<全体構成>
図1は、車両Xの第1構成例(エンジン点火装置1及びその周辺)を示すブロック図である。エンジン点火装置1は、カーバッテリ2及びECU3とともに、車両Xに搭載された形態で用いられる。なお、以下の説明では、電気回路上の抵抗として機能する要素を一般化して「抵抗要素」と称し、容量として機能する要素(寄生容量等を含む)を一般化して「容量要素」と称することがある。
図1で示すように、エンジン点火装置1は、イグナイタ10と、イグニッションコイル20と、点火プラグ30と、を有する。
イグナイタ10は、スイッチ制御回路11と、スイッチ素子12と、抵抗要素13と、をパッケージングした半導体集積回路装置として提供される。
スイッチ制御回路11は、LSIチップとして形成されており、エンジン点火装置1の外部に設けられたECU3から受信する制御信号(点火指示信号)Scに応じて、スイッチ素子12を駆動させるためのゲート信号Sgを生成する。スイッチ制御回路11のより詳細な構成等については、改めて説明する。
スイッチ素子12は、スイッチ制御回路11によってオン/オフされるスイッチ素子であり、図1ではIGBTが採用されている。スイッチ素子12は、ゲートがスイッチ制御回路11に接続されており、コレクタがイグニッションコイル20の一次側コイル21に接続されており、エミッタが抵抗要素13(具体的には、後述するワイヤW3)を介して接地されている。なお、スイッチ素子12としては、MOSFETを採用してもよい。
イグニッションコイル20は、巻線数M1の一次側コイル21と巻線数M2(>M1)の二次側コイル22とを含み、カーバッテリ2から供給される入力電圧をより高い電圧に変換(昇圧)する役割を果たす。一次側コイル21の第1端と二次側コイル22の第1端は、いずれもカーバッテリ2に接続されている。一次側コイル21の第2端は、スイッチ素子12のコレクタに接続されている。二次側コイル22の第2端は、点火プラグ30に接続されており、二次側コイル22に生じる高電圧が点火プラグ30に供給される。
点火プラグ30は、イグニッションコイル20によって得られる高電圧を用いて、車両Xのエンジン(図1では不図示)を点火するためのスパークを発生させる。
カーバッテリ2は、エンジン点火装置1を含め、車両Xに搭載された各種電装品に電力を供給するための電源である。なお、カーバッテリ2の供給電力は、後述する電源電圧Vccの生成にも用いられる。
ECU3は、車両Xのエンジン駆動に関わる各種制御を実行する。特に、ECU3は、上記各種制御の一つとして、イグナイタ10(特にスイッチ制御回路11)の動作制御に用いられる制御信号Scを出力する。より具体的に述べると、ECU3は、スイッチ素子12をオンさせるときに制御信号Scをオン時の論理レベル(例えばハイレベル)とし、スイッチ素子12をオフさせるときに制御信号Scをオフ時の論理レベル(例えばローレベル)とする。
<第1実施形態>
図2は、スイッチ制御回路11の第1実施形態を示す回路図である。第1実施形態のスイッチ制御回路11は、プリドライバ111と、Pチャネル型MOS電界効果トランジスタ112と、Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ113〜115と、比較器116と、電圧源117と、電流源118と、を含む。
プリドライバ111は、CMOS[Complementary MOS]構造(トーテムポール型出力段)を形成するトランジスタ112及び113の各ゲートに接続されており、外部入力される制御信号Scに応じてトランジスタ112及び113の各ゲート電圧を生成する。
トランジスタ112のソースは、電源電圧Vccの印加端に接続されている。トランジスタ113のソースは、接地端に接続されている。トランジスタ112のドレインとトランジスタ113のドレインは互いに接続されており、その接続ノードはスイッチ素子12のゲートに接続されている。
トランジスタ114のドレインは、スイッチ素子12のゲートに接続されている。トランジスタ114のソースは、接地端に接続されている。トランジスタ114のゲートは、比較器116の出力端に接続されている。
比較器116の非反転入力端(+)は、スイッチ素子12のエミッタと抵抗要素13との接続ノードに接続されている。トランジスタ115のドレインは、比較器116の反転入力端(−)に接続されているとともに、電流源118から定電流IBGが入力されるようになっている。定電流IBGは、温度の影響を受けないバンドギャップ電流である。トランジスタ115のソースは、接地端に接続されている。トランジスタ115のゲートは電圧源117に接続されており、電圧源117からゲート電圧Vgが印加される。
なお、電圧源117は、ゲート電圧Vgの大きさが調節可能であるように構成されている。ゲート電圧Vgの大きさを調節可能とするための形態としては、種々の形態が採用され得る。ここで、図3A〜図3Cに、電圧源117の具体的な構成例を示す。
図3Aは、電圧源117の第1構成例(分圧比可変とした形態)を示す回路図である。第1構成例の電圧源117は、可変抵抗117a及び117bを有している。可変抵抗117aの第1端は、バンドギャップ電圧Vbg(温度特性がフラットな一定電圧)の印加端に接続されている。可変抵抗117aの第2端と可変抵抗117bの第1端は、いずれもトランジスタ115のゲートに接続されている。可変抵抗117bの第2端は、接地端に接続されている。第1構成例では、可変抵抗117aと可変抵抗117bを用いてバンドギャップ電圧Vbgの分圧電圧が生成され、この分圧電圧がゲート電圧Vgとしてトランジスタ115のゲートに出力される。なお、第1構成例では、可変抵抗117a或いは可変抵抗117bの抵抗値を調節することにより、ゲート電圧Vgの大きさを調節することが可能である。可変抵抗117a及び117bの構成としては、例えば複数のトリミング素子を設けておく構成(必要な分だけトリミングを行うことにより、抵抗値の調節が可能である構成)等が採用され得る。
図3Bは、電圧源117の第2構成例(外部抵抗を用いて分圧比可変とする形態)を示す回路図である。第2構成例の電圧源117は、抵抗117cと外部抵抗接続端子117dを有している。抵抗117cの第1端は、バンドギャップ電圧Vbgの印加端に接続されている。抵抗117cの第2端は、トランジスタ115のゲートに接続される一方、外部抵抗接続端子117dにも接続されている。外部抵抗接続端子117dは、外部抵抗REX(例えば外部チップ抵抗)を介して接地端に接続される。第2構成例では、抵抗117cと外部抵抗REXを用いてバンドギャップ電圧Vbgの分圧電圧が生成され、この分圧電圧がゲート電圧Vgとしてトランジスタ115のゲートに出力される。なお、第2構成例では、外部抵抗REXの抵抗値を調節する(適切な抵抗値の外部抵抗REXを採用する)ことにより、ゲート電圧Vgの大きさを調節することが可能である。
