JP6017898B2 - クランプ装置 - Google Patents
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切粉等がクランプ本体内部へ侵入した場合、グリップ部材とクランプロッドとの間やグリップ形成部材同士の間に切粉等を噛み込んでしまい、クランプロッドの作動不良や破損の原因になり、クランプ装置が正常に作動しなくなる。そこで、グリップ部材とクランプロッドとを加圧エアでエアブローすることによって、クランプ本体内部への切粉等の侵入を防止する技術が提案されている。
しかし、特許文献1の技術では、油圧シリンダを作動させるための油圧供給源に加えてエアブローのための加圧エア供給源が別途必要であり、加圧エア供給源から本体筒部内のサポート部材の内側と外側との隙間に加圧エアを供給するためのエアブロー専用のエア通路を形成しなければならない。
請求項3のクランプ装置は、請求項1の発明において、前記急速排気弁が前記クランプ本体の内部に配設されたことを特徴としている。
請求項5のクランプ装置は、請求項1〜4の何れか1項の発明において、前記駆動手段は、クランプ用エア作動室とアンクランプ用エア作動室とを備え、前記クランプ用エア作動室に対応した前記エアブロー通路及びエアブロー手段と前記アンクランプ用エア作動室に対応した前記エアブロー通路及びエアブロー手段とを夫々設け、前記クランプロッドを後退駆動するとき、クランプ用エア作動室に加圧エアを給気すると共にアンクランプ用エア作動室から加圧エアを排気し、前記クランプロッドを進出駆動するとき、アンクランプ用エア作動室に加圧エアを給気すると共にクランプ用エア作動室から加圧エアを排気することを特徴としている。
また、エアブロー専用の加圧エア供給源を省略することができるため、加圧エア供給源から延設されたエアブロー専用のエア通路を省略することができ、製作コストを低減できる。しかも、ピストン部材を軸心方向へ進退移動させた後の加圧エア排出時の排気エアによってエアブローするため、クランプ装置の動作状態を監視することなく、グリップ部材とクランプロッドとの隙間が最小になるクランプ状態以外のタイミングでエアブローすることができ、エアブロー制御の簡単化を図ることができる。
更に、エアブロー手段が急速排気弁を備え、前記急速排気弁が、前記エア作動室に加圧エアを給気するとき、前記第2ポートを閉塞して前記第1,第3ポート間を連通すると共に、前記エア作動室から加圧エアを排気するとき、前記第1ポートを閉塞して前記第2,第3ポート間を連通するように形成されているため、クランプ装置の小型化と簡単化とを両立でき、一層製作コストを低減できる。また、ピストン部材を軸心方向へ進退移動させるための加圧エアの排出速度を速くできるため、クランプ装置の動作速度を速めつつ、エアブロー能率を向上できる。
請求項3の発明によれば、更にクランプ装置の小型化を図ることができる。
請求項5の発明によれば、クランプ用エア作動室とアンクランプ用エア作動室とを備え、前記クランプ用エア作動室に対応した前記エアブロー通路及びエアブロー手段と前記アンクランプ用エア作動室に対応した前記エアブロー通路及びエアブロー手段とを夫々設けているため、両エア作動室の何れからも加圧エア排出時の排気エアをエアブローに利用することができ、クランプ装置の設計自由度を高くすることができる。
下部本体1bはシリンダ穴11を形成する環状部材であり、この下部本体1bの上端部が上部本体1aの下端側の凹部12に嵌合され、複数のボルトにより上部本体1aに固定されている。クランプ本体1の上半部の中心部に上方へ細長く突出する円筒状の本体筒部1tが設けられている。
図3,図4に示すように、グリップ部材2は、クランプロッド3と共にクランプ本体1の上端部分の挿通孔1dを挿通して上方へ延びワークWの穴Hの内周面をグリップ可能に構成されている。このグリップ部材2は、クランプロッド3の外周側に等間隔に配設された3つの鋼製のグリップ形成部材2aで構成されている。3つのグリップ形成部材2aは、外径が拡大・縮小可能である。グリップ形成部材2aの上部にはグリップ爪部2bが形成され、グリップ形成部材2aの下端部には円弧形の基端鍔部2cが形成されている。グリップ形成部材2aの下半部の内面には、クランプロッド3の軸心と平行なストレート平面2dが形成されている。
