JP6008176B2 - 放射性廃棄物の貯蔵構造物、及びその貯蔵方法 - Google Patents

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本発明は、高放射性物質に汚染された各種の放射性ゴミ等の廃棄物を封入して長期間に亘って安全に貯蔵することができ、本体単独でも、蓋体単独でも、両者を一体化させた状態でも汎用のフォークリフト等の搬送装置を用いて例えばフィールドの所定位置に安全に配置させることができる放射性廃棄物の貯蔵構造物、及びその貯蔵方法に関する。
昨年3月上旬の東北太平洋側の地震津波災害によって、福島原子力発電所内の施設崩壊に伴い、多量の高放射性物質(Cs、Sr、I等)が飛散し、該高放射性物質に汚染された放射性ゴミや瓦礫等が大量に発生し、回収され、廃棄処理、除洗処理を待っている。尤も、放射性ゴミや瓦礫等は膨大な量であり、処理速度の問題等もあり、復興の促進しない一因となっている。
このような高放射性物質に汚染された放射性廃棄物を、一刻も早く安全化する処理方法が当然のことながら望まれてはいるが、それよりも、身の安全を確保するという最重要観点から、前述の膨大量の放射性廃棄物を安全に貯蔵することが可能な構造物が希求されている。なお、この度の震災前に提案された特許文献1,2に開示される容器の適用について、以下に検討する。
特許文献1は、厚肉の略円筒状に成形したコンクリート容器の底部と上部を塞いで内部の放射物質収容容器内に、使用済燃料を保管することを想定している。
特許文献2は、規格ドラム容器に格納して用いられるステンレス鋼製の筒と、ステンレス鋼の蓋とを備える放射線遮蔽容器であり、容器遮蔽体としてコンクリートを用いる記載もある。
特開2004−144600号公報 特開2010−8224号公報
しかしながら、前記特許文献1,2に記載の容器は、何れも略円筒状であって、そもそも前述のような膨大量の放射性廃棄物を貯蔵することを想定していないので、作業者の補助がない状態での蓋体の取付や移動、配設等を行う作業やその安定性について何等考慮されたものではなかった。
仮に前記構造の容器を、所定のフィールド等に設置して積み上げ放置しようとした場合には、容器自体が転倒して転がるというような事故を生ずることは極めた高い可能性で想定されるものであった。
そこで、本発明は、高放射性物質に汚染された各種の放射性ゴミ等の廃棄物を封入して長期間に亘って安全に貯蔵することができ、本体単独でも、蓋体単独でも、両者を一体化させた状態でも汎用のフォークリフト等の搬送装置を用いて例えば所定のフィールド等に安全に配置させることができる放射性廃棄物の貯蔵構造物、及び貯蔵方法を提案することを目的とする。
本発明は上記に鑑み提案されたもので、上方が開放する収容部を有するコンクリート製の本体と、該本体の開放上部を覆うように嵌合可能なコンクリート製の蓋体と、からなる放射性廃棄物の貯蔵構造物であって、前記本体は、底部の四隅に脚台部を有すると共に隣接する脚台部間に搬送装置の昇降腕部を挿入可能な空間を有し、前記蓋体は、少なくとも前後方向、左右方向の何れか一方又は両方に上方が開放する複数列の凹状部を有し、該凹状部を覆うように複数枚の板材を渡して固定することにより、その下方に搬送装置の昇降腕部を挿入可能な複数の空間を形成し、前記蓋体、前記本体、及びそれらを嵌合させた状態の何れでも前方に昇降腕部を突出させて搭載する搬送装置を用いて所定位置に配置可能であることを特徴とする放射性廃棄物の貯蔵構造物に関するものである。
また、本発明は、前記貯蔵構造物において、本体の脚台部の下面、及び蓋体の上面の四隅には、落下防止用ピンが装着される取付孔が設けられていることを特徴とする放射性廃棄物の貯蔵構造物をも提案する。