図3Cは、電圧源117の第3構成例(電流値可変とした形態)を示す回路図である。第3構成例の電圧源117は、可変電流源117eと抵抗117fを有している。可変電流源117eは、一定のバンドギャップ電流を用いて所望値の電流Ibgを生成する。電流Ibgは、抵抗117fを介して接地端に流れる。可変電流源117eと抵抗117fとの接続ノードは、トランジスタ115のゲートに接続されている。第3構成例では、抵抗117fに電流Ibgが流れるときの電圧降下分がゲート電圧Vgとしてトランジスタのゲートに出力される。なお、第3構成例では、電流Ibgの値を調節することにより、ゲート電圧Vgの大きさを調節することが可能である。可変電流源117eの構成としては、例えば複数のトリミング素子を設けておく構成(必要な分だけトリミングを行うことにより、電流値の調節が可能である構成)等が採用され得る。
図4は、イグナイタ10における第1のフレーム実装例を示す平面図である。なお、本図に示すワイヤW1〜W6はいずれもボンディングワイヤであり、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、または金(Au)といった金属によって形成されている。また、第1フレームFR1はカーバッテリ2に繋がるフレームであり、第2フレームFR2は接地端(GND)に繋がるフレームであり、第3フレームFR3はECU3に繋がるフレームであり、第4フレームFR4はスイッチ素子12のコレクタに繋がるフレームである。
図4に示すように、スイッチ制御回路11のゲート制御パッド11a(トランジスタ112とトランジスタ113との接続ノードに繋がっている)と、スイッチ素子12のゲートパッド12a(スイッチ素子12のゲートに繋がっている)とは、ワイヤW1を用いたワイヤボンディングによって接続されている。従って、スイッチ制御回路11からスイッチ素子12へのゲート信号Sgの供給は、ワイヤW1を介してなされることになる。
スイッチ制御回路11のエミッタ電圧検出パッド11b(比較器116の非反転入力端(+)に繋がっている)と、スイッチ素子12のエミッタパッド12b(スイッチ素子12のエミッタに繋がっている)とは、ワイヤW2を用いたワイヤボンディングによって接続されている。従って、スイッチ素子12のエミッタから比較器116へのエミッタ電圧Veの出力は、ワイヤW2を介してなされることになる。
スイッチ素子12のエミッタパッド12bは、ワイヤW3を用いたワイヤボンディングによって、第2フレームFR2に接続されている。従って、スイッチ素子12のエミッタから出力されるエミッタ電流Ie(例えば、数Aの大きさの電流)は、ワイヤW3を介して第2フレームFR2へ流れることになる。なお、ワイヤW3が接地端にボンディングされる形態は、上述した形態には限定されない。例えば、スイッチ制御回路11の接地用パッド11cにボンディングされる形態であっても良い。
スイッチ制御回路11の接地用パッド11cは、ワイヤW4を用いたワイヤボンディングによって第2フレームFR2に接続されている。
スイッチ制御回路11の電源用パッド11dは、ワイヤW5を用いたワイヤボンディングによって第1フレームFR1に接続されている。従って、カーバッテリ2からスイッチ制御回路11への電力供給は、ワイヤW5を介してなされることになる。
スイッチ制御回路11の信号入力パッド11eは、ワイヤW6を用いたワイヤボンディングによって第3フレームFR3に接続されている。従って、ECU3からスイッチ制御回路11への制御信号Scの供給は、ワイヤW6を介してなされることになる。
先に説明した抵抗要素13は、ワイヤW3によって実現されている。抵抗要素13の抵抗値や温度特性などは、ワイヤW3を形成する金属の種類やその形状等によって定まることになる。ワイヤW3の抵抗値は数mΩとしておくことができ、エミッタ電流Ieの大きさが数Aであっても、ワイヤW3を特に問題なく使用することが可能である。なお、エミッタ電圧Veは、ワイヤW3の両端間に発生する電圧降下に相当すると言える。
次に、エンジン点火装置1の主な動作について説明する。プリドライバ111は、ECU3から入力される制御信号Scに応じて、トランジスタ112及び113の各ゲート電圧を生成し、トランジスタ112及び113を駆動させる。
具体的に述べると、プリドライバ111は、制御信号Scがオン時の論理レベル(例えばハイレベル)であるときに、トランジスタ112をオンさせてトランジスタ113をオフさせる。その結果、スイッチ素子12のゲートに印加されるゲート信号Sgがハイレベル(ほぼ電源電圧Vcc)となり、スイッチ素子12がオンとなる。従って、カーバッテリ2から、イグニッションコイル20の一次側コイル21、スイッチ素子12、及び、抵抗要素13を介して接地端に至る経路に電流が流れ、一次側コイル21にエネルギが蓄えられる。
上記の状態から、制御信号Scがオフ時の論理レベル(例えばローレベル)に切り替わると、プリドライバ111は、トランジスタ112をオフさせて、トランジスタ113をオンさせる。その結果、スイッチ素子12のゲートに印加されるゲート信号Sgがローレベル(ほぼ接地電圧GND)となり、スイッチ素子12がオフとなる。このとき、一次側コイル21には自己誘導作用によって大きな逆起電力が発生し、二次側コイル22には一次側コイル21との相互誘導作用により、巻数比(M2/M1)に応じてさらに大きな起電力が発生する。このようにして発生した二次側コイル22の起電力によって点火プラグ30には高電圧(1万ボルト以上)が掛かり、スパーク(火花)が生じてエンジンの点火が行われる。
また、スイッチ素子12のエミッタから出力されるエミッタ電流Ieは、抵抗要素13を介して接地端に流れる。抵抗要素13にエミッタ電流Ieを流すことにより生じるエミッタ電圧Ve(スイッチ素子12のエミッタと抵抗要素13の第1端との接続ノードに現れる検出電圧)は、比較器116の非反転入力端(+)に入力される。
一方、比較器116の反転入力端(−)には基準電圧Vrefが入力される。基準電圧Vrefは、トランジスタ115に定電流IBGを流すことにより、トランジスタ115のオン抵抗によって生じる電圧である。比較器116は、エミッタ電圧Veと基準電圧Vrefを比較し、この比較結果に応じた信号をトランジスタ114のゲートに出力する。
このように、抵抗要素13、トランジスタ115、比較器116、電圧源117、及び電流源118(図2において点線枠で囲まれた部分)は、エミッタ電流Ie(入力電流)と所定の基準値Stとの大小関係を検出する電流検出回路DTを形成している。つまり、電流検出回路DTにおいて定電流IBGの大きさは基準値Stに応じて設定されている。そして、比較器116は、エミッタ電流Ieに対応したエミッタ電圧Veを、基準値Stに対応した基準電圧Vrefと比較することにより、当該大小関係を検出するようになっている。
エミッタ電圧Veが基準電圧Vrefより大きいとき(エミッタ電流Ieが基準値Stより大きいと検出されたとき)にはトランジスタ114がオンとなり、そうでないときにはトランジスタ114がオフとなる。トランジスタ114がオンであるときには、スイッチ素子12のゲートがトランジスタ114を介する経路で接地端に短絡されるので、ゲート信号Sgが引き下げられる。これにより、エミッタ電流Ieの大きさが基準値Stを超えないように調節され、エミッタ電流Ieについての過電流保護機能が実現される。
ところで、ワイヤW3の抵抗値には、所定の温度特性(特にワイヤW3の抵抗値の変化率)が存在する。なお、本明細書中では、特に断りの無い限り、「抵抗値の変化率」(或いは、「オン抵抗の変化率」)は、温度変化による抵抗値(或いはオン抵抗)の変化についての変化率(温度傾斜)のことを指す。また、この温度特性は、ワイヤW3を形成する金属の種類によって様々である。
