<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1に係るタッチパネルが備えるタッチスクリーン1の構成を模式的に示す平面図である。
詳細については後述するが、このタッチスクリーン1は、被接触面(図1に示されているタッチスクリーン1の面)における指示体の接触状態(接触の有無やその接触座標など)を検出できるだけでなく、当該被接触面に近接している指示体の近接状態(近接の有無など)を検出できるように構成されている。なお、接触状態及び近接状態の検出対象は、指示体に限ったものではなく、例えば、人体そのものであってもよいが、以下では便宜上、検出対象は指示体である場合を例にして説明する。
図1に示されるタッチスクリーン1は、透明なガラス材料または透明な樹脂からなる透明基板10と、複数の励起配線31(第1電極)と、複数の接触検出配線41(第3電極)と、複数の近接検出配線45(第2電極)とを備えて構成されている。
複数の励起配線31は、透明基板10上において、第1方向である行方向(図中x方向)に延在するとともに、第2方向である列方向(図中y方向)に予め定められたピッチで平行配設された行方向電極である。複数の接触検出配線41は、透明基板10上において、列方向(図中y方向)に延在するとともに行方向(図中x方向)に予め定められたピッチで平行配設された列方向電極である。複数の近接検出配線45は、複数の接触検出配線41と同様に、透明基板10上において、列方向(図中y方向)に延在するとともに行方向(図中x方向)に予め定められたピッチで平行配設された補助電極である。
ここでは、任意の隣り合う二本の接触検出配線41の間に、一本の近接検出配線45が配設され、任意の隣り合う二本の近接検出配線45の間に、一本の接触検出配線41が配設されている。なお、これら励起配線31、接触検出配線41及び近接検出配線45は互いに絶縁されている。
図1には、6本の励起配線31と、8本の接触検出配線41と、7本の近接検出配線45とが示されている。以下の説明において、6本の励起配線31を区別するときには、励起配線Wr(0)、Wr(1)、…、Wr(6)と記すこともある。同様に、8本の接触検出配線41を区別するときには、接触検出配線Wc(0)、Wc(1)、…、Wc(7)と記すこともあり、7本の近接検出配線45を区別するときには、近接検出配線Wp(0)、Wp(1)、…、Wp(6)と記すこともある。
なお、各種配線の本数は、上述の本数に限ったものではない。例えば、励起配線31及び接触検出配線41の本数及び配線ピッチ等は、タッチパネルに要求される接触状態の検出感度(例えばタッチ位置を示すタッチ座標値などの要求分解能など)から適宜決定される。また、例えば、近接検出配線45の本数及び配線ピッチ等は、タッチパネルに要求される近接状態の検出感度から適宜決定される。
励起配線31、接触検出配線41及び近接検出配線45は、それぞれ引き出し配線R,C,Pによって、透明基板10の端部上に設けられた端子5に接続されている。この端子5は、外部と、励起配線31、接触検出配線41及び近接検出配線45とを電気的に接続する。
上述のように構成されたタッチスクリーン1においては、指示体がタッチスクリーン1の被接触面に接触したときに、励起配線31と接触検出配線41との間に形成される相互容量(配線間容量)が変化する。後述するように、複数の励起配線31及び複数の接触検出配線41と端子5を介して接続された検出処理回路により、複数の励起配線31及び複数の接触検出配線41の配線間のそれぞれについて相互容量が検出され、各相互容量の変化量に基づいて指示体の接触状態が検出される。すなわち、タッチスクリーン1と、当該検出処理回路とを備える後述のタッチパネルでは、複数の励起配線31及び複数の接触検出配線41を用いた相互容量検出方式によって、指示体の接触状態を検出することが可能となっている。これにより、いわゆるゴーストが発生することなく同時のマルチタッチ(多数点の接触)を検出することが可能となっている。
一方、上述のように構成されたタッチスクリーン1においては、指示体がタッチスクリーン1の被接触面に近接したときに、当該指示体と近接検出配線45との間に形成される自己容量(静電容量)が変化する。後述するように、複数の近接検出配線45と端子5を介して接続された検出処理回路により、複数の近接検出配線45の自己容量が検出され、自己容量の変化量に基づいて指示体の近接状態が検出される。すなわち、タッチスクリーン1と、当該検出処理回路とを備える後述のタッチパネルでは、複数の近接検出配線45を用いた自己容量検出方式によって、指示体の近接状態を検出することが可能となっている。これにより、本実施の形態1では、近接状態の検出感度が低い相互容量検出方式ではなく自己容量検出方式により近接状態を検出するので、近接状態の検出感度を高めることが可能となっている。
図2は、本実施の形態1に係るタッチスクリーン1の層構造の一例を模式的に示す斜視断面図である。
