JP6009320B2 - 洗浄剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は洗浄剤組成物に関する。
バイオフィルムは生物膜又はスライムともいわれ、一般に水系で菌等の微生物が物質の表面に付着して増殖する際に、微生物細胞が産生する多糖、タンパク質及び核酸などの高分子物質により形成された、微生物を包み込む構造体を指す。バイオフィルムが形成されると、微生物による種々の問題が発生するため、様々な産業分野で問題となっている。例えば、食品プラントの配管内にバイオフィルムが形成されると、このバイオフィルムが剥がれ落ちて製品内へ異物として混入されたり、菌に由来する毒素により食中毒が発生する原因となったりする。さらに、金属表面へのバイオフィルム形成は金属腐食の原因となり、設備の老朽化を促進する。
業務用施設の厨房では非常に高い衛生管理が求められている。しかし、現場調査の結果、まな板などの調理器具及びスポンジなどの洗浄道具に菌が残存しやすいことが知られている。調理器具や洗浄道具に残存した菌が繁殖すると、調理器具や洗浄道具が汚染される。特に、洗浄道具において菌が繁殖すると、繁殖した菌が調理器具や食器類、さらには食物に交差汚染することが懸念される。
繁殖した菌はバイオフィルムを形成していることも知られている。バイオフィルムが形成されると、殺菌剤の効果が著しく低減するため、バイオフィルムの形成を抑制したり、形成したバイオフィルムを除去したりする方法が種々検討されている。
例えば、特許文献1には、アミノポリカルボン酸又はその塩、カチオン系殺菌剤、及びアニオン性界面活性剤を含む組成物が記載されている。特許文献1の発明として開示されている組成物は、アニオン性界面活性剤の含有量がカチオン系殺菌剤の含有量よりも多い。
また、特許文献2には、アルキルベンゼンスルホン酸塩等のアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ニトリロトリ酢酸アルカリ金属塩若しくはエチレンジアミンテトラ酢酸アルカリ金属塩又はその両方を含む、水分量が10重量%の組成物が記載されている。これは、衣類を洗浄する洗浄剤組成物であり、水に溶解した際のpHが高い。
特許文献3には、エチレンジアミン四酢酸塩等の金属封鎖剤を含んでいてもよい、アニオン界面活性剤とカチオン界面活性剤とを含む、水素イオン濃度(pH)が2の組成物が記載されている。
さらに、非特許文献1〜3にはキレート剤の持つバイオフィルム除去の効果について記載がある。
特開平11−92794号公報 特開昭58−71999号公報 特開平8−295898号公報
Appl. Environ. Microbiol.,46巻,p.1236,1983年 Antimicrob. Agents Chemother.,35巻,p.1258,1991年 Water Research,34巻,p.4229,2000年
本発明者らは、キレート剤を含む組成物に殺菌性を付与するために、陽イオン殺菌剤を用いると、キレート剤によるバイオフィルム除去効果が低下するという課題があることを見出した。
本発明の課題は、バイオフィルム除去性と殺菌性とが共に優れた洗浄剤組成物を提供することである。
本発明は、下記のA成分、B成分、C成分及び水を含有し、組成物中におけるA成分の含有量が0.5質量%以上、10質量%以下であり、B成分の含有量が0.5質量%以上、10質量%以下であり、C成分の含有量が0.05質量%以上、10質量%以下であり、B成分の含有量のC成分の含有量に対する質量比B/Cが1.1以上、10以下であり、20℃におけるpHが5以上、9以下である、洗浄剤組成物に関する。
A成分:アミノカルボン酸キレート剤
B成分:炭素数8以上、16以下の炭化水素基を1つ又は2つ有する陽イオン殺菌剤
C成分:炭素数10以上、22以下の炭化水素基を有する陰イオン界面活性剤
本発明によれば、バイオフィルム除去性と殺菌性とが共に優れる洗浄剤組成物を提供できる。
本実施形態の洗浄剤組成物は、下記のA成分、B成分、C成分及び水を含有し、組成物中におけるA成分の含有量が0.5質量%以上、10質量%以下であり、B成分の含有量が0.5質量%以上、10質量%以下であり、C成分の含有量が0.05質量%以上、10質量%以下であり、B成分の含有量のC成分の含有量に対する質量比が1.1以上、10以下であり、20℃における水素イオン濃度(pH)が5以上、9以下である。
A成分:アミノカルボン酸キレート剤
B成分:炭素数8以上、16以下の炭化水素基を1つ又は2つ有する陽イオン殺菌剤
C成分:炭素数10以上、22以下の炭化水素基を有する陰イオン界面活性剤
本実施形態の洗浄剤組成物は、A成分、B成分及びC成分の含有量が使用時において所定の値であり、バイオフィルム除去性と殺菌性とを両立させることができる。
<A成分>
