以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
以下、本発明を具体化した第1実施例、第2実施例を図面を参照しつつ説明する。
(第1実施例)
図1に示す画像読取装置1は、本発明のシート搬送装置およびシート搬送装置を備えた画像読取装置の具体的態様の一例である。図1では、第二の排出口12側を装置の前側と規定し、第二の排出口12に対向した場合に左手に来る側を左側と規定して、前後、左右及び上下の各方向を表示する。そして、図2以降に示す各方向は、全て図1に示す各方向に対応させて表示する。以下、図1等に基づいて、画像読取装置1が備える各構成要素について説明する。
<画像読取装置の全体構成>
図1〜図7に示すように、画像読取装置1は、筐体30と、給送トレイ36と、搬送部40と、読取部55と、タッチパネル70と、開閉位置センサ60と、原稿Fセンサ61と、カードFセンサ62と、原稿Rセンサ63と、カードRセンサ64等の各種センサと、ネットワークI/F80と、制御基板54と、電源ユニット59とを備えている。
図3、図6及び図7に示すように、筐体30は、第1筐体31と、第2筐体32と、一対のサイドフレーム33L、33Rとが組み合わされてなる。
(1)筐体の構成
上側に位置する第1筐体31と、下側に位置する第2筐体32とは、上下方向の間隔を有して互いに対向している。左側のサイドフレーム33L及び右側のサイドフレーム33Rは、第1筐体31及び第2筐体32を左右方向の外側から挟んでいる。
第1筐体31は、上面31A、前面31B及び上側案内面31G等を有する箱状体である。上面31Aは、上方を向く平面である。上面31Aは、後方に向かって上り傾斜している。上面31Aの中央には、タッチパネル70が設けられている。前面31Bは、前方を向く平面である。前面31Bは、上面31Aの前端縁に連続し、下方に向かって垂直に延びている。上側案内面31Gは、下方を向く屈曲平面である。上側案内面31Gは、前面31Bの下端縁31BAに連続し、後方に向かって水平に延びている。そして、上側案内面31Gは、第1筐体31における前後方向の中央において上向きに屈曲し、後方に向かって上り傾斜している。
第2筐体32は、前面32B、下側案内面32G及び後面32Cを有する箱状体である。前面32Bは、前方を向く平面である。前面32Bの上端縁32BAは、前面31Bの下端縁31BAに対して、隙間を有して下側に離間している。前面32Bは、下方に向かって垂直に延びている。下側案内面32Gは、上方を向く屈曲平面である。下側案内面32Gは、前面32Bの上端縁32BAに連続し、後方に向かって水平に延びている。そして、下側案内面32Gは、第2筐体32における前後方向の中央において上向きに屈曲し、後方に向かって上り傾斜している。後面32Cは、後方を向く平面である。後面32Cは、下側案内面32Gの後端縁に連続し、下方に向かって垂直に延びている。
図5及び図7に示すように、第2筐体32は、下側カード案内面32I及び上側カード案内面32Hを有している。下側カード案内面32Iは、下側案内面32Gの水平部分における右端部に連続し、後方に向かって水平に延びて後面32Cまで達している。上側カード案内面32Hは、下側カード案内面32Iに対して上方に離間している。上側カード案内面32Hは、下側カード案内面32Iと平行に、後方に向かって水平に延びて後面32Cまで達している。図7に示すように、上側カード案内面32Hの高さは、上側案内面31Gの水平部分の高さとほぼ同じである。
図1〜図3及び図5〜図7に示すように、筐体30には、第一の導入口21と、第一の排出口22と、第一の搬送経路20と、第二の導入口11と、第二の排出口12と、第二の搬送経路10とが形成されている。
第一の導入口21及び第二の導入口11は、カードCAが第一の導入口21から第一の排出口22へ搬送される搬送方向である後方から前方に向かう方向において、読取部55に対して同じ側、すなわち、読取部55に対して後側に位置している。
第一の排出口22及び第二の排出口12は、カードCAの搬送方向である後方から前方に向かう方向において、読取部55に対して第一の導入口21及び第二の導入口11と反対側、すなわち、読取部55に対して前側に位置している。
図3及び図6に示すように、第二の導入口11に、原稿SHが導入される。原稿SHは、例えば、用紙やOHPシート等である。原稿SHは、本発明の「シート」の一例である。より詳しくは、第二の導入口11は、上側案内面31Gの後端縁と、下側案内面32Gの後端縁とから構成されている。第二の導入口11は、左側のサイドフレーム33Lの近傍から右側のサイドフレーム33Rの近傍まで、左右方向に延びている。第二の導入口11の左右方向の長さは、原稿SHの幅よりも長くされている。
第二の排出口12から、原稿SHが排出される。より詳しくは、第二の排出口12は、前面31Bの下端縁31BAと、前面32Bの上端縁32BAとから構成されている。第二の排出口12は、左側のサイドフレーム33Lの近傍から右側のサイドフレーム33Rの近傍まで、左右方向に延びている。第二の排出口12の左右方向の長さは、第二の導入口11と同様、原稿SHの幅よりも長くされている。第二の排出口12は本発明の「排出部」の一例である。
図6及び図7に示すように、第二の搬送経路10は、第二の導入口11から第二の排出口12へ原稿SHを案内する通路である。より詳しくは、第二の搬送経路10は、上側案内面31Gと下側案内面32Gとから構成される通路である。なお「案内」とは、必ずしも原稿SHが上側案内面31G又は下側案内面32Gに常に当接しながら搬送することを意味しない。従って、例えば、「案内」されるとは、原稿SHが下側案内面32Gに時折当接して搬送されることも含む記載である。第二の搬送経路10は、第二の導入口11から前方に向かって下り傾斜している。そして、第二の搬送経路10は、筐体30における前後方向の中央において前向きに屈曲し、第二の排出口12まで水平に延びている。第二の搬送経路10は、本発明の「第二の搬送経路」の一例である。
図2、図5及び図7に示すように、第一の導入口21に、原稿SHよりも幅狭のカードCAが導入される。カードCAは、原稿SHより小面積の枚葉である。カードCAは、例えば、名刺、キャッシュカード、会員証又は免許証等である。カードCAが名刺等の紙製枚葉であれば、その肉厚は原稿SHと同程度の厚さである。また、カードCAがキャッシュカード等の樹脂製枚葉であれば、その肉厚は原稿SHより厚く、剛性が高い。カードCAは、本発明の「特定の種類のシート」の一例である。より詳しくは、第一の導入口21は、後面32Cにおける上下方向の中間部、かつ右側のサイドフレーム33R側において前後方向に開口している。第一の導入口21は、上側カード案内面32Hの後端縁と、下側カード案内面32Iの後端縁とから構成されており、左右方向に延びている。第2導入口21の左右方向の長さは、カードCAの幅よりも長くされている。第一の導入口21の高さは、第二の搬送経路10の水平部分及び第二の排出口12の高さとほぼ同じである。
