〔第1実施形態〕
図1及び図2は第1実施形態に係る袋を示すもので、図示のように、袋本体10にスリーブ状のシート部材20を取り付けた形態をしている。
ここで使用した袋本体10は平パウチであり、図3及び図4に示すように、底部で二つ折りした上下サイズが長い方の包装材11と、上下サイズが短い方の包装材12とが左右方向の突出片Pで直線状に貼り合わせられ、さらに左右両側辺のサイドシール部14で直線状に貼り合わせられた構造になっており、突出片Pは中間シール部13により根元までシールされた状態で、左右両側辺のサイドシール部14と直交するように形成されている。また、左右のサイドシール部14には、突出片Pより上方の対応する位置にそれぞれ開封用ノッチ15が形成されている。
この袋本体10の製袋機による製造手順は例えば次のようである。製袋機にて一枚の包装材を搬送しながら、まず、左右の端部を向かい合わせるように搬送して、底部の折りと突出片Pの形成を同時に行う。このとき、突出片Pは根元までシールする。次に、左右のシールを行ってサイドシール部14を形成した後、開封用ノッチ15を打ち抜き、続く工程で上辺を切り落として充填口を形成する。次いで、ギロチン刃にてサイドシール部14のところで1袋ずつ分離するようにカットする。これにより図3及び図4に示す袋本体10が製造される。なお、この例では底シールを形成していないが、必要に応じて底シールを形成するようにしてもよい。
本発明では、袋本体10にシート部材20を取り付けるが、袋本体10のままでも次のようにして使用することができる。
すなわち、袋本体10は、複数枚纏められた状態で充填工程に送られてそこで内容物が充填される。そして、上辺の開口から内容物を充填し、その開口を閉じるように図3の点線で示す部位をヒートシールして上辺シール部16を形成する。このような充填工程を経ることで、袋本体10は、左右両側辺のサイドシール部14に加え、上辺シール部16を有したものとなり、開封用ノッチ15を取っ掛かりにして包装材を破断することにより、上辺シール部16より内側の部位に左右のサイドシール部14に跨がる開口端を形成して開封することができる。また、表面側又は裏面側のいずれか一方の外面に開口端となる部位よりさらに内側の位置で左右のサイドシール部14に跨がる突出片Pが突き出る状態で設けられたものとなる。
このように内容物が充填された袋本体10は、開封用ノッチ15から袋端部を切り取って開封し、内容物を一部だけ取り出した後、簡単に封止することができる。すなわち、図3に示すように、突出片Pより下方を本体部分H、突出片Pから開口端までを折返し部分Cとし、図5に示すように、突出片Pの根元を基点として、本体部分Hに対し折返し部分Cを突出片Pと反対側に折り返すと、突出片Pがあることによって折返し部分Cの戻り(折返し部分Cが元に戻ろうとする反発)が抑制され、密閉状態で閉じた状態が維持される。このとき、折返し部分Cは袋本体10の側面から浮いた状態になる。
図1の袋を構成するスリーブ状のシート部材20のブランクを図6に示す。このシート部材20は、図示のように、内後板21、前板22、外後板23がスリーブ折れ線a,bを介して連設している。そして、スリーブ折れ線aには、下部寄りのところに当該スリーブ折れ線aに直交する押込み切れ線αを設け、その両端からそれぞれ下方に延びる押込み折れ線c,dを設けて、その内側部分を押込み部Paとしている。同様に、スリーブ折れ線bには、下部寄りのところに当該スリーブ折れ線bに直交する押込み切れ線βを設け、その両端からそれぞれ下方に延びる押込み折れ線e,fを設けて、その内側部分を押込み部Pbとしている。なお、押込み折れ線c,d,e,fに沿ってシート部材20を貫通するようにミシン目を形成してもよい。
また、前板22には、その上部中央付近に、円弧状の切込み線からなり、その切込み線の両端と真ん中からそれぞれ外向きに短い切れ線が入った差込み口24が形成されている。このような切込み線からなる差込み口24は、本体部分Hと折返し部分Cの幅を同一にすることができ、袋本体10を製造しやすくなるため、円弧状をはじめとして逆V字状、逆U字状等の上方に凸となる形状にすることが好ましい。
このシート部材20を袋本体10に取り付けるには、シート部材20の前板22と外後板23における図5の取付け箇所22a,23aにホットメルト、接着剤等を塗布し、図3の袋本体10を載せてから内後板21、外後板23を順に重ね合わせて糊代箇所21aで貼り合わせる。このようにシート部材20を袋本体10に取り付けた後、充填工程にて内容物を充填することで図1及び図2に示す商品の形態となる。或いは、袋本体10に内容物を充填してから、その袋本体10の外面にシート部材20を取り付けるようにしてもよい。
本発明の第1実施形態において、袋本体10に取り付けるシート部材20は、本体部分Hの折返し部分Cと対向する側に取り付けられる一方の面と、本体部分Hの折返し部分Cと対向しない側に取り付けられる他方の面とで構成されるとともに、一方の面と他方の面が連設されるが、この例では、シート部材20における前板22が、本体部分Hの折返し部分Cと対向する側に取り付けられる一方の面となり、一部が重なった内後板21と外後板23が、本体部分Hの折返し部分Cと対向しない側に取り付けられる他方の面となり、一方の面と他方の面は側辺で連設した状態となる。
