以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。ここで、図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は斜視図であり、図3は内枠12及び前面枠セット14を開放した状態を示す斜視図である。図4は内枠12及び遊技盤30等の構成を示す正面図である。図5はパチンコ機10の背面図であり、図6は内枠12及び裏パックユニット203等を開放した状態を示す斜視図である。但し、図3では便宜上、遊技盤30面上に配設される釘や役物、前面枠セット14に取付けられるガラスユニット137等を省略して示している。
図2、図3等に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外郭を構成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。
外枠11は、図6等に示すように、上辺枠構成部11a及び下辺枠構成部11bが木製の板材により構成され、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dがアルミニウム合金製の押出成形材により構成され、これら各枠構成部11a〜11dがネジ等の離脱可能な締結具により全体として矩形枠状に組み付けられている。
左辺枠構成部11cの上下端部には、それぞれ上ヒンジ81及び下ヒンジ82が取着されている(図1参照)。当該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能となる。そして、外枠11の内側に形成される空間部に内枠12等が収容される。
また、右辺枠構成部11dには、その幅方向後端部近傍から外枠11内側へ向け突出した延出壁部83が形成されている。延出壁部83は、内枠12の右側部背面側に設けられる施錠装置600(図6参照)に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆っている(図5参照)。加えて、図3に示すように、延出壁部83の前面側には、施錠装置600の係止部材が係止される上下一対の受部84,85が設けられている。また、下側の受部85には、後述する内枠開放検知スイッチ92に当接する押圧部86が、外枠11内側に向けて突設されている。
さらに、下辺枠構成部11bには樹脂製の幕板飾り87が取着されている。幕板飾り87の上面奥部には、上方に突出するリブ88が一体形成されている。これにより内枠12との間に隙間が形成されにくくなっている。
図3に示すように、内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす樹脂ベース38を主体に構成されており、当該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
また、内枠12の前面側には前面枠セット14が開閉可能に取付けられている。前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。
前面枠セット14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠セット14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠セット14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。
図1に示すように、前面枠セット14の前面側には、その下部中央において球受皿としての下皿15が設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球を排出するための球抜きレバー25が設けられている。加えて、下皿15の左部には、LEDが内蔵された演出ボタン125が設けられており、演出ボタン125を押圧操作することで、後述する装飾図柄表示装置42等において対応する演出が行われたり、演出内容が変更されたりする。
下皿15の右方には、手前側に突出した遊技球発射ハンドル(以下、単にハンドルという)18が設けられている。尚、ハンドル18には、図示しないタッチセンサや、ハンドル18の操作部の操作量を検出するための図示しない操作量検出手段が設けられている。
下皿15の上方には上皿19が設けられている。上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する発射手段としての遊技球発射装置(以下、単に発射装置という)60の方へ案内する球受皿である。尚、上皿19が遊技球で満杯になった状態では、払出される遊技球は、後述する下皿連通路71及び排出口16を介して、下皿15へと案内される。
上皿19には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。これにより、遊技ホール等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で球貸しボタン121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。但し、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では球貸しボタン121及び返却ボタン122は不要である。
さらに、上皿19には、球抜きボタン123が設けられている。球抜きボタン123が押圧操作されることで、上皿19の球案内路の下流側に設けられ、下皿15に連通する連通孔(図示略)が開口し、上皿19に貯留されていた遊技球が下皿15へと案内される(落下する)。つまり、遊技者は、球抜きボタン123を操作することで、上皿19にある遊技球をいつでも下皿15に移すことができる。
また、前面枠セット14の前面にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅といった発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が設けられている。また、該環状電飾部102の両側部には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ104が設けられている。尚、環状電飾部102のうち各エラー表示ランプ104の上方部位には、前面枠セット14の背面に設けられるスピーカSP(図3参照)に対応して細かな透孔が多数形成されている。
前面枠セット14の背面側にはガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対をなして別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
次に、内枠12(樹脂ベース38)について図4を参照して説明する。上述した通り、内枠12(樹脂ベース38)には、窓孔39の後側において遊技盤30が装着されている。遊技盤30は、その周縁部が内枠12(樹脂ベース38)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース38の窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
また、内枠12(樹脂ベース38)の前面下部、すなわち窓孔39(遊技盤30)の下方位置には、発射装置60及び当該発射装置60より発射された直後の遊技球を案内する発射レール61が取付けられている。本実施形態では、発射装置60としてソレノイド式発射装置を採用している。また、発射装置60の上方には、上皿19から案内される遊技球を、内蔵された駆動手段(例えばソレノイド)の駆動により、1球ずつ発射装置60の発射位置へと案内する球送り装置63が設けられている。
次に、遊技盤30の構成について図4等を参照して説明する。遊技盤30は、板状の遊技盤本体30aと、ルータ加工によって遊技盤本体30aに形成された貫通孔に対応して取付けられた一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応ユニット(始動口)33、第2契機対応口34、及び可変表示装置ユニット35とを備えている。遊技盤本体30aは透明な樹脂板により構成されており、その後面にはセル画30b(図7参照)が貼り付けられている。また、周知の通り一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応ユニット33などの各種入賞口に遊技球が入球(入賞)すると、各種検出スイッチにより検出され、上皿19(又は下皿15)へ所定数の賞球が払い出される。例えば、第1契機対応ユニット33への入球があった場合には3個、一般入賞口31への入球があった場合には10個、可変入賞装置32への入球があった場合には15個の遊技球が上皿19(下皿15)に払出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、一般入賞口31等の各種入賞口に入賞しなかった遊技球は、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘(盤面釘)が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
第1契機対応ユニット33は、遊技領域を流下する遊技球が入球可能な上入賞口33a及び下入賞口33bと、下入賞口33bの両側部に設けられた開閉する一対の開閉部材33cを備えている。上入賞口33aは、遊技球が常時入球可能となっているのに対し、下入賞口33bは、開閉部材33cが所定条件の成立に応じて開閉動作することにより、遊技領域を流下する遊技球が入球可能な開状態と、遊技球が入球不可能な閉状態との間で状態変化可能に構成されている。尚、詳しくは後述するが、第1契機対応ユニット33は、上入賞口33a、下入賞口33bに入球した遊技球をそれぞれ検知する第1契機対応スイッチ224a、224bを備えており、当該第1契機対応スイッチ224a、224bにて遊技球が検知された場合に、大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、特別表示装置43及び装飾図柄表示装置42にて変動表示が行われる構成となっている。そして、当否抽選にて当選した場合には、大当たり状態(特別遊技状態)が付与される。
また、第2契機対応口34は、遊技領域を流下する遊技球が1球ずつ通過可能に構成されている。詳しくは後述するが、第2契機対応口34は、当該第2契機対応口34を通過する遊技球を検知可能な第2契機対応スイッチ225を備えており、当該第2契機対応スイッチ225にて遊技球が検知された場合に、第1契機対応ユニット33を開状態とするか否かの開放抽選が行われるとともに、普通図柄表示装置41にて変動表示が行われる構成となっている。そして、開放抽選にて当選した場合には、第1契機対応ユニット33が規定時間だけ開状態とされる。
可変表示装置ユニット35には、第2契機対応口34の通過を契機として変動表示する普通図柄表示装置41と、第1契機対応ユニット33(上入賞口33a又は下入賞口33b)への入賞を契機として変動表示する特別表示装置43と、特別表示装置43による変動表示に合わせて変動表示する装飾図柄表示装置42とが設けられている。
普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示可能に構成されており、遊技球が第2契機対応口34を通過する毎に例えば普通図柄を「○」→「×」→「○」→・・・という具合に高速で切換表示(変動表示)する。そして、その変動表示が「○」図柄(当選図柄)で数秒間停止した場合には、第1契機対応ユニット33が所定時間だけ開状態となる。この普通図柄表示装置41は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御される。
