JP6014287B1 - 同期放送システム、配信装置、送信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】同期放送システムにおいて、得演奏所から送信所に至る伝送路で生じる遅延の変動を精度よく吸収し、音声信号の出力タイミングを精度よく一致させる技術を提供する。【解決手段】同期放送システムは、配信装置と複数の送信装置とを備え、両者は一定周期のタイミングを表す同一の基準タイミングを取得する。配信装置では、音声帯域以外の周波数を有し基準タイミングに同期した同期信号の位相を表す位相情報、および基準タイミングを表すタイミング情報を音声信号に付加し、その音声信号を表す音声データの系列を送信装置に配信する。送信装置は、配信された音声データの系列からタイミング情報および位相情報を分離し、分離されたタイミング情報と基準タイミングとから求めた伝送路遅延時間、分離された位相情報に基づく検出位相と遅延ばらつきがない場合に検出されるべき基本位相とから求めた遅延ゆらぎ時間を用いて、個々の音声データを遅延調整する。【選択図】図1

Description

本発明は、音声信号の同期放送において、受信障害を軽減する技術に関する。
従来、演奏所から複数の送信所に同一プログラムの音声信号を配信し、配信を受けた各送信所が、同一周波数にて同一プログラムの音声放送波を送信するいわゆる同期放送を実現する同期放送システムが知られている。この同期放送システムでは、演奏所から各送信所までの音声信号の伝送に、ATM伝送網やIP伝送網を含む様々な伝送網が用いられている。また、同期放送システムでは、各送信所は、演奏所から配信される音声信号を、同じタイミングで送信する必要がある。
ATM伝送網やIP伝送網などの非同期なパケット伝送を行う伝送網では、各送信所までの伝送経路の違いによって送信所毎に伝送路遅延が異なり、また、同じ送信所であっても、キャリア側の都合によって伝送経路が変更されることによって伝送遅延が変動する。更に、伝送経路中の中継機器等の負荷状況によって遅延ゆらぎも発生する。
このうち、遅延ゆらぎを抑制する手法の一つとして、例えば、特許文献1には以下の技術が記載されている。即ち、送信側にて、一定周期の基準タイミングを基準として、送信対象となるパケットの入力時間を測定し、その測定より得られた時間情報を、タイムスタンプとしてパケットに付加して送信する。受信側では、送信側の基準タイミングと同じ一定周期を有する受信側基準タイミングと、タイムスタンプに示された時間情報とを用いて、各パケットの出力タイミングを、受信側基準タイミングからの相対時間で特定する。
特開平9−64892号公報
しかし、特許文献1に記載の従来技術では、遅延ゆらぎは除去できるものの、タイムスタンプとして、基準タイミングに対する相対的な時間を表す時間情報を用い、また、各送信所では、それぞれ個別に基準タイミングを生成するため、送信所間の伝送路遅延の違いを吸収することはできないという問題があった。
本発明は、こうした問題に鑑みてなされたものであり、同期放送システムにおいて、演奏所から各送信所に至る伝送路で生じる遅延の変動を精度よく吸収し、音声信号の出力タイミングを精度よく一致させる技術を提供することを目的としている。
本開示の一態様に係る同期放送システムは、配信装置と、複数の送信装置とを備える。配信装置は、デジタル化された音声信号を配信する。送信装置は、配信装置から配信された音声信号を用いて、予め指定された周波数の搬送波を変調した電波を同一タイミングで送信する。これにより、複数の送信装置が送信する電波により同一周波数を用いた同期放送を実施する。
配信装置は、配信側基準取得部と、同期信号生成部と、信号付加部と、配信部とを備える。配信側基準取得部は、既存の標準時刻を表す時刻情報によって特定される一定周期のタイミングである基準タイミングを取得する。同期信号生成部は、予め設定された音声帯域以外の周波数を有し、配信側基準取得部にて取得された基準タイミングに同期した同期信号を生成する。信号付加部は、配信側基準取得部にて取得された基準タイミングを表すタイミング情報および同期信号生成部にて生成された同期信号の位相情報を、音声信号に付加する。配信部は、信号付加部によりタイミング情報および位相情報が付加された音声信号を、基準タイミングに同期したタイミングでサンプリングした音声データの系列として、複数の送信装置に配信する。
送信装置は、受信部と、送信側基準取得部と、付加情報分離部と、付加タイミング抽出部と、遅延算出部と、遅延ゆらぎ算出部と、遅延調整部と、放送波送信部とを備える。受信部は、配信装置から配信された音声データの系列を受信する。送信側基準取得部は、配信側基準取得部と同じ基準タイミングを取得する。付加情報分離部は、受信部にて受信された音声データの系列からタイミング情報および位相情報を分離する。付加タイミング抽出部は、付加情報分離部にて分離されたタイミング情報から特定されるタイミングである付加タイミングを抽出する。遅延算出部は、送信側基準取得部にて取得された基準タイミングから、付加タイミング抽出にて抽出された付加タイミングまでの遅延時間である伝送路遅延時間を求める。遅延ゆらぎ算出部は、配信装置にて音声データのそれぞれに対応付けられる基準タイミングを基点とした同期信号の位相を基本位相とし、付加情報分離部にて分離された位相情報が示す位相を検出位相とし、付加タイミングを基点とした音声データのサンプリング周期毎のタイミングを規定タイミングとして、受信部にて受信された音声データ毎に、基本位相と検出位相の位相差から、規定タイミングに対する音声データの受信タイミングのずれ量である遅延ゆらぎ時間を求める。遅延調整部は、配信装置から送信装置への配信の過程で発生し得る遅延の最大値以上に設定された設定遅延時間から、伝送路遅延時間と遅延ゆらぎ時間の合計値を減じた時間を調整遅延時間として、音声データ毎に、該音声データの受信タイミングを調整遅延時間だけ遅延させる。放送波送信部は、遅延調整部にて個々の音声データの遅延が調整された音声信号を用いて、同期放送に用いる放送波を生成して送信する。
