JP7096071B2 - 荷電粒子ビーム描画方法および荷電粒子ビーム描画装置 - Google Patents

荷電粒子ビーム描画方法および荷電粒子ビーム描画装置 Download PDF

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Description

本発明は、荷電粒子ビーム描画方法および荷電粒子ビーム描画装置に関する。
従来、例えばフォトマスクの製造工程において、フォトマスクブランクス上に形成されたレジスト膜に対して所定のパターンを電子ビームによって描画する可変面積型電子ビーム照射装置が用いられている。
電子ビームを用いる可変面積型電子ビーム描画装置では、後方散乱による蓄積エネルギーの影響によって生じるパターン寸法誤差を、電子ビームの照射量(照射時間)を調整することによって補正している。この補正は、近接効果補正と呼ばれている。近接効果は、レジスト膜を透過して基板表面で散乱された後方散乱電子によりレジストが感光することによってパターン寸法誤差が生じる現象である。例えば、加速電圧50kVの電子ビームを用いた場合、近接効果の影響領域は、約10μmになる。
近年、近接効果補正において、近接効果の大きさを表す係数である後方散乱係数を、近接効果以外の補正量に応じて調整して、近接効果補正による補正量を算出する方法が提案されている。
例えば、特許文献1では、描画材料上の位置に依存した描画パターンの寸法のバラツキを補正する乾板面内照射量補正の補正値に基づいて後方散乱係数を調整し、近接効果補正による補正量を算出している。
また、例えば、特許文献2では、描画材料上の位置に依存するローディング効果補正量に対応する補正係数(後方散乱係数)を用いて近接効果補正による補正量を算出している。
特開2006-245309号公報 特開2005-195787号公報
上記のような近接効果補正では、描画材料上の位置に応じて後方散乱係数を変えて照射補正量を演算しなければならないため、演算処理が複雑化してしまう。
本発明の目的は、容易に、描画材料上の位置に応じて後方散乱係数を変えて近接効果補正を行うことができる荷電粒子ビーム描画方法および荷電粒子ビーム描画装置を提供することにある。
本発明に係る荷電粒子ビーム描画方法の一態様は、
描画材料上の位置に応じて後方散乱係数を変えて、近接効果補正を行う荷電粒子ビーム描画方法であって、
基準とする後方散乱係数を用いて、近接効果補正による第1照射補正量を算出する工程と、
前記描画材料上の位置に応じた後方散乱係数と前記第1照射補正量に基づいて、前記描画材料上の位置に応じた後方散乱係数の影響による第2照射補正量を算出する工程と、
前記第1照射補正量および前記第2照射補正量に基づいて、荷電粒子ビームの照射量を算出する工程と、
を含む。
このような荷電粒子ビーム描画方法では、基準とする後方散乱係数を用いて近接効果補正による第1照射補正量を算出し、その後、描画材料上の位置に応じた後方散乱係数の影響による第2照射補正量を算出することができる。これにより、演算処理を簡素化することができる。したがって、このような荷電粒子ビーム描画方法によれば、容易に、描画材料上の位置に応じて後方散乱係数を変えて、近接効果補正を行うことができる。
本発明に係る荷電粒子ビーム描画装置の一態様は、
描画材料上の位置に応じて後方散乱係数を変えて、近接効果補正を行う荷電粒子ビーム描画装置であって、
荷電粒子ビームを発生させる荷電粒子ビーム源と、
前記荷電粒子ビームのブランキングを行うブランカーと、
前記ブランカーを制御する制御部と、
を含み、
前記制御部は、
基準とする後方散乱係数を用いて、近接効果補正による第1照射補正量を算出する処理と、
前記描画材料上の位置に応じた後方散乱係数と前記第1照射補正量に基づいて、前記描画材料上の位置に応じた後方散乱係数の影響による第2照射補正量を算出する処理と、
前記第1照射補正量および前記第2照射補正量に基づいて、荷電粒子ビームの照射量を算出する処理と、
を行う。
このような荷電粒子ビーム描画装置では、基準とする後方散乱係数を用いて近接効果補正による第1照射補正量を算出し、その後、描画材料上の位置に応じた後方散乱係数の影響による第2照射補正量を算出することができる。これにより、演算処理を簡素化することができる。したがって、このような荷電粒子ビーム描画装置によれば、容易に、描画材料上の位置に応じて後方散乱係数を変えて、近接効果補正を行うことができる。
