JP6281628B2 - 光計測システム - Google Patents
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Description
そして、このようにして得られた受光量情報ΔA(λ1)、ΔA(λ2)、ΔA(λ3)から、脳血流中のオキシヘモグロビンの濃度変化・光路長積[oxyHb]と、デオキシヘモグロビンの濃度変化・光路長積[deoxyHb]とを求めるために、例えば、Modified Beer Lambert則を用いて関係式(1)(2)(3)に示す連立方程式を作成して、この連立方程式を解いている。さらには、オキシヘモグロビンの濃度変化・光路長積[oxyHb]と、デオキシヘモグロビンの濃度変化・光路長積[deoxyHb]とから総ヘモグロビンの濃度変化・光路長積([oxyHb]+[deoxyHb])を算出している。
ΔA(λ1)=EO(λ1)×[oxyHb]+Ed(λ1)×[deoxyHb]・・・(1)
ΔA(λ2)=EO(λ2)×[oxyHb]+Ed(λ2)×[deoxyHb]・・・(2)
ΔA(λ3)=EO(λ3)×[oxyHb]+Ed(λ3)×[deoxyHb]・・・(3)
なお、EO(λm)は、波長λmの光におけるオキシヘモグロビンの吸光度係数であり、Ed(λm)は、波長λmの光におけるデオキシヘモグロビンの吸光度係数である。
送光プローブ12が被検者の頭皮表面の送光点Tに押し当てられるとともに、受光プローブ13が被検者の頭皮表面の受光点Rに押し当てられる。そして、送光プローブ12から光を照射させるとともに、受光プローブ13に頭皮表面から放出される光を入射させる。このとき、頭皮表面の送光点Tから照射された光のうちで、バナナ形状(測定領域)を通過した光が、頭皮表面の受光点Rに到達する。これにより、測定領域の中でも、特に送光点Tと受光点Rとを被検者の頭皮表面に沿って最短距離で結んだ線の中点Mから、送光点Tと受光点Rとを被検者の頭皮表面に沿って最短距離で結んだ線の距離の半分の深さLである被検者の測定部位Sに関する受光量情報ΔA(λ1)、ΔA(λ2)、ΔA(λ3)が得られるとしている。
図11は、従来の近赤外分光分析計の概略構成の一例を示すブロック図である。近赤外分光分析計101は、光を出射する光源2と、光源2を駆動する光源駆動機構4と、光を検出する光検出器3と、A/D(A/Dコンバータ)5と、送受光用制御部121と、解析用制御部122と、メモリ(記憶部)123とを備えるとともに、16個の送光プローブ12と、16個の受光プローブ13と、モニタ画面26a等を有する表示装置26と、キーボード(入力装置)27とを備える。
光検出器3は、近赤外光をそれぞれ検出することにより、受光信号(受光量情報)ΔA(λ1)、ΔA(λ2)、ΔA(λ3)をA/D5を介して送受光用制御部121に出力する検出器であり、例えば光電子増倍管等である。
送光プローブ12T1〜12T8と受光プローブ13R1〜13R8とは、縦方向に4個と横方向に4個とに交互となるように配置されるとともに、送光プローブ12T9〜12T16と受光プローブ13R9〜13R16とは、縦方向に4個と横方向に4個とに交互となるように配置されることになる。これにより、送光プローブ12と受光プローブ13とのプローブ間隔が一定となり、頭皮表面から特定の深度となる受光量情報ΔA(λ1)、ΔA(λ2)、ΔA(λ3)を得ている。なお、一般的にチャンネルを30mmとしたものが用いられ、チャンネルが30mmである場合には、チャンネルの中点からの深度15mm〜20mmの受光量情報ΔA(λ1)、ΔA(λ2)、ΔA(λ3)が得られると考えられている。すなわち、頭皮表面から深度15mm〜20mmの位置は脳表部位にほぼ対応し、脳活動に関係した受光量情報ΔA(λ1)、ΔA(λ2)、ΔA(λ3)を得ている。
送受光用制御部121は、制御テーブル記憶領域123aに記憶された制御テーブルに基づいて、所定の時間に1個の送光プローブ12に光を送光する駆動信号を光源駆動機構4に出力するとともに、受光プローブ13で受光された受光信号(受光量情報)を光検出器3で検出してデータ記憶領域123bに記憶させている。
なお、8個の送光プローブ12T9〜12T16と8個の受光プローブ13R9〜13R16とも、8個の送光プローブ12T1〜12T8と8個の受光プローブ13R1〜13R8と同様であるので、説明を省略する。これにより、図4に示すように平面視すると、合計48個の受光量情報ΔA(λ1)、ΔA(λ2)、ΔA(λ3)の収集が行われる。
なお、各測定データにおける縦軸を被検者がホルダ30を装着した時点のオキシヘモグロビンの濃度変化・光路長積[oxyHb](デオキシヘモグロビンの濃度変化・光路長積[deoxyHb]、総ヘモグロビンの濃度変化・光路長積([oxyHb]+[deoxyHb]))からのオキシヘモグロビンの濃度変化・光路長積[oxyHb](デオキシヘモグロビンの濃度変化・光路長積[deoxyHb]、総ヘモグロビンの濃度変化・光路長積([oxyHb]+[deoxyHb]))の変化量とし、横軸を時間tとする。
