JP6011237B2 - 誘電体共振部品及びその製造方法 - Google Patents
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Description
互いに反対側に位置する第1の面及び第2の面と、前記第1の面の外周縁と前記第2の面の外周縁との間に位置する複数の側面と、を有する誘電体ブロック;該誘電体ブロックに前記第1の面から前記側面に沿って形成された孔;該孔の内面に形成された内導体;及び、前記第2の面及び前記側面に形成された外導体、を含んでなる誘電体共振部品であって、
前記誘電体ブロックは、その内部において、前記内導体及び前記外導体から隔絶されて形成された空洞部分を有することを特徴とする誘電体共振部品、
が提供される。
上記の誘電体共振部品を製造する方法であって、
前記空洞部分の形成された前記誘電体ブロックを前記第1の面と前記第2の面との間において前記側面を横切る分割面により分割したものに相当する第1部分及び第2部分を用意する工程と、
これらの第1部分及び第2部分を、これらの前記分割面に対応する第1及び第2の接合面同士の間に介在する接合剤により接合する工程と、
前記誘電体ブロックに前記孔を形成する工程と、
前記孔の内面に前記空洞部分から隔絶された前記内導体を形成する工程と、
前記第2の面および前記側面に前記空洞部分から隔絶された前記外導体を形成する工程と、
を有することを特徴とする、誘電体共振部品の製造方法、
が提供される。
図1は、本発明による誘電体共振部品の第1の実施形態を示す模式的斜視図である。図2及び図3は、それぞれ図1の誘電体共振部品の模式的分解斜視図である。図4は、図1の誘電体共振部品の模式的断面図である。本実施形態では、誘電体共振部品は1つの共振器を有する誘電体共振器である。
(1)第1部分1A及び第2部分1Bを用意する工程;
空洞部分7の形成された誘電体ブロック1を第1の面11と第2の面12との間において側面13,14,15,16を横切る分割面により分割したものに相当する第1部分1A及び第2部分1Bを用意する;
ここでは、好ましくは、誘電体材料を成形することで、空洞部分7形成に寄与する第1の凹部7Aを有する第1部分1A、及び空洞部分7の形成に寄与する第2の凹部7Bを有する第2部分1Bを得る。誘電体材料の成形は、例えば、次のような方法で第1又は第2の凹部を形成しながら、行うことができる;
a.射出成形法:
スラリー化した誘電体材料を射出成形法により一体成形し、脱脂、焼成する;これにより、凹部を備えた第1部分1A及び第2部分1Bが製造される;この方法の利点としては、深い凹部の形成が容易であることが挙げられる;
b.粉末成形法:
粉末材料を用い、凸部を備えた金型を用いて圧縮成形し、その後、脱脂、焼成を行う;この方法の利点としては、比較的安価な金型で成形できることが挙げられる;
c.グリーン加工法:
粉末成形法と同様にして粉末材料を圧縮成形し、但し凹部はエンドミル等で研削加工する;その後、脱脂、焼成を行う;この方法の利点としては、比較的安価な金型で成形でき、深い凹部も形成可能であることが挙げられる;
(2)接合工程;
接合剤1Cとして、誘電体ブロックの第1部分1A及び第2部分1Bと同種の誘電特性を持つもの、たとえば同種の誘電体材料にガラス成分等の接合機能を有する材料を混ぜたものを用い、第1部分1A及び第2部分1Bの分割面に対応する第1及び第2の接合面10A,10Bに接合剤1Cを塗布し、これら接合面同士の間に接合剤1Cを介在させ、ガラスの融点以上の温度で融着させ、第1部分1Aと第2部分1Bとを接合することで、内部に空洞部分7を有する誘電体ブロック1を形成する。接合剤1Cの熱処理温度は、誘電体ブロック主体部の誘電特性が影響を受けないようにするため、1200℃以下が好ましい。また、この熱処理により主体部と接合剤とが反応する場合には、この反応により形成される反応層が誘電体共振器部品の電気特性に影響を与えないようにするために、反応層厚が200nm以下となるように熱処理することが好ましい。尚、第1及び第2の接合面10A,10Bの表面粗さは、強固な接合を保持するためにRa<10μmであることが好ましい;
(3)貫通孔形成工程;
誘電体ブロック1に貫通孔を形成する;尚、この貫通孔は、第1部分1A及び第2部分1Bを用意する工程において、誘電体材料の成形を行う際に、同時成形により、第1部分1Aに貫通孔17の形成に寄与する第1の孔部17Aを形成し、第2部分1Bに貫通孔17の形成に寄与する第2の孔部17Bを形成することで、行うのが好ましい;
(4)内導体形成工程;
貫通孔17の内面に空洞部分7から隔絶された内導体2を形成する;内導体2は、第1部分1Aと第2部分1Bとを接合剤1Cで融着させた後に形成されるので、接合剤1Cの存在が内導体2における電気的不連続をもたらすことはない;
(5)外導体形成工程;
第2の面12及び側面13,14,15,16に空洞部分7から隔絶された外導体3を形成する;外導体3は、第1部分1Aと第2部分1Bとを接合剤1Cで融着させた後に形成されるので、接合剤1Cの存在が外導体3における電気的不連続をもたらすことはない。
