JP6011636B2 - 光生体計測装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光生体計測装置に関し、さらに詳細には非侵襲で脳活動を測定する光生体計測装置に関する。
近年、脳の活動状況を観察するために、光を用いて簡便に非侵襲で測定する光脳機能イメージング装置が開発されている。このような光脳機能イメージング装置では、被検者の頭皮表面上に配置した送光プローブにより、異なる3種類の波長λ、λ、λ(例えば、780nmと805nmと830nm)の近赤外光を脳に照射するとともに、頭皮表面上に配置した受光プローブにより、脳から放出された各波長λ、λ、λの近赤外光の強度変化(受光量情報)ΔA(λ)、ΔA(λ)、ΔA(λ)をそれぞれ検出する。
そして、このようにして得られた受光量情報ΔA(λ)、ΔA(λ)、ΔA(λ)から、脳血流中のオキシヘモグロビンの濃度変化・光路長積[oxyHb]と、デオキシヘモグロビンの濃度変化・光路長積[deoxyHb]とを求めるために、例えば、ModifiedBeerLambert則を用いて関係式(1)(2)(3)に示す連立方程式を作成して、この連立方程式を解いている。さらには、オキシヘモグロビンの濃度変化・光路長積[oxyHb]と、デオキシヘモグロビンの濃度変化・光路長積[deoxyHb]とから総ヘモグロビンの濃度変化・光路長積([oxyHb]+[deoxyHb])を算出している。
ΔA(λ)=E(λ)×[oxyHb]+E(λ)×[deoxyHb]・・・(1)
ΔA(λ)=E(λ)×[oxyHb]+E(λ)×[deoxyHb]・・・(2)
ΔA(λ)=E(λ)×[oxyHb]+E(λ)×[deoxyHb]・・・(3)
なお、E(λm)は、波長λmの光におけるオキシヘモグロビンの吸光度係数であり、E(λm)は、波長λmの光におけるデオキシヘモグロビンの吸光度係数である。
ここで、送光プローブと受光プローブとの間の距離と、測定部位との関係について説明する。図4は、一対の送光プローブ及び受光プローブと、測定部位との関係を示す図である。送光プローブ12が被検者の頭皮表面の送光点Tに押し当てられるとともに、受光プローブ13が被検者の頭皮表面の受光点Rに押し当てられる。そして、送光プローブ12から光を照射させるとともに、受光プローブ13に頭皮表面から放出される光を入射させる。このとき、頭皮表面の送光点Tから照射された光のうちで、バナナ形状(測定領域)を通過した光が頭皮表面の受光点Rに到達する。これにより、測定領域の中でも、特に送光点Tと受光点Rとを被検者の頭皮表面に沿って最短距離で結んだ線の中点(頭皮表面上の測定関連点)Mから、送光点Tと受光点Rとを被検者の頭皮表面に沿って最短距離で結んだ線の距離の半分の深さである被検者の測定部位(脳表面上の測定関連点)Sに関する受光量情報A(λ)、A(λ)、A(λ)が得られるとしている。
また、光脳機能イメージング装置では、脳の複数箇所の測定部位に関するオキシヘモグロビンの濃度変化・光路長積[oxyHb]、デオキシヘモグロビンの濃度変化・光路長積[deoxyHb]及び総ヘモグロビンの濃度変化・光路長積([oxyHb]+[deoxyHb])をそれぞれ測定することが行われている。
このような光脳機能イメージング装置においては、15個の送光プローブと15個の受光プローブとを所定の配列で被検者の頭皮表面に接触させるために、ホルダが使用される。図5は、15個の送光プローブと15個の受光プローブとが挿入されるホルダの一例を示す平面図である。
送光プローブ12T1〜12T15と受光プローブ13R1〜13R15とは、縦方向に5個と横方向に6個とに交互となるように配置されている。このとき、送光プローブ12T1〜12T15と受光プローブ13R1〜13R15との間の間隔は、30mmとなっている。これにより、脳の49箇所の測定部位に関する受光量情報ΔA(λ)、ΔA(λ)、ΔA(λ)(n=1、2、・・・、49)を得ている。
