JP6018941B2 - 運転支援システム - Google Patents

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Description

本発明は、列車の運転支援システムに関する。
環境/資源問題/電力不足に対応するため、列車単独の省エネに留まらず、運行管理の観点でも省エネ運行が必要とされている。従来から、同一変電所内の列車群に関して力行と回生のタイミングを合わせることにより、回生中の列車から力行中の列車へ電力融通する省エネ方法が実施されている。この方法の例として、特開平2-85057(特許文献1)がある。この公報には、「同一の車線上を走行する先行列車と後続列車との間で力行と回生のエネルギーを受授するように制御する鉄道車両の運行制御方式において、あるX駅の前停止駅Wでの発車時刻に、X駅での先行列車の停車時間tsと後続列車の減速所要時間をβとの和に等しい時間間隔を与えることで、X駅から発車する先行列車の起動加速時刻と後続列車のX駅への進入時の減速開始時刻とを一致させることを特徴とする」と記載されており、主に、尖頭ピーク電力を抑える効果がある。
特開平2-85057号公報
上述した特許文献1では、先行列車と後続列車との間で力行と回生のタイミングを一致させることで省エネを図る技術が記載されている。図1に示すように、先行列車2が遅延して列車3の発車タイミングに自由度が発生した場合に、特許文献1の技術を利用して、発車タイミングを遅らせて発車タイミングを他列車(列車4)の回生タイミングと一致させる方法が必ずしも最も省エネな運行となっているとは限らない。これは特定駅間を走行する場合、走行速度が低い方が走行に必要な消費電力が少なくて済むためである。つまり、特許文献1の技術では、最も省エネとなる列車の発車タイミングを求めることができず、省エネ効果が限定的であるという課題がある。
そこで、本発明では、余裕時分を活かした低速度走行による省エネと、他列車の回生電力活用による省エネの両面を考慮でき、駅間の列車走行での消費電力量をより削減できるシステムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、運転支援システムは、特定駅における発車時刻の余裕時分と計画ダイヤ上発車時刻とに基づいて、複数の発車時刻について走行時分起因の削減電力量を算出する第一削減電力量算出手段と、余裕時分と計画ダイヤ上発車時刻と他列車在線情報とに基づいて、複数の発車時刻について特定列車と同一変電所区間に在線する他列車からの回生電力に起因した削減電力量を算出する第二削減電力量算出手段と、前記第一削減電力量算出手段により算出された削減電力量と前記第二削減電力量算出手段により算出された削減電力量に基づいて、複数の発車時刻について総削減電力量を算出する第三削減電力量算出手段と、第三削減電力量算出手段により算出された削減電力量に基づいて、特定列車の推奨発車時刻または推奨発車時刻を含む複数の発車時刻を教示する発車時刻教示手段と、を備える。
または、運行遅延発生時であって計画ダイヤで定められた走行パターンとは異なる運転を行う場合に、特定列車の推奨発車タイミングの情報を生成する運転支援システムであって、特定列車の特定駅発車から次駅到着までに必要と予想される消費電力量と、特定列車と同一変電所区間に在線する他列車の回生電力のうち、特定列車が特定駅発車から次駅到着までに利用すると予想される再利用電力量と、の差分により予想することができる総消費電力量を計画ダイヤで定められた発車時刻以降の複数タイミング毎に演算し、複数タイミングの中で、最も消費電力量が少ないタイミング、または最も消費電力量が少ないタイミングを含む複数のタイミングの情報を出力する運転支援システムによって、上記課題が解決できる。
または、特定列車と同一変電所区間に在線する他列車の予測減速開始時刻と、計画ダイヤ上の発車時刻の時間間隔が徐々に広がる場合に、時間間隔が所定より小さい領域では、教示される推奨発車時刻が教示される推奨発車時刻が遅くなり、時間間隔が所定より大きい領域では、教示される推奨発車時刻が早まる運転支援システムによって、上記課題が解決できる。
本発明の効果としては、余裕時分を活かした低速度走行による省エネと、他列車の回生電力活用による省エネの両面を考慮できるため、駅間の列車走行での消費電力量をより削減させることができる。
