JP6019944B2 - 糖化合物固定化半導体センシングデバイス及び生物学的物質の検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、糖化合物固定化半導体センシングデバイス及び生物学的物質の検出方法に関する。
電界効果トランジスタ(FET)は、生体分子の検出に非常に有望なツールである。FETを用いると、生体分子の吸着に伴うゲート表面の電荷密度変化を電気信号として直接検出するため、ラベルフリー検出が可能であり、低コストで迅速な生体分子の検出が可能である。それゆえ、FETを用いた生体分子の検出に関する研究が広く行われている。
FETバイオセンサーの臨床応用に関して、生体分子の検出は、生物活性が高く、リアルタイムで計測可能であるという観点から、生理的条件下にて行われることが理想的である。
しかし、生理的条件下においては溶液中のカウンターイオンによる高い遮蔽効果によって生体分子が有する電荷が遮蔽されるため、生理的条件下におけるFETによるタンパク質の検出は非常に困難であるという問題があった。また、従来のタンパク質を検出するためのバイオセンサーは抗体等のタンパク質をプローブとして使用するため、その変性に伴って感度が低下するという問題があった。また、抗体等のタンパク質は分子サイズが大きいので、固定化密度にも限界があった。
FETによるタンパク質検出はデバイ長内に存在するタンパク質由来の電荷を検出することで可能となるため、デバイ長の外の領域に存在する電荷は原理上検出が困難である。生理的条件下においては、デバイ長は1nm以下であり、検出可能範囲が狭い。抗体等のタンパク質は分子サイズが大きく、抗原との結合部位が界面から離れてしまうため、生理的条件下における検出を原理的に困難にしていた。
このような問題を解決するため、小さなレセプター分子として、Fabフラグメントのような抗体フラグメントを固定化する方法が提案されている。しかし、このような方法では、手順が煩雑になったり、大量の試薬を必要としたりする等の問題があった。
糖鎖は、単糖分子がグリコシド結合を介して結合した構造を有する化合物であり、生体内においては、タンパク質に糖鎖が結合した糖タンパク質、脂質に糖鎖が結合した糖脂質等の形で存在している。また、糖鎖は、生体内において重要な働きをしていることが明らかになってきている。例えば、タンパク質が糖鎖修飾されることでその機能を発現したり、糖鎖と細胞表面レセプター等のタンパク質とが相互作用することで細胞間の分子認識、細胞接着、細胞内への物質取り込み(エンドサイトーシス)等の生物機能等に関わっていたりすることが報告されている。
また、ウイルス感染や細菌感染にも糖鎖が関わっていることが報告されている。例えば、インフルエンザウイルスは、その表面に発現しているヘマグルチニンが細胞表面の糖鎖のシアル酸を認識して結合することで感染することが知られている。
更に、がん等の疾患によって糖タンパク質や細胞表面の糖鎖構造が変化することも知られており、このような糖鎖が、例えばバイオマーカーとして利用されている。
これまでに、糖鎖を解析するための方法や糖鎖と糖結合タンパク質等の相互作用を解析する方法が提案されている(例えば、特許文献1:特開2010−107496号公報)。一般に、糖鎖とレクチンのような糖結合タンパク質との親和性は、抗体と抗原との親和性に比べて小さいことが知られている。そのため、高感度で糖鎖と糖結合タンパク質等の生物学的物質との相互作用を検出できる方法の開発が強く望まれていた。
特開2010−107496号公報 特開2004−4007号公報
Nakamura et. al., Chem. Lett., vol. 39., pp. 1245-1247 (2010)
本発明者らは、上記問題を解決するため、ストレプトアビジン−ビオチン化糖鎖複合体を固定化した半導体センシングデバイス及びこれを用いたレクチンの検出について報告している(非特許文献1:Nakamura et. al., Chem. Lett., vol. 39., pp. 1245-1247 (2010))。しかし、この方法では手順が煩雑であり、高感度化が難しい等の問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、生理的条件下で簡便かつ高感度な生物学的物質の検出を可能にする糖化合物固定化半導体センシングデバイス、及び該デバイスを用いた生物学的物質の検出方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を行った結果、プローブとしてタンパク質に比べて分子サイズの小さな糖化合物を用いた、糖化合物/有機単分子膜/絶縁層/半導体構造を検出部として備える糖化合物固定化半導体センシングデバイスにより、生理的条件下でも生物学的物質の検出が簡便かつ高感度に可能であることを見出し、本発明をなすに至った。
したがって、本発明は、下記糖化合物固定化半導体センシングデバイス及び生物学的物質の検出方法を提供する。
請求項1:
半導体上に反応ゲート絶縁部としてシリコン酸化物又は無機酸化物を含む第1の絶縁層が形成された電界効果トランジスタの上記第1の絶縁層の上に、炭素数3〜22のアミノオキシアルキル基を有するアルコキシシランの単分子膜からなる第1の有機単分子膜を形成し、該第1の有機単分子膜に糖化合物を上記アミノオキシアルキル基を介して直接結合させてなる、糖化合物/有機単分子膜/絶縁層/半導体構造を検出部として備えることを特徴とする糖化合物固定化半導体センシングデバイス。
請求項2:
上記アミノオキシアルキル基を有するアルコキシシランが、下記式(1)
Figure 0006019944
(式中、R1は、炭素数3〜22の直鎖状のアルキレン基である。R2〜R4は、それぞれ独立に炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基又は炭素数2〜5の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシアルキル基である。)
で表されることを特徴とする請求項1記載の糖化合物固定化半導体センシングデバイス。
請求項3:
上記糖化合物が、単糖又は糖鎖であることを特徴とする請求項1又は2記載の糖化合物固定化半導体センシングデバイス。
請求項4:
上記単糖が、キシロース、グルコース、マンノース、ガラクトース、フコース、グルコサミン、ガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン、N−アセチルガラクトサミン、ノイラミン酸、N−アセチルノイラミン酸、N−グリコリルノイラミン酸、グルクロン酸及びイズロン酸から選ばれることを特徴とする請求項3記載の糖化合物固定化半導体センシングデバイス。
