JP2004187743A - 医用3次元画像表示装置 - Google Patents

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陽介 井上
Yukio Ito
幸雄 伊藤
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Abstract

【課題】ボリュームレンダリング法で得られた画像上での3次元位置情報を同定できる医用3次元画像処理装置を提供する。
【解決手段】CPU1は、マウス7により設定された画像表示された画像上での注目箇所に対応する不透明度の位置情報から3次元的な位置を同定させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、3次元画像処理装置に係わり、特にボリュームレンダリング画像上で3次元的な位置の指定を簡便に行う技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、3次元画像は、複数の断層像(2次元画像)を積上げたボリュームデータを、ある視点または光源からそのボリュームデータを見た投影画像を投影面に投影する。その投影像は見かけ上、遠近感のあるように陰影付け処理が行われている。その陰影付けの一手法がレンダリング法と呼ばれ、ボリュームデータに仮想の光が透過する度合いを示す「不透明度」と、観察したい物体の一部と見なすかどうかの画素値の境界を示す「閾値」とを計算上で定義して、そのボリュームデータからの反射光を投影した手法がボリュームレンダリング法と呼ばれる。
従来のボリュームレンダリング法においては、次のような技術文献がある。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−319220号公報
【0004】
画像データのボリュームから関係のあるデータを迅速に抽出し、視覚化する方法は、画像ボリュームから導出された、調整可能な視覚的パラメータを有する低減忠実度画像を迅速に生成するステップと、この迅速な生成の間に低減忠実度画像の視覚的パラメータを調節して、望みの調整を選択するステップと、画像ボリュームから導出されたフル忠実度画像を生成するステップと、このフル忠実度画像に選択した調整を適用するステップとを含む。この実施形態は、画像の分析に必要とされる時間を短縮する迅速な応答とともに、安価なハードウェアでのインタラクティブなボリュームレンダリング機能を提供する。これによって、3次元ボリューム・データ・セットから関係のある画像データを迅速に抽出する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ボリュームレンダリング法で得られた画像のような表面や境界がはっきりしない場合、注目個所の3次元位置の同定や3次元的な計測は困難であるという問題があった。
【0006】
そのため、距離や角度の計測、マルチ・プランナ・リコンストラクション(MPR)像の断面位置の設定、セグメンテーション部位の指定などに利用する3次元的な注目点の位置をボリュームレンダリング法で得られた画像上で指定するのは困難であった。
【0007】
本発明の目的は、ボリュームレンダリング法で得られた画像上での3次元位置情報を同定できる医用3次元画像処理装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、複数の断層画像を積上げた積上げ3次元画像を所定の不透明度によりボリュームレンダリング法にて画像表示する医用3次元画像表示装置において、前記画像表示された画像上での注目箇所を設定する手段と、該設定された注目箇所に対応する不透明度の位置情報から3次元的な位置を同定する手段とを備えたことで達成される。
【0009】
つまり、上記同定手段は、ボリュームレンダリング法によって得られた画像を作成する際の投影過程を分析し、最もレンダリング画像に寄与している画素の位置を割り出すことにより、ボリュームレンダリング画像上での3次元的な注目位置の同定を可能とするものである。
【0010】
また、3次元的注目位置を含む断層像、MPR画像を自動的に表示したり、その自動表示された断層像、MPR画像上において前記注目位置を表示したりすれば、上記同定手段3次元的な位置を同定するのに役立つ。
【0011】
