JP2014165239A - 荷電粒子ビーム描画方法及び荷電粒子ビーム描画装置 - Google Patents

荷電粒子ビーム描画方法及び荷電粒子ビーム描画装置 Download PDF

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Abstract

【課題】影響領域の異なる2つの現象を考慮した照射量補正において、演算時間を短縮して出力するパターンデータの数を削減することが可能な、荷電粒子ビーム描画方法及び荷電粒子ビーム描画装置を提供すること。
【解決手段】パターンデータに基づいて近接効果を補正するための近接効果補正量を演算してパターンデータに付加するとともに、後方散乱による蓄積エネルギー比率が0となる場合の補正量を演算し、前記パターンデータに付加された前記近接効果補正量と、前記後方散乱による蓄積エネルギー比率が0となる場合の補正量と、パターン配置データとに基づいて、かぶり効果を補正するためのかぶり効果補正量を演算し、前記近接効果補正量と、前記かぶり効果補正量とに基づいて、荷電粒子ビームの照射量を演算する。
【選択図】図3

Description

本発明は、荷電粒子ビームを照射して試料上にパターンを描画する際に、影響領域の異なる2つの現象を考慮して荷電粒子ビームの照射量を補正する荷電粒子ビーム描画方法及び荷電粒子ビーム描画装置に関する。
従来、例えばフォトマスクの製造工程において、フォトマスクブランクス上に形成されたレジスト膜に対して所定のパターンを電子ビームによって描画する電子ビーム照射法が用いられている。このような電子ビーム照射法では、近接効果やかぶり(Foggy)効果の影響を補正するために電子ビームの照射量を調整している。
近接効果は、基板上に形成されたレジスト膜に入射した電子がレジスト膜中で前方散乱するとともに、レジスト膜を通過した後に基板に入射した電子が基板表面で後方散乱し、その結果、電子ビームの照射領域の周辺部まで前方散乱又は後方散乱した電子により照射されてしまうことにより、描画パターンの寸法精度が劣化してしまうという現象である。電子ビーム照射法において描画パターンの寸法精度を向上させるためには、電子ビームを照射する前に近接効果の影響を考慮して電子ビームの照射量を調整するという近接効果補正を行う必要がある。なお、加速電圧50kVの電子ビームを用いた場合、基板又はレジスト膜の材質等にもよるが、前方散乱半径は約0.04μmになり、後方散乱半径は約10μmになる。すなわち、近接効果の影響領域は、約10μmになる。なお、ここで言う前方散乱半径には、電子ビームがもつぼけとレジスト材質がもつぼけが含まれている。
かぶり効果は、基板上に形成されたレジスト膜や基板からの散乱電子が、基板上部に設けられている描画装置の鏡筒等に反射され、再びレジスト膜に到達し、その結果、電子ビームの照射領域の周辺部まで散乱した電子により照射されてしまうことにより、描画パターンの寸法精度が劣化してしまうという現象である。電子ビーム照射法において描画パターンの寸法精度を向上させるためには、電子ビームを照射する前にかぶり効果の影響を考慮して電子ビームの照射量を調整するというかぶり効果補正を行う必要がある。なお、かぶり効果の影響領域は、描画装置の構造にもよるが、約30mmになる。
近年、これら影響領域の異なる2つの現象を考慮した照射量補正の手法が開発されている。例えば、特許文献1では、近接効果とかぶり効果の両者を考慮した照射量補正を、以下の手法で行っている。まず、補正対象となる描画パターン領域をかぶり効果補正用の荒いメッシュと近接効果補正用の細かいメッシュで分割し、各メッシュに対して描画パターンの占める割合を求め、各メッシュに対する補正を全く行わない状態で照射した場合のかぶり効果及び近接効果による蓄積エネルギー比率を計算し、求められた蓄積エネルギー比率に基づいて、かぶり効果及び近接効果の影響が無視できるパターンに対して寸法が一致するような近接効果補正用のメッシュにおける照射量を求める初回計算を行う。次に、前回の計算によって求められた照射量に基づきかぶり効果及び近接効果による蓄積エネルギー比率を計算し、求められた蓄積エネルギー比率に基づいて、かぶり効果及び近接効果の影響が無視できるパターンに対して寸法が一致するような近接効果補正用のメッシュにおける照射量を求める再計算を行い、この再計算を、所望の寸法精度に達するまで繰り返すことにより、かぶり効果及び近接効果による描画パターンの寸法誤差を補正する補正量を求めている。