図5は、温度(横軸)とワイヤW3の抵抗値(縦軸)との関係を表すグラフである。なお、図5は、一例として、ワイヤW3が銅(Cu)により形成された場合、アルミニウム(Al)により形成された場合、及び、金(Au)により形成された場合の各グラフを示している。本図に示すように、ワイヤW3の材質によって、ワイヤW3の抵抗値の変化率は異なる。
このような温度特性により、エミッタ電圧Veの大きさは、エミッタ電流Ieの大きさが同じであったとしても、温度の変化によって変動することになる。そこで電流検出回路DTにおいては、このような変動による検出精度の低下が抑えられるように、基準電圧Vrefの調節がなされている。
より具体的には、トランジスタ115のオン抵抗の変化率が、ワイヤW3の抵抗値の変化率(先にワイヤW3の材質等が決まっており、ある値に特定されている)と一致するように、トランジスタ115のゲート電圧Vgが調節されている。
金属と同等の温度特性(温度傾斜)を半導体素子で実現することは一般的に困難であるが、電流検出回路DTでは、トランジスタ115のオン抵抗を利用することにより、金属と同等の温度特性を得ることが可能となっている。なお、トランジスタ115のオン抵抗は、反転層を横切る電荷の運動量で決まり、原理的には金属抵抗とほぼ同様である。そして更に、この反転層はゲートに印加される電圧によって自由に制御可能であることから、オン抵抗の温度傾斜は任意の状態に設定され得る。
図6は、温度(横軸)とトランジスタ115のオン抵抗(縦軸)との関係を表すグラフである。図6は、一例として、トランジスタ115のゲート電圧Vgが1Vである場合、1.5Vである場合、及び、2Vである場合の各グラフを示している。本図に示す通り、ゲート電圧Vgによって、トランジスタ115のオン抵抗の変化率は異なる。
このように、トランジスタ115のオン抵抗の変化率は、ゲート電圧Vgの大きさに対応して変化する。そのため、ゲート電圧Vgを調節することにより、当該オン抵抗の変化率を、ワイヤW3の抵抗値の変化率と一致させることが可能である。なお、当該オン抵抗の変化率は、ワイヤW3の抵抗値の変化率と必ずしも完全に一致する必要は無く、許容範囲内での誤差があっても構わない。
また、ゲート電圧Vgの調節は、既に説明した通り、電圧源117の出力電圧の大きさを調節することにより実現される。ゲート電圧Vgと定電流IBGの大きさを予め適切に調節しておくことにより、基準電圧Vrefを温度に関わらず適切な値となるように調節し、電流検出回路DTの検出精度の低下を抑えることが可能である。
また、トランジスタ115のオン抵抗の変化率は、容易にかつ自由に調節可能であるため、ワイヤW3を形成する金属の種類に関わらず、当該オン抵抗の変化率を、ワイヤW3の抵抗値の変化率と一致させることが可能である。そのため、ワイヤW3の材質を何れの金属とするかについては、製造設備等に応じて自由に選択可能である。
上記で述べたように、イグナイタ10は、エミッタ電流Ie(入力電流)の大きさと基準値Stとの大小関係を検出する電流検出回路DTを有している。電流検出回路DTは、金属によって形成された抵抗要素13と、トランジスタ115に基準値Stに応じた定電流IBGを流すことによりトランジスタ115のオン抵抗によって生じる電圧を基準電圧Vrefとして生成する基準電圧生成部と、抵抗要素13にエミッタ電流Ieを流すことにより生じるエミッタ電圧Veを基準電圧Vrefと比較し、この比較の結果を表す信号を、エミッタ電流Ieの大きさと基準値Stとの大小関係を表す信号として出力する比較部と、を備えている。
そのため、電流検出回路DTによれば、トランジスタ115のオン抵抗の温度特性を利用することにより、温度変化による検出精度の低下を抑えることが容易となっている。
なお、抵抗要素13に相当するものとして、例えばスイッチ制御回路11内にアルミ配線抵抗を設けるようにしたり、数mΩの短絡抵抗部品を設けるようにしたりすることも可能であるが、この場合にはスイッチ制御回路11や電流検出回路DTの小型化や簡素化が難しくなり易い。この点、本実施形態の電流検出回路DTによれば、抵抗要素13としてワイヤW3(ボンディングワイヤ)を用いているので、スイッチ制御回路11や電流検出回路DTの小型化や簡素化が容易であり、イグナイタ10の低コスト化が容易である。
<第2実施形態>
次に、スイッチ制御回路11の第2実施形態について、詳細な説明を行う。なお、第2実施形態は、スイッチ制御回路11内にフィルタ回路119を設けた点を除き、基本的には第1実施形態と同等である。以下の説明では、第1実施形態と異なる部分の説明に重点をおき、共通する部分については説明を省略することがある。
図7は、スイッチ制御回路11の第2実施形態を示す回路図である。本図に示したように、スイッチ制御回路11内においては、プリドライバ111の前段に、フィルタ回路119が設けられている。フィルタ回路119は、ECU3から制御信号Scが入力され、制御信号Scに含まれる高周波ノイズを低減する処理(ローパスフィルタ処理)を行う。なお、制御信号Scに含まれるノイズは、例えば数Hzから数百Hz程度となっている。フィルタ回路119によるフィルタ処理済みの制御信号Sc’は、プリドライバ111へ出力され、第1実施形態の場合の制御信号Scと同様の役割を果たす。
なお、フィルタ回路119は、ディスクリート部品で構成された形態ではなく、上述したように、LSIチップとして実装されるスイッチ制御回路11内に設けられた形態となっている。そのため、本実施形態のイグナイタ10は、部品数の削減による小型化や低コスト化等の要請に沿うものとなっている。
但し、制御信号Scに対するローパスフィルタ処理には、比較的大きなノイズ減衰(例えば、1MHz以上の周波数帯域で数十dB以上のノイズ減衰)が要求されるため、フィルタ回路119の回路構成は必然的に大規模なものとなり易い。スイッチ制御回路11の面積増加を抑えつつ、フィルタ回路119をスイッチ制御回路11に搭載可能とするためには、フィルタ回路119の回路構成を出来るだけ小型化することが重要である。
そこで、フィルタ回路119は、比較的大きなノイズ減衰の実現を可能としながらも、回路構成が小型化されるように工夫されている。具体的な回路構成は、以下の説明により明らかとなる。
図8は、フィルタ回路119の全体的な構成図である。本構成例のフィルタ回路119は、2次ローパスフィルタ回路F2−1、2次ローパスフィルタ回路F2−2、及び、1次ローパスフィルタ回路F1が、前段側から順に直列に接続された構成となっている。
また、2次ローパスフィルタ回路F2−1及びF2−2は基本的に同じ構成であり、以下では、これらを2次ローパスフィルタ回路F2と総称することがある。なお、詳しくは後述するが、図8において点線で示す容量要素は、トランジスタの寄生容量によって実現されている。2次ローパスフィルタ回路F2と1次ローパスフィルタ回路F1の具体的構成について、以下に説明する。
図9は、2次ローパスフィルタ回路F2の構成図である。本図に示すように、2次ローパスフィルタ回路F2は、PNPトランジスタQ1と、抵抗素子R1及びR2と、容量素子C1と、容量要素C2と、を有している。
