JP6007587B2 - パウチ - Google Patents

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本発明は、セキュリティ性を有するパウチに関する。
包装用袋として、合成樹脂製の表フィルムと裏フィルムとの周縁部を溶着したパウチが利用されている。
特開2003−155042号公報
内容物が硬貨、紙幣である場合などには、運搬中に内容物が窃取されることを防止するため、また、開封されたか否かを確認できるようにするため、パウチには、痕跡を残さず開封することが困難であることが要求される。
そのため、パウチ本体を伸びやすい材質とし、封止用テープで封緘することで、開封を試みた場合にパウチの形状が歪むようにすることが考えられる。また、封緘作業を効率化するため機械作業による自動化を可能にすることが望まれる。
しかし、パウチ本体を伸びやすい材質とすると、パウチの剛度が低下し、機械によって自動的に封止用テープを圧着する際、パウチの封止部にしわや反り返りが生じた状態で封止用テープが圧着され、封緘が不十分となるおそれがあった。また、パウチを機械に固定する際、適切な位置決めが困難であった。
それ故に、本発明は、内容物の窃取を防止できるセキュリティ性に優れ、かつ、封緘作業の自動化に適したパウチを、提供することを目的とする。
本発明は、樹脂フィルムからなる第1の側面フィルム、第2の側面フィルムおよび底面フィルムの周縁部を、開口部を除いてシールして形成されるパウチ本体と、第1の側面フィルムのパウチ本体の内方側に、開口部の全幅にわたって一面が貼り付けられ、当該開口部を封緘する両面粘着テープと、両面粘着テープの他面に剥離可能に貼り付けられ、封緘前の当該他面を保護する離型ラベルと、第1の側面フィルムおよび第2の側面フィルムのパウチ本体の外方側に、開口部の全幅にわたってそれぞれ貼り付けられた、第1のフックシートおよび第2のフックシートとを備え、第1のフックシートおよび第2のフックシートは、それぞれ、パウチの開口側に沿った1辺に2つの引き代部が突出して形成されており、引き代部のそれぞれには、引っかけ穴が形成されており、第1のフックシートおよび第2のフックシートの各2つの引き代部のうち少なくとも各1つには、先端側の隅に切り欠きが設けられている、パウチである。
本発明によれば、内容物の窃取を防止できるセキュリティ性に優れ、かつ、封緘作業の自動化に適したパウチを提供できる。
本発明の第1の実施形態に係るパウチの平面図 図1に示したA−A´ラインの模式断面図 本発明の第1の実施形態に係るテープ材の平面図 本発明の第1の実施形態に係るフックシートの平面図 本発明の第1の実施形態に係るテープ材の平面図 本発明の第2の実施形態に係るパウチの平面図 図6に示したB−B´ラインの模式断面図 本発明の第3の実施形態に係るパウチの模式断面図 本発明の第3の実施形態に係るパウチの拡大断面図 本発明の第3の実施形態に係るパウチの拡大平面図および模式断面図 本発明の第3の実施形態に係るパウチの拡大平面図および模式断面図 本発明の第3の実施形態に係るパウチの模式断面図
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係るパウチ100の、平面図であり、図2は、図1に示したA−A´ラインに沿った、パウチ100の模式断面図である。
パウチ100は、樹脂フィルムからなる第1の側面フィルム101、第2の側面フィルム102および底面フィルム103の周縁部を、開口部104を除いてシールして形成されるパウチ本体105と、第1の側面フィルム101の開口部104のパウチ内方側に貼り付けられたテープ材150と、第1の側面フィルム101、第2の側面フィルム102の開口部104のパウチ外方側にそれぞれ貼り付けられた第1のフックシート121および第2のフックシート122とからなる。テープ材150は、帯状の両面粘着テープ108と離型ラベル151とからなる。なお、パウチ100に収容される内容物は図示を省略する。なお、底面フィルム103を用いず、第1の側面フィルム101および第2の側面フィルム102のみを用い、周縁部をシールして、パウチ本体105を形成してもよい。
第1のフックシート121および第2のフックシート122は、開口部104の全幅にわたって、それぞれ第1の側面フィルム101、第2の側面フィルム102に貼り付けられている。第1のフックシート121および第2のフックシート122は、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)製で250μmの厚さのものを用いることができる。あるいは、紙を用いてもよい。紙を用いる場合、PETのようなプラスチックを用いる場合に比べて材料コストを低減することができる。
