JP6019610B2 - Saw発振器および電子機器 - Google Patents
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Description
これに対し、ICとSAWデバイスとを重ねて構成することにより、SAW発振器の占有面積を小さくすることが考えられたが、その結果、それぞれの信号線が近接することにより、発振動作が不安定になるなどの弊害が発生する場合があるという問題があった。
なお、平面視とは、SAW共振子を構成する基板平面の垂直方向からSAW共振子を見た場合をいい、出力線路の面積とは、平面視したときの出力線路の投影面積をいう。
まず、実施形態1に係るSAW発振器について説明する。
図1(a)は、実施形態1に係るSAW発振器100の平面図、(b)は、(a)のA−A断面図、(c)は、SAW発振器100の回路の概略図である。
SAW発振器100は、SAW共振子10、IC素子20などから構成された差動出力SAW発振器であり、パッケージ30に実装されている。
圧電基板9は、長方形の基板であり、その材料としては、水晶、ランガサイト、LBO(Li2B4O7)、サファイア、ダイヤモンドなどが挙げられる。
反射器12は、圧電基板9の長手方向における交差指電極11の両側に配置されている。
また、圧電基板9の主面には、長手方向に沿って、交差指電極11とIC素子20とを接続する一対のSAW信号線路13(13a,13b)が、交差指電極11および反射器12を挟むように形成されている。
以下に、その具体的な構成を説明する。
回路基板32は、ベース基板31と略同じ大きさの回路基板であり、中程から長手方向一方の周辺部にやや寄った位置にIC素子20が配置される空間を形成する開放部32k(穴)を備えており、IC素子20と共に、ベース基板31に接着されている。また、回路基板32は、パッケージ30の複数の外部端子や実装基板33が有する導電パターンと電気的に接続された複数の導電パターン32pを有している。
なお、以降の説明において、ベース基板31に対して回路基板32が積層される方向を上方向とする。
なお、平面視とは、SAW共振子10が構成される基板平面の垂直方向からSAW共振子10を見た場合をいう。
IC素子20に形成された電極パッド21と導電パターン32pと、およびSAW共振子10のSAW信号線路13と導電パターン33pとは、金線またはアルミニウム線などのボンディングワイヤー36で電気的に接続され、SAW発振器100として図1(c)に示す回路が構成されている。なお、図1(c)において、外部回路と接続するその他の端子については、図示を省略している。
IC素子20が形成する一対の差動出力は、電極パッド21a,21bからボンディングワイヤー36c,36dを介して導電パターン32pa,32pbに伝達される。この伝達経路は、本願発明におけるIC素子20の出力線路であり、以下、出力線路100opという。
図1(a)に示すように、出力線路100opは、信号線路100ipとは、平面視したときに重ならないように構成されている。これらが重ならないように構成する理由について以下に説明する。
図2(a)において、SAW発振器101における電極パッド21a,21bから導電パターン32pa,32pbまでのIC素子20の出力線路(以下出力線路101op)は、SAW共振子10の下方(裏側)に位置し、平面視した場合に、信号線路100ipの一部と重なるような配置となっている。このような配置となった場合に、信号線路100ipと出力線路101opとの間には、その距離が縮まるほど、図2(b)に示す寄生容量C1〜C4が無視し得ない大きさとなって現れる。寄生容量(浮遊容量)は、C1〜C4に限らず存在するが、SAW発振器101の場合には、寄生容量C1〜C4による信号間の容量結合によって、差動出力の特性が劣化する。
図3において、実線は、SAW発振器100の差動出力波形を示し、破線は、SAW発振器101の差動出力波形を示している。SAW発振器101の場合には、寄生容量C1〜C4による信号間の容量結合によって、特に、差動出力の立ち上がり、立ち下がりの特性が劣化している。