PNPトランジスタQ1のベースは、抵抗素子R1と抵抗素子R2を順に介して、2次ローパスフィルタ回路F2の入力端に接続されている。PNPトランジスタQ1のエミッタは、容量素子C1の一端と2次ローパスフィルタ回路F2の出力端に接続されている。容量素子C1の他端は、抵抗素子R1と抵抗素子R2との接続ノードに接続されている。PNPトランジスタQ1のエミッタと容量素子C1と2次ローパスフィルタ回路F2の出力端との接続ノードには、定電流I1が入力されるようになっている。PNPトランジスタQ1のコレクタは接地されている。PNPトランジスタQ1のベースと抵抗素子R1との接続ノードは、容量要素C2を介して接地されている。
このように、2次ローパスフィルタ回路F2は、PNPトランジスタQ1を用いたエミッタフォロア回路、及び、PNPトランジスタQ1のベースに接続された容量要素C2を有する、サレンキー型のローパスフィルタ(エミッタフォロア2次ローパスフィルタ)となっている。PNPトランジスタQ1を用いたエミッタフォロア回路は、インピーダンス変換を行う役割をも有している。
なお、PNPトランジスタQ1としては、ラテラルPNPトランジスタが採用されている。図10は、ラテラルPNPトランジスタの内部構造を模式的に示す縦断面図である。図10に示すように、ラテラルPNPトランジスタにおいては、ベースとサブストレートの間に寄生容量CBSが生じる。この寄生容量CBSは、当該ラテラルPNPトランジスタを有する等価回路上では、当該ラテラルPNPトランジスタのベースと接地端との間に設けられた容量要素に相当する。
このことを利用し、2次ローパスフィルタ回路F2においては、容量要素C2として、PNPトランジスタQ1の寄生容量CBSが用いられている。すなわち、図9の破線で囲まれた部分は、1個のラテラルPNPトランジスタによって実現されており、コンデンサ等の容量素子が別に設けられたものとはなっていない。
このように、2次ローパスフィルタ回路F2は、容量要素C2としてコンデンサ等の容量素子の代わりに寄生容量CBSが積極的に用いられ、当該容量素子の設置が省略されている。そのため、2次ローパスフィルタ回路F2は、容量要素C2としてコンデンサ等の容量素子が用いられる場合に比べ、回路構成の小型化が達成されている。
なお、2次ローパスフィルタF2は、1次ローパスフィルタF1より減衰傾斜の特性が高く、カットオフ周波数を高く設定することができる。そのため、2次ローパスフィルタF2においては、容量素子C1のサイズも比較的小さくすることが可能である。
図11は、1次ローパスフィルタ回路F1の構成図である。本図に示すように、1次ローパスフィルタ回路F1は、NPNトランジスタQ2及びQ3と、抵抗素子R3と、容量要素C3と、を有している。
NPNトランジスタQ2のベースは、1次ローパスフィルタ回路F1の入力端に接続されており、NPNトランジスタQ2のコレクタには、電源電圧Vccが供給されるようになっている。NPNトランジスタQ2のエミッタは、抵抗素子R3を介して、NPNトランジスタQ3のコレクタに接続されている。抵抗素子R3とNPNトランジスタQ3のコレクタとの接続ノードは、NPNトランジスタQ3のベースに接続されるとともに、容量要素C3を介して接地されている。NPNトランジスタQ3のエミッタは、1次ローパスフィルタ回路F1の出力端に接続されている。NPNトランジスタQ3のエミッタと1次ローパスフィルタ回路F1の出力端との接続ノードからは、接地端に向けて定電流I2が流れるようになっている。
このように、1次ローパスフィルタ回路F1は、NPNトランジスタQ2及びQ3を用いたエミッタフォロア回路であると共に、抵抗R3と容量要素C3から成る1次ローパスフィルタとしても機能する。なお、フィルタ回路119においては、2段分の2次ローパスフィルタ回路F2により2VBE分の電圧が増加(変化)するが、当該エミッタフォロア回路により、この変化した電圧が調整されるようになっている。1次ローパスフィルタ回路F1は、このように当該エミッタフォロア回路を用いて変化した電圧を調整する回路でありながら、更に抵抗素子R3や容量要素C3を利用してフィルタ機能を有するようにした回路であると言える。
図12は、NPNトランジスタの内部構造を模式的に示す縦断面図である。図12に示すように、NPNトランジスタにおいては、コレクタとサブストレートとの間に寄生容量CCSが生じる。この寄生容量CCSは、当該NPNトランジスタを有する等価回路上では、当該NPNトランジスタのコレクタと接地端の間に設けられた容量要素に相当する。
このことを利用し、1次ローパスフィルタ回路F1においては、容量要素C3として、NPNトランジスタQ3の寄生容量CCSが用いられている。すなわち、図11の破線で囲まれた部分は、1個のNPNトランジスタによって実現されており、コンデンサ等の容量素子が別に設けられたものとはなっていない。
このように、1次ローパスフィルタ回路F1は、容量要素C3としてコンデンサ等の容量素子の代わりに寄生容量CCSが積極的に用いられ、当該容量素子の設置が省略されている。そのため、1次ローパスフィルタ回路F1は、容量要素C3としてコンデンサ等の容量素子が用いられる場合に比べ、回路構成の小型化が達成されている。
上述のように、フィルタ回路119は、複数のローパスフィルタ回路が直列に接続されている。そのため、フィルタ回路119は、ディスクリート部品としてのフィルタ回路と比べても殆ど遜色のない機能や特性を有し、大きなノイズ減衰の実現を可能する。なお、フィルタ回路119に設けられる1次ローパスフィルタ回路や2次ローパスフィルタ回路の個数等は、特に限定されない。例えば、フィルタ回路119には、3個以上の2次ローパスフィルタ回路が設けられても構わない。
そして更に、フィルタ回路119では、回路形成に要する容量要素として、トランジスタが有する寄生容量CBSや寄生容量CCSが積極的に用いられている。フィルタ回路119はこのような手法等によって回路構成の小型化が達成されており、スイッチ制御回路11の面積増加を出来るだけ伴わずに、スイッチ制御回路11に搭載可能となっている。
なお、フィルタ回路119においては、2次ローパスフィルタF2に各々含まれる抵抗素子R1及びR2によって生じる電圧降下を、1次ローパスフィルタF1の抵抗素子R3で修正することが可能である。そのため、フィルタ回路119においては、入力電圧と出力電圧の間のオフセットを抑えることが可能である。
<第3実施形態>
図13は、スイッチ素子12の誤オンが生じる原因を説明するための回路図である。先の第1、第2実施形態では、スイッチ素子12のコレクタ電流Ic(エミッタ電流Ie)に応じた検出電圧(エミッタ電圧)Veが基準電圧Vrefよりも高くなると、トランジスタ114をオンしてゲート信号Sgを引き下げる(分圧する)ことにより、スイッチ素子12の導通度を下げて、スイッチ素子12のコレクタ電流Ic(エミッタ電流Ie)を抑制する構成が採用されていた。このとき、電源電圧Vccの印加端からトランジスタ114を介して接地端に至る経路を流れる電流を小さく絞るためには、その電流経路上に設けられた抵抗Rbの抵抗値を高く設定しておく必要がある。
