JP6010370B2 - ドアサッシュ - Google Patents

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本発明は、ドアフレームに関し、特に別体として形成したウェザストリップチャンネルを、サッシュ本体に結合するタイプのドアサッシュに関する。
ドアフレームは、鉄系材料のロール成形により、いわゆる一筆書きの断面形状とするタイプと、サッシュ本体とは別部材として形成したウェザストリップチャンネルを、サッシュ本体に結合(例えば溶接結合)するタイプ(ウェザストリップチャンネル別付けタイプ)が知られている。ドアの輪郭を構成するサッシュ本体は、車外側板部(意匠面部あるいはガーニッシュが取り付けられる羽根板部)と、該車外側板部から車内側に延びる接続板部と、該接続板部の車内側に位置する袋状部とを備え、ウェザストリップチャンネルは、サッシュ本体の接続板部に重ねられる重畳平板部の両端に、内方への折返部を有する一様断面材である。
従来のウェザストリップチャンネル別付けタイプでは、その取付位置がサッシュ本体の壁面によって定められていた。具体的には、サッシュ本体の車外側板部と接続板部とによるコーナ部に、ウェザストリップチャンネルのコーナ部を当て付け(押し付け)、その当付(押付)状態で、両者を結合(溶接)していた。
特開2010-111157号公報
しかしながら、サッシュ本体とウェザストリップチャンネルにはそれぞれ、製造時の寸法誤差が存在する。このため、壁面どうしを当て付けて両者を固定すると、ウェザストリップチャンネルの位置が不正確になるという問題点があることが分かった。ウェザストリップチャンネルの位置がばらつくと、ウェザストリップチャンネルに支持されるウェザストリップの位置がばらつき、その結果、ドアを閉じたときの車両ボディによるウェザストリップの圧縮量がばらついて、車両の防水性が損なわれる可能性がある。
従って本発明は、ウェザストリップチャンネル別付けタイプのドアサッシュにおいて、ウェザストリップチャンネルの位置精度を高めることを目的とする。
本発明は、ウェザストリップチャンネルをサッシュ本体に固定する際の位置基準を、サッシュ本体の接続板部とウェザストリップチャンネルの重畳板部にとり、両者を位置決めした状態では、サッシュ本体の車外側板部とウェザストリップチャンネルの折返部とが接触しないようにすれば(非接触とすれば)、ウェザストリップチャンネルの位置精度が高まるとの着眼に基づいてなされたものである。
本発明は、サッシュ本体と、このサッシュ本体とは別部材からなるウェザストリップチャンネルとを有し、上記サッシュ本体は、車外側板部と、この車外側板部から車内側に延びる接続板部と、この接続板部の車内側に位置する袋状部とを備え、上記ウェザストリップチャンネルは、サッシュ本体の上記接続板部に重ねられて固定される重畳平板部と、この重畳平板部の車外側と車内側の両端部に外周側への折返部を備えるドアサッシュにおいて、上記サッシュ本体の車外側板部は、車内側に上記ウェザストリップチャンネルに支持されたウェザストリップが当接する規制面を有し、該規制面は、上記ウェザストリップチャンネルの車外側の折返部の車内側の面より車内側に位置し、上記サッシュ本体の車外側板部は、上記ウェザストリップチャンネルの車外側の折返部の車外側の面と対向する車内側の面が、上記規制面及び上記折返部の車内側の面より車外側に位置し、かつ上記ウェザストリップチャンネルの車外側の折返部の車外側の面との間に隙間を有していることを特徴としている。
上記サッシュ本体の接続板部とウェザストリップチャンネルの重畳平板部には、両者の相対位置を定める位置決め手段を設け、該接続板部と重畳平板部の位置決め状態で、ウェザストリップチャンネルの車外側の折返部と、上記サッシュ本体の車外側板部とは非接触とすることことが実際的である。
上記接続板部と重畳平板部の位置決め手段は、該接続板部と重畳平板部に穿設した位置決め孔とすることができる。
上記位置決め孔は、1つの円形孔と、サッシュ本体及びウェザストリップチャンネルの長手方向に長い1つの長孔とすることが好ましい。
上記ウェザストリップチャンネルの重畳平板部が重ねられる接続板部は、横断面を直線形状とすることが好ましい。ウェザストリップチャンネルの接続板部に対する位置決め、接触状態が安定する。
本発明によれば、サッシュ本体に固定されるウェザストリップチャンネルの位置精度を高め、ウェザストリップチャンネルに支持されるウェザストリップの位置精度を高めることができるので、ドアを閉じたときの車両ボディによるウェザストリップの圧縮量を一定にして車両の防水性を高めることができる。