また、普通図柄表示装置41の変動表示中に、新たに遊技球が第2契機対応口34を通過した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。
特別表示装置43は、普通図柄表示装置41の右側方に設けられ、赤、緑、青の発光色を有する三色発光ダイオード(三色LED)により構成されている。そして、遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞する毎に色換え表示(変動表示)が行われ、変動表示が停止したときの点灯態様(点灯色)により、大当たりか否かが確定的に表示される。
より詳しくは、第1契機対応ユニット33に対し遊技球が入賞すると、特別表示装置43は、3色LEDを赤→緑→青→赤→・・・という具合に高速で色換え表示(変動表示)し、所定時間が経過すると、いずれかの色に決定表示する。高速の色換え表示とは、例えば4msec毎に赤、緑、青を順番に表示するという具合である。大当たり抽選に当選した場合には、この際、赤又は緑で決定表示(例えば数秒間停止)され、特別遊技状態が発生する。特に、赤は、大当たり終了後の遊技モードが高確率モードであることを示す表示であり、緑は、大当たり終了後の遊技モードが時間短縮モードであることを示す表示である。なお、この特別表示装置43についても、主制御装置261によって表示内容が直接的に制御される。
また、特別表示装置43の変動表示中に新たに遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ46にて点灯表示されるようになっている。また、大当たり状態中に新たに遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞した場合、その分の変動表示についても保留される。
装飾図柄表示装置42は液晶表示装置として構成されており、後述するサブ制御装置262及び表示制御装置45によって表示内容が制御される。すなわち、装飾図柄表示装置42においては、特別表示装置43にて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、後述する表示制御装置45によって表示が行われる。
装飾図柄表示装置42には、例えば、上、中及び下の3つの図柄表示領域が設けられ、各図柄表示領域において複数種類の図柄(数字)が順次表示され(変動表示され)、その後、図柄表示領域毎に順番に(例えば、上図柄表示領域→下図柄表示領域→中図柄表示領域の順に)図柄が停止表示されるようになっている。例えば、主制御装置261にて大当たりが確定すると、特別表示装置43にて大当たりに対応する表示がなされるとともに、装飾図柄表示装置42にて図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示され(例えば、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域にて停止表示される図柄が同一となり)、大当たり状態が開始される。
また、図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示される場合には、その前段階として、例えば、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において同一の図柄が停止表示されることとなる。このように上図柄表示領域及び下図柄表示領域にて同一図柄が停止表示されるとともに、中図柄表示領域において未だ変動表示が行われている状態がリーチ状態である。
また、可変表示装置ユニット35には、装飾図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。センターフレーム47の上部には入球口151が設けられており、該入球口151に入球した遊技球は、センターフレーム47の内部に形成され、装飾図柄表示装置42の側部に沿って上下に延びるワープ流路152を介して、装飾図柄表示装置42の下方に形成されたステージ153上に案内される。ステージ153上に案内された遊技球は、ステージ153上から前方の遊技領域に転落したり、ステージ153上を転動した後ステージ153の中央奥側に形成されたポケット154に入球したりする。尚、ポケット154は、第1契機対応ユニット33の直上方の遊技領域へと通じる案内通路155と連通しており、該ポケット154に入球した遊技球は、比較的高い確率で第1契機対応ユニット33(上入賞口33a)に入球するようになっている。
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない閉状態になっており、大当たり(特別遊技状態の発生)の際に、遊技球が入賞可能な開状態とされる。具体的には、規定時間(例えば30秒)の経過又は規定個数(例えば8個)の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口が所定回数(所定ラウンド数)繰り返し開放される。
また、遊技盤30には、内レール構成部51と外レール構成部52とからなり、発射装置60から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は発射レール61及びレール50を通じて、遊技盤30とガラスユニット137との間に形成される遊技領域内に案内される。
内レール構成部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技領域へと案内された遊技球が再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、外レール構成部52の略先端部(図4の右上部)には、返しゴム54が取着されている。所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって例えば遊技盤本体30aの略中央部側へ戻されることとなる。
また、本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。但し、発射装置60にて打出された遊技球が、戻り球防止部材53を通過するまでは、レール50を逆流する場合があるため、内外レール構成部51,52の並行部分は遊技領域から除かれる。
さて、本実施形態では、遊技盤30(遊技盤本体30a)の前面に立設される盤面釘の一部に特殊な釘(以下、遊技釘401と称する)が使用されている。本実施形態では、上入賞口33a及びワープ流路152の入口(入球口151)に対応して遊技釘401が配設されており、その他の盤面釘は、従前から使用されている丸釘である。以下、遊技釘401について、図7、図8を参照しつつ説明する。尚、図7では、便宜上、遊技釘401の断面ではなく側面を図示している。
図7、図8に示すように、遊技釘401は、遊技盤本体30aに対して前後方向(図では左右方向)に挿通状態とされる略円柱状の本体部402と、本体部402の前端部から前方(図では右方)に延出して遊技領域に位置する略円柱状の張出し部403と、本体部402の後端部に設けられ、後面に十字穴405(図8参照)を有する丸皿型の頭部404とを備えている。また、遊技釘401はその他の盤面釘(丸釘)と同様に真鍮製である。
本体部402は、遊技盤本体30aに埋設状態で遊技盤本体30aに固定される固定部411と、固定部411の前端部から前方に延出し、前記張出し部403よりも大きな径を有する拡径部412とを備えている。そして、前記張出し部403は拡径部412の前端部から延出し、前記頭部404は固定部411の後端部に設けられている。また、本実施形態では、本体部402の中心軸と張出し部403の中心軸とが同一直線上に配されている。このため、遊技釘401の取付向きによって(中心軸を中心として遊技釘401が回動することによって)、当該遊技釘401(張出し部403)と所定の対象物(例えば、隣接する遊技釘401)との間の距離が変わってしまうといった事態を防止することができる。
また、固定部411の外周面には雄ねじ414が形成されている。固定部411の外径(山部の径)は拡径部412の径よりも大きくなっている。また、固定部411の谷部の径は拡径部412よりも小さく、かつ、張出し部403の径よりも大きくなっている。本実施形態では、張出し部403の径d1は約1.85mmであり、拡径部412の径d2は約1.99mmであり、固定部411の外径d3は約2.2mmであり、固定部411の谷の径d4は約1.9mmである。すなわち、本体部402はいずれの部位においてもその径が張出し部403の径よりも大きくなっている。加えて、本実施形態では、遊技釘401の全長は約27.5mmであり、固定部411の長さは約4.3mmであり、拡径部412の長さは約4.0mmである。尚、本実施形態では、その製造段階において、張出し部403よりも径が大きくなるように本体部402を円柱状に形成した後、本体部402のうち頭部404側の部位に対して雄ねじ414を形成することで固定部411を形成している。このため、ねじ切り等を行うことにより形成される固定部411の谷部の径を、張出し部403の径よりも確実に大きく構成することができる。
また、拡径部412の前端部は、張出し部403に向けて縮径するテーパ状に構成されている。さらに、図7に示すように、拡径部412の前端部(テーパ部分)は、当該遊技釘401の張出し部403と、遊技盤本体30aの前面と、当該張出し部403及び遊技盤本体30aの前面の両方に当接した遊技球(図7の二点鎖線参照)とで囲まれる空間に配置される。すなわち、拡径部412の前端部は、遊技盤本体30aの前面よりも前方に位置しているが、遊技球と接触することがないように構成されている。加えて、張出し部403の先端部はR加工されて略半球状に構成されている。
そして、遊技盤本体30aに予め形成された前後に貫通する下孔431に対し、遊技盤本体30aの後面側から張出し部403を挿通するとともに、固定部411の雄ねじ414を遊技盤本体30aに螺着させることで、遊技釘401が遊技盤本体30aに取付けられている。また、下孔431の内径は、拡径部412の径とほぼ同じとなっている。このため、下孔431の内周面に対して雄ねじ414が確実に螺着するとともに、遊技釘401の取付状態において拡径部412と下孔431の内周面とが略当接状態とされる。尚、下孔431に遊技釘401が挿通される前の段階では、下孔431の内周面に雌ねじは形成されておらず、当該下孔431に対して遊技釘401の雄ねじ414がねじ込まれる際に雌ねじが形成される。
また、図7に示すように、下孔431には、頭部404を収容する頭部収容部432が形成されており、遊技釘401の取付状態においては、頭部404が遊技盤本体30aの後面に没入する。これにより、遊技盤本体30aの後面に貼付けられるセル画30bの浮き上がりが回避される。また、頭部収容部432に収容された頭部404の前面は、遊技盤本体30aに当接する。これにより、遊技釘401(張出し部403)の突出長を一定に揃えることができる上、遊技釘401の前方への移動(抜け)を防止することができる。加えて、下孔431は、遊技盤本体30aに対し、前方に向けて若干上方に(例えば約3度程度)傾斜するようにして形成されている。尚、下孔431を遊技盤本体30aの前面に対して垂直に形成することとしてもよい。また、本実施形態では、遊技釘401が遊技盤本体30aに取付けられた後にセル画30bが貼付けられているが(図7等参照)、セル画30bが貼付けられた後に遊技釘401を取付ける(セル画30bを突き破るようにして、又は、セル画30bに形成された孔に挿通させるようにして取付ける)構成であってもよい。尚、セル画30bを省略することも可能である。
尚、本実施形態では、遊技釘401以外の盤面釘の配設位置にも予め遊技盤本体30aに対して下孔が形成されている。このように、下孔を形成しておくことにより、盤面釘(丸釘)の取付け(打ち込み)に際し、樹脂製の遊技盤本体30aが損傷してしまう(ひび割れてしまう)といった事態を抑止することができる。但し、その他の盤面釘(丸釘)に関しては拡径部412がないため、その他の盤面釘に対応して形成される下孔は、遊技釘401に対応して形成される下孔431よりも内径が小さくなっている。