しかしながら、スイッチ素子12には、図13で示すように、帰還容量Cresや入力容量Ciesが寄生しているので、スイッチ素子12のコレクタやエミッタにノイズが重畳すると、これらの帰還容量Cresや入力容量Ciesを介してスイッチ素子12のゲートにノイズが回り込んでしまう。
このような状況において、抵抗Rbの抵抗値を高く設定していると、スイッチ素子12のゲート信号Sgがノイズの影響を受けて変動しやすくなるので、スイッチ素子12が意図せずに誤オンしてしまうおそれがあった。なお、抵抗Rbの抵抗値を低く設定しておけば、スイッチ素子12の誤オンを防止し得るが、その代償として消費電流が増加するという背反の問題があった。
図14は、スイッチ制御回路11の第3実施形態を示す回路図である。第3実施形態のスイッチ制御回路11は、上側電圧VHの印加端と下側電圧(ここでは接地電圧GND)の印加端との間に接続されてスイッチ素子12のゲート信号Sgを出力するトーテムポール出力段(112及び113)と、トーテムポール出力段(112及び113)を駆動するプリドライバ111と、スイッチ素子12に流れるエミッタ電流Ie(コレクタ電流Ic)を監視して電流制限信号Sdを生成する電流検出部116と、電流制限信号Sdに応じて上側電圧VHを可変制御する上側電圧生成部Aと、を有する。
このように、第3実施形態のスイッチ制御回路11は、基本的に先出の第1、第2実施形態と同様の構成であり、スイッチ素子12のゲートと接地端との間に設けられていたトランジスタ114に代えて、上側電圧生成部Aを設けた点に特徴を有している。そこで、第1、第2実施形態と同様の構成部分については、図2ないしは図7と同一の符号を付すことで重複した説明を割愛し、以下では、第3実施形態の特徴部分である上側電圧生成部Aについて重点的に説明する。
図15は、上側電圧生成部Aの第1構成例を示す回路図である。本構成例の上側電圧生成部Aは、抵抗A11〜A13と、Nチャネル型MOS電界効果トランジスタA14と、インピーダンス変換回路A15と、を含む。
抵抗A11〜A13は、一定の内部電圧Vreg(例えば、温度特性のフラットなバンドギャップ電圧)の印加端と接地端との間に直列接続されている。抵抗A11と抵抗A12との接続ノードは、分圧電圧V1の出力端に相当し、インピーダンス変換回路A15を介して上側電圧VHの印加端(トーテムポール出力段を形成するトランジスタ112のソース)に接続されている。抵抗A12と抵抗A13との接続ノードは、トランジスタA14のドレインに接続されている。トランジスタA14のソースは、接地端に接続されている。トランジスタA14のゲートは、電流制限信号Sdの印加端に接続されている。
上記構成から成る上側電圧生成部Aにおいて、抵抗A11〜A13とトランジスタA14は、電流制限信号Sdに応じた分圧比で内部電圧Vregを分圧することにより分圧電圧V1を生成する分圧回路に相当する。なお、分圧回路の消費電流を低減するためには、抵抗A11〜A13の抵抗値を十分高い値に設定することが望ましい。
電流制限信号Sdがローレベル(電流非制限時の論理レベル)であるときには、トランジスタA14がオフされて分圧電圧V1(延いては上側電圧VH)が高くなる。一方、電流制限信号Sdがハイレベル(電流制限時の論理レベル)であるときには、トランジスタA14がオンされて分圧電圧V1(延いては上側電圧VH)が低くなる。従って、電流制限時にはゲート信号Sgのハイレベルを引き下げて、スイッチ素子12のコレクタ電流Ic(エミッタ電流Ie)を所定の上限値以下に制限することができる。
インピーダンス変換回路A15は、分圧電圧V1の印加端と上側電圧VHの印加端との間に接続されており、分圧回路(A11〜A14)の出力インピーダンスを低下させるように働く。なお、インピーダンス変換回路A15としては、図15で示したようにボルテージフォロワを用いてもよいし、或いは、エミッタフォロワを用いてもよい。
図16は、上側電圧生成部Aの第2構成例を示す回路図である。本構成例の上側電圧生成部Aは、抵抗A21〜A23と、Nチャネル型MOS電界効果トランジスタA24と、npn型バイポーラトランジスタA25と、オペアンプA26と、を含む。
トランジスタA25のコレクタは、電源電圧Vccの印加端に接続されている。トランジスタA25のエミッタは、上側電圧VHの印加端(トーテムポール出力段を形成するトランジスタ112のソース)に接続されている。トランジスタA25のベースは、オペアンプA26の出力端に接続されている。オペアンプA26の非反転入力端(+)は、内部電圧Vregの印加端に接続されている。抵抗A21〜A23は、上側電圧VHの印加端と接地端との間に直列接続されている。抵抗A21と抵抗A22との接続ノードは、分圧電圧V2の出力端に相当し、オペアンプA26の反転入力端(−)に接続されている。抵抗A22と抵抗A23との接続ノードは、トランジスタA24のドレインに接続されている。トランジスタA24のソースは、接地端に接続されている。トランジスタA24のゲートは、反転電流制限信号SdB(電流制限信号Sdの論理反転信号)の印加端に接続されている。なお、オペアンプA26としては、出力インピーダンスの低いものを用いることが望ましい。
上記構成から成る上側電圧生成部Aにおいて、オペアンプA26は、内部電圧Vregと分圧電圧V2とを一致(イマジナリーショート)させるようにトランジスタ25を駆動する。また、抵抗A21〜A23とトランジスタA24は、反転電流制限信号SdB(延いては電流制限信号Sd)に応じた分圧比で上側電圧VHを分圧することにより分圧電圧V2を生成する分圧回路に相当する。なお、分圧回路の消費電流を低減するためには、抵抗A21〜A23の抵抗値を十分高い値に設定することが望ましい。
反転電流制限信号SdBがハイレベル(電流非制限時の論理レベル)であるときには、トランジスタA24がオンされて分圧電圧V2が低くなるので、上側電圧VHを上げるようにトランジスタA25が駆動される。一方、反転電流制限信号SdBがローレベル(電流制限時の論理レベル)であるときには、トランジスタA24がオフされて分圧電圧V2が高くなるので、上側電圧VHを引き下げるようにトランジスタA25が駆動される。従って、電流制限時にはゲート信号Sgのハイレベルを引き下げてスイッチ素子12のコレクタ電流Ic(エミッタ電流Ie)を所定の上限値以下に制限することができる。
このように、第3実施形態のスイッチ制御回路11によれば、第1、第2実施形態と異なり、消費電流の低減を目的として抵抗A11〜13や抵抗A21〜23の抵抗値を大きく設定しても、スイッチ素子12のゲートを常に低インピーダンスとすることができる。従って、スイッチ素子12のゲートにノイズが回り込んだとしても、ゲート信号Sgに大きな電圧変動を生じ難くなるので、スイッチ素子12の意図しない誤オンを防止することが可能となる。
図17は、スイッチ素子12のコレクタ電流Ic及びゲート信号Sgの制限挙動を示す図である。電流制限を開始してからコレクタ電流Icが一定値に落ち着くまでのセトリング時間tdが適切に調整されていれば、ゲート信号Sgを所望の時定数で緩やかに制限することができる(実線bを参照)。しかしながら、セトリング時間tdが短過ぎると、コレクタ電流Icに意図しないオーバーシュートが生じてゲート信号Sgが急峻に制限されてしまい(実線aを参照)、逆に、セトリング時間tdが長過ぎると、コレクタ電流Icがなかなか上限値Ilmtまで上昇せずゲート信号Sgの制限が遅れてしまう(実線cを参照)。このように、セトリング時間tdを適切に調整することは非常に重要である。
