JP6009825B2 - 荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法 - Google Patents

荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法 Download PDF

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本発明は荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法に関し、高精度の近接効果補正を行う装置及び方法に関する。
従来、微細な半導体の集積回路の回路パターンをマスク上に描画する場合、電子ビーム描画装置が用いられる。
電子ビームによるマスク描画では、電子ビームのレジスト内散乱から起こる近接効果により、パターンが近くに配置されているときには、双方のパターンから散乱される散乱電子によりパターン以外の部分が露光されてしまい、レジスト上の描画パターンが歪むなどの問題を解決するために近接効果補正が行われる。
近年、描画すべきマスク上の集積回路パターンの微細化が進み、近接効果補正による精度の高い補正が不可欠となっている。
図15は、このような近接効果補正を備えた可変面積型電子ビーム描画装置の一概略例を示した図である。
図15中の1は、電子ビームを出射する電子銃、2は該電子銃1から出射した電子ビームを集束させる照射レンズ、3は前記電子銃1と該照射レンズ2の間に設けられた、電子ビームをブランキングするブランカーである。
4は前記照射レンズ2を介して電子ビームが照射する第1成形開口板、5は該第1成形開口板4の開口像を第2成形開口板6上に結像させる成形レンズ、7はその結像の位置を変える成形偏向器である。
8は前記第1成形開口板4と前記第2成形開口板6により成形された像を縮小する縮小レンズ、9は該縮小レンズ8で縮小した像を描画材料10上に合焦させる対物レンズ、11は該描画材料10上の電子ビームの位置を調整する位置決め偏向器である。
12は該描画材料10を載置し、X方向及びY方向に移動できるステージである。
13は前記ブランカー3のオン・オフを制御するブランキング制御回路、14は前記成形偏向器7を制御する成形偏向器制御回路、15は前記位置決め偏向器11を制御する位置決め偏向器制御回路、16は前記ステージ12を制御するステージ制御回路である。
17は描画パターンデータを格納するパターンデータディスクである。
18は装置全体の動作を制御する制御装置で、例えば、コンピュータが用いられる。
19は前記パターンデータディスク17からの描画パターンデータをショット単位の描画パターンデータに分割するショットパターン分割処理回路である。
20は該ショットパターン分割処理回路19からの出力を受けてショット単位の描画パターンをショットする順番に並び替えるソーティング処理回路で、前記成形偏向器制御回路14と前記位置決め偏向器制御回路15に繋がっている。
21は該ソーティング処理回路20の出力を受けて照射時間データを算出する照射時間演算回路で、該照射時間演算回路21の出力は前記ブランキング制御回路13に供給される。
22は近接効果補正の演算を行う外部計算機で、EIDb演算回路23と第1メモリ24と蓄積エネルギー比率Ebpbm、n演算回路25からなる。
前記EIDb演算回路23は、電子ビームの照射による後方散乱電子の影響範囲を均一な区画に分割し、それぞれの区画(i,j)に対して後方散乱に起因する蓄積エネルギー強度を演算し蓄積エネルギー強度分布EIDbi,jマップを作成するものである。
なお、前記i,jは蓄積エネルギー強度分布EIDbi,jマップの区画の座標である。
前記第1メモリ24は、前記EIDb演算回路23で演算された蓄積エネルギー強度分布EIDbi,jマップを記憶するものである。
前記蓄積エネルギー比率Ebpbm,n演算回路25は、前記第1メモリ24からの蓄積エネルギー強度分布EIDbi,jマップとパターンデータディスク17からの描画パターンデータに基づいて、蓄積エネルギー比率Ebpbm,nを演算するものである。
26は第2メモリ26で、前記蓄積エネルギー比率Ebpbm,n演算回路25で演算された蓄積エネルギー比率Ebpbm,nマップを記憶するものである。
27は補正値演算回路27で、前記第2メモリ26に記憶された蓄積エネルギー比率Ebpbm,nマップに基づいて近接効果補正の補正量Smodを演算するもので、演算結果を前記照射時間演算回路21に出力するものである。
このような構成の可変面積型電子ビーム描画装置において、先ず、描画を開始する前に、制御装置18はパターンデータディスク17から描画材料上の描画領域、例えば、図16に示すような1mm×1mm角の領域の描画フィールド(電子ビームの走査だけで許容変更誤差の範囲内でパターンが描ける領域)の描画パターンデータを読み込み、外部計算機22内の蓄積エネルギー比率Ebpbm,n演算回路25に送る。該蓄積エネルギー比率Ebpbm,n演算回路25は、描画フィールド内を仮想的な例えば0.5μm×0.5μm角の単位区画に区切り、区画(m,n)ごとに蓄積エネルギー比率Ebpbm,nを演算する。
この描画領域(フィールド)の該蓄積エネルギー比率Ebpbm,nは、図16に示すような蓄積エネルギー強度分布EIDbi,jマップを用いて演算するが、その前に、先ず、蓄積エネルギー強度分布EIDbi,jマップを作成する。
この蓄積エネルギー強度分布EIDbi,jマップは、加速電圧50kVの電子ビームを用いた場合、その周辺の区画に与える後方散乱電子の影響範囲は50μm×50μmの四方領域となり、この四方領域内を仮想的に0.5μm×0.5μmの単位区画に区り、各区画(i,j)ごとの蓄積エネルギー強度をEIDb関数を用いて演算したものである。このEID関数を次式に示す。
Figure 0006009825
この式において、βは後方散乱半径である。
なお、EID(Energy Intensity Distribution)関数とは、電子ビームを1点に入射したときのレジスト面から或る深さのある位置(i,j)の蓄積エネルギー強度で、基板上のレジスト膜中における入射電子の蓄積(または吸収)エネルギー密度の空間分布を表わしたものである。
この(1)式を用いてEIDb演算回路23は、50μm×50μmの領域内の蓄積エネルギー強度分布EIDbi,jマップを作成する。
そして、この蓄積エネルギー強度分布EIDbi,jマップは前記第1メモリ24に記憶される。なお、前記蓄積エネルギー強度値は、電子ビームが照射された区画の蓄積エネルギー強度を例えば4095とする比率で表された値となる。
ところで、パターンデータディスク17には、被描画材料上の全描画領域を描画フィールド単位に分けられた描画パターンデータが記憶されている。すなわち、フィールドの位置データ、フォールド内に描かれる各パターン位置及び寸法データ等が記憶されている。
描画開始が指示されると、制御装置18はパターンデータディスク17から描画フィールド毎に描画パターンデータを前記蓄積エネルギー比率Ebpbm、n演算回路25とショットパターン分割処理回路19に送る。
前記蓄積エネルギー比率Ebpbm、n演算回路25は、上述したようにパターンデータディスク17から送られてきた描画フィールド内を0.5μm×0.5μm角の仮想的な区画(m,n)に区切り、更に、第1メモリ24から蓄積エネルギー強度分布EIDbi,jマップを読み込み、それぞれの区画内のパターン面積を計算してから、各区画内のパターン面積を考慮して、該描画フィールド内の各区画の蓄積エネルギー比率Ebpbm,nを演算する。この蓄積エネルギー比率Ebpbm,nを演算する式を次式に示す。
Figure 0006009825
ここで、Eim,nは、任意の1つの図形を描画する際にそれぞれの区画(m,n)に図形が占める割合、すなわち、一定の入射電子エネルギーの強度で一つの区画全面に電子ビームが入射されたときの入射電子のエネルギー量を100%とする比率、rは蓄積エネルギー比率Ebpbm,nの計算範囲(ここの計算領域は、50μm×50μm角である。)、EIDbi,jは入射電子が周辺区画(i,j)に与える後方散乱電子の蓄積エネルギー強度分布である。