そして、49個の受光量情報ΔA(λ)、ΔA(λ)、ΔA(λ)を所定時間間隔Δtで得ていくことで、関係式(1)(2)(3)を用いて、オキシヘモグロビンの濃度変化・光路長積[oxyHb]の経時変化(測定データ)X(t)、デオキシヘモグロビンの濃度変化・光路長積[deoxyHb]の経時変化(測定データ)Y(t)及び総ヘモグロビンの濃度変化・光路長積([oxyHb]+[deoxyHb])の経時変化(測定データ)Z(t)(n=1、2、・・・、49)を求めている。
このとき、医師や検査技師等が、被検者へ刺激(以下、「負荷」や「タスク」という)を与えて、被検者の脳を活動させたときの測定データX(t)、Y(t)、Z(t)を得ることも行われている(例えば、特許文献1参照)。
そして、医師や検査技師等は、被検者へタスクを与えたときの脳の活動領域を調べて、どの領域が何の機能を担っているのかを解明しようとする「脳の機能局在研究」も行われている。
さらに、脳の各領域の機能だけでなく、複数の領域間の関係を調べて、脳内ネットワークの機能を解明しようとする「脳領域間の接続性研究」も行われている。
例えば、下記式(4)を用いて、第一の測定部位Sで得られた測定データX(t)と、第二の測定部位Sで得られた測定データX(t)との相関の強さを示す相関係数値α1−2を求めている。
Figure 0006011636
ここで、図6は、第一の測定部位Sで得られた測定データX(t)と、他の測定部位Sで得られた測定データX(t)(n=2、・・・、49)との間の相関係数値α1−nを示した表示画面の一例である。図6に示す表示画面では、図5に示した平面図において、送光プローブ12T1〜12T15と受光プローブ13R1〜13R15とを最短距離で結んだ線の各中点が、その送光プローブ12から照射させた光を、その受光プローブ13で検出させたときに得られた測定点Sとなるようにしている。そして、表示画面に測定点Sを表示するとともに、測定データX(t)が得られた測定点Sと、測定データX(t)(n=2、・・・、49)が得られた各測定点Sとを、相関係数値α1−nに応じた太さの直線L1−nで結んでいる。
特開2004−184402号公報
しかしながら、図6に示す表示画面では脳を示す表示がないため、脳のどの領域とどの領域との間の相関係数値α1−nが大きいかを把握することが困難であり、さらに、一の直線L1−nと他の直線L1−n’とのオーバーラップにより、医師や検査技師等の観察において誤解を生じることがあった。また、脳の解剖学的構造には個人差があり、脳の形状が各人で違っていることから、脳の領域を正確に判別することができないという問題も生じていた。
そこで、本発明は、脳の領域間の相関関係値を正確に把握することができる光生体計測装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の光生体計測装置は、被検者の頭皮表面上に配置される複数個の送光プローブと、当該頭皮表面上に配置される複数個の受光プローブと、前記送光プローブが頭皮表面に光を照射するとともに、前記受光プローブが頭皮表面から放出される光を検出するように制御することで、複数個の測定部位に関する複数個の受光量情報を取得する送受光用制御部と、複数個の受光量情報に基づいて、複数個の測定データを取得する演算部と、各測定データ間の相関の強さを示す相関係数値を算出する相関係数算出部とを備える光生体計測装置であって、前記被検者を撮影することで取得された3次元脳表面画像を表示する3次元画像表示制御部と、前記3次元脳表面画像上に、前記測定データが得られる測定関連点を表示するとともに、前記相関係数値の大きさを示す線分で測定関連点と測定関連点とを結ぶように表示する相関係数表示制御部とを備え、前記3次元脳表面画像は、所望の方向から見た画像となるように、当該方向を変更可能として表示されることを特徴としている。
ここで、「測定データ」とは、受光プローブで検出された受光量情報の経時変化自体であってもよく、受光量情報から算出されたオキシヘモグロビン濃度の経時変化やデオキシヘモグロビン濃度の経時変化や全ヘモグロビン濃度の経時変化であってもよい。