請求項5:
上記糖鎖が、キシロース、グルコース、マンノース、ガラクトース、フコース、グルコサミン、ガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン、N−アセチルガラクトサミン、ノイラミン酸、N−アセチルノイラミン酸、N−グリコリルノイラミン酸、グルクロン酸及びイズロン酸から選ばれる少なくとも1つの単糖に由来する構成単位を含むことを特徴とする請求項3記載の糖化合物固定化半導体センシングデバイス。
請求項6:
上記半導体上に、更に、参照ゲート絶縁部としてシリコン酸化物又は無機酸化物を含む
第2の絶縁層が形成され、該第2の絶縁層の上に、上記糖化合物及び生物学的物質のいずれとも反応しない有機分子で構成された第2の有機単分子膜を形成してなる、有機単分子膜/絶縁層/半導体構造を参照部として備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の糖化合物固定化半導体センシングデバイス。
請求項
請求項1乃至のいずれか1項記載の糖化合物固定化半導体センシングデバイス上に固定化された糖化合物と生物学的物質とを相互作用させる工程と、
該相互作用によるゲート電極上の表面電位変化を検出する工程と
を含むことを特徴とする生物学的物質の検出方法。
請求項
上記生物学的物質が、糖結合タンパク質、ウイルス、細菌又は細胞であることを特徴とする請求項記載の生物学的物質の検出方法。
請求項
上記糖結合タンパク質が、レクチン又は抗糖鎖抗体であることを特徴とする請求項記載の生物学的物質の検出方法。
本発明によれば、タンパク質に比べて分子サイズが小さい糖化合物を有機単分子膜に直接固定化できるため、高い固定化密度で固定化することが可能である。また、糖は分子構造が単純で化学的に安定であるため、変性がなく感度の維持が可能である。また、標的となる物質との結合部位が有機単分子膜界面から近くなるため、生理的条件下における検出が可能となる。
本発明の糖化合物固定化半導体センシングデバイスを示す断面図であり、(A)は電界効果トランジスタ、(B)は電界効果トランジスタのゲート電極の絶縁層上に有機単分子膜を形成した状態、(C)は有機単分子膜に糖化合物が直接固定化された状態を示す。 オンチップデバイスのユニット構成例を示し、(A)は部分平面図、(B)はその拡大断面図である。 本発明の糖化合物固定化半導体センシングデバイスを用いた糖化合物−生物学的物質相互作用による生物学的物質検出の概念図である。 実施例2で測定したヒトインフルエンザウイルスヘマグルチニン添加前後のデバイス特性の評価結果を示すグラフであり、(A)は、ゲート電圧−1.5V〜1.5Vの範囲における電流−電圧曲線を示し、(B)は、ゲート電圧1.0V〜1.5Vの範囲における(A)の拡大図である。 比較例1で測定したヒト血清アルブミン添加前後のデバイス特性の評価結果を示すグラフであり、(A)は、ゲート電圧−1.5V〜1.5Vの範囲における電流−電圧曲線を示し、(B)は、ゲート電圧1.0V〜1.5Vの範囲における(A)の拡大図である。 実施例2及び比較例1で測定したゲート電圧シフト値を示すグラフである。 実施例3で測定したゲート電圧シフト値を示すグラフである。 実施例4及び比較例2で測定したゲート電圧シフト値を示すグラフである。 実施例5、6及び比較例3で測定したゲート電圧シフト値を示すグラフである。 実施例4及び比較例4で測定したゲート電圧シフト値を示すグラフである。
以下、本発明について、更に詳しく説明する。
なお、本明細書において、「糖化合物」とは、単糖と糖鎖の両方を含むものとする。「糖鎖」とは、同一又は異種の2以上の単糖分子及びその誘導体がグリコシド結合を介して結合した化合物のことであり、いわゆる「二糖」、「三糖」、「オリゴ糖」、「多糖」等と称されるものを全て含むものとする。
本発明の糖化合物固定化半導体センシングデバイスは、半導体上に反応ゲート絶縁部としてシリコン酸化物又は無機酸化物を含む第1の絶縁層が形成された電界効果トランジスタの上記第1の絶縁層の上に、炭素数3〜22のアミノオキシアルキル基を有するアルコキシシランの単分子膜からなる第1の有機単分子膜を形成し、該第1の有機単分子膜に糖化合物を上記アミノオキシアルキル基を介して直接結合させてなる、糖化合物/有機単分子膜/絶縁層/半導体構造を検出部として備えるものである。
上記検出部のうち、絶縁層/半導体構造部分は、半導体上に反応ゲート絶縁部としてシリコン酸化物又は無機酸化物を含む絶縁層が形成された電界効果トランジスタを利用することができ、その構成は従来公知のものを利用することができる。上記絶縁層は、シリコン酸化物であることが好ましい。電界効果トランジスタは、n型でもp型でもよい。この電界効果トランジスタとしては、例えば、図1(A)に示されるようなものが例示される。なお、図1中、1はシリコン基板、2はシリコン酸化物又は無機酸化物(ガラス、アルミナなど)を含む絶縁層、4はゲート電極、5はソース電極、6はドレイン電極、7はドープ領域を示す。
そして、図1(B)に示されるように、絶縁層2上に第1の有機単分子膜3が形成される。ここで、本発明においては、基本原理として、絶縁層表面上の糖化合物と生物学的物質との結合反応に伴う表面電位変化を電気信号として検出する構成とする。なお、上記絶縁層の厚さは、10〜100nm、特に10〜50nmが好ましい。
上記第1の有機単分子膜は、炭素数3〜22のアミノオキシアルキル基を有するアルコキシシランの単分子膜からなる。
上記アミノオキシアルキル基を有するアルコキシシランは、下記式(1)で表されるものであることが好ましい。
Figure 0006019944
(式中、R1は、炭素数3〜22の直鎖状のアルキレン基である。R2〜R4は、それぞれ独立に炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基又は炭素数2〜5の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシアルキル基である。)
上記R1で示される直鎖状のアルキレン基は、炭素数が3〜22であり、炭素数が3〜18であることが好ましく、炭素数が3〜8であることがより好ましい。炭素鎖が短い方が、有機単分子膜の有する疎水性が弱くなり、タンパク質の疎水性相互作用に起因する非特異的吸着を抑制することができるため好ましい。