特開2006−310331号公報
上記の従来の手法では、影響範囲の異なるかぶり効果と近接効果の両方を補正するための補正量をパターンデータに付加してパターンデータディスクに格納するため、以下のような弊害があった。
すなわち、かぶり効果の影響領域は約30mmと広いため、隣接するパターンデータによる影響を受ける。例えば、図5(A)に示すように、描画材料M上に同一のパターンデータ200を2箇所に描画しようとした場合、図5(B)に示すように、パターンデータ200に異なる補正量を付加した2つのパターンデータ200a、200bをパターンディスクに出力する必要がある。
また、図5(C)に示すように、パターン配置を変えた場合においては、隣接するパターンデータによる影響が変化するため、図5(D)に示すように、新たに異なる補正量を付加した2つのパターンデータ200c、200dをパターンディスクに出力する必要がある。
すなわち、上記の従来の手法では、同一のパターンデータであっても、隣接するパターンデータとの位置関係に応じて、それぞれに補正量を割り当てる演算を行って異なる補正量を付加したパターンデータを出力する必要があるため、演算時間が長くなり、出力するパターンデータの数が増えてデータ量が増加するといった問題点があった。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様によれば、影響領域の異なる2つの現象を考慮した照射量補正において、演算時間を短縮して出力するパターンデータの数を削減することが可能な、荷電粒子ビーム描画方法及び荷電粒子ビーム描画装置を提供することができる。
(1)本発明は、荷電粒子ビームを照射して試料上にパターンを描画する際に、影響領域の異なる2つの現象を考慮して荷電粒子ビームの照射量を補正する荷電粒子ビーム描画方法であって、
パターンデータに基づいて、影響領域の狭い第1の効果を補正するための第1補正量を演算してパターンデータに付加するとともに、前記第1の効果による蓄積エネルギー比率が0となる場合の補正量を演算する第1補正量演算工程と、
前記パターンデータに付加された前記第1補正量と、前記第1の効果による蓄積エネルギー比率が0となる場合の補正量と、パターン配置データとに基づいて、影響領域の広い第2の効果を補正するための第2補正量を演算する第2補正量演算工程と、
前記第1補正量と、前記第2補正量とに基づいて、荷電粒子ビームの照射量を演算する照射量演算工程とを含む。
また本発明は、荷電粒子ビームを照射して試料上にパターンを描画する際に、影響領域の異なる2つの現象を考慮して荷電粒子ビームの照射量を補正する荷電粒子ビーム描画装置であって、
パターンデータに基づいて、影響領域の狭い第1の効果を補正するための第1補正量を演算してパターンデータに付加するとともに、前記第1の効果による蓄積エネルギー比率が0となる場合の補正量を演算する第1補正量演算部と、
前記パターンデータに付加された前記第1補正量と、前記第1の効果による蓄積エネルギー比率が0となる場合の補正量と、パターン配置データとに基づいて、影響領域の広い
第2の効果を補正するための第2補正量を演算する第2補正量演算部と、
前記第1補正量と、前記第2補正量とに基づいて、荷電粒子ビームの照射量を演算する照射量演算部とを含む。
本発明によれば、影響領域の狭い第1の効果を補正するための第1補正量を演算してパターンデータに付加しておき、描画動作の開始時に、影響領域の広い第2の効果を補正するための第2補正量を演算して、第1補正量と第2補正量に基づき照射量を補正することにより、同一パターンであれば、第1補正量のみを割り当てたパターンデータを演算して出力すれば済むようになるため、演算時間を短縮して出力するパターンデータの数を削減することが可能となる。
