JP6018445B2 - MnおよびNi回収方法 - Google Patents
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Description
一方、Mnは、有機酸塩の形による回収が困難と考えられている金属である。
特許文献2には、不純物としてマンガンを含有するコバルト溶液からコバルトを回収する為、マンガンを酸化物の沈殿物として除去する方法が記載されている。しかしながら、マンガンは精製処理の面倒な酸化物の形で回収される方法である。
特許文献3には、Mnを溶媒抽出にて回収する方法が記載されている。しかしながら、当該方法は高コストな薬剤の使用を要件とするものである。
具体的には、当該DDTCと、Mnを含有する溶液とを混合することにより、MnのDDTC塩が生成することを知見し、本発明を完成したものである。
MnおよびNiを含有する溶液からのMnおよびNi回収方法であって、
前記MnおよびNiを含有する溶液へ、ジエチルジチオカルバミド酸を溶解した有機溶剤とアルコールとを加えて混合し、Mnのジエチルジチオカルバミド酸塩およびNiのジエチルジチオカルバミド酸塩を沈殿させ、
前記有機溶剤として、脂環式炭化水素溶媒、脂肪族炭化水素溶媒から選択される1種以上を用い、前記アルコールとして、メチルアルコール、エチルアルコール、プロパノール等から選択される1種以上を用いることを特徴とするMnおよびNi回収方法である。
前記MnおよびNiを含有する含有する溶液を40℃以上、60℃以下として、ジエチルジチオカルバミド酸を加えて混合することを特徴とする第1の発明に記載のMnおよびNi回収方法である。
前記ジエチルジチオカルバミド酸として、ジエチルジチオカルバミド酸のアルカリ金属塩を用いることを特徴とする第1または第2の発明に記載のMnおよびNi回収方法である。
前記ジエチルジチオカルバミド酸として、ジエチルジチオカルバミド酸のナトリウム塩を用いることを特徴とする第3の発明に記載のMnおよびNi回収方法である。
尚、投入するDDTCは、DDTCのアルカリ金属塩、さらには、DDTCのナトリウム塩を用いることが好ましい。
そして、当該硫酸マンガン溶液のようなMnイオンを含有する溶液は、そのpH値が2〜7程度であることが望ましいことを知見した。溶液のpH値が2〜7、さらに好ましくは3〜6であると、MnとDDTCとの反応においてDDTC分子を安定に保ち易いからである。
さらに当該硫酸マンガン溶液の液温を40℃以上、60℃以下としてDDTCを投入することが好ましい。これは、液温を40℃以上とすることで沈殿の生成反応が促進されるからである。一方、液温を60℃以下とすることで、DDTCのアルカリ金属塩を溶解した溶媒中に含有されているアルコール(当該アルコールの含有については後述する。)が揮散することを抑制出来る。
以上のことから、DDTCをMn回収目的の金属のキレート剤として用いることで、Mnイオンを含有する溶液から、MnをDDTC塩の形で回収することが可能であることが判明した。
DDTCを溶解した有機溶剤と、Mnイオンを含有する溶液とを撹拌混合すると、DDTCとMnイオンを含有する溶液との混合が効率良く進行し、当該Mnイオンを含有する溶液中から効率良く沈殿(MnのDDTC塩)が生成することを知見したものである。この結果、添加するDDTC量を削減できるため、さらにコストを下げることが出来る。
尚、DDTCを適宜な有機溶剤に溶解する構成においても、DDTCは、DDTCのアルカリ金属塩、さらには、DDTCのナトリウム塩を用いることが好ましい。
ここで、DDTCを溶解した有機溶剤と、Mnイオンを含有する溶液とを撹拌混合する際、両者の液温を40℃以上、60℃以下として混合することが好ましい。これは、液温を40℃以上とすることで沈殿の生成反応が促進されるからである。一方、液温を60℃以下とすることで、DDTCのアルカリ金属塩を溶解した溶媒中に含有されているアルコール(当該アルコールの含有については後述する。)が揮散することを抑制出来る。
さらに、これらのMnを初めとする金属のDDTC塩は、金属原子と有機化合物とがイオン結合したものである為、湿式の化学反応によって分子レベルでの反応制御が容易に行なえる。当該分子レベルでの反応制御が容易であるとの観点から、当該MnのDDTC塩を初めとする金属のDDTC塩はナノ粉体を製造する際の好適な原料であると考えられる。
DDTCのアルカリ金属塩としては、薬剤コストの観点等より、ナトリウム塩が好ましい。当該DDTCのアルカリ金属塩を所定量のアルコール(メチルアルコール、エチルアルコール、プロパノール等から選択される1種以上が好ましい。)を溶媒として溶解し溶液化することで、Mnイオンを含有する溶液との混合操作が容易になる。
当該アルコールの所定量としては、DDTCのアルカリ金属塩1mgに対して0.08〜0.12ml程度とすれば良い。
当該有機溶剤の所定量としては、DDTCのアルカリ金属塩1mgに対して0.8〜1.2ml程度とすれば良い。
(実施例1)
1.DDTCのアルカリ金属塩を溶解した有機溶剤の調製