図1、図3、図5及び図7に示すように、第一の排出口22から、カードCAが排出される。より詳しくは、第一の排出口22は、前面31Bの下端縁31BAにおける右端部31BBと、前面32Bの上端縁32BAにおける右端部32BBとから構成される。第一の排出口22は本発明の「排出部」の一例である。図3に示すように、第一の排出口22は、右側のサイドフレーム33Rの近傍から左方に向かって細長く延びている。第一の排出口22の左右方向の長さも、第一の導入口21と同様、カードCAの幅よりも長くされている。第一の排出口22は、第二の排出口12の右端側の一部と共用されている。
すなわち、第二の排出口12は、第一の排出口22の下部領域22Aを含む。従って、原稿SHは、第一の排出口22の下部領域22Aを通過して、第一の排出口22の下部領域22Aから排出され得る。カードCAは、第一の排出口22の下部領域22Aから排出、又は第一の排出口22の下部領域22A及び第一の排出口22の上部領域22Bから排出され得る。このように、本実施例において、第一の排出口22と第二の排出口12とは、一部が共用されている。なお、本発明はこの構成に限定されない。すなわち、第一の排出口22と第二の排出口12とは、それぞれ専用に設けられる構成であってもよい。
第一の排出口22の上下方向の開口幅W2は、カードCAの厚みの範囲に対応して、第二の排出口12の上下方向の開口幅W1よりも大きくされている。
図5及び図7に示すように、第一の搬送経路20内を、第一の導入口21から第一の排出口22へカードCAが案内される。より詳しくは、第一の搬送経路20は、上側カード案内面32Hと、下側カード案内面32Iと、上側案内面31Gの水平部分と、下側案内面32Gの水平部分とから構成されている。第一の搬送経路20は、後方の第一の導入口21から前方の第一の排出口22まで水平に延びている。つまり、第二の搬送経路10の一部は、第一の搬送経路20の一部を兼ねている。第一の搬送経路20は、本発明の「第一の搬送経路」の一例である。このように、本実施例において、第一の搬送経路20と第二の搬送経路10とは、一部が共用されている。なお、本発明はこの構成に限定されない。第一の搬送経路20と第二の搬送経路10とは、それぞれ専用に設けられる構成であってもよい。
(2)給送トレイの構成
図1等に示すように、給送トレイ36は、第1トレイ37と、第2トレイ38とを有している。
第1トレイ37は平板形状である。図3及び図5に示すように、第1トレイ37の左右の角部には、一対のヒンジ部37L、37Rが一体に形成されている。第1トレイ37の中央には、矩形状に開口する操作開口39が形成されている。第1トレイ37は、両ヒンジ部37L、37Rを介して、回動軸心X1周りに回動可能に両サイドフレーム33L、33Rに支持されている。回動軸心X1は、サイドフレーム33L、33Rの後側上端部に位置して左右方向に延びている。
第2トレイ38は、左右方向に細長い平板形状である。第2トレイ38は、第1トレイ37における両ヒンジ部37L、37Rとは反対側の左右の角部に連結されている。これにより、第2トレイ38は、左右方向に延びる回動軸心X2周りに第1トレイ37に支持されている。
図1、図2及び図7に示すように、第1トレイ37が閉じた状態では、第二の導入口11を閉鎖し、第1筐体31の上面31Aを上方から覆っている。この第1トレイ37が閉じた状態となった、図1、図2及び図7に示す給送トレイ36の位置を「閉位置」とする。給送トレイ36が閉位置にある場合、第1トレイ37は、回動軸心X1から前方に向かって下り傾斜するように位置している。給送トレイ36が閉位置にある場合、第2トレイ38は、回動軸心X2から下方に垂直に延びて、第1筐体31の前面31Bを前方から覆っている。図1に示すように、操作開口39は、給送トレイ36が閉位置にある状態でタッチパネル70を外部に露出させている。
そして、図3、図5及び図6に示すように、第1トレイ37が図1等に示す状態から回動軸心X1周りに後方に回動して開かれる。第2トレイ38が図1等に示す状態から回動軸心X2周りに後方に回動して開かれる。これらの回動により、図3、図5及び図6に示すように、第1トレイ37及び第2トレイ38が筐体30の後ろ側で後方に向かって上り傾斜する位置に変位する。図3、図5及び図6に示す給送トレイ36の位置を「開位置」とする。
図1及び図7に示すように、給送トレイ36が閉位置にある状態では、給送トレイ36の先端縁36E側が第二の排出口12及び第一の排出口22に向かって延びている。給送トレイ36の先端縁36E側とは、第2トレイ38の先端縁側のことである。
また、図3及び図6に示すように、給送トレイ36は、開位置では下側案内面32Gの傾斜部分に連続するように傾斜し、第二の導入口11に開放している。給送トレイ36には、1枚又は複数枚の原稿SHが載置される。図示は省略するが、給送トレイ36は、左右一対のガイド部を有している。ガイド部は、給送トレイ36に載置される原稿SHを左右方向の外側から挟んで左右方向の位置決めを行う。給送トレイ36に載置された原稿SHは、第二の導入口11に導入され、第二の搬送経路10において第二の排出口12へ案内される。
(3)搬送部の構成
図5〜図7に示すように、搬送部40は、供給ローラ41、分離パッド49、搬送ローラ42A、42B、42C、従動ローラ43A、43B、43C、排出ローラ44A、44B、44C及び従動ローラ45A、45B、45Cを有している。搬送部40は、本発明の「シート搬送部」の一例である。これらは、第二の搬送経路10において、第二の導入口11から第二の排出口12に向かって、供給ローラ41及び分離パッド49〜搬送ローラ42A、42B、42C及び従動ローラ43A、43B、43C〜排出ローラ44A、44B、44C及び従動ローラ45A、45B、45Cという順番で配設されている。以下、この順番で、これらの構成を説明する。
供給ローラ41は、第2筐体32内に回転可能に支持されている。供給ローラ41の上部は、下側案内面32Gの傾斜部分から第二の搬送経路10に露出している。そして、供給ローラ41は、給送トレイ36に載置された原稿SHに当接しつつ回転することにより、その原稿SHを第二の搬送経路10において第二の導入口11から第二の排出口12に向かって搬送する。
分離パッド49は、第1筐体31に組み付けられている。分離パッド49は、上側案内面31Gにおいて第二の搬送経路10に露出している。分離パッド49は、ゴムやエラストマー等の摩擦部材からなる板状体である。分離パッド49は、図示しない付勢部材に付勢されて、供給ローラ41に押し付けられている。これにより、分離パッド49は、第二の搬送経路10において搬送される原稿SHを供給ローラ41と挟んで一枚ずつ分離し得る。
