JP6010339B2 - ボタン供給装置 - Google Patents
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Description
従来のボタン供給装置は、例えば、特許文献1に示すように、多数のボタンを収容し、連続的に繰り出すことが可能なボタンフィーダー機構と、繰り出されたボタンを受け取って、回動動作によりミシンのボタン保持部にボタンを搬送するアームを備えた搬送機構と、アームに保持されたボタンを上方から撮像する撮像装置とを備えている。そして、撮像されたボタン画像を正規の基準画像と比較することでボタン穴の並び方向を求め、アームに搭載された回転機構によりボタンの向きを調整してミシンに供給していた。
このボタン供給装置では、ボタンフィーダー機構から第一、第二の搬送機構及びアーム機構を介して順番にボタンが渡り、ミシンへの供給を行っていた。
一方、ボタン付けミシンは、一般に、ボタンの外縁部を両側から把持することで縫製中のボタンを固定するボタン把持アームを備え、ボタン供給時にはアームの回動を妨げないように上方に退避する構造となっている。
従って、アームの厚みが大きいと、ボタン把持アームは大きく上方に退避移動及び下方に復帰移動を行わなければならず、これらの動作時間が縫製のサイクルタイムを悪化さるという問題点があった。
また、上記従来のボタン供給装置は、撮像装置により、傷や製造欠陥による変形、ボタン穴の位置ズレ等を有する欠陥ボタンを検知することが可能であったが、欠陥ボタンを発見しても、これを除去する手段を備えておらず、装置の搬送動作を停止させて作業者の手によって除去するしか方法がなかった。このため、かかる除去作業の介在を原因とするサイクルタイムの悪化も生じていた。
また、第一の搬送機構と第二の搬送機構とアーム機構とを経由してボタンをミシンに供給するので、サイクルタイムが延長するという問題が生じていた。
また、このボタン供給装置は、第一の搬送機構の回転板に、異なるサイズで複数の切り欠き部が並んで形成されており、回転板の取付位置を調節することで各種サイズのボタン搬送を可能としている。かかる構造により、部品交換を行うことなく複数サイズのボタン搬送は可能となるが、搬送するボタンのサイズを変更する際には、回転板の取付位置の変更を手作業で行わねばならず、当該手作業によるサイクルタイムの悪化も生じていた。
また、上記ボタン供給装置は、ボタンを回転させるボタン回転機構を搬送機構上に搭載しているので、アーム機構のアーム上にボタン回転機構を搭載する必要がない。このため、アームの小型化、薄型化を図ることができ、ミシンがボタンを受け取る際のミシン側のボタン把持部の退避量を低減し、ボタン供給のサイクルタイムをさらに低減することが可能となる。
また、上記ボタン供給装置のボタン回転機構は、ボタン把持部を回転台側に、把持駆動源及び回転駆動源を基部側に、それぞれ分離して配置している。仮に、回転台側に各駆動源を搭載すると、その電源供給線や信号線が回転台の回転角度範囲を制限したり、当該制限を排除するためにスリップリング等の高価な特殊部品が必要となるが、上記構成では、回転台の回転角度範囲の制限をなくし、特殊部品を不要として製造コストの低減を可能とする。また、上記構成により、故障や動作不良の発生を低減でき、装置の信頼性及び耐久性の向上を図ることが可能となる。
なお、アーム機構がボタンの向きを「一定の状態に維持して」ボタン保持部へ搬送を行うとは、ボタン回転機構により回転が行われたボタンの向きがアーム機構によりランダムに変化してしまうことがないように搬送を行うことを意味するものである。
即ち、ボタン付けミシン側から見て、ボタン回転機構により回転が行われたボタンの向きがアーム機構により全く変化することなくボタン保持部へ搬送される場合に限らず、ボタン回転機構により回転が行われたボタンが毎回、一定の角度変化を行いつつボタン保持部へ搬送されることを含む意味である。アーム機構において、必ず既知の一定の角度変化が生じるのであれば、ボタン回転機構による向きの調節は一定の角度変化を考慮しておこうことにより、ボタン保持部に対して毎回適正な向きでホタン供給を行うことが可能だからである。
また、三つの把持ローラーにより三点でボタンを把持するので、ボタンをしっかりとホールドしつつもボタン外周に全ての把持ローラーが密着し、把持及び回転を良好に行うことが可能となる。
前記回転台を所定位置で停止し、前記ボタン把持部のいずれかの把持ローラー又は把持されたボタンの外周に前記入力ローラーを当接させてボタンへの回転付与を行う構成としても良い。
また、把持したままの状態でボタンを回転させることができ、回転させるためにいちいち把持状態を解除する必要がなく、ボタン搬送のサイクルタイムの向上を図ることが可能となる。
図1は本発明の実施形態たるボタン付けミシン100に併設されるボタン供給装置10の概略斜視図である。以下、図1乃至図23を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
なお、以下の説明では、水平であってボタン付けミシン100とボタン供給装置10とが並ぶ方向をX軸方向、水平方向であってX軸方向に直交する方向をY軸方向、鉛直上下方向をZ軸方向というものとする。また、便宜上、図1に示すように、X軸方向の一方を「左」、他方を「右」とし、Y軸方向の一方を「前」、他方を「後」という場合があるものとする。