1/Q0=1/Qd+1/Qc+1/Qr ・・・ (1)
によって表される。ここで、Q0は無負荷Q、Qdは誘電体損に基づくQ、Qcは導体損に基づくQ、Qrは放射に基づくQである。
Qc=(2/δ)/[2/L+(1/a+1/b)/(ln{b/a})] ・・・ (2)
によって近似的に表される。ここで、δは表皮深さ、aは貫通孔の半径、bは約W/2及びH/2である。
L=C0/4f(εr)1/2 ・・・ (3)
で表される。ここで、C0は光速、fは共振周波数、εrは比誘電率である。
図5は、本発明による誘電体共振部品の第2の実施形態を示す模式的斜視図である。図6及び図7は、それぞれ図5の誘電体共振部品の模式的分解斜視図である。図8は、図5の誘電体共振部品の模式的断面図である。本実施形態では、誘電体共振部品は5つの共振器を有する5段の誘電体フィルタである。
1A 第1部分
1B 第2部分
1C 接合剤
10A 第1の接合面
10B 第2の接合面
11 第1の面
12 第2の面
13,14,15,16 側面
17 貫通孔
17A 第1の孔部
17B 第2の孔部
2 内導体
3 外導体
4 入出力電極(端子電極)
5 結合電極
7 空洞部分
7A 第1の凹部
7B 第2の凹部
Claims (11)
- 互いに反対側に位置する第1の面及び第2の面と、前記第1の面の外周縁と前記第2の面の外周縁との間に位置する複数の側面と、を有する誘電体ブロック;該誘電体ブロックに前記第1の面から前記側面に沿って形成された孔;該孔の内面に形成された内導体;及び、前記第2の面及び前記側面に形成された外導体、を含んでなる誘電体共振部品であって、
前記誘電体ブロックは、その内部において、前記内導体及び前記外導体から隔絶されて形成された空洞部分を有することを特徴とする誘電体共振部品。 - 前記空洞部分は、前記孔を囲むように形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の誘電体共振部品。
- 前記空洞部分と前記第1の面、前記第2の面、前記側面及び前記孔の内面との間の距離が0.5mm乃至5mmであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の誘電体共振部品。
- 前記誘電体共振部品は、更に、前記孔に対応して形成される共振器と結合する入出力電極を含んでなることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の誘電体共振部品。
- 前記誘電体共振部品は、複数の前記孔を含んでなることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の誘電体共振部品。
- 前記誘電体ブロックは、第1の接合面を有する第1部分と第2の接合面を有する第2部分とをこれら第1及び第2の接合面同士の間に介在する接合剤により接合してなり、前記第1の接合面及び前記第2の接合面のそれぞれは、前記第1の面と前記第2の面との間において前記側面を横切るように位置していることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の誘電体共振部品。
- 前記接合剤は、無機系接合剤であることを特徴とする、請求項6に記載の誘電体共振部品。
- 前記接合剤は、前記第1部分及び前記第2部分と同じ組成成分を含有する接合剤であることを特徴とする、請求項6又は7に記載の誘電体共振部品。
- 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の誘電体共振部品を製造する方法であって、
前記空洞部分の形成された前記誘電体ブロックを前記第1の面と前記第2の面との間において前記側面を横切る分割面により分割したものに相当する第1部分及び第2部分を用意する工程と、
これらの第1部分及び第2部分を、これらの前記分割面に対応する第1及び第2の接合面同士の間に介在する接合剤により接合する工程と、
前記誘電体ブロックに前記孔を形成する工程と、
前記孔の内面に前記空洞部分から隔絶された前記内導体を形成する工程と、
前記第2の面および前記側面に前記空洞部分から隔絶された前記外導体を形成する工程と、
を有することを特徴とする、誘電体共振部品の製造方法。 - 前記第1部分及び第2部分を用意する工程は、誘電体材料を成形することで、前記空洞部分の形成に寄与する第1の凹部を有する前記第1部分、及び前記空洞部分の形成に寄与する第2の凹部を有する前記第2部分を得る工程を含むことを特徴とする、請求項9に記載の誘電体共振部品の製造方法。
- 前記誘電体ブロックに前記孔を形成する工程は、前記第1部分及び第2部分を用意する工程において誘電体材料を成形する際に、前記第1部分に前記孔の形成に寄与する第1の孔部を形成し、前記第2部分に前記孔の形成に寄与する第2の孔部を形成することで、行われることを特徴とする、請求項10に記載の誘電体共振部品の製造方法。
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