なお、互いに光がほとんど干渉しない遠く離れた送光プローブ12どうしであれば、複数の送光プローブ12に同時に送光して、測定の能率を高めることもできるが、そのようにしても、タスク期間の開始時間の前後の時間帯に現れる血流変化を観察することができないという問題点があった。
そこで、少数の送光プローブ12と少数の受光プローブ13とを有するホルダを用いて、測定時間間隔を短くすることも考えられるが、そのようにすると、被検者の脳の一部の脳活動の時間変化に関する測定データしか得ることができなくなり、必要な脳の部位の脳活動の時間変化に関する測定データを取り逃すという問題が発生する。
光計測装置(光計測システム)1は、光を出射する光源2と、光源2を駆動する光源駆動機構4と、光を検出する光検出器3と、A/D(A/Dコンバータ)5と、送受光用制御部21と、解析用制御部22と、制御テーブル作成部(選択手段)24と、メモリ(記憶部)23とを備えるとともに、16個(N個)の送光プローブ12と、16個(M個)の受光プローブ13と、モニタ画面26a等を有する表示装置26と、キーボード(入力装置)27とを備える。
図3は、広範囲制御テーブルの一例を説明するための図であり、図4は、48個の受光量情報が得られる脳の位置を説明するための図である。なお、広範囲制御テーブルは、近赤外分光分析計101の制御テーブルと同様に用いられるので、説明を省略する。
このような狭範囲制御テーブルによれば、まず5ミリ秒間、送光プローブ12T2に波長780nmの光を送光させ、次の5ミリ秒間、送光プローブ12T2に波長805nmの光を送光させ、次の5ミリ秒間、送光プローブ12T2に波長830nmの光を送光させ、次の5ミリ秒間、送光プローブ12T3に波長780nmの光を送光させるように、所定のタイミングで1個の送光プローブ12に光を順番に送光させていく。このとき、いずれか1個の送光プローブ12に光を送光させるごとに、8個の受光プローブ13R1〜13R8で受光信号を検出することになるが、所定のタイミングで検出した所定の受光プローブ13の受光信号をメモリ23のデータ記憶領域23bに記憶させる。具体的には、送光プローブ12T2からの光を検出した受光プローブ13R1と受光プローブ13R2と受光プローブ13R4との受光信号をデータ記憶領域23bに記憶させ、送光プローブ12T3からの光を検出した受光プローブ13R1と受光プローブ13R4と受光プローブ13R5との受光信号をデータ記憶領域23bに記憶させるように、所定のタイミングで検出した所定の受光プローブ13の受光信号をデータ記憶領域23bに記憶させる。このとき、被検者の脳の一部の脳活動に関する測定データを得る測定時間間隔は、80ミリ秒間(送光プローブの数×波長数×5ミリ秒+DARK時間)となる。
なお、5個の送光プローブ12と4個の受光プローブ13とも、4個の送光プローブ12と5個の受光プローブ13と同様であるので、説明を省略する。これにより、図7に示すように平面視すると、合計24個(T個<S個)の受光量情報ΔA(λ1)、ΔA(λ2)、ΔA(λ3)の収集が行われる。
すなわち、送受光用制御部21は、狭範囲制御テーブルが記憶される前には、広範囲制御テーブルを用いて、狭範囲制御テーブルが記憶されると、狭範囲制御テーブルを用いるように切り替えることになる。
また、解析用制御部22は、制御テーブル記憶領域23aに狭範囲制御テーブルが記憶された後には、狭範囲制御テーブルと24個の受光量情報A(λ1)、A(λ2)、A(λ3)とに基づいて、関係式(1)(2)(3)を用いて、各波長(オキシヘモグロビンの吸収波長及びデオキシヘモグロビンの吸収波長)の通過光強度から、オキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]、デオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[deoxyHb]及び総ヘモグロビンの濃度・光路長積([oxyHb]+[deoxyHb])を24個(T個)の測定データとして求め、データ記憶領域23bに記憶させる。これにより、モニタ画面には、24個の測定データの表示と記憶とが行われる。
このとき、16個の送光プローブ12のうちから所望個数とその配置位置の送光プローブ12が選択されたり、16個の受光プローブ13のうちから所望個数とその配置位置の受光プローブ13が選択されたりされるために、医師や検査技師等が、例えば、モニタ画面26aに表示された画像を用いてキーボード27で入力操作して設定することになるが、図5に示すような頭皮表面画像上に48個の測定データ(トレンドグラフ)#1〜#48の表示が行われている際に、48個の測定データ(トレンドグラフ)#1〜#48のうちから図8に示すように必要な測定データ(必要な送光プローブ12と受光プローブ13との組み合わせ)を四角で囲むように選択することにより設定する。これにより、必要な脳の部位の脳活動に関する測定データを取り逃すということがなくなる。