(2)また、本発明に係る荷電粒子ビーム描画方法及び荷電粒子ビーム描画装置では、前記第1補正量は、近接効果を補正するための近接効果補正量であり、
前記第1の効果による蓄積エネルギー比率が0となる場合の補正量は、後方散乱による蓄積エネルギー比率が0となる場合の近接効果補正量であり、
前記第2補正量は、かぶり効果を補正するためのかぶり効果補正量であってもよい。
本発明によれば、影響領域の狭い近接効果を補正するための近接効果補正量を演算してパターンデータに付加しておき、描画動作の開始時に、影響領域の広いかぶり効果を補正するためのかぶり効果補正量を演算して、近接効果補正量とかぶり効果補正量に基づき照射量を補正することにより、同一パターンであれば、近接補正量のみを割り当てたパターンデータを演算して出力すれば済むようになるため、演算時間を短縮して出力するパターンデータの数を削減することが可能となる。
(3)また、本発明に係る荷電粒子ビーム描画方法及び荷電粒子ビーム描画装置では、
前記第1補正量は、影響領域の狭い後方散乱の影響を補正するための補正量であり、
前記第2補正量は、影響領域の広い後方散乱の影響を補正するための補正量であってもよい。
(4)また、本発明に係る荷電粒子ビーム描画方法及び荷電粒子ビーム描画装置では、
前記第2補正量演算工程では(前記第2補正量演算部は)、
前記近接効果補正量を含めたかぶり効果による蓄積エネルギー比率をEbpfsとし、前記後方散乱による蓄積エネルギー比率が0となる場合の補正量をSmodpec0とすると、次式に基づいて、かぶり効果補正量Smodfecを演算してもよい。
但し、ηは、後方散乱係数であり、ηは、かぶり効果係数であり、C2は、解像閾値と照射量の関係を表す係数であり、Orgbは、後方散乱による蓄積エネルギー比率の基準であり、Orgfは、かぶり効果による蓄積エネルギー比率の基準である。
図1(A)は、可変面積型電子ビーム描画における、近接効果によりレジストに蓄積するエネルギーの分布の一例を示す図であり、図1(B)は、近接効果及びかぶり効果によりレジストに蓄積するエネルギーの分布の一例を示す図である。 描画パターン領域を分割したセル(区画)について説明するための図である。 本実施形態に係る電子ビーム描画装置(荷電粒子ビーム描画装置)の構成の一例を示す図である。 本実施形態に係る電子ビーム描画装置(荷電粒子ビーム描画装置)の処理の一例を示すフローチャート図である。 従来技術について説明するための図である。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.手法
まず、本実施形態の手法について図面を用いて説明する。
本実施形態の荷電粒子ビーム描画方法では、かぶり効果と近接効果のように影響領域が異なる現象の両者を考慮した照射量補正において、影響領域のことなる前記2つの効果ごとに分けて補正量を演算することを可能にする。
図1(A)は、可変面積型電子ビーム描画における、近接効果(前方散乱と後方散乱)によりレジストに蓄積するエネルギーの分布の一例を示す図である。図1(A)において、縦軸はレジストに蓄積するエネルギーを示し、横軸は距離を示す。
図1(A)では、前方散乱と後方散乱による蓄積エネルギーの和100と、後方散乱による蓄積エネルギー101とを示しており、前方散乱と後方散乱による蓄積エネルギーの和100が現像処理による解像閾値102を超えることで、描画パターンが形成される。すなわち、本モデルにおいては、前方散乱と後方散乱による蓄積エネルギーの和100と、解像閾値102との交点の距離がパターン寸法となる。
次式(1)は、可変面積型電子ビーム描画装置の近接効果補正における、最適照射量を求めるための方程式を示している。