このように、ホットメルト樹脂、接着剤などを使用してシート部材20を袋本体10に取り付けることができるが、シート部材20の最内層および袋本体10の最外層をヒートシール性を有する熱可塑性樹脂とし、ヒートシールで取り付けるようにしてもよい。
使用時には、図7に示すように、開封用ノッチ15から袋端部を切り取って開封し、内容物を一部だけ取り出す。このとき、シート部材20の押込み部Pa,Pbを内側に向けて押し込むことによって、シート部材20をしっかりと自立可能な状態にしておくことができる。そして、再封時には、図8に示すように、上部が開いた折返し部分Cを突出片Pと反対側に折り返し、その先端を差込み口24に係止することにより、折返し部分Cがシート部材20に保持されて浮き上がりが防止される。このように、折返し部分Cの先端をシート部材20の差込み口24に係止するので、少なくとも折返し部分Cが係止される箇所は、袋本体10とシート部材20を接着しないようにする必要がある。なお、図7では一方のサイドシール部14から他方のサイドシール部14に跨がって開口が形成される例を示したが、折返し部分Cの一部に開口を形成するようにしてもよい。
袋本体10の折返し部分Cをシート部材20に保持させる手段としては、上記のように、シート部材20に切込み線からなる差込み口24を形成して折返し部分Cの先端をその差込み口24に係止するようにしてもよく、あるいは、シート部材20に粘着手段を設けて折返し部分Cとシート部材20とを貼着するようにしてもよい。
図9は図6に示すブランクの変形例であり、前板22に差込み口24を設ける代わりに粘着手段として両面テープ25を貼り付けたシート部材20のブランクを示している。このシート部材20は前述したのと同様の手順で図1及び図2と同じように袋本体10に取り付けることができる。また、使用時には図7と同じように自立状態にすることができる。そして、再封時には、両面テープ25の剥離紙を剥がしてから、図10に示すように、上部が開いた折返し部分Cを突出片13と反対側に折り返し、その先端を両面テープ25の粘着力で係止することにより、折返し部分Cがシート部材20に保持されて浮き上がりが防止される。
シート部材に用いる粘着手段としては、通常の両面テープ(帯状の基材の両面に粘着剤が塗られており、巻物状としたもの)でもよいが、ノンキャリアタイプの粘着テープを用いるのが好ましい。ノンキャリアタイプの粘着テープは、重セパレータ、粘着層、軽セパレータの順に積層された積層体であり、本発明では、軽セパレータを剥がして袋本体に粘着することになり、一番最初に封止するときには、重セパレータを剥がして、粘着層と折返し部分あるいは本体部分を貼り合わせるようにする。
ノンキャリアタイプの粘着テープに用いる粘着剤の構成材料としては、例えば、天然ゴム系、合成ゴム系、アクリル樹脂系、シリコーン樹脂系、ポリエステル樹脂系等が挙げられる。合成ゴム系の具体例としては、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ポリイソブチレンゴムが挙げられる。これらの粘着剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
好適に用いられる粘着剤としては、アクリル樹脂系が挙げられる。アクリル樹脂系粘着剤は、少なくとも(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーを含んで重合させたものである。炭素原子数1〜18程度のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーとカルボキシル基を有するモノマーとの共重合体や、炭素原子数1〜18程度のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーの2種以上を用いた共重合体であるのが一般的である。なお、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及び/又はメタクリル酸をいう。
ここで使用される(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーの例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル等を挙げることができる。
ノンキャリアタイプの粘着テープに用いるセパレータは、基材シートの一方の面に離型剤層が積層されている。基材シートは、通常粘着剤層の支持体として使用できるものであれば何れでもよく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、テレフタル酸−イソフタル酸−エチレングリコール共重合体、テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体などのポリエステル系樹脂、ナイロン6などのポリアミド系樹脂、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、シクロオレフィン重合体などのポリオレフィン系樹脂、上質紙、パーチメント紙、硫酸紙などの紙等が挙げられる。なお、これらの樹脂は、単独、又は複数種類の混合樹脂(ポリマーアロイを含む)として用いられ、基材シートの層構成は、以上の材料層の単層、又は2層以上の積層体として用いられる。