ダイヤスジ画面上での本発明の実施例を説明する図である 本発明の運転支援システムの構成例である。 実施例1の運転支援システムの処理を説明するフローチャートの例である。 発車タイミング毎の削減電力量を比較する図である。 他列車の減速回生タイミングによって、教示される発車タイミングが異なることを示す図である。 運行管理システムにおける発車時刻教示の画面例である。 発車時刻に応じた駅間の走行速度パタン想定の例である。 発車時刻に応じた回生電力起因削減電力の算出過程を示す図である。 他列車在線情報から回生電力発生を予測する過程を示す図である。 本発明の運転支援システムの他の構成例である。 運転士向けの表示装置における発車時刻教示の画面例である。 本発明の運転支援システムの他の構成例である。
以下、実施例を、図面を用いて説明する。
本実施例では、ダイヤ乱れ等によって特定駅における特定列車の発車タイミングに自由度が生まれた際に、駅間消費電力を低減する発車タイミングを教示する運転支援システムの例を説明する。
図1は、本実施例の発車タイミング教示を、ダイヤスジを表示した表示装置の画面上で行う場合の一例を示している。図1を用いて、本発明が適用される状況および本発明の運転支援システムを説明する。
図1に示すダイヤスジは、横軸に時間、縦軸に距離をとり、各列車の運行を線分で表したもので、列車のダイヤを管理する運行管理において一般的に用いられる図である。図1では、黒細実線が計画ダイヤ、黒太実線が実績ダイヤ、灰太実線が現在時刻以降での予測ダイヤを示している。
図1では、駅Cにおいて列車2に遅延が発生した状況を示しており、列車2の駅C発車時刻が計画ダイヤと比べて遅れることが予測されている(図1(1))。この状況で、列車3が計画ダイヤ通りに駅Bを発車し、計画ダイヤ通りの速度で走行すると、駅C直前で列車2と接近し過ぎることにより、機外停止(駅間で停車)せざるを得なくなると予測されるため(図1(2))、列車3の駅C到着時刻が遅らされる(図1(3))。機外停止は、駅間において本来不要な減速および再加速を発生させ、エネルギーのロスが生じるため、省エネの観点で、このように機外停止を抑止できる運転整理が望ましい。
さて、ここで、列車3の駅C到着時刻が計画ダイヤよりも遅い時刻に変更されたことにより、列車3の駅間(駅B〜駅C)では余裕時分が生まれており、列車3の駅B発車タイミングに自由度が生まれている(図1(4))。すなわち、計画ダイヤ通りの時刻に発車し、変更された駅C到着時刻に向けて低い速度で走行する方法の他、駅C到着時刻の変更分だけ駅Bの発車時刻も後ろにずらし、変更された駅C到着時刻に向けて計画ダイヤと同様の速度で走行する方法もあり、これらの間で発車タイミングの自由度があると言える。
ここで、列車3単独で最も省エネになる発車タイミングは、計画ダイヤ通りの発車タイミングである。なぜならば、早い発車タイミングで余裕時分を活かした走行をすることで、走行速度を低く抑えることができるからである(列車の走行抵抗は速度および速度の二乗に比例して大きくなる)。一方で、列車群で省エネを考える場合、自列車の加速タイミングと同一変電所区間内の他列車の減速タイミングとを合わせることによって、他列車の回生エネルギーを有効活用することも考慮すべきである。
図1では、例えば、列車4が駅A停車に向けて減速することが予測されるため、この減速における回生エネルギーを活用するためには、列車3は計画ダイヤよりも遅いタイミングで駅Bを発車することが望ましいと言える。しかしながら、発車タイミングを遅らせると、駅間走行時分が短くなり、走行速度が高くなることで走行抵抗によるロスが増える。これらより、駅間消費電力が最小となる列車3の発車タイミングを決めるにあたっては、余裕時分を活かした走行による省エネ効果と、回生電力を活かした走行による省エネ効果の両方を考慮する必要があると言える。これらの両効果の影響を考え合わせて、駅間消費電力を最も削減できるように、列車3の駅B発車タイミングを教示すること(例えば、図1星印の表示)が、本発明の運転支援システムの趣旨である。
言い換えると、自列車を省エネ運行させるためには、自列車の走行に必要な消費エネルギーとともに、同一変電所区間内の他列車の回生エネルギーの内、自列車で利用できる再利用エネルギーを考慮する必要がある。そのため、本発明では、上記した消費エネルギーと再利用エネルギーの両方を考慮して、自列車をより省エネに運行させることを目的としている。
