JP6014887B2 - 滅菌装置 - Google Patents
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Description
以下、滅菌装置の例として、滅菌剤として蒸気を用いた蒸気滅菌装置について説明する。
一般的な蒸気滅菌装置では、圧力容器内に飽和水蒸気を導入して加圧・加熱し、所定の圧力及び温度を一定時間保持することにより被滅菌物を滅菌するように動作する(例えば、特許文献1参照)。
また、飽和水蒸気は、内缶の内部にも導入される。内缶は、導入された飽和水蒸気によって所定の圧力に加圧・加熱され、また内缶周囲のジャケット部により所定温度に加熱される。
しかし、従来の滅菌装置においては、各配管及び各部品を圧力容器の外壁に直接取り付けており、滅菌装置の製造時における組み立て時間が長時間化してしまうという課題がある。
さらに、滅菌装置を製造元から客先へ輸送する場合、配管や部品を一度取り外してから設置場所にて再度組み付ける工程が必要であり、手間がかかっているという課題もある。
この構成を採用することによって、少なくとも圧力容器に直接取り付けなくても良い配管等については、予めユニット化しておき、ユニット化した配管ユニットを圧力容器に取り付ければよいので、製造時における組み立て時間を短縮化できる。また、配管等のレイアウトを標準化できるので、異なる機種毎に新たなレイアウト設計をすることもなく、設計の簡略化を図れる。また、設置場所へ輸送する際にも、輸送後に配管ユニットごと圧力容器に取り付けるだけでよいので、輸送時及び据え付け時の手間を省くことができる。
なお、特許請求の範囲でいう供給配管には、滅菌効果のある流体の供給管及び水の供給管を含むものとする。また、特許請求の範囲でいう供給用制御機器には、バルブ、減圧弁、トラップなど供給配管に接続されるものを含むものとする。また、特許請求の範囲でいう排気管には圧力容器内を真空にする際に排気する管及び排水(排液)する管を含むものとし、さらに排気用制御機器には、真空ポンプや水エジェクター等の真空機器、圧力スイッチ、減圧弁、トラップなどを含む。
また、配管ユニット用取付体に少なくとも供給配管、供給用制御機器、排気管及び排気用制御機器を取り付けておくことで、組み立て時間の短縮化、配管や部品のレイアウト設計の簡略化を達成でき、且つ輸送時及び据え付け時の手間を省くことができる。
さらに、この構成によれば、例えば圧力容器又は耐圧密閉容器の左側面に配管ユニット用取付体を配置させる場合と、右側面に配置させる場合とで共通の配管ユニット用取付体を使用することができる。すなわち、滅菌装置としては、その配置場所によって圧力容器又は耐圧密閉容器の蓋体を右方向又は左方向どちらの方向に開けるかを設計時に選択することができるが、蓋体を何れの方向に開けるかで、圧力容器又は耐圧密閉容器の側面においてスペース的に余裕のある左側か右側かで異なる。そこで上記構成のように、配管ユニット用取付体を、圧力容器又は耐圧密閉容器の左側面か右側面かのいずれにも配置可能な形状とすることにより、蓋体を何れの方向に開けるかで異なる製品であっても共通に使用でき、コスト削減に寄与する。
この構成によれば、配管ユニット用取付体に少なくとも、供給配管、供給用制御機器、排気管及び排気用制御機器を取り付けるとかなりの重量となるが、車輪で移動することができれば組み付け時の作業が極めて容易に行われる。
この構成によれば、枠部を圧力容器の側面に配置させて、枠部に取り付けられた各管を圧力容器に取り付けることができる。また、脚部は枠部が転倒しないために必要であり、脚部を圧力容器に下方に配置させれば、脚部が邪魔にならずに済み、スペースの有効利用を図ることができる。
図1は、蒸気滅菌装置の外観構成を示す。
蒸気滅菌装置30は、被滅菌物を収容する圧力容器32を有しており、圧力容器32の前面は前面カバー31及び背面カバー29によって覆われている。図1では前面カバー31及び背面カバー29以外の部位は、圧力容器32が露出しているところを図示している。
前面カバー31には、圧力容器32の内部を開口するための扉28が設けられている。
また、圧力容器32を正面からみて圧力容器32の右側側面には、各配管や各制御機器などを一体にユニット化した配管ユニット10が設けられている。