基材シートの厚みは特に限定されないが、10〜100μmが好ましい。また、基材シートと離型剤層との接着性を向上させるため、必要に応じて基材表面にコロナ放電処理、プラズマ処理、プライマーコート、脱脂処理、表面粗面化処理等の易接着性処理を行うこともできる。
セパレータの離型剤層は粘着剤層に対して離型性(剥離性)の材料により形成することができる。例えば、フッ素系樹脂、パラフィンワックス、モンタンワックス、合成ワックス等のワックス類や、ポリシロキサン、シリコーン等の珪素系樹脂、メラミン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、多官能アクリレート、エポキシ樹脂等の離型剤を単体で、或いはこれをアクリル樹脂、セルロース系樹脂又はビニル系樹脂等の樹脂バインダー中に添加して塗工液を調製し、その塗工液を離型シート用基材に塗布して乾燥し、或いは架橋乃至重合させて離型剤層を形成することにより行うことができる。また、上記の樹脂をエクストルージョンコート等により離型シート用基材にラミネートして離型剤等を形成することにより行うこともできる。
また、シート部材に設ける粘着手段は、リワーク性(繰り返し剥がしたり、貼り合わせたりできること)を有することが必要であり、そのためには,粘着剤の架橋密度を高める(主剤に対する硬化剤の配合比率を高くする)、あるいは、粘着剤の主剤の分子量を高くすることが有効である。
粘着手段の粘着力は、封止状態では折返し部分がシート部材から剥がれないとともに、内容物を取り出す際にはシート部材から折返し部分を剥がせる接着強度を有する必要がある。剥離強度で言えば、1〜10N/25mm幅が好ましく、3〜10N/25mm幅がさらに好ましい。ここで言う剥離強度は、幅25mm、長さ150mmの粘着テープを用い、「JIS Z0237」に準じて、オリエンテック製のテンシロン引張試験機により300mm/min、180度で剥がした時の剥離強度の平均値とする。
シート部材に設ける粘着手段の幅wは、5〜25mmとすることが好ましく、10〜15mmとすることがさらに好ましい。幅が5mmより狭いと折返し部分が剥がれ易くなり、幅が25mmより広いと折返し部分を剥がし難くなるため好ましくない。そして、前記したように、シート部材の幅方向全体に渡って設けなくてもよく、内容物や用途などに応じて適宜の長さを選択すればよいものである。
袋本体10に対するシート部材20の取付け位置は次のようである。すなわち、袋本体10の封止を阻害しないようにする必要があるため、折返し部分Cと対向する側に取り付けられたシート部材20の上端が、袋本体10の本体部分Hの上端に達しないようにシート部材20を取り付けるようにする。シート部材20の上端と本体部分Hの上端との間隔は1〜10mm程度とすることが好ましく、2〜5mmとすることが更に好ましい。2mm未満であると袋本体10の封止を阻害してしまうため好ましくなく、10mmより大きいと袋の折返し部分Cを長くする必要があるため、内容物が取り出しにくくなるとともに、袋本体10のコストアップとなるため好ましくない。
上記の実施形態におけるシート部材20は、各スリーブ折れ線a,bの下端寄りのところに押込み部Pa,Pbを設けているが、このような押込み部を設けない形態にすることもできる。また、スリーブ折れ線a,bに押込み部を設ける場合は、下端寄りのところに設ける代わりに、中央付近に設けることもできる。あるいは、図6において、スリーブ折れ線aから押込み折れ線c,dをそれぞれスリーブ折れ線aの下端に向けて斜め方向に延びるように設け、同様に、スリーブ折れ線bから押込み折れ線e,fをそれぞれスリーブ折れ線bの下端に向けて斜め方向に延びるように設け、二等辺三角形の押込み部を設けるようにすることもできる。
また、スリーブ折れ線を対称軸としての両側に種々のパターンで押込み折れ線を設けることでそのパターンに対応した形状の押込み部を設けることができる。例えば、スリーブ折れ線の上端から下端にかけてくの字状で外広がりの押込み折れ線を設けるとともに、これらの押込み折れ線の略中央部同士を結んでスリーブ折れ線に直交する押込み補助折れ線を設けることで、菱形の押込み部を設けることができる。また、両端同士が交差しない状態で円弧状で外膨らみの押込み折れ線を設けるとともに、これらの押込み折れ線の略中央部同士を結んでスリーブ折れ線に直交する押込み補助折れ線を設けることで、中央が膨らんだ状態で自立性のある押込み部を設けることができるし、さらには、その下側だけを直線でスリーブ折れ線に交差しない形状に設けることによりさらに自立性を付与することができる。
シート部材20の一方の面あるいは他方の面の形状としては、図1及び図2に示すような矩形のほかに、上辺と底辺が平行で底辺の方が上辺よりも長い台形等が挙げられる。ただ、どのような形状を採るにしても、シート部材20の成形しやすさを考慮すると、一方の面と他方の面は同じ形状とすることが好ましい。
また、シート部材20の一方の面と他方の面は、図1及び図2に示すようにそれらの側辺で連設するほか、底辺で連設する形態も考えられるが、側辺で連設する方が好ましい。一方の面と他方の面をそれらの側辺で連設することにより、シート部材20が側辺から中央に向かって膨らんだ形状になることから、折返し部分Cの差込み口24への係止操作が行いやすくなり、折返し部分Cの浮き上がり防止効果を向上させることができる。