図2に、本実施例の運転支援システムの構成例を示す。本実施例の運転支援システム201は、列車の運行管理システム200に含まれる。前記運転支援システム201は、ダイヤ管理部202から、特定駅間の発駅における特定列車の計画ダイヤ上発車時刻および、前記特定駅間の余裕時分に関する情報を取得する。これらの情報は、実績ダイヤおよび予測ダイヤに基づいて、ダイヤ管理部202で用意される情報である。また、前記運転支援システム201は前記管理部202から、前記特定列車と同一変電所区間にある他列車の在線情報を取得する。ここで、対象となる変電所区間は、前記ダイヤ管理部202がもつ実績ダイヤ上の前記特定列車の位置情報と、前記設備DB203がもつ変電設備の位置に関する情報と、を照らし合わせて知ることができるものである。前記運転支援システム201は更に、路線情報に関する情報を保持している路線情報DB208から、前記特定駅間の距離や標準時分(標準的な駅間走行時分)、および、前記特定駅間の制限速度情報を取得する。前記運転支援システム201は、以上の入力を基に、前記特定駅間の発駅における前記特定列車の発車タイミングを算出し、画面表示または音声などを出力する発車時刻教示手段によって、発車時刻など発車タイミングに関する情報を運転士に、または、運転士に運転指示を行うオペレータに教示する。
前記運転支援システム201は、走行時分起因削減電力量算出手段204、回生電力起因削減電力量算出手段205、総削減電力量比較手段206、発車時刻教示手段207とを備える。これらの働きによって、前記運転支援システム201により、必要な情報が入手されて、前記特定列車の発車タイミングが教示されるまでの流れを、図3のフローチャートを用いて以下に説明する。
ステップ301において、前記特定駅間の発駅における前記特定列車の計画ダイヤ上発車時刻が取得され、前記走行時分起因削減電力量算出手段204および前記回生電力起因削減電力量算出手段205に入力される。また、ステップ302において、前記特定駅間における前記特定列車の余裕時分が取得され、前記走行時分起因削減電力量算出手段204および前記回生電力起因削減電力量算出手段205に入力される。ステップ303では、前記走行時分起因削減電力量算出手段204および前記回生電力起因削減電力量算出手段205において、前記計画ダイヤ上発車時刻と前記余裕時分とから、前記特定駅間の発駅における前記特定列車の発車可能時間範囲が算出される(図1(4)参照)。
ステップ304では、前記走行時分起因削減電力量算出手段204において、前記発車可能時間範囲内で複数の発車タイミングを設定し、この複数の発車タイミング毎に、次駅到着までの走行時分に起因する削減電力量を算出する。ここで、走行時分に起因する削減電力量とは、前記発車可能時間範囲の中で最も延発した場合、すなわち、駅間時分が最も短い場合をベースとして、これよりも早い発車タイミングを採用した際に、走行時分が延びることによって削減できる電力量を指すものである。したがって、発車タイミングが早いほど、削減電力量が大きい(図4灰色の棒グラフ)。なぜならば、発車タイミングが早いほど、駅間の走行時分が長く、走行速度を抑えられるからである。ここで、複数の発車タイミングは、前記特定列車の発車可能時間範囲の中に設定され、運転士による発車操作として区別可能な、適切な分解能で設定されることが望ましい。ステップ304の詳細は後述する。ここでは、走行時分に起因する削減電力量を、前記発車可能時間範囲の中で最も延発した場合をベースとして、これよりも早い発車タイミングを採用した際に、走行時分が延びることによって削減できる電力量を指すものと定義したが、必ずしもこれに限られない。例えば、計画ダイヤ通りに発車した場合をベースとして、これよりも遅い発車タイミングを採用した際に削減できる電力量を指すものと定義することも可能である。
ステップ305では、前記回生電力起因削減電力量算出手段205において、前記特定列車と同一変電所区間における他列車の在線状況を、前記ダイヤ管理部202から取得する。ここで、在線状況として、他列車の減速タイミングを予測するために必要な情報を取得する。具体的には、時刻と路線上の位置および次停車駅に関する情報が得られることが望ましい。
