JP6020506B2 - 触媒微粒子及びカーボン担持触媒の各製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、従来よりも優れた触媒性能を有する触媒微粒子及びカーボン担持触媒の各製造方法に関する。
燃料電池のアノード及びカソードの電極触媒として、中心粒子及び当該中心粒子を被覆する最外層を備える構造(いわゆるコアシェル構造)を有する触媒微粒子に関する技術が知られている。当該触媒微粒子においては、中心粒子に比較的安価な材料を用いることにより、触媒反応にほとんど関与しない粒子内部のコストを低く抑えることができる。
特許文献1には、銅アンダーポテンシャル析出法(Cu−Underpotential Deposition method:Cu−UPD)により銅シェル層を形成した後、当該銅シェル層と貴金属原子とを置換するコアシェル触媒の製造方法が記載されている。
米国特許出願公開第2010/0177462号明細書
特許文献1には、50mM CuSO及び50mM HSOの混合溶液を用いてCu−UPDによりコア表面に対し銅単原子層を形成する方法が記載されている。しかし、本発明者らの検討によれば、特許文献1の発明のように何の処理も施されていないコア表面に対し単にCu−UPDを行った場合、シェルに欠陥を多く含むコアシェル触媒が得られることが明らかとなった。
本発明は、上記実状を鑑みて成し遂げられたものであり、従来よりも優れた触媒性能を有する触媒微粒子及びカーボン担持触媒の各製造方法を提供することを目的とする。
本発明の触媒微粒子の製造方法は、パラジウム含有微粒子、及び当該パラジウム含有微粒子の少なくとも一部を被覆する白金含有最外層を備える触媒微粒子の製造方法であって、平均粒径が3.0nm以上6.0nm以下のパラジウム含有微粒子が酸性溶液中に分散して構成される第1の分散液中で、サイクリックボルタモグラムの還元波におけるPd{111}面を示すピークが、前記サイクリックボルタモグラムの還元波におけるPd{110}面又はPd{100}面を示すピークよりも大きくなるまで前記パラジウム含有微粒子に電位を付与する電位付与工程、前記電位付与工程後に、前記第1の分散液と銅含有溶液とを混合することにより第2の分散液を調製し、かつ、当該第2の分散液中で、銅の酸化還元電位よりも貴な電位を前記パラジウム含有微粒子に付与することによって、当該パラジウム含有微粒子の少なくとも一部を銅により被覆する銅被覆工程、並びに前記銅被覆工程後に、前記第2の分散液と白金含有溶液とを混合することによって、前記パラジウム含有微粒子の少なくとも一部を被覆している銅と白金とを置換する結果、前記パラジウム含有微粒子の少なくとも一部を白金により被覆する白金被覆工程、を有することを特徴とする。
本発明における前記電位付与工程において、少なくとも1.2V(vs.RHE)を含む範囲となるように電位を掃引することが好ましい。
本発明のカーボン担持触媒の製造方法は、上記触媒微粒子がカーボン担体に担持されたカーボン担持触媒の製造方法であって、前記電位付与工程に用いられるパラジウム含有微粒子がカーボン担体に担持されていることを特徴とする。
本発明によれば、電位付与工程において電気化学的により安定なPd{111}面を十分に成長させることによって、白金被覆工程においてPd{111}面上に白金が被覆することによりPt{111}面が形成される結果、より触媒活性の高いPt{111}面が白金最外層表面に高い割合で現れるようになるため、従来のコアシェル触媒よりも優れた触媒性能を有する触媒微粒子が得られる。
本発明のカーボン担持触媒の製造方法の一例を示すフローチャートである。 サイクリックボルタンメトリーを実施する電気化学装置の一例を示した斜視模式図である。 電位付与工程を行う電気化学装置の一例を示した斜視模式図である。 実施例1に使用されたカーボン担持パラジウムのTEM画像である。 実施例1に使用されたカーボン担持パラジウムにおけるパラジウム微粒子の粒度分布を示すヒストグラムである。 カーボン担持パラジウムを調製する途中で採取したサンプルにつき、パラジウム酸化率をプロットしたグラフである。 実施例1における、電位付与工程前のパラジウム含有微粒子のサイクリックボルタモグラム(細い曲線)及び2,500サイクル目のパラジウム含有微粒子のサイクリックボルタモグラム(太い曲線)を重ねて示したグラフである。 電位付与工程を行った40サンプル及び電位付与工程を行わなかった40サンプルについて、触媒微粒子の粒径に対する白金被覆率の関係を示したグラフである。 実施例1と比較例7の質量活性を比較した棒グラフである。 比較例4に使用されたカーボン担持パラジウムにおけるパラジウム微粒子の粒度分布を示すヒストグラムである。 比較例6に使用されたカーボン担持パラジウムにおけるパラジウム微粒子の粒度分布を示すヒストグラムである。 比較例1における、電位付与工程前のパラジウム含有微粒子のサイクリックボルタモグラム(細い曲線)及び2,500サイクル目のパラジウム含有微粒子のサイクリックボルタモグラム(太い曲線)を重ねて示したグラフである。
本発明の触媒微粒子の製造方法は、パラジウム含有微粒子、及び当該パラジウム含有微粒子の少なくとも一部を被覆する白金含有最外層を備える触媒微粒子の製造方法であって、平均粒径が3.0nm以上6.0nm以下のパラジウム含有微粒子が酸性溶液中に分散して構成される第1の分散液中で、サイクリックボルタモグラムの還元波におけるPd{111}面を示すピークが、前記サイクリックボルタモグラムの還元波におけるPd{110}面又はPd{100}面を示すピークよりも大きくなるまで前記パラジウム含有微粒子に電位を付与する電位付与工程、前記電位付与工程後に、前記第1の分散液と銅含有溶液とを混合することにより第2の分散液を調製し、かつ、当該第2の分散液中で、銅の酸化還元電位よりも貴な電位を前記パラジウム含有微粒子に付与することによって、当該パラジウム含有微粒子の少なくとも一部を銅により被覆する銅被覆工程、並びに前記銅被覆工程後に、前記第2の分散液と白金含有溶液とを混合することによって、前記パラジウム含有微粒子の少なくとも一部を被覆している銅と白金とを置換する結果、前記パラジウム含有微粒子の少なくとも一部を白金により被覆する白金被覆工程、を有することを特徴とする。
上述したように、従来よりコアシェル触媒のシェル形成にはCu−UPDが用いられてきたが、従来法においては、主に市販のパラジウム担持カーボン(以下、Pd/Cと称する場合がある。)をそのままCu−UPDに供しており、Cu−UPDよりも前の段階のコア微粒子表面については何らの検討もされてはいなかった。
しかし、本発明者らの検討により、市販のPd/CをそのままCu−UPDに使用した場合には、シェルの形成が十分に進行せず、欠陥をもつシェルが現れることが明らかとなった。これは、市販のPd/Cにおけるパラジウム微粒子表面において、以下の理由により酸化パラジウムや有機物が存在していたり、低配位原子が多く存在していたりするためである。
Pd/Cを調製する際、通常、パラジウム微粒子の粒径や分散性を制御するため、有機分散剤等が使用される。Pd/C調製においては、最終的に、Pd/C前駆体を300〜600℃程度の温度で焼成することによりパラジウムのメタル化が行われる。しかし、この程度の温度条件では、Pd/C内に有機物の残渣が残りやすい。また、市販のPd/Cにおけるパラジウム微粒子表面近傍には通常酸化パラジウムが存在するが、上記焼成条件では酸化パラジウムは十分還元されない。このように、市販のPd/Cにおいては、パラジウム微粒子表面が酸化物や有機物によって覆われているため、Cu−UPDの際にパラジウム微粒子表面に対する銅の吸着が十分に進行しなかった。