ここで、Doseは、電子ビームの照射量であり、Smodpecは、近接効果を補正するための補正量(近接効果補正量)であり、C2は、解像閾値と照射量の関係を表す係数であり、ηは、後方散乱係数(前方散乱に対する後方散乱のエネルギー比)であり、Ebpbは、後方散乱による蓄積エネルギー比率である。
この方程式では、描画パターンの粗密に応じて変化する後方散乱による蓄積エネルギー比率Ebpbに対し、図1(A)に示すように、C2分の前方散乱による蓄積エネルギー(式(1)の第1項)と後方散乱による蓄積エネルギー(式(1)の第2項)の和が一定となるように、近接効果を補正するための補正量Smodpecを与えている。
図1(B)は、図1(A)のモデルに対し、かぶり効果による蓄積エネルギーを含めたモデルを示す図である。図1(B)では、前方散乱と後方散乱とかぶり効果による蓄積エネルギーの和103と、後方散乱とかぶり効果による蓄積エネルギーの和104と、かぶ
り効果による蓄積エネルギー105とを示している。
次式(2)は、式(1)に対し、かぶり効果による蓄積エネルギー(式(2)の第3項)を含めた式である。
ここで、ηは、かぶり効果係数(前方散乱に対するかぶり効果のエネルギー比)であり、Ebpfは、かぶり効果による蓄積エネルギー比率である。なお、かぶり効果による蓄積エネルギーにより、定数であるC2は変化する。すなわち、式(2)におけるC2’は、かぶり効果による蓄積エネルギーに応じて変化する値である。
式(2)において、かぶり効果を補正するためには、かぶり効果による蓄積エネルギーに応じて変化するC2’を、かぶり効果による蓄積エネルギーに応じて変化しないC2とする必要がある。そこで、C2’を定数とするために、かぶり効果を補正するための補正量Smodfecを式(2)に乗じると、次式(3)が得られる。
式(3)より、かぶり効果補正量Smodfecについて解くと、次式(4)が得られる。
ここで、かぶり効果による蓄積エネルギー比率の基準をOrgfとし、後方散乱による蓄積エネルギー比率の基準をOrgbとすると、Const.は、式(5)で表され、式(4)は、式(6)となる。
式(6)より、かぶり効果補正量Smodfecを求めるには、後方散乱による蓄積エネルギー比率Ebpbとかぶり効果による蓄積エネルギー比率Ebpfを求めることが必要であることがわかる。
以下、後方散乱による蓄積エネルギー比率Ebpbを用いずに、かぶり効果補正量Smodfecを求める方法について説明する。
式(6)には、次式(7)が含まれている。ここで、式(7)は、式(1)と一致し、式(1)で実施されるように、A=Const.となるように、近接効果補正が実施されている。つまり、後方散乱による蓄積エネルギー比率Ebpbを用いずとも、Ebpb=0であっても、Ebpb=1であっても、A=Const.となるように、近接効果補正量Smodpecによって近接効果補正が実施されている。そこで、Ebpbを用いずとも、かぶり効果補正量Smodfecを求めるために、Ebpb=0とすると、式(7)を式(8)とすることができる。
ここで、式(8)におけるSmodpec0は、後方散乱による蓄積エネルギー比率Ebpbが0となる場合の近接効果補正量である。
式(6)に含まれる式(7)に式(8)を代入すると、次式(9)が得られる。
式(9)においては、かぶり効果による蓄積エネルギー比率Ebpfと、近接効果補正量Smodpec+1が乗算されているが、近接効果補正量Smodpecは、かぶり効果による蓄積エネルギー比率Ebpfを算出する区画内で変化する補正量であるから、式(9)を次式(10)とする。
ここで、Ebpfsは、近接効果補正量Smodpecを含めたかぶり効果による蓄積エネルギー比率である。Ebpfsは、描画するパターンを均一な大きさの格子状に分割したときのセル(区画)ごとに算出される(図2を参照)。各セル(m,n)のEbpfsm,nは、次式(11)より求められる。
