部材27の吸入用開口部40から吸入用流路32を通って外部筒体11の戻り側アーム14内の流路に流れ、さらに戻り側配管13を経て給湯器に至る。フィルターカバー44の流通孔47が髪の毛等で目詰まりし、浴槽水が吸入用開口部40から吸入されなくなった場合には、浴槽水がフィルターカバー44と区画部材27との隙間57(図5(a)参照)から吸入用切欠き55を介し、吸入迂回流路56を経て吸入用開口部40に吸入される。給湯器からの加熱水は、往き側配管15から外部筒体11の往き側アーム16内の流路を介して区画部材27の吐出用流路31に至り、吐出用開口部34からフィルターカバー44の吐出孔48を経て浴槽内へ吐出される。
次に、前記浴槽用循環具10に適用された継手装置について、特には、第一流路部材としての外部筒体11と、第二流路部材としての戻り側アーム14及び第二流路部材としての往き側アーム16との連結構造について説明する。
図2及び図6(a)並びに図6(b)に示すように、前記外部筒体11の後壁外面には、一対の内筒部64が突設されている。一対の内筒部64は、互いに独立した管路を備えた円管状の形状を有している。一対の内筒部64の各軸心は外部筒体11の軸心に対し直交するように配置されている。一対の内筒部64の各軸心は、互いに同軸上に位置するようにかつ外部筒体11の軸心を挟んだ反対側に配置されている。
前記内筒部64において先端側の外周面には、周方向に連続してOリング収容溝65が形成されている。このOリング収容溝65内には、ゴム製のOリング66が装着されている。内筒部64において基端側の外周面には、係合溝644が周方向に連続して形成されている。
図2に示すように、前記戻り側アーム14及び往き側アーム16は、短管部14A,16A及び長管部14B,16Bの端部同士が連結された略L字状の形状を有している。戻り側アーム14及び往き側アーム16における長管部14B,16Bの先端側は、外管接続部145として構成されており、当該外管接続部145の先端面に開口された挿入口145aを介して、往き側配管15及び戻り側配管13と連通接続できるようになっている。外管接続部145は、外部配管を連結できる構造であれば、ロックリング式やねじ込み式や接着式等どのような構造であっても良い。
図2及び図6(a)並びに図6(b)に示すように、前記戻り側アーム14及び往き側アーム16における短管部14A,16Aの先端側は、外筒部142をなしている。外筒部142には、外部筒体11の内筒部64が挿入されている。外筒部142の周壁には、周方向の四箇所において、周方向に長い長孔形状の挿入孔144が形成されている。各挿入孔144は、外筒部142の周壁を内外方向に貫通している。各挿入孔144は、内筒部64の係合溝644に対応する位置に配置されている。
係合部材としての係合ピン部材7は、略U字状に形成されており、拡開方向に弾性変形可能な一対の係合ピン71を備えている。各係合ピン71の中間部は、内筒部における係合溝644に対応して、外側に湾曲形成された抱持部72が設けられている。
この係合ピン部材7の一対の係合ピン71が、内筒部64が挿入された状態の外筒部142の一側面において、周方向に隣り合う挿入孔144に挿入される。これにより、一対の係合ピン71が内筒部64の両側において係合溝644内を通って、その一対の係合ピン71の先端が、外筒部142の他側面において周方向に隣り合う挿入孔144に挿入された状態に配置される。
このピン挿入状態では、一対の係合ピン71が少し外側に弾性変形しており、その弾性力によって、一対の係合ピン71が内筒部64をその係合溝644の部分において両側から抱持している。さらに一対の係合ピン71が外筒部142における挿入孔144の内周面と、内筒部64における係合溝644の内周面とに係合することによって、外部筒体11(内筒部64)と、戻り側アーム14及び往き側アーム16(外筒部142)との軸心方向への相対移動を規制しつつ、外部筒体11と、戻り側アーム14及び往き側アーム16との内筒部64及び外筒部142を軸心とした相対回動を許容している。この相対回動の範囲は、戻り側アーム14及び往き側アーム16が一方に回動して外部筒体11に当接する位置から、他方に回動して同じく外部筒体11に当接する位置までである。
さて、図7(a)及び図7(b)に示すように、前記外部筒体11の後壁において、内筒部64付近の部分が、抜け止め壁11Aをなしている。抜け止め壁11Aは、戻り側アーム14の外筒部142の外周面に対して、当該外周面の周方向に関し部分的に臨むように配置されている。抜け止め壁11Aは、外部筒体11と戻り側アーム14との相対回動によって、挿入孔144に臨んで当該挿入孔144からの係合ピン部材7の抜け出しを当接規制する第一位置(図7(b))と、挿入孔144に対して周方向へずれて当該挿入孔144からの係合ピン部材7の抜け出しを許容する第二位置(図7(a))とに相対回動が可能である。なお、図示しないが、往き側アーム16についても戻り側アーム14と同様に抜け止め壁11Aが作用するようになっており、前述した第一位置及び第二位置の選択が同様に可能である。
したがって、例えば浴槽用循環具10のメンテナンス時等において、係合ピン部材7を一旦抜き出し、再度挿入する作業を行う場合には、戻り側アーム14及び往き側アーム16の第二位置を選択することで、抜け止め壁11Aが当該作業の妨げとなることを防止できる。また、戻り側アーム14及び往き側アーム16の第二位置には所定の回動範囲があるため、当該回動範囲内において係合ピン部材7が抜け出し易い位置及び挿入し易い位置を選択すれば、当該作業が容易となる。メンテナンス作業が完了した後には、戻り側アーム14及び往き側アーム16の第一位置を選択することで、意図しない係合ピン部材7の抜け出しを、抜け止め壁11Aによって当接規制することができる。