また、上記焼成後のPd/Cにおけるパラジウム微粒子表面には、Pd{111}面、Pd{110}面、Pd{100}面等の結晶面の他に、低配位パラジウム原子が多く存在する。ここで、低配位パラジウム原子とは、コーナーやエッジを構成するパラジウム原子のことであり、より具体的には、パラジウム微粒子表面の2つの面の境に存在するパラジウム原子や、パラジウム微粒子表面の頂点に存在するパラジウム原子を指す。その一方、高配位パラジウム原子とは、パラジウム微粒子表面の結晶面を構成するパラジウム原子、及びパラジウム微粒子内部に存在するパラジウム原子を指す。
このように、従来技術においては、パラジウム微粒子表面の大部分が低配位パラジウム原子によって構成されていることにより、活性の高い結晶面の露出が少なくなり、かつ表面に凹凸が多くなる結果、Cu−UPDを経て得られるコアシェル触媒の活性が低いという課題がある。
なお、本発明においては、パラジウムの結晶面の表記として、化学式「Pd」に結晶面を併記したものを用いる。また、本明細書においては、結晶面の表記について、等価な面群を中カッコで括って表す。例えば、Pd(111)面及びPd(−1−1−1)面は、全てPd{111}面として表記する。
本発明者らは、パラジウム含有微粒子の表面活性が向上しなければ、Cu−UPDにおいて銅がパラジウム含有微粒子表面に十分な量吸着せず、続く白金含有最外層の形成においても銅原子と白金原子等との置換が進行しづらいため、白金含有最外層に欠陥の多い触媒微粒子が得られることに着目し、パラジウム含有微粒子の表面活性の向上につき鋭意検討を重ねた。その努力の結果、本発明者らは、Cu−UPDよりも前の段階で、パラジウム含有微粒子に対し電位を付与する工程を実施することにより、パラジウム含有微粒子表面の酸化物や不純物を除去できると共に、パラジウム含有微粒子表面の原子配列を組み替えることによって触媒活性の高いPd{111}を露出させる結果、Cu−UPDを経て得られる触媒微粒子の活性を従来よりも向上させる方法を見出し、本発明を完成させた。
図1は、本発明の触媒微粒子の製造方法の一例を示すフローチャートである。
図1に示す触媒微粒子の製造方法は、(1)電位付与工程、(2)銅被覆工程、(3)白金被覆工程、(4)洗浄工程、(5)酸処理工程、(6)乾燥工程を有する。
本発明の触媒微粒子の製造方法は、(1)電位付与工程、(2)銅被覆工程、及び(3)白金被覆工程を有し、必要に応じ、白金被覆工程の後に(4)洗浄工程、(5)酸処理工程、(6)乾燥工程等を有する。
以下、各工程について、順に説明する。
(1)電位付与工程
電位付与工程は、平均粒径が3.0nm以上6.0nm以下のパラジウム含有微粒子が酸性溶液中に分散して構成される第1の分散液中で、サイクリックボルタモグラムの還元波におけるPd{111}面を示すピークが、前記サイクリックボルタモグラムの還元波におけるPd{110}面又はPd{100}面を示すピークよりも大きくなるまで前記パラジウム含有微粒子に電位を付与する工程である。
本発明におけるパラジウム含有微粒子とは、パラジウム微粒子及びパラジウム合金微粒子の総称である。
後述するように、パラジウム含有微粒子を被覆する最外層は白金を含む。白金は、触媒活性、特に酸素還元反応(ORR:Oxygen Reduction Reaction)活性に優れている。また、白金の格子定数は3.92Åであるのに対し、パラジウムの格子定数は3.89Åであり、パラジウムの格子定数は白金の格子定数の±5%の範囲内の値であることから、白金−パラジウム間で格子不整合が生じず、白金によるパラジウムの被覆が十分に行われる。
本発明におけるパラジウム含有微粒子は、コストを抑える観点から、白金含有最外層に用いられる後述の材料よりも安価な金属材料を含むことが好ましい。さらに、パラジウム含有微粒子は、電気的導通がとれる金属材料を含むことが好ましい。
以上の観点から、本発明におけるパラジウム含有微粒子は、パラジウム微粒子、又は、コバルト、イリジウム、ロジウム若しくは金等の金属とパラジウムとの合金粒子であることが好ましい。パラジウム合金粒子を用いる場合には、当該パラジウム合金粒子にはパラジウムの他に金属が1種類のみ含まれていてもよいし、2種類以上含まれていてもよい。
本発明に使用されるパラジウム含有微粒子の平均粒径は、3.0nm以上6.0nm以下である。パラジウム含有微粒子の平均粒径が3.0nm未満である場合には、パラジウム含有微粒子表面において低配位パラジウム原子の割合が高いため、電位付与工程においてそれら低配位パラジウム原子が溶出するおそれがある。一方、パラジウム含有微粒子の平均粒径が6.0nmを超える場合には、パラジウム含有微粒子の表面エネルギーが小さくパラジウム含有微粒子自体が安定であるため、電位付与工程を経ても粒子表面の原子の再配列が十分進行せず、Pd{111}面が十分に成長しないおそれがある。
パラジウム含有微粒子の平均粒径は、3.5nm以上であるのが好ましく、5.5nm以下であるのが好ましい。
なお、本発明におけるパラジウム含有微粒子、触媒微粒子、及びカーボン担持触媒の平均粒径は、常法により算出される。パラジウム含有微粒子、触媒微粒子、及びカーボン担持触媒の平均粒径の算出方法の例は以下の通りである。まず、400,000〜1,000,000倍のTEM画像において、ある1つの粒子について、当該粒子を球状と見なした際の粒径を算出する。このようなTEM観察による粒径の算出を、同じ種類の200〜500個の粒子について行い、これらの粒子の平均を平均粒径とする。
触媒微粒子がカーボン担体に担持されたカーボン担持触媒を製造する場合には、本工程において、カーボン担体に担持されたパラジウム含有微粒子を用いることが好ましい。カーボン担体の使用により、カーボン担持触媒を燃料電池の電極触媒層に用いた際、当該電極触媒層に導電性を付与できる。
カーボン担体として使用できる炭素材料の具体例としては、ケッチェンブラック(商品名:ケッチェン・ブラック・インターナショナル株式会社製)、バルカン(商品名:Cabot社製)、ノーリット(商品名:Norit社製)、ブラックパール(商品名:Cabot社製)、アセチレンブラック(商品名:Chevron社製)、OSAB(商品名:電気化学工業製)等の炭素粒子や、炭素繊維等の導電性炭素材料等が挙げられる。
電位付与工程に使用できる酸性溶液としては、当該酸性溶液中において適宜電位を掃引することにより酸化パラジウムや不純物をパラジウム含有微粒子表面から除去でき、さらにパラジウム含有微粒子表面のPd{111}面を十分成長させることができる溶液であれば、特に限定されない。
電位付与工程に使用できる酸性溶液としては、具体的には、後述する銅含有溶液に使用できる酸性溶液と同様の酸性溶液が使用できる。
なお、電位付与工程と、後述する銅被覆工程とを、同じ反応容器内で行う場合には、電位付与工程に使用した電解液に、銅含有溶液を加えてもよい。例えば、電位付与工程の電解液として硫酸を使用した場合には、使用後の硫酸に硫酸銅水溶液を加えて、銅被覆工程を行ってもよい。
酸性溶液中の酸素を可能な限り除去し、酸化物除去を速やかに進行させることができるという点から、酸性溶液中には、窒素をバブリングさせることが好ましい。
上記特定の平均粒径を有するパラジウム含有微粒子が酸性溶液中に分散して構成される第1の分散液は、予め調製したものを用いてもよいし、市販のものを用いてもよい。第1の分散液を調製する場合の調製方法には、公知の方法を用いることができる。
本発明においては、第1の分散液中で、サイクリックボルタモグラムの還元波におけるPd{111}面を示すピークが、サイクリックボルタモグラムの還元波におけるPd{110}面又はPd{100}面を示すピークよりも大きくなるまでパラジウム含有微粒子に電位を付与することが主な特徴の1つである。
サイクリックボルタモグラムとは、縦軸を電流、横軸を電位として、電位を走査した場合に現れる電流−電位曲線であって、通常プラスの電流が酸化電流、マイナスの電流が還元電流と定義される。したがって、サイクリックボルタモグラムの還元波とは、マイナス電流波のことを指す。