両面粘着テープ108の一面は、第1の側面フィルム101に貼り付けられており、他面には、離型ラベル151が剥離可能に貼り付けられている。離型ラベル151は、パウチ100が封止されるまで、両面粘着テープ108の他面を保護し、第2の側面フィルム102に貼り付くのを防止している。離型ラベル151は、剥離を容易にするため離型剤を塗工した樹脂フィルム、または、当該樹脂フィルムを積層した紙によって作成される。
図3に、テープ材150の平面図を示す。離型ラベル151は、両面粘着テープ108を覆う保護部152と、保護部152の周縁部中央に接続され、引き代部153とから構成される。保護部152と引き代部153との接続部分は、折り罫線161が形成されており、引き代部153は、パウチ本体105への取り付け時に折り罫線161に沿って、パウチ本体105の外方に折り返される
また、引き代部153には、剥離時の引張力を加える引っかけ穴154が4つ形成されている。なお、引っかけ穴154の代わりに切込みを設けてもよい。
保護部152の端縁から、引き代部153の内部の、2つの引っかけ穴154の間にかけて伸びる線状に、切り目155が形成されている。切り目155は、引き代部153の剛度を低減する。また、切り目155の終端近傍に、終端を囲み、切り目155とは接続しないストッパー切り目158が形成されている。
両面粘着テープ108は、両面粘着テープ108の一端縁の剥離開始位置を含む中心部を切り欠き、凹部159を設け、また、凹部159の両端部には凸部162を設けている。これにより、剥離開始時において、剥離進行線160の全長を短くすることができ、剥離進行線を短くすることができ、剥離に要する力をより低減し、剥離をより容易化することができる。
図4に、第1のフックシート121の平面図を示す。第1のフックシート121は、帯状の形状を有し、パウチ本体105の開口側に沿った1辺に2つの引き代部123が突出して形成されている。引き代部123には、引っかけ穴124が形成されている。1つの引き代部123の先端側の隅には、切り欠き125が設けられている。第2のフックシート122は、第1のフックシート121と同様の形状である。
パウチ100の封緘作業について説明する。まず、パウチ100の開口部104側を、機械の所定部分に挿入する。位置決めが適切に行われれば、機械のツメが、第1のフックシート121および第2のフックシート122の各引き代部123の引っかけ穴124に引っかかり装着される。また、機械の他のツメが、テープ材150の離型ラベル151の引き代部153の引っかけ穴154に、引っかかり装着される。次に機械は第1のフックシート121および第2のフックシート122を所定の距離だけ引き離し、パウチ100の開口部104を開いた状態で、引き代部153を引っ張ることで、保護部152を両面粘着テープ108から剥離する。その後、両面粘着テープ108に第2の側面フィルム102を圧着して、開口部104を封緘する。
第1のフックシート121および第2のフックシート122によって開口部104に一定の剛度が付与されている。これにより、上述の封緘作業の間、第1の側面フィルム101および第2の側面フィルム102にしわが寄ったり、反り返ったりすることがなく、平滑性が維持されるため、開口部104の全幅にわたり、確実な封止をすることができる。また、第1のフックシート121および第2のフックシート122の引き代部123に一定の剛度があるため、引き代部123に形成された切り欠き125が、機械が備えるセンサに徐々に近接して当接した際に、センサがこれを検出でき、位置決めの高精度化が可能となる。また、さらに、機械のツメが、第1のフックシート121および第2のフックシート122の各引き代部123の引っかけ穴124に引っかかった際に、装着音が発生するため、オペレータによっても、容易に装着確認が可能となる。
図5に、離型ラベル151の剥離の様子を示す。引っかけ穴154に加えられた引っ張り力は、保護部152と引き代部153との接続部分に伝わる。引っかけ穴154の間に向かって伸びる切り目155によって、離型ラベル151の切り目155近傍は、剛度が低減され、引っ張り力による変位が容易となり、引っ張り力が集中し、剥離開始位置となる。また、剥離進行線160が切り目155を境に屈曲しやすくなるため、剥離進行線160の全長が短くなる。これらにより、剥離に要する力を小さくすることができ、保護部152の両面粘着テープ108からの剥離開始および剥離進行が容易となる。また、ストッパー切り目158によって、切り目155の引き代部153側の終端に引っ張り力が集中することがなく、切り目155の終端が引き裂かれることがない。これにより、機械を用いて自動的に離型ラベル151を剥離することが容易となる。