なお、前記蓄積エネルギー比率Ebpbは無限の塗りつぶし領域の任意の位置における散乱電子エネルギーの蓄積量を100%とする比率である。
前記蓄積エネルギー比率Ebpbm,n演算回路25は、(2)式から描画フィールド内の区画(m,n)ごとに蓄積エネルギー比率Ebpbm,nを演算し、1フィールドの蓄積エネルギー比率Ebpbm,nマップを作成する。この蓄積エネルギー比率Ebpbm,nマップは第2メモリ26に記憶される。
一方、前記ショットパターン分割処理回路19では、パターンデータディスク17から送られた描画フィールドの描画パターンを最大ビーム寸法以下のショット単位の描画パターンに分割し、分割されたショット単位の描画パターンをソーティング処理回路20に送る。
前記ソーティング処理回路20は、ショット単位の描画パターンをショットする順番に並び替え、その内の各ショットの形状及び大きさを表すパターン情報Pを成形偏向器制御回路14へ、ショット位置情報Sを照射時間演算回路21と位置決め偏向器制御回路15へそれぞれショット順に順次送る。
照射時間演算回路21には、前記ショット位置情報Sが送られて来ると、このショット位置情報Sに基づいて基準照射量の補正値を算出する。その詳細については以下に説明する。
前記照射時間演算回路21では、前記ソーティング処理回路20からショット位置情報Sを受け取ると、直ちに補正値演算回路27に送る。
該補正値演算回路27は、送られてきたショット位置情報Sに基づいて第2メモリ26から対応する区画の蓄積エネルギー比率Ebpbを読み込み、該蓄積エネルギー比率Ebpb値に基づいて近接効果補正の補正量Smodを演算する。
ここで、蓄積エネルギー比率Ebpbに基づいて近接効果補正の補正量Smodを演算する式を次式に示す。
Figure 0006009825
この式において、Doseは照射量、Smodは近接効果補正による補正量、ηは後方散乱係数、Ebpbは後方散乱電子による蓄積エネルギー比率を表している。
この式は、右側の第1項のC2分のDose×(Smod+1)と第2項のη×Ebpb×Dose×(Smod+1)の和が一定となるように、近接効果補正の補正量Smodを求めるものである。
そして、また、上記(3)式を図17に示す可変面積型電子ビーム描画におけるレジストに蓄積するエネルギー分布のエネルギープロファイルに基づいて説明する
図17中において、横軸は距離、縦軸はレジスト中に蓄積する蓄積エネルギー強度を示す。上記(3)式中のDose×(Smod+1)とη×Ebpb×Dose×(Smod+1)の和が、図中の実線で示された電子ビームの入射エネルギー強度と電子ビームの後方散乱に起因する蓄積エネルギー強度の和、η×Ebpb×Dose×(Smod+1)は後方散乱に起因する蓄積エネルギー強度、(Dose×(Smod+1))/C2とη×Ebpb×Dose×(Smod+1)との和は現像しきい値Rthとなる。
この現像しきい値Rthとは、レジストが現像されたときに、レジストがパターンを形成する蓄積エネルギー量であり、レジストが現像されたとき、電子ビームを照射したレジスト部を溶解消失させたり(ポジ型レジストの場合)、重合・架橋させて残したり(ネガ型レジストの場合)するために必要な蓄積エネルギー値となる。
そして、電子ビームの入射エネルギー強度と後方散乱電子に起因する蓄積エネルギー強度との和が現像しきい値Rthのラインを超えると現像処理で形成されるパターンの線幅となり、電子ビームの入射エネルギー強度と後方散乱電子に起因する蓄積エネルギー強度との和が現像しきい値Rthと交差する交点が描画されるパターン幅のエッジ位置となる。
なお、前記(3)式のConst.は、解像しきい値Rthを表すもので、解像しきい値Rthは、次式で表すことができる。
Figure 0006009825
この式は、基準とする後方散乱電子による蓄積エネルギー比率OrgbにおけるC2分の前方散乱電子による蓄積エネルギー強度と、後方散乱電子による蓄積エネルギー強度との和とで表され、つまり、(3)式のConst.に(4)式のRthを代入すると、次式にように変形させることができる。
Figure 0006009825
なお、この式は、次式にように変形することもできる。
Figure 0006009825
この式のC2とは、基準とする後方散乱電子による蓄積エネルギー比率Orgbを零とした場合、前方散乱電子による蓄積エネルギーと解像しきい値の関係を示す係数となる。
図15の補正値演算回路27では、上記(5)式を用いて近接効果補正の補正値Smod、いわゆる基準照射量の補正値が演算される。
前記補正値演算回路27で演算された基準照射量の補正値は、照射時間演算回路21に送られる。
この基準照射量の補正値に基づいて前記照射時間演算回路21は、照射時間データを作成し、作成された照射時間データをブランキング制御回路13に送る。この照射時間データに基づいて該ブランキング制御回路13はブランカー3を制御する。
このとき、既に各ショット単位の描画パターンのパターン情報Sが成形偏向器制御回路14に、ショット位置情報Pが位置決め偏向器制御回路15に順次送られているので、前記ブランキング制御回路13によりブランカー3が前記照射時間データで制御され、前記成形偏向器制御回路14によって成形偏向器7が制御され、前記位置決め偏向器制御回路15によって位置決め偏向器11が制御される。
その結果、前記成形偏向器7により前記パターン情報Pに基づいて電子ビームの断面形状が形成された成形ビームが位置決め偏向器により前記ショット位置情報Sに基づいて描画材料上の位置11に前記照射時間データで決まる照射時間でショットされ、所望のショット分割パターンが順次描画される。
前記フィールド内の全てのパターンの描画が終了すると、続いて、制御装置18はパターンデータディスク17から次のフィールドの位置データをステージ制御回路16に送る。
すると、次のフィールドの中心に電子ビームの光軸が位置するようにステージが移動し、該フィールド内の全てのパターンが描画される。以降同様にフィールド毎にパターン描画がされる。
特開2000−243685号公報
さて、上述のような可変面積型電子ビーム描画装置において、描画パターンデータを所定の単位区画に区切って、この単位区画ごとに後方散乱に起因した蓄積エネルギー比率を演算して、この蓄積エネルギー比率に基づいて電子ビームの照射量の近接効果補正値を演算する。この近接効果補正の演算は、前記(1)式に示すような蓄積エネルギー強度分布関数(EID関数)の近似式を蓄積エネルギー比率の演算に適用させ近接効果の補正を行っている。
近年のパターンの微細化に伴って、近接効果補正を実施しているにも関わらず隣接するパターンの距離に応じてパターン寸法が変化する現象がある。
この原因は、蓄積エネルギー比率を演算する際、蓄積エネルギー強度分布が正確に近似できていないことが考えられている。
そして、蓄積エネルギー強度分布を正確に近似するには、下記の(7)式が好適であることが開示されている(Jpn.J. Appl.Phys.35,1929(1997))。
Figure 0006009825
ここで、rは電子ビーム入射点からの距離、ηは前方散乱電子による蓄積エネルギーに対する後方散乱電子による蓄積エネルギーの比を表わす後方散乱係数、ηは前方散乱電子による蓄積エネルギー強度分布と後方散乱電子による蓄積エネルギー強度分布の影響領域の間に存在する蓄積エネルギー強度分布の係数、βは前方散乱半径、βは後方散乱半径、βは第3項の強度分布半径を表わす。
前記第1項は前方散乱電子による蓄積エネルギー強度分布の項、前記第2項は後方散乱電子による蓄積エネルギー強度分布の項、前記第3項は前方散乱電子による蓄積エネルギー強度分布と後方散乱電子による蓄積エネルギー強度分布の影響領域の間に存在する蓄積エネルギー強度分布の項である。
ところで、レジストに電子ビームを照射すると、前方散乱は比較的狭い範囲に影響を与え、後方散乱は前方散乱に比べ広い領域に影響を及ぼし、前方散乱電子及び後方散乱電子のエネルギーがレジストに蓄積されるため、(7)式の蓄積エネルギー強度分布は、図18に示すような分布になる。