図1に示すボタン付けミシン100は、被縫製物である布地に対してボタンの縫着作業を行う針上下動機構及びルーパ機構と、縫い針の下方で布地を保持する布保持機構と、縫い針と布保持機構との間でボタン保持を行うボタン保持部110と、ミシンの各構成の動作制御を行うミシン制御部とを備えている。上記ボタン付けミシン100の構成はいずれも周知のものと同様であるため、ここでは一部のみについて説明する。
ボタン付けミシン100のボタン保持部110は、ボタンBの外周を両側から把持する一対のクランプ腕111と、各クランプ腕111を回動可能に支持するブラケット112とを備えている。ブラケット112はその前端部から前方に延出されるように各クランプ腕111を支持しており、その後端部はミシンフレームによりX軸回りに回動可能に支持されている。従って、ブラケット112の回動により、前端の各クランプ腕111を上方の退避位置へ移動したり、下降してボタン縫着を行う縫製位置に移動したりすることを可能としている。
なお、ブラケット112の回動動作は、図示しないアクチュエーターによりミシン制御部の制御の下で実施される。
ボタン供給装置10は、複数のボタンBを収容し、その送出口から一つずつ繰り出しを行うボタン繰り出し機構200と、当該ボタン繰り出し機構200からボタン付けミシン100側へのボタン搬送を行う搬送機構300と、搬送機構300からボタン付けミシン100のボタン保持部110にボタンBを搬送するアームを有するアーム機構700と、搬送機構300上のボタンBを撮像する撮像装置800と、ボタンBの撮像結果に基づいて当該ボタンBを回転させて向きを調整するボタン回転機構400と、ボタン回転機構400からアーム機構700へのボタンの受け渡しの補助動作を行うボタン分離機構850と、ボタン供給の動作制御を行う制御部900とを備えている。
ボタン繰り出し機構200は、図2に示すように、多数のボタンを収容可能なボタン貯留部210とボタン貯留部210の上端外周に設けられたボタン排出機構220とを備えている。
上記ボタン貯留部210は、従来のボタン供給装置と同じ構造のものである(例えば、公開特許公報の特開平4−9180号に記載の「ボタン供給部13」)。即ち、ボタン貯留部210は、中央底面部の周囲に上り勾配の螺旋状通路211が形成されたボタン供給皿212と当該ボタン供給皿212に微振動を加える振動発生器213とを備えている。そして、ボタン供給皿212に微振動が加えられると、ボタン供給皿212の中央底面部に収容されたボタンBが螺旋状通路211に沿って一列に並んで通路を前進し、螺旋状通路211の終端部に形成された送出口214からボタン排出機構220に順番にボタンが搬送される構造となっている。
また、ボタン搬送路230の底板231は、図4に示すように、幅方向の一端部側が低くなるようにおよそ6°の傾斜がつけられている。このため、外径の異なるいずれのサイズのボタンBの場合でも、高さの低い方の側壁233に当接するように偏った状態で搬送される。
さらに、ボタン搬送路230の底板は、終端部側に下方に約30°傾斜したスロープ234が形成されており、当該スロープ234まで到達したボタンBは自重で搬送機構300に向かって滑り落ちるようになっている。
ゲートブロック241は、図3に示すように、その平面視の形状が左右で不均一な三角形であり、ボタンBの進行方向における上流側と下流側とにそれぞれ第一のテーパ243と第二のテーパ244とが形成されている。
このゲートブロック241は、第一のテーパ243と第二のテーパ244の境界となる頂点の位置が前述したスロープ234の開始位置と一致するように配置されており、ゲートブロック241が前進することで列をなすボタンBとボタンBとの間に押し入り、搬送方向下流側のボタンBをスロープ234側に後押しして、搬送方向上流側のボタンBは進行を阻止する。このため、第一のテーパ243はボタンBの進行を効果的に阻止することができるようにボタン進行方向に対して傾斜角度が大きく設定されている。また、第二のテーパ244はボタンBの進行を促すためにボタン進行方向に対して傾斜角度が小さく設定されている。
また、この通過センサ221は、平面視でボタン搬送路230の幅方向について、低い方の側壁233側に極力近接するように隣接する配置とし、ボタン搬送路230の進行方向についてゲートブロック241との干渉が生じない範囲で(スロープ234の開始位置の手前)ゲート装置240に極力近接するように隣接する配置とされている。
即ち、ボタン供給装置10の制御部900は、ボタンの供給要求を受けて、通過センサ221のON状態とOFF状態との状態変化を監視することにより一つのボタンBの通過を検出する間、ゲート装置240をボタンBの通過可能状態とする動作制御を行う
図7は搬送機構300及びボタン回転機構400の平面図、図8は図7のW−W線に沿った断面図である。この搬送機構300は、そのX軸方向の右側からボタン繰り出し機構200によるボタン供給を受け、その左側においてアーム機構700へのボタンの受け渡しを行う。
搬送機構300は、矩形箱状の基部310と、基部310の上面において回転可能に支持された円形の回転台320と、基部310に設けられた不良ボタン回収機構330と、搬送機構300からアーム機構700へのボタンの受け渡しを行うボタン送出機構340とを備えている。
この回転台320には、その回転中心を基準として点対称となる配置でボタン回転機構400の二つのボタン把持部410,410が搭載されている。これらボタン把持部は、回転台320の下側において、基部310の上面に幾分押しつけるようにボタンBの把持を行う。