両面粘着テープ108は、凹部159および凸部162を設けたことにより、剥離開始時において、剥離進行線160の全長が短くなり、剥離に要する力をより低減し、剥離をより容易化することができる。
離型ラベル151には、切り目155の代わりに折り罫線を形成してもよい。また、切り目や折り罫線の形状や本数は多様に構成可能である。また、離型ラベル151、両面粘着テープ108、第1のフックシート121および第2のフックシート122の材質、形状等は、多様に変形して実施可能である。
(第2の実施形態)
図6は、本実施形態に係るパウチ200の、平面図であり、図7は、図6に示したB−B´ラインに沿った、パウチ200の模式断面図である。
パウチ200は、第1の実施形態に係るパウチ100において、第1の側面フィルム101および第2の側面フィルム102が、開口部104の内側にそれぞれシールされた、第1の樹脂フィルム106、第2の樹脂フィルム107を有するものである。テープ材150は、第1の側面フィルム101上の第1の樹脂フィルム106に貼り付けられている。
第1の樹脂フィルム106および第2の樹脂フィルム107は、開口部104の全幅にわたって、それぞれ第1の側面フィルム101、第2の側面フィルム102に、端縁を揃えて重ねられており、周縁部が、第1の側面フィルム101および第2の側面フィルムにシールされている。図6に示す斜線部および図7に示す太線部がシール箇所を示す。これにより、開口部104の周辺は、フィルムが二重化され、これにより、開口部104の剛度をより高くし、より安定した封緘作業を行うことができる。
(第3の実施形態)
図8は、本実施形態に係るパウチ300の、模式断面図である。パウチ300は、第2の実施形態に係るパウチ200において、第1の樹脂フィルム106および第2の樹脂フィルム107に、それぞれ、開口部104の幅方向に沿ってミシン目109、110を形成したものである。平面図は、パウチ200と同様であるので省略する。
図9に、パウチ300の開封を試みた場合の開口部104の断面の様子を示す。図9の(a)は、離型ラベル151を剥離して、両面粘着テープ108によって、パウチ300を封止した状態を示す。ミシン目109、110の切断強度は、両面粘着テープ108の接着強度より弱い。第1の側面フィルム101、第2の側面フィルム102の開口部104外方の周縁部を、互いに引き離す方向に引っ張ると、ミシン目109、110の切断強度が、両面粘着テープ108の接着強度より弱いため、両面粘着テープ108が、第1の樹脂フィルム106または第2の樹脂フィルム107から剥離する以前に、図9の(b)に示すようにミシン目109および110のいずれかもしくは両方が破断する。これにより、パウチ300の開封を試みた場合、痕跡が残る。本実施形態においては、開口部104の剛度をより高くし、より安定した封緘作業を可能にするとともに、内容物の窃取、改ざん等の行為を抑制することができる。なお、ミシン目は、第1の樹脂フィルム106および第2の樹脂フィルム107のいずれか一方のみに形成してもよい。
(第4の実施形態)
本実施形態に係るパウチ400は、第1の実施形態に係るパウチ100において、第1のフックシート121、第2のフックシート122及び両面粘着テープ108の貼り付け位置を揃えたものである。図10の(a)は、パウチ400の、開口部104の拡大平面図であり、図10の(b)は、図10の(a)に示したC−C´ラインに沿った、パウチ400の模式断面図である。第1のフックシート121と両面粘着テープ108とは、それぞれ一端縁を、第1の側面フィルム101の端縁に揃えて、貼り付けられる。また、第1のフックシート121は、両面粘着テープ108が貼り付けられる領域を、第1の側面フィルムの反対側から全て覆うように、第1の側面フィルム101に貼り付けられる。同様に、第2のフックシート122は、一端縁を、第2の側面フィルム102の端縁に揃えて、貼り付けられる。また、両面粘着テープ108は、封緘時に、一端縁が第2の側面フィルム102の端縁に揃うように、貼り付けられる。このとき、第2のフックシート122は、両面粘着テープ108が貼り付けられる領域を、第2の側面フィルム102の反対側から全て覆う。
これにより、パウチ400の開口部104において、厚みがより均一になるため、機械による封緘作業の際、位置合わせがより容易となるとともに、両面粘着テープ108にかかる圧力がより均等化されるため、開口部104のねじれ等が発生しにくくなり、より安定した封緘作業が可能となる。