図3に示すように、前面枠セット14の背面側には、窓部101の下方において、球通路ユニット70が設けられている。球通路ユニット70は、後述する払出機構部352から下皿15の排出口16へ繋がる下皿連通路71と、払出機構部352から上皿19へ繋がる上皿連通路73と備えている。また、内枠12に設けられた発射レール61とレールユニット50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、球通路ユニット70には、前記隙間より落下した遊技球を下皿15へと案内するファール球通路72が形成されている。これにより、仮に、発射装置60から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72を介して下皿15に排出される。
また、図3及び図4中の符号67は後述する払出機構部352により払出された遊技球を内枠12の前方に案内するための払出通路であり、上皿連通路73(上皿19)に通じる通路と、下皿連通路71(下皿15)に通じる通路とに分かれている。払出通路67の下方にはシャッタ68が設けられており、前面枠セット14を開放した状態では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が前方に突出して払出通路67の出口をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠セット14を閉じた状態では、下皿連通路71の入口側後端部によってシャッタ68が押し開けられるようになっている。尚、下皿連通路71及び上皿連通路73の入口(球流入部)が隣接するとともに、前面枠セット14の閉状態において当該各入口と払出通路67とが所定距離だけ離間しており、両者間の隙間を遊技球が通過可能となっている。このため、上皿19及び上皿連通路73が遊技球で満杯となると、払出される遊技球が下皿連通路71側に流れ(下皿連通路71の入口側に溢れ)、下皿連通路71を通って下皿15に払出されることとなる。
加えて、球通路ユニット70には、下皿連通路71内に位置する遊技球を検知する満杯検知スイッチ(図示略)が設けられている。当該満杯検知スイッチの存在により、下皿15が遊技球で満杯になっていること(下皿15が遊技球で満杯となり、下皿連通路71において遊技球が滞留していること)を把握することができる。本実施形態では、満杯検知スイッチによって所定時間継続して遊技球が検知されることに基づき、発射装置60の打出しを禁止するといった制御が行われる。尚、下皿連通路71における遊技球の滞留が解消され、満杯検知スイッチにより遊技球が検知されなくなると(所定時間継続して検知されなくなると)発射装置60の打出しが許容される。
次に、パチンコ機10の背面構成について図5、図6等を参照して説明する。パチンコ機10の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。払出機構及び保護カバーは1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。
まず、遊技盤30の背面構成について説明する。図6に示すように、遊技盤30中央の貫通孔に対応して配設された可変表示装置ユニット35(図4参照)の背面側には、センターフレーム47を背後から覆う樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。また、フレームカバー213の背面側には、フレームカバー213の開口部から前方に臨む液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42、表示制御装置45及びサブ制御装置262が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
装飾図柄表示装置42は、当該装飾図柄表示装置42の表示部(液晶画面)をパチンコ機10の前面側に露出させるための開口部が形成された収容ボックス42aに収容されてフレームカバー213の背面側に固定されている。表示制御装置45は基板ボックス45aに収容されて装飾図柄表示装置42(収容ボックス42a)の背面側に固定されている。サブ制御装置262は基板ボックス262aに収容されて表示制御装置45(基板ボックス45a)の背面側に固定されている。尚、フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するLED制御基板等が配設されている。また、収容ボックス42a及び基板ボックス45a,262aは透明樹脂材料等により構成され、内部が視認可能となっている。
フレームカバー213の下方には裏枠セット215が、一般入賞口31、可変入賞装置32及び第1契機対応ユニット33等を背後から覆うようにして遊技盤30に取付けられている。裏枠セット215は、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための球回収機構を備えている(図示略)。この球回収機構により回収された遊技球は、後述する排出通路部217に案内され、排出通路部217の排出シュートからパチンコ機10外部に排出される。
また、本実施形態では、裏枠セット215が主制御装置261の取付台として機能する。より詳しくは、主制御装置261を搭載した基板ボックス263が、裏枠セット215に対し回動可能に軸支され、後方に開放可能となっている。
主制御装置261は透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されている。基板ボックス263は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備え、これらボックスベースとボックスカバーとが封印部材によって連結されている。封印部材によって連結された基板ボックス263は、所定の痕跡を残さなければ開封できない構成となっている。これにより、基板ボックス263が不正に開封された旨を容易に発見することができる。
また、遊技盤30には、入球手段としての一般入賞口31等の各種入賞口に対応して、当該各種入賞口へ入球した遊技球を検出する入球検出スイッチ(入球検出手段)が設けられている。具体的には、図4に示すように、一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32にはカウントスイッチ223が設けられている。また、第1契機対応ユニット33には、上入賞口33a及び下入賞口33bそれぞれに対応して第1契機対応ユニットスイッチ224a,224bが設けられている。さらに、第2契機対応口34に対応する位置には第2契機対応口スイッチ225が設けられている。
また、図示は省略するが、裏枠セット215には、入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223及び第2契機対応口スイッチ225とケーブルコネクタを介して電気的に接続される第1盤面中継基板が設けられている。この第1盤面中継基板は、入賞口スイッチ221等と、制御手段としての主制御装置261とを中継するものであり、ケーブルコネクタを介して主制御装置261と電気的に接続されている。
これに対し、第1契機対応ユニット33(上入賞口33a又は下入賞口33b)への入球を検出する第1契機対応スイッチ224a,224bは中継基板を経ることなくコネクタケーブルを介して直接主制御装置261に接続されている。
各種入球検出スイッチにて各々検出された検出結果は、主制御装置261に取り込まれる。そして、該主制御装置261よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信され、該払出制御装置311からの出力信号に基づき所定数の遊技球の払出しが実施される(第2契機対応スイッチ225により検出された場合を除く。)
この他、遊技盤30の裏面には、図示は省略するが、可変入賞装置32にて大入賞口を開放する大入賞口用ソレノイドが設けられ、第1契機対応ユニット33にて一対の開閉部材33cを開閉駆動する入賞口用ソレノイドが設けられている。また、裏枠セット215には、これらソレノイドと主制御装置261とを中継する第2盤面中継基板(図示略)も設けられている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。図5に示すように、裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と、遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。また、裏パックユニット203は、内枠12の左側部(図5では右側)に対して開閉可能に支持されており、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放できるようになっている。加えて、裏パックユニット203の左上部(図5では右上部)には外部中継端子板240が設けられている。
外部中継端子板240は、遊技ホールのホールコンピュータなどへの各種情報送信を中継するためのものであり、複数の外部接続端子が設けられている。便宜上、符号は付さないが、例えば現在の遊技状態(大当たり状態や高確率状態等)に関する情報を出力するための端子、後述する開放検知スイッチ91,92によって検出される前面枠セット14や内枠12の開放に関する情報を出力するための端子、入球エラー、下皿満タンエラー、タンク球無しエラー、払出しエラーなど各種エラー状態に関する情報を出力するための端子、払出制御装置311から払出される賞球数に関する情報を出力するための端子などが設けられている。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機10の後方に突出して略直方体形状をなす保護カバー部354を備えている。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉塞され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくともフレームカバー213を覆うのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、保護カバー部354が基板ボックス263の上部及び右部(図5では左側の部位)も合わせて覆う構成となっている。これにより、裏パックユニット203の閉鎖状態において、基板ボックス263の右部に設けられた封印部材、及び主制御装置261の上縁部に沿って設けられた端子部(基板側コネクタ)が覆われることとなる。
払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払出された遊技球は上皿19等に供給される。
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
裏パックユニット203(基板ボックス263)の下方には、内枠12の左側部(図5では右側)にて軸支され、後方に開放可能な下枠セット251が設けられている。図6に示すように、下枠セット251には、上述した球回収機構により回収された遊技球が流入する排出通路部217が形成され、排出通路部217の最下流部には、遊技球をパチンコ機10外部へ排出する排出シュート(図示略)が形成されている。つまり、一般入賞口31等の各入賞口に入賞した遊技球は、裏枠セット215の球回収機構を介して集合し、さらに排出通路部217の排出シュートを通じてパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路部217に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出シュートを介してパチンコ機10外部に排出される。尚、本実施形態では、裏パックユニット203と下枠セット251とが別体として構成され、それぞれ独立して開閉可能であるが、裏パックユニット203と下枠セット251とが一体的に形成されることとしてもよい。