また、「3次元脳表面画像」とは、例えば、MRIやCT画像等により作成された被検者の映像データから、脳表面を示す映像データを抽出することにより作成された3次元画像等のことをいう。
本発明の光生体計測装置によれば、次元脳表面画像上に、相関係数値の大きさを示す線分が重畳されて表示されるので、医師や検査技師等は、脳の領域間の相関係数値を正確に把握することができる。
(その他の課題を解決するための手段及び効果)
また、本発明の光生体計測装置においては、前記線分は、前記相関係数値の大きさに応じて太さが変化する直線であるようにしてもよい
また、本発明の光生体計測装置においては、前記測定関連点は、脳表面上では、前記送光プローブの位置と前記受光プローブの位置とを結んだ線の垂直二等分線と交差する位置とする脳表面上の測定関連点とするようにしてもよい。
そして、本発明の光生体計測装置においては、前記3次元脳表面画像は、所望の方向から見た画像となるように、当該方向を変更可能として表示されるようにしている
本発明の光生体計測装置によれば、3次元脳表面画像を所望の方向から見た画像となるように表示することができるので、特に注目したい領域が中心にくるようにして表示することができる。
さらに、本発明の光生体計測装置においては、前記3次元脳表面画像は、前記被検者を撮影することで取得されたものであるようにしている
本発明の光生体計測装置によれば、被検者の3次元脳表面画像を表示するので、脳の解剖学的構造の個人差にかかわらず、脳活動を詳細に考察することができる。
本発明の一実施形態である光生体計測装置の構成を示すブロック図。 本発明の光生体計測装置に表示される表示画面の一例を示す図。 本発明の光生体計測装置に表示される表示画面の他の一例を示す図。 一対の送光プローブ及び受光プローブと、測定部位との関係を示す図。 15個の送光プローブと15個の受光プローブとが挿入されるホルダの一例を示す平面図。 従来の光脳機能イメージング装置に表示される表示画面の一例を示す図。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は、以下に説明するような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の態様が含まれる。
図1は、本発明の一実施形態である光生体計測装置の構成を示すブロック図である。光生体計測装置1は、光を出射する光源2と、光源2を駆動する光源駆動機構4と、光を検出する光検出器3と、A/D(A/Dコンバータ)5と、送受光用制御部21と、演算部22と、相関係数算出部23と、相関係数表示制御部24と、3次元画像表示制御部32と、ポインタ表示制御部33と、測定関連点算出部34と、メモリ25とを備えるとともに、15個の送光プローブ12T1〜12T15と、15個の受光プローブ13R1〜13R15と、表示装置26と、入力装置27とを備える。
ここで、本発明に係る光生体計測装置1により表示される表示画面について説明する。
図2は、本発明に係る光生体計測装置1により表示される表示画面の一例を示す図である。図2に示す表示画面には、3次元頭皮表面画像41と、3次元脳表面画像42と、49個の測定関連点M(n=1,2,・・・,49)と、直線L1−nとが表示されている。49個の測定関連点Mは、3次元頭皮表面画像41上の所定位置(頭皮表面上の測定関連点に対応する位置)にそれぞれ表示されている。そして、測定関連点Mと測定関連点Mとを結ぶ直線L1−2が太さ5mmで表示され、測定関連点Mと測定関連点Mとを結ぶ直線L1−3が太さ3mmで表示されるように、測定関連点Mと他の各測定関連点M(n=2,・・・,49)とを結ぶ直線L1−nがそれぞれの太さで表示されている。なお、頭皮表面画像41は、半透明で表示されている。