上記R1の具体例としては、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、トリデカメチレン基、テトラデカメチレン基、ペンタデカメチレン基、ヘキサデカメチレン基、ヘプタデカメチレン基、オクタデカメチレン基、ノナデカメチレン基、エイコサメチレン基、ヘンエイコサメチレン基、ドコサメチレン基が挙げられる。これらのうち、炭素数3〜18のものが好ましく、炭素数3〜8のものがより好ましい。
また、上記R2〜R4は、それぞれ独立に炭素数1〜5、好ましくは1〜2の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基又は炭素数2〜5、好ましくは炭素数2〜3の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシアルキル基である。上記R2〜R4の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基等が挙げられる。これらのうち、特にメチル基、エチル基、2−メトキシエチル基等が好ましい。
上記式(1)で表されるアルコキシシランは、下記スキームにしたがって合成できる。
Figure 0006019944
(式中、R1〜R4は、上記と同じ。R5は、R1から炭素数が2減少した直鎖状のアルキレン基である。)
上記式(1)で表されるアルコキシシランは、トリアルコキシヒドロシランとO−アルケニルヒドロキシルアミンとを白金系触媒で処理することによって調製することができる。例えば、窒素雰囲気下、トリアルコキシヒドロシランとO−アルケニルヒドロキシルアミンとの混合物に、ヘキサクロロ白金(IV)酸等の白金系触媒を加え、10〜200℃で1〜1,200時間、より好ましくは60℃〜120℃で12〜48時間反応させることにより調製できる。成膜操作には、過剰のトリアルコキシヒドロシランを例えば蒸留などの操作により除去したものを使用することが好ましい。
第1の有機単分子膜は、上記アミノオキシアルキル基を有するアルコキシシランを気相化学反応又は液相反応によって絶縁層上に形成し、その最適化、例えば、有機分子の自己集積化機能によって単分子が最密パッキングされた膜が形成される。気相化学反応によって単分子膜を成膜する場合は、例えば、容器に基板及びアミノオキシアルキル基を有するアルコキシシランを封入し、ドライルーム中で好ましくは80〜200℃で1〜24時間、より好ましくは100〜130℃で2〜5時間反応させることで成膜できる。液相反応によって単分子膜を成膜する場合は、例えば、アミノオキシアルキル基を有するアルコキシシランを含む有機溶媒中に基板を浸漬し、好ましくは20〜80℃で1分間〜24時間、より好ましくは55〜65℃で15〜20分間静置することで成膜できる。
上記有機溶媒としては、トルエン、メタノール、エタノール等が挙げられ、特にトルエン、メタノール等が好ましい。
上記電界効果トランジスタの半導体上には、更に、参照ゲート絶縁部としてシリコン酸化物又は無機酸化物を含む第2の絶縁層を形成することができる。この第2の絶縁層の上には、第2の有機単分子膜として、糖化合物及び生物学的物質のいずれとも反応しない有機分子で構成された単分子膜を形成し、この単分子膜/絶縁層/半導体構造を参照部とすることができる。なお、反応ゲート絶縁部と参照ゲート絶縁部とを電位変化測定において互いに影響を与えない程度に離間させれば、反応ゲート絶縁部の第1の絶縁層と参照ゲート絶縁部の第2の絶縁層とを同一層内に設けることもできる。
図2は有機単分子膜/絶縁層/半導体構造を検出部9及び参照部8に適用したオンチップデバイスのユニット構成例を示す。なお、図2中、1はシリコン基板、2は絶縁層、10はテンプレート部である。このデバイスのユニット構成は図示した構成に限定されず、検出部と参照部とは必ずしも1対1の関係で配置する必要はなく、必要に応じて検出部及び参照部の数並びに組合せを適宜変更して配置することができる。また、検出部及び参照部は各々数〜数10μmのサイズで形成可能である。
上記第2の有機単分子膜としては、フッ素化されていてもよい炭素数8〜22の直鎖状アルキル基を有するアルコキシシランの単分子膜が好ましい。なお、有機単分子膜としてアルコキシシランの単分子膜を用いる場合、上記第2の絶縁層はシリコン酸化物で形成されたものが好ましい。
第2の有機単分子膜は、絶縁層上に均一な膜を形成させるため、自己集積化膜であることが望ましい。具体的には、下記式(2)
Figure 0006019944
(式中、R6は、炭素数8〜22、好ましくは炭素数10〜18の直鎖状アルキル基であり、水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていてもよい。R7〜R9は、それぞれ独立に炭素数1〜5、好ましくは炭素数1〜2の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基又は炭素数2〜5、好ましくは炭素数2〜3の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシアルキル基である。)
で表されるトリアルコキシシランの単分子膜であることが好ましい。
上記R6として具体的には、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基、n−ヘンエイコシル基、n−ドコシル基が挙げられる。
上記R7〜R9として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基等が挙げられる。
上記トリアルコキシシランとして具体的には、
CH3(CH2)7Si(OCH3)3、CH3(CH2)7Si(OC25)3
CH3(CH2)8Si(OCH3)3、CH3(CH2)8Si(OC25)3
CH3(CH2)9Si(OCH3)3、CH3(CH2)9Si(OC25)3
CH3(CH2)10Si(OCH3)3、CH3(CH2)10Si(OC25)3
CH3(CH2)11Si(OCH3)3、CH3(CH2)11Si(OC25)3
CH3(CH2)12Si(OCH3)3、CH3(CH2)12Si(OC25)3
CH3(CH2)13Si(OCH3)3、CH3(CH2)13Si(OC25)3
CH3(CH2)14Si(OCH3)3、CH3(CH2)14Si(OC25)3
CH3(CH2)15Si(OCH3)3、CH3(CH2)15Si(OC25)3