図2〜図4に示すように、クランプロッド3は、グリップ部材2の内側に係合し、このグリップ部材2よりも下方へ延びている。クランプロッド3は、下端部分の断面逆T形の係合部3dと、この係合部3dから上方に連なる水平断面が円形の小径部3cと、この小径部3cから上方へ連なる中段部3bと、この中段部3bから上方へ連なるテーパ部3aとを備えている。テーパ部3aは、上方程外径が拡大するように形成され、テーパ部3aはグリップ形成部材2aを外径拡大側へ駆動する為の3つのテーパ面を備えている。
図3〜図5に示すように、エアシリンダ5は、クランプロッド3をクランプ本体1及びグリップ部材2に対して加圧エア供給源8から供給された加圧エアによって昇降駆動するものである。エアシリンダ5は、下部本体1bに形成された縦向きのシリンダ穴11と、クランプ力出力用のピストン部材20(軸心Xを有する)と、このピストン部材20のピストン部20aの上側のクランプ用の第1作動室21であってピストン部材20を加圧エアによりクランプ位置に駆動する第1作動室21(クランプ用エア作動室)と、ピストン部20aの下側のアンクランプ用の第2作動室22であってピストン部材20を加圧エアによりアンクランプ位置(上限位置)に駆動する第2作動室22(アンクランプ用エア作動室)等を備えている。
ピストン部20aの外周部は上下2つのシール部材23aで気密に封止され、ロッド部20bの外周部はシール部材23bで気密に封止されている。ロッド部20bの上端側部分には、ネジ軸部24が形成され、このネジ軸部24には、逆T形のT溝25を形成するT溝形成部材26が螺合にて取り付けられている。
第2作動室22は、下部本体1bとワークパレット1cとピストン部20aとで形成されている。図5に示すように、第2作動室22には、加圧エア供給源8からアンクランプ用エア通路16を介して加圧エアを供給可能であり、第2作動室22に供給された加圧エアによりピストン部材20がアンクランプ側へ(上方へ)駆動される(図2参照)。このとき、第1作動室21に充填されている加圧エアは、ピストン部材20の上昇移動に伴って第1作動室21からクランプ用エア通路15を流れて排出される。
図3,図4に示すように、サポート機構6はグリップ部材2を下方から支持する機構であり、サポート機構6は、グリップ部材2の下端を支持するサポート部材40と、このサポート部材40を支持する環状受圧部材41と、この環状受圧部材41の下端に加圧エアを作用させるサポート用作動室21aと備えている。
尚、開口部40cは、クランプロッド3の係止部3d以外の部分が通過可能に形成されている。
サポート機構6は、グリップ部材2を拡径させてワークWの穴Hの内周面をグリップさせる際に、環状受圧部材41に作用する加圧エアの圧力でグリップ部材2を支持し、グリップ部材2に対してクランプロッド3が相対的に下方へ移動可能にする。
尚、本実施例では、加圧エアの圧力を環状受圧部材41に作用させてサポート部材40を介してグリップ部材2を支持するサポート機構6を例にして説明したが、コイルスプリングや皿バネ等の弾性力でグリップ部材2を支持するサポート機構を採用してもよい。
図1,図3,図5に示すように、クランプ用加圧エアは、加圧エア供給源8からクランプ用エア通路31a,31b,14,15を流れてクランプ装置Cを駆動する加圧エア供給源8から第1作動室21へ供給される。
クランプ用エア通路31aは、一端が加圧エア供給源8に連通され、他端が第1急速排気弁34を介してクランプ用エア通路31bの上流端に連通されている。クランプ用エア通路31aの途中部には、圧力スイッチ39aが設けられている。クランプ用エア通路31bは、第1急速排気弁34の第3ポート34cをワークパレット1cに設けられたクランプエアポート19aに連通している。エア通路14は、ワークパレット1cの内部に形成され、クランプエアポート19aをクランプ用エア通路15の上流端に連通し、エア通路15は、上部本体1a(クランプ本体1)の内部に形成され、エア通路14の下流端を第1作動室21に連通している。