描画パターンを分割したセルについて説明するための図。 第1実施形態に係る電子ビーム描画装置の構成を示す図。 第1実施形態に係る電子ビーム描画装置の処理の一例を示すフローチャート。 第2実施形態に係る電子ビーム描画装置の構成を示す図。 第2実施形態に係る電子ビーム描画装置の処理の一例を示すフローチャート。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 手法
まず、本実施形態の手法について説明する。
近接効果補正による補正量Smodは、次式(1)で表される。
Figure 0007096071000001
ただし、ηは後方散乱係数であり、C2は電子ビームの入射エネルギーと解像閾値の関係を表す係数であり、Orgは基準とする蓄積エネルギー比率であり、Ebpは後方散乱による蓄積エネルギー比率である。
図1は、描画パターンを分割したセル(区画)について説明するための図である。
描画パターンの疎密に応じて変化する後方散乱による蓄積エネルギー比率Ebpは、図1に示すように、描画するパターンを均一な大きさの格子状に分割し、セル(区画)ごとに後方散乱による蓄積エネルギー比率を算出することで得られる。各セル(m,n)の後方散乱による蓄積エネルギー比率Ebpm,nは、次式(2)で表される。
Figure 0007096071000002
ただし、Eim,nは分割されたセル内における描画パターンが占める割合であり、EIDi,jは後方散乱による蓄積エネルギー強度分布であり、rは後方散乱による蓄積エネルギー比率の計算領域を表している。
なお、後方散乱による蓄積エネルギー強度分布EIDi,jは、式(3)に示すように、βの範囲を持つGaussianで表されており、βは後方散乱径である。また、分割されたセル内における描画パターンが占める割合Eim,nは、パターンデータを基に算出される。蓄積エネルギー強度分布EID(Energy Intensity Distribution)は、電子ビームを1点に入射したときのレジスト面からある深さのある位置(i,j)の蓄積エネルギー強度で、基板上のレジスト膜中における入射電子の蓄積(または吸収)エネルギー密度の空間分布を表わしたものである。
後方散乱係数ηを、近接効果補正以外の補正量(例えば、乾板面内照射量補正の補正量)に応じて変えるためには、式(1)中の後方散乱係数ηを、各セル(m、n)に対する後方散乱係数ηm,nとして、近接効果補正による補正量Smodを算出することになる。
後方散乱係数を(a+1)ηとした場合の補正量Smod(=Smod´)は、次式(4)で表される。
Figure 0007096071000003
ηを基準とする後方散乱係数、すなわち、後方散乱係数の基準値とし、(a+1)ηを描画材料上の位置に応じて指定された後方散乱係数とすると、補正量Smodと、補正量Smod´は、次式(5)で関連づけられる。
Figure 0007096071000004
ただし、補正量Emodは、補正量Smodと補正量Smod´を関連付けるために新たに設けた補正量である。
補正量Emodは、式(4)および式(5)より、次式(6)で表される。
Figure 0007096071000005
ここで、蓄積エネルギー比率Ebpは、式(2)で算出されるものであり、近接効果補正の演算時において計算されるものである。したがって、補正量Emodを近接効果補正から分離するためには、蓄積エネルギー比率Ebpを代替する必要がある。蓄積エネルギー比率Ebpは、式(1)より、次式(7)で表される。
Figure 0007096071000006
式(6)および式(7)より、補正量Emodは、次式(8)で表すことができる。
Figure 0007096071000007
補正量Emodは、上記式(8)を用いて、描画材料上の位置に応じて指定された後方散乱係数(a+1)ηと、基準とする後方散乱係数ηを用いて算出した近接効果補正による補正量Smodから算出することができる。
以上により、近接効果補正による照射補正量から、描画材料上の位置に応じて指定される後方散乱係数の影響を分離し、これらの演算を分けることが可能となる。