また、シート部材20は、図1及び図2に示すように、上下を開口するとともに、折れ線を介して一方の面と他方の面を連設することが好ましい。両側辺を内方に向かって押すことにより、シート部材20の開口とともに袋の開口を大きく開くことができ、内容物を取り出しやすくなる。
また、上記において、シート部材20は、図1及び図2に示すように、底部を水平にして自立性を有する例を示したが、自立性を有していなくてもよい。
また、シート部材20のブランクは、図6に示すように、内後板21(他方の面の片方を形成する面)、前板22(一方の面)、外後板23(他方の面のもう片方を形成する面)を折れ線を介して連設した形状のほか、一方の面、他方の面、糊代片を折れ線を介して順に連設した形状が挙げられる。また、シート部材20は、図6に示すように一方の面と他方の面を折れ線を介して連設した1部材で構成するほか、2部材で構成して各々の部材を接着してもよい。
本発明で用いるシート部材は、その材質で言えば、プラスチック、紙、紙にヒートシール性を有する熱可塑性樹脂層を積層した積層体などを挙げることができる。紙としては、カード紙やコートボール紙等の保形性がある厚紙の中から適宜選択すればよい。紙の坪量は、150〜400g/m2 のものを用いることが好ましい。
〔第2実施形態〕
図11は第2実施形態に係る袋を示すもので、図示のように、袋本体10(第1実施形態で説明したのと同じ平パウチ)に、コの字状に折り曲げたシート部材30を取り付けた形態をしている。
図11の袋を構成するコの字状のシート部材30のブランクを図12に示す。このシート部材30は、袋本体10の底部から両側面にわたって取り付けるものであり、図示のように、前板31、底板32、後板33が折れ線m,nを介して連設している。そして、前板31には、その上部中央付近に、円弧状の切込み線からなり、その切込み線の両端と真ん中からそれぞれ外向きに短い切れ線が入った差込み口34が形成されている。このような切込み線からなる差込み口34は、先の実施形態のものと同様、本体部分Hと折返し部分Cの幅を同一にすることができ、袋本体10を製造しやすくなるため、円弧状をはじめとして逆V字状、逆U字状等の上方に凸となる形状にすることが好ましい。
このシート部材30を袋本体10に取り付けるには、シート部材30の前板31と後板33における図の取付け箇所31a,33aにホットメルト、接着剤等を塗布し、前板31と後板33の何れかに袋本体10を載せてから、折れ線m,nを折り曲げ、残りの方を袋本体10の上部に重ねてその袋本体10に貼り合わせる。このようにシート部材30を袋本体10に取り付けた後、充填工程にて内容物を充填することで図11に示す商品の形態となる。或いは、袋本体10に内容物を充填してから、その袋本体10の外面にシート部材30を取り付けるようにしてもよい。
本発明の第2実施形態において、袋本体10に取り付けるシート部材30は、本体部分Hの折返し部分Cと対向する側に取り付けられる一方の面と、本体部分Hの折返し部分Cと対向しない側に取り付けられる他方の面と、一方の面の下辺と他方の面の下辺とに連設される底面とで構成されるが、この例では、シート部材30における前板31が、本体部分Hの折返し部分Cと対向する側に取り付けられる一方の面となり、後板33が、本体部分Hの折返し部分Cと対向しない側に取り付けられる他方の面となり、底板32が、一方の面の下辺と他方の面の下辺とに連設される底面となる。
このように、ホットメルト樹脂、接着剤などを使用してシート部材30を袋本体10に取り付けることができるが、第1実施形態の場合と同様に、シート部材30の最内層および袋本体10の最外層をヒートシール性を有する熱可塑性樹脂とし、ヒートシールで取り付けるようにしてもよい。
使用時には、開封用ノッチ15から袋端部を切り取って開封し、内容物を一部だけ取り出す。そして、再封時には、図13に示すように、上部が開いた折返し部分Cを突出片Pと反対側に折り返し、その先端を差込み口34に係止することにより、折返し部分Cがシート部材30に保持されて浮き上がりが防止される。このように、折返し部分Cの先端をシート部材30の差込み口34に係止するので、少なくとも折返し部分Cが係止される箇所は、袋本体10とシート部材30を接着しないようにする必要がある。
また、袋本体10の折返し部分Cをシート部材30に保持させる手段としては、上記のように、シート部材30に切込み線からなる差込み口34を形成して折返し部分Cの先端をその差込み口34に係止するようにしてもよいし、第1実施形態で説明したのと同様に、シート部材30に粘着手段を設けて折返し部分Cとシート部材30とを貼着するようにしてもよい。また、袋本体10に対するシート部材30の取付け位置、シート部材30の材質についても第1実施形態で説明したのと同様である。
シート部材30の一方の面あるいは他方の面の形状としては、図11に示すような矩形の他に、上辺と底辺が平行で底辺の方が上辺よりも長い台形等が挙げられる。また、シート部材30は、図11に示すように一方の面と他方の面を折れ線を介して連設した1部材で構成するほか、2部材あるいは3部材で構成し各々の部材を接着してもよい。