CH3(CH2)16Si(OCH3)3、CH3(CH2)16Si(OC25)3
CH3(CH2)17Si(OCH3)3、CH3(CH2)17Si(OC25)3
CH3(CH2)18Si(OCH3)3、CH3(CH2)18Si(OC25)3
CH3(CH2)19Si(OCH3)3、CH3(CH2)19Si(OC25)3
CH3(CH2)20Si(OCH3)3、CH3(CH2)20Si(OC25)3
CH3(CH2)21Si(OCH3)3、CH3(CH2)21Si(OC25)3
CF3(CF2)5(CH2)2Si(OCH3)3、CF3(CF2)5(CH2)2Si(OC25)3
CF3(CF2)6(CH2)2Si(OCH3)3、CF3(CF2)6(CH2)2Si(OC25)3
CF3(CF2)7(CH2)2Si(OCH3)3、CF3(CF2)7(CH2)2Si(OC25)3
CF3(CF2)8(CH2)2Si(OCH3)3、CF3(CF2)8(CH2)2Si(OC25)3
CF3(CF2)9(CH2)2Si(OCH3)3、CF3(CF2)9(CH2)2Si(OC25)3
CF3(CF2)10(CH2)2Si(OCH3)3、CF3(CF2)10(CH2)2Si(OC25)3
CF3(CF2)11(CH2)2Si(OCH3)3、CF3(CF2)11(CH2)2Si(OC25)3
CF3(CF2)12(CH2)2Si(OCH3)3、CF3(CF2)12(CH2)2Si(OC25)3
CF3(CF2)13(CH2)2Si(OCH3)3、CF3(CF2)13(CH2)2Si(OC25)3
CF3(CF2)14(CH2)2Si(OCH3)3、CF3(CF2)14(CH2)2Si(OC25)3
CF3(CF2)15(CH2)2Si(OCH3)3、CF3(CF2)15(CH2)2Si(OC25)3
CF3(CF2)16(CH2)2Si(OCH3)3、CF3(CF2)16(CH2)2Si(OC25)3
CF3(CF2)17(CH2)2Si(OCH3)3、CF3(CF2)17(CH2)2Si(OC25)3
CF3(CF2)18(CH2)2Si(OCH3)3、CF3(CF2)18(CH2)2Si(OC25)3
CF3(CF2)19(CH2)2Si(OCH3)3、CF3(CF2)19(CH2)2Si(OC25)3
等が挙げられる。
なお、第1及び第2の有機単分子膜は、パターニングにより所望の位置に形成することができる。特に、オンチップでの集積化デバイスを形成するためには、有機単分子膜のパターニングが有効である。例えば、検出部の絶縁層表面には、糖化合物固定化のために反応性官能基を有する有機分子で構成された第1の単分子膜を、一方で、参照部、更には非ゲート部(テンプレート部)においては、生物学的物質の非特異的な吸着を避けるために、糖化合物及び生物学的物質のいずれとも反応しない有機分子で構成された第2の有機単分子膜をパターニングにより位置選択的に形成する。
参照部としては、第2の有機単分子膜としてアミノオキシアルキル基を有するアルコキシシランの単分子膜に、検出対象の生物学的物質と相互作用しない糖化合物を固定化したものを利用することも可能である。すなわち、検出対象の生物学的物質と相互作用しない糖化合物/有機単分子膜/絶縁層/半導体構造を参照部とすることもできる。この場合、参照部は、上述した検出部における有機単分子膜形成方法及び後述する糖鎖固定化方法と同じ方法にしたがって形成することができる。
本発明の糖化合物固定化半導体センシングデバイスには、上記検出部の第1の有機単分子膜に糖化合物が直接結合される。例えば、図1(C)に示されるように、第1の有機単分子膜3に糖化合物11が直接結合される。
固定化する糖化合物は、単糖でも糖鎖でもよい。上記アミノオキシアルキル基を有するアルコキシシランのアミノ基による、上記単糖又は糖鎖の還元末端のアルデヒド基(−CHO)の還元的アミノ化によって結合が形成される。
糖化合物を上記有機単分子膜に直接固定化するには、該糖化合物を含む水溶液中で、20〜100℃で10分〜24時間反応させればよい。好ましくは、50〜70℃で70〜90分間反応させればよい。上記糖化合物の濃度は、1nM〜1,000μMが好ましく、10μM〜100μMがより好ましい。
上記水溶液のpHは、4〜7が好ましく、特に5〜6の弱酸性であることが好ましい。この場合、用いる酸としては、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、クエン酸、スルホン酸等の有機酸が好ましい。弱酸性水溶液としては、上記例示した酸の水溶液、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液等の緩衝液が好ましい。例えば、上記弱酸性水溶液として酢酸水溶液を用いる場合、酢酸の濃度は、1.0×10-6〜0.1体積%が好ましく、1.0×10-5〜1.0×10-3体積%がより好ましい。
上記固定化する単糖としては、炭素数3〜9、特に炭素数5〜9のものが好ましい。具体的には、キシロース(Xly)等のペントース;グルコース(Glc)、マンノース(Man)、ガラクトース(Gal)等のヘキソース;フコース(Fuc)等のデオキシヘキソース;グルコサミン(GlcN)、ガラクトサミン(GalN)等のヘキソサミン;N−アセチルグルコサミン(GlcNAc)、N−アセチルガラクトサミン(GalNAc)等のヘキソサミン誘導体;ノイラミン酸(Neu)、N−アセチルノイラミン酸(Neu5Ac)、N−グリコリルノイラミン酸(Neu5Gc)等のシアル酸(Sia);グルクロン酸(GlcA)、イズロン酸(IdoA)等のウロン酸等が挙げられる。また、上記単糖のアミノ基又はヒドロキシ基に、アセチル基、硫酸基、メチル基、リン酸基等の置換基が付加した誘導体も好ましく使用することができる。
上記固定化する糖鎖としては、特に限定されないが、上記単糖から選ばれる少なくとも1つの単糖に由来する構成単位を含むものであることが好ましい。この場合、上記単糖は、そのアミノ基又はヒドロキシ基に、アセチル基、硫酸基、メチル基、リン酸基等の置換基が付加した誘導体であってもよい。上記糖鎖としては、特に、上記単糖及び/又はその誘導体がグリコシド結合を介して結合したものであることが好ましい。なお、上記グリコシド結合は、α−グリコシド結合であってもβ−グリコシド結合であってもよい。固定化する糖鎖の具体例としては、T抗原、Tn抗原、シアリルTn抗原、ルイスA、シアリルルイスA、ルイスX、シアリルルイスX、ABO式血液型抗原等の糖鎖抗原;レクチンリガンド等の既知のN−グリカン及びO−グリカン;ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ケラタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン等のグリコサミノグリカン(GAG);スフィンゴ糖脂質等の糖脂質に含まれる糖鎖部位等が挙げられる。