図5〜図7に示すように、搬送ローラ42A、42B、42Cは、1本の回転軸42Sにより第2筐体32内に回転可能に支持されている。搬送ローラ42A、42B、42Cの上部は、下側案内面32Gの傾斜部分と水平部分との接続部から第二の搬送経路10に露出している。搬送ローラ42A、42B、42Cは、供給ローラ41と同期回転する。従動ローラ43A、43B、43Cは、1本の回転軸43Sにより第1筐体31内に回転可能に支持されている。従動ローラ43A、43B、43Cの下部は、上側案内面31Gの傾斜部分と水平部分との接続部から第二の搬送経路10に露出している。従動ローラ43A、43B、43Cは、図示しない付勢部材に付勢されて、搬送ローラ42A、42B、42Cに押し付けられている。これにより、搬送ローラ42A、42B、42Cは、第二の搬送経路10において搬送される原稿SHを従動ローラ43A、43B、43Cと挟んで回転し、原稿SHを第二の排出口12へ搬送する。搬送ローラ42Cは、第一の導入口21から導入されるカードCAを第一の搬送経路20において従動ローラ43Cと挟んで回転し、カードCAを第一の排出口22へ搬送する。
排出ローラ44A、44B、44Cは、1本の回転軸44Sにより第2筐体32内に回転可能に支持されている。排出ローラ44A、44B、44Cの上部は、下側案内面32Gの水平部分から第二の搬送経路10に露出している。排出ローラ44A、44B、44Cは、供給ローラ41及び搬送ローラ42A、42B、42Cと同期回転する。従動ローラ45A、45B、45Cは、1本の回転軸45Sにより第1筐体31内に回転可能に支持されている。従動ローラ45A、45B、45Cの下部は、上側案内面31Gの水平部分から第二の搬送経路10に露出している。従動ローラ45A、45B、45Cは、図示しない付勢部材に付勢されて、排出ローラ44A、44B、44Cに押し付けられている。これにより、排出ローラ44A、44B、44Cは、第二の搬送経路10において搬送される原稿SHを従動ローラ45A、45B、45Cと挟んで回転し、原稿SHを第二の排出口12から筐体30の外部に排出する。排出ローラ44Cは、第一の搬送経路20において搬送ローラ42C及び従動ローラ43Cに搬送されるカードCAを従動ローラ45Cと挟んで回転し、カードCAを第一の排出口22から筐体30の外部に排出する。以下、搬送部40の各ローラの構成要素について区別する場合はA、B、Cの添え字を付し、区別しない場合は添え字を省略する。
(4)読取部の構成
図5〜図7に示すように、読取部55は、画像読取センサ55A、55Bを有している。読取部55は、本発明の「画像読取部」の一例である。画像読取センサ55A、55Bは、サイドフレーム33L近傍からサイドフレーム33R近傍まで、原稿SHやカードCAの搬送方向と直交する方向に延びる構成となっている。画像読取センサ55Aは、第2筐体32に組み付けられている。画像読取センサ55Aの上面は、下側案内面32Gの水平部分において第二の搬送経路10に露出している。画像読取センサ55Aは、搬送ローラ42と排出ローラ44との間に設けられる。画像読取センサ55Bは、第1筐体31に組み付けられている。画像読取センサ55Bの下面は、上側案内面31Gの水平部分において第二の搬送経路10に露出している。画像読取センサ55Bは、従動ローラ43と従動ローラ45との間に設けられる。すなわち、画像読取センサ55A、55Bは、第二の搬送経路10を上下方向から挟むように対向している。また、第二の搬送経路10の一部が第一の搬送経路20の一部を兼ねていることにより、図5及び図7に示すように、画像読取センサ55A、55Bは、第一の搬送経路20を上下方向から挟むように対向している。なお、「対向」とは必ずしも真対向を意味せず、例えば、原稿SHの搬送方向において、画像読取センサ55Aの一部が画像読取センサ55Bに対してずれていてもよい。画像読取センサ55A、55Bとしては、例えば、CIS(Contact Image Sensor)やCCD(Charge Coupled Device)等が採用される。
(5)タッチパネルの構成
図3及び図6等に示すように、タッチパネル70は、第1筐体31の内部における上面31A側に組み付けられている。タッチパネル70は、上面31Aにくり抜かれた矩形状のタッチパネル用開口31Hにより外部に露出している。タッチパネル70は、液晶パネルと、液晶パネルの背面側から光を照射する蛍光ランプやLED等の光源と、液晶パネルの表面に貼り合わされた接触感知膜とを有している。タッチパネル70は、本発明の「受付部」、「第1受付部」、「第2受付部」、「第3受付部」の一例である。また、本発明の「受付部」、「第1受付部」、「第2受付部」、「第3受付部」はタッチパネル70に限定されず、例えば、ボタン又はキー等であってもよい。また、本発明の「受付部」、「第1受付部」、「第2受付部」、「第3受付部」は、有線又は無線により本発明の画像読取装置に対して情報伝達可能に接続されるスマートフォンやパーソナルコンピュータ等の情報端末から指示を受け付けるネットワークI/F80であってもよい。
(6)各種センサの構成
図1及び図3等に示すように、開閉位置センサ60は、給送トレイ36の筐体30に対する位置を検知するものである。より詳しくは、開閉位置センサ60は、右側のサイドフレーム33Rの後側上端部に設けられて、右側のヒンジ部37Rに隣接している。開閉位置センサ60は、マイクロスイッチやロータリースイッチ等からなり、給送トレイ36の回動軸心X1周りの回動によって断接する。
図5及び図6に示すように、原稿Fセンサ61は、第二の導入口11における原稿SHの有無を検知するものである。より詳しくは、原稿Fセンサ61は、第1筐体31内に設けられている。原稿Fセンサ61は、上側案内面31Gにおける分離パッド49の周辺に位置し、搬送部40よりも原稿搬送方向上流側に位置している。原稿Fセンサ61は、物体の接近又は離間を検知する光学式近接センサや超音波式近接センサ等からなる。
図5及び図7に示すように、カードFセンサ62は、第一の導入口21におけるカードCAの有無を検知するものである。より詳しくは、カードFセンサ62は、第2筐体32内に設けられている。カードFセンサ62は、下側カード案内面32Iの後端縁側において第一の搬送経路20に露出し、搬送部40よりもカード搬送方向上流側に位置している。カードFセンサ62は、物体の接近又は離間を検知する光学式近接センサや超音波式近接センサ等からなる。カードFセンサ62は、本発明の「第一のセンサ」、「第二のセンサ」の一例である。
図5及び図6に示すように、原稿Rセンサ63は、第二の導入口11に挿入された原稿SHの有無を検知するものである。より詳しくは、原稿Rセンサ63は、第1筐体31内に設けられている。原稿Rセンサ63は、第1筐体31の上側案内面31Gにおける画像読取センサ55Bよりも原稿搬送方向上流側に位置し、従動ローラ43よりも原稿搬送方向下流側に位置している。原稿Rセンサ63は、物体の接近又は離間を検知する光学式近接センサや超音波式近接センサ等からなる。