圧力容器32は、内缶35と外缶36とを有する二重缶構造となっており、内缶35と外缶36との間の隙間がジャケット部38である。内缶35内に、例えば、包帯、メス、鉗子又は手術着等の被滅菌物が収容される。ジャケット部38には、後述する飽和水蒸気が導入され、内缶35を所定温度となるように加熱させ、その温度を保持させることができる。
本実施形態では、蒸気発生器40は、水を加熱する電気ヒータを有しており、蒸気発生器40には、外部から水が供給される水配管42が接続されている。また、水配管42には、蒸気発生器40への水の供給の制御を行うべく、水配管42を開閉可能な給水バルブ45が設けられている。
したがって、エア供給管49は、供給配管には該当せず、圧力容器32の外壁に直接取り付けられており、ユニット化させる配管類ではない。
エア供給管49は、蒸気配管46の中途部に接続されており、内缶35へエアを供給する際には、蒸気配管46内にエアを流通させて行っている。
ただし、本発明の真空発生手段としては、水エジェクター48ではなく、真空ポンプであってもよい。
ノズル55は、入口から出口(図2では、水エジェクター48の下端部)の中途部において流路径が細くなっており、この細くなった部分に、圧力容器32からの排気・排水管56(内缶35内の排気・排水管)が接続されている。
水エジェクター48の出口には、タンク50に接続する排水管57が設けられている。排水管57は、ノズル55を通過したタンク50からの水、並びに排気・排水管56から排気されたエア及び水が流通する。このため、タンク50には、排水管57を介して水エジェクター48の作動流体である水を戻すことができ、また圧力容器32からの排気・排水もタンク50に貯留させることができる。
排気・排水管56の、分岐管58側及び水エジェクター48に接続されている側には、それぞれの管を開閉可能なバルブ59、60が設けられている。これらバルブ59,60の開閉動作によって、内缶35内を真空に引くだけでなく、内缶35からタンク50に直接排気・排水することもできる。
この分岐管58は、特許請求の範囲でいう排気管に該当し、またバルブ59,60は特許請求の範囲でいう排気用制御機器に該当するので、これらの構成は、ユニット化される配管類である。
分岐管61は、特許請求の範囲でいう供給配管に該当し、バルブ62は、特許請求の範囲でいう供給用制御機器に該当し、ユニット化される。
ドレン排管66には、蒸気トラップ67が設けられており、蒸気を含む雰囲気の中からドレンだけを排出して、なるべく蒸気をドレン排管66から排出しないようにしている。
ドレン排管66は、特許請求の範囲でいう排気管に該当し、蒸気トラップ67は、特許請求の範囲でいう排気用制御機器に該当するので、これらの構成はユニット化される。
図1では、圧力容器32の開口側から見て、右側面に配管ユニット10が設けられている例を示している。本実施形態における配管ユニット10は、配管ユニット用取付体の一例として、枠状フレームを採用したものである。
本実施形態における配管ユニット10は、水配管42、給蒸配管41、給蒸バルブ44、給水バルブ45、内缶35から排気する排気・排水管56、排水管57、水エジェクター48、ポンプ52、タンク50、分岐管58、バルブ59、バルブ60、分岐管61、バルブ62が、枠状フレーム70に取り付けられて構成される。
枠部72は、鉛直方向に延びる2本の縦材75a、75bと、縦材75a、75bの上端部を連結して水平方向に延びる横材76とを有している。
さらに枠部72から、各配管や各機器を取り付けるための複数の取り付け用枠部77,78,79が、水平方向に突出して設けられている。取り付け用枠部77,78,79のは、圧力容器32に干渉しないように、圧力容器32の外表面と反対方向の一方側に突出している。
これら取り付け用枠部の構成は、ユニット化する配管及び制御機器の個数や種類によって適宜変更すればよい。
脚部73の一方側上面には、枠部72の縦材75a,75bとの間で側面視四角形状の台座部80が設けられている。台座部80は、脚部73の一方側先端部から上方に延びる縦材81と、縦材81の上端部から水平方向に枠部72の縦材75a,75bに延びる横材82とを有している。横材82の上面には平板83が配置されている。このように、台座部80は、縦材81によって支持されているので、平板83に、配管や制御機器のうち大型のものや重量物などを設置することができる。例えば、真空ポンプ等は重量があるので、台座部80に取り付けることが好ましい。なお、図1に示した枠状フレーム70は、このように台座部80が設けられていない例を示している。