本発明の生物学的物質の検出方法は、上記糖化合物固定化半導体センシングデバイス上に固定化された糖化合物と生物学的物質とを相互作用させる工程と、該相互作用によるゲート電極上の表面電位変化を検出する工程とを含む。
図3に、本発明の糖化合物固定化半導体センシングデバイスを用いた糖化合物−生物学的物質相互作用に基づく生物学的物質の検出方法の概念を示す。この検出方法では、有機単分子膜上に直接固定化された糖化合物に対し、生物学的物質を相互作用させ、この相互作用により生じる絶縁層の表面電位変化を電気信号として検出する。なお、図3中、12は生物学的物質である。また、他の構成は、図1と同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
生物学的物質にはその表面に電荷が存在するため、デバイス上に固定化された糖化合物と生物学的物質とが相互作用した場合、ゲート電極上の表面電位がシフトする。この場合、電流一定下においては電位シフトを、電圧一定下においては電流のシフトをシグナルとして検出することができる。なお、n型の電界効果トランジスタを用いた場合とp型の電界効果トランジスタを用いた場合とでは、閾値電圧のシフトは互いに逆になる。
デバイス上に固定化された糖化合物と生物学的物質とを相互作用させるには、該生物学的物質を含む溶液を、必要に応じて希釈して、ゲート電極上に載せればよい。このとき、上記溶液としては、生物学的物質の検出に用いられている一般的な溶液を用いることができるが、特に生理的条件を満たすものが好ましい。例えば、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、トリス緩衝生理食塩水、MES緩衝生理食塩水、MOPS緩衝生理食塩水、PIPES緩衝生理食塩水、HEPES緩衝生理食塩水等が好ましく使用できる。また、上記溶液としては、細胞や細菌の培養培地等も好ましく使用できる。なお、上記溶液のpHは、5〜10が好ましく、6〜8がより好ましい。
また、上記溶液に、Ca2+、Mg2+等のイオン、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、グリコールエーテルジアミン四酢酸(EGTA)等のキレート剤、Tween(登録商標) 20、Triton(登録商標) X−100、Nonidet(登録商標) P−40等の界面活性剤等を加えてもよい。上記イオンを加える場合、その濃度は、0.1〜10mMが好ましく、0.5〜5mMがより好ましい。上記キレート剤を加える場合、その濃度は、0.1〜10mMが好ましく、0.5〜5mMがより好ましい。界面活性剤を加える場合、その濃度は、0.001〜10体積%が好ましく、0.05〜5体積%がより好ましい。
デバイス上に固定化された糖化合物と生物学的物質とを相互作用させるときの温度は、0〜40℃が好ましく、10〜30℃がより好ましく、室温(20〜25℃)が更に好ましい。反応時間は、30秒間〜1時間が好ましく、1〜30分間がより好ましく、5〜15分間が更に好ましい。
また、デバイス上に固定化された糖化合物と生物学的物質とを相互作用させる工程と、該相互作用によるゲート電極上の表面電位変化を検出する工程との間に、洗浄工程を設けてもよい。上記洗浄工程において使用する洗浄液は、上述したデバイス上に固定化された糖化合物と生物学的物質とを相互作用させるときに用いる生理的条件を満たす溶液が好ましい。また、上記洗浄液には、更に上述したイオン、キレート剤、界面活性剤等を加えてもよい。この場合、上述した濃度になるように添加することが好ましい。
本発明において検出の対象となる生物学的物質は、糖化合物と相互作用をする性質を有する生物学的物質であり、例えば、糖結合タンパク質、ウイルス、細菌、細胞等が挙げられる。糖結合タンパク質とは糖化合物と相互作用をするタンパク質のことであり、具体的には、レクチン、抗糖鎖抗体等が挙げられる。
ここで、本明細書においてレクチンとは、糖化合物に結合する能力を有するタンパク質であって、抗糖鎖抗体以外のもののことを意味し、動物レクチン、植物レクチン、真菌レクチン、糖結合活性を有するサイトカイン、GAG結合タンパク質、微生物アドヘシン、細菌毒素、ウイルスヘマグルチニン等を含むものとする。
上記動物レクチンとしては、シグレック等のI型レクチン;アシアロ糖タンパク受容体、セレクチン、コレクチン等のC型レクチン;ガレクチン等が挙げられる。上記植物レクチン及び真菌レクチンとしては数多くのレクチンが広く知られており、例えば、タチナタマメレクチン(ConA)、ニホンニワトコレクチン(SSA)、セイヨウニワトコレクチン(SNA)、インゲンマメレクチン(PHA−E、PHA−L)、イヌエンジュレクチン(MAL、MAH)、ピーナッツレクチン(PNA)、レンズマメレクチン(LCA)、トウゴマレクチン(RCA)、ダイズレクチン(SBA)、エンドウマメレクチン(PSA)、ヒイロチャワンタケレクチン(AAL)、マッシュルームレクチン(ABA)、小麦胚芽レクチン(WGA)、ハリエニシダレクチン(UEA−1)、チョウセンアサガオレクチン(DSA)等が挙げられる。
上記サイトカインとしては、インターロイキン(IL)−2、IL−8、繊維芽細胞増殖因子、肝細胞増殖因子等が挙げられる。上記GAG結合タンパク質としては、アンチトロンビン、CD44等が挙げられる。細菌毒素としては、コレラ毒素、ボツリヌス毒素、破傷風毒素、ベロ毒素等が挙げられる。ウイルスヘマグルチニンとしては、インフルエンザヘマグルチニン等が挙げられる。
検出可能な糖結合タンパク質の濃度はその種類によって異なるが、例えばレクチンや抗糖鎖抗体の場合、0.1pg/mL〜1mg/mLが好ましく、1pg/mL〜100μg/mLがより好ましく、10pg/mL〜10μg/mLが更に好ましい。
本発明の方法によれば、ウイルス、細菌又は細胞を直接検出することも可能である。ウイルスや細菌には、その表面にヘマグルチニンやアドヘシンを発現しているものがあり、また、細胞の中には、細胞表面にセレクチン等の動物レクチンを発現しているものがあり、そのようなウイルス、細菌、細胞は検出が可能である。