ステップ306では、前記回生電力起因削減電力量算出手段205において、前記発車可能時間範囲内の複数の発車タイミング毎に、回生電力に起因する削減電力量を算出する。回生電力に起因する削減電力量とは、他列車の回生電力を活用できない場合をベースとして、前記特定列車の発車タイミングと前記他列車の減速タイミングとの時間的関係で決まる回生電力活用量を指すものである。前記特定列車の加速時の電力消費と、前記他列車の減速時の電力回生とが、時間的に最も重なる場合に、削減電力量が大きくなる(図4白色の棒グラフ)。ここで、複数の発車タイミングは、ステップ304で用いられるものと同一のタイミングを使用する。ステップ306の詳細は後述する。
ステップ307では、前記総削減電力量比較手段206において、ステップ304とステップ306の結果を合算し、前記発車可能時間範囲内における、各発車タイミング毎の総削減電力量を比較する(図4)。ステップ308では、図4において、総削減電力量が最大となる発車タイミングを抽出し(図4星印)、ステップ309で、発車時刻教示手段を通じて、発車タイミングを教示する。ここでは、総削減電力量が最大となる発車タイミングを抽出して、当該発車タイミングを教示する例を示したが、教示する発車タイミングは必ずしも一つである必要はなく、総削減電力量が最大となる発車タイミングを含む複数の発車タイミングを教示しても良い。この場合は、総削減電力量の情報も併せて教示することにより、運転士が削減電力量の大きさを考慮して、任意の発車タイミングを選択することが可能となるため好ましい。
前記発車時刻教示手段207で教示される発車タイミングは、走行時分に起因する削減電力量の変化量(図4の灰色)と、回生電力活用に起因する削減電力量の局所的なピーク(図4の白色)との関係性によって決まる。教示される発車タイミングの特徴を図5で説明する。図5最上部のパタンのように、回生電力起因の削減電力量ピークが、前記特定列車の最も早い発車タイミングに存在する場合、走行時分起因の削減電力量の傾向(発車タイミングが早いほど削減電力が大きい)と重なり、教示される発車タイミングは当然、最も早いタイミングとなる。他列車の減速タイミングがこれより遅く、図5上から1〜4段目までのパタンのように、回生電力起因の削減電力量ピークが後ろにずれるにつれて、ある程度までは、教示される発車タイミングもそれに追従して遅くなるが、ある所定の時間以上、回生電力起因の削減電力量ピークの時間が遅くなると、図5上から6,5段目の2つのパタンのように、走行時分起因削減電力量の傾向が優勢となり、教示される発車タイミングが再び早くなる。このように、教示される発車タイミングが、他列車の減速タイミングの変化に追従する場合と、追従せずに、早い発車タイミングを維持する場合との両方が存在する。計画ダイヤ上の発車時刻から、他列車の予測される減速開始時刻までの時間間隔が所定より小さい領域(図5上から1〜4段目までのパタン)では、教示される推奨発車時刻が他列車の減速タイミングの変化に追従して変化し、時間間隔が所定より大きい領域(図5上から5,6段目の2つのパタン)では、教示される推奨発車時刻が他列車の減速タイミングの変化に関わらず一定時刻となる。ここでは、一定時刻は計画ダイヤ上の発車時刻と一致する。また、推薦発車時刻が変化する領域と一定となる領域との境界である前記所定時間は、他列車の回生電力量が大きいほど長くなり、他列車の回生電力量が小さいほど短くなる。
前記発車時刻教示手段207における発車タイミングの教示方法の例としては、図1の星印ように、運行管理のダイヤスジ画面上で、発車タイミングを教示することが考えられる。また、図6のような画面での発車タイミングの教示も例として挙げられる。図6では、列車No.601,602,603で示した各列車(図6最左列)について、計画ダイヤ上の発車時刻と最大延発発車時刻とともに、推奨省エネ発車時刻として、本発明の方法で算出された発車時刻が教示されている。図6の例では、前記推奨省エネ発車時刻を採用し、ダイヤに反映させるための「採用」ボタンの存在も記している。さらに、前記推奨省エネ発車時刻を参考に、係員が手入力で発車時刻を指定する仕組みを備えることも考えられる(図6最右列)。