A成分は、アミノカルボン酸キレート剤である。具体的には、メチルイミノジアセテート(MIDA)、イミノジサクシネート(IDS)、エチレンジアミンジサクシネート(EDDS)、イソセリンジアセテート(ISDA)、タウリンジアセテート(TUDA)、ヒドロキシエチルイミノジアセテート(HIDA)、β―アラニンジアセテート(ADA)、ヒドロキシイミノジサクシネート(HIDS)、エチルグリシンジアセテート(EGDA)、ニトリルトリアセテート(NTA)、エチレンジアミンテトラアセテート(EDTA)、メチルグリシンジアセテート(MGDA)、グルタミンジアセテート(GLDA)、アスパラギンジアセテート(ASDA)、セリンジアセテート(SDA)、及びこれらの塩等を用いることができる。A成分は、単独の化合物であっても、2種類以上の化合物の混合体であってもよい。
バイオフィルム除去性の観点からは、A成分はEGDA、NTA、EDTA、MGDA、GLDA、ASDA、SDA、及びこれらの塩から選ばれる1種又は2種以上であることが好ましく、NTA,EDTA、MGDA、GLDA、及びこれらの塩から選ばれる1種又は2種以上であることがより好ましく、MGDA、EDTA、GLDA、及びこれらの塩から選ばれる1種又は2種以上であることがさらに好ましい。
<B成分>
B成分は、炭素数が8以上、16以下の炭化水素基を1つ又は2つ有する陽イオン殺菌剤である。例えば、炭素数が8以上、16以下の炭化水素基を1つ又は2つ有する4級アンモニウム塩を用いることができる。中でも下記の式(1)で表される化合物から選ばれる1種又は2種以上であることが好ましい。
Figure 0006009320
但し、式(1)において、R1、R2、R3及びR4から選ばれる1つ又は2つは、炭素数8以上、16以下の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であるか、下記の式(2)で表される化合物である。
Figure 0006009320
1、R2、R3及びR4から選ばれる上記1つ又は2つの残りは、同一の基であっても、互いに異なる基であってもよく、それぞれ炭素数1以上、3以下のアルキル基、ベンジル基又は下記の式(3)で表される基である。
Figure 0006009320
但し、式(3)においてm1はエチレンオキサイドの平均付加モル数であり、その値は2以上、20以下の数である。
式(1)において、Xは塩素イオン等のハロゲンイオン又はモノアルキルリン酸イオン若しくはグルコン酸イオン等の有機アニオンである。
B成分の具体例として、ベンジルオクチルジメチルアンモニウムクロライド、ジドデシルジメチルアンモニウムクロライド、及びジデシルジメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。B成分は、単独の化合物であっても、2種類以上の化合物の混合体であってもよい。
B成分は、N−長鎖アルキル−N,N−ジメチル−N−ベンジルアンモニウム塩、及びN,N−ジ長鎖アルキル−N,N−ジ短鎖アルキルアンモニウム塩から選ばれる1種以上の化合物が好ましい。なお、ここでいう長鎖アルキルとは炭素数8〜12のアルキルであり、短鎖アルキルとは炭素数1〜3のアルキルである。
<C成分>
C成分は、炭素数が10以上、22以下の炭化水素基を有する陰イオン界面活性剤である。例えば、置換基として炭素数が10以上、22以下の炭化水素基を有するスルホン酸基又は硫酸エステル基を有する陰イオン界面活性剤を用いることができる。具体的には、炭素数10以上、16以下のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、炭素数10以上、22以下、好ましくは16以下のモノアルキル硫酸エステル塩、炭素数10以上、22以下、好ましくは16以下のアルキル基を有し炭素数2又は3のオキシアルキレン基が平均1モル以上、4モル以下付加したポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、炭素数10以上、22以下、好ましくは16以下のα−オレフィンスルホン酸塩、及びα−スルホ脂肪酸(炭素数10以上、16以下)低級アルキル(炭素数1以上、3以下)エステル塩等を用いることができる。また、C成分として、炭素数10以上、22以下、好ましくは16以下のアルケニルコハク酸又はその塩等を用いることができる。塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩及びアルカノールアミン塩を用いることができる。これらのうち、安定性の観点から、ナトリウム塩、カリウム塩、及びマグネシウム塩が好ましく、洗浄性の観点から、ナトリウム塩、及びマグネシウム塩がより好ましい。
C成分の具体例として、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、及びオキシエチレン基の平均付加モル数が3のポリオキシエチレンドデシルエーテル硫酸ナトリウムを挙げられる。C成分は、単独の化合物であっても、2種類以上の化合物の混合体であってもよい。
<水>
本実施形態の洗浄剤組成物は水を含有する。水の含有量は、A成分、B成分、C成分及びその他の添加物を除いた残量とすればよい。水は、特に限定されずイオン交換水、逆浸透(RO)水、又は蒸留水等を用いることができる。
<組成>