また、図5に示すように、下枠セット251の背面側には、払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
発射制御装置312及び電源装置313は基板ボックス313aに収容されて下枠セット251の背面側に固定されている。尚、発射制御装置312及び電源装置313は、便宜上それぞれ独立した制御装置として説明するが、実際には1つの基板(プリント基板)により構成される。
また、払出制御装置311は、基板ボックス311aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。尚、払出制御装置311が収容される基板ボックス311aには、上述した主制御装置261が収容される基板ボックス263と同様に封印部材が設けられ、基板ボックス311aの開封された痕跡が残るようになっている。
加えて、カードユニット接続基板314は、基板ボックス314aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。
なお、上記各基板ボックス311a,313a,314aは透明樹脂材料等により構成されており、内部が視認可能となっている。
また、払出制御装置311には基板ボックス311aから外方に突出する状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
さらに、電源装置313には基板ボックス313aから外方に突出するRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技ホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
また、図6に示すように、内枠12の右側部背面側には施錠装置600が設けられている。施錠装置600は、前面枠セット14の前面側に露出するシリンダ錠700(図1等参照)を備えており、該シリンダ錠700の鍵穴に鍵を挿入し、一方に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方に回動操作することで前面枠セット14を解錠できるようになっている。本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠セット14は内枠12に対し施錠される。
尚、上記のように、外枠11の右辺枠構成部11dには、施錠装置600に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆う延出壁部83が形成されている(図5参照)。これにより、外枠11の背面側から線材等を進入させ、当該線材等により施錠装置600を操作することが困難となる。結果として、防御性能の向上を図ることができる。さらに、延出壁部83は、裏パックユニット203及び下枠セット251の右端部(図5では左側の端部)を背面側から覆う構成となっており、内枠12の閉状態においては、裏パックユニット203及び下枠セット251を開放できない構成となっている。
また、図4に示すように、内枠12の前面側右下部(発射装置60の右側)には、前面枠セット14の開放を検知するための前面枠開放検知スイッチ91が設けられ、図5に示すように、内枠12の背面側右下部(図5では左下)には、内枠12の開放を検知するための内枠開放検知スイッチ92が設けられている。前面枠開放検知スイッチ91及び内枠開放検知スイッチ92は、それぞれスイッチ本体部に対して出没可能な検知部を備えており、前面枠開放検知スイッチ91は検知部が前方に向くように設けられ、内枠開放検知スイッチ92は検知部が後方へ向くように設けられる。そして、検知部がスイッチ本体部から突出した状態にある場合にはオン信号を主制御装置261に出力し、検知部がスイッチ本体部側に押圧され、スイッチ本体部に没入した状態ではオフ信号を主制御装置261に出力する構成となっている。つまり、前面枠開放検知スイッチ91は前面枠セット14の閉鎖時において検知部が前面枠セット14の背面で押圧されてオフ状態となり、前面枠セット14の開放時には、検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。同様に、内枠開放検知スイッチ92は内枠12の閉鎖時において検知部が外枠11の受部85に一体形成された押圧部86によって押圧されてオフ状態となり、内枠12の開放時には検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図9は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10の主制御装置261(主基板)には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。但し、CPU、ROM及びRAMが1チップ化されておらず、それぞれの機能毎にチップ化されている構成であってもよい。
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。
また、RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)のメイン処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバス等で構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、特別表示装置43、普通図柄表示装置41等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43および普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。
その他、便宜上、各種中継基板等の図示は省略するが、入出力ポート505には、入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223、第1契機対応ユニットスイッチ224a,224b、第2契機対応スイッチ225などの各種検出スイッチや、各種基板などの各種電気部品が接続されている。つまり、主制御装置261には、各種ケーブルコネクタのコネクタを接続するための複数の端子部(基板側コネクタ)が設けられているが、これら端子部等により、入出力ポート505が構成される。
サブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカSP、演出ボタン125、各種電飾部及びランプ102〜104が接続されている。
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信される指令信号(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、装飾図柄表示装置42に表示させる。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する特別表示装置43にて大当たりか否かを表示するようになっており、サブ制御装置262が制御する装飾図柄表示装置42では、前記特別表示装置43の表示に合わせた表示が行われる。
また、払出制御装置311は、払出装置358により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。
RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファとが設けられている。
払出許可フラグは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
コマンド受信フラグは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、コマンド判定処理により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
コマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出装置358等がそれぞれ接続されている。
カードユニット接続基板314は、パチンコ機10前面の貸球操作部(球貸しボタン121及び返却ボタン122)と、遊技ホール等にてパチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)とにそれぞれ電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれをカードユニットに出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314を省略することも可能である。
発射制御装置312は、発射装置60による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置60は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させる発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射装置60が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、バスライン530を介して、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンドを、入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(具体的にはVDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、装飾図柄表示装置42における表示制御を行う。
プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。
VDP526は、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して装飾図柄表示装置42に表示させる。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。同様に、各種スイッチやモータ等には、これらが接続される制御装置を介して動作電源が供給されることとなる。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、遊技釘401は、遊技領域に突出する張出し部403よりも径の大きい拡径部412を備えており、張出し部403は当該拡径部412から延出している。換言すれば、張出し部403の付根部付近の径が比較的大きくなっている。このため、例えば、遊技球が衝突する等して張出し部403に外力が加えられた場合に、張出し部403の付根部付近に比較的大きな応力が作用したとしても、当該張出し部403の付根部付近において遊技釘401が破断したり、不要に変形したりしてしまうといった事態を抑制することができる。従って、遊技釘401の耐久性を向上させることができ、結果として、長期使用にも確実に耐え得る遊技盤30(パチンコ機10)を得ることができる。
さらに、張出し部403を太くするのではなく、本体部402を太くする構成であるため、張出し部403が太くなることに起因して、遊技領域を移動する遊技球の移動スペースが少なくなってしまうといった事態を回避することができる。