次に、ステップ304(図3)における、走行時分起因削減電力量の算出について詳述する。走行時分起因削減電力量の算出の一例として、各発車タイミング採用時の駅間走行における速度パタンから消費電力を計算する方法が挙げられる。
速度パタンから消費電力を計算で見積もるためには、図7のように、各発車タイミングに対応して、駅発車から次駅到着までの各速度パタンを想定する。この際に、路線情報DB208から取得した、前記特定駅間の距離や標準時分を用いる。発車タイミングを遅らせた場合、駅間の走行時分が短くなるため、駅間の走行速度を高くする必要がある。図7では、加速、定速走行、減速の3つの部分からなる簡単な速度パタンを想定しているが、実態に合わせて、惰行を含む、より複雑な速度パタンを想定することもできる。その際には、路線情報DB208から取得した、前記特定駅間の制限速度情報を用いる。
速度パタンがどのようなものであれ、駅間の速度パタンは、加速、定速、惰行、減速の組合せで出来ており、消費電力量の算出には、これらのうち、電力を消費する「加速」と「定速走行」について考えればよい。減速時の電力回生については、他の列車の力行タイミングとの兼ね合いで活用可否が決まり、必ずしも回生電力を架線に戻せるとは限らないため、ここでは考えない。列車の力行時における消費電力は、走行抵抗と走行距離との積で決まる。電車の場合、走行抵抗は一般的に以下の数1で表される。
ここで、各記号の意味は以下の通りである。Rf:走行抵抗[kg]、V:速度[km/h]、W:重量[ton]、n:編成両数[両]、α:加速度[km/h/sec]。

なお、走行抵抗には、これらの他に勾配抵抗や曲線抵抗も存在するが、これらは走行速度に依存しないので、本発明においては考慮する必要がない。
走行時分起因削減電力量(図4灰色部分)は、これらの方法で各発車タイミング毎に駅間消費電力量を算出し、最も駅間走行時分が短い場合(=最も消費電力量が大きい場合)を基準に差分をとることで算出される。
以上がステップ304の説明である。
次に、ステップ306(図3)における、回生電力起因削減電力量の算出について詳述する。回生電力起因削減電力量は、前記特定列車の力行タイミングおよび消費電力と、前記特定列車と同一変電所区間の前記他列車の減速タイミングおよび回生電力と、から算出される(図8)。ここで、前記特定列車における発車タイミング毎の力行タイミングおよび消費電力については、ステップ304の方法で算出が可能である。ここでは、前記他列車の減速タイミングおよび回生電力の予測について、図9を用いて説明する。
図9は、前記特定列車と同一変電所区間における他列車の在線情報から、回生電力の予測を得る過程を示している。前記他列車在線情報には、前記特定列車と同一変電所区間内にいる各列車について、時刻と路線上の位置および次停車駅の情報が含まれている。これら3つの情報から、次駅に到着する時刻が予測される。一方で、停車駅に応じた列車の減速パタンが速度パタンDBから検索・取得される。この速度パタンDBは、簡易には、ひとつの代表的なパタンのみを使用するのでもよい。予測された次駅到着時刻と、取得された列車の減速パタンから、回生電力が発生する時刻と回生電力の予測結果が得られる。前記特定列車と同一変電所区間の他列車それぞれに関して、図9の過程で回生電力予測を行い、それらを足し合わせることで、前記特定列車が活用可能な回生電力の時間的分布が得られる。
以上がステップ306の説明である。
以上の説明では、単独の列車(図1の列車3)の発車時刻教示についてのみ説明したが、実運用では、同様の処理によって、後の時間に発車する各列車に関しても、推奨発車時刻を教示する。
上述した本実施例では、図2に示すように、運転支援システム201が走行時分起因削減電力量算出手段204、回生電力起因削減電力量算出手段205、総削減電力量比較手段206と、を備え、削減電力量を比較することにより、総削減電力量が大きい発車タイミングを教示する例について説明したが、必ずしも削減電力量を算出する必要は無く、変電所から供給される総電力が最も少なくなる発車タイミングを求めることができる他の指標を用いても良い。