図7における右側に位置するボタン把持部は、ボタン繰り出し機構200からボタンBを受け取る位置にあり(受け取り位置とする)、左側に位置するボタン把持部は、アーム機構700へボタンを受け渡す位置にある(受け渡し位置とする)。
回転台320は180°単位で一定方向への回転制御が行われ、これにより、二つのボタン把持部を交互に受け取り位置と受け渡し位置とに切り換えることを可能としている。
この不良ボタン回収機構330は、主に、基部310の上面から内部に貫通した開口部331を開閉可能とする蓋体としてのシャッター板332と、シャッター板332に開閉動作を付与するソレノイド或いはエアシリンダー等の直動式の回収用アクチュエーター333と、開口部331の真下に配置されるボタン回収用のトレー334とから構成されている。
開口部331は、基部310の上面であって前述した回転台320の支軸321の右側に形成されている。この開口部331の形成位置は、ボタン繰り出し機構200により搬送機構300に対してボタンBが供給される供給位置と一致している。
アクチュエーター333は、制御部900の制御に従って上記シャッター板332に左右の移動動作を付与し、開口部331の開閉を行う。
不良ボタン回収機構330は、上記構成により、シャッター板332の上にボタンBが供給された状態において、シャッター板332を開くことにより、開口部331からその下に置かれたトレー334に落下させて回収することができる。なお、回収用のトレー334は、基部310の右側面部から外部に取り出すことが可能となっている。
また、シャッター板332は、その上面が基部310の上面と同じ高さとなっており、シャッター板332により基部310の上面に段差が生じない構造となっている。この搬送機構30では、ボタンBを基部310の上面で滑らせて搬送するので、シャッター板332による段差をなくすことで円滑なボタン搬送を可能としている。
このボタン送出機構340は、主に、基部310の上面から内部に貫通した開口部341を開閉可能とする蓋体としてのシャッター板342と、シャッター板342に開閉動作を付与するソレノイド或いはエアシリンダー等の直動式の送出用アクチュエーター343とから構成されている。
開口部341は、基部310の上面であって前述した回転台320の支軸321の左側に形成されている。この開口部341の形成位置は、アーム機構700に対してボタンBを受け渡す位置と一致している。
送出用アクチュエーター343は、制御部900の制御に従って上記シャッター板342に左右の移動動作を付与し、開口部341の開閉を行う。
なお、このシャッター板342も、その上面が基部310の上面と同じ高さとなっており、基部310の上面との段差をなくして円滑なボタン搬送を可能としている。
ボタン回転機構400は、回転台320にその回転中心を基準として点対称に搭載された二つのボタン把持部、410と、アーム機構700へのボタンの受け渡し位置にあるボタン把持部に対して把持されたボタンBを回転させる回転駆動部450と、受け取り位置にあるボタン把持部における把持と解放とを切り換える第一の切り替え機構460と、受け渡し位置にあるボタン把持部における把持と解放とを切り換える第二の切り替え機構470とを備えている。
ボタン把持部は、ボタンBの外周部に当接してその周囲から把持する三つの把持ローラー411と、これら把持ローラー411の内の一つを支持する把持部材としての第一のブラケット420と、これら把持ローラー411の内の二つを支持する把持部材としての第二のブラケット430とを備えている。
そして、回転台320の上面において、このボタン通過穴323を挟んで後側に第一のブラケット420が配置され、前側に第二のブラケット430が配置されている。
また、回転台320の上面であって、ボタン通過穴323の左側と右側のそれぞれには、Y軸方向に平行な二本のレール状のスライドガイド412,412が固定装備されている。そして、第一のブラケット420と第二のブラケット430は、それぞれが二本のスライドガイド412,412に跨がるようにリニアスライダー425,435を介して支持されている。つまり、これらのブラケット420,430はY軸方向に沿って滑動可能となっている。
また、この第一のブラケット420は、その左端部にY軸方向前方に向かって延出された延出部422を備えており、当該延出部422にはほぼ全長に渡ってラック歯が形成されている。また、この延出部422の先端部には、ボタン把持部が把持するボタンBを解放するためにY軸方向に沿った押圧力が入力されるボス状の入力突起423が前方に向かって突設されている。なお、この入力突起423は、回転台320の上面に固定装備された支持部424に形成されたY軸方向に沿った挿入穴に挿入支持されている。そして、延出部422の先端部がこの支持部424に当接することで、第一のブラケット420の前側の移動限度が規定されている。
そして、これら三つの把持ローラー411は、常にボタン通過穴323の中心位置で三方からボタンBを保持するように、第一のブラケット420と第二のブラケット430との連動が図られている。これらブラケット420,430の連動構造については後述する。
なお、撮像装置800は、受け取り位置にあるボタン把持部が把持するボタンBを真上から撮像し、制御部900はその撮像画像からその向き及び形状の欠陥等を判定するようになっている。従って、図8では、各把持ローラー411の外周面における傾斜状態が明確となるように、傾斜角度を大きく図示しているが、実際には撮像画像に対する処理に影響を及ぼさない範囲の傾斜に抑えられている。