図5及び図7に示すように、カードRセンサ64は、第一の導入口21に挿入されたカードCAの有無を検知するものである。より詳しくは、カードRセンサ64は、第2筐体32内に設けられている。カードRセンサ64は、第2筐体32の下側案内面32Gにおける画像読取センサ55Aよりも原稿搬送方向上流側に位置し、搬送ローラ42よりも原稿搬送方向下流側に位置している。カードRセンサ64は、物体の接近又は離間を検知する光学式近接センサや超音波式近接センサ等からなる。
(7)制御基板の構成
図4に示すように、制御基板54は、後述するCPU54A、ROM54B及びRAM54C等を備えている。これらCPU54A、ROM54B及びRAM54C等を備える制御基板54は、本発明の「制御部」の一例である。制御基板54は、第2筐体32の後方下側に設けられている。
(8)電源ユニットの構成
図4、図6及び図7に示すように、電源ユニット59が、図示しない家庭用コンセントに接続され、制御基板54を経由して、搬送部40、読取部55、タッチパネル70、開閉位置センサ60、原稿Fセンサ61、カードFセンサ62、原稿Rセンサ63及びカードRセンサ64等の各種センサ及びネットワークI/F80へ電力を供給する。
<画像読取装置の電気的構成>
図4に示すように、制御基板54は、CPU54A、ROM54B、RAM54C等を備え、ROM54Bには、後述するスキャン機能を実行するためのプログラムや、この画像読取装置1の各種の動作を実行するためのプログラムが記憶されている。CPU54Aは、ROM54Bから読み出したプログラムに従って、RAM54Cを用いながら画像読取装置1の各部を制御する。制御基板54は、搬送部40を駆動する駆動モータ40M、読取部55、タッチパネル70、開閉位置センサ60、原稿Fセンサ61、カードFセンサ62、原稿Rセンサ63及びカードRセンサ64等の各種センサ及びネットワークI/F80に電気的に接続されて、それらを制御する。
駆動モータ40Mは、制御基板54によって制御されることにより供給ローラ41を回転させる。また、駆動モータ40Mは、制御基板54によって制御されることにより回転軸42Sを回転させて、搬送ローラ42A、42B、42Cを、供給ローラ41と同期回転させる。また、駆動モータ40Mは、制御基板54によって制御されることにより回転軸44Sを回転させて、排出ローラ44A、44B、44Cを、供給ローラ41及び搬送ローラ42A、42B、42Cと同期回転させる。なお、本実施例では、駆動モータ40Mはステッピングモータであるが、ステッピングモータ以外のモータでもよい。また、制御基板54は、駆動モータ40Mを1ステップ駆動する度に駆動ステップ数を1カウントするカウンタ機能を有する。
画像読取センサ55Aは、制御基板54からの指令によって不図示の光源を点灯させて、上方を通過する原稿SHやカードCAの下面に光を照射し、原稿SHやカードCAにより反射された反射光を受光することにより、原稿SHやカードCAの下面の画像に応じた信号を出力する。画像読取センサ55Aは、出力された信号を制御基板54に伝達する。制御基板54は、出力された信号に基づき、画像データを生成し、生成した画像データをRAM54Cに記憶させる。また、画像読取センサ55Aは、制御基板54からの指令によって不図示の光源を消灯させる。画像読取センサ55Bは、制御基板54からの指令によって不図示の光源を点灯させて、下方を通過する原稿SHやカードCAの上面に光を照射し、原稿SHやカードCAにより反射された反射光を受光することにより、原稿SHやカードCAの上面の画像に応じた信号を出力する。画像読取センサ55Bは、出力された信号を制御基板54に伝達する。制御基板54は、出力された信号に基づき、画像データを生成し、生成した画像データをRAM54Cに記憶させる。また、画像読取センサ55Bは、制御基板54からの指令によって不図示の光源を消灯させる。
タッチパネル70は、外部に報知する。具体的には、タッチパネル70は、制御基板54に制御されて、画像読取動作の処理状況やエラー状況等である画像読取装置1の稼働状況等を表示する。また、タッチパネル70は、外部からの操作を受け付ける。具体的には、タッチパネル70は、図1に示す搬送部40の駆動を開始する指示を受け付ける「START」ボタンB1や、図8に示す搬送部40の駆動を中止する指示を受け付ける「STOP」ボタンB2のような各種のボタンを表示する。「START」ボタンB1は、本発明の「第2受付部」の一例である。「STOP」ボタンB2は、本発明の「受付部」、「第1受付部」、「操作部材」の一例である。そして、ユーザがいずれかのボタンに対応する処理の開始指示や中止指示や設定入力等を行うためにタッチパネル70に触れると、タッチパネル70はその操作を受け付けて、制御基板54に伝達する。
開閉位置センサ60は、給送トレイ36が閉位置にあることを検知し、その旨の検知信号を制御基板54に伝達する。また、開閉位置センサ60は、給送トレイ36が開位置にあることを検知し、その旨の検知信号を制御基板54に伝達する。原稿Fセンサ61は、第二の導入口11において第二の搬送経路10に原稿SHが存在するか否かに対応して2通りの検出信号を制御基板54に伝達する。カードFセンサ62は、第一の導入口21において第一の搬送経路20にカードCAが存在するか否かに対応して2通りの検出信号を制御基板54に伝達する。原稿Rセンサ63は、読取部55と搬送ローラ42、従動ローラ43との間の第二の搬送経路10に原稿SHが存在するか否かに対応して2通りの検出信号を制御基板54に伝達する。カードRセンサ64は、読取部55と搬送ローラ42、従動ローラ43との間の第一の搬送経路20にカードCAが存在するか否かに対応して2通りの検出信号を制御基板54に伝達する。
<スキャン機能>
次に以上のように構成された画像読取装置1のスキャン機能について図面を参照しながら説明する。図9は画像読取装置1のスキャン機能で実行されるメイン処理のフローチャートである。図10はメイン処理の中で実行される読取準備処理のフローチャートである。図11はメイン処理の中で実行される読取設定処理のフローチャートである。図12はメイン処理の中で実行される読取動作処理のフローチャートである。図13はメイン処理の中で実行される読取動作処理の図12に示すものとは異なるフローチャートである。以下、CPU54Aが各ステップにおいて行う処理について順次説明する。
(1)メイン処理
メイン処理は、電源がONすると、制御基板54の主にCPU54Aにより、実行される。
図9に示すように、まずメイン処理が開始されると、制御基板54は、原稿SHまたはカードCAを読み取るために原稿SHまたはカードCAをセットする準備を行う後述する読取準備処理(S100)を行う。
図10に示す読取準備処理が終了した後、S110では読取準備が成功したか否かを判断する。読取準備が成功しなかったと判断した場合は(S110:NO)、スキャン機能を終了する。一方、読取準備が成功したと判断した場合は(S110:YES)、「読取モード」に関する設定などを行う後述する読取設定処理を行う(S120)。