図18は、上側電圧生成部Aの第3構成例を示す回路図(要部のみ)である。第3構成例の上側電圧生成部Aは、先出の第1、第2構成例を改良したものであり、トランジスタA14(ないしはA24)のゲートに印加される電流制限信号Sd(ないしは反転電流制限信号SdB)を鈍らせるローパスフィルタ回路A30を含む点に特徴を有している。
ローパスフィルタ回路A30は、可変容量A31と可変抵抗A32から成るCR時定数回路である。可変容量A31及び可変抵抗A32の具体的な回路構成としては、例えば、図19で示すように、複数用意された容量素子や抵抗素子をレーザトリミングなどによって選択的に用いる構成を採用すればよい。
CR時定数を任意に調整することが可能なローパスフィルタ回路A30を用いれば、可変容量A31と可変抵抗A32の少なくとも一方の値を調整することにより、先述のセトリング時間tdを任意に調整することができるので、ゲート信号Sgを任意の時定数で緩やかに制限することが可能となる。
図20は、スイッチ素子12に流れるコレクタ電流Icの制限動作を説明するためのタイミングチャートであり、上から順番に、点火指示信号Sc、ゲート信号Sg、コレクタ電圧Vc、電流制限信号Sd、及び、コレクタ電流Icが描写されている。
時刻t1〜t2では、点火指示信号Scのハイレベル期間が短く、コレクタ電流Icが上限値Ilmtに達していないので、電流制限信号Sdはローレベルに維持されている。従って、ゲート信号Sgのハイレベルは引き下げられることなく、通常レベルのままとなる。一方、時刻t3〜t5では、点火指示信号Scのハイレベル期間が長く、コレクタ電流Icが時刻t4において上限値Ilmtに達している。その結果、時刻t4で電流制限信号Sdがハイレベルに立ち上がり、ゲート信号Sgのハイレベルが適切な時定数で引き下げられて、コレクタ電流Icが上限値Ilmtに制限される。
<第4実施形態>
図21は、エンジン点火装置1を備えた車両Xの第2構成例を示すブロック図である。第2構成例では、電子制御燃料噴射装置(EFI[electronic fuel injection])に対応すべく、スイッチ制御回路11からECU3に点火確認信号Sfを送出する機能が盛り込まれている。
図22Aは、点火確認信号Sfの第1生成例(コレクタ電圧検出型)を示すタイミングチャートであり、上から順番に、点火指示信号Sc、コレクタ電圧Vc、コレクタ電流Ic、及び、点火確認信号Sfが描写されている。
スイッチ素子12のオフ時(時刻t12、t14)に生じるコレクタ電圧Vcの急上昇を検出して点火確認信号Sfを生成する場合、コレクタ電圧検出回路には、非常に高耐圧(数百ボルト)が要求されるので、回路規模が不要に大型化するという問題があった。
図22Bは、点火確認信号Sfの第2生成例(コレクタ電流検出型)を示すタイミングチャートであり、上から順番に、点火指示信号Sc、コレクタ電圧Vc、コレクタ電流Ic、及び、点火確認信号Sfが描写されている。
スイッチ素子12のオン期間(時刻t11〜12、及び、時刻t13〜t14)に流れるコレクタ電流Ic(エミッタ電流Ie)を閾値電流IthL及びIthHと比較して点火確認信号Sfを生成する場合には、先出の第1〜第3実施形態でも示したように、コレクタ電流Ic(エミッタ電流Ie)を抵抗要素13で電圧に変換し、検出電圧(エミッタ電圧)Veとして閾値電圧VthL及びVthHと比較する方式が一般的である。
ただし、数A〜十数Aのコレクタ電流Ic(エミッタ電流Ie)を数mΩの抵抗要素13(ワイヤボンディング)に流した場合、検出電圧Veは、非常に微小な電圧値(数mV〜十数mV)となる。そのため、点火確認信号Sfのパルス幅twに要求される仕様(規定値)を満たすためには、非常に精度の高い電圧比較回路が必要となる。なお、広く一般的に用いられているオペアンプ型の電圧比較回路は、差動対のオフセットに起因する誤差が大きく、コレクタ電流Ic(エミッタ電流Ie)の状態を正しく検出するには、その検出精度に課題があった。
図23は、スイッチ制御回路11の第4実施形態を示す回路図である。第4実施形態のスイッチ制御回路11は、スイッチ素子12のオン/オフ制御を行うドライバ部(プリドライバ111、トランジスタ112及び113、並びに、上側電圧生成部A)と、スイッチ素子12のオン時に流れるコレクタ電流Ic(エミッタ電流Ie)に応じた検出電圧Veを監視し、バイポーラトランジスタのIc−Vbe特性、または、電界効果トランジスタのId−Vgs特性を利用して、検出電圧Veと複数の閾値電圧とを比較することにより、スイッチ素子12に流れるコレクタ電流Ic(エミッタ電流Ie)の状態を検出する電流検出部Bと、を有する。
また、スイッチ制御回路11は、先出の各種パッド11a〜11eに加えて、さらに、点火確認信号SfをECU3に出力するための信号出力パッド11fと、電流検出部Bを接地端に接続するための第2接地用パッド11gを有する。なお、信号出力パッド11fは、外付けの抵抗素子を介してECU3の電源電圧Vddにプルアップされている。
このように、第4実施形態のスイッチ制御回路11は、基本的に先出の第3実施形態と同様の構成であり、比較器116に代えて電流検出部Bを設けた点に特徴を有している。そこで、第3実施形態と同様の構成部分については、図14と同一の符号を付すことで重複した説明を割愛し、以下では、第4実施形態の特徴部分である電流検出部Bについて重点的に説明する。
図24は、電流検出部Bの第1構成例を示す回路図である。第1構成例の電流検出部Bは、npn型バイポーラトランジスタB1〜B6と、pnp型バイポーラトランジスタB7〜B13と、電流源B14と、抵抗B15〜B24と、フリップフロップB25と、Nチャネル型MOS電界効果トランジスタB26と、を含む。
トランジスタB1及びB2のベースは、いずれもトランジスタB1のコレクタに接続されている。トランジスタB1のエミッタは、抵抗B22の第1端(第1閾値電圧VthLの印加端)に接続されている。抵抗B22の第2端は、第2接地用パッド11g(接地電圧GNDの印加端)に接続されている。トランジスタB2のエミッタは、エミッタ電圧検出パッド11b(検出電圧Veの印加端)に接続されている。トランジスタB2のコレクタは、第1検出信号SLの出力端に接続されている。
トランジスタB3及びB4のベースは、いずれもトランジスタB3のコレクタに接続されている。トランジスタB3のエミッタは、抵抗B23の第1端(第2閾値電圧VthH(>VthL)の印加端)に接続されている。抵抗B23の第2端は、第2接地用パッド11gに接続されている。トランジスタB4のエミッタは、エミッタ電圧検出パッド11bに接続されている。トランジスタB4のコレクタは、第2検出信号SHの出力端に接続されている。