また、例えば、製造誤差等に起因して、遊技釘401が傾いて取付けられたり、遊技釘401や遊技領域に設置される役物等(例えば、上入賞口33aやセンターフレーム47等)の配置がずれてしまったり等した場合、張出し部403を叩く等して遊技釘401を意図的に屈曲させ、遊技釘401の突出角度(遊技球の移動経路)を調整する場合がある。このとき、例えば、本体部402と張出し部403との境界部(拡径部412の前端部)が遊技盤本体30aの前面から大きく没入した位置にあると、前記調整により屈曲される遊技釘401の張出し部403が下孔431の開口周縁部に当接することが懸念される。特に、遊技盤本体30aの強度が高い場合には、張出し部403をその付根部付近を中心に屈曲させようとしても、張出し部403のうち下孔431の開口周縁部に当接した部位において屈曲してしまい、上記作用効果が上手く奏されなくなってしまうおそれがある。また、遊技盤本体30aの強度が低い場合には、前記調整に際して屈曲した遊技釘401(張出し部403)が下孔431の開口周縁部に圧接することに起因して、下孔431の開口周縁部が損傷(下孔431が広がる、ひびが入る)してしまうおそれがある。
これに対し、本実施形態によれば、本体部402と張出し部403との境界部(拡径部412の前端部)が前後方向において遊技盤本体30aの前面よりも前方に位置している。このため、前記調整に際し、遊技釘401を、拡径部412と張出し部403との境界部付近(張出し部403の付根部付近)を中心として確実に屈曲させることができ、結果として、上記作用効果が確実に奏される。また、前記調整に際し、遊技釘401は基本的に遊技盤本体30aの前方において屈曲することから、屈曲した遊技釘401によって遊技盤本体30aが損傷してしまうといった事態を防止することができる。
また、拡径部412の前端部はテーパ状をなしている。このため、張出し部403と拡径部412との境界部付近(張出し部403の付根部付近)に作用する応力を分散させることができ、当該部位に応力が集中して遊技釘401が当該部位において破断してしまうといった事態をより確実に防止することができる。
さらに、遊技釘401が挿通される下孔431の径は、拡径部412の径とほぼ同じとなっており、拡径部412は下孔431の内周面に略当接状態とされる。従って、遊技釘401が撓んだ際に拡径部412が遊技盤本体30a(下孔431の内周面)に支持され、拡径部412の変形が規制される。このため、遊技釘401が撓んだ際に、固定部411に比較的大きな応力が作用してしまう(固定部411が比較的大きく変形してしまう)といった事態を防止することができる。特に、固定部411と張出し部403との間にかかる拡径部412が存在していることにより、張出し部403に対して外力が付加された場合に固定部411に応力が作用してしまうといった事態をより確実に抑制することができる。結果として、遊技釘401の取付状態の安定化を図ることができる。さらに、固定部411自体も谷部の径が張出し部403の径よりも大きくなっていることから、固定部411(谷部)において遊技釘401が破断してしまうといった事態をより確実に防止することができる。
また、遊技釘401は、遊技盤本体30aにおいて予め形成された下孔431に対し、遊技盤本体30aの後面側から挿通されて、遊技盤本体30aに取付けられる。従って、遊技釘401の取付作業が主に遊技盤本体30aの後面側においての作業となるため、当該取付作業時等において遊技盤本体30aの前面が傷付けられてしまうといったおそれを抑制することができ、結果として外観品質の低下を防止することができる。さらに、遊技釘401の取付けに際し、張出し部403に力を直接加えなくても済むため、張出し部403が変形してしまうといった事態を防止することができ、これに起因する不具合を回避することができる。加えて、遊技釘401の前端部に十字穴405等の工具係合部を設ける必要がないことから、外観品質の低下を防止することができる。
さらに、遊技盤本体30aに下孔431が形成されていることにより、遊技釘401を比較的容易に遊技盤本体30aに取付けることができ、作業性の向上が図られる。また、遊技盤本体30aに無理やり遊技釘401を打ち込んだりねじ込んだりすることに起因して、遊技盤本体30a(特に前面)が変形したりひび割れしたりするおそれを抑制することができる。さらに、遊技釘401の先端部形状を尖形にしなくても遊技釘401を遊技盤本体30aに取付けることができることから、遊技盤本体30aの前方に露出する遊技釘401の先端部形状の設計上の制約を緩和することができる。
また、例えば、遊技盤本体30aの前面よりも前方に突出する遊技釘401(張出し部403)の突出長が短くなりすぎると、張出し部403の前端部に頭部のない本実施形態の遊技釘401に関しては、本来、遊技釘401によって弾かれるはずの遊技球が弾かれなくなってしまうことが懸念される。このため、遊技釘401の突出長を短くして、上入賞口33aやワープ流路152へ遊技球を入球しやすくするといった不正行為が行われることが考えられる。かかる不正が行われた場合、遊技ホールは多大な不利益を被ってしまうことが懸念される。
これに対し、本実施形態では、遊技盤本体30aに埋設状態とされる本体部402の前側は、雄ねじ414の形成されていない拡径部412となっており、雄ねじ414が形成されて遊技盤本体30aに固定される固定部411は本体部402の後側にのみ存在する。このため、張出し部403をある程度遊技領域に突出させないと、固定部411を遊技盤本体30aに固定することができなくなっている。従って、遊技釘401を遊技盤本体30aに固定することで、必然的に張出し部403の突出長がある程度確保され、上記のように張出し部403の突出長が短くなりすぎてしまうといった事態を防止することができる。
加えて、雄ねじ414が遊技領域に露出しないことから、雄ねじ414が前方から視認されたり、遊技盤本体30a前面の下孔431周縁部に雌ねじが形成されたり、下孔431周縁部が盛り上がるようにして変形したりすることに起因する外観品質の低下を防止することができる。
さらに、遊技釘401は、その他の盤面釘に比べ、遊技球の衝突頻度の高い位置(上入賞口33a及びワープ流路152の入球口151の近傍)に配設されている。このため、長期使用に耐え得る遊技盤30(パチンコ機10)を確実に得ることができる。また、その他の位置に配設される盤面釘は、従前から使用されている丸釘が使用されている。このため、遊技領域に立設される全ての盤面釘が一新されることに起因する違和感を防止するとともに、盤面釘にかかるコストの抑制を図ることができる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施形態では、張出し部403が拡径部412から延出しているが、例えば、図10(a)に示すように、固定部411を本体部402の前側に形成し、張出し部403を固定部411から延出させてもよい。また、例えば、本体部402全域(上記実施形態において固定部411及び拡径部412の形成範囲全て)を固定部411としてもよい。このように、張出し部403が固定部411から延出する場合には、固定部411の(谷部の)径が張出し部403の径よりも大きく構成されることとする。但し、これらの構成を採用する場合、張出し部403に外力が作用すると、雄ねじ414が形成された固定部411の谷部に集中的に応力が作用してしまうおそれがあるため、上記実施形態のように、固定部411の前方に下孔431の内周面と当接可能な拡径部412を設けることが望ましい。
また、上記実施形態において、固定部411の谷部の径を拡径部412の径と同じ又はそれ以上に構成してもよい。この場合、遊技釘401の取付状態の安定化をより一層図ることができる。加えて、固定部411の谷部の径を張出し部403の径よりも小さくしてもよい。当該構成を採用する場合であっても、上記実施形態のように、張出し部403に外力が作用した際に拡径部412がかかる外力を吸収する構成を採用することで、固定部411に応力が作用し難くなるので、固定部411が破断してしまうといった事態を回避することができる。
尚、上記実施形態では特に言及していないが、固定部411における雄ねじ414は、ねじ切りをして形成してもよいし、転造機等で圧延して形成してもよい。
(b)また、例えば、図10(b)に示すように、遊技釘401の後端部に設けられていた頭部404を省略することとしてもよい。この場合、例えば、透明な遊技盤本体30aを介して頭部404が視認され、外観品質の低下を招いてしまうといった事態を回避することができる。尚、図10(b)では、本体部402(固定部411)の後端面に工具係合部(十字穴405)が形成されている。
さらに、遊技釘401(張出し部403)の前端部の形状は特に限定されるものではなく、例えば、図10(b)に示すように、遊技釘401の前端部に張出し部403よりも径の大きい釘頭701を設けることとしてもよい。この場合、遊技釘401の外観をその他の盤面釘(丸釘)に近付けることができ、外見の違いによる違和感を抑制することができる。また、前端部に釘頭701を設けることにより、従来どおり板ゲージを釘頭701の裏面側に当てて、所定の遊技釘401とこれに隣接する盤面釘(遊技釘401又は丸釘)との間の先端部間の距離を比較的容易に測定することができる。尚、遊技釘401を遊技盤本体30aの後面側から取付ける場合、釘頭701を下孔431に通すために、釘頭701の径は下孔431の径よりも小さく構成される。
(c)上記実施形態では、本体部402(拡径部412)の前端部が、遊技釘401の張出し部403と、遊技盤本体30aの前面と、当該張出し部403及び遊技盤本体30aの前面の両方に当接した遊技球とで囲まれる空間に位置しているが、本体部402の前端部が、前後方向において遊技盤本体30a前面と略同じ位置、又は、遊技盤本体30aの前面よりも後方に位置する(図10(b)参照)構成としてもよい。但し、拡径部412の前端部が、遊技盤本体30aの前面から比較的大きく没入した位置にある場合、遊技盤本体30a前面の下孔431周縁部が屈曲した張出し部403に圧接して損傷してしまったり、張出し部403がその付根部付近を中心に屈曲するのではなく、遊技盤本体30a前面の下孔431周縁部に当接した部位において屈曲してしまい、上記実施形態の作用効果が奏されなくなってしまったりするおそれがある。このため、拡径部412と張出し部403との境界部は、遊技盤本体30aの前面から余り没入していない位置に配置されることが望ましく、さらには、前後方向において遊技盤本体30aの前面とほぼ同じ位置又は遊技盤本体30aの前面よりも前方に位置していることが望ましい。
(d)上記実施形態では、拡径部412の径と下孔431の内径とがほぼ同じ大きさに構成され、拡径部412の外周面と下孔431の内周面とが略当接しているが、例えば、図10(c)に示すように、下孔431を拡径部412よりも大きく構成して、拡径部412の外周面と下孔431の内周面とを確実に離間させてもよい。但し、拡径部412と下孔431の内周面との間の隙間が大きくなりすぎると、遊技釘401が撓んだ際に拡径部412が比較的大きく変形してしまうおそれがある。この場合、固定部411に比較的大きな応力が作用してしまい、取付状態の悪化を招くことが懸念される。従って、少なくとも遊技釘401が撓む程度(弾性限界内)の比較的小さな変形を起こした際に、拡径部412が下孔431の内周面に当接可能に構成されていることが望ましい。かかる構成とすることで、遊技釘401が撓んだ際に拡径部412が遊技盤本体30aに当接することよって、拡径部412の変形が制限され、遊技釘401が撓んだ際に、固定部411に比較的大きな応力が作用してしまうといった事態を防止することができる。
尚、下孔431を拡径部412よりも若干小さく形成し、遊技釘401を遊技盤本体30aに取付けることで、拡径部412が遊技盤本体30aに圧接することとしてもよい。この場合、上記作用効果が一層確実に奏される。
(e)上記実施形態では、遊技釘401を遊技盤本体30aの後面側から下孔431に挿通させているが、遊技釘401を遊技盤本体30aの前面側から下孔431に挿通させてもよい。尚、遊技盤本体30aの前面から遊技釘401を遊技盤本体30aに螺着する場合、工具(ドライバー)の先端部と係合する十字穴405等が遊技釘401の先端部に形成されて、外観品質の著しい低下を招くおそれがある。このため、雄ねじ414を省略し、遊技釘401を下孔431に圧入することで遊技盤本体30aに固定する、又は、上記実施形態のように遊技盤本体30aの後面側から遊技釘401を取付けることが望ましい。
