JP4946847B2 - 光脳機能イメージング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光を用いて複数箇所の測定部位における脳活動に関する信号値の時間変化を解析して計測する光脳機能イメージング装置に関し、さらに詳細には一般線形モデルを用いた統計的検定により信号値の時間変化を解析して計測する光脳機能イメージング装置に関する。
近年、脳の活動状況を観察するために、光を用いて簡便に無侵襲で測定する光脳機能イメージング装置が開発されている。このような光脳機能イメージング装置では、送光プローブと受光プローブとを設定間隔(チャンネル)で備える。これにより、光脳機能イメージング装置では、被検者の頭蓋表面上に配置した送光プローブにより、異なる2種類の波長λ、λ(例えば、780nmと830nm)の近赤外光を脳に照射するとともに、頭蓋表面上に配置した受光プローブにより、脳から放出された各波長の近赤外光の強度によって信号値A(λ)、A(λ)をそれぞれ検出する。
ここで、各波長λ、λの近赤外光は、頭皮組織や骨組織を透過し、かつ、オキシヘモグロビンとデオキシヘモグロビンとが可視光から近赤外領域にかけて異なる分光吸収スペクトル特性を有するので、血液中のオキシヘモグロビン或いはデオキシヘモグロビンのいずれかに特に吸収される。なお、図4は、オキシヘモグロビンとデオキシヘモグロビンとの分光吸収係数を示すグラフである。
よって、脳血流中のオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]と、デオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[deoxyHb]とを求めるために、例えば、Modified Beer Lambert則を用いて関係式(4)(5)に示す連立方程式を作成して、この連立方程式を解いている(例えば、非特許文献1参照)。さらには、オキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]と、デオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[deoxyHb]とから総ヘモグロビンの各濃度・光路長積([oxyHb]+[deoxyHb])を算出している。
A(λ)=E(λ)×[oxyHb]+E(λ)×[deoxyHb]・・・(4)
A(λ)=E(λ)×[oxyHb]+E(λ)×[deoxyHb]・・・(5)
ここで、E(λm)は、波長λmの光におけるオキシヘモグロビンの吸光度係数であり、E(λm)は、波長λmの光におけるデオキシヘモグロビンの吸光度係数である。
また、光脳機能イメージング装置では、脳表面全体に関する脳の測定部位のオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]、デオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[deoxyHb]及び総ヘモグロビンの濃度・光路長積([oxyHb]+[deoxyHb])をそれぞれ測定するために、例えば、近赤外分光分析計(以下、NIRSと略す)等が利用されている(例えば、特許文献1参照)。
NIRSにおいては、複数個の送光プローブと、複数個の受光プローブとを所定の配列で被検者の頭蓋表面に密着させるために、ホルダが使用される。このようなホルダとしては、例えば、頭蓋表面の形状に合わせて椀形状に成型された成型ホルダが使用される。成型ホルダには貫通孔が複数個設けられ、送光プローブと受光プローブとがそれらの貫通孔に挿入されることによって、設定間隔(チャンネル)が一定となり、頭蓋表面からN箇所の特定の深度の信号値A(λ)、A(λ)(n=1,2,・・,N)を得ている。なお、一般的に設定間隔(チャンネル)を30mmとしたものが用いられ、チャンネルが30mmである場合には、チャンネルの中点からの深度15mm〜20mmの信号値A(λ)、A(λ)が得られると考えられている。すなわち、頭蓋表面から深度15mm〜20mmの位置は脳表部位にほぼ対応し、脳表面のN箇所の測定部位における脳活動に関する信号値A(λ)、A(λ)が得られる。
図2は、上述したようなNIRSにおける11個の送光プローブと12個の受光プローブとの位置関係の一例を示す平面図である。NIRS11は、送光プローブ12a〜12kと受光プローブ13a〜13jとが行方向及び列方向に交互となるように正方格子状に配置された半球状のものである。なお、送光プローブ12a〜12kから照射された近赤外光は、隣接する受光プローブ13a〜13j以外の離れた受光プローブ13a〜13jでも検出されるが、ここでは説明を簡単にするため、隣接する受光プローブ13a〜13jのみで検出されることとする。よって、合計32(=N)箇所の測定部位における信号値A(λ)、A(λ)(n=1,2,・・,32)が得られることになる。