さらに、本発明は、放射性廃棄物を請求項1又は2に記載の貯蔵構造物の収容部に収納して貯蔵する放射性廃棄物の貯蔵方法であって、放射性廃棄物を所定位置に配置した本体の収容部に収容する第1の工程と、蓋体の上面に形成した複数の空間に搬送機器の昇降腕部を挿入して本体の開放上部を覆うように嵌合させる第2の工程と、一体化した貯蔵構造物の底部の隣接する脚台部間に搬送機器の昇降腕部を挿入して所定位置に配設する第3の工程と、を順次行うことを特徴とする放射性廃棄物の貯蔵方法をも提案するものである。
また、本発明は、前記貯蔵方法において、第1の工程、第2の工程、第3の工程の後に、新たに前記第1の工程及び前記第2の工程を行って一体化した貯蔵構造物を、先に配設した貯蔵構造物に積み重ねて配設する第4の工程と、を順次行うことを特徴とする放射性廃棄物の貯蔵方法をも提案する。
なお、本発明に用いる搬送装置としては、前方に昇降可能な腕部を搭載するフォークリフトが最も知られているので、特に限定するものではないが、当該明細書では、以下、この搬送装置をフォークリフトとし、昇降腕部をフォークとして説明する。
したがって、本発明は、上方が開放する収容部を有するコンクリート製の本体と、該本体の開放上部を覆うように嵌合可能なコンクリート製の蓋体と、からなる放射性廃棄物の貯蔵構造物であって、前記本体は、底部の四隅に脚台部を有すると共に隣接する脚台部間にフォークリフトのフォークを挿入可能な空間を有し、前記蓋体は、上面に上方が開放する凹状部を有し、該凹状部を覆うように板材を渡して固定することにより、その下方にフォークリフトのフォークを挿入可能な空間を形成し、前記蓋体、前記本体、及びそれらを嵌合させた状態の何れでも前方にフォークを突出させて搭載するフォークリフトを用いて所定位置に配置可能であることを特徴とする放射性廃棄物の貯蔵構造物となる。
本発明の放射性廃棄物の貯蔵構造物は、高放射性物質に汚染された各種の放射性ゴミ等の廃棄物を封入して長期間に亘って安全に貯蔵することができ、例えば所定のフィールド等に配置する作業では、作業者が放射性廃棄物に触れることなく、汎用のフォークリフト等を用いて容易に且つ安全に配置させることができる。
即ち本発明の貯蔵構造物の収容部内に放射性廃棄物を収納した状態で、汎用のフォークリフトでの配置(移動)を行う際に、本体単独でも、蓋体単独でも、両者を一体化させた状態でも容易にフォークを差し込んだ状態で移動することができる。本体の移動は、隣接する脚台部間にフォークを挿入した状態で容易に移動させることできる。蓋体の移動は、隣接する隆状支持部間にフォークを挿入した状態で容易に移動させることできる。本体に蓋体を嵌合させて一体化させた状態でも本体単独の場合と同様に脚台部間にフォークを挿入した状態で容易に移動させることできる。
また、本体の脚台部の下面、及び蓋体の上面の四隅には、落下防止用ピンが装着される取付孔が設けられている場合には、本体と蓋体とを一体化させた貯蔵構造物を多段に縦積みすることができ、ズレ落ち等を防止して安定に保管することができる。
さらに、本発明の放射性廃棄物の貯蔵方法は、前述の貯蔵構造物を用いることにより、フォークリフトのオペレータのみで、蓋体の取り付け(一体化)や一体化した貯蔵構造物の配設、並びに縦積み等を容易に且つ安全に実施できる。
なお、フォークリフトは、ショベルカーやクレーン車、或いはブルドーザー等の土木・建築等に用いられる重機類と呼ばれる搬送装置とは異なり、各種の製品等を製造、保管等にて取り扱う極めて多くの工場や倉庫、港湾などにて利用されている。したがって、フォークリフトを運転できるオペレータ(免許取得者)も、前記クレーン車等の重機類の免許取得者に比べて極めて多く、またフォークリフト自体を調達することも極めて容易であるため、本発明の貯蔵方法は極めて実用的価値が高いものである。
このように、本発明の貯蔵方法は、フォークリフトを有効に利用し、例えば蓋体の取付時等に傍らで補助するための作業員を必要としないので、安全性が高く、汚染された瓦礫等の処理を速やかに行うことができ、前述の放射性ゴミや瓦礫等が膨大に残存する地域の早期の復興に多大な寄与を果たすものである。