アンクランプ用エア通路32aは、一端が加圧エア供給源8に連通され、他端が第2急速排気弁35を介してクランプ用エア通路32bの上流端に連通されている。アンクランプ用エア通路32aの途中部には、圧力スイッチ39bが設けられている。アンクランプ用エア通路32bは、第2急速排気弁35の第3ポート35cをワークパレット1cに設けられたクランプエアポート19bに連通している。エア通路16は、ワークパレット1cの内部に形成され、クランプエアポート19bを第2作動室22に連通している。
エアブロー機構7は、第1,第2作動室21,22から排出された排気エアをサポート部材40の筒部40aの下端に形成された切欠き穴18aからサポート部材40の内側と外側との隙間へ供給可能に構成されている。これにより、供給された加圧エアは、グリップ部材2の基端鍔部2cの外周側の隙間、グリップ形成部材2a同士間の隙間及びグリップ部材2とクランプロッド3との隙間等を通って4つの着座面1sと4つの凹溝1gに向かって流れ、これらの着座面1sと凹溝1gをエアブローして切粉等を除去する。
弁部材34dは、通常、第1ポート34aを閉塞するように付勢され、加圧エア供給源8から加圧エアが給気されたとき、第2ポート34bを閉塞し、第1作動室21から加圧エアが排気されたとき、第1ポート34aを閉塞するように構成されている。
バイパス通路37aの途中部には、エアブロー通路33側へのみ加圧エアの流れを許容するチェックバルブ36aが設けられている。
弁部材35dは、通常、第1ポート35aを閉塞するように付勢され、加圧エア供給源8から加圧エアが給気されたとき、第2ポート35bを閉塞し、第2作動室22から加圧エアが排気されたとき、第1ポート35aを閉塞するように構成されている。
バイパス通路37bの途中部には、エアブロー通路33側へのみ加圧エアの流れを許容するチェックバルブ36bが設けられている。
加圧エア供給源9から供給された加圧エアは、エアブロー通路33からエアブロー通路17,18を介して切欠き穴18aに流れる。これにより、前述と同様にグリップ部材2及びクランプロッド3等をエアブローすることができる。
このクランプ装置Cによれば、ピストン部材20を軸心方向へ進退移動させるための加圧エアを排出するときの排気エアを利用してグリップ部材2とクランプロッド3とをエアブローするため、エアブロー専用の加圧エアが不要になり、加圧エアの消費量を低減できる。また、エアブロー専用の加圧エア供給源9を省略することができるため、加圧エア供給源9から延設されたエアブロー専用のエアブロー通路38を省略することができ、製作コストを低減できる。しかも、ピストン部材20を軸心方向へ進退移動させた後の加圧エア排出時の排気エアによってエアブローするため、クランプ装置Cの動作状態を監視することなく、グリップ部材2とクランプロッド3との隙間が最小になるクランプ状態以外のタイミングでエアブローすることができ、エアブロー制御の簡単化を図ることができる。
第1,第2急速排気弁34,35の第2ポート34b,35bとエアブロー通路33との接続部にエアブロー通路側へのみ加圧エアの流れを許容するチェックバルブ36a,36b,36cを設けている。これにより、加圧エアの他のエア通路への漏れ等を防止できるため、エアブローするための加圧エアの圧力減衰を抑制することができ、エアブロー能率を一層向上することができる。
このクランプ装置CAは、アンクランプ用エア通路側の急速排気弁やバイパス通路及びチェックバルブ等が省略されている。
この第1急速排気弁34Aは、加圧エア供給源8に連通された第1ポート34eと、エアブロー通路18Aに連通された第2ポート34fと、これら第1,第2ポート34e,34f間の途中部に設けられ且つ第1作動室21にクランプ用エア通路15bを介して連通された第3ポート34gと、第1,第2ポート34e,34fを選択的に閉塞可能な弁部材34h等によって構成されている。
弁部材34hは、通常、第1ポート34eを閉塞するように付勢され、加圧エア供給源8から加圧エアが給気されたとき、第2ポート34fを閉塞し、第1作動室21から加圧エアが排気されたとき、第1ポート34eを閉塞するように構成されている。
エアブロー通路18Aには、バイパス通路37cとエアブロー通路18Aとの接続部よりも上流側位置に下流側へのみ加圧エアの流れを許容するチェックバルブ47bが設けられている。