透明基板10の裏面上には上部電極4が形成されている。この上部電極4には、上述の複数の接触検出配線41及び複数の近接検出配線45だけでなく、ここでは図示しない後述のフローティング電極が含まれている。上部電極4には、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明配線材料またはアルミニウム等の金属配線材料が用いられる。
また、透明基板10の裏面上には、上部電極4を被覆するように層間絶縁膜11が形成されている。層間絶縁膜11には、例えば、シリコン窒化膜またはシリコン酸化膜等の透明な絶縁膜が用いられる。
層間絶縁膜11の裏面上には下部電極3が形成されている。この下部電極3には、上述の複数の励起配線31だけでなく、ここでは図示しない後述の断線部配線が含まれている。下部電極3には、例えば、上部電極4と同様の素材が用いられる。
また、層間絶縁膜11の裏面上には、下部電極3を被覆するように保護膜12が形成されている。保護膜12には、例えば、層間絶縁膜11と同様にシリコン窒化膜などの透光性を有する絶縁性の膜が用いられる。
図2に示されるタッチスクリーン1では、図2の上側において使用者によりタッチ操作などが行われ、透明基板10の表面が被接触面として用いられる。つまり、複数の接触検出配線41及び複数の近接検出配線45は、複数の励起配線31よりも使用者が操作する側に配設されている。すなわち、操作する使用者からみて、手前から奥に順に、透明基板10、上部電極4、層間絶縁膜11、下部電極3、保護膜12が配設されている。
使用者は、図2に示すタッチスクリーン1の被接触面(透明基板10の表面)に対して、指などの指示体でタッチする操作を行う。透明基板10に指示体が触れると、透明基板10下側における、励起配線31及び接触検出配線41の間の配線間容量が変化する。この容量変化を検出することで、検出可能エリア内のどの位置においてタッチされたかを特定することが可能となっている。
図3は、タッチスクリーン1の層構造の別例を模式的に示す斜視断面図である。ここでは、図2に示したタッチスクリーン1において、透明基板10と保護膜12との配置が入れ替わっている。そして、保護膜12上に粘着層15を介して保護ガラス16が粘着固定されている。
図3においても、複数の接触検出配線41及び複数の近接検出配線45は、複数の励起配線31よりも使用者が操作する側に配設されている。しかし、図3に示されるタッチスクリーン1では、図3の上側において使用者によりタッチ操作などが行われ、保護ガラス16の表面が被接触面として用いられる。また、操作する使用者からみて、手前から奥に順に、保護ガラス16、粘着層15、保護膜12、上部電極4、層間絶縁膜11、下部電極3、透明基板10が配設されている。
使用者は、図3に示すタッチスクリーン1の被接触面(保護ガラス16の表面)に対して、指などの指示体でタッチする操作を行う。保護ガラス16に指示体が触れると、保護ガラス16下側における、励起配線31及び接触検出配線41の間の配線間容量が変化する。この容量変化を検出することで、検出可能エリア内のどの位置においてタッチされたかを特定することが可能となっている。
つまり、図3に示される層構造では、指示体の接触を保護ガラス16越しに検出する。なお、保護ガラス16の厚みを数mm程度にすれば、タッチスクリーン1の強度を向上させることができ、堅牢性に優れたタッチスクリーン1を実現することができる。
以上のように、本実施の形態1では、複数の接触検出配線41及び複数の近接検出配線45は、同一層に形成されている。このような構成によれば、複数の接触検出配線41及び複数の近接検出配線45を、同一の生成膜から形成することができる。したがって、フォトマスクの枚数の低減化、及び、製造工程の簡素化を実現することができ、結果として製造コストを抑制することができる。
ここで、図1〜図3においては、図示の便宜上、複数の励起配線31、複数の接触検出配線41、及び、複数の近接検出配線45(以下、これら3種類の配線をまとめて「複数の励起配線31等」と記すこともある)のいずれも、直方形状のいわゆるベタ配線であるかのように示されていた。しかし、仮に、複数の励起配線31等にベタ配線を適用したタッチスクリーン1を、表示パネルの前面に配置することによって表示装置を構成した場合には、表示パネルの表示光の透過が妨げられ、特に上部電極4及び下部電極3が重なる部分において表示光の透過率が低下してしまうことになる。
そこで、以下で説明するように、本実施の形態1では、複数の励起配線31、複数の接触検出配線41、及び、複数の近接検出配線45のいずれも、高導電性材料からなる平面視メッシュ状配線が適用されている。これにより、それら配線を低抵抗に維持することができるので、タッチスクリーン1において検出感度を高めることができる。また、検出可能エリアにおける光の透過率を向上させることができるので、輝度低下、色付き及びモアレ現象が抑制されたクリアな表示を行うことが可能な表示装置を実現できる。
以下、本実施の形態1に係るタッチスクリーン1を詳細に示す図においては、励起配線31等を示していた各ベタ配線が、メッシュ状配線として図示される。ただし、励起配線31等にメッシュ状配線を適用する構成に限ったものではなく、光の透過率の低下を甘受できるのであれば、励起配線31等に、メッシュ状配線ではなくベタ配線を適用してもよい。