このような構成によれば、伝送経路の相違によって生じる送信装置毎に異なった伝送路遅延時間だけでなく、同じ送信装置に対する伝送であっても個々の音声データ間で生じる遅延ゆらぎ時間も含めて遅延調整が行われるため、各送信装置での音声信号の出力タイミングを精度よく一致させることができる。
本開示の別の態様に係る配信装置は、配信側基準取得部と、同期信号生成部と、信号付加部と、配信部とを備える。なお、これら各部は、上述の同期放送システムを構成する配信装置の各部と同様のものである。
このような構成によれば、上述した同期放送システムを構成する配信装置として機能するため、この同期放送システムを構築する際に、好適に用いることができる。
本開示の別の態様に係る送信装置は、受信部と、送信側基準取得部と、付加情報分離部と、付加タイミング抽出部と、遅延算出部と、遅延ゆらぎ算出部と、遅延調整部と、放送波送信部とを備える。なお、これら各部は、上述の同期放送システムを構成する送信装置の各部と同様のものである。
このような構成によれば、上述した同期放送システムを構成する送信装置として機能するため、この同期放送システムを構築する際に、好適に用いることができる。
同期放送システムの構成を示すブロック図である。 AES/EBU規格のフォーマットを示す説明図である。 同期情報付加部の構成を示すブロック図である。 音声伝送帯域、音声帯域、同期化信号伝送帯域の関係を示す説明図である。 同期信号の周波数がサンプリング周波数の1/3である場合に使用する基本位相を例示する説明図である。 基準信号を例示する波形図である。 同期信号を基準信号で振幅変調することで得られる同期化信号を例示する波形図である。 同期信号を基準信号で位相変調(BPSK)することで得られる同期化信号を例示する波形図である。 同期化信号を位相変調した場合のスペクトラムの広がりを例示するグラフである。 遅延同期部の構成を示すブロック図である。 伝送路遅延および遅延ゆらぎに関する説明図である。 実験用システムの構成を示すブロック図であり、(a)が配信装置から配信される音声信号と、IP伝送路経由で配信され、送信装置で再生された音声信号との比較に用いた第1の実験用システムであり、(b)がプロトコル変換を行う伝送路経由と、プロトコル変換を行わない伝送路経由とで、送信装置で再生された音声信号の比較に用いた第2の実験用システムである。 第1の実験用システムによる計測結果を示すグラフである。 第2の実験用システムによる計測結果を示すグラフである。 IPコーデックによって付加される遅延ゆらぎの計測結果を示すグラフである。 第1の実験用システムでの計測結果を示すグラフの一部を拡大した拡大図である。 同期信号の周波数と基本位相との関係を示す説明図であり、(a)が同期信号の周波数がサンプリング周波数の2/5の場合、(b)が同じく5/12の場合、(c)が同じく3/8の場合、(d)が同じく7/16の場合を示す。 複数の中継所から演奏所に送られる音声信号を同期させて合成する音声信号生成システムの構成を示すブロック図である。
以下、図面を参照しながら、発明を実施するための形態を説明する。
[1.システム構成]
図1に示す同期放送システム1は、演奏所に設置される配信装置2と複数の送信所のそれぞれに設置される送信装置3、4を備える。配信装置2は、IEC60958等により標準化されているAES/EBU規格のフォーマット(以下「AES/EBUフォーマット」という)の音声フレームを、各伝送網を介して各送信装置3、4に配信する。送信装置3は伝送網Aを介して受信した音声フレームから抽出した音声信号に従って、送信装置4は伝送網Bを介して受信した音声フレームから抽出した音声信号に従って、同期放送を行う。なお、図では、送信装置3、4を備えているが、送信装置を3つ以上備えていてもよい。また、伝送網A、伝送網Bは、例えばATM伝送網、IP伝送網などで構成されるが、これらに限定されるものではない。
[2.AES/EBUフォーマット]
AES/EBUフォーマットは、音声信号をデジタルデータに変換された音声データを順次送信するためのフォーマットである。図2に示すように、最小単位のサブフレームは、32ビットで構成され、4ビットのプリアンブル、4ビットの補助データ、20ビットの音声データ、以下各1ビットの妥当性表示フラグ(V)、ユーザデータ(U)、チャネルステータス(C)、パリティビット(P)からなる。なお、補助データは、音声データが24ビットで表される場合に使用される。但し、音声データは、フレーム中の27ビット目側がMSBとなるように格納される。
サブフレームは、二つで一つのフレームを構成し、更に、192個のフレームで一つのブロックを構成する。
一つのフレームを構成する二つのサブフレームは、ステレオ音声の左チャネルのデータ伝送に使用するチャネル1と、ステレオ音声の右チャネルのデータ伝送に使用するチャネル2とからなる。つまり、フレームの伝送スピードは、音声データのサンプリング周波数の64倍となる。サンプリング周波数は、例えば、48kHz、44.1kHz、32kHzの中から選択される。以下では、音声信号をサンプリングした音声データの系列を総称する場合に音声信号ともいう。音声信号以外の信号についても同様である。また、以下では、数値を用いた具体的な説明をする場合、サンプリング周波数が48kHzであるものとする。
サブフレームのプリアンブルは、3種類のパターン(X,Y,Z)がある。ブロックの先頭に位置するサブフレーム(つまりチャネル1)のプリアンブルにはパターン「Z」が用いられ、それ以外のチャネル1のサブフレームのプリアンブルにはパターン「X」が用いられる。また、チャネル2のサブフレームのプリアンブルにはパターン「Y」が用いられる。これらプリアンブルを抽出することで各サブフレームの先頭を抽出することができ、更にプリアンブルのパターンを識別することで、サブフレームの先頭やフレームの先頭等を識別することができる。