本発明におけるサイクリックボルタモグラムは、電位付与と同時に得られるものであってもよいし、電位付与とは別に得られるものであってもよい。
サイクリックボルタモグラムを電位付与と同時に得る場合としては、例えば、電位を適宜掃引しつつサイクリックボルタンメトリーを実施する場合が挙げられる。
サイクリックボルタモグラムを電位付与とは別に得る場合としては、例えば、電位付与工程中の第1の分散液から適量をサンプリングし、得られたサンプルにつき別途図2に示す通りサイクリックボルタンメトリーを実施してモニタリングする場合が挙げられる。
図2は、サイクリックボルタンメトリーを実施する電気化学装置の一例を示した斜視模式図である。電気化学装置100は、ガラスセル1に、電解液2を加え、さらに第1の分散液3が10μL程度塗布された作用極4を備える。ガラスセル1中には、作用極4と、参照極5と、対極6とを電解液2に十分に浸かるように配置し、これら3つの電極をポテンショスタット/ガルバノスタットと電気的に接続する。また、気体の導入管7を電解液2に浸かるように配置し、セル外部に設置された不活性ガス供給源(図示せず)から不活性ガスを一定時間電解液2に室温下でバブリングさせ、電解液2中に不活性ガスを飽和させた状態とする。気泡8は不活性ガスの気泡を示す。不活性ガスとしては、窒素若しくはアルゴン、又はこれらの混合気体が使用できる。そして、サイクリックボルタンメトリーを行う。
作用極としては、グラッシーカーボン電極等の、導電性材料からなる測定用電極を用いることができる。作用極としてRDEを用いてカーボン担持触媒のサイクリックボルタンメトリーを行う場合、電位の安定性の観点から、RDEを電解液に浸漬させ、電解液中でRDEを回転させ、浸漬から数分後に回転を停止してからサイクリックボルタンメトリーを行うことが好ましい。
参照極としては、白金に水素を吹き込み使用する可逆水素電極(reversible hydrogen electrode;以下RHEと称することがある)、あるいは銀−塩化銀電極が用いられる。銀−塩化銀電極の測定値を可逆水素電極へ変換する場合は、事前にRHEと銀−塩化銀電極の電位差を測定しておき、後に補正する。
対極としては、白金電極等を用いることができる。
サイクリックボルタンメトリーの条件は、パラジウム含有微粒子の劣化や、担体であるカーボンの劣化が生じない条件であることが好ましい。RDEを用いたモニタリング用サイクリックボルタンメトリーの具体的な条件の一例を下記に示す。
・電解液:0.1M 過塩素酸水溶液(不活性ガスをバブリングさせる)
・雰囲気:不活性ガス雰囲気下
・掃引速度:50mV/sec
・電位掃引範囲(電位窓):0.35〜0.70V(vs.RHE)
・参照極:可逆水素電極(RHE)
Pd{111}面を示すピークは、サイクリックボルタンメトリーの条件にもよるが、サイクリックボルタモグラムの還元波中の0.50V〜0.55V(vs.RHE)の範囲内に現れるピークである。
本発明において「サイクリックボルタモグラムの還元波におけるPd{111}面を示すピークが、サイクリックボルタモグラムの還元波におけるPd{110}面又はPd{100}面を示すピークよりも大きくなるまで」電位を付与するとは、すなわち、電位付与工程より前の段階においてパラジウム含有微粒子表面に全くPd{111}面が現れていないか、又は表面積に占めるPd{111}面の割合が小さかったパラジウム含有微粒子について、表面積に占めるPd{111}面の占める割合がPd{110}面やPd{100}面の占める割合よりも大きくなり、Pd{111}面が十分成長するまで電位を付与することを意味する。サイクリックボルタモグラムの還元波において現れるピークは、Pd{111}面の成長度合いを示す指標であり、本発明においては、Pd{111}面を示すピークが当該還元波においてPd{110}面又はPd{100}面を示すピークよりも大きくなったことを以て、電位付与工程を終了する。すなわち、本工程は、パラジウム含有微粒子表面の純度及び結晶度を高めていく工程である。
Pd{111}面を示すピークの大きさと、Pd{110}面及び/又はPd{100}面を示すピークの大きさとを比較するには、サイクリックボルタモグラムの還元波におけるこれらピークの面積を算出することにより比較できる。
「サイクリックボルタモグラムの還元波におけるPd{111}面を示すピークが、サイクリックボルタモグラムの還元波におけるPd{110}面又はPd{100}面を示すピークよりも大きくなるまで」電位を付与する一例としては、広い電位範囲において電位を繰り返し掃引する方法が挙げられる。ここでいう広い電位範囲とは、その電位範囲の少なくとも下限においてパラジウムが還元状態となり、その電位範囲の少なくとも上限においてパラジウムが酸化状態となるような電位範囲を指す。このように、電位の掃引によってパラジウムの還元条件と酸化条件とを交互に繰り返すことにより、パラジウム含有微粒子表面の酸素や不純物を除去できると共に、少なくともパラジウム含有微粒子表面におけるパラジウム原子の配列を組み替えることができる結果、電気化学的に最も安定なPd{111}面をパラジウム含有微粒子表面にて成長させることができる。
電位範囲の下限値(以下、下限電位と称する場合がある。)は、0.1V(vs.RHE)以下であることが好ましく、0.05V(vs.RHE)以下であることが好ましい。パラジウムの酸化還元電位は0.915V(vs.RHE)であるため、下限電位は当該酸化還元電位未満であればよい。ただし、下限電位は−0.5V(vs.RHE)以上が好ましい。下限電位が−0.5V(vs.RHE)未満の場合には溶液からの水素発生が激しくなるためである。
一方、電位範囲の上限値(以下、上限電位と称する場合がある。)としては、1.0V(vs.RHE)よりも高いことが好ましく、1.1V(vs.RHE)以上であることがより好ましく、1.2V(vs.RHE)以上であることがさらに好ましい。特に、本工程においては、少なくとも1.2V(vs.RHE)を含む範囲となるように電位を掃引することが好ましい。また、上限電位は、2V(vs.RHE)以下が好ましい。上限電位が2V(vs.RHE)を超える場合にはパラジウムが多く溶解するおそれがあるためである。
このように、上限電位を1.0Vより高くすることによって、パラジウム含有微粒子表面におけるパラジウム原子の再配列が促進され、その結果、当該表面におけるPd{111}面の割合を電位付与工程前よりも高くすることができる。
本工程においては、酸化物除去を速やかに進行させるという観点から、一定の電位範囲において、電位を複数回往復させることが好ましい。電位付与信号パターンは、矩形波、三角波、台形波等がある。低い電位と高い電位を繰り返すことに意味があるため、電位付与信号パターンは特に限定されない。
電位のサイクル数は、電位付与信号パターンが矩形波の場合は、特に限定されないが、0.05V(vs.RHE)で15〜60秒ホールド、上述した上限電位で15〜60秒ホールドを1サイクルとし、1,000〜3,000サイクル行うことが好ましい。
また、電位付与信号パターンが三角波の場合の電位のサイクル数は、特に限定されないが、100サイクル以上であることが好ましく、800〜3,000サイクルであることがより好ましい。また、電位の掃引速度は、例えば、5〜100mV/秒とすることができる。
電位付与工程における反応系内の温度は、特に限定されないが、電位付与工程と、銅被覆工程及び白金被覆工程とを、同じ反応容器内で行う場合には、白金被覆工程における反応系内の温度を速やかに−3℃以上10℃以下にする観点から、−3℃以上10℃以下に維持することが好ましい。なお、本発明において反応系内とは、反応に用いられる領域(例えば、反応容器、装置等)内及び当該領域内に収容されている気体、液体、固体を含む概念である。