そして、取り付け用枠部77、78,79には複数の各配管、圧力スイッチ、バルブ、フィルタ等が配置されている。これら各配管、各制御機器の配置位置は、配管の取り回しのしやすさ、圧力容器32への接続の容易さ等を考慮して適宜決定すればよい。
配管ユニット10を正面視した場合の左上には、圧力容器32から延びる給蒸配管41の端部と、配管ユニット10から圧力容器32側へ延びる給蒸配管41の端部が、それぞれの端部に形成されたフランジ部41a,41bによって連結されている。
また、配管ユニット10を正面視した場合の左下には、圧力容器32から延びる排気・排水管56の端部と、配管ユニット10から圧力容器32側へ延びる排気・排水管56の端部が、それぞれの端部に形成されたフランジ部によって連結されている(図3では圧力容器32の下に隠れていて見えない)。
このように、一旦配管ユニット10を組み立ててしまえば、圧力容器32への各配管、各制御機器の組み付けが、極めて簡単に行われる。本実施形態では、2箇所の配管接続だけで、圧力容器32への配管ユニット10の組み付けが終了する。ただし、配管ユニット10と圧力容器32への接続箇所は2箇所に限定するものではない。
この場合には、図1に示した圧力容器32の右側面に配置される枠状フレーム70と共通の枠状フレーム70を用いることができる。
図5の実施形態によれば、枠状フレーム70には台座部80が形成され、台座部80に真空ポンプ91が設置される。
真空ポンプ91のように重量がある機器であっても、車輪88が設けられた枠状フレーム70に取り付けることで、圧力容器32への組み付けが容易に行われる。
圧力容器32の外壁上面には、安全弁22が取り付けられている。これらは配管ユニット10には配置されず、圧力容器32に直接固定される。また、エアフィルタ47、エア供給管49、ジャケット部38と内缶35とを連結する蒸気配管46も圧力容器32の外壁に直接取り付けられている。
さらに、上述してきた各実施形態では図示していないが、ユーザが蒸気滅菌装置を操作する操作部及び電装部についても配管ユニット10には配置されず、ユニット化されることはない。
例えば、蒸気滅菌装置30の外部に設けられた蒸気発生器から蒸気を導入する場合には、外部からの蒸気を導入するための給蒸配管についても配管ユニット10に配置するようにするとよい。
次に、図6に基づいて、蒸気滅菌装置の他の構成である第2の実施形態の略線図について説明する。なお、上述した実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する場合もある。
第2の実施形態では、蒸気滅菌装置において圧縮エアーを用いている点で第1の実施形態とは異なる。また、本実施形態の蒸気滅菌装置30も第1の実施形態と同様に、被滅菌物を収納する内缶35と、内缶35と外缶36との間ジャケット部38が形成された二重缶構造の圧力容器32を有している。
そして、本実施形態でいうユニット化される排気用制御機器として、真空ポンプ126、モータバルブ114、2つの蒸気トラップ98、ボールバルブ100が含まれる。
なお、第2の実施形態において、ユニット化されずに圧力容器32に直接固定される構成としては、安全弁96、エア供給管102、エアフィルタ104、エア供給バルブ105がある。
次に、図7に基づいて、滅菌装置の他の構成である第3の実施形態の略線図について説明する。なお、上述した実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する場合もある。
第3の実施形態では、滅菌剤としては蒸気を用いるのでなく、酸化エチレンガスを用いている。また、本実施形態の蒸気滅菌装置30も第1の実施形態及び第2の実施形態と同様に、被滅菌物を収納する内缶35と、内缶35と外缶36との間ジャケット部38が形成された二重缶構造の圧力容器32を有している。
また、本実施形態でいうユニット化される供給用制御機器には、上述した蒸気配管152、給水管164、及びガス供給管145に接続された制御機器が全て含まれるものである。
そして、本実施形態でいうユニット化される排気用制御機器として、真空ポンプ155が含まれる。