[3.配信装置]
図1に戻り、配信装置2は、音声フレーム生成部21と、配信側基準取得部22と、同期情報付加部23と、配信部24と、IP伝送送信部25と、IP伝送送信部26とを備える。配信装置2は、その全部をハードウェアによって実現してもよいし、少なくとも一部を、CPU、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ(以下、非遷移的実体的記録媒体ともいう)を有する周知のマイクロコンピュータが実行する処理によって実現してもよい。この場合、マイクロコンピュータが実現する各種機能は、CPUが非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。
音声フレーム生成部21は、音声放送のために生成された音声信号を取得し、AES/EBUフォーマットの音声フレームを生成する。なお、音声信号の取得先は、例えば、音声放送の番組を作成するスタジオや、録音済み番組の音声信号を記憶するサーバ等が考えられる。
配信側基準取得部22は、予め定められた標準時刻を表す時刻情報を取得する。ここでは、周知のGPS受信機を用い、時刻情報として、1秒周期のパルス信号である1秒パルス信号(即ち、1PPS)を取得する。
同期情報付加部23は、音声フレーム生成部21が生成した音声フレームによって配信される音声信号に、配信側基準取得部22が取得した時刻情報に基づいて生成される同期情報を付加する。その詳細については後述する。
配信部24は、同期情報付加部23から供給される音声フレームを、複数に分配して、IP伝送送信部25およびIP伝送送信部26のそれぞれに供給する。IP伝送送信部25は、配信部24から供給される同期情報が付加された音声フレームを、伝送網Aを介して送信装置3に配信する。IP伝送送信部26は、配信部24から供給される音声フレームを、伝送網Bを介して送信装置4に配信する。なお、IP伝送送信部25,26は、音声フレームから各伝送網A,Bで使用する配信フレームへのフレームフォーマットの変換を行う。このとき、音声データを伝送するペイロード以外のヘッダやフッダに載せられた情報は全て削除されることになる。
[3−1.同期情報付加部]
同期情報付加部23は、図3に示すように、デジタル音声入力部231と、時刻情報生成部232と、同期信号生成部233と、同期化信号生成部234と、同期化信号付加部235とを備える。
デジタル音声入力部231は、入力された音声フレームから、右チャネルの音声データ(以下、右音声データ)および左チャネルの音声データ(以下、左音声データ)を抽出する。更に、抽出された右音声データの系列(以下、右音声信号)、および左音声データの系列(以下、左音声信号)のそれぞれについて、バンドパスフィルタを適用することで、両音声信号の帯域を、予め設定された音声帯域に制限して、同期化信号付加部235に供給する。ここでは、図4に示すように、音声帯域を50Hz〜15kHzとする。
時刻情報生成部232は、1秒パルス信号の受信タイミングを基準タイミングとして、同期信号生成部233および同期化信号生成部234に供給する。なお、基準タイミングを表す信号として、1秒パルス信号をそのまま供給してもよい。
同期信号生成部233は、基準タイミングに同期した同期信号を生成する。なお、同期信号は、同相成分を表すI信号および直交成分を表すQ信号からなる二つの信号、いわゆる直交信号によって構成されている。つまり、同期信号の位相は、I信号およびQ信号の振幅比を用いて瞬時に特定することが可能である。
同期信号は、上述の音声信号と同様に、サンプリング周波数でサンプリングされたデータの系列で表される。同期信号の周波数は、図4に示すように、サンプリング周波数の1/2、即ちナイキスト周波数以下、且つ音声帯域以外の周波数に設定される。つまり、サンプリング周波数と同期信号の周波数は公約数を持つ。同期信号の周波数として、例えば、サンプリング周波数が48kHzである場合、その1/3となる16kHz、3/8となる18kHz、2/5となる19.2kHz、5/12となる20kHz等が考えられる。以下では、同期信号の周波数を16kHzであるものとして説明する。また、ここでは、同期信号の周波数を、音声帯域より高い周波数に設定しているが、音声帯域より低い周波数に設定してもよい。但し、サンプリング周波数と同期信号の周波数が、短周期で同期することが望ましいため、音声帯域より高い周波数を用いることが望ましい。
ここで同期信号の周波数が16kHzである場合の、同期信号の位相と、I信号およびQ信号の振幅の関係を、図5に示す。同期信号の周波数はサンプリング周波数の1/3であるため、同期信号を表すデータの系列を構成する各データは、120°ずつ位相が異なる3種類の基本位相θ1、θ2、θ3を順番に表したものとなる。ここでは、基本位相として、θ1=0°、θ2=120°、θ3=240°が用いられる。また、基準タイミングでθ1となるように同期信号を生成する。なお、基本位相として使用する位相や、基準タイミングと一致させる基本位相は、上記設定に限定されるものではない。
同期化信号生成部234は、同期信号生成部233にて生成された同期信号、即ちI信号およびQ信号のそれぞれを、基準タイミングを特定可能な波形を有する基準信号を用いて変調することで一対の同期化信号を生成する。ここでは、基準信号は、例えば、図6(a)に示すように、基準タイミングでピーク値を持つ半周期の正弦波を1秒周期で繰り返した波形を有するものを用いる。そして、同期化信号生成部234は、この基準信号によって同期信号を振幅変調することで同期化信号を生成する。この場合、同期化信号は、図7に示すように、その包絡線が基準信号の形状に従ったものとなる。