次に、前記戻り側アーム14及び往き側アーム16の形状について詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、前記戻り側アーム14は、短管部14Aと長管部14Bとが、互いの軸心がなす角度θ1が75度〜85度となるように傾斜されている。往き側アーム16は、短管部16Aと長管部16Bとが、互いの軸心がなす角度θ2が75度〜85度となるように傾斜されている。戻り側アーム14の傾斜角度θ1と往き側アーム16の傾斜角度θ2は同じである。
したがって、並行状態にある前記戻り側アーム14と往き側アーム16とは、互いの長管部14B,16Bが、基端間の距離と比較して先端間の距離が狭くなるように互いに傾斜されている。長管部14B,16Bの互いの軸心がなす角度θ3は10度〜30度である。なお、戻り側アーム14と往き側アーム16とが並行状態にあるとは、互いの長管部14B,16Bの軸心が同一平面上に存在する状態のことを指す。
ここで、図1に示すように、前記戻り側配管13と往き側配管15は、所謂ペア管と呼ばれる、並行状態で被覆テープや鞘管等により束ねられて一本となった製品が準備されている(ペア管P及び被覆テープH)。戻り側アーム14の長管部14Bと往き側アーム16の長管部16Bとの先端間の距離、つまり戻り側アーム14の外管接続部145と往き側アーム16の外管接続部145との互いの挿入口145aの配置間隔は、ペア管Pにおける戻り側配管13と往き側配管15との並行間隔よりも広い。したがって、戻り側配管13と往き側配管15は、対応する外管接続部145への接続作業の際には、ペア管Pの端部の被覆テープHを剥いで互いの拘束を解き、この拘束が解かれた当該端部をハ字状に拡開した態様で、取り扱われることとなる。
前記戻り側アーム14及び往き側アーム16は、互いに傾斜した長管部14B,16Bを有して基端側が拡開したハ字状をなしているため、同様な拡開形状で取り扱われるペア管Pの端部との形状の相性が良い。したがって、外管接続部145への戻り側配管13及び往き側配管15の挿入抵抗が軽減されて挿入作業を容易に行い得るし、戻り側配管13及び往き側配管15並びに外管接続部145に作用する応力も軽減できる。これは、戻り側配管13及び往き側配管15並びに外管接続部145の長期耐用に寄与する。さらには、ペア管Pの端部の変形がハ字状に拡開する単純形状で済むため、当該変形を行い易くするために剥ぐ被覆テープHの量も少なくて済む。
つまり、例えば特許文献1のように一対のジョイント管が平行状態にある場合には、ペア管Pの端部がハ字状に拡開された状態で当該端部の先端がジョイント管に挿入され、さらに当該先端がジョイント管に合わせて平行状態に変形させられる。このため、ジョイント管への戻り側配管13及び往き側配管15の挿入抵抗が増大して挿入作業が困難となるし、戻り側配管13及び往き側配管15並びにジョイント管に作用する応力も増大する。また、ペア管Pの端部が、ジョイント管に向かってハ字状に拡開された部分と、ジョイント管に挿入された平行部分とで長尺に渡って変形されることとなり、当該変形を許容するために剥ぐ被覆テープHの量が多くなる。
前記戻り側アーム14及び往き側アーム16は、外部筒体11に対して相対回動可能である。したがって、戻り側アーム14及び往き側アーム16は、外部筒体11に対する異なる複数の相対回動位置において、前述したペア管Pに対する好適な態様での接続が可能であり、浴槽用循環具10とペア管Pとの様々な位置関係に対して好適に対応できる。
本発明は次のように具体化してもよい。
○外部配管同士を接続するための継手装置において具体化すること。
○戻り側アーム14及び往き側アーム16のうちの一方についてのみ、抜け止め壁11Aが作用するように構成すること。
○抜け止め壁11Aを専用に設けること。
7…係合部材としての係合ピン部材、11…第一流路部材としての外部筒体、11A…抜け止め壁、14…第二流路部材としての戻り側アーム、16…第二流路部材としての往き側アーム、64…内筒部、142…外筒部、144…挿入孔、644…係合溝。

Claims (1)

  1. 内筒部を有する第一流路部材と、外筒部を有する第二流路部材とを備え、前記内筒部を前記外筒部に挿入することで、前記第一流路部材の内部に形成された流路と前記第二流路部材の内部に形成された流路とを接続する継手装置であって、
    前記外筒部の周壁には内外方向に挿入孔が貫通形成され、前記内筒部の外周面には周方向に延びる係合溝が形成され、前記外筒部に前記内筒部が挿入された状態で、前記外筒部に対して前記周壁の外側から前記挿入孔へと係合部材が挿入されかつ当該挿入孔と前記係合溝に跨って当該係合部材が配置されることで、前記第一流路部材と前記第二流路部材との互いの抜け出しが防止されかつ前記係合部材が前記係合溝によって周方向へ案内されることで、前記内筒部及び前記外筒部を軸心とした前記第一流路部材と前記第二流路部材との相対回動を許容する継手装置において、
    前記第一流路部材には抜け止め壁が設けられ、当該抜け止め壁は前記外筒部の外周面に対して当該外周面の周方向に関し部分的に臨むように配置され、当該抜け止め壁は、前記第一流路部材と前記第二流路部材との相対回動によって、前記挿入孔に臨んで当該挿入孔からの前記係合部材の抜け出しを防止する第一位置と、前記挿入孔に対して周方向へずれて当該挿入孔からの前記係合部材の抜け出しを許容する第二位置に相対変位が可能であることを特徴とする継手装置。
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