なお、第二のブラケット430はその延出部432を除いて第一のブラケット420よりも高さが低く形成されており、第一のブラケット420の延出部422が第二のブラケット430と干渉しないように上下にオフセットされている。
そして、第一のブラケット420の延出部422に形成されたラック歯と第二のブラケット430の延出部432に形成されたラック歯とは互いに対向しており、これらの間には、双方のラック歯に同時に噛合するピニオン歯車414が介在している。このピニオン歯車414は、回転台320の上面に立設された支軸415により回転可能に支持されている。
そして、このピニオン歯車414により、第一のブラケット420と第二のブラケット430とが互いに逆方向に等しい距離の移動が行われるよう連動構造が構成されている。また、第一のブラケット420と第二のブラケット430との間には、各々が保持する把持ローラー411が互いにY軸方向に沿って近接する方向に付勢する弾性体としてのコイルバネ416が介挿されている。つまり、各把持ローラー411により把持されたボタンBは、このコイルバネ416の押圧力により把持状態が維持されるようになっている。
この第一の切り替え機構460は、受け取り位置にあるボタン把持部の入力突起423に対向する位置において、Y軸方向に沿って進退移動可能に支持されたボス状の押圧部461と、当該押圧部461に進退動作を付与する把持駆動源としての切り換え用アクチュエーター462とを備えている。
各把持ローラー411の開き量を制御するので、切り換え用アクチュエーター462は、押圧部461に直線的な進退動作を付与することが可能であってその動作量が制御可能なアクチュエーターが使用される。例えば、リニアモーター、或いは、回転駆動源であるモーターと回転動作を直進動作に変換するボールネジ機構やピニオン−ラック機構等の変換機構との組み合わせ等である。但し、各把持ローラー411の開き量までは制御せずに、ボタンBの把持と解放のみを切り換えるだけでもボタン搬送は可能であるため、そのような場合には、進退動作のみを行うアクチュエーター、例えば、ソレノイドやエアシリンダー等を使用することも可能である。
この第一の切り替え機構460は、回転台320の回転時に干渉を生じないように、通常は押圧部461を入力突起423に届かない位置まで退避させており、ボタン繰り出し機構200からボタンBを受け取る際に押圧部461を突出させて、入力突起423の押しこみを行う。これにより、第一と第二のブラケット420,430のそれぞれが支持する把持ローラー411が互いに離間し、これらの間へのボタン供給を可能とする。また、ボタン供給後は、押圧部461を入力突起423に届かない位置まで退避させ、コイルバネ416の押圧力をもって各把持ローラー411によるボタンBの把持を行う。なお、ボタン把持の荷重はこのコイルバネ416の弾性力により決定されるので、ボタン把持に好ましい剛性のコイルバネ416が使用される。
この第二の切り替え機構470は、受け渡し位置にあるボタン把持部の入力突起423に対向する位置において、Y軸方向に沿って進退移動可能に支持されたボス状の押圧部471と、当該押圧部471に進退動作を付与する把持駆動源としての切り換え用アクチュエーター472とを備えている。
この切り換え用アクチュエーター472も、押圧部471に直線的な進退動作を付与することが可能であってその動作量が制御可能なアクチュエーターであるリニアモーター、或いは、回転駆動源であるモーターと回転動作を直進動作に変換するボールネジ機構やピニオン−ラック機構等の変換機構との組み合わせ等が使用される。
また、進退動作のみを行うアクチュエーター、例えば、ソレノイドやエアシリンダー等も使用可能であることは、前述した切り換え用アクチュエーター462の場合と同様である。
支持アーム453の回動端部には、入力ローラー452が回転可能に支持されており、この入力ローラー452は、タイミングベルト455を介してボタン回転モーター451からのトルクが付与される。
即ち、上記ボタン回転用エアシリンダー454がプランジャを前進させたときには、支持アーム453に支持された入力ローラー452をボタン把持部の最も左側に位置する把持ローラー411に当接させ、プランジャを後退させたときには入力ローラー452を把持ローラー411から離間させることができる。
つまり、これにより、回転駆動部450は、受け渡し位置にあるボタン把持部に把持されたボタンBに対して、入力ローラー452及び把持ローラー411を介して回転動作を付与することができる。
そして、ボタン回転モーター451からボタンBに伝達される回転比は、当該ボタンBの外径によって変わるので、供給を行うボタンBの外径は、制御部900に対して予め設定入力される。そして、ボタンBの角度調整時には、ボタン回転モーター451の動作量は入力されたボタンBの外径の値を考慮して決定される。
従って、このボタン供給装置10では、ボタン搬送作業の実行前に、予め、搬送対象となるボタンBについてその外径等の基本データの設定入力を必要としている。そして、制御部900は、入力ローラー452がボタンBに直接当接するようになるボタン径の境界値を予め保有しており、設定入力されたボタンBの基本データに含まれる外径の値が境界値よりも大きい場合には、ボタン回転モーター451の回転方向を逆に切り替えるよう制御するようになっている。