図11に示す読取設定処理が終了した後、原稿SHまたはカードCAの画像を読み取る後述する読取動作処理を行う(S130)。
図12または図13に示す読取動作処理が終了した後、スキャン機能を終了する。
(2)読取準備処理
図10に示すように読取準備処理において、制御基板54は、まず原稿Fセンサ61がONかどうかを判断する。すなわち原稿SHの有無を検知する(S201)。原稿Fセンサ61がONであると判断した場合(S201:YES)は、ユーザにより給送トレイ36に原稿SHが載置されて原稿SHの先端が第二の導入口に導入され、原稿SHの読取準備が完了したとして、制御基板54は、読取準備処理が成功したか否かを表すパラメータの「読取準備結果」を「成功」とし、読取モードを表すパラメータの「読取モード」を、原稿SHを読み取る「普通紙読取モード」として(S225)、読取準備処理を終了する。一方、原稿Fセンサ61がONでないと判断した場合(S201:NO)は、S203に移行しカードFセンサ62がONかどうかを判断する。すなわちカードCAの有無を検知する。カードFセンサ62がONでないと判断した場合(S203:NO)は、S201に戻る。一方、カードFセンサ62がONであると判断した場合(S203:YES)は、ユーザにより第一の導入口21からカードCAが導入されたとして、駆動モータ40Mを駆動して駆動ステップ数のカウントを開始し、カードCAの搬送動作を開始する(S205)。
S205にて搬送動作開始後、S207でタッチパネル70上の「STOP」ボタンB2が押されたかを検知する。すなわち、ユーザからの中止指示が受け付けられたかどうかを判断する。「STOP」ボタンB2が押されて中止指示を受け付けた場合(S207:YES)は、異常音の発生などカードCAの搬送に伴う異常が発生したとして、駆動モータ40Mの駆動を停止し(S215)、例えばカードCAを取り除くための操作手順を表した図や文字などカードCAの取り除き方および「STOP」ボタンB2をタッチパネル70に表示する(S217)。そして再び「STOP」ボタンB2が押されたかを検知する(S219)。「STOP」ボタンB2が押されたことを検知するまで(S219:NO)、S219の判断を繰り返し行う。
「STOP」ボタンB2が押されたら(S219:YES)、一旦停止させたもののカードCAの搬送動作を再開してもカードCAの搬送に伴う異常は発生しないとユーザが判断したとして、排出動作を行う(S221)。すなわち、カードCAの先端が搬送ローラ42と従動ローラ43のニップ位置にある位置からカードCAの後端が排出ローラ44と従動ローラ45のニップ位置に位置するまでカードCAを搬送するのに必要なステップ数分(+α)駆動モータ40Mを駆動し、カードCAを第一の排出口22へ向かって搬送し装置外に排出する搬送動作を行う。その後、制御基板54は「読取準備結果」を「失敗」とし(S223)、RAM54Cに記憶した駆動モータ40Mの駆動ステップ数をリセットし、読取準備処理を終了する。
一方、S207で「STOP」ボタンB2が押されず中止指示を受け付けなかった場合(S207:NO)は、カードRセンサ64がONか否かを判断する(S209)。カードRセンサ64がONでないと判断された場合(S209:NO)、S207に戻り搬送動作を続行する。すなわち、S207,S209において、搬送動作が開始されてからカードCAの先端がカードRセンサ64の位置を通過するまでにユーザがSTOPボタンを押下するか否かを監視する。一方、カードRセンサ64がONであると判断された場合(S209:YES)、ユーザにより第一の導入口21から導入されたカードCAの先端が搬送ローラ42と従動ローラ43により挟持されてカードCAの読取準備が完了したとして、駆動モータ40Mの駆動を停止しカードCAの搬送動作を停止する(S211)。S203:YESからS211までの処理は本発明の「準備処理」の一例である。そして、制御基板54は「読取準備結果」を「成功」とし、「読取モード」を、カードCAを読み取る「カード読取モード」とし(S213)、RAM54Cに記憶した駆動モータ40Mの駆動ステップ数をリセットし、読取準備処理を終了する。なお、S205からS223までの一連の処理を先行給紙処理とする。
以上図10記載の読取準備処理終了後は、図9記載のメイン処理のS110に移行し、S110:YESの場合は、読取設定処理に移行する(S120)。
(3)読取設定処理
S120の読取設定処理については、図11を参照しながら説明を行う。まず、タッチパネル70を介して「読取モード」に関する設定を行った後、ユーザから完了指示を受け付けるなどして、「読取モード」に関する設定が完了したか否かを判断する(S301)。「読取モード」に関する設定が完了したと判断するまで(S301:NO)、S301の判断を繰り返し行う。なお、「読取モード」に関する設定とは、例えば読取解像度の設定や、カラー読取かモノクロ読取かの設定や、片面読取か両面読取かの設定などである。この設定は、例えばユーザがタッチパネル70上で操作して設定してもよいし、あるいは事前に設定された設定内容を読み込んでもよい。この場合、読み込みが完了した時点で読み込み完了の信号を受け取るなどして、CPU54Aは「読取モード」に関する設定が完了したことを判断する。
モード設定完了後(S301:YES)、タッチパネル70上の「START」ボタンB1が押下されたか否かを判断する(S303)。「START」ボタンB1が押下されたと判断するまで(S303:NO)、S303の判断を繰り返し行う。「START」ボタンB1が押下されると(S303:YES)、原稿SHもしくはカードCAの搬送および読取を開始してもよいとユーザが判断し読取開始指示を行ったとして、読取設定処理を終了する。
以上、図11記載の読取設定処理終了後は、図9記載のメイン処理のS130の読取動作処理に移行する。
(4)読取動作処理
S130の読取動作処理については図12を参照しながら説明を行う。まず、駆動モータ40Mを駆動する、原稿SHもしくはカードCAの搬送動作を開始する(S401)。原稿SHもしくはカードCAの搬送動作で使用される経路が第一の搬送経路20であるか否か、すなわちS100の読取準備処理で決定された「読取モード」が、「カード読取モード」であるか否かを判断し(S403)、「カード読取モード」である場合は(S403:YES)、カードCAの読取開始までに必要な駆動モータ40Mのステップ数、すなわち、カードCAの先端が搬送ローラ42と従動ローラ43のニップ位置にある位置から画像読取センサ55の読取位置に位置するまでカードCAを搬送するのに必要なステップ数をRAM54Cにセットする(S409)。