また、第1の工程、第2の工程、第3の工程の後に、新たに前記第1の工程及び前記第2の工程を行って一体化した貯蔵構造物を、積み重ねて配設する第4の工程を行う貯蔵方法では、フォークを上方へ稼働させて容易に実施することができ、特に前述の落下防止用ピンなどを装着させて嵌合状に縦積みすることにより、ズレ落ち等を防止できる。
また、放射性廃棄物が、二重以上に積層した拡散防止フィルムに包んだ状態で本体の収容部に収容される場合には、放射性廃棄物は、二重の拡散防止フィルムと、本体や蓋体で構成されるコンクリート層にて包囲されているため、保管中に貯蔵構造物の外部へ拡散したり浸透することが無く、極めて安全に貯蔵されるものとなる。
また、蓋体には、収納部に臨む嵌合凸部が設けられている場合には、本体と蓋体との形状構成が極めて簡易であるため、部材作成が容易である。
また、本体と蓋体との接合部分には、弾性を有する止水材が介在されている場合には、外部から収容部への雨水が浸入することを防止することができる。
(a)第1実施例の貯蔵構造物の本体の平面図、(b)その断面図、(c)その底面図、(d)蓋体の平面図、(e)その正面図、(f)その側面図。(g)本体に蓋体を一体化させた貯蔵構造物を縦積みした状態を縮小して示す断面図である。 (a)第1実施例の貯蔵構造物を用いた第1の工程の一例を示す正面図、(b)下段にその平面図を付記した第2の工程の一例を示す正面図である。 (a)第1実施例の貯蔵構造物を用い、その下段に貯蔵構造物の底面図を付記した第3の工程の一例を示す正面図、(b)第4の工程の一例を示す正面図である。 (a)第1実施例の貯蔵構造物を縦積みした状態を示す平面図、(b)そのA部分の拡大平面図である。 (a)第2実施例の貯蔵構造物の蓋体の平面図、(b)その正面図、(c)その側面図である。
本発明の放射性廃棄物の貯蔵構造物は、上方が開放する収容部を有するコンクリート製の本体と、該本体の開放上部を覆うように嵌合可能なコンクリート製の蓋体とのそれぞれに、フォークリフトのフォークを挿入可能な部位(空間)を有する構成である。
本発明における貯蔵構造物を構成する本体や蓋体としては、例えば鋼繊維やガラス繊維などを混入した繊維補強コンクリート、表面に樹脂を含浸させて緻密さを高めた樹脂含浸コンクリートなどどのようなコンクリートでもよく、鉄筋等の筋材を配設した鉄筋コンクリートでもよい。
本発明における本体は、底部の四隅に脚台部を有すると共に隣接する脚台部間にフォークリフトのフォークを挿入可能な空間を有する構成である。なお、底部とは、底壁を含む底部分を指すものであり、ここでは底壁の下面に脚台部を設ける。
この脚台部の高さは、フォークを挿入するための空間の高さに相当するので、数センチ程度のフォークの厚みが容易に挿入できるものであればよく、その平面形状等については特にを限定するものではない。この脚台部は、底部の四隅に形成されているので、このフォークを挿入する空間も前後方向及び左右方向に形成されるため、フォークリフトの操作も容易に行うことができる。
また、本発明の貯蔵構造物は、前述のように本体の開放上部を覆うように蓋体を嵌合するものであるから、本体及び蓋体には、それぞれ嵌合に必要な形状構成(嵌合構成)を有しているが、その具体的な構成については特に限定するものではない。
例えば後述する図示実施例のように本体の開放上端を段差状に形成し、蓋体を嵌め付ける態様でも、蓋体の下面に、収納部に臨む嵌合凸部を設ける態様でも、その他、公知のどのような仕様も採用可能である。