なお、例えば、メッシュ状配線には、アルミニウム系合金層、または、アルミニウム系合金層とその窒化層とからなる多層構造などが用いられる。アルミニウム系合金の窒化層は、単なるアルミニウム系合金層に比べて外光反射率を抑えることが可能であることから、メッシュ状配線に上述の多層構造を用いた場合には、配線抵抗を小さくすることができるとともに、検出可能エリアの光の透過率の向上化、及び、配線による外光反射の抑制化を実現することができる。また、例えば、複数の励起配線31、複数の接触検出配線41、及び、複数の近接検出配線45のメッシュ状配線の具体的な構成として、本発明の発明者により特願2012−211754号に提案した構成などを適用してもよい。
<タッチスクリーン1の詳細な構成>
次に、図4〜図7を用いてタッチスクリーン1の詳細な構成について説明する。なお、図4〜図7に示される構成は一例に過ぎず、配線の太さ、間隔及びパターンは、図4〜図7に示されたものに限らない。
図4は、1本の励起配線31と1本の接触検出配線41とが平面視で重なる領域周辺に関して、下部電極3の構成を詳細に示す平面図である。まず、図4を用いて下部電極3の構成を簡単に説明する。
図4に示されるように、下部電極3は、励起配線31(図中の細い実線)と、後述するフローティング電極32(図中の太い実線)とを含んでいる。
図4には1本の励起配線31の一部分が示されているが、実際には図4に示される構成が行方向(図中のx方向)に繰り返されて当該励起配線31が行方向に延在している。そして、このような1本の励起配線31が、列方向(図中のy方向)に繰り返されて複数本配設されている。
上述したように、励起配線31にはメッシュ状配線が適用されている。ここでは、メッシュ状配線は、行方向(図中のx方向)から45°傾いた方向に延在する導線と、列方向(図4中のy方向)から45°傾いた方向に延在する導線とを組み合わせて形成されている。
図5は、1本の励起配線31と1本の接触検出配線41とが平面視で重なる領域周辺に関して、上部電極4の構成を詳細に示す平面図である。次に、図5を用いて上部電極4の構成を簡単に説明する。
図5に示されるように、上部電極4は、接触検出配線41と、近接検出配線45と、後述する断線部配線48とを含んでいる。
図5には1本の接触検出配線41の一部分と、2本の半分の近接検出配線45の一部分とが示されているが、実際には図5に示される構成が列方向(図中のy方向)に繰り返されて当該接触検出配線41及び当該近接検出配線45が列方向に延在している。そして、このような1本の接触検出配線41と、2本の半分の近接検出配線45とが、行方向(図中のx方向)に繰り返されて複数本配設されている。なお、上述の励起配線31と同様に、接触検出配線41及び近接検出配線45にもメッシュ状配線が適用されている。
<励起配線31、接触検出配線41及び近接検出配線45>
図6は、図4に示される下部電極3を細い実線で示し、図5に示される断線部配線48以外の上部電極4を太い実線で示して、それらを重ね合わせた状態を示す平面図である。次に、図4〜図6を用いて励起配線31、接触検出配線41及び近接検出配線45を詳細に説明する。
本実施の形態1では、平面視において励起配線31(図4中の細い実線)は、第1領域31aと、第1領域31aよりも列方向(図中のy方向)の長さが短い第2領域31bとを有している。そして、図6に示されるように、励起配線31の第1領域31aは近接検出配線45と重なっており、励起配線31の第2領域31bでは接触検出配線41が通過している。このように構成されたタッチスクリーン1によれば、後述するように接触状態及び近接状態の検出感度を高めることが可能となっている。
また、図5に示される接触検出配線41は、図4に示される励起配線31の第2領域31bの中央部から列方向(y方向)に延びる空白領域(スリット部)に配設される。具体的には、図6に示されるように、接触検出配線41は、平面視の行方向(x方向)において第1領域31aから離間するように配設される。このような構成では、平面視において、励起配線31の第1領域31aと、励起配線31の第2領域31bと、接触検出配線41とに隣接する間隙が存在することになる。
<フローティング電極32>
次に、図4等を用いて、励起配線31とともに下部電極3に含まれるフローティング電極32(図4の太い実線)について説明する。フローティング電極32は、複数の励起配線31、複数の接触検出配線41及び複数の近接検出配線45のいずれとも絶縁された電極である。
なお、本実施の形態1では、このフローティング電極32にも、複数の励起配線31等と同様に、平面視メッシュ状配線が適用されている。このように、メッシュ状配線が、複数の励起配線31等及びフローティング電極32のいずれにも適用された構成によれば、光の透過率及び外光反射率を均一化することができ、かつ、それらの領域がなるべく視認(目視)されないようにすることができる。したがって、タッチスクリーン1を表示パネルの前面に設けたとしても、使用者からみた表示パネルの表示品質を維持することができる。