図18中、縦軸が蓄積エネルギー強度f(r)、横軸が電子ビーム入射点からの距離を表わす。第1項の前方散乱電子による蓄積エネルギー強度分布はA、第2項の後方散乱電子による蓄積エネルギー強度分布はB、第3項の前方散乱電子による蓄積エネルギー強度分布と後方散乱電子による蓄積エネルギー強度分布の影響領域の間に存在する蓄積エネルギー強度分布はCとなる。
そして、前記(7)式の各項の影響範囲は、加速電圧50kVの電子ビームをレジストに照射した場合、第1項で表される前方散乱に起因する影響範囲は0.04μm(前方散乱半径β)、第2項で表される後方散乱に起因する影響範囲は10μm(後方散乱半径β)、第3項で表される強度分布の影響範囲は2μm(半径β)となる。
このように、それぞれの項で影響範囲が異なるため、それぞれの項の影響範囲に応じた区画の大きさで蓄積エネルギー比率を演算しなければ、精度の良い補正計算が行えない。
ここで、従来の蓄積エネルギー比率の演算方式に蓄積エネルギー強度分布関数の3項の影響を加えた演算を行った場合、上述したように蓄積エネルギー比率はフィールド毎に計算される。単純に、例えば、1つのフィールドの大きさが1mm×1mm角の場合、このフィールド内に後方散乱電子に起因する影響範囲の50μm×50μm角が400個存在し、第3項の影響範囲の4μm×4μm角が62500個存在することになり、第3項の影響の蓄積エネルギー比率の演算量は後方散乱電子に起因する影響範囲の156倍と、膨大な演算量となる。
そこで、従来のような蓄積エネルギー比率の演算方式で、後方散乱電子に起因する影響範囲より狭い影響範囲の蓄積エネルギー強度分布関数を用いた蓄積エネルギー比率演算((7)式の第3項)を行うことは、演算量が膨大となり実用化的ではない。
そして、この演算の実用化が難しいので、隣接するパターンの距離に応じてパターン寸法の変動が変化する現象が解決しないのである。
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、後方散乱電子に起因する影響範囲より狭い影響範囲の蓄積エネルギー強度分布関数を用いた蓄積エネルギー比率演算の演算量を軽減させ、精度の高い近接効果補正を行うことができる新規な荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法を提供することを目的とする。
本発明に係る荷電粒子ビーム描画装置は、描画材料上の描画領域の描画パターンデータをショット単位の描画パターンに分割し、該ショット単位の描画パターンに基づいて荷電粒子ビームの断面形状と描画材料上のショット位置とを制御して前記描画材料上に荷電粒子ビームをショットすると共に、前記描画領域内を仮想的な単位区画に区切り、区画(m,n)の後方散乱電子に起因する蓄積エネルギー比率Ebpbm,nマップを求め、該蓄積エネルギー比率Ebpbm,nマップからショット位置に基づいた近接効果補正量を求め、該近接効果補正量を考慮して荷電粒子ビームのショット時間を変化させる荷電粒子ビーム描画装置において、前記描画領域内の前記ショット単位の描画パターンについて、ショットする描画パターンkを中心とする後方散乱電子の影響範囲より狭い影響範囲(2r×2r角)内を単位区画(i,j)に区切り、該影響範囲内に存在する周囲n個のショット単位の描画パターンを抽出し、抽出されたn個のショット単位の描画パターンについて寸法情報(si,sj)及び位置情報(ri,rj)を取得し、取得された寸法情報(si,sj)及び位置情報(ri,rj)と後方散乱電子の影響範囲より狭い影響範囲の蓄積エネルギー強度分布マップEIDci,jに基づいてショット単位の描画パターンkの蓄積エネルギー比率Ebpc
Figure 0006009825
として求め、この一連の処理を前記描画領域の全てのショット単位の描画パターンに対して繰り返し行い、ショット単位の描画パターン毎に蓄積エネルギー比率Ebpcを求める繰り返し演算手段と、
ショットする描画パターンkの前記蓄積エネルギー比率Ebpcと、該描画パターンkの位置データに基づいて前記蓄積エネルギー比率Ebpbm,nマップから求めた蓄積エネルギー比率Ebpbとから描画パターンkの近接効果補正値を求める近接効果補正値演算手段と、を備え、該近接効果補正量に基づいて荷電粒子ビームのショット時間を変化させることを特徴とする。
本発明に係る荷電粒子ビーム描画方法は、描画材料上の描画領域の描画パターンデータをショット単位の描画パターンに分割し、該ショット単位の描画パターンに基づいて荷電粒子ビームの断面形状と描画材料上のショット位置とを制御して前記描画材料上に荷電粒子ビームをショットすると共に、前記描画領域内を仮想的な単位区画に区切り、区画(m,n)の後方散乱電子に起因する蓄積エネルギー比率Ebpbm,nマップを求め、該蓄積エネルギー比率Ebpbm,nマップからショット位置に基づいた近接効果補正量を求め、該近接効果補正量を考慮して荷電粒子ビームのショット時間を変化させる荷電粒子ビーム描画方法において、後方散乱電子の影響範囲より狭い影響範囲を持つ蓄積エネルギー強度分布関数EIDを用いて区画(i,j)ごとに蓄積エネルギー強度を求めた蓄積エネルギー強度分布マップEIDci,jを作成し、記憶する蓄積エネルギー強度分布演算工程と、前記描画領域の前記ショット単位の描画パターンについて、ショットする描画パターンkを中心とする後方散乱電子の影響範囲より狭い影響範囲(2r×2r角)内を単位区画(i,j)に区切り、該影響範囲内に存在する周囲n個のショット単位の描画パターンを抽出するパターン抽出工程と、抽出されたn個のショット単位の描画パターンについて寸法情報(si,sj)及び位置情報(ri,rj)を取得するパターン情報取得工程と、前記蓄積エネルギー強度分布マップEIDci,jを用いて前記抽出された寸法情報(si,sj)及び位置情報(ri,rj)を考慮して描画パターンkに与える蓄積エネルギーの重みを考慮してショットする描画パターンkの蓄積エネルギー比率Ebpc
Figure 0006009825
として求める蓄積エネルギー比率演算工程と、前記パターン抽出工程、前記パターン情報取得工程、前記蓄積エネルギー比率演算工程をこの順に繰り返して前記描画領域内の全てのショット単位の描画パターンについての蓄積エネルギー比率Ebpcを求める繰り返し演算工程と、ショットする描画パターンkの前記蓄積エネルギー比率Ebpcと、該描画パターンkの位置データに基づいた前記蓄積エネルギー比率Ebpbm,nマップから求めた描画パターンkの蓄積エネルギー比率Ebpbとから近接効果補正値を求める近接効果補正値演算工程と、を備え、該近接効果補正量に基づいて荷電粒子ビームのショット時間を変化させることを特徴とする。
本発明の荷電粒子ビーム描画装置及び描画方法によれば、後方散乱電子に起因する影響範囲より狭い影響範囲の蓄積エネルギー強度分布関数を用いた蓄積エネルギー比率の演算量を大幅に軽減させることができ、実用化が可能で、精度の高い近接効果補正を行うことができる。
本発明の実施の形態1に係る可変面積型電子ビーム描画装置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係る演算方法を説明する図である。 蓄積エネルギー強度分布マップを示す図である。 本発明の実施の形態1に係る演算方法を説明するフローチャートである。 本発明の実施の形態1に係る演算方法を説明する図である。 本発明の実施の形態1に係る演算領域内の演算方法を説明する図である。 本発明に係る演算領域の区画の大きさを説明する図である。 本発明の可変面積型電子ビーム描画におけるレジストに蓄積するエネルギー分布のエネルギープロファイルを示す図である。 本発明の実施の形態2に係る可変面積型電子ビーム描画装置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る演算方法を説明するフローチャートである。 本発明に係るdEBPcデータベースを示す図である。 本発明に実施の形態2に係る演算方法を説明する図である。 本発明の実施の形態2に係る演算方法を説明する図である。 本発明に実施の形態2に係る演算方法を説明する図である。 従来の可変面積型電子ビーム描画装置の構成を示す図である。 蓄積エネルギー比率Ebpbm,nマップと蓄積エネルギー強度分布マップEIDci,jを説明する図である。 可変面積型電子ビーム描画におけるレジストに蓄積するエネルギー分布のエネルギープロファイルを示す図である。 レジスト膜の1点に入射した電子ビームの照射中心からの距離における蓄積エネルギー強度分布関数を示す図である。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係る可変面積型電子ビーム描画装置の一例を示す図である。