トランジスタB5及びB6のベースは、いずれもトランジスタB5のコレクタに接続されている。トランジスタB5のエミッタは、抵抗B24の第1端(第3閾値電圧Vlmt(>VthH)の印加端)に接続されている。抵抗B24の第2端は、第2接地用パッド11gに接続されている。トランジスタB5のエミッタは、エミッタ電圧検出パッド11bに接続されている。トランジスタB5のコレクタは、電流制限信号Sdの出力端に接続されている。なお、電流制限信号Sdは上側電圧生成部Aに送出されており、上側電圧生成部Aを含むドライバ部は、先に説明した電流制限動作により、スイッチ素子12に流れるコレクタ電流Ic(エミッタ電流Ie)を所定の上限値以下に制限する。
トランジスタB7〜B13のベースは、いずれもトランジスタB7のコレクタに接続されている。トランジスタB7のコレクタは、電流源B14を介して接地端に接続されている。トランジスタB7〜B13のエミッタは、それぞれ、抵抗B15〜B21を介して電源電圧Vccの印加端に接続されている。トランジスタB8〜B13のコレクタは、それぞれ、トランジスタB1〜B6のコレクタに接続されている。これらの回路要素B7〜B21は、トランジスタB1〜B6のコレクタに各々定電流を供給する電流源を形成する。
フリップフロップB25は、第1検出信号SLと第2検出信号SHに応じてトランジスタB26のオン/オフ制御を行う。具体的に述べると、フリップフロップB25は、第1検出信号SLの立上りエッジをトリガとしてトランジスタB26をオンし、第2検出信号SHの立上りエッジをトリガとしてトランジスタB26をオフする。なお、同様の動作を実現し得る限り、フリップフロップB25以外の論理回路を用いることも可能である。トランジスタB26のドレインは、信号出力パッド11fに接続されている。トランジスタB26のソースは、接地端に接続されている。トランジスタB26のゲートは、フリップフロップB25の出力端に接続されている。これらの回路要素B25及びB26は、点火確認信号Sfを生成して外部出力するオープンドレイン形式の信号出力部を形成する。
なお、トランジスタB1、B3、及び、B5のエミッタは、それぞれ抵抗B22〜B24を介して第2接地用パッド11g(接地電圧GNDの印加端)に共通接続されている。このような構成とすることにより、接地電圧GNDに重畳するノイズの影響を受けにくくなるので、電流検出部Bの検出精度を高めることが可能となる。
また、閾値電圧を定めるための抵抗B22〜B24としては、ワイヤボンディングを用いた抵抗要素13との温度特性を一致させるべく、MOS電界効果トランジスタのオン抵抗を利用するとよい。この点については、先出の第1、第2実施形態と同様であるため、重複した説明は割愛する。
次に、図25及び図26を参照しながら、電流検出部Bによる電流検出動作について詳細に説明する。図25は、電流検出部Bの一部分(第1検出信号SLの生成部分)を抜き出した部分回路図であり、図26は、バイポーラトランジスタのIc−Vbe特性を示す図である。
カレントミラー段を形成するバイポーラトランジスタB1及びB2は、各々のコレクタに流れるコレクタ電流Ic1及びIc2と、各々のベース・エミッタ間電圧Vbe1及びVbe2との間に、図26のIc−Vbe特性を持っており、ベース・エミッタ間電圧Vbe1及びVbe2がオンスレッショルド電圧Vthを上回らない限り、コレクタ電流Ic1及びIc2を流さない。
ここで、トランジスタB1及びB2のベース電圧は、第1閾値電圧VthLよりもオンスレッショルド電圧Vthだけ高い電圧値として定まる。従って、トランジスタB2のエミッタに印加される検出電圧Veが第1閾値電圧VthLよりも低いときには、トランジスタB2のベース・エミッタ間電圧Vbe2がオンスレッショルド電圧Vthよりも高くなるので、トランジスタB2がオン状態となり、トランジスタB2のコレクタにコレクタ電流Ic2が流れる。その結果、トランジスタB2のコレクタから引き出される第1検出信号SLはローレベルとなる。逆に、検出電圧Veが第1閾値電圧VthLよりも高いときには、トランジスタB2のベース・エミッタ間電圧Vbe2がオンスレッショルド電圧Vthよりも低くなるので、トランジスタB2がオフ状態となる。その結果、第1検出信号SLはハイレベルとなる。
トランジスタB1に流れるコレクタ電流Ic1の電流値をi1とし、抵抗B22の抵抗値をr1とした場合、第1閾値電圧VthLは(i1×r1)で算出することができる。一方、スイッチ素子12に流れるコレクタ電流Icの電流値をi2とし、抵抗要素13の抵抗値をr2とした場合、検出電圧Veは(i2×r2)で算出することができる。
先にも述べたように、第1検出信号SLの論理レベルは、検出電圧Veが第1閾値電圧VthLよりも高いか低いかに応じて切り替わる。従って、スイッチ素子12のコレクタ電流Icが閾値電流IthL(立ち上がり検出用の閾値レベル)まで上昇した時点で、i1×r1=i2×i2となるようにコレクタ電流Ic1と抵抗B22を設計しておけば、スイッチ素子12に流れるコレクタ電流Icの立ち上がりを検出することができる。
なお、第2検出信号SHと電流制限信号Sdについても、上記と同様の動作によって生成されているので、重複した説明は割愛する。
このように、バイポーラトランジスタのIc−Vbe特性を利用した電流検出部Bであれば、オペアンプ型の電圧比較回路と異なり、差動対のオフセットに起因する誤差を生じないので、微小な検出電圧Veを精度良く検出することが可能となる。
また、電流検出部Bは、先出の図24で示したように、バイポーラトランジスタのIc−Vbe特性を利用した上記の比較回路を3つ組み合わせた構成とされているので、コレクタ電流Icの3状態(立ち上がり状態、充電状態、及び、制限状態)を正確に検出することができる。
図27は、電流検出部Bによる電流検出動作を説明するためのタイミングチャートであり、上から順に、検出電圧Ve、第1検出信号SL、第2検出信号SH、点火確認信号Sf、及び、電流制限信号Sdが描写されている。
時刻t21において、検出電圧Veが第1閾値電圧VthLを上回ると、第1検出信号SLがローレベルからハイレベルに立ち上がり、点火確認信号Sfがハイレベルからローレベルに立ち下がる。
時刻t22において、検出電圧Veが第2閾値電圧VthHを上回ると、第2検出信号SHがローレベルからハイレベルに立ち上がり、点火確認信号Sfがローレベルからハイレベルに立ち上がる。
時刻t23において、検出電圧Veが第3閾値電圧Vlmtを上回ると、電流制限信号Sdがローレベルからハイレベルに立ち上がり、先述の電流制限動作が行われて、検出電圧Veが第3閾値電圧Vlmt近傍に制限される。
なお、電流検出部Bの検出精度は、オペアンプ型の比較回路よりも高いので、点火確認信号Sfのパルス幅twに要求される仕様(規定値)を十分に満たすことが可能である。ただし、点火確認信号Sfのパルス幅twは、接地電圧GNDに重畳するノイズの影響を受けやすいので、以下では、その対策について説明する。
図28は、電流検出部Bの配線レイアウトを模式的に示す平面図である。本図で示したように、トランジスタB1のエミッタと第2接地用パッド11g(接地電圧GNDの印加端)との間を結ぶ配線L1と、トランジスタB3のエミッタと第2接地用パッド11gとの間を結ぶ配線L3は、各々の配線長が同一値となるようにレイアウトされている。
このような配線レイアウトを採用することにより、接地電圧GNDに重畳するノイズを相殺することができるので、点火確認信号Sfのパルス幅twに生じる変動を抑えることが可能となる。
