JP6017847B2 - 破風化粧板及びその取り付け方法 - Google Patents
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かかる破風化粧板100を用いた装飾破風の施工は、図12に示されるように、先ず屋根側端部110の軒側端部に破風化粧板100Aを取り付け、次いで軒側の破風化粧板100Aに連ねて棟側に破風化粧板100Bを取り付ける手順で行われるが、これら破風化粧板100A,100Bの取り付けは、図13(A)〜(C)に示されるように、屋根側端部110の上面に取り付けられた水切り板111の上端に、破風化粧板100の上部被覆部101を係合し、この係合部を軸として破風化粧板100を回転させつつ下部被腹部103を押し広げながら、屋根側端部110の下方に下部被腹部103を押し込んで組み付け、組み付けた破風化粧板100の位置を調整した後、釘やボルトなどの固定具112で固定することにより行っていた(例えば特許文献1,2参照)。
これに対し、断面略コ字状に形成された破風化粧板100は各被覆部を一体に設けてあるため、精密な固定位置の調整は不要であり、少ない作業工数で取り付けることが可能である。
また、図示した破風化粧板100は、側部被覆部102の下端部で下部被覆部103が直角に屈曲した形状であるため、一人の作業者で下部被覆部103を押し広げて屋根側端部110に組み付けることが可能であるが、破風化粧板の形状によっては、例えば各被覆部を一体に設けて形成された破風化粧板の下部被覆部の面内に凹凸部を設けたり通気孔付きの凹溝を設けたりするなど断面形状が複雑な形態のものでは、下部被覆部或いは破風化粧板全体の剛性が高くなって下部被覆部の押し広げがし難くなり、複数人の作業者によらなければ破風化粧板の組み付けができず、装飾破風の施工に要する作業工数が多くならざるを得ない場合もある。
次いで、取り付けられた軒側の破風化粧板の継手部の先端側に、棟側に取り付ける破風化粧板の端部を配置し、この棟側の破風化粧板の上部被覆部の係合部を水切り板に係合させる。このとき、軒側の破風化粧板の継手部の端部表面にシーリング材を予め塗布しておく。
棟側の破風化粧板の上端部の係合部を水切り板に係合させたならば、前記係合部と水切り板との係合部位を支点として、棟側の破風化粧板を下方へ回転させて、棟側の破風化粧板の上部被覆部を軒側の破風化粧板の継手部の上面部に重ね合せるとともに、棟側の破風化粧板の下部被覆部を軒側の破風化粧板の継手部先端部の上面部の下方に位置する空隙部分に入り込ませる。
そして、棟側の破風化粧板を軒側にスライドさせて、棟側の破風化粧板の先端部を前記軒側の破風化粧板の継手部の外周面に嵌合させる。その後、軒側の破風化粧板に継ぎ合わせた棟側の破風化粧板を固定具で屋根側端部に留め付けることで、取り付けが完了する。上記のようにして屋根側端部に取り付けられた破風化粧板に、さらに棟側に破風化粧板を取り付けるときは、前記と同様の手順で取り付けを行うことができる。
この際、接続する破風化粧板の上部被覆部に設けた係合部を水切り板に係合させた状態で破風化粧板を回転させて下方へ引き下げれば、破風化粧板の端部が継手部の外周面に装着し、続いて破風化粧板を軒側へスライドさせれば、端部を継手部に嵌合させることができる。
このように、破風化粧板同士の接続を、接続する破風化粧板を水切り板に係合させて下方へ回転し、次いでこれを軒側へスライドさせるという簡単な操作によって行うことができ、従来の如く破風化粧板の下部被覆部を押し広げる操作も不要なので、一人の作業者による少ない作業工数で、破風化粧板を屋根側端部に沿って確実且つ奇麗に取り付けてケラバに装飾破風を構成することが可能となる。
屋根側端部の下方を覆う破風化粧板の下部被覆部に上方へ運んだ凹溝を設け、この凹溝の壁面に通気孔が形成してあれば、通気孔から外気を家屋の内部に取り入れて屋根裏空間へと流入させることで、屋根裏空間の換気を十分に行うことができる。通気孔は、凹溝内の屋外側の壁面に形成してあるので、降雨時に通気孔から化粧板内部に雨水が浸入し難く、また、屋根側端部を下から見上げても通気孔が目に触れることもなく、破風化粧板によりケラバを見栄え良く納めることができる。