ボタン分離機構850は、図1及び図12に示すように、搬送機構300に隣接して設置された土台部851と、土台部851に対して起伏回動可能に支持された回動腕852と、回動腕852の回動端部の下側に設けられたボタン押さえ853と、回動腕852の起伏回動動作を付与する押さえ用アクチュエーター854とを備えている。
上記回動腕852は、土台部851によりX軸方向に沿った回動軸で軸支されており、その回動端部を上方に向けた状態から回動腕852がほぼ水平となる状態までの範囲内で回動可能に支持されている。
そして、回動腕852は、当該回動腕852を倒すと、ボタンの受け渡し位置に位置するボタン把持部に把持されたボタンBに、その回動端部に設けられたボタン押さえ853が上方から当接するように配置されている。
即ち、このボタン分離機構850は、ボタン送出機構340のシャッター板342が開かれた状態で、ボタンBを下方で待機するアーム機構700のアーム702のボタン受け座703にボタンBを押し込むことを可能としている。
アーム機構700は、図1及び図12に示すように、搬送機構300に隣接して設置された土台部701と、土台部701に対して旋回可能に支持されたアーム702と、アーム702の回動端部の上側に設けられたボタン受け座703と、アーム702の旋回動作を付与する旋回モーター704とを備えている。
上記アーム702は、土台部701によりZ軸方向に沿った旋回軸で軸支されている。このアーム702は、搬送機構300のシャッター板342よりも僅かに低い位置を水平に旋回可能となっている。そして、アーム702の旋回端部の上面にはボタン受け座703が装備されている。このボタン受け座703は、ボタンBが適正な向きである場合にそのボタン穴に挿入可能なピンが立設されている。
さらに、ボタン受け座703は、アーム702の旋回動作により、ボタンの受け渡し位置に位置するボタン把持部に把持されたボタンBの真下となる位置からボタン付けミシン100の一対のクランプ腕111の間となる位置までの間を往復移動することが可能となっている。
そして、その後、図14に示すように、アーム702は図12における反時計方向に旋回して、ボタンBをボタン付けミシン100の一対のクランプ腕111に渡すことができる。
なお、アーム702の旋回動作中は、ボタン付けミシン100のブラケット112はクランプ腕111側を上方に退避するよう制御されており、干渉は生じないようになっている。
また、アーム702がボタン把持部に把持されたボタンBの真下となる位置からボタン付けミシン100の一対のクランプ腕111の間となる位置まで旋回動作を行うことにより、ボタンBは旋回角度分だけ向きが変化するが、この旋回角度は常に一定であるため、ボタン回転機構400により回転が行われたボタンBの向きを一定の状態(毎回一定の旋回角度を加算した状態)に維持してボタン付けミシン100のボタン保持部110へのボタンの搬送を行うことができる。従って、回転駆動部450はこの旋回角度による変化分を考慮してボタンの向き調整を行い、ボタン保持部110に到達するときにはボタンBが適正な向きとなるようになっている。
撮像装置800は、いわゆるCCD或いはCMOS等の撮像素子と光学系と同軸落射照明とを備える撮像カメラであり、図1に示すように、ボタン受け取り位置に位置するボタン把持部が把持するボタンBの中心位置が撮像範囲の中心となるように等がボタン把持部の垂直上方に配置されている。この撮像装置800は、制御部900の撮像指令に従って撮像を行い、撮像画像のデータを制御部900に出力する。
図15はボタン供給装置10の制御系を示すブロック図である。この図15に示すように、ボタン供給装置10の制御部900は、装置各部に対する制御プログラムを実行するCPU901と、プログラム処理の作業領域となる作業メモリ902と、各種の制御に関する設定データや実行プログラムを記憶するデータメモリ903とを備えている。また、制御部900は、搬送対象となるボタンBの撮像画像からその傾きを求める処理を行うので、上記データメモリ903には、搬送対象となるボタンBの基準画像データが格納されている。
なお、上記操作パネル910は、ボタン供給装置10の供給対象となるボタンの基本データ、例えば、ボタンBの種類、穴数や外径等をオペレーターが入力するための入力インターフェイスである。
また、ボタン供給装置10は、ボタン付けミシン100からのボタン搬送用要求指令を受けてボタン供給動作を開始するので、制御部900はボタン付けミシン100の制御部120と接続されている。
上記制御部900によるボタン供給装置10のボタン供給動作制御について説明する。
図21はボタン供給装置10全体のボタン供給動作制御を示しており、その最初のステップS31はボタン繰り出し機構200におけるボタン繰り出しの動作制御である。
まずは、図16〜図19の動作説明図と図20のフローチャートに基づいて、ボタン供給装置10の制御部900がボタン繰り出し機構200に対して実施するボタンの繰り出し制御について説明する。
なお、このボタンの繰り出し制御の前提として、ボタン貯留部210では、ボタンBが螺旋状通路211に沿って並び、ゲート装置240の手前までボタンBの列が形成された状態となっているものとする。
そして、ボタン有りの状態を維持したまま、ボタン付けミシン100からのボタンの供給要求指令の待ち状態となる(ステップS13)。