検出可能なウイルスとして具体的には、インフルエンザウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、ヘルペスウイルス、センダイウイルス、ノロウィルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、コロナウイルス、SARSウイルス、ロタウィルス、手足口病ウイルス、デング熱ウイルス等が挙げられる。検出可能な細菌として具体的には、大腸菌、ヘリコバクターピロリ菌、ブドウ球菌、連鎖球菌、結核菌等が挙げられる。検出可能な細胞としては、肝細胞がん、胃がん、肺がん、大腸がん、膵臓がん等のがん細胞;T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、好中球、単球、マクロファージ等の免疫細胞;肝細胞、内皮細胞その他糖結合タンパク質を細胞表面に発現している細胞が挙げられる。
ウイルスを検出する場合、その濃度は、100〜1010pfu/mLが好ましく、101〜105pfu/mLがより好ましい。また、細菌を検出する場合、その濃度は、100〜108cfu/mLが好ましく、101〜103cfu/mLがより好ましい。細胞を検出する場合、その濃度は、100〜108個/mLが好ましく、101〜103個/mLがより好ましい。
本発明において、上記糖化合物固定化半導体センシングデバイスに固定化する糖化合物は、検出する対象にあわせて適宜選択すればよい。例えば、インフルエンザヘマグルチニンを検出する場合には、ヒトインフルエンザヘマグルチニンのリガンドである非還元末端にSiaα2−6Galを有する糖鎖や、トリインフルエンザヘマグルチニンのリガンドである非還元末端にSiaα2−3Galを有する糖鎖等を上記デバイスに固定化すればよい。
動物レクチンを検出する場合、上記デバイスに固定化する糖鎖としては、Siaα2−3Galβ1−3(4)GlcNAc、Siaα2−3Galβ1−3GalNAc、Siaα2−6Galβ1−4GlcNAc、Siaα2−3Gal等のシグレックリガンド、シアリルルイス抗原、硫酸化されたシアリルルイス抗原等のセレクチンリガンド等が挙げられる。なお、上記式中、β1−3(4)とは、β1−3グリコシド結合でもβ1−4グリコシド結合でもよいことを表す。
植物レクチンや真菌レクチンを検出する場合は、Siaα2−3Galβ1−3GalNAc、Siaα2−3Galβ1−4GlcNAc、Siaα2−6Gal、Siaα2−6GalNAc、GalNAcα1−3Gal、GalNAcα1−3GalNAc、Galβ1−4GlcNAc、Galβ1−3GalNAc、Manα1−6(Manα1−3)Man、Fucα1−2Galβ1−4GlcNAc、Fucα1−6GlcNAc、GlcNAcβ1−4(L−Fucα1−3)GlcNAc、GlcNAcβ1−4GlcNAc等の構造を有するレクチンリガンドとして既知の糖鎖を上記デバイスに固定化すればよい。
抗糖鎖抗体、サイトカイン又は細菌毒素を検出する場合は、それらが結合する糖鎖を上記デバイスに固定化すればよい。GAG結合タンパク質を検出する場合は、それが結合するGAGを上記デバイスに固定化すればよい。
また、ウイルス、細菌又は細胞を検出する場合には、その表面に発現している糖結合タンパク質のリガンドとなる糖鎖を上記デバイスに固定化すればよい。このような糖鎖は、多数が報告されている。例えば、インフルエンザウイルスを検出する場合は、上述したインフルエンザヘマグルチニンのリガンドとなる糖鎖を固定化すればよい。
本発明のデバイスは、糖を高密度に固定できるため、生物学的物質を高感度に検出することが可能である。また、生物学的物質との結合部位が有機単分子膜界面から近くなるため、生理的条件下における生物学的物質の検出が可能となる。本発明の方法は、生体試料中のウイルスの検出、バイオマーカー検出等にも好適に使用できる。
以下、合成例、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[合成例1]アミノオキシプロピルトリエトキシシランの合成
トリエトキシシラン0.5mL及びO−アリルヒドロキシルアミン塩酸塩0.10gの混合物に、0.1Mヘキサクロロ白金(IV)酸イソプロパノール溶液5μLを加え、窒素雰囲気下90℃で48時間撹拌した。NMRにてO−アリルヒドロキシルアミン塩酸塩の消失を確認した後、過剰のトリエトキシシランを留去し、乾燥トルエンを用いて3回共沸し、残渣を真空ラインで乾燥し、アミノオキシプロピルトリエトキシシラン0.21g(収率77%)を得た。
[実施例1]糖化合物固定化半導体センシングデバイスの構築
糖化合物/有機単分子膜/絶縁層/半導体構造を検出部として備え、かつ、有機単分子膜/絶縁層/半導体構造を参照部として備えるデバイスを構築した。絶縁層としてはシリコン酸化物を用いた。検出部の第1の有機単分子膜として、アミノオキシプロピルトリエトキシシランを用いてアミノオキシ系単分子膜を形成した。
アミノオキシ系単分子膜の形成及び糖鎖の固定化は以下の方法で行った。
まず、アミノオキシ系単分子膜をゲート電極表面に修飾した。アミノオキシプロピルトリエトキシシランを0.1質量%含むトルエン中にデバイスを浸漬し、60℃で15分間静置することで、ゲート上へアミノオキシ系単分子膜を成膜した。次に、有機単分子膜のアミノオキシ基と糖鎖とを結合するために、糖鎖としてα2,6−シアリルラクトース(Carbosynth社製)を含む酢酸水溶液(糖鎖濃度0.1mM、酢酸濃度8.0×10-4体積%、pH5.3)中で、60℃で1時間反応させることで、アミノオキシ系単分子膜に糖鎖を固定化した。リン酸緩衝生理食塩水(137mM NaCl、2.7mM KCl、8.1mM Na2HPO4・12H2O、1.5mM KH2PO4、pH7.4、以下、1×PBSと表記する。)3mLで基板を洗浄し、次いで0.01×PBS3mLを用いてリンスを行い、α2,6−シアリルラクトース固定化半導体センシングデバイスを構築した。
また、α2,3−シアリルラクトース(Carbosynth社製)を用いた以外は上記と同じ方法でα2,3−シアリルラクトース固定化半導体センシングデバイスを構築した。
[実施例2]ヒトインフルエンザヘマグルチニン(HA)の検出