一方、「カード読取モード」でない場合(S403:NO)、すなわち、「普通紙読取モード」である場合は、原稿Rセンサ63がONであるか否かを判断する(S405)。原稿Rセンサ63がONであると判断するまで(S405:NO)、S405の判断を繰り返し行う。すなわち原稿SHが第二の導入口11に導入されるまで待機する。原稿Rセンサ63がONであると判断された場合(S405:YES)は、原稿SHが第二の導入口11に導入されたとして、原稿SHの読取開始までに必要な駆動モータ40Mのステップ数、すなわち原稿SHの先端が搬送ローラ42と従動ローラ43に接する位置から画像読取センサ55の読取位置に位置するまで原稿SHを搬送するのに必要なステップ数をRAM54Cにセットする(S407)。
S407またはS409で、ステップ数をセット後、S411に移行する。S411では、駆動モータ40Mを1ステップ分駆動する。RAM54Cにセットした読取開始までに必要な駆動モータ40Mのステップ数の残りが0になるまで(S411:NO)、S411の処理を繰り返し行う。ステップ数の残りが0になったら(S411:YES)、原稿SHもしくはカードCAの読取が開始できる位置まで搬送されたとして、画像読取センサ55を点灯し、S120の読取設定処理のS301にて設定した内容で読取部55を制御して読取を開始する(S413)。なお、S303で読取開始指示を受け付けてからのS401からS429、およびS441までの一連の処理は本発明の「搬送処理」の一例である。
読取開始後はタッチパネル70上の「STOP」ボタンB2が押されたかどうかを判断する(S415)。すなわち、ユーザからの中止指示が受け付けられたかどうかを判断する。「STOP」ボタンB2が押されずユーザからの中止指示を受け付けなかった場合は(S415:NO)、原稿SHもしくはカードCAの搬送動作で使用される経路が第一の搬送経路20か否か、すなわち「カード読取モード」か否かを判断する(S417)。原稿SHもしくはカードCAの搬送動作で使用される経路が第一の搬送経路20である、すなわち「カード読取モード」であると判断された場合(S417:YES)は、カードRセンサ64がOFFか否か、すなわちカードCAの後端がカードRセンサ64を通過したかどうかを検知する(S423)。カードRセンサ64がOFFでない、すなわちカードCAの後端がカードRセンサ64を通過していないと判断された場合(ステップ423:NO)は、S415に戻る。一方、カードRセンサ64がOFFである、すなわちカードCAの後端がカードRセンサ64を通過したと判断された場合(S423:YES)は、カードCAの読取終了までに必要な駆動モータ40Mのステップ数、すなわち、カードCAの後端がカードRセンサ64で検知がなされる位置から画像読取センサ55の読取位置を通過するまでに必要なステップ数をRAM54Cにセットし(S425)、S427へ移行する。
一方、S417において「カード読取モード」でないと判断された場合(S417:NO)、すなわち「普通紙読取モード」である場合は、原稿Rセンサ63がOFFか否か、すなわち原稿SHの後端が原稿Rセンサ63を通過したかどうかを検知する(S419)。原稿Rセンサ63がOFFでない、すなわち原稿SHの後端が原稿Rセンサ63を通過していないと判断された場合(S419:NO)は、S415に戻る。一方、原稿Rセンサ63がOFFである、すなわち原稿SHの後端が原稿Rセンサ63を通過したと判断された場合(S419:YES)は、原稿SHの読取終了までに必要な駆動モータ40Mのステップ数、すなわち、原稿SHの後端が原稿Rセンサ63で検知がなされる位置から、画像読取センサ55の読取位置を通過するまでに必要なステップ数をRAM54Cにセットし(S421)、S427へ移行する。
S427では、駆動モータ40Mを1ステップ分駆動する。RAM54Cにセットした読取終了までに必要な駆動モータ40Mのステップ数の残りが0になるまで(S427:NO)、S427の処理を繰り返し行う。ステップ数の残りが0になったら(S427:YES)、原稿SHもしくはカードCAの読取が終了できる位置まで搬送されたとして、画像読取センサ55を消灯し、読取を終了する(S429)。
S429で読取終了後、S441に移行し、排出動作を行う。すなわち、原稿SHもしくはカードCAの後端が、画像読取センサ55の読取位置を通過する位置から排出ローラ44と従動ローラ45のニップ位置に位置するまでカードを搬送するのに必要なステップ数分(+α)、駆動モータ40Mを駆動し、原稿SHもしくはカードCAを第一の排出口22もしくは第二の排出口12へ向かって搬送し装置外に排出する搬送動作を行う。上記排出動作が行われた後、RAM54Cに記憶した駆動モータ40Mの駆動ステップ数をリセットし、読取動作処理を終了する。
一方、S415で「STOP」ボタンB2が押されユーザからの中止指示が受け付けられた場合には(S415:YES)、S431に移動し、原稿SHもしくはカードCAの読取中であるにもかかわらず、画像読取センサ55を消灯して読取を終了する(S431)。なお、S431の処理は本発明の「読取中止処理」の一例である。そして駆動モータ40Mの駆動を停止し(S433)、S435に移行する。S435では、原稿SHもしくはカードCAの搬送動作で使用される経路が第一の搬送経路20であるか否か、すなわち「カード読取モード」であるか否かを判断し、「カード読取モード」でないと判断された場合(S435:NO)には、駆動に伴う異常が発生しないと判断するとして、排出動作を行う(S441)。すなわち、原稿SHの先端が画像読取センサ55の読取位置にある位置から原稿SHの後端が排出ローラ44と従動ローラ45のニップ位置に位置するまで原稿SHを搬送するのに必要なステップ数分(+α)、駆動モータ40Mを駆動し、原稿SHを第二の排出口12へ向かって搬送し装置外に排出する搬送動作を行う。上記排出動作終了後、RAM54Cに記憶した駆動モータ40Mの駆動ステップ数をリセットし、読取動作処理を終了する。
一方、「カード読取モード」であると判断された場合には(S435:YES)、駆動に伴う異常が発生すると判断するとして、例えばカードCAを取り除くための操作手順を表した図や文字など、カードCAの取り除き方をタッチパネル70に表示させ(S437)、「STOP」ボタンB2が押されたかを検知する(S439)。すなわち、ユーザからの中止指示が受け付けられたかどうかを判断する。「STOP」ボタンB2が押されたことを検知するまで(S439:NO)、S439の判断を繰り返し行う。「STOP」ボタンB2が押されて中止指示を受け付けた場合(S439:YES)、搬送を一旦停止させたものの、そのまま排出処理を行っても問題がなさそうであるとユーザが判断した可能性が高いとし、排出動作を行う(S441)。すなわち、カードCAの先端が画像読取センサ55の読取位置にある位置からカードCAの後端が排出ローラ44と従動ローラ45のニップ位置に位置するまでカードCAを搬送するのに必要なステップ数分(+α)、駆動モータ40Mを駆動し、カードCAを第一の排出口22へ向かって搬送し装置外に排出する搬送動作を行う。排出動作終了後、RAM54Cに記憶した駆動モータ40Mの駆動ステップ数をリセットし、読取動作処理を終了する。なお、S435の処理は本発明の「判断処理」の一例である。また、S415:YES以下のS431、S433、S435、S437、S439、S429、S441の処理は本発明の「駆動中止処理」の一例である。