以下、遊技釘を遊技盤本体30aの前面側から螺着する場合の態様例について、図11を参照して説明する。図11(a)に示す遊技釘701は、遊技盤本体30aに対して前後方向に差し込まれた状態で固定される円柱状の本体部702と、本体部702の前端部から前方に延出して遊技領域に突出する円柱状の張出し部703とを備えている。本体部702は、雄ねじ714の形成された固定部711と、固定部711の前端部から前方に延び、張出し部703よりも大きな径を有する拡径部712とを備えている。当該遊技釘701は、下孔431に対し、遊技盤本体30aの前面側から挿入・螺着され、遊技盤本体30aに取付けられる。
また、拡径部712の前端部(張出し部703との境界部)には、拡径部712の外周面から外方に突出し、遊技盤本体30aの前面に当接する略円盤状のスカート部721が設けられている。当該スカート部721の存在により、遊技釘701の取付に際し、雄ねじ714によって遊技盤本体30a前面の下孔431周縁部に傷が付いてしまった場合であっても、スカート部721によって下孔431周縁部が覆われ、外観品質の低下を防止することができる。加えて、遊技釘701の突出長を規定することもできる。
さらに、スカート部721には、遊技釘701を遊技盤本体30aに螺着させる際に使用される工具と係合する係合部722が設けられている。当該係合部722に工具を係合させて遊技釘701を螺着させることにより、遊技釘701の取付に際し、張出し部703を叩く必要がなくなるため、張出し部703を曲げることなく遊技釘701を確実に取付けることができる。尚、スカート部721と張出し部703との境界部はテーパ状をなしていることとしてもよい。
(f)また、固定部411の雄ねじ414を省略した上で、遊技釘401を下孔431に圧入し、固定部411の外周面と下孔431の内周面とを圧接させることにより遊技釘401を保持させる(取付ける)こととしてもよい。この場合、遊技釘401を下孔431に押し入れるだけで遊技釘401を遊技盤本体30aに取付けることができるため、取付作業性の向上を図ることができる。以下、態様例について、図12、図13を参照して説明する。
(f−1)図12に示す遊技釘801は、遊技盤本体30aに対して前後方向に挿通された状態で固定される円柱状の本体部802と、本体部802の前端部から前方に延出して遊技領域に突出する円柱状の張出し部803と、本体部802の後端部に設けられた頭部804とを備えている。本体部802の径は、遊技盤本体30aに形成された下孔431の内径よりも若干大きく、張出し部803の径は、本体部802及び下孔431の径よりも小さく構成されている。加えて、本体部802の前端部は張出し部803に向けて縮径したテーパ状に構成されている。尚、本構成では、本体部802が固定部及び拡径部を構成する。
また、当該遊技釘801は、下孔431に対し、遊技盤本体30aの後面側から圧入され、遊技盤本体30aに取付けられる。このように、遊技釘801を遊技盤本体30aの後面側から取付けることで、遊技釘801の取付に際し、張出し部803に外力を直接加える必要がなくなることから、遊技釘801(張出し部803)が変形してしまうといったおそれを防止することができる。また、遊技釘801の取付状態においては、頭部804の前端部が遊技盤本体30aの後面と当接状態とされている。これにより、遊技釘801の突出長が規定される上、遊技釘801の前方への抜けが防止される。
さらに、頭部804は、遊技盤本体30aの後面から離間した位置において、工具(くぎ抜き)と係合する係合部805を備えている。このように、係合部805を設けることで、遊技盤本体30aを傷付けることなく、(万一、張出し部803が破断してしまった場合にも)遊技釘801を比較的容易に取外すことができ、メンテナンスやリサイクルに際しての作業性が向上する。
尚、図12に示す遊技釘801は、本体部802がいずれの部位においても同一の径を有するように構成されているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、本体部802の前部の径を、本体部802の後側の径よりも小さく、かつ、張出し部803の径よりも大きく構成することとしてもよい。この場合、本体部802の前部は、少なくとも遊技釘801が撓む程度(弾性限界内)の比較的小さな変形を起こした際に、下孔431の内周面に当接可能に構成されていることが望ましい。
(f−2)図13(a)に示す遊技釘901は、遊技盤本体30aに対して前後方向に差し込まれた状態で固定される円柱状の本体部902と、本体部902の前端部から前方に延出して遊技領域に突出する円柱状の張出し部903とを備えている。本体部902の径は、遊技盤本体30aに形成された下孔431の内径よりも若干大きく、張出し部903の径は、本体部902及び下孔431の径よりも小さく構成されている。加えて、本体部902の前端部は張出し部903に向けて縮径したテーパ状に構成されている。尚、本構成では、本体部802が固定部及び拡径部を構成する。
また、当該遊技釘901は、下孔431に対し、遊技盤本体30aの前面側から圧入され、遊技盤本体30aに取付けられる。このように、遊技釘901を遊技盤本体30aの前面側から取付けることで、例えば、遊技盤本体30aの前面にセル画30bが貼り付けられる場合であっても、遊技釘901を取付けることに起因して、下孔431周縁部のセル画30bが浮き上がってしまうといった事態を回避することができる。加えて、遊技釘901は遊技盤本体30aに圧入されることで固定されるため、例えば、遊技釘901を螺着させるために前端部に対して十字孔等の工具係合部を形成するといった必要がなく、外観品質の低下を防止することができる。
さらに、遊技釘901は、後端部において、工具を引っ掛けるための略C字状の取っ手(係合部)921を備えており、遊技盤本体30aを傷付けることなく、(万一、張出し部903が破断してしまった場合にも)遊技釘901を比較的容易に取外すことができる。
また、図13(a)に示す取付状態において、遊技釘901の後端部は、遊技盤本体30aの後面よりも前方に位置している。このため、例えば、遊技盤本体30aの後面に対してセル画30bを貼り付けたとしても、かかるセル画30bが遊技釘901に押されて浮き上がってしまうといった事態を回避することができる。尚、遊技釘901の取付状態において、遊技釘901の後端部が遊技盤本体30aの後面と面一であることとしてもよい。
さらに、遊技釘901の取付に際しては、単に遊技釘901の前端部をハンマー等で打付けると、張出し部903が屈曲してしまうおそれがある。このため、図13(b)に示すように、本体部902の前面(テーパ面)に当接可能な釘当て部951を具備する打ち込み手段950を用い、本体部902の前面を押圧して、遊技釘901を下孔431に圧入することとしてもよい。つまり、本体部902と張出し部903との間に段差があることにより、張出し部903を押圧することなく、当該段差を押圧して、遊技釘901を遊技盤本体30aに取付けることができるのである。この場合、張出し部903を曲げることなく遊技釘901を確実に取付けることができる。また、釘当て部951を遊技盤本体30a(セル画30b)に当接するまで遊技釘901を遊技盤本体30aに打ち込むことで、遊技釘901の突出長を一定にすることができる。
(g)上記実施形態では、遊技盤本体30aが透明な樹脂により構成されているが、半透明又は不透明な樹脂により構成してもよいし、木材(合板等)により構成してもよい。また、上記実施形態において、例えば、遊技盤本体30aの後面に対向して、液晶表示装置等の表示装置、発光手段、及び役物等のいずれか、又はこれらの組合わせを設置してもよい。この場合、前方から遊技盤本体30a越しにそれらを視認することができる。従って、遊技領域のうち遊技球が移動可能な領域を狭めることなく、より煌びやかな装飾を施したり、より多彩な演出を行ったりすることができ、興趣の向上を図ることができる。尚、上記実施形態では、遊技釘401が配設される部位において遊技盤本体30aの前面にセル画30bが貼り付けられると、遊技釘401の挿通に際して、セル画30bが剥離して浮き上がってしまうといったおそれがあるので、かかる部位には遊技盤本体30aの前面にセル画30bを貼り付けない方が望ましい。尚、木製の遊技盤本体30aを採用する場合等、遊技盤本体30aの前面に対し、遊技釘401が配設される部位にもセル画30bを貼り付ける必要がある場合には、遊技釘401を取付けた後、遊技釘401を挿通可能な孔部を有するシールを遊技盤本体30aの前面に貼付け、該シールによって下孔431周縁部を覆うよう構成してもよい。
(h)上記実施形態では特に言及していないが、パチンコ機10(例えば、遊技盤本体30aの後面)に対し、交換用の遊技釘を収容するための釘収容部を設けることとしてもよい。このように交換用の遊技釘を備え付けておくことにより、その他の盤面釘を代用できない遊技釘401の交換作業性の向上を図ることができる。
また、交換用の遊技釘は、交換前の遊技釘401に比べ、(1)固定部411が遊技釘401の取付方向先端部側(遊技釘401を遊技盤本体30aの後面側から取付ける場合には前方)にまで形成されていること、又は、(2)固定部411の径が大きく構成されていることとしてもよい。この場合、交換用の遊技釘の取付けに際して、(交換前の遊技釘401が配設されていた下孔431の内周面のうち削られていない部位を削って)新たに雌ねじを形成することができる。従って、交換用の遊技ねじの取付状態の安定化を図ることができる。
尚、上記(1)の構成を採用する場合、本体部402は、遊技盤本体30aへの取付方向先端側が拡径部412として構成され、取付方向後端側が固定部411として構成されていることとする。この場合、交換用の遊技釘をより強固に取付けるといった作用効果が一層確実に奏される。また、上記(2)の構成を採用する場合、雄ねじ414の形成された固定部411の外径は、拡径部412の径よりも大きく構成されていることとする。この場合、交換用の遊技釘をより強固に取付けるといった作用効果が一層確実に奏される。尚、上記(1)の構成下において、交換用の遊技釘は、交換前の遊技釘401に比べ、長手方向における固定部411の形成区間が長いこととしてもよいし、固定部411の形成範囲の長さは変わらないが、固定部411の形成区間が全体的に本体部402の前端部寄りになっていることとしてもよい。
(i)上記実施形態では、ワープ流路152の入球口151付近、及び、上入賞口33aの入口付近においてのみ遊技釘401が配置されているが、その他の部位に遊技釘401を配置することとしてもよい。もちろん、全ての盤面釘を遊技釘401としてもよい。尚、遊技釘401を所定のポイントのみに使用し、その他の盤面釘を一般的な丸釘とする場合、その他の盤面釘とは異なる遊技釘401の配置された部位が目立ち易い。このため、例えば、遊技領域のうち遊技を行う上で遊技球が通過することにより遊技者にとって有利なポイント(例えば、遊技球が通過する又は跳ね返ることで上入賞口33aに当該遊技球が導かれ易いポイント)に遊技釘401を配置することで、そのポイントにおける遊技球を目で追い易くしたり、遊技領域に打出される遊技球のストロークの目印としたりすることができる。尚、上記作用効果を確実なものとするべく、遊技釘401に着色を施してもよい。
尚、遊技盤本体30aの前面に立設される盤面釘のうち、(1)「遊技球の衝突頻度が比較的高い盤面釘」、(2)「遊技球を打出す力を調節可能な発射装置60によって比較的強く打出された遊技球が最初に当接し得る盤面釘」として、遊技釘401が使用されることが望ましい。例えば、ハンドル18を目一杯回動させ、遊技球を最も強く発射したときに、返しゴム54(図4参照)において遊技球が跳ね返り、勢いよくその付近の盤面釘に衝突するような盤面釘の配置構成の場合、かかる盤面釘として遊技釘401を使用することとしてもよい。