ボタン供給要求指令を受けると、制御部900は、ボタン繰り出し機構200の振動発生器213を作動させると共に、ゲートブロック241をボタン搬送路230の外部に後退させる(ステップS15:図117)。
これにより、全てのボタンは前進を開始する。その後、制御部900は、先頭のボタンBが前進して通過センサ221が非遮蔽状態(OFF状態とする)となるのを待つ(ステップS17)。そして、通過センサ221のOFF状態が検出されると(図18)、今度は、制御部900は、通過センサ221のON状態の検出待ちを行う(ステップS19)。そして、次のボタンBが通過センサ221の検出位置に到達して通過センサ221がON状態となったことが検出されると、ステップS11に処理を戻して、ゲートブロック241を前進させる(図19)。これにより最前列のボタンBはゲートブロック241に後押しされてスロープ234を滑り落ち、搬送機構300の受け取り位置に位置するボタン把持部へ供給される。そして、その後続のボタンBはスロープ234の手前で前進を阻止される。これにより、ボタンBの一つずつの供給動作制御が行われる。
前述したように、ステップS31は、ボタン繰り出し機構200により搬送機構30に対するボタンBの繰り出し制御が行われる。
このとき、制御部900は、ボタンの基本データからボタン径の読み込みを行い、搬送機構300のボタン受け取り位置に位置するボタン把持部の各把持ローラー411のY軸方向における開き量がボタン径+2[mm]となるように、切り換え用アクチュエーター462を制御する。これにより、図22に示すように、上述したボタン繰り出し機構200からボタンBが繰り出されると、ボタン把持部の各把持ローラー411の間にボタンBが入り込んだ状態となる。
そして、ボタンBが入り込んだ後には、切り換え用アクチュエーター462の押圧部461を退避させて、コイルバネ416の弾性によりボタンBを各把持ローラー411の間で把持状態とする(ステップS33:図7の右側のボタン把持部参照)。
そして、ボタンが不良ボタンであると判定した場合や裏面を向いていると判定した場合には、切り換え用アクチュエーター462の押圧部461を突出させてボタンBを解放すると共に、不良ボタン回収機構330の回収用アクチュエーター333を制御してシャッター板332を解放し、ボタン回収用のトレー334にボタンBを落下させて回収する(ステップS39:図9の右側のボタン把持部参照)。そして、処理をステップS31に戻して、ボタン繰り出し機構200から再度ボタン供給を受ける。
また、ボタンが不良ではなく裏でもない場合には、回転台320を180°回転させて、ボタン把持部をボタン受け渡し位置へ移動させる(ステップS41)。
さらに、ボタン送出機構340の送出用アクチュエーター343を作動させてシャッター板342を開放する(ステップS47:図10の左側のボタン把持部参照)。この時、アーム702の先端がボタンを受け取り可能な位置に予め旋回移動させておく。
そして、ボタン分離機構850の押さえ用アクチュエーター854を作動させて回動腕852を倒し、ボタン押さえ853によりボタンBをアーム702のボタン受け座703に押し込む(ステップS49)。
さらに、旋回モーター704を駆動し、ボタンBをボタン付けミシン100側に搬送する(ステップS51)。この時、ボタン付けミシン100では予めボタン保持部110が上方に退避しており、ボタンBをクランプ腕111による挟持位置へ搬送することができる。
そして、ボタン付けミシン100ではボタン保持部110を下降し、クランプ腕111でボタンBを保持し、縫製を開始する。
また、ボタン供給装置10では、回転台320を180°回転させて、空になったボタン把持部をボタン受け取り位置へ移動させる(ステップS53)。そして、ステップS31から再びボタン供給動作を開始する。
なお、図21のフローチャートでは、一方のボタン把持部によるボタン供給動作をのみを説明しているが、実際には、一方のボタン把持部に対してステップS31〜S39までの処理が行われているときに他方のボタン把持部ではステップS43〜S51の処理が行われ、一方のボタン把持部に対するステップS41の処理(回転台320の180°回転)は、他方のボタン把持部におけるステップS53の処理に該当するようになっている。従って、いずれか一方のボタン把持部のステップS41の処理ともう一方のボタン把持部のステップS53の処理は同期して実行される。
上記ボタン供給装置10は、複数のボタンBを収容し、その送出口214から一つずつ繰り出しを行うボタン繰り出し機構200と、基部310と当該基部に対して回転可能な回転台320を備え、回転台320の回転によりボタン繰り出し機構200からボタン付けミシン100側へのボタン搬送を行う搬送機構300と、搬送機構300からボタン付けミシン100のボタン保持部110にボタンBを搬送するアーム702を有するアーム機構700と、搬送機構300上のボタンBを撮像する撮像装置800と、ボタンBの撮像結果に基づいて当該ボタンBを回転させて向きを調整するボタン回転機構400と、ボタン供給の動作制御を行う制御部900とを備え、ボタン回転機構400は、ボタンBを把持するボタン把持部と、当該ボタン把持部による把持と解放とを切り換える把持駆動源としての切り換え用アクチュエーター462,472と、把持されたボタンBを回転させる回転駆動源としてのボタン回転モーター451とを備え、ボタン把持部を回転台320に搭載し、切り換え用アクチュエーター462,472及びボタン回転モーター451を基部310に搭載している。