なお、基準信号の波形や変調方式は、これに限定されるものではなく、例えば、基準信号として、図6(b)に示すように、基準タイミングで信号レベルが反転する信号を用い、この基準信号によって同期信号を位相変調(例えば、BPSK)するものであってもよい。この場合も、同期化信号は、図8に示すように、基準タイミングにて振幅が最小となるような波形を有する。
また、ここでは、同期信号の周波数を16kHzとしているが、変調された同期化信号のスペクトラムの広がりを考慮して、音声帯域に対する干渉が十分に抑制されたものとなるように、同期信号の周波数を選択することが望ましい。図9は、同期信号の周波数を18kHz、19.2kHz、20kHz、21kHzとしてBPSKを行った場合のスペクトラムを示す。
更に、音声信号を同期化する場合、一般的には、遅延制御の精度が1μs以下であることが要求される。ここで同期信号の周波数を1Hzとした場合、位相の検出角度誤差が1°として、その角度誤差によるタイミング誤差は2.8msとなるため実用的ではない。これに対して、同期信号の周波数を16kHzとした場合、位相の検出角度誤差が1°として、その角度誤差によるタイミング誤差は0.18μsとなるため、十分な精度が得られる。このため、同期信号の周波数は、音声帯域より高い周波数に設定することが望ましい。
図3に戻り、同期化信号付加部235は、I信号を変調することで得られる同期化信号を左音声信号(即ち、左音声チャネルの音声データ)に加算し、Q信号を変調することで得られる同期化信号を右音声信号(即ち、右音声チャネルの音声データ)に加算することで、同期化信号を音声信号に付加する。
[4.送信装置]
送信装置3は、IP伝送受信部31と、送信側基準取得部32と、遅延同期部33と、変調送信部34と、アンテナ35とを備える。送信装置3は、配信装置2と同様に、その全部をハードウェアによって実現してもよいし、少なくとも一部を、CPU、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ(以下、非遷移的実体的記録媒体ともいう)を有する周知のマイクロコンピュータが実行する処理によって実現してもよい。この場合、マイクロコンピュータが実現する各種機能は、CPUが非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。
IP伝送受信部31は、伝送網Aを介して配信装置2から配信される配信フレームを受信し、AES/EBUフォーマットの音声フレームに変換して遅延同期部33に供給する。
送信側基準取得部32は、配信装置2を構成する配信側基準取得部22と同様のものであるため、説明を省略する。なお、送信側基準取得部32は、取得した時刻情報として1秒パルス信号を遅延同期部33に供給する。
遅延同期部33は、伝送装置31から供給される音声フレームから右音声信号(即ち、右音声データの系列)および左音声信号(即ち、左音声データの系列)を抽出し、両音声信号から分離される同期情報および送信側基準取得部32が取得した時刻情報を用いて、個々の音声データの遅延を調整して変調送信部34に出力する。その詳細については後述する。
変調送信部34は、遅延同期部33から供給される個々の音声データが遅延調整された右音声信号および左音声信号からなるステレオ音声信号を用いて所定周波数の搬送波を変調し、アンテナ35を介して自装置がカバーする放送エリアに向けて同期放送の放送波を送信する。
送信装置4は、伝送装置IP伝送受信部41と、送信側基準取得部42と、遅延同期部43と、変調送信部44と、アンテナ45とを備える。IP伝送受信部41は、伝送網Bを介して配信装置2から配信される配信フレームを受信し、伝送装置31と同様に、AES/EBUフォーマットの音声フレームに変換して遅延同期部43に供給する。他の構成42〜45は、それぞれ、送信装置3の送信側基準取得部32、遅延同期部33、変調送信部34、アンテナ35と同様の構成を有しているため、説明を省略する。
[4−1.遅延同期部]
遅延同期部33は、図10に示すように、付加情報分離部331と、時刻情報復調部332と、位相検出部333と、伝送路遅延検出部334と、遅延ゆらぎ検出部335と、遅延調整部336とを備える。
付加情報分離部331は、伝送装置31から供給される音声フレームから、右音声データの系列(即ち、右音声信号)および左音声データの系列(即ち、左音声信号)を抽出し、その抽出された右音声信号および左音声信号から、それぞれ同期化信号を分離する。具体的には、音声帯域の信号を抽出するバンドパスフィルタ(BPF)と、音声帯域の信号を除去するバンドエリミネーションフィルタ(BEF)とを用いて分離する。BPFの出力、即ち、同期化信号が除去された右音声信号および左音声信号は、遅延調整部336に供給される。BEFの出力、即ち、両音声信号から分離された一対の同期化信号は時刻情報復調部332および位相検出部333に供給される。
時刻情報復調部332は、付加情報分離部331にて分離された同期化信号、即ち、基準信号で同期信号を振幅変調した信号を復調することで基準信号を生成し、位相検出部333および伝送路遅延検出部334に供給する。この基準信号が示す一定周期のタイミングを付加タイミングという。
位相検出部333は、左音声信号から分離された同期化信号をI信号、右音声信号から分離された同期化信号をQ信号として、両信号の振幅比から同期信号の位相θdを、音声データ毎に求める。更に、時刻情報復調部332で抽出された付加タイミングを基点として、各音声データに対応づけられた基本位相θoを特定する。ここでは、付加タイミングで受信された音声データの基本位相がθo1であり、以下、受信された順に、各音声データにはθo2,θo3,θo1…が繰り返し対応づけられる。そして、音声データ毎に、これらの位相差Δθ=θo−θdを算出して、遅延ゆらぎ検出部335に供給する。