(j)また、上記実施形態では、遊技盤本体30aの前面に立設され、遊技領域を移動する遊技球に直接当接し得る盤面釘について具体化しているが、遊技領域に配置されるその他の遊技部材について適用することも可能である。例えば、遊技盤本体30aに対して風車等の役物を取付けるための釘について適用することも可能である。
より具体的には、図14に示すように、風車981を遊技盤本体30aに取付けるための釘961は、遊技盤本体30aに対して前後方向に差し込まれた状態で固定される円柱状の本体部962と、本体部962の前端部から前方に延出して遊技領域に突出する円柱状の張出し部963と、張出し部963の前端部に設けられ、張出し部963よりも径の大きい釘頭964とを備えている。
本体部462は、遊技盤本体30aに埋設状態で遊技盤本体30aに固定される固定部971と、固定部971の前端部から前方に延出し、前記張出し部963よりも大きな径を有する拡径部972とを備えている。また、固定部971の径は、遊技盤本体30aに形成された下孔431の内径よりも若干大きく構成されている。加えて、固定部971の前端部、及び拡径部972の前端部は、張出し部963に向けて縮径したテーパ状に構成されている。
また、風車981は、略円盤状をなし、中央部に連通孔982aが形成された前壁部982と、前壁部982の連通孔982a周縁部から後方に延出する円筒状の軸部983と、軸部983の外周面から放射状に延出する複数枚(例えば3枚)の羽部984とを備えている。また、風車981の前後の幅は、釘961の張出し部963の長さよりも短くなっている。さらに、連通孔982aの内径は、釘頭964の径よりも小さく構成されている。
そして、風車981に対して釘961を前壁部982側から連通孔982a及び軸部983の内周側に挿通した後、遊技盤本体30aに形成された下孔431に対して遊技盤本体30aの前面側から釘961の本体部962を圧入する。これにより、遊技盤本体30aに対し風車981が回転可能に取付けられることとなる。
また、前記遊技部材は釘状(棒状)のものに限られず、例えば、遊技盤本体30a前面に形成されたスリットに嵌め込み固定され、発射装置60から発射された遊技球を遊技領域へと案内するレール50等に適用することも可能である。さらに、遊技部材は遊技盤本体30aに固定されるものに限定されるものではなく、少なくとも一部が遊技領域に突出するとともに、被取付部に固定される固定部を有するものであればよい。つまり、遊技盤30の前面側に設けられる前面枠セット14や遊技盤30が固定される内枠12に固定されるものについて適用することも可能である(例えば、前記レール50を前面枠セット14に固定してもよい)。
(k)上記実施形態において、遊技釘401の前端部とガラスユニット137との間の距離が遊技球の半径よりも小さくなることで、遊技釘401(固定部411)と遊技盤本体30aとを固定することができ、遊技釘401の前端部とガラスユニット137との間の距離が遊技球の半径以上になると、遊技釘401と遊技盤本体30aとを固定することができない(全く固定することができない、又は、遊技球が衝突すると大きく傾いてしまう)ように固定部411の形成範囲を設定してもよい。この場合、遊技釘401の突出長を短くして、上入賞口33aやワープ流路152へ遊技球を入球しやすくするといった不正行為をより確実に防止することができる(目視で不正を直ぐ確認できる)上、遊技釘401を確実に取付けることで、遊技釘401の前端部とガラスユニット137との間に遊技球が挟まってしまうといった事態を防止することができる。
(l)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機として実施してもよい。また、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、それに類する雀球等の各種遊技機などとして実施してもよい。
[付記]
上記実施形態から把握できる技術的思想について、以下に記載する。
遊技機の一種としてパチンコ機等がある。このようなパチンコ機は、遊技盤を構成する板状の遊技盤本体と該遊技盤本体の前方に設けられたガラス板とを備えており、遊技盤本体とガラス板との間の空間の大部分が、所定の発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域となっている。また、遊技盤本体の前面には、遊技領域に突出する釘(盤面釘)が多数配設されており、これによって遊技領域を移動する遊技球の移動経路が適宜分散される(例えば、特開2003−154110号公報参照。)。
しかしながら、例えば、盤面釘に対して遊技球が繰り返し衝突すること等に起因して、盤面釘が不用に変形したり、折れたりしてしまうおそれがある。このように、遊技釘が変形したり折れたりしてしまうと、外観品質の低下を招くのはもちろんのこと、遊技球の移動経路が大きく変わってしまい、これに起因して、遊技者側又は遊技ホール側が多大な不利益を被るおそれがある。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、耐久性を向上させた盤面釘を備えた遊技機を提供することにある。
手段1.発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域を前面側に形成する遊技盤本体と、
前記遊技盤本体の前面に立設される(遊技領域に配置される)遊技釘とを備え、
前記遊技釘は、
前記遊技領域を移動する遊技球と当接しない部位である棒状の本体部と、
前記本体部から延出し、少なくとも先端部が遊技領域に突出する張出し部とを備え、
前記本体部は、前記遊技盤本体に埋設状態で前記遊技盤本体に固定される固定部を備えるとともに、前記張出し部よりも径の大きい拡径部を備え、
前記張出し部は前記拡径部から延出していることを特徴とする遊技機。
例えば、遊技球が衝突する等して張出し部に外力が加えられた場合、張出し部の付根部付近に比較的大きな応力が作用し易い。これに対し、手段1によれば、張出し部は、張出し部よりも径の大きな拡径部から延出している。換言すれば、張出し部の付根部付近の径が比較的大きくなっている。このため、張出し部の付根部付近において遊技釘が破断したり、不要に変形したりしてしまうといった事態を抑制することができる。従って、遊技釘の耐久性を向上させることができ、結果として、長期使用にも確実に耐え得る遊技機(遊技盤)を得ることができる。
また、遊技釘全体を太くするのではなく、本体部の少なくとも一部を太くする構成であるため、張出し部が太くなることに起因して、遊技領域を移動する遊技球の移動スペースが少なくなってしまうといった事態を回避することができる。
尚、張出し部が固定部から延出する場合、固定部が拡径部を構成し、固定部の径が張出し部の径よりも大きく構成される。また、このように固定部が太く構成される場合には、遊技盤本体との接触面積が大きくなるため、取付状態の安定化を図ることができる。
尚、「前記本体部及び前記張出し部は、その長手方向に直交する断面が円形状をなし、前記本体部の中心軸と、前記張出し部の中心軸とが同一直線上に配されていること」としてもよい。この場合、遊技釘の取付向きによって、当該遊技釘と所定の対象物との間の距離が変わってしまうといった事態を防止することができる。
手段2.前記本体部と前記張出し部との境界部は、前後方向において前記遊技盤本体の前面とほぼ同じ位置又は前記遊技盤本体の前面よりも前方に位置していることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
例えば、製造誤差等に起因して、遊技釘が傾いて取付けられたり、遊技釘や遊技領域に設置される役物等の配置がずれてしまったり等した場合、張出し部を叩く等して遊技釘を意図的に屈曲させ、遊技釘の突出角度(遊技球の移動経路)を調整する場合がある。このとき、例えば、本体部と張出し部との境界部が遊技盤本体の前面から大きく没入した位置にあると、前記調整により屈曲される遊技釘の張出し部が釘孔の開口周縁部に当接することが懸念される。特に、遊技盤本体の強度が高い場合には、張出し部をその付根部付近を中心に屈曲させようとしても、張出し部のうち釘孔の開口周縁部に当接した部位において屈曲してしまい、上記手段1の作用効果が上手く奏されなくなってしまうおそれがある。また、遊技盤本体の強度が低い場合には、前記調整に際して屈曲した遊技釘(張出し部)が釘孔の開口周縁部に圧接することに起因して、釘孔の開口周縁部が損傷(釘孔が広がる、ひびが入る)してしまうおそれがある。
これに対し、本手段2によれば、本体部と張出し部との境界部が前後方向において遊技盤本体の前面とほぼ同じ位置又は遊技盤本体の前面よりも前方に位置している。このため、前記調整に際し、遊技釘を、拡径部と張出し部との境界部付近(張出し部の付根部付近)を中心として確実に屈曲させることができる。結果として、上記手段1の作用効果が確実に奏される。また、前記調整に際し、遊技釘は基本的に遊技盤本体の前方において屈曲することから、屈曲した遊技釘によって遊技盤本体が損傷してしまうといった事態を防止することができる。
手段3.前記拡径部のうち前記張出し部との境界部位は、前記張出し部側に向けて縮径するテーパ状に構成されていることを特徴とする手段1又は2に記載の遊技機。
手段3によれば、張出し部と拡径部との境界部付近(張出し部の付根部付近)に作用する応力を分散させることができ、当該部位に応力が集中して遊技釘が当該部位において破断してしまうといった事態をより確実に防止することができる。
手段4.前記拡径部は、前記遊技盤本体に対し、少なくとも前記張出し部に外力が付加されて前記遊技釘が撓んだ際に(弾性限界内の変形を起こした際に)当接可能に構成されていることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の遊技機。
手段4によれば、遊技釘が撓んだ際に拡径部が遊技盤本体に当接して支持されることよって、拡径部の変形が制限される。このため、遊技釘が撓んだ際に、固定部に比較的大きな応力が作用してしまう(固定部が比較的大きく変形してしまう)といった事態を防止することができ、結果として、取付状態の安定化を図ることができる。尚、遊技釘を遊技盤本体に取付状態とすることで、拡径部が遊技盤本体に略当接することとしてもよい。この場合、上記作用効果が一層確実に奏される。
手段5.前記遊技釘は、前記遊技盤本体において予め形成された前後に貫通する下孔に対し、前記遊技盤本体の後面側から挿通されて、前記遊技盤本体に取付けられることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の遊技機。
手段5によれば、遊技盤本体の後面側から遊技釘が下孔に挿通されて取付けられる。従って、遊技釘の取付作業が主に遊技盤本体の後面側においての作業となるため、当該取付作業時等において遊技盤本体前面が傷付けられてしまうといったおそれを抑制することができ、結果として外観品質の低下を防止することができる。
さらに、遊技釘の取付けに際し、張出し部に力を直接加えなくても済むため、張出し部が変形してしまうといった事態を防止することができ、これに起因する各種不具合を回避することができる。また、遊技盤本体に下孔が形成されていることにより、遊技釘を比較的容易に遊技盤本体に取付けることができ、作業性の向上が図られる。また、遊技盤本体に無理やり遊技釘を打ち込んだりねじ込んだりすることに起因して、遊技盤本体(特に前面)が変形したりひび割れしたりするおそれを抑制することができる。特に、遊技盤本体が樹脂製である場合には、これらの効果が一層顕著になる。さらに、遊技釘の先端部形状を尖形にしなくても遊技釘を遊技盤本体に取付けることができることから、遊技盤本体の前方に露出する遊技釘の先端部形状の設計上の制約を緩和することができる。加えて、遊技釘を遊技盤本体に螺着する構成の場合には、遊技釘の前端部に十字穴等の工具係合部を形成しなくても済み、外観品質の低下を防止することができる。