A成分の組成物中における含有量は、バイオフィルム除去性の観点から、0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上であり、10質量%以下、好ましくは6質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。
B成分の組成物中における含有量は、殺菌性の観点から、0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上である。また、バイオフィルム除去性の観点から、B成分の組成物中における含有量は10質量%以下、好ましくは9質量%以下、より好ましくは8.5質量%以下、さらに好ましくは8質量%以下である。
C成分の組成物中における含有量は、バイオフィルム除去性の観点から、0.05質量%以上、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上、特に好ましくは1質量%以上である。また、殺菌性の観点からC成分の組成物中における含有量は10質量%以下、好ましくは8質量%以下、より好ましくは6質量%以下、さらに好ましくは4質量%以下、よりさらに好ましくは3質量%以下である。
組成物中におけるB成分の含有量のC成分の含有量に対する質量比B/Cは、殺菌性とバイオフィルム除去性とを両立させる観点から1以上であり、好ましくは1.1以上、より好ましくは1.3以上であり、そして、10以下であり、好ましくは8以下、より好ましくは6以下、さらに好ましくは3以下である。
また、組成物中におけるB成分の含有量のA成分の含有量に対する質量比B/Aは、殺菌性とバイオフィルム除去性とを両立させる観点から、好ましくは0.3以上であり、より好ましくは0.5以上であり、さらに好ましくは0.7以上であり、そして、好ましくは3以下であり、より好ましくは2以下であり、さらに好ましくは1.5以下である。
A成分、B成分及びC成分をこのような濃度範囲とすることにより、殺菌性とバイオフィルム除去性とを両立させることができる。A成分のみの場合には、バイオフィルム除去性を発揮するが殺菌性はほとんど発揮しない。A成分とB成分とを適量混合した場合には、殺菌性を発揮するがバイオフィルム除去性は大きく低下する。A成分、B成分及びC成分を適量混合することにより、バイオフィルム除去性と殺菌性とを両立させることができる。
水の組成物中における含有量は、A成分、B成分及びC成分の合計含有量の残部であってよい。水の組成物中における含有量は、好ましくは30質量%以上であり、より好ましくは40質量%以上であり、さらに好ましくは50質量%以上であり、そして、好ましくは98質量%以下であり、より好ましくは95質量%以下であり、さらに好ましくは90質量%以下である。
<pH>
本実施形態の洗浄剤組成物の20℃におけるpHは、使用時における安全性をより向上させる観点(例えば、皮膚への刺激性が少なく手荒れ等を起こし難い点)から、5以上、好ましくは5.5以上、より好ましくは6以上であり、そして、9以下、好ましくは8.5以下、より好ましくは8以下である。pHは、例えば実施例に記載した方法により測定することができる。
<非イオン界面活性剤>
本実施形態の洗浄剤組成物は、洗浄性を向上させるため、非イオン界面活性剤を含有していてもよい。
非イオン界面活性剤としては、アルキルグリコシド、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、及びアルキルグリセリルエーテルから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、アルキルグリコシド、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、及びアルキルグリセリルエーテルから選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、アルキルグリコシドがさらに好ましい。なお、本実施形態においてアルキルグリコシドには、アルキルモノグリコシド、アルキルポリグリコシドが含まれる。
アルキルポリグリコシドとしては、以下の式(4)で示す化合物を用いることができる。
Figure 0006009320
但し、式(4)において、R5は炭素数8〜16の直鎖アルキル基であり、R6は、炭素数2〜4のアルキレン基である。Gは還元糖に由来する基を示す。m2は平均付加モル数であり、その値は0〜5の数であり、tは糖の平均縮合度であり、その値は1〜3の数である。
洗浄性をさらに向上させる観点から、式(4)においてR5は炭素数10〜16の直鎖アルキル基が好ましく、炭素数12〜14の直鎖アルキル基がより好ましい。m2は0〜3が好ましく、0〜2がより好ましく、0がさらに好ましい。R6はエチレン基が好ましい。
式(4)において、還元糖に由来する基Gは、グリコシド基とすることができる。原料の還元糖は、アルドース及びケトースのいずれであってもよく、炭素数が3〜6個のトリオース、テトロース、ペントース、及びヘキソースとすることができる。アルドースとして具体的にはアピオース、アラビノース、ガラクトース、グルコース、リキソース、マンノース、ガロース、アルドース、イドース、タロース、及びキシロースを挙げることができる。ケトースとして具体的にはフラクトースを挙げることができる。これらの中でも、洗浄性の観点から、特に炭素数5又は6のアルドペントース又はアルドヘキソースが好ましく、グルコースがより好ましい。