ここで、Eism,nは、次式(12)に示すように、分割されたセル内に含まれるk個の描画パターンに対し、個々の描画パターンがセル内に占める割合PatternArea(k)/CellAreaに、それぞれの近接効果補正量Smodpec(k)+1を乗算した値の総和を表している。また、EIDfi,jは、かぶり効果による蓄積エネルギーの強度分布であり、rは、かぶり効果による蓄積エネルギー比率の計算領域である。EIDfi,jは、例えば式(13)に示すように、かぶり効果半径βの範囲をもつGaussian等で表される。
このように、後方散乱による蓄積エネルギー比率Ebpbを用いずに、式(10)〜(12)により、近接効果補正量Smodpecと、後方散乱による蓄積エネルギー比率が0となる場合の近接効果補正量Smodpec0とを用いて、かぶり効果補正量Smodfecを求めることができる。
なお、ここまでの説明では、初回計算時におけるかぶり効果補正量Smodfecについて詳細に述べているが、再計算時におけるかぶり効果補正量について同様にして解くと、次式(14)が得られる。
ここで、Smodfec は、l回目の再計算時におけるかぶり効果補正量である。また、Ebpfsは、l回目の再計算時におけるかぶり効果による蓄積エネルギー比率であり、次式(15)により求められる。
ここで、Smodfec l−1は、l−1回目の再計算で得られたかぶり効果補正量である。
2.構成
図3は、本実施形態に係る可変面積型電子ビーム描画装置(荷電粒子ビーム描画装置の一例)の構成を示す図である。なお本実施形態の電子ビーム描画装置は図3の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
図3に示すように、電子ビーム描画装置は、電子ビーム描画装置本体1、データ転送回路40、制御装置46、パターンデータを記憶するパターンデータディスク52、近接効果補正量演算装置54を含む。電子ビーム描画装置本体1は、電子ビームBを発生する電子銃10、電子ビームのブランキングを行うブランカー12、照射レンズ14、第1成形スリット16、成形偏向器18、成形レンズ20、第2成形スリット22、縮小レンズ24、対物レンズ26、位置決め偏向器28、描画材料Mが載置されるステージ30を含む。
電子銃10から発生した電子ビームBは、照射レンズ14を介して第1成形スリット16上に照射される。第1成形スリット16の開口像は、成形レンズ20により、第2成形スリット22上に結像されるが、その結像の位置は、成形偏向器18により変えることができる。第2成形スリット22により成形された像は、縮小レンズ24、対物レンズ26を経て描画材料M上に照射される。描画材料Mへの照射位置は位置決め偏向器28により変えることができる。
電子ビーム描画装置は、ブランカー12を制御するブランカー制御回路32、成形偏向器18を駆動する成形偏向器駆動回路34、位置決め偏向器28を駆動する位置決め偏向器駆動回路36、ステージ30を駆動するステージ駆動回路38を含む。
近接効果補正量演算装置54(第1補正量演算部)は、パターンデータディスク52に格納されたパターンデータに基づき近接効果補正量(第1補正量)を算出し、算出した近接効果補正量をパターンデータに付加する。また、近接効果補正量演算装置54は、後方散乱による蓄積エネルギー比率が0となる場合の補正量も算出する。
制御装置46は、かぶり効果補正量を演算するかぶり効果補正量演算部50を含み、また、パターンデータを描画材料M上のどの部分に描画するかを指定するためのパターン配置情報48を記憶している。
かぶり効果補正量演算部50(第2補正量演算部)は、パターンデータディスク52から読み出した近接効果補正量が付加されたパターンデータと、蓄積エネルギー比率が0となる場合の補正量と、パターン配置情報48とに基づいて、かぶり効果補正量(第2補正量)を算出する。近接効果補正量が付加されたパターンデータと、かぶり効果補正量はデータ転送回路40に供給される。
データ転送回路40は、照射量演算部42と、ビーム図形分割処理部44を含む。ビーム図形分割処理部44は、制御装置46から供給されたパターンデータを、最大ビーム寸法以下のビーム図形に分割し、ビーム図形データを成形偏向器駆動回路34と位置決め偏向器駆動回路36に供給する。ビーム図形分割処理部44からのビーム図形データに基づいて、成形偏向器駆動回路34は成形偏向器18を駆動し、位置決め偏向器駆動回路36は位置決め偏向器28を駆動する。