また、図3は、本発明に係る光生体計測装置1により表示される表示画面の他の一例を示す図である。図3に示す表示画面には、3次元脳表面画像42と、49個の測定関連点S(n=1,2,・・・,49)と、直線L1−nとが表示されている。49個の測定関連点Sは、3次元脳表面画像42上の所定位置(脳表面上の測定関連点に対応する位置)にそれぞれ表示されている。そして、測定関連点Sと測定関連点Sとを結ぶ直線L1−2が太さ5mmで表示され、測定関連点Sと測定関連点Sとを結ぶ直線L1−3が太さ3mmで表示されるように、測定関連点Sと他の各測定関連点S(n=1,2,4,・・・,49)とを結ぶ直線L1−nがそれぞれの太さで表示されている。
次に、図2や図3の表示画面を表示するための光生体計測装置1の構成について説明する。
光源駆動機構4は、送受光用制御部21から入力された駆動信号により光源2を駆動する。光源2は、例えば異なる3種類の波長λ、λ、λの近赤外光を出射することができる半導体レーザLD1、LD2、LD3等である。
光検出器3は、例えば光電子増倍管等であり、15個の受光プローブ13R1〜13R15で受光した近赤外光を個別に検出することにより、15個の受光量情報ΔA(λ)、ΔA(λ)、ΔA(λ)をA/D5を介して送受光用制御部21に出力する。
送受光用制御部21は、所定の時間に1個の送光プローブ12に光を送光する駆動信号を光源駆動機構4に出力するとともに、受光プローブ13で受光された受光量情報ΔA(λ)、ΔA(λ)、ΔA(λ)(n=1,2,・・・,49)を光検出器3で検出する制御を行う。具体的には、まず5ミリ秒間、送光プローブ12T1に波長780nmの光を送光させ、次の5ミリ秒間、送光プローブ12T1に波長805nmの光を送光させ、次の5ミリ秒間、送光プローブ12T1に波長830nmの光を送光させ、次の5ミリ秒間、送光プローブ12T2に波長780nmの光を送光させるように、所定のタイミングで1個の送光プローブ12T1〜12T15に光を順番に送光させていく。このとき、いずれか1個の送光プローブ12T1〜12T15に光を送光させるごとに、15個の受光プローブ13R1〜13R15で受光量情報を検出することになるが、所定のタイミングで検出した所定(光を照射した送光プローブと隣接する)の受光プローブ13R1〜13R15の受光量情報をメモリ25に記憶させる。これにより、合計49個の受光量情報ΔA(λ)、ΔA(λ)、ΔA(λ)(n=1,2,・・・,49)の収集が行われる。
演算部22は、メモリ25に記憶された49個の受光量情報ΔA(λ)、ΔA(λ)、ΔA(λ)に基づいて、関係式(1)(2)(3)を用いて、オキシヘモグロビンの濃度変化・光路長積[oxyHb]の経時変化(測定データ)X(t)、デオキシヘモグロビンの濃度変化・光路長積[deoxyHb]の経時変化(測定データ)Y(t)及び総ヘモグロビンの濃度変化・光路長積([oxyHb]+[deoxyHb])の経時変化(測定データ)Z(t)(n=1,2,・・・,49)を求める制御を行う。
相関係数算出部23は、各測定データX(t)、Y(t)、Z(t)間の相関の強さを示す相関係数値αn−n’を算出する制御を行う。例えば、前記式(4)を用いて、第一の測定部位Sで得られたオキシヘモグロビンの濃度変化・光路長積[oxyHb]の経時変化(測定データ)X(t)と、第二の測定部位Sで得られたオキシヘモグロビンの濃度変化・光路長積[oxyHb]の経時変化(測定データ)X(t)との間の相関係数値α1−2を算出し、第一の測定部位Sで得られたオキシヘモグロビンの濃度変化・光路長積[oxyHb]の経時変化(測定データ)X(t)と、第三の測定部位Sで得られたオキシヘモグロビンの濃度変化・光路長積[oxyHb]の経時変化(測定データ)X(t)との間の相関係数値α1−3を算出するように、1176個(4948個)の相関係数値αn−n’を算出する。また、式(4)を用いて、第一の測定部位Sで得られたデオキシヘモグロビンの濃度変化・光路長積[oxyHb]の経時変化(測定データ)Y(t)と、第二の測定部位Sで得られたデオキシヘモグロビンの濃度変化・光路長積[oxyHb]の経時変化(測定データ)Y(t)との間の相関係数値β1−2を算出し、第一の測定部位Sで得られたデオキシヘモグロビンの濃度変化・光路長積[oxyHb]の経時変化(測定データ)Y(t)と、第三の測定部位Sで得られたデオキシヘモグロビンの濃度変化・光路長積[oxyHb]の経時変化(測定データ)Y(t)との間の相関係数値β1−3を算出するように、1176個(4948個)の相関係数値βn−n’を算出する。