また、上記同定手段によって複数の注目点を同定すれば、前記3次元的注目位置を複数設定し、前記複数の注目位置から3次元的な直線距離または任意経路長または角度を計測でき、それら注目位置を用いて前記注目位置を基準点としてセグメンテーション処理ができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
本発明が適用可能なハードウェア構成例を示すブロック図を図1に示す。
【0013】
図1において、1はCPU、2は主メモリ、3は磁気ディスク、4は表示メモリ、5はCRT、6はコントローラ、7はマウス、9は通信インターフェース、10はリムーバブル記憶媒体インターフェース、11は各種ドライブ装置、12は画像処理アクセラレータで、これらは共通バス8に接続されている。
【0014】
磁気ディスク3には、複数の断層像および本発明方法の実行のためのプログラムなどが格納されている。CPU1は、これら複数の断層像及び本発明の実行のためのプログラムを読み出し、主メモリ2を用いて3次元画像処理などの演算を行い、その結果を表示メモリ4に送り、CRT5に表示させる。コントロール6に接続されたマウス7は、ボリュームレンダリング法で得られた画像観察時の視点や閾値などの変更、その画像上での注目点の指定に使用する一手段として用いる。
【0015】
9はローカルエリアネットワーク等の通信インターフェースであり、X線CT装置やMRI装置と通信し、画像データを取得するのに使用する。10はSCSI等を使用するリムーバブル記憶媒体インターフェースであり、これにMOD、DAT、8mmテープ、CD、CDR、DVDなどのドライブ装置11を接続し、各種ドライブ装置に適応する媒体を使用し、X線CT装置やMRI装置からのデータの取得及び処理データの外部記憶、保管を行う。画像処理アクセラレータ12は、3次元画像処理を高速に行うものである。本システム構成では、画像処理アクセラレータがなくてもCPUで処理が行えるものとする。CRT13は拡張用CRTであり、必要に応じて複数装備可能とする。
【0016】
次にこのように構成された3次元画像処理装置を用いて実施する本発明の一連の処理方法について、図2を用いて説明する。
【0017】
図2において、注目点指定を行う表示画面の構成について説明する。
表示画面は、ボリュームデータ14をボリュームレンダリング処理した結果画像15の表示領域16を有する。表示領域16上でのマウス7操作や、その他の設定方法17によって、視点(観察方向)、閾値、不透明度、光源などを任意に変更し、インタラクティブにボリュームレンダリング画像15を表示することが可能である。
【0018】
次に、図3を使用して、表示画面上での注目点の指定方法について説明する。注目点18の指定は、ボリュームレンダリング画像15の表示領域16上において、マウス7の操作によりマウスポインタ19を任意の点に移動させクリックすることにより行う。指定したい部分が見にくい場合は、ボリュームデータ14を回転させるなどすることも可能である。
【0019】
次に、ボリュームレンダリング画像15上で指定された注目点18から実際の3次元的な注目位置26を同定する方法について説明する。
【0020】
まず、図4を使用して、ボリュームレンダリング処理の基本アルゴリズムについて簡単に説明する。ボリュームレンダリングは、視点20・光源21・ボリュームデータ14の位置関係を設定し、ボリュームデータ14からの反射光22の総和を、視界を表す投影面23に投影する手法である。ここでは説明を簡単にするために、視点20と光源21は同じ場所で、無限遠点にあるものと仮定する。この場合、平行投影法を採用することとなる。実際の計算では、光源21からの光がボリュームデータ14の各画素24によって反射・透過される計算を視線方向25に沿って繰り返し、それら反射光22の総和を投影面23に投影する。
【0021】
ここで、投影において最も寄与している画素、つまり、累積反射光22の中で最大の反射光を持つ画素の位置を3次元的な注目位置26として同定する。各画素24の反射光22は、ボリュームレンダリング処理の過程において、投影(視線)方向25に沿った光の反射・透過計算によって求められる。
【0022】
図5では、各画素24の反射・透過計算の一例、および、その計算を用いた場合の3次元的注目位置26の同定例を示す。この例では、ボリュームデータのある画素24の不透明度27をα、同画素への入射光28をLとした場合、同画素からの反射光22はL×α、透過光29はL×(1−α)となる。この透過光29は同画素の次の画素の入射光28となる。