なお、近接効果補正による照射補正量の算出には、再計算の手法が用いられる。上記で
説明した式(1)は初回の照射補正量を表している。再計算とは、照射補正量を求める計算を、前回の計算結果を用いて繰り返すことで精度を高める手法である。
再計算時における、近接効果補正による補正量Smodは、次式(9)で表される。
Figure 0007096071000008
ただし、Smodl-1は、l-1回目の再計算で得られた近接効果補正による補正量である。
再計算においても、上記と同様に補正量Emodについて計算すると、補正量Emodは、次式(11)で表される。
Figure 0007096071000009
ただし、Emodは、l回目の再計算で得られた補正量Emodである。
2. 第1実施形態
2.1. 構成
図2は、第1実施形態に係る可変面積型電子ビーム描画装置(荷電粒子ビーム描画装置の一例)100の構成を示す図である。
電子ビーム描画装置100は、図2に示すように、電子ビーム描画装置本体1と、電子ビーム描画装置本体1を制御する制御部2と、を含む。
電子ビーム描画装置本体1は、電子ビームB(荷電粒子ビームの一例)を発生させる電子銃10(荷電粒子ビーム源の一例)と、電子ビームのブランキングを行うブランカー12と、照射レンズ14と、第1成形スリット16と、成形偏向器18と、成形レンズ20と、第2成形スリット22と、縮小レンズ24と、対物レンズ26と、位置決め偏向器28と、描画材料Mが載置されるステージ30と、を含む。
制御部2は、パターンデータを記憶するパターンデータディスク40と、近接効果補正装置50と、制御装置60と、記憶装置62と、データ転送回路70と、を含む。
電子銃10で発生した電子ビームBは、照射レンズ14を介して第1成形スリット16上に照射される。第1成形スリット16の開口像は、成形レンズ20により、第2成形スリット22上に結像されるが、その結像の位置は、成形偏向器18により変えることができる。第2成形スリット22により成形された像は、縮小レンズ24、対物レンズ26を介して描画材料M上に照射される。描画材料Mへの照射位置は位置決め偏向器28により変えることができる。
電子ビーム描画装置100は、ブランカー12を制御するブランカー制御回路32と、成形偏向器18を駆動する成形偏向器駆動回路34と、位置決め偏向器28を駆動する位置決め偏向器駆動回路36と、ステージ30を駆動するステージ駆動回路38と、を含む。
パターンデータディスク40には、パターンデータが描画フィールドごとに記憶されている。パターンデータは、フィールドの位置データおよびフィールド内に描かれる各パターンの位置データおよび寸法データなどを含む。なお、ここでは、パターンデータがパターンデータディスク40に記憶されている場合について説明したが、パターンデータがその他の記憶装置(メモリー)に記憶されていてもよい。
近接効果補正装置50は、蓄積エネルギー比率演算部52と、第1照射補正量演算部54と、照射補正量付加処理部56と、を含む。
蓄積エネルギー比率演算部52は、パターンデータディスク40に格納されたパターンデータから、各セル(区画)に対する後方散乱による蓄積エネルギー比率Ebpm,nを算出する。各セルに対する後方散乱による蓄積エネルギー比率Ebpm,nは、式(2)より算出される。このとき、後方散乱による蓄積エネルギー強度分布EIDi,jは、例えば、あらかじめ式(3)より算出され、近接効果補正装置50の記憶装置(図示せず)に記録されているものを参照する。
第1照射補正量演算部54は、蓄積エネルギー比率演算部52で算出された各セルに対する後方散乱による蓄積エネルギー比率Ebpm,nから、照射補正量Smodm,n(以下、「第1照射補正量」ともいう)を算出する。ここで、第1照射補正量Smodm,nは、基準とする後方散乱係数ηを用いて算出される。すなわち、第1照射補正量Smodm,nを算出する際に用いられる後方散乱係数ηは、単一の値を持つ、すなわち定数である。第1照射補正量Smodm,nは、蓄積エネルギー比率演算部52で算出された各セルに対する後方散乱による蓄積エネルギー比率Ebpm,nを用いて、式(1)より算出される。