パラジウム含有微粒子に電位を付与する方法、電位制御装置は、後述する銅被覆工程で行われる方法、装置と同様とすることができる。
第1の分散液中でパラジウム含有微粒子に電位を付与する方法は、特に限定されず、一般的な方法を採用することができる。例えば、第1の分散液中に、作用極、対極及び参照極を浸漬させ、作用極に電位を付与する方法が挙げられる。
作用極としては、例えば、チタン、白金メッシュ、白金板、金板等の金属材料、グラッシーカーボン、カーボン板等の導電性炭素材料等の導電性が担保できる材料を用いることができる。なお、反応容器を上記導電性材料で形成し、作用極としても機能させることもできる。金属材料の反応容器を作用極として用いる場合、反応容器の内壁には、腐食を抑制する観点から、RuOをコーティングすることが好ましい。炭素材料の反応容器を作用極として用いる場合は、コーティング無しでそのまま使用することが可能である。
対極としては、例えば、白金メッシュに白金黒をめっきしたもの及び導電性炭素繊維等を用いることができる。
参照極としては、可逆水素電極(RHE)、銀−塩化銀電極、及び銀−塩化銀−塩化カリウム電極等を用いることができる。
電位制御装置としては、ポテンショスタット及びポテンショガルバノスタット等を用いることができる。
図3は、電位付与工程を行う電気化学装置の一例を示した斜視模式図である。
図3に示す電気化学装置200は、反応容器11、参照電極14、対極15、対極用コンパートメント16及び攪拌子17を備える。
反応容器11は、グラファイト製であり、作用極としても機能する。反応容器11内には、パラジウム粒子がカーボン担体に担持されたパラジウム担持カーボン12(以下、Pd/Cと称する場合がある)を含む酸性溶液13が収容されている。反応容器11に収容されたPd/C 12を含む酸性溶液13は、攪拌子17での攪拌が可能となっている。
参照極14、対極15は、酸性溶液13に十分に浸かるように配置されている。作用極でもある反応容器11、参照極14及び対極15がポテンショスタット/ガルバノスタットと電気的に接続され、作用極の電位が制御できるようになっている。対極15は、酸性溶液13中のPd/C 12が対極15に接触するのを防ぐため、ガラス製の対極用コンパートメント16内に収容された状態で酸性溶液13に浸漬されている。対極用コンパートメント16は、底部が多孔性のガラスフリットにより形成されており、対極15と酸性溶液13との接触性が確保されている。
まず、攪拌子17で酸性溶液13を攪拌し、Pd/C 12を分散させながら、反応容器外部に設置された窒素供給源(図示せず)から窒素を一定時間、酸性溶液13にバブリングさせ、酸性溶液13中に窒素を飽和させた状態とする。
その後、反応容器外部に設置された水素供給源(図示せず)から水素を一定時間、酸性溶液3にバブリングさせ、酸性溶液13中に水素を飽和させた状態とする。
そして、再度、窒素供給源から窒素を一定時間、酸性溶液13にバブリングさせ、酸性溶液13中に窒素を飽和させた状態とする。
その後、ポテンショスタット/ガルバノスタットにより、作用極である反応容器11の電位を掃引することで、反応容器11の表面と接触したPd/C 12に所定の電位を印加し、パラジウム粒子の表面の酸化物を除去する。電位付与工程の具体的な条件の一例を以下に示す。
・電解液:0.05mol/L HSOaq(不活性ガスをバブリングさせる)
・雰囲気:不活性ガス雰囲気下
・掃引速度:50mV/sec
・電位掃引範囲:−0.05V〜1.2V(vs.RHE)
・参照極:可逆水素電極(RHE)
本工程によりパラジウム含有微粒子表面の不純物を除くと共に、Pd{111}面を十分成長させることによって、続く銅被覆工程において従来と比較してより多くの銅がパラジウム含有微粒子表面に吸着し、さらにその後の白金被覆工程において触媒活性の高いPt{111}面が触媒微粒子表面により広く形成される結果、触媒微粒子の触媒活性を向上させることができる。
(2)銅被覆工程
銅被覆工程は、上記電位付与工程後、第1の分散液と銅含有溶液とを混合することにより第2の分散液を調製し、かつ、当該第2の分散液中で、銅の酸化還元電位よりも貴な電位をパラジウム含有微粒子に付与することによって、当該パラジウム含有微粒子の少なくとも一部を銅により被覆する工程である。
銅含有溶液は、パラジウム含有微粒子の表面にCu−UPDによって銅を析出させることができる溶液であれば特に限定されない。銅含有溶液中においては、銅はイオンとして存在していてもよいし、銅錯体等の銅化合物として存在していてもよい。銅含有溶液は、通常、溶媒に銅塩を所定量溶かしたものから構成されるが、特にこの構成に限定されず、銅又はそのイオンの一部又は全部が液中に解離して存在している溶液であればよい。
銅含有溶液に用いられる溶媒としては、水、有機溶媒が挙げられるが、パラジウム含有微粒子の表面への銅の析出を妨げないという観点から、水が好ましい。
銅含有溶液に用いられる銅塩としては、具体的には、硫酸銅、硝酸銅、塩化銅、亜塩素酸銅、過塩素酸銅、シュウ酸銅等が挙げられる。
銅含有溶液中において、銅濃度は、特に限定されないが、10〜1000mMであることが好ましい。
銅含有溶液には、上記溶媒及び銅塩の他にも、例えば、酸等を含んでいてもよい。銅含有溶液に添加できる酸としては、具体的には、硫酸、硝酸、塩酸、亜塩素酸、過塩素酸、シュウ酸等が挙げられる。なお、銅含有溶液中の対アニオンと、酸中の対アニオンとは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
また、銅含有溶液は、予め、不活性ガスをバブリングしておくことが好ましい。パラジウム含有微粒子の酸化を抑制し、白金含有最外層による均一な被覆が可能となるからである。不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス等を用いることができる。
本工程においては、電位付与工程後の第1の分散液と、銅含有溶液とを混合することにより第2の分散液を調製する。
第2の分散液中でパラジウム含有微粒子に電位を付与する方法は、特に限定されず、一般的な方法を採用することができる。例えば、図3に示した電気化学装置200の反応容器11に、攪拌子17により酸性溶液13を攪拌しながら銅含有溶液を加えて第2の分散液を調製した後、反応容器11に電位を付与することにより、反応容器11の表面と接触したPd/C 12のパラジウム粒子の表面に銅を析出させる方法が挙げられる。
付与する電位は、パラジウム含有微粒子の表面に銅を析出させることができる電位、すなわち、銅の酸化還元電位よりも貴な電位であれば、特に限定されないが、例えば、0.35〜0.7V(vs.RHE)の範囲内であることが好ましく、0.4V(vs.RHE)であることが特に好ましい。
電位を付与する時間は、特に限定されないが、60分以上行うことが好ましく、反応電流が定常となり、ゼロに近づくまで行うことがより好ましい。
電位の付与は、上記電位範囲を含む範囲において電位を掃引することによって行ってもよい。掃引する電位範囲としては、具体的には、0.3〜0.8V(vs.RHE)であることが好ましい。
電位掃引のサイクル数は、特に限定されないが、1〜10,000サイクルであることが好ましい。また、電位の掃引速度は、例えば、0.01〜100mV/秒である。
銅被覆工程は、パラジウム含有微粒子の表面の酸化防止や銅の酸化防止の観点から、窒素雰囲気等の不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましい。
また、銅被覆工程において、第2の分散液は、必要に応じて適宜攪拌することが好ましい。例えば、上記図3に示す装置のように、作用極を兼ねる反応容器を用い、該反応容器内の第2の分散液中にパラジウム含有微粒子が分散している場合、第2の分散液を攪拌することで、各パラジウム含有微粒子を作用極である反応容器の表面に接触させ、各パラジウム含有微粒子に均一に電位を付与させることができる。この場合、攪拌は、銅被覆工程中、連続的に行ってもよいし、断続的に行ってもよい。