<作用効果>
このような画像読取装置1では、S415で中止指示が受け付けられたときに、常に第一の排出口22もしくは第二の排出口12から原稿SHもしくはカードCAが排出されてから搬送部40の駆動を中止する処理を実行する場合に比べ、「読取モード」が「普通紙読取モード」の場合は第二の排出口12から原稿SHを排出してから搬送部40の駆動を中止することでユーザの手間を同等に減らしつつ、「読取モード」が「カード読取モード」の場合はすみやかに搬送部40の駆動を中止することで、カードCAの搬送動作を中止し搬送部40の駆動に伴う異常の増大をより抑制することができる。同様に、中止指示が受け付けられたときに、常に排出部からシートが排出される前にシート搬送部の駆動を中止する処理を実行する場合に比べ、シート搬送部の駆動に伴う異常の増大を同等に抑制しつつ、ユーザの手間をより減らすことができる。
また、キャッシュカードなどを含むカードCAを搬送する際に発生する異常の増大を抑制しつつ、ユーザの手間を減らすことができる。
また、シートの搬送経路が第一の搬送経路20であるか否かを判断することで、搬送部40によって搬送されるシートがカードCAか否かを判断することができ、ひいては、異常が発生するか否かを判断することができる。
また、使用されるシートの搬送経路ごとに中止指示を受け付ける操作部材が設けられている場合と比べて、構成が簡単で済む。
また、カードCAを案内する第一の搬送経路20中に設けられるカードFセンサ62によって、シートの搬送経路が前記第一の搬送経路であるか否かを判断することができる。
また、「第一のセンサ」が搬送部40よりもシートの搬送方向下流側に設けられる場合に比べ、第一の搬送経路20中のカードCAを早く検出することができるので、早いタイミングで異常が発生すると判断して搬送部40の駆動を中止することができ、異常の増大をより抑制することができる。
また、「STOP」ボタンB2の押下によって再び中止指示が受け付けられた場合、一旦停止させたものの、そのまま排出処理を行っても問題がなさそうであるとユーザが判断した可能性が高い。したがって、「STOP」ボタンB2の押下によって再び中止指示が受け付けられた場合に、第一の排出口22もしくは第二の排出口12からシートを排出するのに必要な分だけシート搬送部の駆動を行うことにより、異常の増大を抑制しつつ、ユーザの手間を減らすことができる。
また、キャッシュカードなどの剛性の高いシートを搬送する際に発生する異常の増大を抑制しつつ、ユーザの手間を減らすことができる。
また、中止指示によってシート搬送が中止された際に、シートの画像読取も中止することができる。
(第2実施例)
第2実施例では、メイン処理における読取動作処理S130のみが第1実施例と異なる。読取設定処理終了後は、図13に示す読取動作処理を行う。図13に示す読取動作処理は、第1実施例における第一の搬送経路20か否かを判断する処理を行うS435、カードCAの取り除き方を表示する処理を行うS437および「STOP」ボタンB2が押されたか否かを判断する処理を行うS439を省略した形態になっている。すなわち第2実施例では、S415´において「STOP」ボタンB2が押されたと判断された場合(S415´:YES)は、原稿SHもしくはカードCAの読取中であるにもかかわらず、画像読取センサ55を消灯して読取を終了し(S431´)、駆動モータ40Mの駆動を停止する(S433´)。さらに、そもそも読取準備処理の搬送動作の段階で搬送に伴う異常が発生しなかったためにS303で読取開始指示が受け付けられた可能性が高いと考えられることから、「STOP」ボタンB2が押されたものの、新たに搬送に伴う異常が発生した可能性は低いと判断し排出動作を行う(S441´)。すなわち、原稿SHもしくはカードCAの先端が画像読取センサ55の読取位置にある位置から原稿SHもしくはカードCAの後端が排出ローラ44と従動ローラ45のニップ位置に位置するまで原稿SHもしくはカードCAを搬送するのに必要なステップ数分(+α)、駆動モータ40Mを駆動し、原稿SHもしくはカードCAを第一の排出口22もしくは第二の排出口12へ向かって搬送し装置外に排出する搬送動作を行う。上記排出動作終了後、RAMに記憶した駆動モータ40Mの駆動ステップ数をリセットし、読取動作処理を終了する。
<作用効果>
中止指示が受け付けられたタイミングが、開始指示が受け付けられる前の準備処理中であると、剛性の高いカードなどの特定の種類のシートにより異常が発生したためにユーザが中止指示を行った可能性が高い。一方、中止指示が受け付けられたタイミングが、開始指示が受け付けられた後の搬送処理中であると、そもそも準備処理において異常が発生しなかったために開始指示が受け付けられた可能性が高いと考えられるので、剛性の高いカードなどの特定の種類のシートにより異常が発生したためにユーザが中止指示を行った可能性は低い。したがって、このような画像読取装置1では、中止指示が受け付けられたタイミングが準備処理中であるか搬送処理中であるかを判断することで、シート搬送部によって搬送されるシートが特定の種類のシートであるか否かを判断することができ、ひいては、異常が発生するか否かを判断することができる。
以上において、本発明を第1〜第2実施例に即して説明したが、本発明は上記第1〜第2実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
(その他の実施例)
(1)第1実施例、第2実施例では、図10のS213及びS225において「読取モード」を「カード読取モード」もしくは「普通紙読取モード」にする設定を行っていたが、この構成には限定されない。すなわち読取動作処理が開始される前の任意のタイミングでよい。例えば、S213で行っている「読取モード」の設定をS203のカードFセンサ62がONか否かを判断する処理とS205のカードCAの搬送を開始する処理の間で行ってもよいし、S213及びS225で行っている「読取モード」の設定をS301で行っている他の設定と同時に行ってもよい。
(2)S201の原稿Fセンサ61がONか否かを判断する処理と、S203のカードFセンサ62がONか否かを判断する処理の処理順序は逆であってもよい。すなわち、まずS203でカードFセンサ62がONか否かを判断することでカードCAの有無を検知して、カードFセンサ62がONであると判断されカードCAが検知された場合(S203:YES)はS205の搬送を開始する処理に移行し、カードFセンサ62がONでないと判断されカードCAが検知されなかった場合(S203:NO)はS201で原稿Fセンサ61がONか否かを判断することで原稿SHの有無を検知する。そしてS201で原稿Fセンサ61がONであると判断され原稿SHが検知された場合(S201:YES)はS225の「読取準備結果」、「読取モード」の設定を行う処理に移行し、原稿Fセンサ61がONでないと判断され原稿SHが検知されなかった場合(S201:NO)はS203に戻るようにしてもよい。