伝送路遅延検出部334は、送信側基準取得部32から供給される1秒パルス信号が示すタイミングである基準タイミングから、時刻情報復調部332にて抽出された付加タイミングまでの時間を伝送路遅延時間Dとして求め、遅延ゆらぎ検出部335に供給する。この伝送路遅延時間Dは、付加タイミングが抽出される毎、即ち1秒毎に更新される。
遅延ゆらぎ検出部335は、位相検出部333にて検出された位相差Δθから、(1)式に基づいて遅延ゆらぎ時間Δτを音声データ毎に算出する。但し、Δτは遅延が大きくなる側に揺らいでいる場合に正値、遅延が小さくなる側に揺らいでいる場合に負値となる。Fsはサンプリング周波数ある。
更に、遅延ゆらぎ検出部335で求められた伝送遅延時間Dに遅延ゆらぎ時間Δτを加算した総遅延時間Dsを音声データ毎に算出して、遅延調整部336に供給する。
遅延調整部336は、予め設定された設定遅延時間から総遅延時間Dsを減じた値を待機時間として、音声データを、その受信タイミングから待機時間だけ遅延させたタイミングで出力する。なお、設定遅延時間は、同期放送システム1で使用する伝送網A,Bでの伝送遅延の最大値と、遅延ゆらぎの最大値の絶対値との加算結果より長い時間となるように設定される。
なお、本実施形態において、同期化信号生成部234および同期化信号付加部235が信号付加部、配信部24およびIP伝送送信部25,26が配信部に相当する。また、IP伝送受信部31,41が受信部、時刻情報復調部332が付加タイミング抽出部、変調送信部34,44が放送波送信部に相当する。
[5.動作]
同期放送システム1において、配信装置2は、音声フレームを用いて各送信装置3,4に向けて音声データを配信する。この音声データは、図11に示すように、サンプリング周期Ts(=1/Fs)の一定間隔で配信装置2から送信される。各音声データは、伝送経路に応じた伝送路遅延を受けて送信装置3,4で受信される。また、送信装置3,4で受信される各音声データの受信間隔は一定とはならず、付加タイミングを基点としたサンプリング周期Ts毎のタイミングである規定タイミングに対して前後する遅延ゆらぎを有したものとなる。なお、遅延ゆらぎは、伝送装置25,26,31,41での処理時間や伝送路中の中継器での処理時間が、伝送路の負荷状況等によってばらつくことによって生じる。
そして、同期放送システム1では、配信装置2および送信装置3,4が共通の時刻情報としてGPS受信機から得られる1秒パルス信号を取得し、この1秒パルス信号から得られる基準タイミングを利用して伝送路遅延時間Dを特定する。これと共に、音声信号に付加した同期信号の位相情報を利用して遅延ゆらぎ時間Δτを特定する。
即ち、伝送路遅延時間Dについては、配信装置2側にて基準タイミングを表す基準信号を音声信号に付加し、送信装置3,4側にて音声信号に付加された基準信号が表すタイミングである付加タイミングを抽出する。そして、基準タイミングから付加タイミングまでの時間を伝送路遅延時間Dとして検出する。
遅延ゆらぎ時間Δτについては、配信装置2側にて、同期信号のI信号およびQ信号を、一方を右音声信号、他方を左音声信号に付加して送信する。このとき、各音声データに対応づけられる同期信号の位相が、予め設定された基本位相θo1〜θo3のいずれかとなるように設定する。送信装置3,4側では、両音声信号から分離されるI信号およびQ信号に基づいて同期信号の瞬時的な位相θdを検出し、この検出位相θdと、遅延ゆらぎがなければ本来検出されるべき位相である基本位相θoとの差分Δθから遅延ゆらぎ時間Δτを求める。
つまり、送信装置3,4では、受信した音声データの系列に対して、同期信号を抽出するためのフィルタ処理を施す。このとき、音声データの受信間隔が一定である場合、フィルタ処理によって同期信号の振幅が正しく復元されるため、検出位相θdは基本位相θoと一致する。しかし、遅延ゆらぎによって、音声データの受信間隔にばらつきがある場合、フィルタ処理によって同期信号の振幅が遅延ゆらぎの大きさに応じて変化し、検出位相θdも基本位相θoからずれたものとなる。従って、この基本位相θoと検出位相θdとのずれである位相差Δθを検出することによって遅延ゆらぎ時間Δτが求められる。
このようにして特定された伝送路遅延Dおよび遅延ゆらぎ時間Δτを考慮して各音声データの待機時間を設定して、各音声データの遅延を調整することにより、一定の時間間隔を有する音声データの系列が再生されることになる。
[6.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(6a)同期放送システム1によれば、伝送路の相違によって生じる送信装置3,4毎に異なった伝送路遅延時間Dだけでなく、一つの送信装置3,4に対する伝送であっても個々の音声データ間で異なる遅延ゆらぎ時間Δτも含めて遅延調整が行われる。このため、各送信装置3,4からの放送波に使用される音声信号の波形、および、その音声信号の出力タイミングを、いずれも精度よく一致させることができる。
(6b)同期放送システム1では、伝送路遅延時間Dおよび遅延ゆらぎ時間Δτの測定に用いる基準信号および同期信号を、音声帯域を用い音声信号に付加して伝送している。このため、伝送の途中で、フレームフォーマットの変換が行われて、伝送フレーム中で音声信号の伝送に使用するペイロード以外に付加された情報が消失したとしても、遅延調整に必要な情報が失われることがない。このため、送信装置3,4側では、伝送路遅延時間Dおよび遅延ゆらぎ時間Δτの測定、およびその測定結果に基づく音声信号の遅延調整を問題なく行うことができる。
[7.実験]
同期放送システム1による遅延の調整機能を、図12に示す実験用システムを用いて測定した結果について説明する。