本発明によるアルミドアフレーム(ドアサッシュ)の一実施形態を示す車内側から見た側面図である。 図1のアルミドアフレーム(ドアサッシュ)の立柱サッシュ部分の斜視図である。 図2のIII-III線に沿う断面図である。 本発明によるアルミドアサッシュ(ドアサッシュ)をリヤ側面ドアに適用した一実施形態を示す車内側から見た側面図である。
図1は自動車の前部座席用の側面ドア10を示している。側面ドア10は、二点鎖線で概略形状を示すドアパネル12と、ドアパネル12の上部に枠状に形成されたドアフレーム14とを有し、ドアパネル12の上縁部とドアフレーム14の内縁部とで囲まれる窓開口16内にドアガラスが昇降する。窓開口16に臨むドアフレーム14の内周側には弾性材からなるガラスランが配設されており、ドアガラスの縁部がガラスランにより保持される。ドアフレーム14は、ドア上縁部を形成するアッパサッシュ18と、ドアパネル12の後部から上方へ延設された立柱サッシュ20を備えており、アッパサッシュ18の後端部と立柱サッシュ20の上端部がドアコーナー部で接合される。ドアパネル12は車外側のアウタパネルと車内側のインナパネルを組み合わせて構成され、アッパサッシュ18の前方下部はミラーブラケット31を介してインナパネルに固定され、立柱サッシュ20の下部はロックブラケット32を介してインナパネルに固定される。ミラーブラケット31とロックブラケット32に対して、車両前後方向に延びるベルトラインリンフォース33が固定される。側面ドア10を閉じたとき、アッパサッシュ18は、図示しない車両ボディのルーフパネルのドア開口部に沿って位置し、立柱サッシュ20は、車両ボディのセンターピラーに沿って位置される。アッパサッシュ18と立柱サッシュ20の外周側には弾性材からなるウェザストリップが配設されており、側面ドア10を閉じるとウェザストリップが弾性変形して、側面ドア10と車両ボディの間を液密に塞ぐ。
本実施形態は、以上の側面ドア10の立柱サッシュ20に適用したものである。この実施形態の立柱サッシュ20は、図2、図3に示すように、センタピース21、ガラスランチャンネル22、及びウェザストリップチャンネル23からなっている。センタピース21とガラスランチャンネル22は、互いに結合されてドアサッシュの輪郭を構成する立柱サッシュ本体(サッシュ本体)212を構成している。図2には、ガラスランチャンネル22は表れていない。
センタピース21は、アルミ合金からなる板材をプレス成形して形成されたもので、車外側に位置する第1羽根板部(車外側板部)21aと、第1羽根板部21aの車両前方の一端部から車内側に延びる接続板部21bと、接続板部21bの車内側端部を車外側前方に折り返した袋部形成板部21cと、この袋部形成板部21cの先端部を車内側後方に折り返したヘム外板部21dとを備えている。この実施形態では、接続板部21bの車内側への突出量が上方から下方にかけて増加しており、袋部形成板部21cの位置も変化しているが、図3では、袋部形成板部21cの位置は一定に描いている。より詳細には、接続板部21bは、車外側の溶接板部21b1と、車内側の袋状部用延長部21b2とからなっている。
ガラスランチャンネル22は、アルミ合金を押出成形した一様断面部材であり、センタピース21の接続板部21bの車外側の前方に重ねられる重畳平板部22aと、この重畳平板部22aの車外側の端部を前方に折り曲げた第2羽根板部22bと、車内側の端部を前方に折り曲げた異形屈曲部22cとを有している。重畳平板部22aの車内側の面には、抜止縁22dが形成され、異形屈曲部22cの車外側の面には抜止段部22eが形成されていて、この抜止縁22dと抜止段部22eにガラスランが保持される。異形屈曲部22cの先端部は、センタピース21のヘム外板部21d内にヘム結合されるヘム内板部22fを構成している。
ウェザストリップチャンネル23は、アルミ合金を押出成形、またはロール成形、またはプレス成形した一様断面部材であり、センタピース21の接続板部21bの車外側の後方に重ねられる重畳平板部23aと、この重畳平板部23aの車幅方向の両端部を内方に折り返した折返部23b、23cを備えたC字形チャンネル形状をしている。そして、このウェザストリップチャンネル23には、図2の上方に位置する1つの円形の位置決め孔23dと、下方に位置する縦長の位置決め長孔23eが穿設されている。このウェザストリップチャンネル23のC字形チャンネル形状部にウェザストリップが挿入支持される。