なお、第2の実施形態に係るパウチ200において、同様に、第1のフックシート121、第2のフックシート122及び両面粘着テープ108の貼り付け位置を揃えてもよい。この場合も、同様に機械による封緘作業をより安定化することができる。図11の(a)は、第2の実施形態に係るパウチ200において、第1のフックシート121、第2のフックシート122及び両面粘着テープ108の貼り付け位置を揃えたパウチ500の開口部104の拡大平面図であり、図11の(b)は、図11の(a)に示したD−D´ラインに沿った、パウチ500の模式断面図である。また、図11の(c)に示す模式断面図のように、第3の実施形態と同様、第1の樹脂フィルム106および第2の樹脂フィルム107に、それぞれ、開口部104の幅方向に沿ってミシン目109、110を形成してもよい。
また、以上の各実施形態において、両面粘着テープに凹部159および凸部162を設けず、矩形の形状としてもよい。また、パウチ400およびパウチ500において、図12の(a)および(b)に示す模式断面図のように、第1のフックシート121、第2のフックシート122および両面粘着テープ108は同一幅としてもよく、さらに、第1の樹脂フィルム106、第2の樹脂フィルム107および両面粘着テープ108は同一幅としてもよい。これにより、パウチの開口部104の厚みがさらに均一化され、さらに安定した封緘作業が可能となる。
本発明は、開口部を両面粘着テープで封緘して封止するパウチ等に利用できる。
100、200、300 パウチ
101 第1の側面フィルム
102 第2の側面フィルム
103 底面フィルム
104 開口部
105 パウチ本体
106 第1の樹脂フィルム
107 第2の樹脂フィルム
108 両面粘着テープ
109、110 ミシン目
121 第1のフックシート
122 第2のフックシート
123 引き代部
124 引っかけ穴
125 切り欠け
150 テープ材
151 離型ラベル
152 保護部
153 引き代部
154 引っかけ穴
155 切り目
156 狭幅部
157、161 折り罫線
158 ストッパー切り目
159 凹部
160 剥離進行線
161 折り罫線
162 凸部

Claims (4)

  1. 樹脂フィルムからなる第1の側面フィルム、第2の側面フィルムおよび底面フィルムの周縁部を、開口部を除いてシールして形成されるパウチ本体と、
    前記第1の側面フィルムの前記パウチ本体の内方側に、前記開口部の全幅にわたって一面が貼り付けられ、当該開口部を封緘する両面粘着テープと、
    前記両面粘着テープの他面に剥離可能に貼り付けられ、封緘前の当該他面を保護する離型ラベルと、
    前記第1の側面フィルムおよび前記第2の側面フィルムの前記パウチ本体の外方側に、前記開口部の全幅にわたってそれぞれ貼り付けられた、第1のフックシートおよび第2のフックシートとを備え
    前記第1のフックシートおよび前記第2のフックシートは、それぞれ、前記パウチの開口側に沿った1辺に2つの引き代部が突出して形成されており、
    前記引き代部のそれぞれには、引っかけ穴が形成されており、
    前記第1のフックシートおよび前記第2のフックシートの前記各2つの引き代部のうち少なくとも各1つには、先端側の隅に切り欠きが設けられている、パウチ。
  2. 前記第1の側面フィルムおよび前記第2の側面フィルムは、前記パウチ本体の内方側に、それぞれ前記開口部の全幅にわたってシールされた、第1の樹脂フィルムおよび第2の樹脂フィルムを有する、請求項1に記載のパウチ。
  3. 前記第1の樹脂フィルムおよび前記第2の樹脂フィルムの少なくとも一方には、開口部の幅方向に沿って、前記両面粘着テープの接着強度より弱い切断強度を有するミシン目が形成されている、請求項に記載のパウチ。
  4. 前記第1のフックシートと前記両面粘着テープとは、それぞれ一端縁を、前記第1の側面フィルムの端縁に揃えて、貼り付けられ、
    前記第1のフックシートは、前記両面粘着テープが貼り付けられる領域を、前記第1の側面フィルムの反対側から全て覆うように、第1の側面フィルムに貼り付けられ、
    前記第2のフックシートは、一端縁を、前記第2の側面フィルムの端縁に揃えて、貼り付けられ、
    前記両面粘着テープは、封緘時に、一端縁が前記第2の側面フィルムの端縁に揃うように、貼り付けられ、前記第2のフックシートは、前記両面粘着テープが貼り付けられる領域を、前記第2の側面フィルムの反対側から全て覆う、請求項1−のいずれかに記載のパウチ。
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