さて、フローティング電極32は、図4〜図6に示されるように、励起配線31の第1領域31aと、励起配線31の第2領域31bと、接触検出配線41とに隣接する間隙(励起配線31と接触検出配線41との間隙)内に配設されている。ここでは、列方向(y方向)に延在する横幅Lのフローティング電極32が、接触検出配線41と、励起配線31の第1領域31aとの間に挟まれている。
図7は、図4において二点鎖線で示された領域Dの拡大平面図である。図7に示されるように、フローティング電極32は、励起配線31との間に設けられた断線部35により励起配線31から絶縁されている。また、図7に示されるように、フローティング電極32は、列方向(y方向)に延在する断線部36により分断(絶縁)された、行方向(x方向)に隣り合う二つの部分フローティング電極32a,32bを含んでいる。
断線部35,36は、絶縁体からなり、図2の構成では保護膜12に含まれ、図3の構成では層間絶縁膜11に含まれる。なお、断線部35,36は、図4〜図6においては便宜上、一点鎖線で示されている。
<断線部配線48>
次に、図5等を用いて、接触検出配線41及び近接検出配線45とともに上部電極4に含まれる断線部配線48について説明する。断線部配線48は、複数の励起配線31、複数の接触検出配線41及び複数の近接検出配線45のいずれとも絶縁された配線である。
各断線部配線48は、下部電極3及び上部電極4を重ねた構成(図6)の平面視において、断線部35,36を埋めるように形成されている。ここでは、各断線部配線48は、励起配線31のメッシュ状配線とフローティング電極32のメッシュ状配線との間、及び、部分フローティング電極32a,32bのメッシュ状配線同士の間を補完するように、×形状に形成されている。このような断線部配線48が形成された構成によれば、断線部35,36における光の透過率を、他の部分の透過率と同程度にすることができるので、断線部35,36の領域がなるべく視認(目視)されないようにすることができる。
<メッシュ状配線の間隔>
図4に示されるように、励起配線31の第1領域31aにおいて、近接検出配線45が重なる領域のメッシュ状配線の間隔は、それ以外の領域のメッシュ状配線の間隔の2倍となっている。また、図5に示されるように、近接検出配線45のメッシュ状配線の間隔は、第1領域31aのメッシュ状配線の間隔のうち広い方の間隔と同じとなっている。そして、図6に示されるように、近接検出配線45のメッシュ状配線と、当該近接検出配線45と重なる励起配線31のメッシュ状配線とは、平面視において相補的に配設されている。
すなわち、励起配線31及び近接検出配線45のメッシュ状配線が、行方向及び列方向においてそれぞれ間隔P1,P2だけずれて配設されている。具体的には、励起配線31及び近接検出配線45が互いに重なる領域において、励起配線31及び近接検出配線45の一方の一本のメッシュ状配線が、他方の隣り合う二本のメッシュ状配線の間に配設されている。
また、図4に示されるように、励起配線31の第2領域31bにおいて、接触検出配線41が重なる領域のメッシュ状配線の間隔は、それ以外の領域のメッシュ状配線の間隔の2倍となっている。また、図5に示されるように、接触検出配線41において、第2領域31bと重なる領域のメッシュ状配線の間隔は、それ以外の領域のメッシュ状配線の間隔の2倍となっている。そして、図6に示されるように、接触検出配線41のメッシュ状配線と、当該接触検出配線41と重なる励起配線31のメッシュ状配線とは、平面視において相補的に配設されている。
すなわち、励起配線31及び接触検出配線41のメッシュ状配線が、行方向及び列方向においてそれぞれ間隔P1,P2だけずれて配設されている。具体的には、励起配線31及び接触検出配線41が互いに重なる領域において、励起配線31及び接触検出配線41の一方の一本のメッシュ状配線が、他方の隣り合う二本のメッシュ状配線の間に配設されている。
以上のような本実施の形態1に係るタッチスクリーン1によれば、複数の励起配線31等及びフローティング電極32のメッシュ状配線に関し、相補的に配設されたメッシュ状配線同士の間隔と、相補的に配設されていないメッシュ状配線の間隔とが等しくなるように構成される。すなわち、複数の励起配線31等及びフローティング電極32の全体において、メッシュ状配線の間隔が等しくなるように構成される。このような構成によれば、光の透過率及び外光反射率を均一化することができ、かつ、それらの領域がなるべく視認(目視)されないようにすることができる。したがって、タッチスクリーン1を表示パネルの前面に設けたとしても、使用者からみた表示パネルの表示品質を維持することができる。
なお、ここでは、複数の励起配線31等及びフローティング電極32のメッシュ状配線を構成する導線の幅を例えば3μmとし、断線部35,36の幅(断線間隔)を例えば10μmとした。また、メッシュ状配線の行方向の間隔P1及び列方向の間隔P2を、例えば200μmとした。
<作用及び効果>