式(4)において、糖の平均縮合度tは、1〜2が好ましく、1〜1.5がより好ましい。
式(4)の化合物は、糖とR5−(OR6m2−OHとを酸触媒を用いてアセタール化反応又はケタール化反応すれば容易に合成することができる。また、アセタール化反応の場合、ヘミアセタール構造であってもよく、通常のアセタール構造であってもよい。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテルを包含する非イオン界面活性剤として、下記の式(5)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006009320
式(5)において、R7は、炭素数8〜16のアルキル基又はアルケニル基、R8は炭素数2〜3のアルキレン基、m3は平均付加モル数であり、その値は1〜30の数である。
洗浄性をさらに向上させる観点から、R7は炭素数が10〜14であることが好ましい。また、R7はアルキル基であることが好ましい。R8はエチレン基又はプロピレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。m3は1〜25が好ましく、1.5〜25がより好ましく、5〜25がさらに好ましく、10〜24がよりさらに好ましく、15〜23が一層好ましく、20〜22がより一層好ましい。
アルキルグリセリルエーテルとしては、モノアルキルグリセリルエーテルが好ましく、炭素数6〜10のアルキル基を有するモノアルキルグリセリルエーテルがより好ましい。また、下記の式(6)で表される化合物を用いることもできる。
Figure 0006009320
式(6)において、R9は炭素数6〜10のアルキル基であり、m4は平均付加モル数であり、その値は1〜4の数である。
洗浄性をより向上させる観点から、式(6)においてR9は炭素数6〜10の分岐鎖アルキル基が好ましく、2−エチルヘキシル基、イソノニル基及びイソデシル基から選ばれる基がより好ましく、2−エチルヘキシル基又はイソデシル基がさらに好ましく、2−エチルヘキシル基が特に好ましい。m4は1〜3が好ましく、1〜2がより好ましく、1がさらに好ましい。特に好ましい化合物は、R9が2−エチルヘキシル基で、かつ、m4が1の化合物である。
式(6)の化合物は、例えば2−エチルヘキサノール、イソノナノール及びイソデカノールから選ばれる分岐型アルキルアルコールと、エピハロヒドリン又はグリシドール等のエポキシ化合物とを、BF3等の酸触媒又はアルミニウム触媒を用いて反応させて製造することができる。2−エチルヘキサノールを用いる場合、得られる2−エチルヘキシルモノグリセリルエーテルは、特開2001−49291号公報に記載されているように複数の生成物を含む可能性がある。具体的には、2−エチルヘキシルモノグリセリルエーテルとして、エポキシ化合物の1位に2−エチルヘキサノールが付加した化合物(3−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,2−プロパンジオール、以下(a3−1)という。)又はエポキシ化合物の2位に付加した化合物(2−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,3−プロパンジオール、以下(a3−2)という。)と、副生成物として、(a3−1)又は(a3−2)にさらにエポキシ化合物が付加した多付加化合物(以下(a3−3)という。)とを含む混合物である。得られた2−エチルヘキシルモノグリセリルエーテルを含む混合物は、そのまま用いてもよく、さらに精製して用いてもよい。
非イオン界面活性剤の組成物中における含有量は特に限定されないが、洗浄性を向上させる観点から0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましい。また、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましい。
<両性界面活性剤>
本実施形態の洗浄剤組成物は、洗浄性を向上させるために、両性界面活性剤を含有していてもよい。両性界面活性剤としては、アミンオキサイド及びベタインから選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
アミンオキサイドとしては、下記の式(7)で示される1種又は2種以上の化合物が好ましい。
Figure 0006009320
式(7)において、R10は炭素数6以上、14以下の炭化水素基、R11は炭素数1以上、3以下のアルキレン基、R12及びR13はそれぞれ独立して、炭素数1以上、6以下、好ましくは3以下のアルキル基、又は炭素数1以上、3以下のヒドロキシアルキル基、Y1は−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−、及び−O−から選ばれる基、m5は0又は1である。