また、シート部材30は、袋本体10の封止を阻害しないように、底面の幅(一方の面の底辺と他方の面の底辺との間隔)を設定する。
〔第3実施形態〕
図14は第3実施形態に係る袋を示すもので、図示のように、袋本体10(第1実施形態で説明したのと同じ平パウチ)に、一面からなるシート部材40を取り付けた形態をしている。
図14の袋を構成するシート部材40のブランクを図15に示す。このシート部材40は、袋本体10の前面上部に取り付けるものであり、図示のように、角が丸く面取りされた一面からなる矩形状をしている。そして、上部中央付近に、円弧状の切込み線からなり、その切込み線の両端と真ん中からそれぞれ外向きに短い切れ線が入った差込み口41が形成されている。このような切込み線からなる差込み口41は、先の実施形態の場合と同様に、本体部分Hと折返し部分Cの幅を同一にすることができ、袋本体10を製造しやすくなるため、円弧状をはじめとして逆V字状、逆U字状等の上方に凸となる形状にすることが好ましい。
このシート部材40を袋本体10に取り付けるには、シート部材40における図の2箇所の取付け箇所40a,40bにホットメルト、接着剤等を塗布し、その上から袋本体10を重ねてその袋本体10に貼り合わせる。このようにシート部材40を袋本体10に取り付けた後、充填工程にて内容物を充填することで図14に示す商品の形態となる。或いは、袋本体10に内容物を充填してから、その袋本体10の外面にシート部材40を取り付けるようにしてもよい。
本発明の第3実施形態において、袋本体10に取り付けるシート部材40は、本体部分Hの折返し部分Cと対向する側に取り付けられる面で構成される。すなわち、シート部材40それ自体が、本体部分Hの折返し部分Cと対向する側に取り付けられる面となる。
このように、ホットメルト樹脂、接着剤などを使用してシート部材40を袋本体10に取り付けることができるが、第1実施形態の場合と同様に、シート部材40の最内層および袋本体10の最外層をヒートシール性を有する熱可塑性樹脂とし、ヒートシールで取り付けるようにしてもよい。
使用時には、開封用ノッチ15から袋端部を切り取って開封し、内容物を一部だけ取り出す。そして、再封時には、図16に示すように、上部が開いた折返し部分Cを突出片Pと反対側に折り返し、その先端を差込み口41に係止することにより、折返し部分Cがシート部材40に保持されて浮き上がりが防止される。このように、折返し部分Cの先端をシート部材40の差込み口41に係止するので、少なくとも折返し部分Cが係止される箇所は、袋本体10とシート部材40を接着しないようにする必要がある。
また、袋本体10の折返し部分Cをシート部材40に保持させる手段としては、上記のように、シート部材40に切込み線からなる差込み口41を形成して折返し部分Cの先端をその差込み口41に係止するようにしてもよいし、第1実施形態で説明したのと同様に、シート部材40に粘着手段を設けて折返し部分Cとシート部材40とを貼着するようにしてもよい。また、袋本体10に対するシート部材40の取付け位置、シート部材40の材質についても第1実施形態で説明したのと同様である。
シート部材40の形状としては、図14に示すような矩形の他に、差込み口41や粘着手段を設けることができさえすれば、任意の形状を採用することができる。
シート部材40は、左右2箇所の取付け箇所40a,40bのように、少なくともその両端部を袋本体10の本体部分Hに取り付けることが好ましい。すなわち、シート部材40が側端部から中央に向かって膨らんだ形状になり、折返し部分Cの差込み口41への係止効果を向上させることができ、折返し部分Cの浮き上がり防止効果を向上させることができるからである。
また、本体部分Hの折返し部分Cと対向しない側に別のシート部材を取り付けるようにしてもよい。例えば、シート部材40と別のシート部材の底部が袋本体10の底部と同等となるか、あるいは袋本体10の底部よりも下方まで形成されるとともに、シート部材40の底部を水平にすることにより自立性を付与することができる。
<袋本体のタイプ>
本発明の袋を構成する袋本体は、上記した平パウチに限定されるものではなく、折返し部分が開口した状態で、突出片の根元を基点として本体部分に対し折返し部分を突出片と反対側に折り返すことで封止が可能でさえあれば、任意のタイプを本発明における袋本体として使用することができる。
例えば、図1及び図2で示す袋本体10(平パウチ)は、長短2枚の包装材を製袋して作成したものであるか、突出片を平パウチに後付けしたものであってもよい。すなわち、上下に長い包装材をシーラント層を内側として二つ折り状態で対向させた後、左右両側辺のサイドシール部で直線状に貼り合わせ、その左右のサイドシール部にそれぞれ開封用ノッチを形成してから、表面側又は裏面側のいずれか一方の外面に開封用ノッチより内側の位置で左右のサイドシール部に跨がる突出片を突き出る状態で貼り付けたものでもよい。このような突出片は矩形状の包装材からなり、T字型に折り曲げて対向している部分をホットメルトで貼り合わせた後、袋本体にホットメルトにて取り付ける。ホットメルトに限らず接着剤やヒートシールで取り付けてもよい。このタイプの袋本体では、突出片は左右のサイドシール部に跨がるように後付けするほか、サイドシール部より内側に取り付けるようにしてもよい。