照射補正量付加処理部56は、第1照射補正量演算部54で算出された第1照射補正量Smodm,nを、パターンデータに付加し、パターンデータディスク40に出力する。第1照射補正量Smodm,nが付加されたパターンデータは、パターンデータディスク40に記憶される。
制御装置60は、第1照射補正量が付加されたパターンデータをデータ転送回路70に送る。記憶装置(メモリー)62には、描画材料M上の位置に応じて指定された後方散乱係数の補正量a(式(8)参照)が記録されている。制御装置60は、記憶装置62に記憶された後方散乱係数の補正量aをデータ転送回路70に送る。
データ転送回路70は、ビーム図形分割処理部72と、第2照射補正量演算部74と、照射時間演算部76と、を含む。
ビーム図形分割処理部72は、制御装置60から供給されたパターンデータを、最大ビーム寸法以下のビーム図形に分割してビーム図形データを生成し、成形偏向器駆動回路34と位置決め偏向器駆動回路36に供給する。ビーム図形分割処理部72からのビーム図形データに基づいて、成形偏向器駆動回路34は成形偏向器18を駆動し、位置決め偏向器駆動回路36は位置決め偏向器28を駆動する。
第2照射補正量演算部74は、パターンデータに付加された第1照射補正量と、制御装
置60から供給される描画材料M上の位置に応じた後方散乱係数の補正量に基づいて、第2照射補正量を算出する。第2照射補正量は、式(8)により算出される。ただし、式(8)において、Smodは第1照射補正量であり、ηは第1照射補正量演算部54で用いた基準とする後方散乱係数であり、aは描画材料M上の位置に応じた後方散乱係数の補正量である。なお、上記では、再計算手法を用いない場合について説明したが、再計算手法を用いる場合には、初回の第2照射補正量の演算は、上記の式(8)により行われ、2回目以降の第2照射補正量の演算は、式(11)により行われる。ただし、式(11)において、Smodは式(9)により算出される。
照射時間演算部76は、ビーム図形分割処理部72から供給されるビーム図形データに基づき、第1照射補正量および第2照射補正量を参照する。参照される第1照射補正量は、ビーム図形データの位置座標に対応する位置座標固有の第1照射補正量Smodm,nであり、参照される第2照射補正量は、ビーム図形データの位置座標に対応する位置座標固有の第2照射補正量Emodm,nである。供給される第1照射補正量Smodm,nおよび第2照射補正量Emodm,nは、描画領域を均一な大きさの格子状に分割したセルごとの補正値であり、位置座標固有の補正値となっている。
照射時間演算部76は、基準とする照射量Doseに第1照射補正量Smodおよび第2照射補正量Emodを適用して電子ビームの照射量を算出し、当該照射量に基づく電子ビームの照射時間データを算出する。電子ビームの照射量は、照射量=Dose(Smodm,n+1)(Emodm,n+1)で算出される。
照射時間演算部76は、照射時間データをブランカー制御回路32に供給する。ブランカー制御回路32は、照射時間演算部76からの照射時間データに基づいて、ビーム照射のON-OFFを制御するブランキング信号をブランカー12に供給する。
このように、近接効果補正が付加されたビーム図形データに基づいて、成形偏向器18により電子ビームの断面が単位パターン形状に成形され、その単位パターンはブランカー12により照射時間が制御され、順次、描画材料M上に照射されて、所望の形状のパターン描画が行われる。
さらに、描画材料M上の異なる領域への描画の際には、制御装置60からステージ駆動回路38に制御信号が供給されて、ステージ30は所定の距離だけ移動する。なお、ステージ30の移動距離は、レーザー測長器(図示省略)により監視されており、このレーザー測長器からの測長結果に基づきステージ30の位置は正確に制御される。
2.2. 処理
次に、電子ビーム描画装置100の処理の一例について説明する。図3は、電子ビーム描画装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
電子ビーム描画装置100で描画動作が開始される前に、近接効果補正装置50は、パターンデータディスク40に格納されたパターンデータに基づいて第1照射補正量Smodm,nを算出し(S10)、第1照射補正量Smodm,nが付加されたパターンデータをパターンデータディスク40に出力する(S12)。