尚、「前記拡径部は、前記遊技ねじが挿通される前記下孔よりも径が小さい又は同じであること」としてもよい。この場合、遊技釘が撓んだ際に、固定部に比較的大きな応力が作用してしまう(固定部が比較的大きく変形してしまう)といった事態を防止することができ、結果として、取付状態の安定化をより一層図ることができる。
手段6.前記遊技盤本体に埋設状態とされる前記本体部の前側は、前記遊技盤本体に固定されない前記拡径部となっており、前記遊技盤本体に固定される前記固定部は前記本体部の後側にのみ存在することを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載の遊技機。
例えば、遊技盤本体の前面よりも前方に突出する遊技釘(張出し部)の突出長が短くなりすぎると、張出し部の前端部に頭部(張出し部の一般部よりも径の大きな突部)のない遊技釘に関しては、本来、遊技釘によって弾かれるはずの遊技球が弾かれなくなってしまうことが懸念される。また、張出し部の前端部に頭部が存在する場合には、遊技釘によって弾かれないはずの遊技球が弾かれてしまうことが懸念される。特に、遊技釘が各種入賞口の入口に対応して配置された場合には、遊技球の入賞口への入賞具合に大きな影響を与えてしまい、遊技者又は遊技ホールにとっての不利益が生じてしまうおそれがある。
これに対し、本手段6によれば、遊技盤本体に埋設状態とされる本体部の前側は、遊技盤本体に固定されない拡径部となっており、遊技盤本体に固定される固定部は本体部の後側にのみ存在する。このため、張出し部をある程度遊技領域に突出させないと、固定部を遊技盤本体に固定することができなくなる。従って、遊技釘を遊技盤本体に固定することで、必然的に張出し部の突出長がある程度確保され、上記のように張出し部の突出長が短くなりすぎてしまうといった事態を防止することができる。
手段7.前記固定部の外周面には雄ねじが形成されていることを特徴とする手段1乃至6のいずれかに記載の遊技機。
手段7によれば、遊技釘の取付状態の安定化をより一層図ることができる。
手段8.前記拡径部は、前記固定部の前端部から前方に突出成形されるとともに、その外周面には雄ねじが形成されていないことを特徴とする手段7に記載の遊技機。
手段8によれば、固定部と張出し部との間に雄ねじの形成されていない拡径部が存在する。このため、例えば、雄ねじの形成された固定部から張出し部が延出する場合のように、張出し部に外力が作用した際に固定部の谷部に対して集中的に応力が作用してしまうといった事態を抑制することができる。結果として、固定部の谷部において遊技釘が破断してしまうといった事態を抑止することができる。特に、上記手段4に記載したように、少なくとも遊技釘が撓んだ際に拡径部が遊技盤本体に当接し得る構成である場合、張出し部に対して外力が付加された場合に固定部に応力が作用してしまうといった事態をより確実に抑制することができ、上記作用効果が一層確実に奏される。
手段9.前記雄ねじの形成された前記固定部の谷部の径は、前記張出し部の径よりも大きく構成されていることを特徴とする手段7又は8に記載の遊技機。
手段9によれば、固定部の谷部において遊技釘が破断してしまうといった事態を抑止することができる。
手段10.前記遊技釘は、前記遊技盤本体において形成された下孔に圧入されることで、前記固定部の外周面が前記下孔の内周面に圧接して保持される構成であって、
前記遊技釘の後端部には、当該遊技釘を取外す際に使用される工具と係合する係合部を有していることを特徴とする手段1乃至6のいずれかに記載の遊技機。
手段10によれば、遊技釘を下孔に押し入れるだけで遊技釘を遊技盤本体に取付けることができるため、取付作業性の向上を図ることができる。また、係合部を備えることにより、遊技釘の交換の必要が生じた場合に、遊技盤本体を傷付けることなく、遊技釘を比較的容易に取外すことができる。従って、メンテナンスやリサイクルの際の作業性の向上を図ることができる。
手段11.前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能に構成され、遊技球が入球することに基づいて、遊技者にとって有利な所定条件が成立する入球手段を備え、前記遊技釘は少なくとも前記入球手段のいずれかの入口付近に設けられていることを特徴とする手段1乃至10のいずれかに記載の遊技機。
遊技者は遊技に際して入球手段を狙って遊技球を発射することとなる。このため、遊技領域に立設される釘(盤面釘)のうち、入球手段付近に配設される盤面釘は、その他の盤面釘に比べ、遊技球の衝突頻度が高くなっている。これに対し、手段11によれば、上記各手段に記載された耐久性の向上した遊技釘が入球手段の位置口付近に設けられている。このため、長期使用に耐え得る遊技機(遊技盤)を確実に得ることができる。また、入球手段の入口付近以外の遊技領域に立設される盤面釘に関しては、従前の丸釘を使用することも可能である。この場合、遊技領域に立設される全ての盤面釘が一新されることに起因する違和感を防止するとともに、盤面釘にかかるコストの抑制を図ることができる。
尚、遊技盤本体の前面に立設される盤面釘のうち、(1)「遊技球の衝突頻度が比較的高い盤面釘」、(2)「遊技球を打出す力を調節可能な発射装置によって比較的強く打出された遊技球が最初に当接し得る盤面釘」として、前記遊技釘が使用されることが望ましい。例えば、「前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能に構成され、遊技球が入球することに基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選が行われる始動入球手段を備え、前記遊技釘は少なくとも前記始動入球手段の入口付近に設けられていること」としてもよい。また、「前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能に構成され、遊技球が入球することに基づいて、遊技価値が所定数払い出される入球手段を備え、前記遊技釘は少なくとも前記入球手段の入口付近に設けられていること」としてもよい。さらに、「前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な入口部と、前記入口部に入球した遊技球が導出される出口部とを有し、前記入口部に入球した遊技球を前記出口部から導出することで当該遊技球を前記始動入球手段又はその近傍へと導く球案内手段を備え、前記遊技釘は少なくとも前記入口部付近、及び前記始動入球手段の入口付近に設けられていること」としてもよい。加えて、「前記遊技盤本体の前面に立設された盤面釘のうち、遊技球を打出す力を変更可能な前記発射手段によって最も大きな力で打出された遊技球が最初に当接し得る盤面釘として、前記遊技釘が使用されていること」としてもよい。また、「前記遊技盤本体の前面には、前記遊技釘と、従前から使用されている丸釘とが混在して立設され」ていることとしてもよい。
手段12.前記遊技釘の交換用の遊技釘を収容する釘収容部を備え、前記交換用の遊技釘は、交換前の前記遊技釘に比べ、前記固定部が前記遊技釘の取付方向先端側にまで形成されている、又は、前記固定部の径が大きく構成されていることを特徴とする手段1乃至11のいずれかに記載の遊技機。
手段12によれば、交換用の遊技釘を収容する釘収容部が設けられているため、遊技釘の交換に際しての作業性の向上を図ることができる。また、交換用の遊技釘は、交換前の遊技釘に比べ、(1)固定部が遊技釘の取付方向先端側にまで形成されている、又は、(2)固定部の径が大きく構成されている。従って、交換用の遊技釘をより強固に取付けることができる。
手段13.前記本体部は、前記遊技盤本体への取付方向先端側が前記拡径部として構成され、取付方向後端側が前記固定部として構成されていることを特徴とする手段1乃至12のいずれかに記載の遊技機。
手段13によれば、例えば、遊技盤本体への取付方向先端側が固定部として構成され、取付方向後端側が拡径部として構成される場合に比べ、取付作業性の向上を図ることができる。また、手段12に記載の「交換用の遊技釘は、交換前の遊技釘に比べ、固定部が遊技釘の取付方向先端側にまで形成されている」といった構成下にあっては、交換用の遊技釘をより強固に取付けるといった作用効果が一層確実に奏される。
手段14.前記固定部の外径は、前記拡径部の径よりも大きく構成されていることを特徴とする手段1乃至13のいずれかに記載の遊技機。
手段14によれば、遊技釘を遊技盤本体に対してより確実に(遊技盤本体に形成される下孔を段差形状に形成しなくても)取付けることができる。また、手段12に記載の「交換用の遊技釘は、交換前の遊技釘に比べ、固定部の径が大きく構成されている」といった構成下にあっては、交換用の遊技釘をより強固に取付けるといった作用効果が一層確実に奏される。尚、前記固定部の外周面に雄ねじが形成される場合、「固定部の外径」とは、雄ねじの山部の径を意味する。
手段15.発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域に配置される遊技部材とを備え、
前記遊技部材は、
前記遊技領域を移動する遊技球と当接しない部位である本体部と、
前記本体部から延出し、少なくとも先端部が遊技領域に突出する張出し部とを備え、
前記本体部は、被取付部に埋設状態で前記被取付部に固定される固定部を備えるとともに、前記張出し部よりも厚みの大きい厚肉部を備え、
前記張出し部は前記厚肉部から延出していることを特徴とする遊技機。
例えば、遊技球が直接的に又は間接的に衝突する等して張出し部に外力が加えられた場合、張出し部の付根部付近に比較的大きな応力が作用し易い。これに対し、手段15によれば、張出し部は、張出し部よりも厚肉な厚肉部から延出している。換言すれば、張出し部の付根部付近の径が比較的大きくなっている。このため、張出し部の付根部付近において遊技部材が破断したり、不要に変形したりしてしまうといった事態を抑制することができる。従って、遊技部材の耐久性を向上させることができ、結果として、長期使用にも確実に耐え得る遊技機を得ることができる。
また、遊技部材全体を太くするのではなく、本体部の少なくとも一部を太くする構成であるため、張出し部が太くなることに起因して、遊技領域を移動する遊技球の移動スペースが少なくなってしまうといった事態を回避することができる。
尚、遊技部材としては、盤面釘や、一部(張出し部)が遊技領域に突出した状態で遊技盤本体に固定され、風車等の役物を遊技盤に固定するための釘等が挙げられる。また、遊技部材は棒状(釘状)のものに限定されるものではなく、例えば、遊技盤本体前面に形成されたスリットに嵌め込み固定され、発射装置にて発射された遊技球を遊技領域へと案内するレール等に適用することも可能である。さらに、遊技部材は遊技盤本体に固定されるものに限定されるものではなく、少なくとも一部が遊技領域に突出するとともに、被取付部に固定される固定部を有するものであればよい。つまり、遊技盤の前面側に設けられる扉部材(前面枠セット)や遊技盤が固定される内枠に固定されるものについて適用することも可能である(例えば、前記レールを前面枠セットに固定してもよい)。
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
A.上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内される遊技領域と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備えた弾球遊技機」が挙げられる。
B.上記各手段における前記遊技機は略鉛直方向に延びる遊技領域を備えた弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内され、略鉛直方向に沿って延びる所定の遊技領域(例えば遊技領域は遊技盤面等により構成される)と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球の挙動を視認可能に構成されてなる弾球遊技機」が挙げられる。
C.上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。