本発明で使用する袋本体として図17及び図18に示すようなスタンディングパウチの形態をしたものを挙げることができる。この袋本体50は、底部でW折りした上下サイズが長い方の包装材51と、上下サイズが短い方の包装材52とが左右方向の突出片Pで直線状に貼り合わせられ、さらに左右両側辺のサイドシール部54で直線状に貼り合わせられた構造になっており、左右方向の突出片Pは中間シール部53により根元までシールされた状態で、左右両側辺のサイドシール部54と直交するように形成されている。また、左右のサイドシール部54には、突出片Pより上方の対応する位置にそれぞれ開封用ノッチ55が形成されている。
この袋本体50の製袋機による製造手順は例えば次のようである。製袋機にて一枚の包装材を搬送し、まず左右の端部を向かい合わせ突出片Pの形成を行う。次に、スタンディングパウチの形態とするため、底部両端を表裏で貼り合わせるのに必要な底孔51aを形成するためのパンチ孔加工を行ってから底部の折りを行う。続いて、放物線状の底シールと直線状のサイドシールを行って底シール部56とサイドシール部54を形成した後、続く工程で開封用ノッチ55を打ち抜き、上辺を切り落として充填口を形成する。次いで、ギロチン刃にてサイドシール部54のところで1袋ずつ分離するようにカットする。これにより図17及び図18に示す袋本体50が製造される。
このタイプの袋本体50は、上辺の開口から内容物を充填し、その開口を閉じるように上端部の点線で示す部位をヒートシールして上辺シール部57を形成する。このような充填工程を経ることで、袋本体50は、左右両側辺のサイドシール部54と底シール部56に加え、上辺シール部57を有したものとなり、開封用ノッチ55を取っ掛かりにして包装材を破断することにより、上辺シール部57より内側の部位に開口端を形成して開封することができる。そして、表面側又は裏面側のいずれか一方の外面に開口端となる部位よりさらに内側の位置で左右のサイドシール部54に跨がる突出片Pが突き出る状態で設けられたものとなる。
このように内容物が充填された袋本体50は、開封用ノッチ55から袋端部を切り取って開封し、内容物を一部だけ取り出した後、簡単に封止することができる。すなわち、突出片Pより下方を本体部分H、突出片Pから開口端までを折返し部分Cとし、突出片Pの根元を基点として本体部分Hに対し折返し部分Cを突出片Pと反対側に折り返すと、突出片Pがあることにより折返し部分Cの戻り(折返し部分Cが元に戻ろうとする反発)が抑制され、密閉状態で閉じた状態が維持される。
また、図17及び図18に示す袋本体50(スタンディングパウチ)は、2枚の包装材51,52からなる構造としたが、4枚の包装材からなる構造としてもよい。すなわち、表裏の一方側を上下サイズの長い包装材、表裏の他方側を上下サイズの短い2つの包装材で構成し、他方側の2つの包装材を突出片Pで直線状に貼り合わせた状態で一方側の包装材と相対させ、その相対する表裏の包装材の間に、断面が逆V字形をした包装材を介在させて、底シール部56で放射線状に貼り合わせ、かつ左右両側辺のサイドシール部54で直線状に貼り合わせてなる構造とした袋本体でもよい。
また、スタンディングパウチの形態をした別の袋本体としては、底部でW折りした長い包装材と、下端が折り返された短い包装材とを左右両側辺のサイドシール部と直交する突出片で貼り合わせたタイプが挙げられる。このタイプの袋本体は、底部がシールされるのではなくW折りされた点が異なっており、内容物を充填すると底部が膨らむので、図17及び図18に示す袋本体50よりも内容量が多くなる。この底部がW折りされたスタンディングパウチを製造するに際しては、底シールを行う工程に代えて、プレートを挿入して底折込部を形成すればよい。
また、スタンディングパウチの形態をしたさらに別の袋本体としては、スタンディングパウチに突出片を後付けしたものが挙げられる。すなわち、表面側と裏面側の包装材をシーラント層を内側として対向させ、その間に逆V字形をした包装材を介在させて、底シール部で放物線状に貼り合わせ、かつ左右両側辺のサイドシール部で直線状に貼り合わせ、その左右のサイドシール部にそれぞれ開封用ノッチを形成した後、表面側又は裏面側のいずれか一方の外面に開封用ノッチより内側の位置で左右のサイドシール部に跨がる突出片を突き出る状態で貼り付けたものである。この突出片は矩形状の包装材からなり、T字型に折り曲げて対向している部分をホットメルトで貼り合わせた後、袋本体にホットメルトにて取り付ける。ホットメルトに限らず接着剤やヒートシールで取り付けてもよい。このタイプの袋本体では、突出片は左右のサイドシール部に跨がるように後付けするほか、サイドシール部より内側に取り付けるようにしてもよい。
本発明の袋を構成する袋本体として、図19に示すような底部及び両側部にひだを有するガゼット式の形態をした袋本体60を使用してもよい。この袋本体60は、充填された内容物を取り出すに際し、はさみで上部を切り取って開口を形成するタイプである。