以上のセンタピース21の接続板部21bの溶接板部21b1、ガラスランチャンネル22の重畳平板部22a及びウェザストリップチャンネル23の重畳平板部23aは、互いに溶接される溶接板部であり、溶接板部21b1の表裏に、重畳平板部22aと重畳平板部23aが重ねられて、溶接結合される。接続板部21b(溶接板部21b1)、重畳平板部22a及び重畳平板部23aは、横断面(車内外方向の断面)が直線形状に形成されているので、ウェザストリップチャンネル23のセンタピース21に対する接触状態、位置決めが安定し、良好な溶接が可能になる。また、センタピース21のヘム外板部21dは、その内側にヘム内板部22fをくわえ込んでヘム加工され、立柱サッシュ20(立柱サッシュ本体212)の車内側に袋状部212aが形成される。より具体的には、最初にセンタピース21の溶接板部21b1とウェザストリップチャンネル23の重畳平板部23aが溶接接合され、次に溶接板部21b1と重畳平板部22aが溶接接合され、最後にヘム外板部21dとヘム内板部22fがヘム結合される。
センタピース21の溶接板部21b1には、ウェザストリップチャンネル23の円形の位置決め孔23dと縦長の位置決め長孔23eに対応する、1つの円形の位置決め孔21b3と下方に位置する縦長の位置決め長孔21b4が穿設されている。センタピース21の溶接板部21b1とウェザストリップチャンネル23の重畳平板部23aを結合するに当たっては、この位置決め孔21b3と位置決め孔23dに跨らせて、位置決め治具50の位置決めピン51を挿入し、位置決め長孔21b4と位置決め長孔23eに跨らせて、位置決めピン52を挿入して、センタピース21とウェザストリップチャンネル23の位置決めをする。この位置決め状態では、ウェザストリップチャンネル23の車外側の折返部23bは、センタピース21の第1羽根板部21aの車内側の面に当接することがなく、同第1羽根板部21aとの間に隙間Sが生じるように寸法が設定されている。つまり、ウェザストリップチャンネル23は、第1羽根板部21aと折返部23cとの当付位置によらず、位置決め孔21b3と位置決め孔23d、位置決め長孔21b4と位置決め長孔23eのそれぞれに挿入した位置決め治具50の位置決めピン51と52によって位置(特に車幅方向の位置)が定まるため、仮にセンタピース21(立柱サッシュ本体212)とウェザストリップチャンネル23に寸法誤差があっても、その寸法誤差が合算されることなく、センタピース21に対するウェザストリップチャンネル23の位置を決定することができる。この効果は、ウェザストリップチャンネル23のセンタピース21に対する位置を第1羽根板部21aと折返部23cとの当付位置によって定めていた従来品と比較して顕著である。つまり、センタピース21の第1羽根板部21aに形成したウェザストリップ規制壁21a1の車内側の面とウェザストリップチャンネル23の折返部23cとの距離C1、あるいは同ウェザストリップ規制壁21a1の車内側の面と重畳平板部23aの車内側の端部との距離C2が正確に保たれ、ウェザストリップチャンネル23の車幅方向の位置のばらつきによるウェザストリップWSの圧縮量のばらつきが生じない。
センタピース21の第1羽根板部21a(車外側板部、ウェザストリップ規制壁21a1)は、車内側に、ウェザストリップチャンネル23に支持されたウェザストリップWSが当接する規制面aを有し、該規制面aは、ウェザストリップチャンネル23の車外側の折返部23bの車内側の面bより車内側に位置し、さらに第1羽根板部21a(車外側板部)は、ウェザストリップチャンネル23の車外側の折返部23bの車外側の面と対向する車内側の面cが、規制面a及び面bより車外側に位置し、かつ車外側の折返部23bの車外側の面との間に隙間Sを有している。
センタピース21のヘム外板部21dは、センタピース21とウェザストリップチャンネル23を接合するときには、図3の鎖線のように開いており、以上のように、センタピース21の接続板部21bとウェザストリップチャンネル23と重畳平板部22aの接合が終了した後、センタピース21にガラスランチャンネル22を接合する行程において、ヘム内板部22fとヘム接合される。
センタピース21とウェザストリップチャンネル23との接続固定は、センタピース21とガラスランチャンネル22を結合して立柱サッシュ本体212を構成した後に行ってもよい。この態様は、立柱サッシュ本体212を鉄系材料のロール成形品から1部品として構成するときに好ましい。この実施形態では、ガラスランチャンネル22の第2羽根板部22bにも、位置決め治具50の位置決めピン51と52が挿入される位置決め孔を形成する。