SAW共振子10とIC素子20とは、平面視したときに少なくとも一部が重なるように構成されていることにより、SAW発振器をより小型化することが可能となり、SAW発振器の実装面積をより小さくすることができる。また、このようにSAW共振子10とIC素子20とを重ねて構成した場合であっても、信号線路100ipと出力線路100opとは、平面視したときに重ならないように構成されているため、意図しない容量結合による特性劣化の発生を軽減することができる。その結果、良好な特性が維持された、より小型のSAW発振器を提供することができる。特にSAW発振器をプリント基板などに多数実装して使用する装置などにおいては、その効果が大きく、省スペース化に寄与する。
次に、実施形態2としての電子機器について説明する。
実施形態1で説明したSAW発振器100を備える電子機器としては、例えば、ネットワーク機器が挙げられる。具体的には、データーセンターなどに設置するネットワークサーバーのLAN(Local Area Network)インターフェイス機器にSAW発振器100を備えている。
図4は、変形例1に係るSAW発振器200の平面図である。
実施形態1では、図1(a)に示すように、扁平な略直方体形状を呈するパッケージ30を平面視したときに、導電パターン32pa,32pbは、パッケージ30の扁平な面を構成する長方形の一方の短辺側領域(図1(a)では右側)に配置されている。導電パターン32pa,32pbの配置はこの例に限定するものではなく、例えば、図4に示すように、SAW共振子10がパッケージ30の一方の長辺に沿う領域に配置され、導電パターン32pa,32pbがパッケージ30の他方の長辺に沿う領域に配置される構成であっても良い。
パッケージ30vは、ベース基板31、回路基板32v、実装基板33v、フレーム34、蓋35などが順に積層され、内部にSAW共振子10やIC素子20を配置する空間を有する扁平な略直方体形状の表面実装型パッケージとして構成されている。
回路基板32vは、回路基板32における導電パターン32pa,32pbの位置を導電パターン32pav,32pbvの位置に変更し、それに合わせて変更されるIC素子20の向きに合わせて導電パターン32pのパターンレイアウトが変更されている点を除き、回路基板32と同じである。
実装基板33vは、開放部33kの形状、大きさを導電パターン32pav,32pbvの位置に合わせて変更している点を除き、実装基板33と同じである。
つまり、SAW共振子10は、パッケージ30の一方の長辺に沿う領域に配置され、IC素子20の出力線路(導電パターン32pav,32pbvを含む出力線路100opv)は、他方の長辺に沿う領域に配置されている。
実施形態1では、図1(b)に示すように、SAW共振子10とIC素子20とが、それぞれベース基板31と実装基板33との異なる基板に実装され、回路基板32を介して電気的に接続されるとして説明したが、この構成に限定するものではない。例えば、SAW共振子10は実装基板の一方の面に実装され、IC素子20は、同一の実装基板の他方の面に実装される構成であっても良い。
Claims (3)
- 複数の導電パターンを有する略直方体形状のパッケージと、
交差指電極ならびに前記交差指電極に導通しているSAW信号線路を備えると共に前記複数の導電パターンのうちの第1導電パターンと前記SAW信号線路とが導通した状態で前記パッケージに配置されたSAW共振子と、
前記交差指電極と重なった状態で前記パッケージに配置されており、前記SAW共振子を駆動する発振回路および前記発振回路の出力信号を出力する電極パッドを備え、かつ前記複数の導電パターンのうちの第2導電パターンと前記電極パッドとが導通しているIC素子と、を備え、
前記SAW信号線路、前記第1導電パターンまでの第1導電路、および前記第1導電パターンからなる信号線路と、前記電極パッド、前記第2導電パターンまでの第2導電路、および前記第2導電パターンからなる出力線路とは、平面視したときの前記出力線路の総面積の10%以上重なっておらず、
前記パッケージを平面視したときに、前記SAW共振子は、前記パッケージの一方の長辺に沿う領域に配置されており、前記電極パッド、前記第2導電路、および前記第2導電パターンのうち前記パッケージにおける前記IC素子搭載面側表面に配置された部分は、平面視において前記SAW共振子よりも他方の長辺側の領域に配置されていることを特徴とするSAW発振器。 - 前記発振回路の出力が差動出力であることを特徴とする請求項1に記載のSAW発振器。
- 請求項1または請求項2に記載のSAW発振器を備えたことを特徴とする電子機器。
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