図19に示す袋本体60は、表裏の他方側が上下サイズの長い包装材61からなり、表裏の一方側が上下サイズの短い2つの包装材62A,62Bからなっており、一方側の包装材62A,62Bが左右方向の突出片Pで直線状に貼り合わされた状態で他方側の包装材61と相対し、その相対する表裏の包装材(包装材61と包装材62A,62B)の間に、断面が逆V字状をした3つの包装材、すなわち底部に包装材64と両側部にそれぞれ包装材65を介在させて、底部の包装材64を底辺に添った底シール部66で直線状に貼り合わせるとともに、両側部の包装材65をそれぞれ左右両側辺のサイドシール部67で直線状に貼り合わせ、さらに、底部の包装材64の左右端縁と側部の包装材65の下端縁を貼り合わせて、側部の包装材65の下部を底部の包装材64の折りに合わせて折り込んだ構造をしており、左右方向の突出片Pは中間シール部63により根元までシールされた状態で、左右両側辺のサイドシール部67と直交するように形成されている。
このタイプの袋本体60は、上辺の開口から内容物を充填し、その開口を閉じるように上端部の点線で示す部位をヒートシールして上辺シール部68を形成する。このような充填工程を経ることで、袋本体60は、左右両側辺のサイドシール部67と底シール部66に加え、上辺シール部68を有したものとなり、はさみで上辺シール部68を切り取ることにより、上辺シール部68より内側の部位に開口端を形成して開封することができる。そして、表面側又は裏面側のいずれか一方の外面に開口端となる部位よりさらに内側の位置で左右のサイドシール部67に跨がる突出片Pが突き出る状態で設けられたものとなる。
このように内容物が充填された袋本体60は、はさみで上辺シール部68を切り取って開封し、内容物を一部だけ取り出した後、簡単に封止することができる。すなわち、突出片Pより下方を本体部分H、突出片Pから開口端までを折返し部分Cとし、突出片Pの根元部分を基点として本体部分Hに対し折返し部分Cを突出片Pと反対側に折り返すと、突出片Pがあることにより折返し部分Cの戻り(折返し部分Cが元に戻ろうとする反発)が抑制され、密閉状態で閉じた状態が維持される。
このように、底部と両側部にひだ(ガセット)のある形態とした場合は、開口を長方形あるいは正方形として大きく広げることができるので、内容物を充填しやすい、あるいは内容物を取り出しやすいという利点がある。また、立てて置けるので、開封した後に形成される開口が床面から離れているため衛生的である。
<突出片のシールパターン>
第1〜第3実施形態で説明した袋本体では、左右のサイドシール部に跨がる突出片について、重なる包装材を根元までシールすることで中間シール部を形成しているが、図20に例示するようなシールパターンで形成してもよい。
図20は第1実施形態で使用した袋本体10をベースに突出片Pの中間シール部13についてそのシールパターンの変形例を示したもので、(a)は左右のサイドシール部14に跨がって根元部分だけを細くシールしたパターンであり、(b)は左右のサイドシール部14に跨がってシールしてはいるが、中央付近のみを根元までシールし、その両側は根元部分を空けてシールしたパターンであり、(c)は左右のサイドシール部14に跨がってシールしてはいるが、中央付近の根元部分のみを空け、その両側を根元までシールしたパターンである。このように突出片Pの少なくとも根元部分がシールされていれば、袋本体10を折り返したときに突出片Pがあることにより戻りが抑制される。ただし、根元部分をシールする領域が多いほど、折り返した部分が元に戻ろうとする反発を抑制できるため、封止効果を高めることができる。
<袋本体の包装材>
本発明の袋本体に用いる包装材としては、主にプラスチックを主体とする積層フィルムが用いられ、簡単な構成では、基材フィルム層にシーラント層を積層した構成の積層フィルムが用いられるが、袋本体に充填される内容物や、充填後の取扱い条件、或いは、水蒸気その他のガスバリヤー性、遮光性、各種の機械的強度など必要とされる性能に応じて、基材フィルム層とシーラント層との間などに、例えば、中間層として、水蒸気その他のガスバリヤー層、遮光層、強度向上層などを積層した構成の積層フィルムを使用する。
前記基材フィルム層や水蒸気その他のガスバリヤー層、遮光層、強度向上層などの中間層、シーラント層などは、それぞれ単独の層で形成してもよいが、複数の層を積層して形成してもよい。
前記基材フィルム層には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルの二軸延伸フィルムのほか、ナイロン6、ナイロン66、MXD6(ポリメタキシリレンアジパミド)などのポリアミドの二軸延伸フィルム、そして、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)などを好適に使用することができる。
前記ガスバリヤー層としては、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアクリロニトリル(PAN)などのフィルムのほか、アルミニウム箔(AL)、或いは、シリカ、アルミナ、アルミニウムなどの蒸着層やPVDCの塗膜層を設けた二軸延伸ナイロンフィルム(ONフィルム)、シリカ、アルミナ、アルミニウムなどの蒸着層を設けたポリエチレンテレフタレート(VMPET)、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)などを使用することができる。これらのうち、アルミニウム箔またはアルミニウム蒸着層を設けたフィルムは、不透明であるため遮光層を兼ねることもできる。