式(7)において、R10は天然油脂由来のアルキル基であってもよく、天然原料を用いる観点からは直鎖のアルキル基が好ましい。中でも洗浄性をより向上させる観点から、R10が炭素数8以上、12以下のアルキル基であり、R12、R13が共にメチル基であり、m5が0である化合物が好ましい。具体的には、ジメチルアルキル(炭素数6以上、14以下)アミンオキサイドを用いることが好ましく、ジメチルアルキル(炭素数8以上、12以下)アミンオキサイドを用いることがより好ましく、ジメチルラウリルアミンオキサイドを用いることがさらに好ましい。
ベタインは、下記の式(8)で示される1種又は2種以上の化合物が好ましい。
Figure 0006009320
式(8)においてR14は炭素数10〜16のアルキル基又はアルケニル基であり、R15は炭素数1〜6のアルキレン基であり、R16及びR17はそれぞれ炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、R18はヒドロキシ基で置換してもよい炭素数1〜5のアルキレン基である。Y2は−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−、及び−O−から選ばれる基であり、m6は0又は1である。Dは−COO-、−SO3 -、及び−OSO -から選ばれる基である。
洗浄性をより向上させる観点から、ベタインとして、2−アルキル(炭素数8以上、16以下)−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、及びラウリン酸アミドプロピルベタインから選ばれる1種又は2種以上を用いることが好ましい。
両性界面活性剤の組成物中における含有量は特に限定されないが、洗浄性を向上させる観点から0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましい。また、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。
<任意成分>
本実施形態の洗浄剤組成物は、その他の任意成分として、本実施形態の洗浄剤組成物の効果を妨げない範囲において、一般に洗浄剤に配合される成分を含有することができる。その他の任意成分としては、例えば、溶剤、キレート剤、ハイドロトロープ剤、分散剤、pH調整剤、粘度調整剤、香料、着色剤、酸化防止剤、及び防腐剤などが挙げられる。
本実施形態の洗浄剤組成物は、皿、はし、及びスプーン等の食器、並びにまな板、包丁、及びボウル等の調理器具の洗浄に好適に用いることができる。なお、調理器具にはスポンジ等の洗浄道具も含まれる。本実施形態の洗浄剤組成物を用いることにより、食器及び調理器具等を効果的に洗浄、殺菌することができ、菌の残存及び繁殖を抑えることができる。さらに、食器及び調理器具等にバイオフィルムが生成されている場合であっても、バイオフィルムを効果的に除去して殺菌することができる。また、本実施形態の洗浄剤組成物は、製麺機、炊飯ライン、コンベア、カッター、及びスライサー等の食品加工設備に使用することもできる。
本実施形態の洗浄方法は、本実施形態の洗浄剤組成物を原液のまま、或いは水で希釈して用いる。具体的には、本実施形態の洗浄剤組成物を3質量%以上、好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは8質量%以上、よりさらに好ましくは10質量%以上、そして、100質量%以下の濃度で、調理器具又は食品加工設備に接触させて洗浄する。
希釈する水は、特に制限されるものではないが、水道水を用いることが好ましい。
本実施形態の洗浄剤組成物は、バイオフィルム除去性と殺菌性とが共に優れるため、バイオフィルムを除去することにより、バイオフィルムによる殺菌剤の殺菌効果の低下を防ぎ、菌の繁殖を防ぐことができる。
−評価方法−
<pH>
洗浄剤組成物のpHは、ガラス電極を用いるpH測定装置(HORIBA社製:PH METER F-22)により測定した。測定の際に試料の温度は20℃とした。
<洗浄性>
市販の新品スポンジ(115mm×75mm×35mmの可撓性吸収体、商品名:キクロン、販売元:キクロン株式会社)を水道水でもみ洗いし、水道水の含有量が約10gになるまでスポンジを絞った後、洗浄剤組成物1gと水道水約20gを染み込ませた。あらかじめ用意したモデル汚れ付き食器上で洗浄剤組成物を染みこませたスポンジを2〜3回手でもみ泡立たせた後、モデル汚れ付き食器を擦り洗いした。モデル汚れ付き食器は、質量比が1:1となるように混合した牛脂となたね油との混合物1gを均一に塗布した陶器皿とした。30℃に調整した水道水にて4L/minの流速で30秒間流水すすぎを行い、洗浄できた皿の枚数を求め、洗浄できた皿の枚数により洗浄性を評価した。すすぎ後の皿のヌルつきが無い場合に、洗浄できたと判断した。
<殺菌性>