この構成により、ボタン繰り出し機構200から搬送機構300とアーム機構700を介してボタン付けミシン100にボタン供給を行うので、搬送経路の途中に介在する構成の低減が図られ、ボタン供給のサイクルタイムを短縮し、迅速なボタン供給を行うことが可能である。また、搬送の構成低減により装置の製造コストの低減を図ることが可能となる。
また、上記ボタン供給装置10は、ボタンを回転させるボタン回転機構400を搬送機構300上に搭載しているので、アーム機構700のアーム702上にボタン回転機構を搭載する必要がない。このため、アーム702の小型化、薄型化を図る回避することができ、ミシン100がボタンBを受け取る際のミシン側のボタン保持部110の退避量を低減し、退避動作時間を低減し、ボタン供給のサイクルタイムをさらに短縮することが可能となる。
また、上記ボタン供給装置10のボタン回転機構400は、ボタン把持部を回転台320側に、切り換え用アクチュエーター462,472及びボタン回転モーター451を基部310側に、それぞれ分離して配置している。仮に、電源供給線や信号線の配線を必要とするアクチュエーターやモータを回転台320上に配置すると、電源供給線や信号線が回転台320の回転角度範囲を制限したり、当該制限を排除するためにスリップリング等の高価な特殊部品が必要となる。しかし、ボタン供給装置10では、アクチュエーターやモータを基部310に配置しているので、回転台320の回転角度範囲の制限をなくし、特殊部品を不要として製造コストの低減を可能とする。また、これにより、故障や動作不良の発生を低減でき、装置の信頼性及び耐久性の向上を図ることが可能となる。
このため、互いに接離可能に支持された第一と第二のブラケット420,430の接近により各把持ローラー411を介してボタン把持が行われるので、これら二つのブラケット420,430の接離移動範囲内であれば、種々のサイズのボタン把持を行うことが可能であり、搬送するボタンサイズが変わるたびに行われる機構の調整作業を不要とし、ボタン供給のサイクルタイムの向上を図ることが可能となる。
特に、ボタン供給装置10では、第一と第二のブラケット420,430を切り換え用アクチュエーター462又は472により開く際に、その開き量をボタン径を基準とする所定量に規定しているので、常に最大限に開く動作を行う場合に比べて、開き量を必要最小限とすることができ、この点からも動作時間を短縮化してサイクルタイムの向上を図ることを可能としている。
このように、ボタン把持部を回転台320上に二つ備えるので、ボタン繰り出し機構200からのボタンBの受け取り、撮像装置800によるボタンBの撮像、ボタンBの回転、ミシン100へのボタンBの受け渡し等の何れかの動作を各ボタン把持部で並行して行うことができる。例えば上記の例では、一方のボタン把持部でボタン繰り出し機構200からボタン供給を受けて撮像装置800により撮像している間に、他方のボタン把持部では、ボタンBの回転、アーム機構700へのボタンBの受け渡しを行っている。
従って、連続してボタン供給を行う場合でも、そのサイクルタイムの向上を図ることが可能となる。
なお、前述したボタン供給装置10の例では、ボタン把持部を二つ備える場合を例示したが、ボタン把持部をより多く搭載しても良い。また、その場合、各ボタン把持部410を円周上に均一の間隔で配置し、それぞれの配置でボタン繰り出し機構200からのボタンBの受け取り、撮像装置800によるボタンBの撮像、ボタンBの回転、ミシン100へのボタンBの受け渡し等を個別に行えるように構成してこれらの作業を並行して行えるようにしても良い。
このため、回転可能な把持ローラー411によりボタンBの把持を行うので、ボタンをしっかりとホールドしつつもボタンBに対する回転動作を円滑に付与することが可能となる。
また、三つの把持ローラー411により三点でボタンを把持するので、ボタン外周に全ての把持ローラー411が密着し、把持及び回転を良好に行うことが可能となる。例えば、四つ以上の把持ローラー411でボタンBを把持しようとすると、組み付け精度が非常に厳しく要求され、組み付け精度の低下や使用の経年的な部品ズレ等によりボタンBに接触不十分となる把持ローラー411が発生する。特に、それが回転駆動部450の入力ローラー452に当接する把持ローラー411である場合に、ボタンBの回転動作を十分に行うことができなくなる可能性も生じる。
このため、把持ローラー411を三つとすることにより、全ての把持ローラー411をボタンBに均等に十分に当接することができ、回転不良などの発生を防止し、装置の信頼性の向上も図ることが可能となる。
このように、把持ローラー411又は把持されたボタンBに入力ローラー452を当接させてボタンBへの回転付与を行うので、ボタン回転モーター451と回転対象となるボタンBとが離れていても、回転台320の外部からボタンBへの回転動作の付与を容易な構成により実現することが可能である。
また、ボタン把持部が把持したままの状態でボタンBを回転させることができ、回転させるためにいちいち把持状態を解除する必要がなく、ボタン搬送のサイクルタイムの向上を図ることが可能となる。
なお、回転駆動部450は、ボタン把持部410がボタン受け渡し位置に位置する時にボタンBへの回転付与を行う場合を例示したが、この回転駆動部450を基部310上であって、ボタン受け取り位置の近傍に配置し、当該ボタン受け取り位置に位置するボタン把持部のボタンBに回転動作付与する構成としても良い。