また、前記通気孔付きの凹溝は本体化粧板と破風化粧板の何れかの側に設けることができるが、凹溝を挟んでその屋外側の壁面に本体化粧板の折り返し面部の側壁、家屋側の壁面に破風受板の側壁が対向配置されるように構成すれば、本体化粧板と破風受板の接続部位が凹溝内に位置して、屋根側端部を下から見上げても接続部位が目に付かず、前記通気孔が目に触れにくいことと相俟って屋根側端部の造作がスッキリとしたより見栄えの良いものとなる。
図1は本発明の一実施形態の破風化粧板を取り付けてケラバに装飾破風を構成した屋根側端部下方の外観図、図2は破風化粧板を屋根側端部に取り付けた状態を示す断面図、図3は破風化粧板の外観斜視図、図4はその展開斜視図である。
本体化粧板4、破風受板5及び継手部6は、表面を塩化ビニル樹脂シートで覆うなどの耐蝕加工が施された樹脂被覆鋼板をベンダーなどで折り曲げて形成してある。各板を形成する鋼板としては、例えば厚みが0.4mmの鋼板の表面を0.25mm厚の塩化ビニル樹脂シートで被覆し、裏面を0.1mm厚の塩化ビニル樹脂シートで被覆した樹脂被覆鋼板が好適である。
より詳しくは、上面部41の先端下折れ部には後述する水切り板7に係合する係合部41aが設けられ、側面部42の下端部には家屋側に向かって略直角に折り曲げられた下面部43が設けられているとともに、当該下面部43の先端に上方へ折り返され且つ先端を家屋側へ屈曲させてなる折り返し面部44を連ね、さらに折り返し面部44の先端に下方へ折り曲げた係止片45を設けて形成してある。また、折り返し面部44の屋外側の側壁44aには、図5に示されるように、パンチング加工により形成されたスリット状の通気孔46を複数列設してある。
このような破風化粧板3においても、同図(B)に示されるように、前記と同様にして、棟側に接続する破風化粧板3Bの先端部下側を、継手部6の上面部61下方の空隙部分に入り込ませることにより、棟側の破風化粧板3Bの端部を継手部6に簡単に装着して、両板の端部同士を一体に継ぎ合わせることができる。
このように、破風化粧板3A,3B同士の接続を、接続する破風化粧板3Bを水切り板7に係合させて下方へ回転し、次いでこれを軒側へスライドさせるという簡単な操作によって行うことができ、破風化粧板3Bを変形される操作も不要なので、一人の作業者による少ない作業工数で、破風化粧板を屋根側端部に沿って確実且つ奇麗に取り付けてケラバに装飾破風を構成することが可能となる。
Claims (4)
- 屋根側端部に取り付けて装飾破風を構成する破風化粧板において、
屋根側端部の上方を覆う上部被覆部と側方を覆う側部被覆部と下方を覆う下部被覆部とを有して断面略コ字状に形成され、
前記上部被覆部の端部に屋根側端部の水切り板に係合する係合部が設けられ、
一側の端部には当該端部から突出していて他の破風化粧板の上部被覆部、側部被覆部及び下部被覆部の内面に各々接合する上面部、側面部及び下面部を有する継手部が突設されているとともに、この継手部の前記上面部の突出幅が前記下面部の突出幅よりも大きく設けられた構成を有することを特徴とする破風化粧板。 - 継手部の先端部に、その側面部の下部から下面部に亘る切欠き部が設けられた構成を有することを特徴とする請求項1に記載の破風化粧板。
- 下部被覆部に上方へ凹んだ凹溝を設けるとともに、この凹溝内の屋外側の壁面に屋根裏空間を換気するための通気孔が複数列設された構成を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の破風化粧板。
- 上面に水切り板が取り付けられた屋根側端部に破風化粧板同士を互いの端部を継ぎ合わせて取り付ける方法において、
請求項1〜3の何れかに記載の破風化粧板を屋根側端部の軒側に取り付ける工程と、
前記取り付けられた軒側の破風化粧板の継手部の先端側に、棟側に取り付ける破風化粧板の端部を配置し、当該棟側の破風化粧板の上部被覆部の係合部を水切り板に係合させる工程と、
前記係合部と水切り板との係合部位を支点として棟側の破風化粧板を回転させて、棟側の破風化粧板の上部被覆部を軒側の破風化粧板の継手部の上面部に重ね合せるとともに、棟側の破風化粧板の下部被覆部を軒側の破風化粧板の継手部先端部の上面部の下方に位置する空隙部分に入り込ませる工程と、
棟側の破風化粧板を軒側にスライドさせて、当該棟側の破風化粧板の端部を軒側の破風化粧板の継手部の外周面に嵌合させる工程と、
を有することを特徴とする破風化粧板の取り付け方法。
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