照射量演算部42は、制御装置46から供給された近接効果補正量とかぶり効果補正量に基づき照射量を算出し、算出した照射量に基づき照射時間データを算出し、照射時間データをブランカー制御回路32に供給する。ブランカー制御回路32は、照射量演算部42からの照射時間データに基づいて、ビーム照射のON−OFFを制御するブランキング信号をブランカー12に供給する。
このように、近接効果補正量が付加されたパターンデータとかぶり効果補正量に基づいて、成形偏向器18により電子ビームの断面が単位パターン形状に成形され、その単位パターンはブランカー12により照射時間が制御され、順々に描画材料M上に照射されて、所望の形状のパターン描画が行われる。
更に、描画材料M上の異なる領域への描画の際には、制御装置46からステージ駆動回路38に制御信号が供給されて、ステージ30は所定の距離だけ移動させられる。なお、ステージ30の移動距離は、レーザ測長器(図示省略)により監視されており、このレーザ測長器からの測長結果に基づきステージ30の位置は正確に制御される。
2.処理
次に、本実施形態の電子ビーム描画装置の処理の一例について図4のフローチャートを用いて説明する。
描画動作に先立って、近接効果補正量演算装置54は、パターンデータディスク52に格納されたパターンデータに基づいて、式(7)により、近接効果補正量を算出し(ステップS10)、算出した近接効果補正量をパターンデータに付加してパターンデータディスク52に出力する(ステップS12)。
次に、近接効果補正量演算装置54は、式(8)により、後方散乱による蓄積エネルギー比率が0となる場合の補正量を算出してパターンデータディスク52に出力する(ステップS14)。
描画動作が開始されると、かぶり効果補正量演算部50は、近接効果補正量が付加されたパターンデータと、蓄積エネルギー比率が0となる場合の補正量と、パターン配置情報とに基づいて、式(10)、式(14)により、かぶり効果補正量を算出する(ステップS16)。制御装置46は、近接効果補正量が付加されたパターンデータとかぶり効果補
正量を、データ転送回路40に出力する。
次に、制御装置46から出力された近接効果補正量が付加されたパターンデータとかぶり効果補正量に基づいて描画が行われる(ステップS18)。すなわち、ビーム図形分割処理部44は、パターンデータをビーム図形に分割して成形偏向器駆動回路34及び位置決め偏向器駆動回路36を制御し、照射量演算部42は、設定した照射量Doseに、近接効果補正量とかぶり効果補正量を適用して、照射量=Dose×(Smodpec+1)×(Smodfec+1)により照射量を算出し、算出した照射量に基づき照射時間データを生成してブランカー制御回路32を制御する。
このように、本実施形態によれば、影響領域の狭い近接効果を補正するための近接効果補正量を演算してパターンデータに付加しておき、描画動作の開始時に、影響領域の広いかぶり効果を補正するためのかぶり効果補正量を演算して、近接効果補正量とかぶり効果補正量に基づき照射量を補正することにより、同一パターンであれば、近接補正量のみを割り当てたパターンデータを演算して出力すれば済むようになるため、演算時間を短縮して出力するパターンデータの数を削減することが可能となる。
3.変形例
なお、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
例えば、上記実施形態では、影響領域の狭い第1の効果を補正するための第1補正量として近接効果補正量を演算し、影響領域の広い第2の効果を補正するための第2補正量としてかぶり効果補正量を演算する場合を例にとって説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、前記第1補正量として、影響領域の狭い後方散乱(short-range backscattering)の影響を補正するための補正量を演算し、前記第2補正量として、影響領域の広い後方散乱(long-range backscattering)の影響を補正するための補正量を演算してもよい。