また、本発明の貯蔵構造物は、前述のように上方が開放する収容部を有する構成であるが、この収容部については、特にその形状を限定するものではない。例えば収容部が、底壁と複数の略厚みが均等な側壁とで囲まれる場合には、収納能力が極めて大きいものとなる。なお、使用するフォークリフトの積載荷重に応じて、本体及び蓋体、並びに収容する放射性廃棄物の重量を設定し、収容部の容積もそれに応じて決定すればよい。逆に本体及び蓋体、並びに収容する放射性廃棄物の重量に応じて使用するフォークリフトを選択するようにしてもよい。
後述する図示実施例では、収納部を底壁と4つの側壁とで囲まれる構成としたので、本体が略四角桝状に成形され、蓋体が略正方盤状に成形され、収容能力も高く、転倒して転がるというおそれもほとんど無く、簡易な形状構成であって部材を作製する作業を容易に行うことができる。
本発明における蓋体は、前記構成の本体の開放上部を覆うように嵌合可能であって、上面に上方が開放する凹状部を有し、該凹状部を覆うように板材を渡して固定することにより、その下方にフォークリフトのフォークを挿入可能な空間を形成した構成である。
この凹状部の深さは、フォークを挿入するための空間の高さに相当するので、数センチ程度のフォークの厚みが容易に挿入できるものであればよく、その平面形状等については特にを限定するものではない。なお、この凹状部及び空間は、前後方向、左右方向の何れか一方向に形成されていればよいが、両方向に形成されるようにしても良い。
さらに、前記本体の脚台部の下面、及び蓋体の上面の四隅には、落下防止用ピンが装着される取付孔を設けるようにしてもよい。
この構成は、貯蔵構造物を縦積みする際の位置規制の働きをすると共に、配設後は、高さ方向に多段に積み上げた貯蔵構造物のぐらつきを防止し、ズレ動いて落下することを防止するものである。
この貯蔵構造物に収容する放射性廃棄物は、汚染された物品自体が多岐に亘り、多種のフィルム状包装材や拡散防止フィルムなどに覆われた状態で集められるが、これを更に拡散防止フィルムて包んだ状態で、より望ましくは二重以上に積層した拡散防止フィルムで包んだ状態で前記本体の収容部内に収容することが望ましい。
この拡散防止フィルムは、放射性物質の拡散をより確実に防止しようとする目的で使用されるものであって、特にその材質や厚みを限定するものではなく、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等の汎用性高い樹脂フィルムを厚手に成形し、更に二重に積層して用いることが望ましい。例えばテント屋根等に用いられる厚手シートを袋状に成形したものを使用してもよい。また、極めて遮蔽性の高いフィルムが見出せたなら、当然のことながら、それも使用し得る。
また、本体と蓋体との接合部分には、弾性を有する止水材、例えば天然ゴム製やクロロプレンゴム製等の管状(パイプ状)材を配設し、外部から内部への雨水等の浸透、また内部から外部への汚染水分の漏れ出しを防止するようにしても良い。この止水材としては、定形(例えば上述の管状材、或いはフィルム状など)のものを予め蓋体か本体の何れかに取り付けておくようにしてもよいし、施工に際して両者の嵌合部分(接合部分)に配するようにしてもよく、或いは例えば嵌合部分(接合部分)に射出ガン等の射出治具を用いて止水材を射出するようにしてもよいし、刷毛等の塗布具などを用いて所定箇所に止水材を塗り付けるようにしてもよい。
本発明の放射性廃棄物の貯蔵方法は、前記貯蔵構造物を用いたものであって、以下の3つの工程からなる。
(1)第1の工程;放射性廃棄物を所定位置に配置した本体の収容部に収容する。
(2)第2の工程;積み置きしておいた蓋体の上面に形成した空間にフォークリフトのフォークを挿入して本体の開放上部を覆うように嵌合させる。
(3)第3の工程;一体化した貯蔵構造物の底部の隣接する脚台部間にフォークリフトのフォークを挿入して所定位置に配設する。
前記第1の工程は、後述する図示実施例ではショベルカーを用いたが、ブルドーザーを併用して行ってもよいし、クレーン等を用いてもよく、その他どのような機器(装置)を用いて行ってもよい。