銅被覆工程における、反応系内の温度は、特に限定されないが、銅被覆工程と後述する白金被覆工程とを、同じ反応容器内で行う場合には、白金被覆工程における反応系内の温度を速やかに−3℃以上10℃以下にする観点から、−3℃以上10℃以下に維持することが好ましい。
(3)白金被覆工程
白金被覆工程は、上記銅被覆工程後に、前記第2の分散液と白金含有溶液とを混合することによって、パラジウム含有微粒子の少なくとも一部を被覆している銅と白金とを置換する結果、パラジウム含有微粒子の少なくとも一部を白金で被覆する工程である。
白金被覆工程において、反応系内の温度は、−3℃以上10℃以下に維持されていることが好ましく、パラジウム含有微粒子の表面に対し均一にシェルを形成させる観点から、3℃以上9℃以下、特に5℃以上8℃以下に維持されていることがより好ましい。−3℃未満であると、溶液が凍結して反応が進行しなくなる恐れがあり、10℃を超えると十分な白金質量活性が得られなくなる恐れがあるからである。
反応系内の温度を維持する方法としては、特に限定されず、循環冷却装置(チラー)、冷却管等を用いる方法が挙げられる。
白金含有溶液は、少なくとも白金イオン及び反応抑制剤を含有するものであれば特に限定されない。白金含有溶液中においては、白金はイオンとして存在していてもよいし、白金錯体等の白金化合物として存在していてもよい。
反応抑制剤は、銅と白金との置換反応を抑制することができるものであれば、特に限定されない。反応抑制剤としては、白金、パラジウム含有微粒子表面に析出した銅、パラジウム含有微粒子表面に露出したパラジウム等と溶液中において錯体を形成する錯体形成剤等が挙げられる。
錯体形成剤としては、クエン酸、クエン酸のナトリウム塩、クエン酸のカリウム塩、エチレンジアミン四酢酸(以下、EDTAと称する場合がある)、EDTAのナトリウム塩、及びEDTAのカリウム塩等が挙げられ、クエン酸が好ましい。上記錯体形成剤は、1種類のみ用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。これらの錯体形成剤は、溶液中において白金、銅と錯体を形成するため、銅と白金との置換反応を抑制し、その結果、パラジウム含有微粒子の表面に対し均一に白金含有シェルを被覆することができる。
白金含有溶液中における反応抑制剤の濃度は特に限定されないが、白金イオン濃度の1〜10倍であることが好ましい。
白金含有溶液に用いられる白金塩は、例えば、KPtCl、KPtCl等を用いることができ、また、([PtCl][Pt(NH])等のアンモニア錯体を用いることもできる。
白金含有溶液中において白金イオン濃度は特に限定されないが、0.01〜100mMであることが好ましい。
白金含有溶液に用いることができる溶媒は、上述した銅含有溶液に用いられる溶媒と同様とすることができる。
また、白金含有溶液には、上記溶媒、反応抑制剤及び白金塩の他にも、例えば、酸等を含んでいてもよい。酸としては、上述した銅含有溶液に用いられる酸と同様とすることができる。
白金含有溶液は、反応系内の温度を−3℃以上10℃以下に維持する観点から、事前に−3℃以上10℃以下に調整しておくことが好ましく、また、十分に攪拌し、パラジウム含有微粒子の表面の酸化防止や、銅の酸化防止の観点から、当該溶液中には予め窒素をバブリングさせることが好ましい。
置換時間(白金含有溶液とパラジウム含有微粒子との接触時間)は、特に限定されないが、10分以上行うことが好ましく、白金含有溶液を加えていくと、反応溶液の電位が上昇していくため、そのモニター電位が変化しなくなるまで置換させることがより好ましい。
パラジウム含有微粒子の表面に析出した銅に白金含有溶液を接触させる方法は特に限定されない。銅被覆工程と白金被覆工程とを、同じ反応容器内で行う場合には、銅被覆工程に使用した銅含有溶液に、白金含有溶液を加えてもよい。例えば、図3に示した電気化学装置200を用いる場合には、銅被覆工程後に、反応容器11の電位制御を停止し、攪拌子17で酸性溶液13を攪拌しながら、反応容器11に白金含有溶液を徐々に添加することで、銅が析出したパラジウム含有微粒子を白金含有溶液に接触させてもよい。
本工程により形成される白金含有最外層は、触媒活性が高いことが好ましい。ここでいう触媒活性とは、燃料電池用触媒としての活性、特に酸素還元反応(ORR)活性のことを指す。
白金含有最外層は、白金のみを含んでいてもよいし、白金以外にイリジウム、ルテニウム、ロジウム、又は金を含んでいてもよい。白金含有最外層に白金合金を用いる場合には、当該白金合金には白金の他に金属が1種類のみ含まれていてもよいし、2種類以上含まれていてもよい。
上述した電位付与工程において、Pd{111}面がPd{110}面及びPd{100}面よりも十分大きく成長している。Pd{111}面の上にはPt{111}結晶が成長しやすいため、白金被覆工程を経た触媒微粒子表面においては、Pt{111}面の割合が最も高くなる。触媒活性の高いPt{111}面の面積の割合を従来よりも増やすことにより、得られる触媒微粒子の触媒活性を高めることができる。
(4)洗浄工程
洗浄工程は、白金被覆工程後、銅が白金に置換されたパラジウム含有微粒子を水により洗浄する工程である。洗浄工程は、担体表面に物理吸着している反応抑制剤を溶出する観点から、酸処理工程前に行うことが好ましい。
洗浄工程においては、水として冷水を用いてもよいし、温水を用いてもよい。また、冷水と温水を組み合わせて洗浄に用いてもよい。具体的には、パラジウム含有微粒子を30℃未満の冷水により洗浄した後に、温水により洗浄してもよい。
温水は、担体表面に物理吸着している反応抑制剤を溶出する観点から、その温度が30℃以上100℃以下であることが好ましい。
洗浄工程は、パラジウム含有微粒子を水中、好ましくは温水中に分散させて洗浄する工程であることが好ましい。パラジウム含有微粒子を水中に分散させる方法は特に限定されず、例えば、超音波による分散法や、ボールミルにより粉砕した後に水中に加える方法、ナノマイザー等のせん断力を用いた装置により分散する方法等が挙げられる。これらの中でも、パラジウム含有微粒子の構造を比較的傷つけにくいという観点から、超音波による分散法を用いることが好ましい。
洗浄工程は、洗浄に使用された水(以下、洗浄水と称する場合がある)の伝導度が、10μS/cm以下となるまで、繰り返すことが好ましい。洗浄水の伝導度が高い場合には、担体表面に物理吸着している反応抑制剤の量が未だ多いものと判定できるからである。洗浄水とは、具体的には、容器中に水1L当たりパラジウム含有微粒子10gを加えて分散させた後に得られる上澄み液を指す。
(5)酸処理工程
酸処理工程は、白金被覆工程後、銅が白金に置換されたパラジウム含有微粒子に、酸性溶液を接触させる工程である。酸処理により、露出したパラジウム含有微粒子を選択的に溶出し、パラジウム含有微粒子が小さくなることにより白金含有最外層の欠陥部位が修復され、触媒微粒子の白金質量活性を向上させることができる。
酸性溶液としては、例えば、硝酸、硫酸、過塩素酸、塩酸、次亜塩素酸等が挙げられ、この中でも強酸性であることから硝酸が好ましい。
酸性溶液の濃度は、例えば、酸性溶液として硝酸を用いる場合には、硝酸の濃度は、1.0×10−4〜2mol/L、特に1.0×10−3〜1mol/L、さらに1.0×10−2〜1.0×10−1mol/Lであることが好ましい。
また、酸性溶液として硫酸を用いる場合には、硫酸の濃度は、1.0×10−4〜2mol/L、特に1.0×10−3〜1mol/L、さらに1.0×10−2〜1.0×10−1mol/Lであることが好ましい。