1 電子ビーム描画装置本体、10 電子銃、12 ブランカー、14 照射レンズ、16 第1成形スリット、18 成形偏向器、20 成形レンズ、22 第2成形スリット、24 縮小レンズ、26 対物レンズ、28 位置決め偏向器、30 ステージ、32
ブランカー制御回路、34 成形偏向器駆動回路、36 位置決め偏向器駆動回路、38 ステージ駆動回路、40 データ転送回路、42 照射量演算部、44 ビーム図形分割処理部、46 制御装置、48 パターン配置情報、50 かぶり効果補正量演算部、52 パターンデータディスク、54 近接効果補正量演算装置、B 電子ビーム、M
描画材料

Claims (5)

  1. 荷電粒子ビームを照射して試料上にパターンを描画する際に、影響領域の異なる2つの現象を考慮して荷電粒子ビームの照射量を補正する荷電粒子ビーム描画方法であって、
    パターンデータに基づいて、影響領域の狭い第1の効果を補正するための第1補正量を演算してパターンデータに付加するとともに、前記第1の効果による蓄積エネルギー比率が0となる場合の補正量を演算する第1補正量演算工程と、
    前記パターンデータに付加された前記第1補正量と、前記第1の効果による蓄積エネルギー比率が0となる場合の補正量と、パターン配置データとに基づいて、影響領域の広い第2の効果を補正するための第2補正量を演算する第2補正量演算工程と、
    前記第1補正量と、前記第2補正量とに基づいて、荷電粒子ビームの照射量を演算する照射量演算工程とを含む、荷電粒子ビーム描画方法。
  2. 請求項1において、
    前記第1補正量は、近接効果を補正するための近接効果補正量であり、
    前記第1の効果による蓄積エネルギー比率が0となる場合の補正量は、後方散乱による蓄積エネルギー比率が0となる場合の近接効果補正量であり、
    前記第2補正量は、かぶり効果を補正するためのかぶり効果補正量である、荷電粒子ビーム描画方法。
  3. 請求項1において、
    前記第1補正量は、影響領域の狭い後方散乱の影響を補正するための補正量であり、
    前記第2補正量は、影響領域の広い後方散乱の影響を補正するための補正量である、荷電粒子ビーム描画方法。
  4. 請求項2において、
    前記第2補正量演算工程では、
    前記近接効果補正量を含めたかぶり効果による蓄積エネルギー比率をEbpfsとし、前記後方散乱による蓄積エネルギー比率が0となる場合の補正量をSmodpec0とすると、次式に基づいて、かぶり効果補正量Smodfecを演算する、荷電粒子ビーム描画方法。
    但し、ηは、後方散乱係数であり、ηは、かぶり効果係数であり、C2は、解像閾値と照射量の関係を表す係数であり、Orgbは、後方散乱による蓄積エネルギー比率の基準であり、Orgfは、かぶり効果による蓄積エネルギー比率の基準である。
  5. 荷電粒子ビームを照射して試料上にパターンを描画する際に、影響領域の異なる2つの現象を考慮して荷電粒子ビームの照射量を補正する荷電粒子ビーム描画装置であって、
    パターンデータに基づいて、影響領域の狭い第1の効果を補正するための第1補正量を演算してパターンデータに付加するとともに、前記第1の効果による蓄積エネルギー比率が0となる場合の補正量を演算する第1補正量演算部と、
    前記パターンデータに付加された前記第1補正量と、前記第1の効果による蓄積エネルギー比率が0となる場合の補正量と、パターン配置データとに基づいて、影響領域の広い第2の効果を補正するための第2補正量を演算する第2補正量演算部と、
    前記第1補正量と、前記第2補正量とに基づいて、荷電粒子ビームの照射量を演算する照射量演算部とを含む、荷電粒子ビーム描画装置。
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