そして、合計32箇所の測定部位における信号値A(λ)、A(λ)から、上述したように連立方程式を作成して、オキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]と、デオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[deoxyHb]とを算出している。
ところで、算出されたオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]と、デオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[deoxyHb]とには、脳(脳皮質)血流中のオキシヘモグロビン及びデオキシヘモグロビンからの情報と、それ以外の血流(例えば、皮膚血流等)中のオキシヘモグロビン及びデオキシヘモグロビンからの情報とが含まれており、これらを峻別する必要がある。
そこで、峻別方法として、一般線形モデル(GLM)を用いた統計的検定手法が定着している。例えば、予め複数の基本関数S(t)(p=1,2,・・,P−1)を仮定し、得られたオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]の時間変化と、デオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[deoxyHb]の時間変化とを、式(1)に示す一般線形モデルY(t)で表現し、一般線形モデルY(t)における基本関数S(t)の係数(偏回帰係数)βについて最小自乗法によりフィッティングを行うとともに、偏回帰係数βについて統計的検定を行い、フィッティングの妥当性を検定することにより、オキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]の時間変化と、デオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[deoxyHb]の時間変化とを表現した一般線形モデルY(t)の解析を行っている。
(t)=β+β(t)+・・+βP−1P−1(t)+ε・・・(1)
ここで、βは、ベースライン値であり、εは、残差成分(ノイズ成分を集約したもの)である。
そして、解析を行った結果を用いて、各測定部位nについてオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]や、デオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[deoxyHb]をカラーマッピングした脳機能イメージング画像や有意チャンネル(有意性のある測定部位n)の表示等を行っている。
特開2006−109964号公報 Factors affecting the accuracy of near-infrared spectroscopy concentration calculations for focal changes in oxygenation parameters, NeuroImage 18, 865-879, 2003
しかしながら、送光プローブ12から受光プローブ13まで各波長λ、λの近赤外光が通過する光路長の長さには、近赤外光の散乱度合等による波長依存性がある。つまり、同一の送光プローブ12と受光プローブ13との組み合わせ(例えば、送光プローブ12aと受光プローブ13a)によって信号値A(λ)を得ても、波長λの光と波長λの光とが通過した光路長の長さは異なっている。したがって、上述したように連立方程式を作成して、オキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]と、デオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[deoxyHb]とを求めても、この連立方程式においては、異なる2種類の波長λ、λの光が同一距離を通過したことを前提としているので、クロストークを引き起こし、その結果、正確なオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]と、デオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[deoxyHb]とが求められないという問題があった。