図8は、以上で説明した励起配線31(図中、ドット状のハッチングで示す)、接触検出配線41(図中、クロスハッチングで示す)、及び、近接検出配線45(図中、斜線ハッチングで示す)の各領域を示す平面図である。ここでは、2本の励起配線31と、2本の接触検出配線41と、3本の近接検出配線とが図示されており、これら以外の構成要素(例えばフローティング電極32等)の図示は省略されている。
このように構成されたタッチスクリーン1によれば、以下で説明するように、複数の励起配線31及び複数の接触検出配線41を用いた相互容量検出方式によって接触状態を検出することと、複数の近接検出配線45を用いた自己容量検出方式によって近接状態を検出することが選択的に実施可能となっている。
<相互容量検出方式による接触状態の検出>
接触状態の検出時には、一の励起配線31に充電電圧が印加されることにより、充電電圧が印加された一の励起配線31と各接触検出配線41との間に形成される各配線間容量(相互容量)に電荷が充電される。その後、各配線間容量の充電電荷が接触検出配線41を介して検出される。
以上のような、励起配線31と接触検出配線41との間に形成される配線間容量への充電処理と、接触検出配線41を介した充電電荷の検出処理とからなる一連の処理が、充電電圧が印加される一の励起配線31を順次切り替えながら(スキャンしながら)繰り返される。そして、検出された充電電荷に基づいて相互容量ひいては接触状態が検出される。なお、以上の一連の処理時(接触状態の検出時)には、各相互容量の検出に影響を与えないように、近接検出配線45は全てフローティング状態に切り替えられる。
ここで、本実施の形態1では、励起配線31は、第1領域31a(図8中、破線により囲まれる領域)と、第2領域31b(図8中、一点鎖線により囲まれる領域)とを有しており、第2領域31bの列方向(y方向)の長さである横幅wbは、第1領域31aの横幅waよりも短くなっている。そして、第1領域31aは、近接検出配線45により部分的に覆われているとともに、第2領域31bでは、接触検出配線41が通過している。
このように構成された実施の形態1に係るタッチスクリーン1によれば、励起配線31と接触検出配線41とが重なる面積をなるべく小さくすることができる。したがって、励起配線31と接触検出配線41との電界結合を小さくすることができるので、指示体のタッチ時における、励起配線31及び接触検出配線41の配線間容量の変化量ΔCを大きくすることができる。よって、相互容量検出方式による接触状態の検出感度を高めることができる。しかも、上述したように、相互容量検出方式により近接状態を検出するのではなく、自己容量検出方式により近接状態を検出することが可能であることから、近接状態の検出感度も高めることができる。
また、励起配線31の配線抵抗が大きいと、励起配線31と接触検出配線41との間の配線間容量に電荷を充電する際の時定数が大きくなり、相互容量検出方式の検出にかかる時間が長くなってしまう。このため、検出時間短縮のためには、励起配線31の抵抗値ができるだけ小さいことが望ましい。ここで、本実施の形態1では、励起配線31の横幅を全て狭くするのではなく、第1領域31aにおいて横幅waが広くなっている。したがって、励起配線31の抵抗値が大きくなるのを抑制することができるので、相互容量検出方式における検出時間が長くなるのを抑制する効果も期待できる。
ここでは、その一例として、第1領域31aの横幅waは、励起配線31のピッチとほぼ等しくなるまで広げている。一方、第2領域31bの横幅wbは、短くすることにより得られる効果(検出感度が高くなるという効果)と、長くすることにより得られる効果(検出時間を抑制するという効果)との双方を鑑みて、適切な長さにすることが望ましい。
また、本実施の形態1では、平面視における励起配線31と接触検出配線41との間隙内に、幅Lのフローティング電極32を配設している。このような構成によれば、平面視において、励起配線31の第1領域31aと、接触検出配線41との離間をなるべく広げることができる。そして、離間を広げることにより、第1領域31aと接触検出配線41との間の電界結合を小さくすることができるので、指示体のタッチ時における、励起配線31及び接触検出配線41の配線間容量の変化量ΔCを大きくするができる。すなわち接触状態の検出感度を高めることができる。また、離間を広げることにより、双方配線間の電界を使用者側に広く分布させることができるので、この観点からも指示体のタッチ時における、励起配線31及び接触検出配線41の配線間容量の変化量ΔCを大きくする、ひいては接触状態の検出感度を高めることができる。
なお、変化量ΔCは、フローティング電極32の幅Lと、前面基板(図2の層構造では透明基板10、図3の層構造では保護ガラス16)の厚さに応じて変化する。したがって、設計時などにおいては、変化量ΔCが大きくなる範囲に設定されるように、フローティング電極32の幅Lと、前面基板の厚さとを決定することが望ましい。なお、ここでは、フローティング電極32の幅Lを例えば800μmとし、透明基板10の厚みを例えば0.9mmとした。