図12(a)に示す第1の実験用システムは、同期情報付加部23に相当する送信側遅延同期装置51と、IP伝送送信部25に相当するIPコーデック52と、IP伝送受信部31に相当するIPコーデック53と、遅延同期部33に相当する受信側遅延同期装置54と、基準信号生成部55と、デジタルオシロスコープ56とを備える。
基準信号生成部55は、音声信号として1kHzのトーンバースト信号および、1秒パルス信号に相当する信号を生成する。送信側遅延同期装置51は、基準信号生成部55で生成された音声信号および1秒パルス信号に相当する信号を用いて、基準信号および同期信号を付加した音声信号のサンプリング値に相当する音声データを載せたAES/EBUフォーマットの音声フレームを生成して、IPコーデック52に供給する。IPコーデック52は、音声フレームからIP伝送用のフレームに変換して、IP伝送を行うLANに送信する。つまり、IPコーデック52は、コーダとして機能する。IPコーデック53は、LANを介して受信したフレームを音声フレームに変換して、受信側遅延同期装置54に供給する。つまり、IPコーデック53は、デコーダとして機能する。受信側遅延同期装置54は、基準信号生成部55で生成された1秒パルス信号に相当する信号と、IPコーデック53から供給される音声フレームから、個々の音声データが遅延調整された音声信号を出力する。デジタルオシロスコープ56は、送信側遅延同期装置51が生成する音声フレームに搭載される音声データの系列が示す音声信号(以下、送信音声信号)の波形と、受信側遅延同期装置54が生成する遅延調整された音声データの系列が示す音声信号(以下、再生音声信号)の波形を、基準信号生成部55がトーンバースト信号を生成するタイミングをトリガ信号として表示する。
図12(b)に示す第2の実験用システムは、第1の実験用システムの構成に、受信側遅延同期装置57が付加されている。この受信側遅延同期装置57には、送信側遅延同期装置51にて生成された音声フレームが、IPコーデック52,53を介することなく直接供給される。そして、デジタルオシロスコープ56は、受信側遅延同期装置54が生成する遅延調整された音声データの系列が示す音声信号(以下、IP再生信号)の波形および受信側遅延同期装置57が生成する遅延調整された音声データの系列が示す音声信号(以下、非IP再生信号)の波形を、第1の実験用システムの場合と同様に表示する。
図13は、第1の実験用システムを使用し、デジタルオシロスコープ56で、送信音声信号および再生音声信号の波形を、約1時間重ね書きした結果を示す。図からは、バースト信号の送信タイミングから、約55.25ms遅れて、送信音声信号に同期した再生音声信号が生成されていることがわかる。
図14は、第2の実験用システムを使用し、デジタルオシロスコープ56で、IP再生信号および非IP再生信号の波形を、約12時間重ね書きした結果を示す。図からは、バースト信号の送信タイミングから、約55.2ms遅れて、互いに同期したIP再生信号および非IP再生信号が生成されていることがわかる。
図15は、第2の実験用システムを使用し、IPコーデック53が出力する個々の音声フレームの遅延時間を、約12時間に渡って測定した結果を示す。図からは、二つのIPコーデック52,53を経由することによって、個々の音声フレームの遅延時間が±400μs程度ゆらいでいることがわかる。
図16は、第1の実験用システムを用いた測定結果のグラフの一部を拡大して示したものである。但し、図13の場合とは異なり、約12時間重ね書きした結果を示す。図からは、送信音声信号と比較して再生音声信号の方がグラフの線が太いこと、即ち、ゆらぎが大きくなっていることがわかる。なお、送信音声信号自体にはゆらぎがないが、測定装置による測定のゆらぎによって1μs程度のゆらぎが観測されている。これに対して、再生音声信号のゆらぎが1.5μsである。つまり、測定装置の測定ゆらぎを考慮すると、遅延調整を行うことによって0.5μs以下の同期精度が確保されていることがわかる。
[8.他の実施形態]
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
(8a)上記実施形態では、サンプリング周波数を48kHz、同期信号の周波数を16kHzとし、3種類の基本位相θo1〜θo3を用いる場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、サンプリング周波数は変更しないで、同期信号の周波数を19.2kHzとした場合、図17(a)に示すように、5種類の基本位相θo1〜θo5を、点線で示した順に音声データに順次対応付けるようにすればよい。また、これと同様に、同期信号の周波数を20kHzとした場合、図17(b)に示すように、12種類の基本位相を、同期信号の周波数を18kHzとした場合、図17(c)に示すように、8種類の基本位相を、同期位相の周波数を21kHzとした場合、図17(d)に示すように、16種類の基本位相を用いればよい。
(8b)上記実施形態では、付加情報分離部331にて受信した音声信号から同期化情報を分離する際にBEFを用いているが、BEFを用いる代わりに、音声帯域より高い周波数の信号を抽出するハイパスフィルタ(HPF)と、音声帯域より低い周波数の信号を抽出するローパスフィルタ(LPF)とを用いてもよい。この場合、HPFの出力、即ち、同期信号が位相検出部333に供給され、LPFの出力、即ち、基準信号が時刻情報復調部332に供給されるように構成すればよい。また、この場合、時刻情報復調部332を省略してもよい。