また、上述したようなNIRS11によって、合計32箇所の測定部位における信号値A(λ)、A(λ)(n=1,2,・・,32)を得るためには、例えば、送光プローブ12aに波長λの光を0.15秒間送光させ、次に、送光プローブ12bに波長λの光を0.15秒間送光させるように、送光プローブ12aから送光プローブ12kまで順番に波長λの光を送光させ、さらに、送光プローブ12aから送光プローブ12kまで順番に波長λの光を送光させた後には、同様にして送光プローブ12aから送光プローブ12kまで順番に波長λの光を送光させている。つまり、ある時間の脳表面全体に関する脳機能イメージング画像を観察するときには、送光プローブ12aが波長λの光を送光した時間と、送光プローブ12kが波長λの光を送光した時間との差が大きくなりすぎるという問題があった。このことは、さらに送光プローブの個数を増やした場合には大きな問題となっていた。
さらに、光脳機能イメージング装置の構成において、送光プローブ12から波長λの光と波長λの光とを照射させるとともに、受光プローブ13で波長λの光と波長λの光とを検出させるようにする必要があるため、光脳機能イメージング装置構造が複雑になり、コストも増大するという問題があった。このことは、さらに送光プローブや受光プローブの個数を増やした場合には、大きな問題となっていた。
そこで、本発明は、装置構造が複雑にならずかつコストも増大せず、さらに、光計測方法における照射する光による波長依存性によって生じる問題をなくして、正確な統計的検定を行うことができる光脳機能イメージング装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の光脳機能イメージング装置は、被検者の頭蓋表面に配置される複数個の送光プローブ、当該頭蓋表面に配置される複数個の受光プローブからなる送受光部と、前記送光プローブは頭蓋表面に光を照射するとともに、前記受光プローブは頭蓋表面から放出される光の強度を検出するように制御することで、前記被検者の脳表面のN箇所の測定部位における脳活動に関する信号値A(n=1,2,・・,N)の時間変化X(t)をそれぞれ得る送受光部制御部と、複数の基本関数S(t)(p=1,2,・・,P−1)と、複数の基本関数S(t)の係数となる偏回帰係数βとを用いた一般線形モデル(GLM)により、信号値Aの時間変化X(t)を、下記式(1)に示す一般線形モデルY(t)で表現する一般線形モデル作成部と、一般線形モデルY(t)における偏回帰係数βについて検定を行うためのt値を算出するt値算出部と、算出されたt値に基づいて、一般線形モデルY(t)の有意性を検定するt検定部とを備える光脳機能イメージング装置であって、信号値Aは、下記式(2)に示す電圧値比、又は、下記式(3)に示す吸光度であり、1種類の設定波長の光を送光プローブに送光する発光部を備え、前記送受光部制御部は、前記発光部によって送光プローブから1種類の設定波長の光を頭蓋表面に照射させて、前記受光プローブで1種類の設定波長の光の強度を検出させることで、信号値Aの時間変化X(t)を得るようにしている。
(t)=β+β(t)+・・+βP−1 P−1(t)+ε・・・(1)
ここで、βは、ベースライン値であり、εは、残差成分である。
=V/Vn0・・・(2)
=−log(V/Vn0)・・・(3)
ここで、Vは、測定部位nにおいて検出された光の強度を示す測定電圧値であり、Vn0は、測定部位nにおける予め設定された基準電圧値である。
ここで、「基準電圧値」とは、例えば、照射する光の強度によって予め設定された電圧値や、被検者の安静時を予め測定することにより得られた測定電圧値等のことをいう。
本発明の光脳機能イメージング装置によれば、送受光部制御部は、送光プローブから1種類の設定波長の光を頭蓋表面に照射させて、受光プローブで1種類の設定波長の光の強度を検出させることで、N箇所の測定部位における信号値Aの時間変化X(t)をそれぞれ得る。なお、本発明では、設定波長以外の光を照射しない。よって、連立方程式を作成して、オキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]と、デオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[deoxyHb]とを求めることをしない。これにより、クロストークを引き起こすことをなくすことができ、正確な統計的検定を行うことができるようになる。
そして、一般線形モデル作成部は、複数の基本関数S(t)と、複数の基本関数S(t)の係数となる偏回帰係数βとを用いた式(1)に示す一般線形モデル(GLM)により、信号値Aの時間変化X(t)を一般線形モデルY(t)で表現する。
(t)=β+β(t)+・・+βP−1 P−1(t)+ε・・・(1)
すなわち、一般線形モデルY(t)を、幾つかの基本関数S(t)(p=1,2,・・,P−1)の線形和でフィッティングできるものとし、フィッティングできなかった残差成分εが正規分布N(0,σ)しているものとする。