また、ここでは図示していないが、タッチスクリーン1と、その下方に配置させた表示パネル(例えば液晶表示パネルなど)とを備える表示装置においては、表示パネルの表示(駆動)に伴うノイズの大半が、容量結合性のノイズとして接触検出配線41に悪影響を与えることになる。そこで、本実施の形態1では、近接検出配線45の横幅(図8中のx方向の長さ)は、接触検出配線41の横幅(図8中のx方向の長さ)よりも長くなっている。すなわち、接触検出配線41の横幅が比較的短いので、ノイズ受信面積を小さくすることができる。この結果、接触検出配線41へのノイズの影響を抑制することができる。ただし、近接検出配線45の横幅を、接触検出配線41の横幅よりも長くすることは一例であり、接触検出配線41の横幅をなるべく短くするように構成しているのであれば、これに限ったものではない。
<自己容量検出方式による近接状態の検出>
近接状態の検出時には、相互容量検出方式ではなく、近接検出配線45と指示体との間に形成される静電容量(以下「近接容量」と記すこともある)を検出する自己容量検出方式によって検出されるように構成されている。これにより、近接状態の検出感度が高められている。
また、上述したように、近接検出配線45の横幅(図中のx方向の長さ)は、接触検出配線41の横幅(図中のx方向の長さ)よりも長くなっている。すなわち、近接検出配線45の横幅が比較的広く、配線面積が大きくなっている。このような構成によれば、近接容量を大きくすることができるので、近接状態の検出感度を高めることができる。ただし、近接検出配線45の横幅を、接触検出配線41の横幅よりも長くすることは一例であり、近接検出配線45の横幅をなるべく長くするように構成しているのであれば、これに限ったものではない。
また、本実施の形態1では、複数の近接検出配線45は、複数の励起配線31よりも使用者が操作する側に配設されている。すなわち、センシング領域においては、使用者からみて近接検出配線45の奥側は、励起配線31によって覆われている。このような構成によれば、後述するように、近接検出配線45を表示パネルからのノイズから保護するシールド電極の機能を、励起配線31に担わせることができる。したがって、近接検出配線45へのノイズの影響を抑制することができる。また、上述したように、近接検出配線45と重なる第1領域31aの面積が広いことからシールド効果が高められており、しかも、励起配線31の抵抗値の増加が抑制されていることからシールド効果がより高められることが期待できる。さらに、複数の接触検出配線41についても、複数の励起配線31よりも使用者が操作する側に配設されていることから、同様の効果が期待できる。
<タッチパネル51>
図9は、タッチスクリーン1を備える本実施の形態1に係るタッチパネル51の構成を模式的に示す平面図である。図9に示されるように、タッチパネル51は、タッチスクリーン1と、FPC(Flexible Printed Circuit)6と、コントローラ基板7と、コントローラ基板7上に設けられた検出処理回路8とを備えて構成されている。
FPC6は、タッチスクリーン1とコントローラ基板7とを電気的に接続する構成要素である。ここでは、FPC6において、ACF(Anisotropic Conductive Film)等からなる端子が、タッチスクリーン1の各端子5と対応して設けられており、FPC6の端子とタッチスクリーン1の端子5とがそれぞれ接続されている。
コントローラ基板7、ひいては検出処理回路8は、FPC6を介してタッチスクリーン1の検出用配線群の端部と電気的に接続されている。これにより、図1〜図8に例示したタッチスクリーン1は、タッチパネル51の主構成要素として機能する。
図10は、本実施の形態1に係るタッチパネル51の構成を示す回路図である。図10に示されるように、検出処理回路8は、第1スイッチ回路80と、第2スイッチ回路81と、接触検出回路82と、接触座標算出回路83と、近接検出回路84と、近接判定回路85と、バッファ回路86と、これらを統括的に制御する検出制御回路87と、入出力回路88とを備えて構成されている。このように構成された検出処理回路8は、以下で説明するように、相互容量検出方式により接触状態を検出する接触検出モード、及び、自己容量検出方式により近接状態を検出する近接検出モードを選択的に実行可能となっている。
第1スイッチ回路80は、検出制御回路87などの制御により、複数の励起配線31(ここでは6本の励起配線Wr(0)〜Wr(5))に対して、接触検出回路82及びバッファ回路86を選択的に接続可能に構成されている。第2スイッチ回路81は、検出制御回路87などの制御により、複数の近接検出配線45(ここでは7本の近接検出配線Wp(0)〜Wp(6))と、近接検出配線45及び近接検出回路84の間の検出ノードNとの間を接続及び遮断可能に構成されている。