具体的には、近接効果補正装置50では、蓄積エネルギー比率演算部52が、パターンデータディスク40に格納されたパターンデータに基づいて、式(2)より、各セルに対する後方散乱による蓄積エネルギー比率Ebpm,nを算出する。次に、第1照射補正量演算部54が、算出された各セルに対する後方散乱による蓄積エネルギー比率Ebpm,nに基づいて、式(1)より、第1照射補正量Smodm,nを算出する。このとき、後
方散乱係数ηとして、基準とする後方散乱係数η(定数)を用いる。次に、照射補正量付加処理部56が、算出された第1照射補正量Smodm,nを、パターンデータに付加し、パターンデータディスク40に出力する。
電子ビーム描画装置100で描画動作が開始されると、制御装置60は、第1照射補正量Smodm,nが付加されたパターンデータをデータ転送回路70に送る。ビーム図形分割処理部72は、供給されたパターンデータを、最大ビーム寸法以下のビーム図形に分割してビーム図形データを生成し、ビーム図形データに基づき成形偏向器駆動回路34と位置決め偏向器駆動回路36を制御する。
第2照射補正量演算部74は、パターンデータに付加された第1照射補正量Smodm,nと、制御装置60から供給される描画材料M上の位置に応じた後方散乱係数の補正量aに基づいて、式(8)および式(11)により、第2照射補正量Emodm,nを算出する(S14)。
次に、第1照射補正量Smodm,nと第2照射補正量Emodm,nに基づいて、描画材料Mに描画を行う(S16)。
具体的には、照射時間演算部76が、設定された照射量Doseに第1照射補正量Smodm,nおよび第2照射補正量Emodm,nを適用して、照射量=Dose(Smodm,n+1)(Emodm,n+1)により照射量を算出する。照射時間演算部76は、算出した照射量に基づき照射時間データを生成して、ブランカー制御回路32を制御する。
2.3. 特徴
第1実施形態に係る描画方法は、描画材料M上の位置に応じて後方散乱係数を変えて、近接効果補正を行う電子ビーム描画方法であって、基準とする後方散乱係数ηを用いて、近接効果補正による第1照射補正量Smodm,nを算出する工程と、描画材料M上の位置に応じた後方散乱係数と第1照射補正量Smodm,nに基づいて、第2照射補正量Emodm,nを算出する工程と、第1照射補正量Smodm,nおよび第2照射補正量Emodm,nに基づいて、電子ビームの照射量を算出する工程と、含む。
このように、第1実施形態に係る描画方法によれば、例えば、描画に先立って、基準とする後方散乱係数を用いて近接効果補正による補正量(第1照射補正量)を算出してパターンデータに付加しておき、描画動作を開始してから、描画材料M上の位置に応じた後方散乱係数の影響による補正量(第2照射補正量)を算出することができる。このように、第1照射補正量の演算と、第2照射補正量の演算と、を分けて行うことにより、演算処理を簡素化することができる。したがって、第1実施形態に係る描画方法によれば、容易に、描画材料M上の位置に応じて後方散乱係数を変えて、近接効果補正を行うことができる。
例えば、第1照射補正量の演算と第2照射補正量の演算とを分けて行うことができない場合、描画材料M上に同一のパターンを2箇所に描画しようとすると、近接効果補正装置は、異なる補正量を付加した2つのパターンデータをパターンデータディスクに出力する必要がある。また、この2つのパターンの配置を変えた場合には、後方散乱係数の補正量が変化するため、近接効果補正装置は、新たに、異なる補正量を付加した2つのパターンデータをパターンデータディスクに出力する必要がある。このように、同一のパターンであっても、2つのパターンデータの位置関係に応じて補正量を算出しなければならないため、演算処理が複雑化する、パターンデータディスクに出力するパターンデータの数が増えてデータ量が増加するという問題がある。