酸性溶液の温度は、白金含有最外層の欠陥部位の補修を効果的に且つ効率良く実施できることから、40℃以上、特に50℃以上であることが好ましく、また、パラジウム含有微粒子の凝集等を防止する観点から、90℃以下、特に80℃以下であることが好ましい。
また、パラジウム含有微粒子を酸性溶液に接触させる時間は、酸性溶液の種類、濃度、温度等に応じて、適宜調節することができ、例えば30分間〜2時間程度でよい。
パラジウム含有微粒子を酸性溶液に接触させる方法は特に限定されない。十分に酸処理が進行するという観点から、パラジウム含有微粒子を酸性溶液中に浸漬させる方法が好ましい。浸漬の際、酸性溶液は、超音波ホモジナイザー、マグネチックスターラー、攪拌羽つきモーター等を用いて、分散及び攪拌することが好ましい。
(6)乾燥工程
乾燥工程は、白金被覆工程後、得られた触媒微粒子を乾燥させる工程である。
触媒微粒子の乾燥は、溶媒等を除去できる方法であれば特に限定されず、例えば、不活性ガス雰囲気下、50〜100℃の温度を6〜12時間保持する方法等が挙げられる。
触媒微粒子は必要に応じて粉砕してもよい。粉砕方法は、固形物を粉砕できる方法であれば特に限定されない。当該粉砕の例としては、不活性ガス雰囲気下、或いは大気下における乳鉢等を用いた粉砕や、ボールミル、ターボミル等のメカニカルミリングが挙げられる。
本発明により得られる触媒微粒子は、燃料電池用であることが好ましい。酸素還元活性に優れるという観点から、本発明により得られる触媒微粒子は、燃料電池用電極に使用されることがより好ましく、燃料電池用カソード電極に使用されることがさらに好ましい。
本発明により得られる触媒微粒子において、パラジウム含有微粒子の溶出をより抑制できるという観点から、パラジウム含有微粒子に対する白金含有最外層の被覆率は、通常0.5〜2、好ましくは0.8〜1である。パラジウム含有微粒子に対する白金含有最外層の被覆率が0.5未満である場合、電気化学反応においてパラジウム含有微粒子が溶出し、その結果、触媒微粒子が劣化するおそれがある。
なお、ここでいう「パラジウム含有微粒子に対する白金含有最外層の被覆率」とは、パラジウム含有微粒子の全表面積を1とした時の、白金含有最外層により被覆されているパラジウム含有微粒子の面積の割合のことである。当該被覆率を算出する方法の一例を以下説明する。まず、誘導結合プラズマ質量分析法(Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometry:ICP−MS)等により、触媒微粒子中の最外層金属含有量(A)を測定する。一方で、透過型電子顕微鏡(TEM)等により、触媒微粒子の平均粒径を測定する。測定した平均粒径から、その粒径の粒子が表面に有する原子の数を推定し、粒子表面の1原子層が白金含有最外層に含まれる金属に置き換わった場合の最外層金属含有量(B)を推定する。最外層金属含有量(A)を最外層金属含有量(B)で除した値が、「パラジウム含有微粒子に対する白金含有最外層の被覆率」となる。
パラジウム含有微粒子を被覆する白金含有最外層は、単原子層であることが好ましい。このような構造を有する触媒微粒子は、2原子層以上の白金含有最外層を有する触媒微粒子と比較して、白金含有最外層における触媒性能が極めて高いという利点、及び、白金含有最外層の被覆量が少ないため材料コストが低いという利点がある。
なお、触媒微粒子の平均粒径は、3.0nm以上であるのが好ましく、3.5nm以上であるのがより好ましい。触媒微粒子の平均粒径は、6.0nm以下であるのが好ましく、5.5nm以下であるのがより好ましい。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
1.カーボン担持触媒の製造
[実施例1]
1−1.第1の分散液の調製
カーボン担体としてOSAB(:商品名、電気化学工業製)を用いた。カーボン担体を硝酸に分散させ、当該分散混合物に塩化パラジウム酸を加えた。100℃以下の温度条件下にて加熱しながら、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)を加えパラジウムを還元した。反応終了後、反応混合物をろ過し、ろ過物を洗浄した後、不活性雰囲気下で24時間乾燥させ、カーボン担持パラジウムを製造した。得られたカーボン担持パラジウムにおいて、パラジウム微粒子の平均粒径は5.2nmであった。製造後のカーボン担持パラジウム5gを純水1L中に加え、超音波ホモジナイザーを用いて、カーボン担持パラジウムを純水中に分散させ、第1の分散液を調製した。
図4は、実施例1に使用されたカーボン担持パラジウムのTEM画像である。当該TEM画像中、白い点がパラジウム微粒子であり、薄く白いもやのように見える部分がカーボン担体である。このTEM画像から、500個以上のパラジウム微粒子について、その円相当粒子径を算出し、粒度分布のヒストグラムを作成した。
図5は、実施例1に使用されたカーボン担持パラジウムにおけるパラジウム微粒子の粒度分布を示すヒストグラムである。当該ヒストグラムに示されるように、当該パラジウム微粒子の円相当粒子径は4nmが最も多い。また、上述したように、その平均粒径は5.2nmである。
1−2.電位付与工程
得られた第1の分散液を図3に示す電気化学装置200の反応容器11内に投入し、硫酸を加えて、硫酸濃度が0.05mol/Lとなるように調整した。電気化学装置200をグローブボックス内に移し、第1の分散液中を不活性ガス(Nガス)により十分にバブリングすることによって酸素を脱気した。電気化学装置200の作用極(反応容器11)に対し電位範囲0.05〜1.2V(vs.RHE)を2,500サイクル、三角波の波形で電位を付与し、パラジウム微粒子表面とカーボン担体表面を十分クリーニングした。
図6は、実施例1に使用されたカーボン担持パラジウムを調製する途中で採取した、電位付与工程を行わなかったサンプル(サイクル数0)、サイクル数800、サイクル数1,200、サイクル数1,600、及びサイクル数2,000のサンプルについて、パラジウム酸化率(%)をプロットしたグラフである。パラジウム酸化率の測定方法及び算出方法は以下の通りである。
CVクリーニングを実施したカーボン担持パラジウムをX線光電子分光法(X−ray photoelectron spectroscopy)によって分析し、カーボン担持パラジウムに存在する酸素量を定量し、観測された酸素がパラジウム表面にのみ存在するとの仮定のもと、PdO酸化率を算出した。
使用装置:多機能走査型X線光電子分光装置(アルバック・ファイ製、商品名:VersaProbeII)
測定条件:
X線源:AlKα(モノクロ、25W)
分析領域:1.0×0.5mm(0.1mmφプローブをスキャン)
帯電中和機構(電子線+イオンビーム)使用
図6から分かる通り、サイクル数0のパラジウム酸化率は55%を超えており、電位処理を行っていないパラジウム表面の過半数が酸化パラジウムで覆われていることが分かる。サイクル数を増やすごとにパラジウム酸化率は徐々に低下し、サイクル数2,000のサンプルにおいてパラジウム酸化率は10%まで減少した。
以上の結果より、電位付与工程を行うことにより、カーボン担持パラジウム中のパラジウム表面の大部分からパラジウム酸化物が除かれることが分かる。
図7は、実施例1における、電位付与工程前のパラジウム含有微粒子のサイクリックボルタモグラム(細い曲線)及び2,500サイクル目のパラジウム含有微粒子のサイクリックボルタモグラム(太い曲線)を重ねて示したグラフである。サイクリックボルタンメトリーは、図2に示す電気化学装置により行った。サイクリックボルタンメトリーの条件は以下の通りである。
・電解液:0.1M 過塩素酸水溶液(不活性ガスをバブリングさせる)
・雰囲気:不活性ガス雰囲気下
・掃引速度:50mV/sec
・電位掃引範囲(電位窓):0.35〜0.70V(vs.RHE)
・参照極:可逆水素電極(RHE)