そして、式(1)で表される測定部位ごとの信号値Aの時間変化X(t)の一般化線形モデルY(t)を行列表現すると、下記式(6)(あるいは式(6’))のようになる。
ここで、Yは、信号値ベクトルであり、βは、偏回帰係数ベクトルであり、Gは、計画行列であり、εは、残差ベクトルである。
さて、統計的検定を行うため、Yの推定値
と、βの推定値
とを用いて、下記式(7)のように書けるものとする。
このとき、
が最小になる条件を用いて、
を求める(最小自乗法)。
この時、t値は、以下で与えられる。
ここで、β=0(βj=0)という仮定(帰無仮説)のもとでt検定を行う。この場合、t値は下記式(8)によって求められる。
ここで、cは、コントラストベクトルであり、例えば、
のt値を得たい場合は、c=(0,1,0,0,,,0)となり、
のt値を得たい場合は、c=(0,0,1,0,,,0)となる。
また、各信号値Aが独立と見なせる場合は、次式のとおりとなる。
そして、t検定部は、有意水準を設定し(例えば、5%と設定)し、β=0(βj=0)という仮定(帰無仮説)の結果、t値が5%の棄却域に入るか否かを、式(8)で求めたt値で検定する。このようにして、
の各成分
の検定を行う。
その後、各測定部位nについてのt検定結果を用いて、信号値Aの時間変化X(t)をカラーマッピングした脳機能イメージング画像(t値マップ)を作成したり、有意チャンネル(有意性のある測定部位n)を表示したりすることになる。これにより、脳活動(脳の変化)があった測定部位nを正確に観察することができる。
以上のように、本発明の光脳機能イメージング装置によれば、1種類の設定波長の光のみを用いるので、装置構造が複雑にならずかつコストも増大しない。さらに、連立方程式を作成して、オキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]と、デオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[deoxyHb]とを求めることをしないので、光計測方法における照射する光による波長依存性によって生じる問題をなくして、正確な統計的検定を行うことができる。したがって、脳活動(脳の変化)があった測定部位nを正確に観察することができる。
(その他の課題を解決するための手段及び効果)
また、本発明の光脳機能イメージング装置は、前記設定波長は、オキシヘモグロビンの分光吸収係数と、デオキシヘモグロビンの分光吸収係数との等吸収点である805nmであるようにしてもよい。
本発明の光脳機能イメージング装置によれば、総ヘモグロビンの濃度・光路長積をカラーマッピングした脳機能イメージング画像を作成することができる。さらに、総ヘモグロビンの濃度・光路長積の変化があった測定部位nを正確に観察することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の態様が含まれることはいうまでもない。
図1は、本発明の一実施形態である光脳機能イメージング装置の構成を示すブロック図である。光脳機能イメージング装置1は、送受光部11と発光部2と光検出部3と光脳機能イメージング装置1全体の制御を行う制御部(コンピュータ)20とにより構成される。
図2は、送受光部11の一例を示す平面図である。
送受光部11は、11個の送光プローブ12a〜12kと10個の受光プローブ13a〜13jとを有し、送光プローブ12a〜12kと受光プローブ13a〜13jとが行方向及び列方向に交互となるように正方格子状に配置された半球状のものである。なお、送光プローブ12と受光プローブ13との間の最短距離(チャンネル)は、30mmである。また、11個の送光プローブ12a〜12kは、1種類の設定波長(例えば、805nm)の近赤外光を出射するものであり、一方、10個の受光プローブ13a〜13jは、1種類の設定波長(例えば、805nm)の近赤外光の量(強度)を検出するものである。
そして、送受光部11は、被検者の頭部に装着されることになる。
発光部2は、コンピュータ20から入力された駆動信号により11個の送光プローブ12a〜12kのうちから選択される1個の送光プローブに1種類の設定波長の近赤外光を送光する。なお、本実施形態では、設定波長(例えば、805nm)以外の光を照射する必要がないので、従来の光脳機能イメージング装置のように異なる2種類の波長の近赤外光を送光する構成が設けられていない。