これに対して、第1照射補正量の演算と、第2照射補正量の演算と、を分けて行う場合、同一のパターンであれば、近接効果補正装置は、第1照射補正量のみをパターンデータディスクに出力すればよい。したがって、演算処理を簡素化でき、かつ、パターンデータディスクに出力するパターンデータの数を削減することが可能である。また、第1照射補正量の演算と、第2照射補正量の演算と、を分けたことにより、上述したように、基準とする後方散乱係数ηを用いた近接効果補正による第1照射補正量の計算を、描画に先立って行うことができる。したがって、演算処理を簡素化できる。
電子ビーム描画装置100は、ブランカー12を制御する制御部2と、を含み、制御部2は、基準とする後方散乱係数ηを用いて、近接効果補正による第1照射補正量Smodm,nを算出する処理と、描画材料M上の位置に応じた後方散乱係数と第1照射補正量Smodm,nに基づいて、第2照射補正量Emodm,nを算出する処理と、第1照射補正量Smodm,nおよび第2照射補正量Emodm,nに基づいて、電子ビームの照射量を算出する処理と、を行う。このように、電子ビーム描画装置100では、例えば、描画に先立って基準とする後方散乱係数を用いて近接効果補正による補正量(第1照射補正量)を算出してパターンデータに付加しておき、描画動作を開始してから、描画材料M上の位置に応じた後方散乱係数の影響による補正量(第2照射補正量)を算出することができる。したがって、電子ビーム描画装置100では、容易に、描画材料M上の位置に応じて後方散乱係数を変えて、近接効果補正を行うことができる。
3. 第2実施形態
次に、第2実施形態に係る電子ビーム描画装置について、図面を参照しながら説明する。図4は、第2実施形態に係る電子ビーム描画装置200の構成を示す図である。以下、第2実施形態に係る電子ビーム描画装置200において、第1実施形態に係る電子ビーム描画装置100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
上述した電子ビーム描画装置100では、描画に先立って近接効果補正による補正量(第1照射補正量Smodm,n)を算出してパターンデータに付加していた。これに対して、電子ビーム描画装置200では、描画動作が開始されてから、近接効果補正による補正量を算出する。
3.1. 構成
電子ビーム描画装置200の構成部材は、図4に示すように、近接効果補正装置50が照射補正量付加処理部56を含まない点を除いて、電子ビーム描画装置100の構成部材と同じであり、その説明を省略する。
3.2. 処理
図5は、電子ビーム描画装置200の処理の一例を示すフローチャートである。
電子ビーム描画装置100で描画動作が開始されると、制御装置60は、パターンデータを近接効果補正装置50とデータ転送回路70に送る。
近接効果補正装置50は、パターンデータディスク40に格納されたパターンデータに基づいて第1照射補正量Smodm,nを算出し(S20)、第1照射補正量Smodm,nを第2照射補正量演算部74に出力する(S22)。
具体的には、近接効果補正装置50では、蓄積エネルギー比率演算部52が、パターンデータディスク40に格納されたパターンデータに基づいて、式(2)より、各セルに対
する後方散乱による蓄積エネルギー比率Ebpm,nを算出する。次に、第1照射補正量演算部54が、算出された各セルに対する後方散乱による蓄積エネルギー比率Ebpm,nに基づいて、式(1)より、第1照射補正量Smodm,nを算出する。このとき、後方散乱係数ηとして、基準とする後方散乱係数η(定数)を用いる。
データ転送回路70では、ビーム図形分割処理部72が、供給されたパターンデータを、最大ビーム寸法以下のビーム図形に分割してビーム図形データを生成し、ビーム図形データに基づき成形偏向器駆動回路34と位置決め偏向器駆動回路36を制御する。
また、第2照射補正量演算部74は、第1照射補正量演算部54から供給される第1照射補正量Smodm,nと、制御装置60から供給される描画材料M上の位置に応じた後方散乱係数の補正量aに基づいて、式(8)および式(11)により、第2照射補正量Emodm,nを算出する(S24)。
次に、第1照射補正量Smodm,nと第2照射補正量Emodm,nに基づいて、描画材料Mに描画を行う(S26)。
具体的には、照射時間演算部76が、設定された照射量Doseに第1照射補正量Smodm,nおよび第2照射補正量Emodm,nを適用して、照射量=Dose(Smodm,n+1)(Emodm,n+1)により照射量を算出する。照射時間演算部76は、算出した照射量に基づき照射時間データを生成して、ブランカー制御回路32を制御する。