図中、図15にて使用した記号と同一記号の付されたものは同一構成要素を示す。
本発明に係る蓄積エネルギー比率の演算方法は、図2に示すように描画フィールド内の後方散乱電子に起因する影響範囲ついて蓄積エネルギー比率演算を従来のように行いながら、後方散乱電子に起因する影響範囲より狭い影響範囲を考慮した該ショット単位の描画パターンkの蓄積エネルギー比率の演算を短時間に行えるものである。
なお、本発明に係る蓄積エネルギー比率の演算は、後方散乱電子に起因する影響範囲を50μm×50μm角とし、該影響範囲内を0.5μm×0.5μm角の区画で区切り、そして、後方散乱電子に起因する影響範囲より狭い影響範囲を4μm×4μm角とし、該影響範囲内を0.04μm×0.04μm角の区画で区切るものと仮定する。
図1中の22´は近接効果補正を演算する外部計算機で、該外部計算機22´は後方散乱電子の影響範囲を考慮して演算する大領域演算回路100と後方散乱電子の影響範囲より狭い影響範囲を考慮して演算する小領域演算回路101とからなる。
なお、50は第2メモリA、51は第2メモリB、27´は新たな演算式で演算を行う補正値演算回路である。
前記大領域演算回路100は、従来と同じ構成で、EIDb演算回路23と第1メモリ24と蓄積エネルギー比率Ebpbm,n演算回路25からなる。
なお、前記EIDb演算回路23と前記第1メモリ24と前記蓄積エネルギー比率Ebpbm,n演算回路25は、従来と同じ機能なので詳細な説明は省略する。
次に、前記小領域演算回路101は、EIDci,j演算回路28と第3メモリ29と小領域描画パターン抽出回路30と小領域描画パターン情報取得回路31と蓄積エネルギー比率Ebpc演算回路32とからなる。
前記EIDci,j演算回路28は、後方散乱電子の影響範囲より狭い影響範囲を持つ蓄積エネルギー強度分布関数EIDcに基づいて蓄積エネルギー強度分布EIDci,jマップを作成するものである。
前記第3メモリ29は、前記蓄積エネルギー強度分布EIDci,jマップを記憶するものである。
この蓄積エネルギー強度分布関数EIDcは、図18に示す記号Cの分布に相当し、前方散乱電子による蓄積エネルギー強度分布と後方散乱電子による蓄積エネルギー強度分布の影響領域の間に存在する蓄積エネルギー強度分布の関数である。
そして前記蓄積エネルギー強度分布EIDci,jマップは、図3に示すように電子ビームの照射点を中心とする周囲の区画に与える散乱電子エネルギーの影響量で、四方範囲内の中心の区画を基準(0,0)にして、X方向は−i≦X≦+i、Y方向は−j≦X≦+jとなるものである。
続いて、図1中の前記小領域描画パターン抽出回路30は、ショットする順番にショット単位の描画パターンkを中心とする四方領域(4μm×4μm角の領域)内に存在するショット単位の描画パターンを全て抽出する機能と内蔵メモリ(図示せず)を備えている。
なお、該内蔵メモリ(図示せず)には、前記ソーティング処理回路20で、ショットする順番にk=1、2、3、・・・・nと、番号を付けられたショット単位の描画パターンが記憶される。
前記小領域描画パターン情報取得回路31は、前記小領域描画パターン抽出回路30で抽出されたショット単位の描画パターンに基づいて寸法情報及び位置情報を取得するものである。
前記蓄積エネルギー比率Ebpc演算回路32は、前記小領域描画パターン情報取得回路31からの出力を受けて前記第3メモリ29から読み込んだ蓄積エネルギー強度分布EIDci,jマップを用いて、描画パターンの寸法情報と位置情報に基づいてショット単位の描画パターンkの蓄積エネルギー比率Ebpcを演算するものである。
次に、前記第2メモリA50は、前記蓄積エネルギー比率Ebpbm,n演算回路25からの描画フィールド単位で蓄積エネルギー比率Ebpbm,nマップを記憶するもの、前記第2メモリB51は、前記蓄積エネルギー比率Ebpc演算回路32からのショット単位の描画パターンkの蓄積エネルギー比率Ebpcを描画フィールド単位で記憶するものである。
前記補正値演算回路27´は、前記第2メモリA50からの蓄積エネルギー比率Ebpbと前記第2メモリB51からのショット単位の描画パターンkごとの蓄積エネルギー比率Ebpcに基づいてショット単位の描画パターンkについての近接効果補正の補正量Smodを演算するものである。
このような構成の可変面積型電子ビーム描画装置において、蓄積エネルギー比率を演算する方法を図1、図3、図4、図5、図6を用いて説明する。
パターン描画を開始する前に、先ず、外部計算機22´内の大領域演算回路100のEIDb演算回路23で蓄積エネルギー強度分布EIDbi,jマップを作成する。蓄積エネルギー強度分布EIDbi,jマップの作成は従来と同じなので説明を省略する。
なお、EIDbi,j演算回路23で作成された蓄積エネルギー強度EIDbi,jマップは、既に第1メモリ24に記憶されているものとする。
続いて、前記小領域演算回路101内のEIDci,j演算回路28では、4μm×4μm角の領域内を0.04μm×0.04μmの単位区画で区切り、各区画(i,j)の蓄積エネルギー強度を前方散乱電子に起因する蓄積エネルギー強度分布と後方散乱電子に起因する蓄積エネルギー強度分布との影響領域の間に存在する蓄積エネルギー強度分布のEID関数((7)式の第3項)を用いて演算する。この演算式を次に示す。
Figure 0006009825
EIDci,j演算回路28は、上記(8)式に基づいて各区画の蓄積エネルギー強度EIDcを演算し、蓄積エネルギー強度分布EIDci,jマップを作成する(S1)。
作成された蓄積エネルギー強度EIDci,jマップは第3メモリ29に記憶される(S2)。これで描画の事前準備が完了する。
なお、これらのマップの区画ごとの蓄積エネルギー強度値は電子ビームが照射された中心の区画の蓄積エネルギー強度を例えばディジタル値4095(12bit)とする比率で表したものである。
描画開始が指示されると、制御装置18は、パターンデータディスク17から描画フィールド毎に描画パターンデータをショットパターン分割処理回路19に送る。
該ショットパターン分割処理回路19は、例えば、図5(a)に示すような描画パターンデータを図5(b)に示すような最大ビーム寸法以下のショット単位の描画パターンに分割し、ソーティング処理回路20に送る。
図1の該ソーティング処理回路20は、送られてきたショット単位の描画パターンデータをショットする順番に並び替え、ショット順に番号を付け、小領域演算回路101内の小領域描画パターン抽出回路30、照射時間演算回路21と成形偏向器制御回路14と位置決め偏向器制御回路15に送る。
ここで、先ず、前記小領域描画パターン抽出回路30についての説明をする。
なお、照射時間演算回路21と成形偏向器制御回路14と位置決め偏向器制御回路15の説明は後述することにする。
前記小領域描画パターン抽出回路30の内蔵メモリ(図示せず)には、前記ソーティング処理回路20からショット単位の描画パターンデータがショットする順番に送られ、フィールド単位で記憶される。
前記小領域描画パターン抽出回路30は、内蔵メモリ(図示せず)からフィールド毎に描画パターンデータを読み出し、図5(c)に示すように該描画する描画パターンkを中心とする4μm×4μmの四方領域内に存在する3個のショット単位の描画パターンを抽出し、小領域描画パターン情報取得回路31に送る(S3)。