図7の細い曲線から明らかなように、初期のサイクリックボルタモグラムにおいては、0.52V(vs.RHE)付近に現れる、Pd{111}面を示すピークは未だ小さく、0.50V(vs.RHE)未満の領域に現れるPd{110}又はPd{100}を示すピークの方が大きい。これに対し、図7の太い曲線から明らかなように、2,500サイクル目のサイクリックボルタモグラムにおいては、0.50V(vs.RHE)に現れていたピークはほぼ消滅し、0.52V(vs.RHE)のピークが最も大きい。これは、0.05〜1.2V(vs.RHE)という広い電位範囲において電位を掃引させた結果、より電気化学的に安定な面であるPd{111}面の成長が促進されたことによるものと考えられる。
1−3.銅被覆工程(Cu−UPD)
引き続き図3に示す電気化学装置200を使用し、反応容器11中の第1の分散液を窒素でバブリングしながら、硫酸銅5水和物14.6gを0.05M硫酸66mLに溶解させた銅含有溶液を反応容器11に加えて第2の分散液を調製した。作用極(反応容器11)の電位を0.4V(vs.RHE)に2時間固定することにより、第2の分散液中で当該電位をパラジウム含有微粒子に付与し、銅をパラジウム微粒子上に析出させた。
1−4.白金被覆工程
0.4V(vs.RHE)の電位制御を止め、KPtCl161.3mgとクエン酸1水和物4.5gを0.05M硫酸140mLに溶解させた白金含有溶液を、第2の分散液を含む反応容器11中に約80分かけて加え、その後、1時間攪拌し、銅を白金に置換した。ここで添加した白金原子量は、パラジウム微粒子を白金の単原子層により被覆する場合に要する最少白金原子量を100atm%としたとき、100atm%であった。
1−5.後処理
反応溶液を濾過し、カーボン担持触媒を回収、洗浄、乾燥した後、メノウ乳鉢と乳棒を用いて粉砕することにより、実施例1のカーボン担持触媒を製造した。
[実施例2]
電位付与工程において、付与する電位の範囲の上限を1.2V(vs.RHE)から1.4V(vs.RHE)に変えたこと以外は、実施例1と同様に、実施例2のカーボン担持触媒を製造した。
[実施例3]
パラジウム微粒子の平均粒径が3.8nmであるカーボン担持パラジウムを製造し、かつ使用したこと以外は、実施例1と同様に、実施例3のカーボン担持触媒を製造した。
[比較例1]
電位付与工程において、付与する電位の範囲の上限を1.2V(vs.RHE)から1.0V(vs.RHE)に変えたこと以外は、実施例1と同様に、比較例1のカーボン担持触媒を製造した。
図12は、比較例1における、電位付与工程前のパラジウム含有微粒子のサイクリックボルタモグラム(細い曲線)及び2,500サイクル目のパラジウム含有微粒子のサイクリックボルタモグラム(太い曲線)を重ねて示したグラフである。
図12の細い曲線及び太い曲線から明らかなように、サイクリックボルタモグラムに現れるピークは、電位付与工程前及び2,500サイクル目で特に変化はない。すなわち、0.50V(vs.RHE)付近に現れるPd{110}又はPd{100}を示すピークがいずれも最も大きく現れる。これは、0.05〜1.0V(vs.RHE)という比較的狭い電位範囲において電位を掃引させた結果、Pd{111}面が成長しきらず、Pd{110}面又はPd{100}面が依然として最も広い結晶面であることを示している。
[比較例2]
電位付与工程において、付与する電位の範囲の上限を1.2V(vs.RHE)から0.8V(vs.RHE)に変えたこと以外は、実施例1と同様に、比較例2のカーボン担持触媒を製造した。
[比較例3]
電位付与工程において、付与する電位の範囲の上限を1.2V(vs.RHE)から0.45V(vs.RHE)に変えたこと以外は、実施例1と同様に、比較例3のカーボン担持触媒を製造した。
[比較例4]
パラジウム微粒子の平均粒径が1.6nmであるカーボン担持パラジウムを製造し、かつ使用したこと以外は、実施例1と同様に、比較例4のカーボン担持触媒を製造した。
図10は、比較例4に使用されたカーボン担持パラジウムにおけるパラジウム微粒子の粒度分布を示すヒストグラムである。当該ヒストグラムに示されるように、当該パラジウム微粒子の円相当粒子径は1.5nmが最も多い。また、上述したように、その平均粒径は1.6nmである。
[比較例5]
パラジウム微粒子の平均粒径が8.2nmであるカーボン担持パラジウムを製造し、かつ使用したこと以外は、実施例1と同様に、比較例5のカーボン担持触媒を製造した。
[比較例6]
パラジウム微粒子の平均粒径が10.5nmであるカーボン担持パラジウムを製造し、かつ使用したこと以外は、実施例1と同様に、比較例6のカーボン担持触媒を製造した。
図11は、比較例6に使用されたカーボン担持パラジウムにおけるパラジウム微粒子の粒度分布を示すヒストグラムである。当該ヒストグラムに示されるように、当該パラジウム微粒子の円相当粒子径は12nmが最も多い。また、上述したように、その平均粒径は10.5nmである。
[比較例7]
電位付与工程を行わなかったこと以外は、実施例1と同様に、比較例7のカーボン担持触媒を製造した。
2.カーボン担持触媒の触媒活性評価
実施例1〜3、比較例1〜7のカーボン担持触媒について、RDEを用いて、各触媒の質量活性を求めた。
(a)RDE測定
カーボン担持触媒を乾燥させ、得られた粉末を乳鉢によりすりつぶした。この粉末を、超純水6.0mL、イソプロパノール1.5mL、及び5%パーフルオロカーボンスルホン酸ポリマー系電解質(Nafion(登録商標)、デュポン株式会社製)分散液35μLの混合溶液中に分散させた。得られた分散液をRDEに塗布し、自然乾燥させた。
調製後のRDEを0.1M過塩素酸水溶液中に浸漬し、1,600rpmで回転させながら、リニアスイープボルタンメトリー(LSV)を行った。このとき、0.1M過塩素酸水溶液としては、予め酸素ガスをガス流速30mL/minで30分間以上バブリングさせたものを用いた。
LSVの手順としては、まず、電位を1.05Vから0.05V(vs.RHE)の範囲で10mV/秒の速度で繰り返し掃引した。0.9V(vs.RHE)及び0.35V(vs.RHE)における電流値が安定するまで掃引を繰り返した後、得られるリニアスイープボルタモグラムの還元波より、0.9V(vs.RHE)の電流値を酸素還元電流値(I0.9)、0.35V(vs.RHE)の電流値を拡散限界電流値(Ilim)とし、これらの電流値から、下記式(1)に基づき活性化支配電流値(Ik)を求めた。
活性化支配電流値(Ik)を、RDE上に塗布した白金量(g)により除することによって、白金の単位質量当たりの触媒活性(A/g−Pt)を算出した。
Ik=(Ilim×I0.9)/(Ilim−I0.9) 式(1)
(上記式(1)中、Ikは活性化支配電流値(A)を、Ilimは拡散限界電流値(A)を、I0.9は酸素還元電流値(A)を、それぞれ指す。)
(b)TEM−EDSによる被覆性評価
上記「1−2.電位付与工程」を行った40サンプル、及び当該「1−2.電位付与工程」を行わなかった40サンプルについて、透過型電子顕微鏡用エネルギー分散型X線分析(Transmission Electron Microscope−Energy Dispersive x−ray Spectroscopy:TEM−EDS)を行い、パラジウム表面に対する白金の被覆率を測定した。TEM−EDSの詳細な測定方法は以下の通りである。
TEM:
電界放射型透過電子顕微鏡(Cs補正付属)(日本電子製、商品名:JEM−2100F)
加速電圧:120kV
EDS:
UTW型Si(Li)半導体検出器(日本電子製)
ビーム径:0.2nm
粒子解析:住友金属テクノロジー製、粒子解析Ver.3.5(商品名)