なお、センタピース21の第1羽根板部21aの後方の車外側の面と、ガラスランチャンネル22の重畳平板部22aの車外側の面には、ガーニッシュ24が接着固定される。立柱サッシュ20を全体としてみると、車外側の第1羽根板部21a、第2羽根板部22bがガーニッシュ24を支持する車外側部(意匠部)を構成し、この車外側部と、車内側の袋状部212aとを、接続板部21b、重畳平板部22a及び重畳平板部23aからなる接続部が接続する形をなしている。
以上の実施形態は、アルミ合金製の立柱サッシュ20に本発明を適用したものであるが、本発明は、上述のように、鉄系材料のロール成形品にも適用することができる。すなわち、図示実施形態では、センタピース21とガラスランチャンネル22の2部材により立柱サッシュ本体212を形成したが、立柱サッシュ本体212は鉄系材料のロール成形品から1部材で形成してもよい。ウェザストリップチャンネル23も鉄系材料から構成してもよい。また、以上の実施形態は前部座席用の側面ドア10の立柱サッシュ20に本発明を適用したものであるが、本発明はリヤ側面ドア10rの立柱サッシュ20r(図4参照)にも適用することができる。
10 側面ドア
12 ドアパネル
18 アッパサッシュ
20 20r 立柱サッシュ
21 センタピース
21a 第1羽根板部
21a1 ウェザストリップ規制壁
21b 接続板部(溶接板部)
21b1 溶接板部
21b2 袋状部用延長部
21b3 位置決め孔
21b4 位置決め長孔
21c 袋部形成板部
21d ヘム外板部
22 ガラスランチャンネル
22a 重畳平板部
22b 第2羽根板部
22c 異形屈曲部
22d 抜止縁
22e 抜止段部
22f ヘム内板部
23 ウェザストリップチャンネル
23a 重畳平板部
23b 23c 折返部
23d 位置決め孔
23e 位置決め長孔
24 ガーニッシュ
31 ミラーブラケット
32 ロックブラケット
33 ベルトラインリンフォース
50 位置決め治具
51 52 位置決めピン
212 立柱サッシュ本体
212a 袋状部
WS ウェザストリップ

Claims (5)

  1. サッシュ本体と、このサッシュ本体とは別部材からなるウェザストリップチャンネルとを有し、
    上記サッシュ本体は、車外側板部と、この車外側板部から車内側に延びる接続板部と、この接続板部の車内側に位置する袋状部とを備え、
    上記ウェザストリップチャンネルは、サッシュ本体の上記接続板部に重ねられて固定される重畳平板部と、この重畳平板部の車外側と車内側の両端部に外周側への折返部を備えるドアサッシュにおいて、
    上記サッシュ本体の車外側板部は、車内側に上記ウェザストリップチャンネルに支持されたウェザストリップが当接する規制面を有し、
    該規制面は、上記ウェザストリップチャンネルの車外側の折返部の車内側の面より車内側に位置し、
    上記サッシュ本体の車外側板部は、上記ウェザストリップチャンネルの車外側の折返部の車外側の面と対向する車内側の面が、上記規制面及び上記折返部の車内側の面より車外側に位置し、かつ上記ウェザストリップチャンネルの車外側の折返部の車外側の面との間に隙間を有していること
    を特徴とするドアサッシュ。
  2. 請求項1記載のドアサッシュにおいて、上記サッシュ本体の接続板部とウェザストリップチャンネルの重畳平板部には、両者の相対位置を定める位置決め手段が設けられ、該接続板部と重畳平板部の位置決め状態で、ウェザストリップチャンネルの車外側の折返部と、上記サッシュ本体の車外側板部とは非接触であるドアサッシュ。
  3. 請求項2記載のドアサッシュにおいて、上記接続板部と重畳平板部の位置決め手段は、該接続板部と重畳平板部に穿設した位置決め孔であるドアサッシュ。
  4. 請求項3記載のドアサッシュにおいて、上記位置決め孔は、1つの円形孔と、サッシュ本体及びウェザストリップチャンネルの長手方向に長い1つの長孔であるドアサッシュ。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項記載のドアサッシュにおいて、上記ウェザストリップチャンネルの重畳平板部が重ねられる接続板部は横断面が直線形状であるドアサッシュ。
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