例えば、以下の構成を備えることにより実現できる。運転支援システム201が、走行時分起因削減電力量算出手段204の替わりに、各発車タイミング毎に数1で求められる消費電力量を算出する走行時分起因消費電力量算出手段を備え、回生電力起因削減電力量算出手段205の替わりに、図8に示すように力行電力と回生電力との重なりから再利用可能な回生電力量を算出する再利用可能回生電力量算出手段を備え、総削減電力比較手段206の替わりに、前記消費電力量から再利用可能回生電力量を引いた総消費電力を算出し、総消費電力の最も少ない発車タイミングを含む情報を発車時刻教示手段207に伝達する総消費電力比較手段を備える。

本実施例では、推奨発車タイミングの教示手段が、車両システム内に存在する場合の、運転支援システムを説明する。
図10に本実施例の運転支援システムを示す。図10のうち、既に説明した図2に示された同一の符号を付された構成と、同一の機能を有する部分については、説明を省略する。本実施例では、発車時刻教示手段1007が、車両システム内、つまり車上に存在し、運行管理システム(地上)と車両システム(車上)を跨る、運転支援システム1001となっている。前記特定列車について、運行管理システム内に存在する総削減電力量比較手段206で抽出された省エネな発車時刻は、無線通信などの通信手段を通じて、前記特定列車の車両システム内に存在する前記発車時刻教示手段1007に伝達され、運転士に対して、発車タイミングを知らせる役割をもつ。図11に、前記発車時刻教示手段1007の例を示す。図11は、運転士用のランカーブ(速度パタン)教示画面であり、横軸を時間、縦軸を速度とするグラフ上に、当該列車がトレースすべきランカーブが記されている。図11の画面表示では、計画ダイヤ上の発車時刻およびそれを採用した場合のランカーブに加えて、本発明の方法で抽出された推奨発車時刻およびそれを採用した場合のランカーブが表示されている。また、それに加えて、他列車の回生電力を活用可能な時間範囲も示されており、前記推奨発車時刻を採用する動機付けを運転士に与えることにもつながる工夫がされている。運転士は、横軸上を移動する現在時刻の印(図11の△)を見て、推奨発車時刻に印が重なったときに列車を発進させ、また表示されているランカーブに沿って走行することで、容易に、省エネな走行パタンを実現することができる。運転士への発車タイミングの教示方法は図11の方法に限らない。
本実施例のバリエーションとして、図12に示すように、自動運転制御装置に、発車時刻決定手段1207をもつことも考えられる。ここでは、前記特定列車について、運行管理システム内に存在する総削減電力量比較手段206で抽出された省エネな発車時刻を、前記特定列車の自動運転制御装置内の前記発車時刻決定手段1207に無線通信などの通信手段を通じて伝達する。前記発車時刻決定手段1207から、駆動装置(図示しない)に対し発進指令を出力することで、省エネとなる発車時刻に当該車両を発進させることができる。
200:運転管理システム
201:運転支援システム
202:ダイヤ管理部
203:設備DB
204:走行時分起因削減電力量算出手段
205:回生電力起因削減電力量算出手段
206:総削減電力量比較手段
207:発車時刻教示手段
208:路線情報DB
1001:運転支援システム
1007:発車時刻教示手段
1201:運転支援システム
1207:発車時刻決定手段

Claims (11)

  1. 特定列車の推奨発車時刻の情報を生成する運転支援システムであって、
    特定駅における発車時刻の余裕時分と前記計画ダイヤ上発車時刻とに基づいて、複数の発車時刻について走行時分起因の削減電力量を算出する第一削減電力量算出手段と、前記余裕時分と前記計画ダイヤ上発車時刻と前記特定列車と同一変電所区間における他列車在線情報とに基づいて、前記複数の発車時刻について前記特定列車と同一変電所区間に在線する他列車からの回生電力に起因した削減電力量を算出する第二削減電力量算出手段と、前記第一削減電力量算出手段により算出された削減電力量と前記第二削減電力量算出手段により算出された削減電力量に基づいて、前記複数の発車時刻について総削減電力量を算出する第三削減電力量算出手段と、前記第三削減電力量算出手段により算出された削減電力量に基づいて、前記特定列車の推奨発車時刻または推奨発車時刻を含む複数の発車時刻を教示する発車時刻教示手段と、を備えることを特徴とする運転支援システム。