すなわち、圧力容器32とは別体の板状のパネル(図示せず)に、少なくとも、供給配管、供給用制御機器、排気管及び排気用制御機器を取り付けることにより、製造時の組み立て時間の短縮、配管や部品のレイアウト設計の簡略化を達成でき、且つ輸送時及び据え付け時の手間を省くことができる。なお、板状のパネルと言っても、転倒しないように下端部は幅広の構成にし、また移動が容易となるように下端部に車輪を設けるようにするとよい。
このような構成によれば、枠状フレームや板状のパネルである配管ユニット取付体を用いなくても、製造時の組み立て時間の短縮、配管や部品のレイアウト設計の簡略化を達成でき、且つ輸送時及び据え付け時の手間を省くことができる。
20 圧力計
22 安全弁
28 扉
29 背面カバー
30 蒸気滅菌装置
31 前面カバー
32 圧力容器
34 真空発生手段
35 内缶
36 外缶
38 ジャケット部
40 蒸気発生器
41,46,92,152 蒸気配管
41a,41b フランジ部
42 水配管
43,44,93 給蒸バルブ
45,126 給水バルブ
47,104,140 エアフィルタ
48 水エジェクター
49,102,142 エア供給管
50 タンク
51,105,144 エア供給バルブ
52 ポンプ
55 ノズル
56 排気・排水管
57,64 排水管
58,61 分岐管
59,60,62 バルブ
66 ドレン排管
67,98,110 蒸気トラップ
70 枠状フレーム
72 枠部
73 脚部
75a,75b 縦材
76 横材
77,78,79 取り付け用枠部
80 台座部
81 縦材
82 横材
83 平板
88 車輪
90 ストッパー
91,116,126,155 真空ポンプ
94 給蒸圧力スイッチ
96,151 安全弁
99,108,119 排出管
100 ボールバルブ
106,117,135 配管
112 真空配管
114 モータバルブ
118 滅菌圧力計
120 圧力センサ
122 安全圧力スイッチ
123,128,129,164 給水管
124 内缶温度センサ
126 給水プラグ
130 給水圧力スイッチ
132 圧縮空気元バルブ
134 パッキン
136 圧縮空気圧力スイッチ
145 ガス供給管
147 ガスフィルター
148 給ガス弁
150 気化器
154 加湿弁
156 排気管
158 外缶温度センサ
160 内缶温度センサ
162 圧力センサ
Claims (5)
- 被滅菌物を収容し、供給される滅菌効果のある流体によって滅菌が行われる圧力容器又は耐圧密閉容器を備える滅菌装置において、
少なくとも、圧力容器又は耐圧密閉容器の外側に配置される配管であって外部機器から圧力容器又は耐圧密閉容器内へ供給する滅菌効果のある前記流体を流通させる供給配管と、
該供給配管に設けられているバルブ、減圧弁、トラップを含む供給用制御機器と、
圧力容器又は耐圧密閉容器からの排気を流通させる排気管と、
該排気管に設けられている真空ポンプ又は水エジェクター等の真空機器、圧力スイッチ、減圧弁、トラップを含む排気用制御機器とを一体構造にした配管ユニットを具備し、
前記配管ユニットは、
前記圧力容器又は耐圧密閉容器とは別体として構成された配管ユニット用取付体に、少なくとも、前記供給配管、前記供給用制御機器、前記排気管及び前記排気用制御機器が取り付けられて構成され、
前記配管ユニット用取付体は、前記圧力容器又は耐圧密閉容器の左側面又は右側面のいずれにも配置可能となるように、正面視すると左右対称に形成されていることを特徴とする滅菌装置。 - 前記配管ユニット用取付体は、
複数のフレームで構成された枠状フレームであることを特徴とする請求項1記載の滅菌装置。 - 前記配管ユニット用取付体は、
板状のパネルであることを特徴とする請求項1記載の滅菌装置。 - 前記配管ユニット用取付体の下端部には、車輪が取り付けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちのいずれか1項記載の滅菌装置。
- 前記枠状フレームは、
鉛直方向に起立して形成され、少なくとも、前記供給配管、前記供給用制御機器、前記排気管及び前記排気用制御機器が取り付けられた枠部と、
該枠部の下部において水平方向に延びる脚部とを有することを特徴とする請求項2記載の滅菌装置。
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