さらに、式(4)を用いて、第一の測定部位Sで得られた総オキシヘモグロビンの濃度変化・光路長積[oxyHb]の経時変化(測定データ)Z(t)と、第二の測定部位Sで得られた総オキシヘモグロビンの濃度変化・光路長積[oxyHb]の経時変化(測定データ)Z(t)との間の相関係数値γ1−2を算出し、第一の測定部位Sで得られた総オキシヘモグロビンの濃度変化・光路長積[oxyHb]の経時変化(測定データ)Z(t)と、第三の測定部位Sで得られた総オキシヘモグロビンの濃度変化・光路長積[oxyHb]の経時変化(測定データ)Z(t)との間の相関係数値γ1−3を算出するように、1176個(4948個)の相関係数値γn−n’を算出する。
3次元画像表示制御部32は、3次元画像取得部32dと、頭皮表面画像表示制御部32aと、脳表面画像表示制御部32bと、画像切替部32cとを有する。
3次元画像取得部32dは、計測前にMRI100により作成された映像データを取得することにより、頭皮表面を示す映像データを抽出することで3次元頭皮表面画像データを取得するとともに、脳表面を示す映像データを抽出することで3次元脳表面画像データを取得して、3次元頭皮表面画像データと3次元脳表面画像データとをメモリ25に記憶させる制御を行う。ここで、MRI100は、3方向の2次元画像を示す映像データを作成するものである。なお、映像データは、頭皮表面と脳表面とを含む被険者を示すものである。また、映像データは、MRI信号の強度情報や位相情報等の数値を有する複数のピクセルから構成される。そして、上述した抽出する方法としては、例えば、MRI信号の強度情報や位相情報等の数値を有する複数のピクセルを用いることにより、領域拡張法、領域併合法、ヒューリスティック法等の画像領域分割方法、境界要素を連結して領域を抽出する方法、閉曲線を変形させて領域を抽出する方法等を利用することが挙げられる。
頭皮表面画像表示制御部32aは、メモリ25に記憶された3次元頭皮表面画像データに基づいて、図2の3次元頭皮表面画像41を表示装置26に表示する制御を行う。なお、操作者が入力装置27を用いて、所望の方向から見た3次元頭皮表面画像41となるように、方向を変更して表示することができるようになっている。また、3次元頭皮表面画像41は、半透明で表示されたり、着色して表示されたりすることができるようになっている。
脳表面画像表示制御部32bは、メモリ25に記憶された3次元脳表面画像データに基づいて、3次元脳表面画像42を表示装置26に表示する制御を行う。なお、操作者が入力装置27を用いて、所望の方向から見た3次元脳表面画像42となるように、方向を変更して表示することができるようになっている。
画像切替部32cは、操作者が入力装置27を用いて操作信号を入力することにより、3次元頭皮表面画像41を頭皮表面画像表示制御部32aに表示させるように決定したり、3次元脳表面画像42を脳表面画像表示制御部32bに表示させるように決定したり、3次元頭皮表面画像41を頭皮表面画像表示制御部32aに表示させると同時に3次元脳表面画像42を脳表面画像表示制御部32bに表示させるように決定したりする制御を行う。なお、3次元頭皮表面画像41を表示させると同時に3次元脳表面画像42を表示させる場合には、3次元頭皮表面画像41と3次元脳表面画像42とは位置を合わせた状態で重ねて表示されるようにしている。
ポインタ表示制御部33は、表示装置26にポインタ(図示せず)を表示するとともに、入力装置27から出力された操作信号に基づいて、表示装置26に表示されたポインタを移動したり、ポインタで画像上の位置を指定したりする制御を行う。