本実施例においては、DDTCのナトリウム塩を50mg、アルコール溶液としてエチルアルコールを5ml、有機溶剤として脂環式炭化水素溶媒(本実施例においてはシェルケミカルズジャパン(株)製のシェルゾールD70(商標))を50ml使用した。この結果、DDTCのナトリウム塩を1g/l含有する有機溶剤が調製された。
金属含有溶液試料として、濃度100mg/l、pH値3以上、6以下のMn溶液、Ni溶液、Co溶液、Zn溶液、Al溶液、Cr溶液(本実施例においては、各金属の硫酸塩溶液)を準備した。
DDTCのアルカリ金属塩を溶解した有機溶剤50mlと、金属含有溶液試料100mlとも液温を40〜60℃とした。すると、金属含有溶液試料に溶存する各金族元素はDDTC塩を形成して沈殿した。
金属含有溶液試料からの金属元素の沈降は、目視による沈殿発生の観察、および、沈殿発生後の金属含有溶液試料中の金属濃度への簡易的な測定にて評価した。当該評価結果を表1に記載する。
表1の結果から、本発明は、Mnイオン、Niイオン、Coイオンを溶存する金属含有溶液からの、これらの金属の回収に非常に優れていることが判明した。さらに、本発明は、Alイオン、Crイオンを溶存する金属含有溶液からの、これらの金属の回収にも適用出来ることが判明した。
さらに回収されたMnのDDTC塩は、殆どそのまま製錬原料として用いることが出来るものであった。
実施例1と同様に、DDTCのナトリウム塩を10g/l含有する有機溶剤を調製した。
実施例1と同様に、濃度100mg/lのMn溶液を調製した。
当該濃度100mg/lのMn溶液の100mlへ、DDTCのナトリウム塩を10g/l含有する有機溶剤を0〜18mlまで2mlごとに添加した10種類の試料を調製した。但し、液温は50℃とした。
そして、当該10種類の試料のpH値、酸化還元電位Eh(標準水素電極に対し)を測定した。さらに、DDTCのナトリウム塩を10g/l含有する有機溶剤を0ml、6ml、12ml、18ml添加時における沈殿発生後の金属含有溶液試料中のMn量を測定した。当該評価結果を表2に記載する。
表2の結果より、DDTCのナトリウム塩を10g/l含有する有機溶剤を6ml添加することで、当初のMn溶液中にあった約60%のMnが沈降し、12ml添加することでMn溶液中にあった約80%のMnが沈降し、18ml添加することでMn溶液中にあった殆ど全てのMnが沈降することが判明した。
さらに回収されたMnのDDTC塩は、殆どそのまま製錬原料として用いることが出来るものであった。
実施例1と同様に、DDTCのナトリウム塩を10g/l含有する有機溶剤を調製した。
実施例1と同様に、濃度670mg/lのMn溶液を調製した。
当該濃度670mg/lのMn溶液の100mlへ、DDTCのナトリウム塩を10g/l含有する有機溶剤を0〜8mlまで1mlごとに添加した、9種類の試料を調製した。
但し、液温は50℃とした。
そして、当該9種類の試料のpH値、酸化還元電位Eh(標準水素電極に対し)、沈殿発生後の金属含有溶液試料中のMn量を測定した。当該評価結果を表3に記載する。
表3の結果より、DDTCのナトリウム塩を10g/l含有する有機溶剤の添加が増加することで、Mn溶液中のMn沈降量が増加することが判明した。
さらに回収されたMnのDDTC塩は、殆どそのまま製錬原料として用いることが出来るものであった。
本発明はMnを溶存する金属含有溶液から、MnをDDTC塩の形で回収することに非常に優れていた。さらに当該Mnイオンを溶存する金属含有溶液が、Niイオン、Coイオンを溶存する場合、これらの金属をDDTC塩の形で回収することにも優れていることが判明した。
また、得られたMnのDDTC塩は、無機の強酸と反応させることで容易にMn2+を生成させることが出来ると伴に、製錬原料として適したものであった。
さらに本発明は、金属含有溶液中の広範囲なMnイオン濃度に対応可能で、700mg/l程度までは十分に対応可能であると考えられる。
Claims (4)
- MnおよびNiを含有する溶液からのMnおよびNi回収方法であって、
前記MnおよびNiを含有する溶液へ、ジエチルジチオカルバミド酸を溶解した有機溶剤とアルコールとを加えて混合し、Mnのジエチルジチオカルバミド酸塩およびNiのジエチルジチオカルバミド酸塩を沈殿させ、
前記有機溶剤として、脂環式炭化水素溶媒、脂肪族炭化水素溶媒から選択される1種以上を用い、前記アルコールとして、メチルアルコール、エチルアルコール、プロパノール等から選択される1種以上を用いることを特徴とするMnおよびNi回収方法。 - 前記MnおよびNiを含有する含有する溶液を40℃以上、60℃以下として、ジエチルジチオカルバミド酸を加えて混合することを特徴とする請求項1に記載のMnおよびNi回収方法。
- 前記ジエチルジチオカルバミド酸として、ジエチルジチオカルバミド酸のアルカリ金属塩を用いることを特徴とする請求項1または2に記載のMnおよびNi回収方法。
- 前記ジエチルジチオカルバミド酸として、ジエチルジチオカルバミド酸のナトリウム塩を用いることを特徴とする請求項3に記載のMnおよびNi回収方法。
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