(3)第1実施例および第2実施例では、特定の種類の原稿であるカードCAのみ先行給紙処理(S205〜S223)を行っていたが、カードCAだけではなく、原稿SHも先行給紙処理(S205〜S223と同様の処理。但しカードCAに対応する記載は原稿SHに対応する記載に適宜読み替える。)を行う構成において、先行給紙処理中に「STOP」ボタンB2が押された場合に第一の搬送経路20か否かを判断することにより排出処理を行うか否かを切り替えるものであってもよい。すなわち図10に記載の読取準備処理において、原稿Fセンサ61がONである場合(S201:YES)、搬送を開始し(S205´)、「STOP」ボタンB2が押下されたかを判断する(S207´)。「STOP」ボタンB2が押下されたと判断する場合は(S207´:YES)、駆動モータ40Mの駆動を停止し(S215‘)、排出動作を行う(S221´)。すなわち、原稿SHの先端が搬送ローラ42と従動ローラ43のニップ位置にある位置から原稿SHの後端が排出ローラ44と従動ローラ45のニップ位置に位置するまで原稿SHを搬送するのに必要なステップ数分(+α)駆動モータ40Mを駆動し、シートSHを第二の排出口12へ向かって搬送し装置外に排出する。その後、制御基板54は「読取準備結果」を「失敗」として(S223´)読取準備処理を終了する。一方、S207´で「STOP」ボタンB2が押されなかった場合(S207´:NO)は、原稿Rセンサ63がONかどうかを判断する(S209´)。原稿Rセンサ63がONでなければ(S209´:NO)、S207´に戻り搬送を続行する。原稿Rセンサ63がONであれば(S209´:YES)、駆動モータ40Mの駆動を停止し原稿SHの搬送を停止する(S211´)。そして、「読取準備結果」を「成功」とし、「読取モード」を「普通紙読取モード」として(S213´)、読取準備処理を終了する。なおこの場合は、S405の処理を省略する。
(4)第1実施例では、S435:YESの後、カードCAの取り除き方を表示するS437、「STOP」ボタンB2が押されたか否かを判断する処理を行うS439およびカードCAを装置外に排出する排出動作を行うS441を行っていたが、例えばS437のようにカードCAの取り除き方を表示するなどした後、「STOP」ボタンB2が押されたか否かを判断する処理を行うS439およびカードCAを装置外に排出する排出動作を行うS441を行わずに、直接、読取動作処理を終了してもよい。
(5)第1実施例では、シートを搬送する搬送経路が第一の搬送経路20か否かによって異常が発生するか否かを判断したが、搬送方向に対するシートの傾きを検出するセンサを有するなどして、第1受付部によって中止指示が受け付けられた場合、シート搬送方向に対するシートの傾きが所定量以上であるか否かを判断することにより、異常が発生するか否かを判断するような形態であってもよい。このような形態によれば、シート搬送方向に対して所定量以上傾いているシートを搬送する際に発生する異常の増大を抑制しつつ、ユーザの手間を減らすことができる。
(6)同様に、搬送経路が1つしかない構成において、シートの厚さを検出するセンサを有し、センサの検出結果が所定値以上であるか否かを判断することにより、特定の種類のシートであるか否かを判断するような形態であってもよい。このような形態によれば、たとえば所定以上の厚さのシートを搬送する際に発生する異常の増大を抑制しつつ、ユーザの手間を減らすことができる。
(7)第1実施例では、S201の原稿Fセンサ61がONか否かの判断およびS203のカードFセンサ62がONか否かの判断によりS100の読取準備処理で決定された「読取モード」が、「カード読取モード」であるか否かを判断することで、第一の搬送経路20か否かの判断を行っていたが、第一の搬送経路20を利用するシート搬送モードがユーザにより設定されているか否かを判断することにより、搬送されるシートが特定の種類のシートであるか否かを判断するような形態であってもよい。この場合、例えばタッチパネル70に「モード選択」ボタン(図示しない)を表示させ、第一の搬送経路20を利用するシート搬送モードか否かをユーザによって選択させることなどが考えられる。「モード選択」ボタンは本発明の「第3受付部」の一例である。また、例えばカードRセンサ64がONか否かで判断したり、原稿Fセンサ61がOFFか否かで判断したりしてもよい。
(8)第1実施例ではシート搬送部よりもシート搬送方向上流側に設けられるセンサを「第一のセンサ」としていたが、シート搬送部よりもシート搬送方向下流側に設けられるセンサを「第一のセンサ」としてもよい。例えば、カードRセンサ64が「第一のセンサ」であってもよい。
(9)第1実施例では、「第一のセンサ」と「第二のセンサ」は同一のカードFセンサ62であったが、例えば「第一のセンサ」はカードRセンサ64、「第二のセンサ」はカードFセンサ62、など異なるセンサであってもよい。
(10)第1実施例では、第1受付部は、ユーザによって操作される操作部材は1つのみであったが、第1受付部は、ユーザによって操作される操作部材を2つ含むものであってもよい。例えば、操作部材の一方は第一の搬送経路20における搬送動作を中止する中止指示を受け付け、もう一方の操作部材は第二の搬送経路10における搬送動作を中止する中止指示を受け付けるような構成である。
(11)第1実施例では画像読取装置1は読取機能を備えていたが、読取機能を持たなくてもよい。また、読取機能を持たずに印刷機能を持つ構成でもよい。また、読取機能や印刷機能を備えた複合機でもよい。
(12)第1実施例では搬送部40における全てのローラの駆動を停止する構成であったが、搬送部40における一部のローラの駆動を停止する構成でもよい。例えば、カードCAの搬送停止を行うのであれば搬送ローラ42A、42B、排出ローラ44A、44Bは駆動させ、搬送ローラ42C、排出ローラ44Cのみを停止する構成であってもよい。
(13)第1実施例では制御部は、1つのCPU54Aによりスキャン機能を実行する構成であったが、複数のCPU54Aによりスキャン機能を実行する構成や、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などのハード回路のみ、または、CPU54Aおよびハード回路によりスキャン機能を実行する構成でもよい。
(14)第1実施例では駆動モータ40Mの駆動を停止する際には、中止指示受け付けてから即座に停止を行っていたが、徐々に駆動モータ40Mの回転数を落として停止させてもよい。