前記第2の工程は、蓋体の上面に設けた凹状部に板材を渡して固定して形成した空間にフォークを挿入して蓋体を移動させる工程であり、通常のフォークリフトのフォークが2本設けられているので、凹状部(空間)もそれに応じて2本設けることが好ましい。
また、この凹状部は、後述する第1実施例のように左右方向に2列設けてもよいし、後述する第2実施例のように左右方向及び前後方向にそれぞれ2列ずつ設けてもよい。
前記第3の工程は、本体のみを移動させる場合も同様であるが、本体又は貯蔵構造物の底部の隣接する脚台部間(空間)にフォークを挿入した状態で所定位置に本体又は貯蔵構造物を移動させる。
この工程において、脚台部間の空間は左右方向にも前後方向にもあるため、特に本体又は貯蔵構造物の配置方向を確認すること無く操作(作業)を行うことができる。
更に前記第1〜第3の工程を行った後に、(4)第4の工程として、新たに前記第1の工程及び前記第2の工程を行って一体化した貯蔵構造物を、先に配設した貯蔵構造物に積み重ねて配設するようにしてもよい。
この第4の工程では、フォークを上方へ稼働させて容易に実施することができ、特に前述の落下防止用ピンなどを装着させて嵌合状に縦積みすることにより、ズレ落ち等を防止できる。
本発明の貯蔵構造物は、前記構成の各部材から構成され、詳細な構成については、後述する図示実施例の説明に伴って行う。
本発明の貯蔵構造物1を構成する本体2及び蓋体3は、コンクリート製であるが、密度2.3t/m3以上の普通コンクリート又は重量コンクリートを用いることが望ましく、鉄筋等の筋材を配設した鉄筋コンクリートでもよい。普通コンクリートは、相対的に安価であるため、この貯蔵構造物を大量に必要とする場合には、好適であるが、放射性廃棄物からの放射能の拡散が多い場合には、コンクリート密度が高く、放射線遮蔽性の高い重量コンクリートを用いることが望ましい。この重量コンクリートは、比重の大きい鉄、重晶石、鉄鉱石などの重量骨材を用いた密度3.0〜5.0t/m3のコンクリートであるため、ガンマ線、エックス線などによる放射能を遮蔽することができる。
使用したコンクリートの使用材料を表1に、配合例を表2に、コンクリートのフレッシュ性状を表3に、硬化・養生後の各コンクリートの物性を表4に示す。
Figure 0006008176
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図1〜図4は、本発明の貯蔵構造物1の第1実施例を示すものであって、図1(a)〜(c)は前記貯蔵構造物1を構成する本体2の平面図、その正面図、その底面図であり、図1(d)〜(f)は前記貯蔵構造物1を構成する蓋体3の平面図、正面図、側面図、図1(g)は本体2と蓋体3との嵌合部分及びフォークリフト5のフォーク51の挿入空間25,32を示すために付記した縮小図である。
前記本体2は、図1(a),(b)に示すように底壁21と4つの側壁22とで囲まれる上方が解放する桝状空間である収容部23を有し、図1(c)に示すように底部(底壁21の下面)の四隅に脚台部24を有すると共に隣接する脚台部24,24間にフォークリフト5のフォーク51を挿入可能な空間25を有する構成である。
前記蓋体3は、図1(d),(e)に示すように上面31に上方が開放する凹状部32,32を左右方向(図1(d)では上下方向)に2列有し、該凹状部32,32を覆うように3枚の板材33を渡して固定することにより、その下方にフォークリフト5のフォーク51を挿入可能な空間32,32を形成している構成である。
なお、この第1実施例における前記本体2の開放上端を段差状に形成した。即ち4つの側壁22の上端には、段状の嵌合受部221を設け、該嵌合受部221は、内側(収容部23側)が高く、外側が低くなるように形成した。