また、トランジスタB2のエミッタとエミッタ電圧検出パッド11b(検出電圧Veの印加端)との間を結ぶ配線L2と、トランジスタB4のエミッタとエミッタ電圧検出パッド11bとの間を結ぶ配線L4についても、各々の配線長が同一値となるようにレイアウトされている。
このような配線レイアウトを採用することにより、検出電圧Veに重畳するノイズについても相殺することができるので、点火確認信号Sfのパルス幅twに生じる変動を抑えることが可能となる。
なお、図28では、図示の便宜上、抵抗B22〜B24を各々チップ抵抗として描写したが、先にも述べたように、抵抗B22〜B24としては、ワイヤボンディングを用いた抵抗要素13との温度特性を一致させるべく、MOS電界効果トランジスタのオン抵抗を利用することもできる。
図29は、イグナイタ10における第2のフレーム実装例(第4実施形態への適用例)を示す平面図である。第1フレームFR1a及びFR1bは、カーバッテリ2に繋がるフレームである。第2フレームFR2は、接地端(GND)に繋がるフレームである。第3フレームFR3a及びFR3bは、ECU3に繋がるフレームである。第4フレームFR4は、スイッチ素子12のコレクタに繋がるフレームである。なお、第1フレームFR1a及びFR1bの間には、サージノイズ対策用のチップ抵抗Rが接続されている。また、第1フレームFR1aと第2フレームFR2との間には、DCカップリング用のチップコンデンサCが接続されている。
スイッチ制御回路11のゲート制御パッド11aと、スイッチ素子12のゲートパッド12aとは、ワイヤW1を用いたワイヤボンディングによって接続されている。従って、スイッチ制御回路11からスイッチ素子12へのゲート信号Sgの供給は、ワイヤW1を介してなされることになる。
スイッチ制御回路11のエミッタ電圧検出パッド11bと、スイッチ素子12のエミッタパッド12bとは、ワイヤW2を用いたワイヤボンディングによって接続されている。従って、スイッチ素子12のエミッタから比較器116へのエミッタ電圧Veの出力は、ワイヤW2を介してなされることになる。
スイッチ素子12のエミッタパッド12bは、ワイヤW3を用いたワイヤボンディングによって、第2フレームFR2に接続されている。従って、スイッチ素子12のエミッタから出力されるエミッタ電流Ieは、ワイヤW3を介して第2フレームFR2へ流れることになる。なお、ワイヤW3が接地端にボンディングされる形態は、上述した形態には限定されない。例えば、スイッチ制御回路11の接地用パッド11cや第2接地用パッド11gにボンディングされる形態であっても良い。
スイッチ制御回路11の接地用パッド11cは、ワイヤW4aを用いたワイヤボンディングによって第2フレームFR2に接続されている。
スイッチ制御回路11の電源用パッド11dは、ワイヤW5を用いたワイヤボンディングによって第1フレームFR1bに接続されている。従って、カーバッテリ2からスイッチ制御回路11への電力供給は、ワイヤW5を介してなされることになる。
スイッチ制御回路11の信号入力パッド11eは、ワイヤW6aを用いたワイヤボンディングにより第3フレームFR3aに接続されている。従って、ECU3からスイッチ制御回路11への点火指示信号Scの供給は、ワイヤW6aを介してなされることになる。
スイッチ制御回路11の信号出力パッド11fは、ワイヤW6bを用いたワイヤボンディングにより第3フレームFR3bに接続されている。従って、スイッチ制御回路11からECU3への点火確認信号Sfの供給は、ワイヤW6bを介してなされることになる。
スイッチ制御回路11の第2接地用パッド11gは、ワイヤW4bを用いたワイヤボンディングによって第2フレームFR2に接続されている。なお、第2接地用パッド11gを別途設けた理由は、先の図28で説明した等長配線レイアウトを実現するためである。
図30は、電流検出部Bの第2構成例を示す回路図である。第2構成例の電流検出部Bは、先出の第1構成例(図24を参照)とほぼ同一の構成であり、バイポーラトランジスタB1〜B13をMOS電界効果トランジスタB1’〜B13’に置換したものである。
すなわち、第2構成例の電流検出部Bは、スイッチ素子12のオン時に流れるコレクタ電流Icに応じた検出電圧Veを監視し、電界効果トランジスタのId−Vgs特性(図31を参照)を利用して、検出電圧Veと複数の閾値電圧とを比較することにより、スイッチ素子12に流れるコレクタ電流Icの状態を検出する構成であると言える。
このように、バイポーラトランジスタを電界効果トランジスタに置き換えても、上記と同様の作用効果を享受することが可能である。また、第2構成例の電流検出部Bでは、トランジスタB7’〜B13’の面積比を適宜設計することにより、各々に流れる電流の大きさを調整することができるので、第1構成例の抵抗B15〜B21(図24を参照)を省略することもできる。
<車両>
図32は、車両Xの一構成例を示す外観図である。本構成例の車両Xは、車載機器X11〜X17と、これらの車載機器X11〜X17に電力を供給するバッテリ(図32では不図示)と、を搭載している。
車載機器X11は、エンジンに関連する制御(インジェクション制御、電子スロットル制御、アイドリング制御、酸素センサヒータ制御、及び、オートクルーズ制御など)を行うエンジンコントロールユニット(図1のECU3に相当)である。車両Xに搭載されるエンジン点火装置1は、上記のエンジンコントロールユニットによって制御される。
車載機器X12は、HID[high intensity discharged lamp]やDRL[daytime running lamp]などの点消灯制御を行うランプコントロールユニットである。
車載機器X13は、トランスミッションに関連する制御を行うトランスミッションコントロールユニットである。
車載機器X14は、車両Xの運動に関連する制御(ABS[anti-lock brake system]制御、EPS[electric power Steering]制御、電子サスペンション制御など)を行うボディコントロールユニットである。
車載機器X15は、ドアロックや防犯アラームなどの駆動制御を行うセキュリティコントロールユニットである。
車載機器X16は、ワイパー、電動ドアミラー、パワーウィンドウ、電動サンルーフ、電動シート、及び、エアコンなど、標準装備品やメーカーオプション品として、工場出荷段階で車両Xに組み込まれている電子機器である。
車載機器X17は、車載A/V[audio/visual]機器、カーナビゲーションシステム、及び、ETC[electronic toll collection system]など、ユーザの任意で車両Xに装着される電子機器である。
<その他の変形例>
なお、上記実施形態では、イグナイタに組み込まれるスイッチ制御回路を例に挙げて説明を行ったが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、その他の用途に供されるスイッチ制御回路にも広く適用することが可能である。
また、本発明の構成は、上記実施形態のほか、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。