そして、該小領域描画パターン情報取得回路31は、ショットする描画パターン1の寸法情報及び位置情報と、周囲の描画パターン2,描画パターン3の寸法情報及び位置情報を取得し、蓄積エネルギー比率Ebpc演算回路32に送る(S4)。
この蓄積エネルギー比率Ebpc演算回路32は、周囲の描画パターンの枠外について演算を行わず、描画パターンの枠内の区画データに基づいて演算するもので、描画パターンが存在しない区画の演算については本演算で行っていない。
該蓄積エネルギー比率Ebpc演算回路32は、前記小領域描画パターン情報取得回路31から寸法情報及び位置情報が送られてくると、直ちに、第3メモリ29から蓄積エネルギー強度分布EIDci,jマップを読み込み、図5(d)に示すように描画パターン1、及び周辺の描画パターン2、描画パターン3から受ける影響を考慮してショットする描画パターン1の蓄積エネルギー比率Ebpcを演算する(S5)。演算する描画パターンをkとした演算式を次に示す。
Figure 0006009825
ここで、EIDci,jは前方散乱電子に起因する蓄積エネルギー強度分布と後方散乱電子に起因する蓄積エネルギー強度分布との影響領域の間に存在する蓄積エネルギー強度分布EIDマップ、si,sjは、ショット単位の描画パターンのx方向とy方向の寸法、ri,rjは、ショット単位の描画パターンの中央位置のXY座標、nは演算領域内に存在するショット単位の描画パターンの数、rは蓄積エネルギー比率Ebpcの計算領域を示す値である。
上記(9)式は図5(d)に示すような蓄積エネルギー強度分布EIDci,jマップの中心を描画パターンkの中心に合わせて演算するもので、図6を用いて説明する。
上記(9)式の分子は、図6に示す描画パターンkを中心とする四方領域(例えば、この四方領域内を仮想的に0.04μm×0.04μm角の単位区画に区切って、4μm×4μm角の領域の内部に存在する実線で示す描画パターンk描画パターンk−n、描画パターンk+nのそれぞれの枠内にある区画の蓄積エネルギー強度値を加算して求め、各描画パターンの蓄積エネルギーの重みを総和したものである。
そして、(9)式の分母は、図中には示していないが、前記四方領域内の全て位置(ri,)の区画の大きさと等しい描画パターン寸法(ds,ds)で埋め尽くされた場合の総和を算出するものである。
なお、図7に示すように所定の演算領域内にショット単位の描画パターンが配置され、描画パターンの枠内の区画の大きさのみを0.01μm×0.01μm角に区切り、これ以外の区画の大きさを0.5μm×0.5μm角に区切って上記の蓄積エネルギーの重みを演算することも可能である。そして、この区画の大きさに限定されるものではない。
このようにして蓄積エネルギー比率Ebpc演算回路32で、第1番目にショットするショット単位の描画パターン1について蓄積エネルギー比率Ebpcが算出される(S5)と、直ちにステップS3に戻る。
前記小領域描画パターン抽出回路30は、図5(e)に示すように第2番目の描画パターン2について、4μm×4μm角の演算領域内に存在する描画パターンを全て抽出する(S3)。
抽出された描画パターンに基づいて前記小領域描画パターン情報取得回路31は寸法情報と位置情報を取得する(S4)。
取得された描画パターンの寸法情報及び位置情報に基づいて蓄積エネルギー比率演算回路32は前記第3メモリ29から蓄積エネルギー強度分布EIDci,jマップを読み込み、演算領域2において周辺の描画パターンから受ける影響を考慮した描画パターン2の蓄積エネルギー比率Ebpcを演算する(S5)。
そして、S5において、描画パターン2の蓄積エネルギー比率Ebpcが演算されると、再びステップS3に戻る。
この動作を繰り返し、描画フィールド内の全ての描画パターンkについての蓄積エネルギー比率Ebpcが演算される(S5)。
そして、描画フィールド毎にショット単位の描画パターンの蓄積エネルギー比率Ebpcが第2メモリB51に記憶される。
一方、前記制御装置18からの指令によりパターンデータディスク17から描画パターンデータが蓄積エネルギー比率Ebpbm,n回路25にも送られるので、該蓄積エネルギー比率Ebpbm,n回路25は、描画材料上の描画領域を仮想的な区画(m,n)に区切り、第1メモリ24から蓄積エネルギー強度分布EIDbi,jマップを読み込み、それぞれの区画内のパターン面積を計算してから、区画内のパターン面積を考慮して、各区画内の蓄積エネルギー比率Ebpbm,nを演算し、蓄積エネルギー比率Ebpbm,nマップを作成する(S6)。作成された蓄積エネルギー比率Ebpbm,nマップは第2メモリA50に記憶されている。
さて、上述したように前記ソーティング処理回路20から送られてきたショット単位の描画パターンデータが、既に前記照射時間演算回路21と前記成形偏向器制御回路14と前記位置決め偏向器制御回路15に送られているので、ショット単位の描画パターンデータ内の各ショットの形状及び大きさを表すパターン情報Pは成形偏向器制御回路14へ、ショット位置情報Sは照射時間演算回路21と位置決め偏向器制御回路15へそれぞれショット順に送られる。
前記照射時間演算回路21は、前記ソーティング処理回路20からショット位置情報Sが送られると、該ショット位置情報Sが直ちに補正値演算回路27´に送る。
前記補正値演算回路27´は、送られてきたショット位置情報Sに基づいて、第2メモリA50から対応する区画の蓄積エネルギー比率Ebpbを読み込み、第2メモリB51からショット順に対応した描画パターンの蓄積エネルギー比率Ebpcを読み込む、この両者の蓄積エネルギー比率に基づいてショット単位の描画パターンkに対して近接効果補正の補正値Smodを演算する(S7)。この演算式を次に示す。
Figure 0006009825
ここで、Smodは近接効果補正による補正量、ηは後方散乱係数、ηは前方散乱電子による蓄積エネルギー強度分布と後方散乱電子による蓄積エネルギー強度分布の影響領域の間に存在する蓄積エネルギー強度分布の係数、Ebpbは大領域(後方散乱電子に起因する影響範囲)範囲による蓄積エネルギー比率、Ebpcは小領域(前方散乱電子による蓄積エネルギー強度分布と後方散乱電子による蓄積エネルギー強度分布の影響領域の間に存在する蓄積エネルギー強度分布に起因する影響範囲)範囲による蓄積エネルギー比率、Orgbは基準とする後方散乱電子による蓄積エネルギー比率、Orgcは基準とする前方散乱電子による蓄積エネルギー強度分布と後方散乱電子による蓄積エネルギー強度分布の影響領域の間に存在する蓄積エネルギー強度分布の蓄積エネルギー比率である。
ところで、上記(10)式は次のような式に変形することができる。
Figure 0006009825
この式のDoseは照射量である。
ここで、(11)式を図8に示す蓄積エネルギー強度のプロファイルを用いて説明する。
図8中において、(11)式の第1項の(Dose×(Smod+1))/C2がC2分の前方散乱電子による蓄積エネルギー強度、第2項のη×Ebpb×Dose×(Smod+1)が後方散乱電子による蓄積エネルギー強度、第3項のη×Ebpc×Dose×(Smod+1)が前方散乱電子による蓄積エネルギー強度分布と後方散乱電子による蓄積エネルギー強度分布の影響領域の間に存在する蓄積エネルギー強度分布による蓄積エネルギー強度になる。これらの項の和が一定になるように近接効果補正の補正量Smodを求めるのである。
図1の前記補正値演算回路27´は、上記(10)式を用いて演算を行い、ショット単位の描画パターンに対して近接効果補正の補正値Smodを算出し、照射時間演算回路21に送る。
前記照射時間演算回路21は、前記基準照射量に補正値演算回路27´からの近接効果補正の補正値Smodが適用された照射時間データを算出し、この照射時間データをブランキング制御回路13に送る。