実施例1で作製したα2,6−シアリルラクトース固定化半導体センシングデバイスをホルダーに設置し、デバイスの検出部を0.01×PBS0.5mLに10分間浸漬した。浸漬後、室温で、糖鎖固定化デバイスの電流−電圧曲線を、Hg/Hg2SO4参照電極を用い、デジタルソースメータ(ケースレー社製、2612)で測定した。測定条件はゲート電圧−3V〜1.5V、ドレイン電圧1Vとした。更に、ゲート表面上に10μg/mLのヒトHA(H1N1,A/New Caledonia/20/1999;Protein Science社製)を含む1×PBSを添加し、10分静置した後、1体積%の界面活性剤Tween20を含む1×PBS10mLで洗浄し、次いで0.01×PBS3mLを用いてリンスを行った。その後、ゲート表面上に0.01×PBSを0.5mL添加して10分間静置した後、タンパク質吸着デバイスの電流−電圧曲線を測定し、タンパク質添加前後でのゲート電圧シフトΔVgを評価した。
[比較例1]
比較例として、α2,6−シアリルラクトースに結合活性を示さないタンパク質であるヒト血清アルブミン(HSA)に対する応答を以下の通り評価した。実施例1で作製したα2,6−シアリルラクトース固定化半導体センシングデバイスをホルダーに設置し、デバイスの検出部を0.01×PBS0.5mLに10分間浸漬した。浸漬後、室温で、糖鎖固定化デバイスの電流−電圧曲線を、Hg/Hg2SO4参照電極を用い、デジタルソースメータ(ケースレー社製、2612)で測定した。測定条件はゲート電圧−3V〜1.5V、ドレイン電圧1Vとした。更に、ゲート表面上に10μg/mLのHSA(和光純薬工業(株)製)を含む1×PBSを添加し、10分静置した後、1体積%の界面活性剤Tween20を含む1×PBS10mLで洗浄し、次いで0.01×PBS3mLを用いてリンスを行った。その後、ゲート表面上に0.01×PBSを0.5mL添加して10分間静置した後、デバイスの電流−電圧曲線を測定し、タンパク質添加前後でのゲート電圧シフトΔVgを評価した。
α2,6−シアリルラクトース固定化デバイスに対するHA添加前後のデバイス特性の評価結果(実施例2)を図4に、HSA添加前後のデバイス特性の評価結果(比較例1)を図5に示す。なお、図4及び5において、(A)は、ゲート電圧−1.5V〜1.5Vの範囲における電流−電圧曲線を示し、(B)は、ゲート電圧1.0V〜1.5Vの範囲における(A)の拡大図である。
実線がタンパク質添加前のデバイス特性、破線がタンパク質添加後のデバイス特性をそれぞれ表す。糖鎖固定化デバイスにHAを添加した場合、電流−電圧曲線が正方向にシフトした。一方で、糖鎖固定化デバイスにHSAを添加した場合、電流−電圧曲線の変化はほとんど確認されなかった。ゲート電圧シフト値を示すグラフを図6に示す。このことより、作製された糖鎖固定化デバイスがタンパク質識別能を有し、認識したタンパク質が保有する電荷を検出可能であることが示された。
[実施例3]
実施例2の方法と同様にして、下記表1記載の濃度のHAの添加前後でのゲート電圧シフトΔVgを評価した。結果を表1及び図7に示す。なお、図7中、controlとは、10μg/mLのHSAを添加したものである。表1及び図7より、濃度依存的なHAの検出が可能なことが示された。
Figure 0006019944
[実施例4、比較例2]ヒトインフルエンザヘマグルチニン(HA)の検出
実施例1で作製したα2,6−シアリルラクトース固定化半導体センシングデバイスをホルダーに設置し、デバイスの検出部を0.01×PBS0.5mLに10分間浸漬した。浸漬後、室温で、糖鎖固定化デバイスの電流−電圧曲線を、Hg/Hg2SO4参照電極を用い、デジタルソースメータ(ケースレー社製、2612)で測定した。測定条件はゲート電圧−3V〜0.5V、ドレイン電圧0.1Vとした。更に、ゲート表面上に下記表2記載の濃度のヒトHA(H1N1,A/New Caledonia/20/1999;Protein Science社製)を含む1×PBSを添加し、10分静置した後、1体積%の界面活性剤Tween20を含む1×PBS10mLで洗浄し、次いで0.01×PBS3mLを用いてリンスを行った。その後、ゲート表面上に0.01×PBSを0.5mL添加して10分間静置した後、タンパク質吸着デバイスの電流−電圧曲線を測定し、タンパク質添加前後でのゲート電圧シフトΔVgを評価した(実施例4)。
また、比較例として、実施例4と同じ方法で、下記表1記載の濃度のトリHA(H5N1,A/Indonesia/05/2005;Protein Science社製)の添加前後でのゲート電圧シフトΔVgを評価した(比較例2)。
結果を表2及び図8に示す。
Figure 0006019944
表2及び図8より、α2,6−シアリルラクトース固定化半導体センシングデバイスを用いることで濃度依存的なヒトHAの検出が可能であることが示された。一方、α2,6−シアリルラクトースに結合活性を示さないトリHAを用いた場合は、ゲート電圧シフトは検出されなかった。
すなわち、α2,6−シアリルラクトース固定化半導体センシングデバイスを用いることで特異的にヒトHAを検出できることが示された。
[実施例5、6、比較例3]トリインフルエンザヘマグルチニン(HA)の検出
実施例1で作製したα2,3−シアリルラクトース固定化半導体センシングデバイスを用いた以外は、実施例4の方法と同様にして、下記表3記載の濃度のトリHAの添加前後でのゲート電圧シフトΔVgを評価した。なお、トリHAとしては、Protein Science社製のH5N1,A/Vietnam/1203/2004(実施例5)、及びH5N1,A/Indonesia/05/2005(実施例6)を用いた。
また、比較例として、下記表3記載の濃度のヒトHA(H1N1,A/New Caledonia/20/1999;Protein Science社製)の添加前後でのゲート電圧シフトΔVgを評価した(比較例3)。
結果を表3及び図9に示す。
Figure 0006019944
表3及び図9より、α2,3−シアリルラクトース固定化半導体センシングデバイスを用いることで濃度依存的なトリHAの検出が可能であることが示された。一方、α2,3−シアリルラクトースに結合活性を示さないヒトHAを用いた場合は、ゲート電圧シフトは検出されなかった。
すなわち、α2,3−シアリルラクトース固定化半導体センシングデバイスを用いることで特異的にトリHAを検出できることが示された。
[比較例4]抗体固定化半導体センシングデバイスの構築及びヒトHAの検出
糖鎖固定化半導体センシングデバイスが抗体固定化半導体センシングデバイスに比べて有利であることを示すため、比較例として、抗ヒトHA抗体を固定化した半導体センシングデバイスを構築して、ヒトHAに対する応答を評価した。