測定関連点算出部34は、表示装置26に表示された3次元頭皮表面画像41や3次元脳表面画像42の所定の位置がポインタで指定されることにより、メモリ25に記憶された3次元頭皮表面画像データと3次元脳表面画像データとを用いて、被検者の脳表面上や頭皮表面上との測定関連点S、Mを決定する制御を行う。例えば、3次元頭皮表面画像41の所定の第一の位置がポインタで指定されると、指定された第一の位置が脳表面上の第一の測定関連点Sとなり、第一の測定関連点Sから最短距離にある頭皮表面上の位置が頭皮表面上の第一の測定関連点Mとなる。そして、3次元頭皮表面画像41上の第一の測定関連点Mが中点となる送光プローブ12の位置と受光プローブ13の位置とを算出して表示する。また、3次元頭皮表面画像41の所定の第二の位置がポインタで指定されると、指定された第二の位置が脳表面上の第二の測定関連点Sとなり、第二の測定関連点Sから最短距離にある頭皮表面上の位置が頭皮表面上の第一の測定関連点Mとなる。そして、3次元頭皮表面画像41上の第二の測定関連点Mが中点となる送光プローブ12の位置と受光プローブ13の位置とを算出して表示する。
このように、頭皮表面上のN個の測定関連点M(n=1,2,・・・,49)と、脳表面上のN個の測定関連点S(n=1,2,・・・,49)とが決定され、送光プローブ12の位置と受光プローブ13の位置とが表示される。これにより、医師や検査技師等は、被検者の頭皮表面上における送光プローブ12の配置位置と受光プローブ13の配置位置とを把握することができる。
相関係数表示制御部24は、3次元頭皮表面画像41や3次元脳表面画像42上に、測定関連点算出部34で決定された測定関連点S、Mを表示するとともに、相関係数値αn−n’の大きさを示す直線Ln−n’で測定関連点S、Mと測定関連点S、Mとを結ぶように表示する制御を行う。このとき、相関係数値αn−n’の大きさと直線Ln−n’の太さとの対応関係を示すテーブルに基づいて、相関係数値αn−n’の大きさを直線Ln−n’の太さで表現する。例えば、相関係数値αn−n’が0.7以上であるときには、直線Ln−n’の太さは5mmとなり、相関係数値αn−n’が0.4以上0.7未満であるときには、直線Ln−n’の太さは3mmとなり、相関係数値αn−n’が0.1以上0.4未満であるときには、直線Ln−n’の太さは1mmとなり、相関係数αn−n’が0.1未満であるときには、直線Ln−n’の太さは0mm(直線は非表示)となるようにする。
そして、例えば、画像切替部32cで3次元頭皮表面画像41と3次元脳表面画像42とを表示させ、測定データX(t)と他の各測定データX(t)(n=2,・・・,49)との間の相関係数値α1−nを表示させるように操作者が入力装置27を用いて指示した場合には、相関係数表示制御部24は、3次元頭皮表面画像41上に49個の測定関連点Mを表示して、測定データX(t)と測定データX(t)との間の相関係数値α1−2が0.7であるので、測定関連点Mと測定関連点Mとを結ぶ直線L1−2を太さ5mmで表示させ、測定データX(t)と測定データX(t)との間の相関係数値α1−3が0.3であるので、測定関連点Mと測定関連点Mとを結ぶ直線L1−3を太さ1mmで表示させるように、測定関連点#Mと他の各測定関連点M(n=2,・・・,49)とを結ぶ直線L1−nをそれぞれの太さで表示させる。(図2参照)。
これにより、3次元頭皮表面画像41と3次元脳表面画像42上に、相関係数値α1−nの大きさを示す直線L1−nが重畳して表示されるので、医師や検査技師等は、脳の領域間の相関係数値α1−nを正確に把握することができる。
また、画像切替部32cで3次元脳表面画像42を表示させ、測定データY(t)と他の各測定データY(t)(n=1,2,4・・・,49)との間の相関係数値β3−nを表示させるように操作者が入力装置27を用いて指示した場合には、相関係数表示制御部24は、3次元脳表面画像42上に49個の測定関連点Sを表示して、測定関連点Sと測定関連点Sとを結ぶ直線L1−2を太さ5mmで表示させ、測定関連点Sと測定関連点Sとを結ぶ直線L1−3を太さ3mmで表示させるように、測定関連点Sと他の各測定関連点M(n=1,2,4,・・・,49)とを結ぶ直線L1−nをそれぞれの太さで表示させる(図3参照)。