3.3. 特徴
第2実施形態に係る描画方法によれば、基準とする後方散乱係数を用いて近接効果補正による補正量(第1照射補正量)を算出し、その後、描画材料M上の位置に応じた後方散乱係数の影響による補正量(第2照射補正量)を算出することができる。これにより、上述した第1実施形態と同様に、演算処理を簡素化することができる。したがって、第2実施形態に係る描画方法によれば、容易に、描画材料M上の位置に応じて後方散乱係数を変えて、近接効果補正を行うことができる。
また、電子ビーム描画装置200は、基準とする後方散乱係数を用いて近接効果補正による補正量(第1照射補正量)を算出し、その後、描画材料M上の位置に応じた後方散乱係数の影響による補正量(第2照射補正量)を算出することができる。したがって、電子ビーム描画装置200では、電子ビーム描画装置100と同様に、容易に、描画材料M上の位置に応じて後方散乱係数を変えて、近接効果補正を行うことができる。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…電子ビーム描画装置本体、2…制御部、10…電子銃、12…ブランカー、14…照射レンズ、16…第1成形スリット、18…成形偏向器、20…成形レンズ、22…第2成形スリット、24…縮小レンズ、26…対物レンズ、28…位置決め偏向器、30…ステージ、32…ブランカー制御回路、34…成形偏向器駆動回路、36…位置決め偏向器駆動回路、38…ステージ駆動回路、40…パターンデータディスク、50…近接効果補
正装置、52…蓄積エネルギー比率演算部、54…第1照射補正量演算部、56…照射補正量付加処理部、60…制御装置、62…記憶装置、70…データ転送回路、72…ビーム図形分割処理部、74…第2照射補正量演算部、76…照射時間演算部、100…電子ビーム描画装置、200…電子ビーム描画装置

Claims (4)

  1. 描画材料上の位置に応じて後方散乱係数を変えて、近接効果補正を行う荷電粒子ビーム描画方法であって、
    基準とする後方散乱係数を用いて、近接効果補正による第1照射補正量を算出する工程と、
    前記描画材料上の位置に応じた後方散乱係数と前記第1照射補正量に基づいて、前記描画材料上の位置に応じた後方散乱係数の影響による第2照射補正量を算出する工程と、
    前記第1照射補正量および前記第2照射補正量に基づいて、荷電粒子ビームの照射量を算出する工程と、
    を含む、荷電粒子ビーム描画方法。
  2. 請求項1において、
    前記第2照射補正量Emodを、次式Aにより算出する、荷電粒子ビーム描画方法。
    Figure 0007096071000010
    ただし、ηは前記基準とする後方散乱係数であり、(a+1)ηは前記描画材料上の位置に応じた後方散乱係数であり、C2は荷電粒子ビームの入射エネルギーと解像閾値の関係を表す係数であり、Orgは基準とする蓄積エネルギー比率であり、Smodは前記第1照射補正量である。
  3. 請求項1または2において、
    前記第2照射補正量を算出する工程では、次式Bにより再計算を行う、荷電粒子ビーム描画方法。
    Figure 0007096071000011
  4. 描画材料上の位置に応じて後方散乱係数を変えて、近接効果補正を行う荷電粒子ビーム描画装置であって、
    荷電粒子ビームを発生させる荷電粒子ビーム源と、
    前記荷電粒子ビームのブランキングを行うブランカーと、
    前記ブランカーを制御する制御部と、
    を含み、
    前記制御部は、
    基準とする後方散乱係数を用いて、近接効果補正による第1照射補正量を算出する処理と、
    前記描画材料上の位置に応じた後方散乱係数と前記第1照射補正量に基づいて、前記描画材料上の位置に応じた後方散乱係数の影響による第2照射補正量を算出する処理と、
    前記第1照射補正量および前記第2照射補正量に基づいて、前記荷電粒子ビームの照射量を算出する処理と、
    を行う、荷電粒子ビーム描画装置。
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