洗浄剤組成物をイオン交換水により希釈して調製した1%水溶液について評価を行った。評価試料を滅菌済みの10mL試験管に2.0mL採取し、その中に、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)を生理食塩水に分散させた分散液であって、吸光度(OD)が1となるように調整した緑膿菌分散液を100μL添加し、即座に攪拌した。30秒後に緑濃菌を添加した評価試料を200μL採取し、あらかじめ試験管に計量しておいたレシチン・ポリソルベート(LP)液1.8mLに添加して殺菌剤効果を停止させた。その後、生理食塩水を用いて段階希釈し、それぞれの液100μLをSMA標準寒天培地に塗布して、37℃で24時間培養した後にコロニー数をカウントし、生菌数を求めた。コントロールとして評価試料に代えて水を用いて同様に生菌数を求めた。評価試料での生菌数と水での生菌数とから下記の式により殺菌指数を計算し、殺菌性を評価した。
殺菌指数=Log10(水での生菌数)−Log10(評価試料での生菌数)
但し、評価試料での生菌数が検出下限(10個)以下の場合、Log10(評価試料での生菌数)を0とした。
<バイオフィルム除去性>
ポリエチレンのテストピース(日本テストパネル社製:標準試験版PE(両面保護テープ付き))を、底面が1.5cm×1.5cmの正方形となるように切り出した。切り出したテストピース200枚を有効塩素濃度0.1%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液100mLに液温25℃で1時間浸漬した後、イオン交換水200mLで濯ぎ、25℃で1時間乾燥した。その後、そのテストピースをエタノール100mLに液温25℃で30分間浸漬した後、25℃で1時間乾燥し、殺菌洗浄したテストピースAとした。
テストピースAを24ウェルプレート(ファルコン社製)の各ウェルに1枚ずつセットした。MTC2培地(BectonDickinson社製)に、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)を生理食塩水に分散させた分散液であって、吸光度(OD)が1となるように調整した緑膿菌分散液を1%混合した菌液を調製し、テストピースをセットしたウェルに調整した菌液をそれぞれ1mL添加して25℃にて2日間培養し、テストピースにバイオフィルムを形成した。菌液を廃棄した後、イオン交換水2mLによる3分間の洗浄と洗浄液の廃棄とを3回繰り返し、バイオフィルムを形成したテストピースBとした。
テストピースBを別に用意した24ウェルプレートの各ウェルに1枚ずつセットし、洗浄剤組成物をイオン交換水で20倍希釈した試料溶液2mLを各ウェルに投入して、10分間テストピースBを浸漬した。その後、各洗浄剤組成物を廃棄して、イオン交換水2mLによる3分間の洗浄と洗浄液(水)の廃棄とを3回繰り返した。続いて、各ウェルに0.3質量%のクリスタルバイオレット液(和光純薬工業株式会社)を2mL投入し、テストピースを90分間浸漬して染色した。次に、クリスタルバイオレット液を廃棄し、イオン交換水2mLによる3分間の洗浄と洗浄液(水)の廃棄とを2回繰り返した。洗浄した、テストピースBを別に用意した24ウェルプレートの各ウェルに1枚ずつセットし、各ウェルにエタノール2mLを投入した。テストピースBを25℃で12時間エタノールに浸漬して、クリスタルバイオレットをエタノール中に溶解させた後、このエタノールの吸光度を測定してサンプル吸光度Asとした。また、試料溶液に代えて水を用いて同様の測定を行い、ネガティブコントロール吸光度Anとした。
サンプル吸光度As及びネガティブコントロール吸光度Anに基づき、バイオフィルム除去率(%)を下記の式にて算出した。
バイオフィルム除去率(%)=((An−As)/An)×100
<A成分>
A成分には以下の化合物を用いた。
・MGDA:メチルグリシンジアセテート・3ナトリウム塩、BASF社製(商品名「Trilon M Compactate」)、有効分40質量%の水溶液
・GLDA:グルタミンジアセテート・4ナトリウム塩、AkzoNobel社製、(商品名「Dissolvine GL−PD−S」)、有効分47質量%の水溶液
<B成分>
B成分には以下の化合物を用いた。
・陽イオン殺菌剤1:ベンジルオクチルジメチルアンモニウムクロライド、有効分50質量%の水溶液
・陽イオン殺菌剤2:ジドデシルジメチルアンモニウムクロライド:有効分37質量%の水溶液
・陽イオン殺菌剤3:ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、有効分80質量%の水溶液
<C成分>
C成分には以下の化合物を用いた。
・LAS:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、花王株式会社製(商品名「ネオペレックスG15」)、有効分26質量%の水溶液
・AS:ドデシル硫酸ナトリウム、花王株式会社製(商品名「エマール2Fペースト」)、有効分30質量%の水溶液
・AES:ポリオキシエチレンドデシルエーテル硫酸ナトリウム、花王株式会社製(商品名「エマール20C」)、有効分25質量%の水溶液
<非イオン界面活性剤>
非イオン界面活性剤として以下の化合物を用いた。
・AG−124:アルキル(炭素数12、14)ポリグリコシド 花王株式会社製、有効成分40質量%の水溶液
(実施例1)