このとき、同時に、前記パターン情報が成形偏向器制御回路14に、前記ショット位置情報が位置決め偏向器制御回路15に送られるので、前記ブランキング制御回路13によりブランカー3が前記照射時間データで制御され、前記成形偏向制御回路14によって成形偏向器7が制御され、前記位置決め偏向器制御回路15によって位置決め偏向器11が制御されるので、前記成形偏向器7により前記パターン情報に基づいて電子ビームの断面形状が成形された成形ビームが、位置決め偏向器11によりショット位置情報に基づいた描画材料10上の位置に前記照射時間データで決まる照射時間でショットされ、前記ショット単位の描画パターンの蓄積エネルギー比率Ebpcと蓄積エネルギー比率Ebpbに基づいて近接効果補正値が求められ(S7)、ショット単位の描画パターンが順次描画される(S8)。
このように実施の形態1の荷電粒子ビーム描画装置及び描画方法によれば、後方散乱電子に起因する影響範囲より狭い影響範囲の蓄積エネルギー強度分布関数を用いた蓄積エネルギー比率の演算量を大幅に軽減させることができ、実用化が可能となり、精度の高い近接効果補正を行うことができる。
(実施の形態2)
実施の形態2では、実施の形態1で説明した後方散乱電子の影響範囲より狭い影響範囲の蓄積エネルギー比率の演算方法とは異なる別の演算方法である。
図9は、本発明の実施の形態2に係る可変面積型電子ビーム描画装置の構成を示す図である。図中、図1にて使用した記号は同一構成要素を示す。
本実施の形態2に係る発明は、実施の形態1に係る発明と異なる点は、外部計算機22´´内の小領域演算回路101の構成で、新たな機能を有した蓄積エネルギー比率演算回路32´を備え、小領域演算回路101内に蓄積エネルギー比率演算回路32´と第3メモリ29との間にdEBPc演算回路40とdEBPcメモリ41を配置させたことである。
前記dEBPc演算回路40は、第3メモリ29に記憶されている蓄積エネルギー強度分布EIDci,jマップを用いて、オペレータが各ショット単位の描画パターンの寸法情報及び位置情報を種々設定し、該マップの中心の区画に与える蓄積エネルギーの重みdEBPcを演算するものである。
前記dEBPcメモリ41は、前記dEBPc演算回路40で演算された蓄積エネルギーの重みdEBPcをショット単位の描画パターンの寸法情報及び位置情報と関連させて記憶するものである。
前記蓄積エネルギー比率Ebpc演算回路32´は、実施の形態1の演算方法とは異なり、小領域描画パターン情報取得回路31からの出力情報に基づいてdEBPcメモリ41から蓄積エネルギーの重みdEBPcを読み出し、ショット単位の描画パターンkごとに蓄積エネルギー比率Ebpcを算出するものである。
このような構成の可変面積型電子ビーム描画装置において、蓄積エネルギー比率を演算する方法を図9、図10、図11、図12、図13、図14を用いて説明する。
先ず、描画を開始する前に、先ず、外部計算機22´´内の小領域演算回路101のdEBPc演算回路40で描画パターンの種々の寸法及び種々の位置に基づいて蓄積エネルギーの重みを算出しメモリに記憶させておく。
その演算方法について説明する。
dEBPc演算回路40は、第3メモリ29から既に記憶されている蓄積エネルギー強度分布EIDci,jマップを読み込み、該蓄積エネルギー強度分布EIDci,jマップを用いて、該マップの中心区画の描画パターンkの中心から離れた各描画パターンの中心位置(r,r)と、この描画パターンの寸法(s,s)、すなわちr,r,s,sの4変数に基づいた描画パターンの蓄積エネルギーの重みdEBPcri,rj,si,sjを算出する(S10)。この演算式を次に示す。
Figure 0006009825
ここで、蓄積エネルギーの重みdEBPc ri,rj,si,sjは、オペレータがショット単位の描画パターンの寸法(si,sj)と位置(ri,rj)を設定することで求められるものである。
なお、蓄積エネルギー比率演算回路32´がdEBPcメモリ41に要求した寸法情報及び位置情報に基づく蓄積エネルギーの重みが記憶さていない場合には、dEBPc演算回路40は、要求された寸法情報及び位置情報に基づいた蓄積エネルギーの重みを演算し、演算結果をdEBPcメモリ41に送るので、dEBPcデータベースに新たなデータが加わる。このとき同時に蓄積エネルギーの重みが蓄積エネルギー比率演算回路32´に送られる。
続いて、dEBPc演算回路40で演算された演算結果は、図11に示すような描画パターンの位置(ri,rj)と描画パターンの寸法(si,sj)、蓄積エネルギーの重みdEBPcri,rj,si,sjからなるdEBPcデータベースとしてdEBPcメモリ41に記憶される(S20)。これで、描画前の事前準備が完了する。
描画開始が指示されると、制御装置18はパターンディスク17から描画フィールド毎に描画パターンデータをショットパターン分割処理回路19に送る。
該ショットパターン分割処理回路19では、送られてきた描画パターンデータを最大ビーム寸法以下のショット単位の描画パターンに分割し(S30)、その分割されたショット単位の描画パターンをソーティング処理回路20に送る。
該ソーティング処理回路20は、ショット単位の描画パターンデータをショットする順番に並び替え、更に、ショット順に番号を付け、小領域演算回路101の小領域描画パターン抽出回路30の内蔵メモリ(図示せず)に送る。
なお、この内蔵メモリ(図示せず)には、ショットする順番に番号が付与されたショット単位の描画パターンデータが一時的に記憶される。
前記小領域描画パターン抽出回路30は、ショットする順番にショット単位の描画パターンごとに、該描画パターンを中心とする4μm×4μm角の領域内に存在するショット単位の描画パターンを全て抽出する(S40)。
例えば、図12に示すようにショット単位の描画パターンの場合、描画パターンkを中心とした4μm×4μm角の四方領域内に存在する描画パターンk−nと描画パターンk+nと描画パターンkを抽出する。そして、この抽出された描画パターンを前記小領域描画パターン抽出回路30は小領域描画パターン情報取得回路31に送る。
該小領域描画パターン情報取得回路31は、ショットする描画パターンの寸法情報及び位置情報(基準位置なので位置座標は(0,0)となる)と抽出した描画パターンk−n、描画パターンk+nのそれぞれの寸法情報及び位置情報を取得する(S50)。
例えば、図13に示すように描画パターンkを中心とする4μm×4μm角の領域内を区画(i,j)で区切って、描画パターンkは寸法(si,sj)及び位置(0,0)、描画パターンk+1は寸法(sik+1,sjk+1)及び位置(−rik+1,+rjk+1)、描画パターンk−1は寸法(sik−1,sjk−1)及び位置(0,−rjk−1)と取得する。
このようにして取得された寸法情報及び位置情報は、蓄積エネルギー比率Ebpc演算回路32´に送られる。
前記蓄積エネルギー比率Ebpc演算回路32´は、前記小領域描画パターン情報取得回路31から抽出された描画パターンの寸法情報及び位置情報、例えば、図14に示すように描画パターン1の寸法情報(sik,sj)及び位置情報(0,0)、描画パターン2の寸法情報(sik+n,sjk+n)及び位置情報(−rik+n,rjk+n)、描画パターン3の寸法情報(sik−n,sjk−n)及び位置情報(0,−rjk−n)に基づいて、dEBPcメモリ41のdEBPcデータベースから対応する蓄積エネルギーの重みdEBPcを読み込み、この読み込まれた蓄積エネルギーの重みdEBPcに基づいて、ショット単位の描画パターン1の蓄積エネルギー比率Eppcを算出する(S50)。演算する描画パターンをkとした演算式を次に示す。
Figure 0006009825
ここで、dEBPcrik,rjk,sik,sjkは、ショット単位の描画パターンの寸法(si,sj)及ぶ位置(ri,rj)に基づく蓄積エネルギーの重み、nは演算領域内に存在するショット単位の描画パターンの数、rはEIDc関数の影響が及ぶ周辺区画までの区画数である。
上記演算式の分子は、dEBPcメモリ41から読み込まれた全ての蓄積エネルギーの重みの総和を算出したものである。
そして、分母は4μm×4μm角の四方領域内の全て位置(ri,)の区画の大きさと等しい描画パターン寸法(ds,ds)が埋め尽くされた場合の総和を算出するものである。