光検出部3は、10個の受光プローブ13a〜13jで受光した1種類の設定波長の近赤外光の強度を検出することにより、測定電圧値Vをコンピュータ20に出力する。なお、各送光プローブ12a〜12kから照射された近赤外光は、隣接する受光プローブ13a〜13j以外の離れた受光プローブ13a〜13jでも検出されるが、ここでは説明を簡単にするため、隣接する受光プローブ13a〜13jのみで検出されることとする。よって、11個全ての送光プローブ12a〜12kから近赤外光が送光されたときには、合計32箇所の測定部位(チャンネル番号1〜32)における測定電圧値Vが得られることとする。
コンピュータ20においては、CPU21を備え、さらに、メモリ25と、モニタ画面23a等を有する表示装置23と、入力装置22であるキーボード22aやマウス22bとが連結されている。
また、CPU21が処理する機能をブロック化して説明すると、発光部2及び光検出部3を制御する送受光部制御部4と、一般線形モデル作成部31と、t値算出部32と、t検定部33とを有する。さらに、メモリ25は、測定した時間tと信号値Aとを記憶する信号値記憶部51を有する。
送受光部制御部4は、発光部2に駆動信号を出力する発光制御部42と、光検出部3から測定電圧値Vを受信することにより、信号値Aを信号値記憶部51に記憶させる光検出制御部43とを有する。
発光制御部42は、送光プローブ12に1種類の設定波長の近赤外光を送光させる駆動信号を発光部2に出力する制御を行うものである。例えば、まず、送光プローブ12aに805nmの光を0.15秒間送光させ、次に、送光プローブ12bに805nmの光を0.15秒間送光させるように、送光プローブ12aから送光プローブ12kまで順番に805nmの光を送光させる駆動信号を発光部2に出力する。
光検出制御部43は、光検出部3から測定電圧値Vを受信することにより、式(3)を用いて信号値Aを算出して、信号値Aを信号値記憶部51に記憶させる制御を行うものである。例えば、送光プローブ12aから送光された805nmの光を受光プローブ13a、13dで検出した測定電圧値V、Vを受信し、次に、送光プローブ12bから送光された805nmの光を受光プローブ13a、13b、13eで検出した測定電圧値V、V、Vを受信するように、11個の送光プローブ12a〜12kから送光した805nmの光を受光プローブ13a〜13jで検出した測定電圧値Vを受信する。そして、式(3)を用いて信号値Aを算出して、信号値Aを信号値記憶部51に記憶させる。
=−log(V/Vn0)・・・(3)
ここで、Vは、測定部位nにおいて検出された光の強度を示す測定電圧値であり、Vn0は、測定部位nにおける予め設定された基準電圧値である。
一般線形モデル作成部31は、複数の基本関数S(t)(p=1,2,・・,P)と、複数の基本関数S(t)の係数となる偏回帰係数βとを用いた一般線形モデル(GLM)により、信号値Aの時間変化X(t)を、式(1)に示す一般線形モデルY(t)で表現する制御を行うものである。
(t)=β+β(t)+・・+βP−1 P−1(t)+ε・・・(1)
ここで、βは、ベースライン値であり、εは、残差成分(ノイズ成分を集約したもの)である。
t値算出部32は、下記式(8)に基づいて、偏回帰係数βについて検定を行うためのt値を算出する制御を行うものである。
ここで、cは、コントラストベクトルであり、例えば、
のt値を得たい場合は、c=(0,1,0,0,,,0)となり、
のt値を得たい場合は、c=(0,0,1,0,,,0)となる。
t検定部33は、予め設定した有意水準(5%と設定)に対し、β=0という仮定(帰無仮説)の結果、t値算出部32で算出されたt値が5%の棄却域に入るか否かを検定する演算を行い、各測定部位nについてのt検定結果を用いてt値マップ(tマッピングデータ)を作成するとともに、有意チャンネル(有意性のある測定部位n)を表示する制御を行うものである。
次に、光脳機能イメージング装置1による計測方法について説明する。図3は、光脳機能イメージング装置1による計測方法の一例について説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS101の処理において、披検者の頭蓋表面に送受光部11を配置する。
次に、ステップS102の処理において、発光制御部42及び光検出制御部43は、発光部2に駆動信号を出力するとともに、光検出部3から測定電圧値Vを受信する。
次に、ステップS102の処理において、光検出制御部43は、式(3)を用いて信号値Aを算出して、信号値Aを信号値記憶部51に記憶させる。
次に、ステップS104の処理において、一般線形モデル作成部31は、複数の基本関数S(t)(p=1,2,・・,P−1)と、複数の基本関数S(t)の係数となる偏回帰係数βとを用いた一般線形モデル(GLM)により、信号値Aの時間変化X(t)を、式(1)に示す一般線形モデルY(t)で表現する。
次に、ステップS105の処理において、t値算出部32は、式(8)に基づいて、偏回帰係数βについて検定を行うためのt値を算出する。