まず、ステップS101の処理において、ホルダ30を被検者の頭皮表面に配置する。
次に、ステップS103の処理において、解析用制御部22は、広範囲制御テーブルと48個の受光量情報A(λ1)、A(λ2)、A(λ3)とに基づいて、関係式(1)(2)(3)を用いて、各波長(オキシヘモグロビンの吸収波長及びデオキシヘモグロビンの吸収波長)の通過光強度から、オキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]、デオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[deoxyHb]及び総ヘモグロビンの濃度・光路長積([oxyHb]+[deoxyHb])を48個の測定データとして求めて、モニタ画面26aに表示する。
次に、ステップS105の処理において、制御テーブル作成部24は、所望個数とその配置位置の送光プローブ12と、所望個数とその配置位置の受光プローブ13とを用いるための狭範囲制御テーブルを作成して、制御テーブル記憶領域23aに記憶させる。
次に、ステップS107の処理において、解析用制御部22は、狭範囲制御テーブルと24個の受光量情報A(λ1)、A(λ2)、A(λ3)とに基づいて、関係式(1)(2)(3)を用いて、各波長(オキシヘモグロビンの吸収波長及びデオキシヘモグロビンの吸収波長)の通過光強度から、オキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]、デオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[deoxyHb]及び総ヘモグロビンの濃度・光路長積([oxyHb]+[deoxyHb])を24個の測定データとして求めて、モニタ画面26aに表示して、データ記憶領域23bに記憶させる。
そして、ステップS107の処理が終了したときには、本フローチャートを終了させる。
(1)上述した光生体測定装置1では、キーボード27による入力操作によって、T個の測定データが選択される構成を示したが、測定データの内容等によって閾値等を登録することで、制御テーブル作成部(選択手段)24がT個の測定データを自動的に選択するようにしてもよい。
(3)上述した光生体測定装置1では、制御テーブル作成部(選択手段)24は、キーボード27による入力操作によって選択されるために、図5に示すような48個の測定データ(トレンドグラフ)#1〜#48を表示する構成を示したが、脳表面画像の48個の所定位置上に各測定データ#1〜#48の画像表示がそれぞれ行われており、各測定データ#1〜#48は、ある計測時間tでのオキシヘモグロビンの濃度変化・光路長積[oxyHb]の数値に対応する色で表現されるようにしてもよい。
(4)上述した光生体測定装置1では、制御テーブル作成部(選択手段)24は、48個の測定データ#1〜#48のうちから必要な測定データを四角で囲むように選択されることで決定する構成を示したが、キーボード27に設けた番号等とプローブ番号等とを対応付けて登録することで、キーボード27に設けた番号が押圧されることにより決定するようにしてもよい。
12:送光プローブ
13:受光プローブ
21:送受光用制御部
22:解析用制御部
23:メモリ(記憶部)
24:制御テーブル作成部(選択手段)
30:ホルダ(送受光部)
T:送光点
R:受光点
Claims (1)
- 被検者に光を照射するN個の送光プローブと、当該被検者から放出される光を受光するM個の受光プローブとを有する送受光部と、
N個の送光プローブを用いて被検者に光を順番に照射することでM個の受光プローブで光を検出させることにより、前記被検者の脳活動の時間変化に関するS個の測定データを得る制御部とを備える光計測システムであって、
プリスキャンが実行されたことにより取得されたS個の測定データを、脳表面画像又は頭皮表面画像上の各測定関連位置に表示する表示装置と、
前記表示装置に前記S個の測定データを表示した状態で、N個の送光プローブ及びM個の受光プローブのうちからY個(ただし、Y<N)の送光プローブ及びX個(ただし、X<M)の受光プローブを入力操作によって選択することのできる入力装置と、
前記入力装置を入力操作することで選択されたY個の送光プローブ及びX個の受光プローブの個数と配置位置を記憶する記憶部とを備え、
前記制御部は、選択されたY個の送光プローブ及びX個の受光プローブを用いて、前記被検者の脳の特定領域における脳活動の時間変化に関するT個(ただし、T<S)の測定データを得ることを特徴とする光計測システム。
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