抗体固定化半導体センシングデバイスとして、抗体/有機単分子膜/絶縁層/半導体構造を検出部として備え、かつ、有機単分子膜/絶縁層/半導体構造を参照部として備えるデバイスを構築した。絶縁層としてはシリコン酸化物を用いた。検出部の第1の有機単分子膜として、アミノプロピルトリエトキシシランを用いてアミノ系単分子膜を形成した。
アミノ系単分子膜の形成、抗体の固定化及びヒトHAの検出は以下の方法で行った。
まず、アミノ系単分子膜をゲート電極表面に修飾した。アミノプロピルトリエトキシシランを1質量%含むトルエン中にデバイスを浸漬し、60℃で7分間静置することで、ゲート上へアミノ系単分子膜を成膜した。その後、有機単分子膜のアミノ基と抗体とを架橋するための架橋分子として、グルタルアルデヒドを反応させた。反応は、末端がアミノ基の単分子膜が形成された上記デバイスの検出部を、2.5質量%のグルタルアルデヒド水溶液0.01mL中に室温で30分間浸漬することにより実施した。基板洗浄後、デバイスをホルダーに設置し、デバイスの検出部を0.01×PBS0.5mLに30分間浸漬した。浸漬後、グルタルアルデヒド修飾デバイスにデジタルソースメータ(ケースレー社製、2612)にて電圧掃印を行った。電圧掃印条件は掃印電圧−3〜0Vとし、連続して3回行った。電圧印加後、上記0.01×PBS0.02mLをデバイスホルダーに残し、0.1g/Lの抗ヒトHA抗体(Protein Science社製)を含むPBSを0.02mL添加し、室温で1時間反応させることで、架橋分子に抗体を固定化した。
基板洗浄後、デバイスの検出部を0.01×PBS0.5mLに10分間浸漬した。浸漬後、室温で、抗体固定化デバイスの電流−電圧曲線を、Hg/Hg2SO4参照電極を用い、デジタルソースメータ(ケースレー社製、2612)で測定した。測定条件はゲート電圧−3V〜0.5V、ドレイン電圧0.1Vとした。更に、上記0.01×PBS0.02mLをデバイスホルダーに残し、ゲート表面上に下記表4記載の濃度のヒトHA(H1N1,A/New Caledonia/20/1999;Protein Science社製)を含む1×PBSを添加し、10分静置した後、1体積%の界面活性剤Tween20を含む1×PBS10mLで洗浄し、次いで0.01×PBS3mLを用いてリンスを行った。その後,ゲート表面上に0.01×PBSを0.5mL添加して10分間静置した後、デバイスの電流−電圧曲線を測定し、タンパク質添加前後でのゲート電圧シフトΔVgを評価した。
結果を表4及び図10に示す。また、比較のため実施例4の結果も併記する。
Figure 0006019944
表4及び図10より、糖鎖固定化半導体センシングデバイスを用いた方が、抗体固定化半導体センシングデバイスを用いた場合に比べて、検出感度や検出範囲の点で有利であることが示された。
1 シリコン基板
2 絶縁層
3 第1の有機単分子膜
4 ゲート電極
5 ソース電極
6 ドレイン電極
7 ドープ領域
8 参照部
9 検出部
10 テンプレート部
11 糖化合物
12 生物学的物質

Claims (9)

  1. 半導体上に反応ゲート絶縁部としてシリコン酸化物又は無機酸化物を含む第1の絶縁層が形成された電界効果トランジスタの上記第1の絶縁層の上に、炭素数3〜22のアミノオキシアルキル基を有するアルコキシシランの単分子膜からなる第1の有機単分子膜を形成し、該第1の有機単分子膜に糖化合物を上記アミノオキシアルキル基を介して直接結合させてなる、糖化合物/有機単分子膜/絶縁層/半導体構造を検出部として備えることを特徴とする糖化合物固定化半導体センシングデバイス。
  2. 上記アミノオキシアルキル基を有するアルコキシシランが、下記式(1)
    Figure 0006019944
    (式中、R1は、炭素数3〜22の直鎖状のアルキレン基である。R2〜R4は、それぞれ独立に炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基又は炭素数2〜5の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシアルキル基である。)
    で表されることを特徴とする請求項1記載の糖化合物固定化半導体センシングデバイス。
  3. 上記糖化合物が、単糖又は糖鎖であることを特徴とする請求項1又は2記載の糖化合物固定化半導体センシングデバイス。
  4. 上記単糖が、キシロース、グルコース、マンノース、ガラクトース、フコース、グルコサミン、ガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン、N−アセチルガラクトサミン、ノイラミン酸、N−アセチルノイラミン酸、N−グリコリルノイラミン酸、グルクロン酸及びイズロン酸から選ばれることを特徴とする請求項3記載の糖化合物固定化半導体センシングデバイス。
  5. 上記糖鎖が、キシロース、グルコース、マンノース、ガラクトース、フコース、グルコサミン、ガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン、N−アセチルガラクトサミン、ノイラミン酸、N−アセチルノイラミン酸、N−グリコリルノイラミン酸、グルクロン酸及びイズロン酸から選ばれる少なくとも1つの単糖に由来する構成単位を含むことを特徴とする請求項3記載の糖化合物固定化半導体センシングデバイス。
  6. 上記半導体上に、更に、参照ゲート絶縁部としてシリコン酸化物又は無機酸化物を含む
    第2の絶縁層が形成され、該第2の絶縁層の上に、上記糖化合物及び生物学的物質のいずれとも反応しない有機分子で構成された第2の有機単分子膜を形成してなる、有機単分子膜/絶縁層/半導体構造を参照部として備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の糖化合物固定化半導体センシングデバイス。
  7. 請求項1乃至のいずれか1項記載の糖化合物固定化半導体センシングデバイス上に固定化された糖化合物と生物学的物質とを相互作用させる工程と、
    該相互作用によるゲート電極上の表面電位変化を検出する工程と
    を含むことを特徴とする生物学的物質の検出方法。
  8. 上記生物学的物質が、糖結合タンパク質、ウイルス、細菌又は細胞であることを特徴とする請求項記載の生物学的物質の検出方法。
  9. 上記糖結合タンパク質が、レクチン又は抗糖鎖抗体であることを特徴とする請求項記載の生物学的物質の検出方法。
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