次に、ステップS106の処理において、t検定部33は、予め設定した有意水準(5%と設定)に対し、β=0という仮定(帰無仮説)の結果、t値算出部32で算出されたt値が5%の棄却域に入るか否かを検定する演算を行い、各測定部位nについてのt検定結果を用いてt値マップ(tマッピングデータ)を作成するとともに、有意チャンネル(有意性のある測定部位n)を表示する。
最後に、ステップS106の処理が終了したときには、本フローチャートを終了させる。
以上のように、光脳機能イメージング装置1によれば、オペレータは、各測定部位nのt値分布、有意か否かの判定結果を確認することができる。また、1種類の設定波長の光のみを用いるので、装置構造が複雑にならずかつコストも増大しない。さらに、連立方程式を作成して、オキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]と、デオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[deoxyHb]とを求めることをしないので、光計測方法における照射する光による波長依存性によって生じる問題をなくして、正確な統計的検定を行うことができる。したがって、総ヘモグロビンの濃度・光路長積の変化があった測定部位nを正確に観察することができる。
(他の実施形態)
(1)上述した光脳機能イメージング装置1では、11個の送光プローブ12a〜12kと10個の受光プローブ13a〜13jとを有する送受光部11を示したが、異なる数、例えば9個の送光プローブと9個の受光プローブとを有する送受光部としてもよい。
(2)上述した光脳機能イメージング装置1では、A=−log(V/Vn0)を用いて信号値を算出する構成を示したが、A=V/Vn0を用いて信号値を算出する構成としてもよい。
本発明は、一般線形モデルを用いた統計的検定により信号値の時間変化を解析して計測する光脳機能イメージング装置に利用することができる。
本発明の一実施形態である光脳機能イメージング装置の構成を示すブロック図である。 送受光部の一例を示す平面図である。 光脳機能イメージング装置1による計測方法の一例について説明するためのフローチャートである。 オキシヘモグロビンとデオキシヘモグロビンとの分光吸収係数を示すグラフである。
符号の説明
1:光脳機能イメージング装置
2:発光部
4:送受光部制御部
11:送受光部
12:送光プローブ
13:受光プローブ
31:一般線形モデル作成部
32:t値算出部
33:t検定部

Claims (2)

  1. 被検者の頭蓋表面に配置される複数個の送光プローブ、当該頭蓋表面に配置される複数個の受光プローブからなる送受光部と、
    前記送光プローブは頭蓋表面に光を照射するとともに、前記受光プローブは頭蓋表面から放出される光の強度を検出するように制御することで、前記被検者の脳表面のN箇所の測定部位における脳活動に関する信号値A(n=1,2,・・,N)の時間変化X(t)をそれぞれ得る送受光部制御部と、
    複数の基本関数S(t)(p=1,2,・・,P−1)と、複数の基本関数S(t)の係数となる偏回帰係数βとを用いた一般線形モデル(GLM)により、信号値Aの時間変化X(t)を、下記式(1)に示す一般線形モデルY(t)で表現する一般線形モデル作成部と、
    一般線形モデルY(t)における偏回帰係数βについて検定を行うためのt値を算出するt値算出部と、
    算出されたt値に基づいて、一般線形モデルY(t)の有意性を検定するt検定部とを備える光脳機能イメージング装置であって、
    信号値Aは、下記式(2)に示す電圧値比、又は、下記式(3)に示す吸光度であり、
    1種類の設定波長の光を送光プローブに送光する発光部を備え、
    前記送受光部制御部は、前記発光部によって送光プローブから1種類の設定波長の光を頭蓋表面に照射させて、前記受光プローブで1種類の設定波長の光の強度を検出させることで、信号値Aの時間変化X(t)を得ることを特徴とする光脳機能イメージング装置。
    (t)=β+β(t)+・・+βP−1 P−1(t)+ε・・・(1)
    ここで、βは、ベースライン値であり、εは、残差成分である。
    =V/Vn0・・・(2)
    =−log(V/Vn0)・・・(3)
    ここで、Vは、測定部位nにおいて検出された光の強度を示す測定電圧値であり、Vn0は、測定部位nにおける予め設定された基準電圧値である。
  2. 前記設定波長は、オキシヘモグロビンの分光吸収係数と、デオキシヘモグロビンの分光吸収係数との等吸収点である805nmであることを特徴とする請求項1に記載の光脳機能イメージング装置。
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