接触検出回路82(第1検出回路)は、接触検出配線41(ここでは8本の接触検出配線Wc(0)〜Wc(7))と接続されており、接触検出モードの際に、励起配線31と接触検出配線41との間の配線間容量を検出する。接触座標算出回路83(第1検出回路)は、接触検出回路82で検出された配線間容量(検出結果)の変化に基づいて、タッチスクリーン1に接触した指示体の接触状態を検出する。接触座標算出回路83は、当該検出した接触状態を、入出力回路88を介して外部に出力する。
近接検出回路84(第2検出回路)は、近接検出モードの際に、近接検出配線45と、タッチスクリーン1に近接している指示体との間の近接容量(静電容量)を検出する。近接判定回路85(第2検出回路)は、近接検出回路84で検出された近接容量(検出結果)の変化に基づいて、指示体の近接状態を判定(検出)する。近接判定回路85は、当該判定した近接状態を、入出力回路88を介して外部に出力する。
バッファ回路86(電圧印加部)は、検出ノードNと第1スイッチ回路80との間に接続されている。このバッファ回路86は、近接検出モードの際に、検出ノードNに印加されている電圧と同じ電圧を、第1スイッチ回路80を介して励起配線31に印加する。
次に、タッチパネル51の動作を、接触検出モード及び近接検出モードに分けて説明する。
<接触検出モード>
接触検出モードにおいては、第1スイッチ回路80は、全ての励起配線Wr(0)〜Wr(5)と接触検出回路82とを接続し、全ての励起配線Wr(0)〜Wr(5)とバッファ回路86とを遮断する。第2スイッチ回路81は、全ての近接検出配線Wp(0)〜Wp(6)と、検出ノードNとを遮断して、全ての近接検出配線Wp(0)〜Wp(6)をフローティング状態にする。このように、全ての近接検出配線Wp(0)〜Wp(6)をフローティング状態にすることにより、相互容量検出方式による接触状態の検出に対して、近接検出配線45が悪影響を及ぼすのを抑制することができる。
以上の接続状態下で、励起配線Wr(0)に、接触検出回路82から発生する励起パルスp(0)(所定の励起電圧)を印加するとともに、他の励起配線Wr(1)〜Wr(5)には、接触検出回路82から発生する非励起パルスe(1)〜e(5)(所定の非励起電圧)を印加する。これにより、励起配線Wr(0)と、接触検出配線Wc(0)〜Wc(7)のそれぞれとの間に形成された配線間容量(相互容量)に電荷が充電される。
次に、励起配線Wr(0)に非励起パルスe(0)を印加した状態で、励起配線Wr(0)と、接触検出配線Wc(0)〜Wc(7)との間に形成された配線間容量のそれぞれにおける充電電荷を、接触検出配線Wc(0)〜Wc(7)を介して接触検出回路82により検出する。
このような励起配線31と接触検出配線41との間の配線間容量への充電処理と、接触検出配線41を介した充電電荷の検出処理とからなる一連の処理を、励起パルスp(0)、p(1)、…、p(5)を順に切り替えて行う。すなわち、所定の励起電圧を印加する対象を、励起配線Wr(0)、Wr(1)、…、Wr(5)と順次切り替えて、配線間容量(充電電荷)を検出していく(励起配線31をスキャンしていく)。
接触座標算出回路83は、接触検出回路82にて検出された各励起配線Wr(0)、Wr(1)、…、Wr(5)と、各接触検出配線Wc(0)、Wc(1)、…、Wc(7)との間の配線間容量の全てにわたる充電電荷(本実施の形態1では、6×8=48箇所の配線間容量)の検出量に基づいて、それらの変化量を算出する。そして、接触座標算出回路83は、当該算出した変化量に基づいて、タッチスクリーン1への指示体の接触(タッチ)の有無を判定する。そして、接触座標算出回路83は、接触ありと判定した場合には、上記変化量に基づいて、接触座標(タッチ座標)を算出し、当該接触座標を入出力回路88に出力する。
<近接検出モード>
近接検出モードにおいては、第1スイッチ回路80は、全ての励起配線Wr(0)〜Wr(5)と接触検出回路82とを遮断し、全ての励起配線Wr(0)〜Wr(5)とバッファ回路86とを接続する。第2スイッチ回路81は、全ての近接検出配線Wp(0)〜Wp(6)と、検出ノードNとを接続する。
なお、ここでは、近接検出配線Wp(0)〜Wp(6)のそれぞれの引き出し配線Pの一端は、タッチスクリーン1と検出処理回路8との間において共通に接続されている。しかしこれに限ったものではなく、例えば、近接検出配線Wp(0)〜Wp(6)のそれぞれの引き出し配線Pが検出処理回路8内において共通に接続されるものであってもよいし、タッチスクリーン1内において共通に接続されるものであってもよい。
以上の接続状態下で、近接検出回路84は、一端が共通に接続された近接検出配線Wp(0)〜Wp(6)と、指示体との間に形成される近接容量を検出する。なお、近接検出回路84が近接容量を検出するための方法としては、例えば、検出ノードNに接続された容量により発振周波数が変化する弛張発振に基づいて近接容量を検出する方法など、周知の方法を適用することが可能である。
ここで、本実施の形態1では、検出ノードNの検出電圧はバッファ回路86に入力される。そして、バッファ回路86は、近接検出モードの際に、検出ノードNに印加されている電圧(バッファ電圧)と同じ電圧を、第1スイッチ回路80を介して励起配線Wr(0)〜Wr(5)へ共通に印加する。すなわち、低インピーダンスのバッファ回路86により、励起配線31は検出電圧とほぼ同電位となる。これにより、検出ノードNからみて、近接検出配線45と励起配線31との間の配線間容量はほとんど無視できる程度になるので、近接容量の検出感度を高めることができる。