これにより、3次元脳表面画像42上に、相関係数値β1−nの大きさを示す直線L1−nが重畳されて表示されるので、医師や検査技師等は、脳の領域間の相関係数値β1−nを正確に把握することができる。
さらに、光生体計測装置1では、3次元頭皮表面画像41や3次元脳表面画像42を所望の方向から見た画像となるように、方向を変更可能として表示することができるので、相関係数表示制御部24は、49個の測定関連点S、Mと直線Ln−n’とを表示する位置も移動させることになる。
以上のように、本発明の光生体計測装置1によれば、3次元頭皮表面画像41や3次元脳表面画像42上に、相関係数値αn−n’、βn−n’、γn−n’の大きさを示す直線Ln−n’が重畳して表示されるので、医師や検査技師等は、脳の領域間の相関係数値αn−n’、βn−n’、γn−n’を正確に把握することができる。また、3次元頭皮表面画像41や3次元脳表面画像42を所望の方向から見た画像となるように表示することができるので、特に注目したい領域が表示画面の中心にくるように表示することができる。さらに、被検者自身の3次元頭皮表面画像41や3次元脳表面画像42を表示することができるので、脳の解剖学的構造の個人差にかかわらず、脳活動を詳細に考察することができる。
<他の実施形態>
(1)上述した光生体計測装置1では、測定データX(t)と他の各測定データX(t)(n=2,・・・,49)との間の相関係数値α1−nを表示させる構成を示したが、全ての測定データX(t)間の相関係数値αn−n’を表示させる構成としてもよい。つまり、1176個(4948個)の直線Ln−n’を表示してもよい。
(2)上述した光生体計測装置1では、3次元頭皮表面画像41や3次元脳表面画像42上に、測定関連点S、Mと直線Ln−n’とを表示する構成を示したが、3次元テンプレート上に、測定関連点S、Mと直線Ln−n’とを表示する構成としてもよい。
本発明は、非侵襲で脳活動を測定する光生体計測装置等に利用することができる。
1: 光生体計測装置
12: 送光プローブ
13: 受光プローブ
21: 送受光用制御部
22: 演算部
23: 相関係数算出部

Claims (3)

  1. 被検者の頭皮表面上に配置される複数個の送光プローブと、
    当該頭皮表面上に配置される複数個の受光プローブと、
    前記送光プローブが頭皮表面に光を照射するとともに、前記受光プローブが頭皮表面から放出される光を検出するように制御することで、複数個の測定部位に関する複数個の受光量情報を取得する送受光用制御部と、
    複数個の受光量情報に基づいて、複数個の測定データを取得する演算部と、
    各測定データ間の相関の強さを示す相関係数値を算出する相関係数算出部とを備える光生体計測装置であって、
    前記被検者を撮影することで取得された3次元脳表面画像を表示する3次元画像表示制御部と、
    前記3次元脳表面画像上に、前記測定データが得られる測定関連点を表示するとともに、前記相関係数値の大きさを示す線分で測定関連点と測定関連点とを結ぶように表示する相関係数表示制御部とを備え
    前記3次元脳表面画像は、所望の方向から見た画像となるように、当該方向を変更可能として表示されることを特徴とする光生体計測装置。
  2. 前記線分は、前記相関係数値の大きさに応じて太さが変化する直線であることを特徴とする請求項1に記載の光生体計測装置。
  3. 前記測定関連点は、脳表面上では、前記送光プローブの位置と前記受光プローブの位置とを結んだ線の垂直二等分線と交差する位置とする脳表面上の測定関連点とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光生体計測装置。
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