  2. 請求項1記載の運転支援システムであって、前記第一削減電力量算出手段が、前記複数の発車時刻それぞれについて前記特定列車に関して特定駅発車から次駅到着までに必要と予想される消費電力量から、特定駅発車から次駅到着までの走行時分に起因した削減電力量を算出することを特徴とする運転支援システム。
  3. 請求項1記載の運転支援システムであって、前記第二削減電力量算出手段が、前記複数の発車時刻それぞれについて前記特定列車に関して特定駅発車から次駅到着までに必要と予測される消費電力量と、前記他列車在線情報から予測される回生電力とから、回生電力起因の削減電力量を算出することを特徴とする運転支援システム。
  4. 請求項2または請求項3に記載の運転支援システムであって、前記第一削減電力量算出手段および前記第二削減電力量算出手段が、前記複数の発車時刻それぞれに対応した消費電力量を算出するにあたって、該複数の発車時刻それぞれについて、前記特定列車の駅間走行速度パタンを想定した上で、該駅間走行速度パタンに応じた走行抵抗の大きさから、消費電力量を算出することを特徴とする運転支援システム。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の運転支援システムであって、前記第三削減電力量算出手段が、前記複数の発車時刻それぞれについて、前記第一削減電力量算出手段により算出された削減電力量と前記第二削減電力量算出手段により算出された削減電力量とを足し合わせることで、前記複数の発車時刻それぞれについての総削減電力量を算出することを特徴とする運転支援システム。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の運転支援システムであって、前記発車時刻教示手段は、列車のダイヤを管理する運行管理システムの表示画面であり、前記特定列車の推奨発車時刻または推薦発車時刻を含む複数の発車時刻を時間軸上の記号もしくは時刻表示によって表示することを特徴とする運転支援システム。
  7. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の運転支援システムであって、前記発車時刻教示手段は、車上もしくは地上に設定された運転士向けの情報伝達装置であり、前記特定列車の推奨発車時刻または推薦発車時刻を含む複数の発車時刻を時間軸上の記号もしくは時刻表示によって表示することを特徴とする運転支援システム。
  8. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の運転支援システムであって、前記発車時刻教示手段が、自動運転制御装置を備えた前記特定列車の発進時刻を決定することを特徴とする運転支援システム。
  9. 運行遅延発生時であって計画ダイヤで定められた走行パターンとは異なる運転を行う場合に、特定列車の推奨発車タイミングの情報を生成する運転支援システムであって、
    前記特定列車の特定駅発車から次駅到着までに必要と予想される消費電力量と、前記特定列車と同一変電所区間に在線する他列車の回生電力のうち、前記特定列車が特定駅発車から次駅到着までに利用すると予想される再利用電力量と、の差分により予想することができる総消費電力量を前記計画ダイヤで定められた発車時刻以降の複数タイミング毎に演算し、前記複数タイミングの中で、最も消費電力量が少ないタイミング、または最も消費電力量が少ないタイミングを含む複数のタイミングの情報を出力する運転支援システム。
  10. 特定列車の推奨発車時刻を教示する運転支援システムであって、
    前記特定列車と同一変電所区間に在線する他列車の予測減速開始時刻と、前記計画ダイヤ上の発車時刻の時間間隔が徐々に広がる場合に、
    前記時間間隔が所定より小さい領域では、教示される推奨発車時刻が教示される推奨発車時刻が遅くなり、
    前記時間間隔が所定より大きい領域では、教示される推奨発車時刻が早まることを特徴とする運転支援システム。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の運転支援システムと、
    前記運転管理システムに計画ダイヤに関する情報及び前記特定列車と同一変電所区間内に在線する他列車の在線情報を与えるダイヤ管理部と、を備えたことを特徴とする運行管理システム。
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