このようにして蓄積エネルギー比率Ebpc演算回路32´において、図10のフローチャート図に示すように初めのショット単位の描画パターン1に対する蓄積エネルギー比率Ebpcが算出される(S50)と、直ちにステップS30に戻る。
前記小領域描画パターン抽出回路30は、第2番目の描画パターン2について4μm×4μm角の領域内に存在する描画パターンを全て抽出する。
抽出された描画パターンに基づいて前記小領域描画パターン情報取得回路31は寸法情報と位置情報を取得する。
取得された描画パターンの寸法情報及び位置情報に基づいて蓄積エネルギー比率演算回路32´は前記dEBPcメモリ41から蓄積エネルギーの重みdEBPcを読み込み、周辺の描画パターンから受ける影響を考慮した描画パターン2の蓄積エネルギー比率Ebpc演算する(S50)。
そして、ショット単位の描画パターン2の蓄積エネルギー比率Ebpcが算出されると、再びステップS30に戻る。
そして、この動作を繰り返し、描画フィールド内の全てのショット単位の描画パターンについて蓄積エネルギー比率Ebpcが演算される(S50)。
描画フィールド毎にショット単位の描画パターンkの蓄積エネルギー比率Ebpcが第2メモリB51に記憶される。
続いて、大領域蓄積エネルギー比率Ebpbm,n演算回路25で算出された区画(m、n)ごとの蓄積エネルギー比率Ebpbm,n(S60)が第2メモリA50に記憶される。
前記照射時間演算回路21は、前記ソーティング処理回路20からショット位置情報Sを受けると、直ちに該ショット位置情報Sが補正値演算回路27´に送る。
前記補正値演算回路27´は、送られてきたショット位置Pに基づいて、第2メモリA50から対応する区画の蓄積エネルギー比率Ebpbを読み込み、第2メモリB51からショット順に記憶されている描画パターンに対応した蓄積エネルギー比率Ebpcを読み込み、この両者の蓄積エネルギー比率に基づいてショット単位の描画パターンの近接効果補正の補正値Smodを上記(10)式によって演算する(S70)。そして、その演算結果を照射時間演算回路21に送る。
該照射時間演算回路21は、前記補正値演算回路27´から送られてきた補正値Smodと前記基準照射量からなる照射時間データを算出し、この照射時間データをブランキング制御回路13に送る。
このとき、前記パターン情報Pが成形偏向器制御回路14に、前記ショット位置情報Sが位置決め偏向器制御回路15に送られているので、前記ブランキング制御回路13によりブランカー3が前記照射時間データで制御され、前記成形偏向器制御回路14により成形偏向器7がパターン情報Pで制御され、前記位置決め偏向器制御回路15により位置決め偏向器11がショット位置情報Sで制御されるので、前記成形偏向器7により断面形状に成形された成形ビームが、位置決め偏向器11により該成形ビームが描画材料10上の位置に前記照射時間データで決まる照射時間でショットされ、所望のショット分割パターンが順次描画される(S80)。
このように実施の形態2の荷電粒子ビーム描画装置及び描画方法によれば、後方散乱電子に起因する影響範囲より狭い影響範囲の蓄積エネルギー強度分布関数を用いた蓄積エネルギー比率の演算量を大幅に軽減させることができ、実用化が可能となり、精度の高い近接効果補正を行うことができる。
なお、前記実施例の蓄積エネルギー比率Ebpcの演算において、演算範囲が、例えば、他の描画フィールドに跨るとき、周辺のフィールドの描画パターンから与えられる蓄積エネルギーの重みも考慮して演算が行われるものである。
また、前記実施例の蓄積エネルギー強度分布EID関数を前方散乱電子に起因する蓄積エネルギー強度分布関数を用いて演算しても良い。この場合の区画の大きさは前方散乱電子による影響範囲に基づいて決められるものである。
また、前記実施の形態では、電子ビームを用いた構成について説明したが、電子ビームに限るものではなく、イオンビーム等のビームでも良い。
1:電子銃、2:照射レンズ、3:ブランカー、4:第1成形開口板、5:成形レンズ、6:第2成形開口板、7:成形偏向器、8:縮小レンズ、9:対物レンズ、10:描画材料、11:位置決め偏向器、12:ステージ、13:ブランキング制御回路、14:成形偏向器制御回路、15:位置決め偏向器制御回路、16:ステージ制御回路、17:パターンデータディスク、18:制御装置、19:ショットパターン分割処理回路、20:ソーティング処理回路、21:照射時間演算回路、22、22´、22´´:外部計算機、23:EID演算回路、24:第1メモリ、25:蓄積エネルギー比率Ebpbm,n演算回路、50:第2メモリA、51:第2メモリB、27、27´:補正値演算回路、28:EIDci,j演算回路、29:第3メモリ、30:小領域描画パターン抽出回路、31:小領域描画パターン情報取得回路、32、32´:蓄積エネルギー比率Ebpc演算回路、40:dEBPc演算回路、41:dEBPcメモリ、100:大領域演算回路、101:小領域演算回路

Claims (8)

  1. 描画材料上の描画領域の描画パターンデータを
    ショット単位の描画パターンに分割し、
    該ショット単位の描画パターンに基づいて荷電粒子ビームの断面形状と描画材料上のショット位置とを制御して
    前記描画材料上に荷電粒子ビームをショットすると共に、
    前記描画領域内を仮想的な単位区画に区切り、
    区画(m,n)の後方散乱電子に起因する蓄積エネルギー比率Ebpbm,nマップを求め、
    該蓄積エネルギー比率Ebpbm,nマップからショット位置に基づいた近接効果補正量を求め、
    該近接効果補正量を考慮して荷電粒子ビームのショット時間を変化させる荷電粒子ビーム描画装置において、
    前記描画領域内の前記ショット単位の描画パターンについて、
    ショットする描画パターンkを中心とする後方散乱電子の影響範囲より狭い影響範囲(2r×2r角)内を単位区画(i,j)に区切り、該影響範囲内に存在する周囲n個のショット単位の描画パターンを抽出し、抽出されたn個のショット単位の描画パターンについて寸法情報(si,sj)及び位置情報(ri,rj)を取得し、取得された寸法情報(si,sj)及び位置情報(ri,rj)と後方散乱電子の影響範囲より狭い影響範囲の蓄積エネルギー強度分布マップEIDci,jに基づいてショット単位の描画パターンkの蓄積エネルギー比率Ebpc
    Figure 0006009825
    として求め、この一連の処理を前記描画領域の全てのショット単位の描画パターンに対して繰り返し行い、ショット単位の描画パターン毎に蓄積エネルギー比率Ebpcを求める繰り返し演算手段と、
    ショットする描画パターンkの前記蓄積エネルギー比率Ebpcと、該描画パターンkの位置データに基づいて前記蓄積エネルギー比率Ebpbm,nマップから求めた蓄積エネルギー比率Ebpbとから描画パターンkの近接効果補正値を求める近接効果補正値演算手段と、を備え、
    該近接効果補正量に基づいて荷電粒子ビームのショット時間を変化させることを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置。
  2. 前記後方散乱電子の影響範囲より狭い影響範囲の蓄積エネルギー強度分布マップEIDci,jを記憶する記憶手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  3. 描画材料上の描画領域の描画パターンデータをショット単位の描画パターンに分割し、該ショット単位の描画パターンに基づいて荷電粒子ビームの断面形状と描画材料上のショット位置とを制御して前記描画材料上に荷電粒子ビームをショットすると共に、前記描画材料上の描画領域内を仮想的な単位区画に区切り、区画(m,n)の後方散乱電子に起因する蓄積エネルギー比率Ebpbm,nマップを求め、該蓄積エネルギー比率Ebpbm,nマップからショット位置に基づいた近接効果補正量を求め、該近接効果補正量を考慮して荷電粒子ビームのショット時間を変化させる荷電粒子ビーム描画装置において、
    前記描画領域内の前記ショット単位の描画パターンについて、