(8c)上記実施形態では、同期放送システム1において、複数の送信装置3,4間での遅延調整を行う事例について説明したが、同期情報付加部23および遅延同期部33,34の機能は、同期放送システム1に限らず、伝送路遅延および遅延ゆらぎを考慮した遅延調整を行う必要のある様々なシステムに適用することが可能である。例えば、図18に示す音声信号生成システム6のように、複数の中継所7a〜7dからスタジオ8に送られる複数の音声信号を、互いに同期させて合成することで、加工した音声信号を生成するような場合にも用いることができる。即ち、各中継所7a〜7dは、それぞれ同期情報付加部71とIP伝送送信部72とを備え、スタジオ8に送る音声信号に同期情報を付加し、それぞれが異なる伝送網A〜Dに送信する。一方、スタジオ8は、各中継所7a〜7dに対応した複数のIP伝送受信部81a〜81dと、遅延同期部82a〜82dと、音声信号合成器83とを備える。IP伝送受信部81a〜81dが、各中継所7a,7dから伝送網A〜Dを介して送られてくる音声信号を個別に受信し、遅延同期部82a〜82dが各音声信号の遅延調整をする。音声信号合成器83は、各遅延同期部82a〜82dにて遅延調整されることで、互いに同期した音声信号を用いて、音声信号の合成を行う等の加工を行い、この加工された音声信号を出力する。
(8d)上記実施形態では、時刻情報として、GPS衛星からの信号を受信することで得られる時刻情報を用いているが、これに限定されるものではない。例えば、準天頂衛星などの衛星からの信号を受信することで得られる時刻情報や、電波時計などに利用される日本標準時の時刻情報を送出する長波を用いた標準電波などを受信することで得られる時刻情報等を用いてもよい。
(8e)上記実施形態における一つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を一つの構成要素に統合させたりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加または置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言のみによって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本発明の実施形態である。
(8f)上述した同期放送システム、配信装置、送信装置の他、当該配信装置または送信装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実態的記録媒体、遅延調整方法など、種々の形態で本発明を実現することもできる。
1…同期放送システム、2…配信装置、3,4…送信装置、5a…第1の実験用システム、5b…第2の実験用システム、6…音声信号生成システム、7a〜7d…中継所、8…スタジオ、21…音声フレーム生成部、22…配信側基準取得部、23,71…同期情報付加部、24…配信部、25,26,72…IP伝送送信部、31,41,81a〜81d…IP伝送受信部、32,42…送信側基準取得部、33,43,82a…遅延同期部、34,44…変調送信部、35,45…アンテナ、51…送信側遅延同期装置、52,53…IPコーデック、54,57…受信側遅延同期装置、55…基準信号生成部、56…デジタルオシロスコープ、83…音声信号合成器、231…デジタル音声入力部、232…時刻情報生成部、233…同期信号生成部、234…同期化信号生成部、235…同期化信号付加部、331…付加情報分離部、332…時刻情報復調部、333…位相検出部、334…伝送路遅延検出部、335…遅延ゆらぎ検出部、336…遅延調整部。

Claims (7)

  1. デジタル化された音声信号を配信する配信装置と、
    前記配信装置から配信された前記音声信号を用いて予め指定された周波数の搬送波を変調した電波を同一タイミングで送信することで、同一周波数を用いた同期放送を実施する複数の送信装置と、
    を備え、
    前記配信装置は、
    既存の標準時刻を表す時刻情報によって特定される一定周期のタイミングである基準タイミングを取得する配信側基準取得部と、
    予め設定された音声帯域以外の周波数を有し、前記配信側基準取得部にて取得された基準タイミングに同期した同期信号を生成する同期信号生成部と、
    前記配信側基準取得部にて取得された基準タイミングを表すタイミング情報および前記同期信号生成部にて生成された同期信号の位相を表す位相情報を、前記音声信号に付加する信号付加部と、
    前記信号付加部により前記タイミング情報および前記位相情報が付加された音声信号を、前記基準タイミングに同期したタイミングでサンプリングした音声データの系列として、前記複数の送信装置に配信する配信部と、
    を備え、
    前記送信装置は、
    前記配信装置から配信された前記音声データの系列を受信する受信部と、
    前記配信側基準取得部と同じ基準タイミングを取得する送信側基準取得部と、
    前記受信部にて受信された前記音声データの系列から前記タイミング情報および前記位相情報を分離する付加情報分離部と、
    前記付加情報分離部にて分離された前記タイミング情報から特定されるタイミングである付加タイミングを抽出する付加タイミング抽出部と、
    前記送信側基準取得部にて取得された基準タイミングから、前記付加タイミング抽出にて抽出された付加タイミングまでの時間である伝送路遅延時間を求める伝送路遅延検出部と、
    前記配信装置にて前記音声データのそれぞれに対応付けられる前記基準タイミングを基点とした前記同期信号の位相を基本位相とし、前記付加情報分離部にて分離された前記位相情報が示す位相を検出位相とし、前記付加タイミングを基点とした前記音声データのサンプリング周期毎のタイミングを規定タイミングとして、前記受信部にて受信された音声データ毎に、前記基本位相と前記検出位相の位相差から、前記規定タイミングに対する前記音声データの受信タイミングのずれ量である遅延ゆらぎ時間を求める遅延ゆらぎ検出部と、