図8は、上記80サンプルについて、触媒微粒子の粒径に対する白金被覆率の関係を示したグラフである。図8は、縦軸に白金被覆率(Pt/Pd(atm%/atm%))、横軸に触媒微粒子の粒径(nm)をとったグラフである。図8中、上記「1−2.電位付与工程」を行ったサンプルのデータを白四角のプロットで、上記「1−2.電位付与工程」を行わなかったサンプルのデータを黒四角のプロットでそれぞれ示した。また、図8中の太い曲線は、パラジウム微粒子の全表面が白金単原子層により覆われた最も理想的な場合における、粒径に対する白金被覆率の理論値を示すグラフである(以下、1ML曲線と称する場合がある。)。当該曲線より上に存在するプロットは、白金被覆率が十分高いと評価できる一方、当該曲線より下に存在するプロットは、白金含有最外層に欠陥があると評価できる。
図8から分かる通り、1ML曲線よりも上側には白四角のプロットが多く分布しているのに対し、1ML曲線よりも下側には黒四角のプロットが多く密集している。この結果は、カーボン担持パラジウムに対して電位付与工程を行うことにより、粒径を問わず白金被覆率を向上させることができることを示す。
下記表1に、実施例1〜3、比較例1〜7のカーボン担持触媒のPd{111}ピークの評価及び質量活性を、製造方法の詳細と併せて示す。
3.触媒評価のまとめ
上記表1より、比較例1〜比較例3においては、電位付与工程における電位の上限値を1.0V(vs.RHE)、0.8V(vs.RHE)、又は0.45V(vs.RHE)とした。比較例1〜比較例3の電位付与工程を経たパラジウム微粒子について、サイクリックボルタモグラムの還元波上のPd{111}面を示すピークは、Pd{110}面を示すピーク及びPd{100}面を示すピークよりも大きくはならなかった。
比較例1〜比較例3の質量活性は、650(A/g−Pt)、640(A/g−Pt)、又は450(A/g−Pt)である。これは、同じ平均粒径のパラジウム微粒子を使用した実施例1の質量活性の70%未満である。
このように、比較例1〜比較例3において質量活性が低かった理由は、Pd{111}面がパラジウム微粒子表面に十分に現れなかった結果、白金被覆工程を経て得られた触媒微粒子表面に触媒活性の高いPt{111}面が少なかったためと考えられる。
上記表1より、比較例4においては、平均粒径が1.6nmのパラジウム微粒子を用いた結果、電位付与工程において、サイクリックボルタモグラムの還元波上のPd{111}面を示すピークは、Pd{110}面を示すピーク及びPd{100}面を示すピークよりも大きくはならなかった。
比較例4の質量活性は240(A/g−Pt)である。これは、表1にまとめた実験結果中最も低い質量活性である。
このように、平均粒径が3.0nm未満のパラジウム微粒子を用いた比較例4において質量活性が低かった理由は、パラジウム微粒子表面において低配位パラジウム原子(エッジ部やコーナー部に位置するパラジウム原子)の割合が高いため、電位付与工程において低配位パラジウム原子が溶出した結果、白金被覆工程を経て得られた触媒微粒子表面にパラジウムが析出するなどして、触媒活性の高いPt{111}面が多く得られなかったためと考えられる。
上記表1より、比較例5及び比較例6においては、平均粒径が8.2nm又は10.5nmのパラジウム微粒子を用いた結果、電位付与工程において、サイクリックボルタモグラムの還元波上のPd{111}面を示すピークは、Pd{110}面を示すピーク及びPd{100}面を示すピークよりも大きくはならなかった。
比較例5及び比較例6の質量活性は540(A/g−Pt)又は420(A/g−Pt)である。これは、電位付与工程において同じ電位の幅を採用した実施例1の質量活性の60%未満である。
このように、平均粒径が6.0nmを超えるパラジウム微粒子を用いた比較例5及び比較例6において質量活性が低かった理由は、パラジウム微粒子の表面エネルギーが小さくパラジウム自体が安定であるため、電位付与工程を経ても微粒子表面のパラジウム原子の再配列が促進されず、Pd{111}面が十分成長しなかった結果、白金被覆工程を経て得られた触媒微粒子表面に触媒活性の高いPt{111}面が少なかったためと考えられる。
上記表1より、電位付与工程を実施しなかった比較例7においては、質量活性は400(A/g−Pt)である。これは、電位付与工程を行った実施例1の質量活性の約40%である。
図9は、実施例1と比較例7の質量活性を比較した棒グラフである。図9から分かる通り、実施例1の質量活性は、比較例7の質量活性の2倍を超える。よって、本発明における電位付与工程により、パラジウム微粒子表面のパラジウム原子の配列が組み替わり、Pd{111}面の成長が促進される結果、得られるカーボン担持触媒の質量活性が飛躍的に増加することが分かる。
上記表1より、実施例1〜実施例3においては、平均粒径が5.2nm又は3.8nmのパラジウム微粒子を使用し、かつ電位の上限値を1.2V(vs.RHE)又は1.4V(vs.RHE)として電位付与工程を実施した結果、サイクリックボルタモグラムの還元波上のPd{111}面を示すピークが、Pd{110}面を示すピーク及びPd{100}面を示すピークよりも大きくなった。また、このような条件の電位付与工程を経て得られた実施例1〜実施例3のカーボン担持触媒は、質量活性が870(A/g−Pt)以上と従来よりも高い結果となった。
このように、平均粒径が3.0nm以上6.0nm以下のパラジウム微粒子を用い、かつ電位付与工程において、サイクリックボルタモグラムの還元波におけるPd{111}面を示すピークがPd{110}面を示すピーク及びPd{100}面を示すピークよりも大きくなるまでパラジウム含有微粒子に電位を付与する本発明の製造方法により、従来よりも優れた触媒性能を有するカーボン担持触媒を得ることができる。
1 ガラスセル
2 電解液
3 分散液
4 作用極
5 参照極
6 対極
7 気体の導入管
8 気泡
11 反応容器
12 カーボン担持パラジウム(Pd/C)
13 酸性溶液
14 参照極
15 対極
16 対極用コンパートメント
17 攪拌子(スターラーバー)
100,200 電気化学装置

Claims (3)

  1. パラジウム含有微粒子、及び当該パラジウム含有微粒子の少なくとも一部を被覆する白金含有最外層を備える触媒微粒子の製造方法であって、
    平均粒径が3.0nm以上6.0nm以下のパラジウム含有微粒子が酸性溶液中に分散して構成される第1の分散液中で、サイクリックボルタモグラムの還元波におけるPd{111}面を示すピークが、前記サイクリックボルタモグラムの還元波におけるPd{110}面又はPd{100}面を示すピークよりも大きくなるまで前記パラジウム含有微粒子に電位を付与する電位付与工程、
    前記電位付与工程後に、前記第1の分散液と銅含有溶液とを混合することにより第2の分散液を調製し、かつ、当該第2の分散液中で、銅の酸化還元電位よりも貴な電位を前記パラジウム含有微粒子に付与することによって、当該パラジウム含有微粒子の少なくとも一部を銅により被覆する銅被覆工程、並びに
    前記銅被覆工程後に、前記第2の分散液と白金含有溶液とを混合することによって、前記パラジウム含有微粒子の少なくとも一部を被覆している銅と白金とを置換する結果、前記パラジウム含有微粒子の少なくとも一部を白金により被覆する白金被覆工程、
    を有することを特徴とする、触媒微粒子の製造方法。
  2. 前記電位付与工程において、少なくとも1.2V(vs.RHE)を含む範囲となるように電位を掃引する、請求項1に記載の触媒微粒子の製造方法。
  3. 前記請求項1又は2に記載の触媒微粒子がカーボン担体に担持されたカーボン担持触媒の製造方法であって、
    前記電位付与工程に用いられるパラジウム含有微粒子がカーボン担体に担持されていることを特徴とする、カーボン担持触媒の製造方法。
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