また、前記蓋体3は、図1(e),(f)に示すように下面34の縁部に、段状の嵌合部341を設けており、該嵌合部341は、図1(g)に示すようにこの蓋体3を前記本体2に嵌め付けた状態で前記嵌合受部221に嵌合状に載置される構成である。
また、前記本体2の脚台部24の下面、及び蓋体3の上面31の四隅には、落下防止用ピン4が装着される取付孔241,311が設けられている
次に、前記貯蔵構造物1を用いた放射性廃棄物7の貯蔵方法を、図2及び図3に基づいて説明する。
図2(a)は、第1の工程の一例を示すものであって、放射性廃棄物7を所定位置に配置した本体2の収容部23に収容する工程である。
図中、6は、各種の土木工事などに用いられる所謂ショベルカーの一例であり、61はショベル、62は可動腕部、63はオベレーターであり、この第1の工程では、集積された放射性ゴミや瓦礫等の放射性廃棄物7を集めて前記本体2の収容部23内に収容するために用いている。
このショベルカー6のオペレーター63は、安全のために放射能に対する防護服を着用しているが、その運転席からの操作にて、放射性廃棄物7の瓦礫の山70に近づき、可動腕部62及びショベル61を適宜に用いて放射性廃棄物7を本体2の収容部23内に投入すればよいので、極めて安全に作業を実施することができる。
図2(b)は、第2の工程の一例を示すものであって、図示しないが積み置きしていた蓋体3の上面に形成した空間32,32に、フォークリフト5のフォーク51を挿入して前記本体2の開放上部を覆うように嵌合させる工程である。
図中、5は、各種の製品等を製造、保管等にて取り扱う極めて多くの工場や倉庫、港湾などにて利用されているフォークリフトの一例であり、51はフォーク、52はそれを上下に作動するための昇降機構、53はオベレーターであり、本発明では、この第2の工程にフォークリフト5を用いるばかりでなく、後述する第3の工程にも第4の工程にも用いる。
より具体的には、まず、蓋体3を、丸付き数字1の矢印に示すようにフォークリフト5及びフォーク51を図面の左方へ移動させる。
次に、昇降機構52を作動させて丸付き数字2の矢印に示すようにフォーク51を下方へ降下させ、蓋体3を本体2の開放上部を覆うように嵌合させる。
その際、前記のように本体2の側壁22の上端には段状の嵌合受部221、蓋体3の下面34の縁部には段状の嵌合受部341をそれぞれ設けているので、嵌合状に一体化することができる。
このフォークリフト5のオペレーター53は、安全のために放射能に対する防護服を着用しているが、その運転席からの操作にて、フォーク51を適宜に用いて蓋体3を本体2の開放上端を覆うように一体化すればよいので、極めて安全に作業を実施することができる。
図3(a)は、第3の工程の一例を示すものであって、一体化した貯蔵構造物1の底部の隣接する脚台部24,24間(挿入空間25)にフォークリフト5のフォーク51を挿入して所定位置に配設する工程である。
この第3の工程において、脚台部24,24間の空間25は左右方向にも前後方向にも存在するため、特に貯蔵構造物1の配置方向を確認することなく操作(作業)を行うことができる。
なお、この作業(操作)は、前記第1の工程に先立って、放射性廃棄物7を収納していない状態の本体2のみを、所定位置、即ち第1の工程の操作を容易に行うための位置に配置させる際の操作と同様である。
図3(b)は、第4の工程の一例を示すものであって、新たに前記第1の工程及び前記第2の工程を行って一体化した貯蔵構造物1を、先に配設した貯蔵構造物1に積み重ねて配設する工程である。
この第4の工程では、フォーク51を上方へ稼働させて容易に実施することができ、特にこの図示実施例では落下防止用ピン4を装着させて貯蔵構造物1を多段に嵌合状に縦積みするようにしたので、ズレ落ち等を防止できる。
図4(a)は、このような第1の工程から第4の工程までを行って、多段(3段)に縦積みされた貯蔵構造物1を示すものであって、図4(b)にはそのA部の拡大断面図を示した。