前記強度向上層としては、前記基材フィルムのいずれかを適宜追加積層してもよく、二軸延伸高密度ポリエチレンフィルムなどを防湿層を兼ねて積層することもできる。
また、中間層に易引き裂き性の一軸延伸ポリプロピレンフィルム、一軸延伸高密度ポリエチレン、易引き裂き性二軸延伸ポリエステルフィルム(「エンブレット」PC(MD方向に易引き裂き性)、ユニチカ(株)製)などを、その延伸方向が袋本体を開封する際の引き裂き方向と一致するように積層することにより、易開封性手段として、引き裂きを容易にし、かつ、その方向性を安定化させることができる。
前記基材フィルム層とガスバリヤー層、遮光層、強度向上層などの中間層との積層には、公知のドライラミネーション法または押し出しラミネーション法(サンドイッチラミネーション法)を用いることができる。
前記シーラント層には、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)のほか、エチレン・αオレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体・アイオノマー、ポリプロピレン(CPP)、シリカ、アルミナ、アルミニウムなどの蒸着層を設けたポリプロピレン(VMCPP)またはその共重合体などを使用することができる。
シーラント層の積層は、上記の樹脂をフィルム状に製膜し、ドライラミネーション法または押し出しラミネーション法で積層する方法、或いは、上記の樹脂を押し出しコートして積層する方法などを採ることができる。ただし、内容物がシーラント層に浸透しやすいものの場合は、ドライラミネーション法で積層することが好ましい。
このようなプラスチックを主体とする積層フィルムの具体例として代表的には次の層構成からなる包装材を挙げることができる。下記1)〜10)はドライラミネーション法による積層フィルムであり、各層は接着剤で貼り合わされる。なお、( )内の値は各層の厚みを示す。
1)PET(12μm)/CPP(30〜 150μm)
2)PET(12μm)/LLDPE(30〜 150μm)
3)PET(12μm)/VMPET(12μm)/LLDPE(30〜 150μm)
4)PET(12μm)/VMPET(12μm)/CPP(30〜 150μm)
5)PET(12μm)/AL( 6〜 7μm)/LLDPE(30〜 150μm)
6)OPP(20μm)/CPP(30〜 150μm)
7)OPP(20μm)/LLDPE(30〜 150μm)
8)OPP(20μm)/VMCPP(30〜 150μm)
9)VMPET(12μm)/CPP(30〜 150μm)
10)PET(12μm)/AL( 6〜 7μm)/CPP(30〜 150μm)
本発明の袋本体に用いる包装材としては、上記のようなプラスチックを主体とする積層フィルムのほか、層構成に紙を有する包装材を用いることもできる。このような紙を積層したものとしては次の層構成からなる包装材を挙げることができる。紙はプラスチックに比べて反発力が低いため、プラスチックのみで構成される場合に比べて封止効果を高めることができる。下記1)〜4)はドライラミネーション法による積層フィルムであり、各層は接着剤で貼り合わされる。下記5)〜11)は押出しラミネーション法による積層フィルムであり、PE(ポリエチレン)は接着層の役割を果たす。なお、( )内の値は各層の厚みを示す9
1)紙(30〜60g/m2 )/CPP(30〜 150μm)
2)紙(30〜60g/m2 )/LLDPE(30〜 150μm)
3)紙(30〜60g/m2 )/AL( 6〜 7μm)/CPP(30〜 150μm)
4)紙(30〜60g/m2 )/AL( 6〜 7μm)/LLDPE(30〜 150μm)
5)紙(30〜60g/m2 )/PE(15〜30μm)/AL( 6〜 7μm)/PE(15〜30μm)
6)紙(30〜60g/m2 )/PE(15〜30μm)/AL( 6〜 7μm)/PE(15〜30μm)/CPP(30〜 150μm)
7)紙(30〜60g/m2 )/PE(15〜30μm)/AL( 6〜 7μm)/PE(15〜30μm)/LLDPE(30〜 150μm)
8)PET(12μm)/PE(15〜30μm)/紙(30〜60g/m2 )/PE(15〜30μm)/AL( 6〜 7μm)/PE(15〜30μm)
9)PET(12μm)/PE(15〜30μm)/紙(30〜60g/m2 )/PE(15〜30μm)/AL( 7μm)/PE(15〜30μm)/CPP(30〜 150μm)
10)PET(12μm)/PE(15〜30μm)/紙(30〜60g/m2 )/PE(15〜30μm)/AL( 6〜 7μm)/PE(15〜30μm)/LLDPE(30〜 150μm)
11)PET(12μm)/PE(15〜30μm)/VMPET(12μm)/PE(15〜30μm)/LLDPE(30〜 150μm)
以上、本発明を実施するための形態について詳細に説明してきたが、本発明による袋は、上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは言うまでもないことである。