また、上述したように、複数の近接検出配線45は、複数の励起配線31よりも使用者が操作する側に配設されているので、近接検出配線45へのノイズを、シールド電極として機能する励起配線31によって抑制することができる。しかも、タッチスクリーン1の裏面に別途透明導電膜からなる専用のシールド電極を設けなくても、ノイズ抑制効果を得ることができるので、当該透明導電膜の分光特性に起因する色つきが生じなくて済むという副次的な効果も得ることができる。
近接判定回路85は、近接検出回路84で検出された近接容量の変化量に基づいて、指示体がタッチスクリーン1に近接しているか否かを判定する。例えば、近接判定回路85は、近接検出回路84で検出された近接容量の変化量が、予め定められた閾値よりも大きい場合には近接していると判定し、そうでない場合には近接していないと判定する。近接判定回路85は、判定結果を入出力回路88に出力する。
以上のように構成されたタッチパネル51によれば、相互容量検出方式により接触状態を検出する接触検出モード、及び、自己容量検出方式により近接状態を検出する近接検出モードを選択的に行うことができる。そして、上述したタッチスクリーン1を備えることにより、接触状態及び近接状態の検出感度を高めることができる。
<変形例>
以上の説明では、近接判定回路85は、近接容量の変化量と閾値との大小比較により、近接しているか否かを判定(検出)した。しかしこれに限ったものではなく、例えば、閾値を複数設け、上記変化量がどの閾値とどの閾値との間に属するかを判定することにより、より詳細な近接状態(例えば、タッチスクリーン1と指示体との距離など)を判定してもよい。
また、近接判定回路85は、近接容量の変化量を、入出力回路88を介して外部装置に出力し、当該外部装置において近接状態の判定等を行うものであってもよい。
また、タッチパネル51の接触検出モード及び近接検出モードの切り替える方法としては、例えば、検出制御回路87が、近接判定回路85の判定結果に基づいて、近接検出モードから接触検出モードに切り替えるものであってもよい。あるいは、例えば、検出制御回路87が、外部装置から、入出力回路88を介して入力された動作モード切替データに基づいて、接触検出モード及び近接検出モードを切り替えるものであってもよい。
また、以上の説明では、第2スイッチ回路81は、全ての近接検出配線Wp(0)〜Wp(6)と、近接検出回路84(検出ノードN)とを一律に接続または遮断した。しかしこれに限ったものではなく、近接検出モードの際に、近接検出配線Wp(0)〜Wp(6)と、近接検出回路84(検出ノードN)とを個別に接続または遮断可能なスイッチ回路を、第2スイッチ回路81に適用してもよい。
このような構成によれば、各近接検出配線Wp(0)〜Wp(6)に形成される近接容量の検出結果から、例えば、指示体が、タッチスクリーン1の行方向(x方向)においておおよそどの付近に近接しているかを判定することが可能となる。すなわち、単に近接/非近接の判定のみならず、左右方向(行方向)における近接位置も判定することができる。
<実施の形態2>
図11は、本発明の実施の形態2に係るタッチスクリーン1の構成を模式的に示す平面図である。なお、本実施の形態2に係るタッチスクリーン1において、実施の形態1で説明した構成要素と同一または類似するものについては同じ符号を付し、異なる点を中心に以下説明する。
実施の形態1では、各近接検出配線45は、断線されることなく、列方向(y方向)に延在していた。これに対して、本実施の形態2では、各近接検出配線45が、列方向(y方向)に隣り合う上側近接検出配線45a及び下側近接検出配線45b(二つの部分電極)を含んでいる。すなわち、近接検出配線Wp(0)の代わりに、上側近接検出配線Wu(0)及び下側近接検出配線Wl(0)が設けられており、近接検出配線Wp(1)の代わりに、上側近接検出配線Wu(1)及び下側近接検出配線Wl(1)が設けられており、…、近接検出配線Wp(6)の代わりに、上側近接検出配線Wu(6)及び下側近接検出配線Wl(6)が設けられている。そして、上側近接検出配線Wu(0)〜Wu(6)及び下側近接検出配線Wl(0)〜Wl(6)のそれぞれは、列方向(y方向)に延在している。
このような本実施の形態2に係るタッチスクリーン1及びそれを備えるタッチパネル51によれば、上側近接検出配線Wu(0)〜Wu(6)及び下側近接検出配線Wl(0)〜Wl(6)に形成される近接容量の検出結果から、例えば、指示体が、タッチスクリーン1の列方向(y方向)においておおよそどの付近に近接しているかを判定することが可能となる。すなわち、単に近接/非近接の判定のみならず、上下方向(列方向)における近接位置も判定することができる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。