前述のように本体2の脚台部24の下面、及び蓋体3の上面31の四隅には、落下防止用ピン4が装着される取付孔241,311が設けられ、本体2と蓋体3とを一体化させた貯蔵構造物1を多段に縦積みすることができ、ズレ落ち等を防止して安定に保管することができる。なお、この落下防止用ピン4は、予め蓋体3の取付孔311に固着しておくようにしてもよい。
図5は、第2実施例の蓋体3'を示すものであって、前記第1実施例における蓋体3では、上方が開放する凹状部32,32を左右方向に2列設けたが、この第2実施例の蓋体3'では凹状部32,32を左右方向及び前後方向にそれぞれ2列ずつ設けた。
したがって、この構成の蓋体3'を用いることにより、前記第2の工程において蓋体3'の上面31に設けた空間32にフォーク51を挿入して蓋体3'を移動させる際に、蓋体3'の前後からばかりでなく、左右からもフォーク51を差し込むことができるため、その配置方向を確認すること無く操作(作業)を行うことができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて説明したが、本発明は実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない限りどのようにでも実施することができる。
1 貯蔵構造物
2 本体
21 底壁
22 側壁
23 収容部
24 脚台部
241 取付孔
25 (フォークの)挿入空間
3,3' 蓋体
31 上面
311 取付孔
32 凹状部(挿入空間)
33 板材
34 下面
4 落下防止用ピン
5 フォークリフト
51 フォーク
52 昇降機構
53 オペレーター
6 ショベルカー
61 ショベル
62 可動腕部
63 オペレーター
7 放射性廃棄物

Claims (4)

  1. 上方が開放する収容部を有するコンクリート製の本体と、該本体の開放上部を覆うように嵌合可能なコンクリート製の蓋体と、からなる放射性廃棄物の貯蔵構造物であって、
    前記本体は、底部の四隅に脚台部を有すると共に隣接する脚台部間に搬送装置の昇降腕部を挿入可能な空間を有し、
    前記蓋体は、少なくとも前後方向、左右方向の何れか一方又は両方に上方が開放する複数列の凹状部を有し、該凹状部を覆うように複数枚の板材を渡して固定することにより、その下方に搬送装置の昇降腕部を挿入可能な複数の空間を形成し、
    前記蓋体、前記本体、及びそれらを嵌合させた状態の何れでも前方に昇降腕部を突出させて搭載する搬送装置を用いて所定位置に配置可能であることを特徴とする放射性廃棄物の貯蔵構造物。
  2. 本体の脚台部の下面、及び蓋体の上面の四隅には、落下防止用ピンが装着される取付孔が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の放射性廃棄物の貯蔵構造物。
  3. 放射性廃棄物を請求項1又は2に記載の貯蔵構造物の収容部に収納して貯蔵する放射性廃棄物の貯蔵方法であって、
    放射性廃棄物を所定位置に配置した本体の収容部に収容する第1の工程と、
    蓋体の上面に形成した複数の空間に搬送機器の昇降腕部を挿入して本体の開放上部を覆うように嵌合させる第2の工程と、
    一体化した貯蔵構造物の底部の隣接する脚台部間に搬送機器の昇降腕部を挿入して所定位置に配設する第3の工程と、
    を順次行うことを特徴とする放射性廃棄物の貯蔵方法。
  4. 第1の工程、第2の工程、第3の工程の後に、
    新たに前記第1の工程及び前記第2の工程を行って一体化した貯蔵構造物を、先に配設した貯蔵構造物の上に積み重ねて配設する第4の工程と、
    を順次行うことを特徴とする請求項3に記載の放射性廃棄物の貯蔵方法。
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