こうして、第1作動室21から排気された加圧エアがサポート部材40の筒部40aの内面側と外面側の円筒隙間を通ってグリップ部材2及びクランプロッド3の方へ供給される。このクランプ装置CAによれば、第1急速排気弁34Aがクランプ本体1の内部に配設されているため、更にクランプ装置の小型化を図ることができる。
1〕前記実施例1においては、複動型エアシリンダにおいて急速排気弁をクランプ用エア通路とアンクランプ用エア通路とに夫々設けた例を説明したが、急速排気弁を少なくとも何れか一方のエア通路に設けることによって本発明の効果を奏することができる。
また、急速排気弁を何れか一方のエア通路にのみ設け、エアブロー専用の加圧エア供給源及びエアブロー専用通路を省略した場合、他の通路への加圧エアの漏洩が発生しないため、バイパス通路に配設するチェックバルブを省略することができる。
C,CA クランプ装置
1 クランプ本体
2 グリップ部材
3 クランプロッド
5 エアシリンダ
7,7A エアブロー機構
17 エアブロー通路
18 エアブロー通路
20 ピストン部材
21 第1作動室
22 第2作動室
33 エアブロー通路
34,34A 第1急速排気弁
34a,34e 第1ポート
34b,34f 第2ポート
34c,34g 第3ポート
34d,34h 弁部材
35 第2急速排気弁
35a 第1ポート
35b 第2ポート
35c 第3ポート
35d 弁部材
36a,36b, チェックバルブ
47a,47b
Claims (5)
- クランプ本体と、ワークの穴に挿入されて穴の内周面をグリップ可能なグリップ部材と、このグリップ部材に内嵌係合させたテーパ軸部を有するクランプロッドと、前記クランプ本体に対して前記グリップ部材とクランプロッドとを軸心方向へ進退駆動可能な駆動手段とを備えたクランプ装置において、
前記駆動手段は、前記クランプロッドと連結されたピストン部材と、このピストン部材を軸心方向へ進退移動させるための加圧エアを給排気可能なエア作動室とを備え、
前記グリップ部材とクランプロッドとをエアブローするための加圧エアを導入するエアブロー通路を設け、
前記エア作動室から加圧エアを排気するとき、この加圧エアを前記エアブロー通路に供給するエアブロー手段を設け、
前記エアブロー手段は、加圧エア供給源に連通された第1ポートと、前記エアブロー通路に連通された第2ポートと、これら第1,第2ポート間の途中部に設けられ且つ前記エア作動室に連通された第3ポートと、前記第1,第2ポートを選択的に閉塞可能な弁部材とを有する急速排気弁を備え、前記急速排気弁が、前記エア作動室に加圧エアを給気するとき、前記第2ポートを閉塞して前記第1,第3ポート間を連通すると共に、前記エア作動室から加圧エアを排気するとき、前記第1ポートを閉塞して前記第2,第3ポート間を連通するように形成されたことを特徴とするクランプ装置。 - 前記急速排気弁が前記クランプ本体の外部に配設されたことを特徴とする請求項1に記載のクランプ装置。
- 前記急速排気弁が前記クランプ本体の内部に配設されたことを特徴とする請求項1に記載のクランプ装置。
- 前記第2ポートと前記エアブロー通路との接続部にエアブロー通路側へのみ加圧エアの流れを許容するチェックバルブを設けたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のクランプ装置。
- 前記駆動手段は、クランプ用エア作動室とアンクランプ用エア作動室とを備え、前記クランプ用エア作動室に対応した前記エアブロー通路及びエアブロー手段と前記アンクランプ用エア作動室に対応した前記エアブロー通路及びエアブロー手段とを夫々設け、前記クランプロッドを後退駆動するとき、クランプ用エア作動室に加圧エアを給気すると共にアンクランプ用エア作動室から加圧エアを排気し、前記クランプロッドを進出駆動するとき、アンクランプ用エア作動室に加圧エアを給気すると共にクランプ用エア作動室から加圧エアを排気することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のクランプ装置。
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