このように、三つの把持ローラー411の外周面が下方に向かうに従って縮径するように傾斜しているので、これらに把持されたボタンBは、回転駆動部450による回転時において傾斜に従って下側の平面に押しつけられる。従って、ボタンBの回転時に各把持ローラー411の軸線方向にボタンBが移動を生じてボタン位置が定まらない問題の発生が防止され、安定的且つ正確にボタンBの回転調整を行うことが可能となる。
これにより、連続的に供給されるボタンBをゲート装置240において一つずつの繰り出し作業に区切ることができ、個々のボタン供給を好適に行うことができる。このため、ボタンスタック等を生じることなくボタン供給を行うことができ、ボタン供給作業のサイクルタイムの向上を図ることが可能となる。
このため、従来のボタン供給装置のように、不良ボタンの発見時に手作業で搬送路から除く作業を不要とし、作業者負担の軽減を図り、作業中断を回避することによりサイクルタイムの向上を図ることを可能としている。
回転駆動部450は、入力ローラー452を支持アーム453の先端部に設け、回動動作により把持されたボタンBに回転を付与しているが、入力ローラー452の動作は、回動に限られるものではなく、直線的な往復動作により入力ローラー452をボタンB又は把持ローラー411に接離させても良い。
100 ボタン付けミシン
110 ボタン保持部
200 ボタン繰り出し機構
214 送出口
221 通過センサ
230 ボタン搬送路
240 ゲート装置
300 搬送機構
310 基部
320 回転台
400 ボタン回転機構
410 ボタン把持部
411 把持ローラー
416 コイルバネ(弾性体)
420 第一のブラケット(把持部材)
430 第二のブラケット(把持部材)
451 ボタン回転モーター(回転駆動源)
452 入力ローラー
453 支持アーム(支持機構)
462,472 切り換え用アクチュエーター(把持駆動源)
700 アーム機構
702 アーム
800 撮像装置
900 制御部
B ボタン
Claims (7)
- 複数のボタンを収容し、その送出口から一つずつ繰り出しを行うボタン繰り出し機構と、
基部と当該基部に対して回転可能な回転台を備え、前記回転台の回転により前記ボタン繰り出し機構からボタン付けミシン側へのボタン搬送を行う搬送機構と、
前記搬送機構からボタン付けミシンのボタン保持部にボタンを搬送するアームを有するアーム機構と、
前記搬送機構上のボタンを撮像する撮像装置と、
前記ボタンの撮像結果に基づいて当該ボタンを回転させて向きを調整するボタン回転機構と、
ボタン供給の動作制御を行う制御部とを備えるボタン供給装置において、
前記ボタン回転機構は、前記ボタンを把持するボタン把持部と、当該ボタン把持部による把持と解放とを切り換える把持駆動源と、前記把持されたボタンを回転させる回転駆動源とを備え、
前記アーム機構は、前記ボタン回転機構により回転が行われたボタンの向きを一定の状態に維持して前記ボタン付けミシンのボタン保持部へのボタンの搬送を行い、
前記ボタン把持部を前記回転台に搭載し、前記把持駆動源及び前記回転駆動源を前記基部に搭載したことを特徴とするボタン供給装置。 - 前記ボタン把持部は、互いに接離可能に支持された二つの把持部材と、互いに近接し合うようにこれら二つの部材に把持圧を付与する弾性体とによりボタンの把持を行い、
前記把持駆動源は、前記弾性体よる把持圧に抗して互いに離間するように前記二つの把持部材に解放圧を付与することを特徴とする請求項1記載のボタン供給装置。 - 前記ボタン回転機構が前記ボタン把持部を複数備え、
これらのボタン把持部を前記回転台上でその回転軸と同心の円周上に配置したことを特徴とする請求項1又は2記載のボタン供給装置。 - 前記ボタン把持部は、回転可能に支持された三つの把持ローラーを備え、これらを前記ボタンの外周に当接させることによりボタンの把持を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のボタン供給装置。
- 前記ボタン回転機構は、前記回転駆動源により回転を行う入力ローラーと、この入力ローラーを直進又は回動により進退移動可能に支持する支持機構とを備え、
前記回転台を所定位置で停止し、前記ボタン把持部のいずれかの把持ローラー又は把持されたボタンの外周に前記入力ローラーを当接させてボタンへの回転付与を行うことを特徴とする請求項4記載のボタン供給装置。 - 前記複数の把持ローラーは垂下支持されると共にその外周面が下方に向かうに従って縮径するように傾斜して形成され、
前記複数の把持ローラーよりも下側の平面に前記ボタンを押圧保持することを特徴とする請求項4又は5記載のボタン供給装置。 - 前記ボタン繰り出し機構が、
前記送出口に設けられ、一列に並んでボタンが通過するボタン搬送路と、
前記ボタン搬送路に設けられ、個々のボタンの通過を検出する通過センサと、
前記ボタン搬送路に設けられ、ボタンの通過とその制止とを行うゲート装置と、
前記ゲート装置の制御部とを備え、
前記制御部は、ボタンの供給要求を受けてから、前記通過センサにより一つのボタン通過を検出するまでの間、前記ゲート装置をボタンの通過可能状態とする動作制御を行うことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のボタン供給装置。
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