アミノカルボン酸キレート剤であるA成分として、MGDAを3質量%、陽イオン殺菌剤であるB成分として陽イオン殺菌剤1を3質量%、陰イオン界面活性剤であるC成分としてLASを2.4質量%、非イオン界面活性剤としてAG−124を20質量%、及び水を含む洗浄剤組成物を調製し、洗浄性、殺菌指数及びバイオフィルム除去率を評価した。
洗浄剤組成物中の各成分の濃度は、それぞれ有効成分の濃度である。
実施例1の洗浄剤組成物は、B成分の含有量のC成分の含有量に対する質量比B/Cが1.3であり、B成分の含有量のA成分の含有量に対する質量比B/Aが1.0である。20℃におけるpHは7.0、皿洗浄枚数は4枚、殺菌指数は5.0、バイオフィルム除去率は66%であった。
(実施例2)
B成分を陽イオン殺菌剤2とし、その量を3質量%とした以外は実施例1と同様にして洗浄剤組成物を調製し、評価した。
実施例2の洗浄剤組成物は、B成分の含有量のC成分の含有量に対する質量比B/Cが1.3であり、B成分の含有量のA成分の含有量に対する質量比B/Aが1.0である。20℃におけるpHは6.5、皿洗浄枚数は5枚、殺菌指数は5.0、バイオフィルム除去率は60%であった。
(実施例3)
B成分を陽イオン殺菌剤3とし、その量を3質量%とした以外は実施例1と同様にして洗浄剤組成物を調製し、評価した。
実施例3の洗浄剤組成物は、B成分の含有量のC成分の含有量に対する質量比B/Cが1.3であり、B成分の含有量のA成分の含有量に対する質量比B/Aが1.0である。20℃におけるpHは6.9、皿洗浄枚数は4枚、殺菌指数は5.0、バイオフィルム除去率は61%であった。
(実施例4)
C成分をLAS1質量%とした以外は実施例1と同様にして洗浄剤組成物を調製し、評価した。
実施例4の洗浄剤組成物は、B成分の含有量のC成分の含有量に対する質量比B/Cが3.0であり、B成分の含有量のA成分の含有量に対する質量比B/Aが1.0である。20℃におけるpHは6.6、皿洗浄枚数は4枚、殺菌指数は5.0、バイオフィルム除去率は55%であった。
(実施例5)
C成分をLAS0.5質量%とした以外は実施例1と同様にして洗浄剤組成物を調製し、評価した。
実施例5の洗浄剤組成物は、B成分の含有量のC成分の含有量に対する質量比B/Cが6.0であり、B成分の含有量のA成分の含有量に対する質量比B/Aが1.0である。20℃におけるpHは7.0、皿洗浄枚数は4枚、殺菌指数は5.0、バイオフィルム除去率は50%であった。
(実施例6)
C成分をAS2.4質量%とした以外は実施例1と同様にして洗浄剤組成物を調製し、評価した。
実施例6の洗浄剤組成物は、B成分の含有量のC成分の含有量に対する質量比B/Cが1.3であり、B成分の含有量のA成分の含有量に対する質量比B/Aが1.0である。20℃におけるpHは6.5、皿洗浄枚数は5枚、殺菌指数は5.0、バイオフィルム除去率は58%であった。
(実施例7)
C成分をAES2.4質量%とした以外は実施例1と同様にして洗浄剤組成物を調製し、評価した。
実施例7の洗浄剤組成物は、B成分の含有量のC成分の含有量に対する質量比B/Cが1.3であり、B成分の含有量のA成分の含有量に対する質量比B/Aが1.0である。20℃におけるpHは6.9、皿洗浄枚数は8枚、殺菌指数は5.0、バイオフィルム除去率は52%であった。
(実施例8)
A成分をGLDA3質量%とした以外は実施例1と同様にして洗浄剤組成物を調製し、評価した。
実施例8の洗浄剤組成物は、B成分の含有量のC成分の含有量に対する質量比B/Cが1.3であり、B成分の含有量のA成分の含有量に対する質量比B/Aが1.0である。20℃におけるpHは7.2、皿洗浄枚数は4枚、殺菌指数は5.0、バイオフィルム除去率は57%であった。
(実施例9)
B成分である陽イオン殺菌剤1を5質量%とした以外は実施例1と同様にして洗浄剤組成物を調製し、評価した。
実施例9の洗浄剤組成物は、B成分の含有量のC成分の含有量に対する質量比B/Cが2.1であり、B成分の含有量のA成分の含有量に対する質量比B/Aが1.7である。20℃におけるpHは6.7、皿洗浄枚数は4枚、殺菌指数は5.0、バイオフィルム除去率は58%であった。
(実施例10)
B成分である陽イオン殺菌剤1を7質量%とした以外は実施例1と同様にして洗浄剤組成物を調製し、評価した。
実施例10の洗浄剤組成物は、B成分の含有量のC成分の含有量に対する質量比B/Cが2.9であり、B成分の含有量のA成分の含有量に対する質量比B/Aが2.3である。20℃におけるpHは7.0、皿洗浄枚数は4枚、殺菌指数は5.0、バイオフィルム除去率は52%であった。
(実施例11)
B成分である陽イオン殺菌剤1を9質量%とした以外は実施例1と同様にして洗浄剤組成物を調製し、評価した。
実施例11の洗浄剤組成物は、B成分の含有量のC成分の含有量に対する質量比B/Cが3.8であり、B成分の含有量のA成分の含有量に対する質量比B/Aが3.0である。20℃におけるpHは7.0、皿洗浄枚数は4枚、殺菌指数は5.0、バイオフィルム除去率は45%であった。
(比較例1)
B成分及びC成分を含まない以外は実施例1と同様にして洗浄剤組成物を調製し、評価した。
比較例1の洗浄剤組成物の20℃におけるpHは6.7、皿洗浄枚数は4枚、殺菌指数は1.2、バイオフィルム除去率は82%であった。
(比較例2)