    ショットする描画パターンkを中心とする後方散乱電子の影響範囲より狭い影響範囲(2r×2r領域)内を単位区画に(i,j)に区切り、
    該影響範囲内に存在するn個のショット単位の描画パターンを抽出し、
    抽出された周囲n個のショット単位の描画パターンについて寸法情報(sik,sjk)及び位置情報(rik,rjk)を取得し、
    取得された寸法情報(sik,sjk)及び位置情報(rik,rjk)に基づいて事前に計算された蓄積エネルギーの重みdEBPcrik,rjk,sik,sjkの中から選択し、選択された蓄積エネルギーの重みに基づいてショットする描画パターンkの蓄積エネルギー比率Ebpckを
    Figure 0006009825

    として求め、この一連の処理を前記描画領域内の全てのショット単位の描画パターンに対して繰り返し行い、描画パターン毎に蓄積エネルギー比率Ebpcを求める繰り返し演算手段と、
    ショットする描画パターンkの前記蓄積エネルギー比率Ebpckと、該描画パターンkの位置データに基づいて前記蓄積エネルギー比率Ebpbm,nマップから求めた蓄積エネルギー比率Ebpbとから描画パターンkの近接効果補正値を求める近接効果補正値演算手段と、を備え
    該近接効果補正量に基づいて荷電粒子ビームのショット時間を変化させる荷電粒子ビーム描画装置。
  4. 前記蓄積エネルギーの重みdEBPcrik,rjk,sik,sjkを後方散乱電子の影響範囲より狭い影響範囲を仮想的な単位区画に区切り、後方散乱電子の影響範囲より狭い影響範囲の蓄積エネルギー強度分布関数EIDcから区画(i,j)毎の蓄積エネルギー強度を求めた区画(i,j)の蓄積エネルギー強度分布マップEIDci,jを用いて、複数のショット単位の描画パターンの寸法情報(si,sj)及び位置情報(ri,rj)を設定し、
    Figure 0006009825
    として求める蓄積エネルギーの重み演算手段を備えたことを特徴とする請求項3記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  5. 前記蓄積エネルギーの重みdEBPcri,rj,si,sjをショット単位の描画パターンの寸法情報(si,sj)及び位置情報(ri,rj)と関連付けしてデータベースに記憶する記憶手段を備えたことを特徴とする請求項4記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  6. 前記蓄積エネルギー比率演算Ebpcを演算するときの区画(i,j)の大きさは、前記蓄積エネルギー比率Ebpbm,nを演算するときの区画(m,n)の大きさより小さいことを特徴とする請求項1又は請求項3記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  7. 描画材料上の描画領域の描画パターンデータを
    ショット単位の描画パターンに分割し、
    該ショット単位の描画パターンに基づいて荷電粒子ビームの断面形状と描画材料上のショット位置とを制御して
    前記描画材料上に荷電粒子ビームをショットすると共に、
    前記描画領域内を仮想的な単位区画に区切り、
    区画(m,n)の後方散乱電子に起因する蓄積エネルギー比率Ebpbm,nマップを求め、
    該蓄積エネルギー比率Ebpbm,nマップからショット位置に基づいた近接効果補正量を求め、
    該近接効果補正量を考慮して荷電粒子ビームのショット時間を変化させる荷電粒子ビーム描画方法において、
    後方散乱電子の影響範囲より狭い影響範囲を持つ蓄積エネルギー強度分布関数EIDを用いて区画(i,j)ごとに蓄積エネルギー強度を求めた蓄積エネルギー強度分布マップEIDci,jを作成し、記憶する蓄積エネルギー強度分布演算工程と、
    前記描画領域の前記ショット単位の描画パターンについて、
    ショットする描画パターンkを中心とする後方散乱電子の影響範囲より狭い影響範囲(2r×2r角)内を単位区画(i,j)に区切り、該影響範囲内に存在する周囲n個のショット単位の描画パターンを抽出するパターン抽出工程と、
    抽出されたn個のショット単位の描画パターンについて寸法情報(si,sj)及び位置情報(ri,rj)を取得するパターン情報取得工程と、
    前記蓄積エネルギー強度分布マップEIDci,jを用いて前記抽出された寸法情報(si,sj)及び位置情報(ri,rj)を考慮して描画パターンkに与える蓄積エネルギーの重みを考慮してショットする描画パターンkの蓄積エネルギー比率Ebpc
    Figure 0006009825
    として求める蓄積エネルギー比率演算工程と、
    前記パターン抽出工程、前記パターン情報取得工程、前記蓄積エネルギー比率演算工程をこの順に繰り返して前記描画領域内の全てのショット単位の描画パターンについての蓄積エネルギー比率Ebpcを求める繰り返し演算工程と、
    ショットする描画パターンkの前記蓄積エネルギー比率Ebpcと、該描画パターンkの位置データに基づいた前記蓄積エネルギー比率Ebpbm,nマップから求めた描画パターンkの蓄積エネルギー比率Ebpbとから近接効果補正値を求める近接効果補正値演算工程と、を備え、
    該近接効果補正量に基づいて荷電粒子ビームのショット時間を変化させることを特徴とする荷電粒子ビーム描画方法。
  8. 描画材料上の描画領域の描画パターンデータをショット単位の描画パターンに分割し、該ショット単位の描画パターンに基づいて荷電粒子ビームの断面形状と描画材料上のショット位置とを制御して前記描画材料上に荷電粒子ビームをショットすると共に、前記描画材料上の描画領域内を仮想的な単位区画に区切り、区画(m,n)の後方散乱電子に起因する蓄積エネルギー比率Ebpbm,nマップを求め、該蓄積エネルギー比率Ebpbm,nマップから近接効果補正量を求め、該近接効果補正量に基づいて荷電粒子ビームのショット時間を変化させる荷電粒子ビーム描画方法において、
    後方散乱電子の影響範囲より狭い影響範囲を持つ蓄積エネルギー強度分布関数EIDを用いて区画(i,j)ごとに蓄積エネルギー強度を求めた蓄積エネルギー強度分布EIDマップEIDci,jを用いてショット単位の描画パターンの寸法情報(si,sj)及び位置情報(ri,rj)の蓄積エネルギーの重みdEBPcrik,rjk,sik,sjk
    Figure 0006009825
    として求める蓄積エネルギー強度重み演算工程と、
    該蓄積エネルギー強度重み演算手段からショット単位の描画パターンの寸法情報及び位置情報と蓄積エネルギーの重みを記憶する記憶工程と、
    前記描画材料上の描画領域のショット単位の描画パターンについて、
    ショットする描画パターンkを中心として後方散乱電子の影響範囲より狭い影響範囲(2r×2r領域)に存在する周囲n個の描画パターンを抽出するパターン抽出工程と、
    前記抽出された描画パターンに基づいて寸法情報及び位置情報を取得するパターン情報取得工程と、
    前記抽出されたn個の描画パターンの寸法情報(si,sj)及び位置情報(ri,rj)から前記記憶手段から蓄積エネルギーの重みdEBPcrik,rjk,sik,sjkを読み込み、読み込まれた蓄積エネルギーの重みを考慮してショットする描画パターンkの蓄積エネルギー比率Ebpc
    Figure 0006009825
    として求める蓄積エネルギー比率演算工程と、
    前記パターン抽出工程、パターン情報取得工程、蓄積エネルギー比率演算工程をこの順に繰り返して描画材料上の描画領域の全てのショット単位の描画パターンの蓄積エネルギー比率Ebpcを求める繰り返し演算工程と、
    前記蓄積エネルギー比率Ebpcと前記蓄積エネルギー比率Ebpbm,nとから近接効果補正値を求める近接効果補正値演算工程と、を備え、
    該近接効果補正量に基づいて荷電粒子ビームのショット時間を変化させることを特徴とする荷電粒子ビーム描画方法。
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