    前記配信装置から前記送信装置への配信の過程で発生し得る遅延の最大値以上に設定された設定遅延時間から、前記伝送路遅延時間と前記遅延ゆらぎ時間の合計値を減じた時間を調整遅延時間として、前記音声データ毎に、該音声データの受信タイミングを前記調整遅延時間だけ遅延させる遅延調整部と、
    前記遅延調整部にて個々の音声データの遅延が調整された音声信号を用いて前記同期放送に用いる放送波を生成して送信する放送波送信部と、
    を備える同期放送システム。
  2. 請求項1に記載の同期放送システムであって、
    前記同期信号の周波数は、前記音声信号のサンプリング周波数の1/2以下である、同期放送システム。
  3. 請求項1または請求項2に記載の同期放送システムであって、
    前記音声信号は、右音声信号および左音声信号を有するステレオ音声信号であり、
    前記配信装置において、
    前記信号付加部は、前記位相情報として、前記同期信号の同相成分および直交成分を用い、前記同相成分および直交成分のうち、一方を前記右音声信号、他方を前記左音声信号に付加し、
    前記送信装置において、
    前記遅延ゆらぎ算出部は、前記同相成分および前記直交成分の振幅比から前記同期信号の位相を特定する、
    同期放送システム。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の同期放送システムであって、
    前記配信装置において、
    前記信号付加部は、前記タイミング情報として、前記基準タイミングを表す基準信号を用い、該基準信号によって前記同期信号を変調することによって、前記タイミング情報を付加し、
    前記送信装置において、
    前記付加情報分離部は、前記音声信号を構成する前記音声データの系列から分離した同期信号を復調して前記基準信号を得ることによって前記付加タイミングを抽出する、
    同期放送システム。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の同期放送システムであって、
    前記時刻情報として、GPS受信機から得られる1秒パルス信号を用いる、
    同期放送システム。
  6. デジタル化された音声信号の配信を受け、該音声信号により予め指定された周波数の搬送波を変調した電波を同一タイミングで送信する複数の送信装置と共に、同一周波数を用いた同期放送を実施する同期放送システムを構成し、前記複数の送信装置に対して、前記デジタル化された音声信号を配信する配信装置であって、
    既存の標準時刻を表す時刻情報によって特定される一定周期のタイミングである基準タイミングを取得する配信側基準取得部と、
    予め設定された音声帯域以外の周波数を有し、前記配信側基準取得部にて取得された基準タイミングに同期した同期信号を生成する同期信号生成部と、
    前記配信側基準取得部にて取得された基準タイミングを表すタイミング情報および前記同期信号生成部にて生成された同期信号の位相を表す位相情報を、前記音声信号に付加する信号付加部と、
    前記信号付加部により前記タイミング情報および前記位相情報が付加された音声信号を、前記基準タイミングに同期したタイミングでサンプリングした音声データの系列として、前記複数の送信装置に配信する配信部と、
    を備える配信装置。
  7. デジタル化された音声信号を配信する配信装置と共に同期放送システムを構成し、前記配信装置から配信された前記音声信号を用いて予め指定された周波数の搬送波を変調した電波を送信することで、同一周波数を用いた同期放送を実施するする送信装置であって、
    既存の標準時刻を表す時刻情報によって特定される一定周期のタイミングを基準タイミングとし、予め設定された音声帯域以外の周波数を有し前記基準タイミングに同期した信号を同期信号として、前記基準タイミングを表すタイミング情報および前記同期信号の位相を表す位相情報が付加された音声信号を、既存の標準時刻を表す時刻情報によって特定される一定周期のタイミングである基準タイミングに同期したタイミングでサンプリングした音声データの系列を、前記配信装置から受信する受信部と、
    前記基準タイミングを取得する送信側基準取得部と、
    前記受信部にて受信された前記音声データの系列から前記タイミング情報および前記位相情報を分離する付加情報分離部と、
    前記付加情報分離部にて分離された前記タイミング情報から特定されるタイミングである付加タイミングを抽出する付加タイミング抽出部と、
    前記送信側基準取得部にて取得された基準タイミングから、前記付加タイミング抽出にて抽出された付加タイミングまでの遅延時間である伝送路遅延時間を求める遅延算出部と、
    前記配信装置にて前記音声データのそれぞれに対応付けられる前記基準タイミングを基点とした前記同期信号の位相を基本位相とし、前記付加情報分離部にて分離された前記位相情報が示す位相を検出位相とし、前記付加タイミングを基点とした前記音声データのサンプリング周期毎のタイミングを規定タイミングとして、前記受信部にて受信された音声データ毎に、前記基本位相と前記検出位相の位相差から、前記規定タイミングに対する前記音声データの受信タイミングのずれ量を表す遅延ゆらぎ時間を求める遅延ゆらぎ算出部と、
    前記配信装置から前記送信装置への配信の過程で発生し得る遅延の最大値以上に設定された設定遅延時間から、前記伝送路遅延時間と前記遅延ゆらぎ時間の合計値を減じた時間を調整遅延時間として、前記音声データ毎に、該音声データの受信タイミングを前記調整遅延時間だけ遅延させる遅延調整部と、
    前記遅延調整部にて個々の音声データの遅延が調整された音声信号を用いて前記同期放送に用いる放送波を生成して送信する放送波送信部と、
    を備える送信装置。
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