【0023】
実際には、指定された注目点18から投影方向25に前記計算を行う方法や、事前にボリュームレンダリング法によって得られた画像15の作成の過程において前記3次元的注目点26となり得る画素の位置情報を保持しておく方法などが考えられる。
【0024】
次に、図6を使用して、同定した3次元的注目点26の位置を断層像30やMPR画像31上に表示する方法について説明する。
【0025】
ボリュームレンダリング法によって得られた画像15上で設定した注目点18から前記手法により3次元的な注目位置26を割り出し、その画素26を含む元の断層像30を自動的に表示し、さらにその断層像30上での位置をマーカ32などにより表示する。また、前記画素26を含む直交3MPR画像31を自動的に表示し、さらにそのMPR画像31上での位置をマーカ32などにより表示する。これにより、画像15上にて注目した点26を断層像30やNPR画像31上にて容易に確認することが可能となる。
【0026】
さらに、前記と同様に注目点を2点設定することにより3次元的な直線距離を、3点設定することにより3次元的な角度を、複数点設定することによりそれらを繋ぐ3次元的な任意経路長を測定することが可能となる。前記同定方法で取得した3次元的な注目点は3次元的な座標情報を持っているため、前記距離や角度の測定は数学的な計算により容易に求めることが可能である。
【0027】
また、前記と同様に注目点を1点もしくは複数点設定することにより、それらの点を基準としたセグメンテーション処理を実行することが可能となる。例えば、セグメンテーション処理として一般的に用いられる手法であるリージョングローイング法では、ある基準点から周囲の画素との値の違いや連結性などを見ながら領域を広げていくことで特定の部位を抽出する。前記ボリュームレンダリング画像から求めた3次元的注目点はこの際の基準点として利用することができる。
【0028】
以上説明した実施形態によれば、ボリュームレンダリング処理の過程において最も結果画像に寄与している画素の位置を割り出すことにより、ボリュームレンダリング法によって得られた画像上での3次元的な注目位置を同定することが可能となった。また、断層像やMPR画像上での位置表示、3次元的な距離・角度の計測、セグメンテーションの基準点に利用するための注目点をボリュームレンダリング画像上において指定することが可能となった。
【0029】
【発明の効果】
本発明は、ボリュームレンダリング法で得られた画像上での3次元位置情報を同定できる医用3次元画像処理装置を提供するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用可能なハードウェア構成図。
【図2】画像の表示画面を示す図。
【図3】画像の表示画面において注目点の指定方法を示す図。
【図4】ボリュームレンダリング処理を説明するための概略図。
【図5】3次元的な注目位置の同定例を示す図。
【図6】注目点を断層像上やMPR画像上で確認する方法を示す図。
【符号の説明】
1…CPU、2…主メモリ、3…磁気ディスク、4…表示メモリ、5…CRT、6…コントローラ、7…マウス、8…共通バス、9…通信インターフェース、10…リムーバブル記憶媒体インターフェース、11…各種ドライブ装置、12…画像処理アクセラレータ、13…拡張用CRT、14…ボリュームデータ、15…ボリュームレンダリング法によって得られた画像、16…15の画像の表示領域、17…表示領域上でのマウス操作以外の設定法、18…画像上での2次元的な注目点、19…マウスポインタ、20…視点、21…光源、22…反射光、23…投影面、24…ボリュームデータの任意画素、25…視線方向、投影方向、26…3次元的な注目点(位置)、27…不透明度、28…入射光、29…透過光、30…断層像、31…MPR画像、32…位置表示用のマーカ

Claims (1)

  1. 複数の断層画像を積上げた積上げ3次元画像を所定の不透明度によりボリュームレンダリング法にて画像表示する医用3次元画像表示装置において、前記画像表示された画像上での注目箇所を設定する手段と、該設定された注目箇所に対応する不透明度の位置情報から3次元的な位置を同定する手段とを備えたことを特徴とする医用3次元画像処理装置。
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