C成分を含まない以外は実施例1と同様にして洗浄剤組成物を調製し、評価した。
比較例2の洗浄剤組成物はB成分の含有量のA成分の含有量に対する質量比B/Aが1.0である。20℃におけるpHは6.5、皿洗浄枚数は3枚、殺菌指数は5.0、バイオフィルム除去率は10%であった。
(比較例3)
C成分を含まない以外は実施例2と同様にして洗浄剤組成物を調製し、評価した。
比較例3の洗浄剤組成物は、B成分の含有量のA成分の含有量に対する質量比B/Aが1.0である。20℃におけるpHは7.1、皿洗浄枚数は3枚、殺菌指数は5.0、バイオフィルム除去率は21%であった。
(比較例4)
C成分を含まない以外は実施例3と同様にして洗浄剤組成物を調製し、評価した。
比較例4の洗浄剤組成物はB成分の含有量のA成分の含有量に対する質量比B/Aが1.0である。20℃におけるpHは7.0、皿洗浄枚数は3枚、殺菌指数は5.0、バイオフィルム除去率は9%であった。
(比較例5)
C成分をLAS0.2質量%とした以外は実施例1と同様にして洗浄剤組成物を調製し、評価した。
比較例5の洗浄剤組成物は、B成分の含有量のC成分の含有量に対する質量比B/Cが15であり、B成分の含有量のA成分の含有量に対する質量比B/Aが1.0である。20℃におけるpHは6.7、皿洗浄枚数は4枚、殺菌指数は5.0、バイオフィルム除去率は12%であった。
(比較例6)
C成分をLAS4質量%とした以外は実施例1と同様にして洗浄剤組成物を調製し、評価した。
比較例6の洗浄剤組成物は、B成分の含有量のC成分の含有量に対する質量比B/Cが0.75であり、B成分の含有量のA成分の含有量に対する質量比B/Aが1.0である。20℃におけるpHは6.8、皿洗浄枚数は5枚、殺菌指数は1.7、バイオフィルム除去率は73%であった。
(比較例7)
B成分及びC成分を含まない以外は実施例8と同様にして洗浄剤組成物を調製し、評価した。
比較例7の洗浄剤組成物の20℃におけるpHは7.1、皿洗浄枚数は4枚、殺菌指数は1.3、バイオフィルム除去率は75%であった。
(比較例8)
C成分を含まない以外は実施例8と同様にして洗浄剤組成物を調製し、評価した。
比較例8の洗浄剤組成物は、B成分の含有量のA成分の含有量に対する質量比B/Aが1.0である。20℃におけるpHは7.2、皿洗浄枚数は3枚、殺菌指数は5.0、バイオフィルム除去率は8%であった。
表1に各実施例及び比較例をまとめて示す。表1に示すようにA成分、B成分及びC成分を所定量含む場合には、洗浄性、殺菌性及びバイオフィルム除去性を両立させることができる。
Figure 0006009320
本発明の洗浄剤組成物は、バイオフィルム除去性と殺菌性とが共に優れており有用である。

Claims (6)

  1. 下記のA成分、B成分、C成分及び水を含有し、
    組成物中における前記A成分の含有量が0.5質量%以上、10質量%以下であり、前記B成分の含有量が0.5質量%以上、10質量%以下であり、前記C成分の含有量が0.05質量%以上、10質量%以下であり、
    前記B成分の含有量の、前記C成分の含有量に対する質量比B/Cが1.1以上、10以下であり、
    20℃におけるpHが5以上、9以下である、洗浄剤組成物。
    A成分:アミノカルボン酸キレート剤
    B成分:炭素数8以上、16以下の炭化水素基を1つ又は2つ有する陽イオン殺菌剤
    C成分:炭素数10以上、22以下の炭化水素基を有する陰イオン界面活性剤
    B成分は、下記の式(1)で表される化合物から選ばれる1種又は2種以上である。
    Figure 0006009320
    但し、式(1)において、R 1 、R 2 、R 3 及びR 4 から選ばれる1つ又は2つは、炭素数8以上、16以下の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であるか、下記の式(2)で表される化合物である。
    Figure 0006009320
    1 、R 2 、R 3 及びR 4 から選ばれる上記1つ又は2つの残りは、同一の基であっても、互いに異なる基であってもよく、それぞれ炭素数1以上、3以下のアルキル基、又はベンジル基である。
    式(1)において、X - はハロゲンイオン又は有機アニオンである。
  2. 前記B成分の含有量の、前記C成分の含有量に対する質量比B/Cが1.1以上、2.1以下である、請求項1に記載の洗浄剤組成物。
  3. 前記B成分の含有量の、前記A成分の含有量に対する質量比B/Aが0.3以上、3以下である、請求項1又は2に記載の洗浄剤組成物。
  4. 非イオン界面活性剤をさらに含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物。
  5. 前記非イオン界面活性剤がアルキルグリコシドである、請求項に記載の洗浄剤組成物。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物を調理器具又は食品加工設備に用いる、バイオフィルム除去方法。
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