JP6006649B2 - 耐熱性に優れた熱伝導性樹脂組成物およびそれを用いた放熱部品 - Google Patents
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しかし、一般に、樹脂は、加熱環境において熱劣化するため、前記熱伝導性樹脂組成物も、例外なく熱劣化するが、周囲の加熱雰囲気と熱源からの熱により、さらに、熱劣化が進みやすい。例えば、シリコーンゴムやゲルに熱伝導性フィラーを分散させた熱伝導性樹脂材料では、熱劣化が進行するに従って、柔軟性が失われ、熱源とヒートシンクとに挟設された状態においては、加熱、冷却による熱膨張と熱収縮による熱源とヒートシンクとの間の応力の緩和性が低下するなどして、放熱性能の低下や熱源の破損などの不具合が発生する問題がある。
上記熱安定剤としては、従来から酸化防止剤が知られており、酸化防止剤は、三つの型に分類され、連鎖停止剤、過酸化物分解剤と金属不活性化剤である。連鎖停止剤は、フェノール系や芳香族アミン系などであって、連鎖を伝播する遊離基と反応し、それらを不活性化することにより酸化を防止するものであり、また、過酸化物分解剤は、硫黄系やリン系などであって、ハイドロパーオキサイドを分解、安定化し、それによる連鎖開始反応を阻止し、酸化を防止するものであり、さらに、金属不活性化剤は、ヒドラジン系、アミド系などであって、酸化触媒となる金属の作用を不活性化し、触媒作用を除くものである。これらの酸化防止剤を適宜使用することにより、酸化を防止して、耐熱性を向上させている。
上記に加えて、例えば、シリコーン樹脂は、大気中(酸素存在下)と低酸素雰囲気下(不活性ガス中や、真空などの減圧条件下)では、熱劣化のメカニズムや挙動が異なることが知られている(例えば、非特許文献1、2参照。)。
そして、シリコーン樹脂の熱劣化を抑制する先行技術として、特許文献1には、シリコーン流体の耐熱安定剤(熱安定剤)として、酸化鉄とチオフェノールなどの硫黄化合物とを配合することが提案され、また、特許文献2には、付加反応型ポリオルガノシロキサン組成物の耐熱安定剤として、三二酸化鉄(いわゆるベンガラ)と、アルコキシ基とエポキシ基を含有する有機ケイ素化合物を、配合することにより、高温下で長時間の使用に対する抵抗性が著しく改善されることが、開示されている。また、特許文献3には、シリコーンゴムの耐熱安定剤として、水分を除いた揮発分が0.5重量%以下であると共にBET比表面積が100m2/g以上のカーボンブラックを、或いはさらに、BET比表面積が50m2/g以上の酸化セリウム粉末を、配合することにより、300℃以上の高温下でも使用可能な耐熱性を実現できると、開示されている。さらに、特許文献4には、シリコーンゴムの耐熱安定剤として、カーボンブラックと酸化鉄とを併用することにより、300℃以上の高温下でも使用可能な耐熱性を実現できると、開示されている。
また、特許文献5には、シリコーンエラストマーの耐熱安定剤として、ランタン系希土類金属酸化物或いは水酸化物を配合することにより、着色しない熱安定性を有するシリコーンエラストマーを提供できること、そして、具体的な希土類金属酸化物として、ランタン、セリウムなどの酸化物またはそれらの混合物が、また、具体的な希土類金属水酸化物として、セリウム水酸化物などが開示されている。さらに、特許文献6には、シリコーンゲル組成物の耐熱安定剤として、セリウムのカルボン酸塩と、チタン若しくはジルコニウム化合物とを、配合することにより、高温での耐熱性に優れたシリコーンゲル硬化物を与えるものであり、また、シリコーンゲル組成物を硬化することにより得られるシリコーンゲル硬化物は、200℃の雰囲気下に長期間保持しても、良好な性能を維持することができると、開示されている。
その結果、気体酸素が希薄な雰囲気下で行われる加熱処理装置などに、従来の熱伝導性樹脂組成物を適用した場合においては、目的の熱伝導性能が十分に発揮されないため、熱伝導性樹脂組成物からなる部品の交換などのメンテナンスが頻繁に必要となり、製造される製品のコストアップや品質安定性の低下などの問題があり、そのため、低酸素雰囲気下における耐熱性(または耐熱劣化性、熱安定性)と熱伝導性とに優れた熱伝導性樹脂組成物からなる放熱部品が要望されている。
熱安定剤(C)は、体心立方晶系構造の希土類酸化物(またはC型希土類酸化物)であり、かつ該C型希土類酸化物の含有量は、樹脂(A)100重量部に対し、0.005〜100重量部であることを特徴とする低酸素加熱環境用熱伝導性樹脂組成物が提供される。
さらに、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、前記熱伝導性フィラー(B)の含有量は、樹脂組成物全量に対し、40〜70容量%であることを特徴とする低酸素加熱環境用熱伝導性樹脂組成物が提供される。
さらに、本発明の第5の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明において、前記低酸素加熱環境下とは、酸素分圧が1.5mmHg(200Pa)以下であることを特徴とする低酸素加熱環境用熱伝導性樹脂組成物が提供される。
さらに、本発明の第7の発明によれば、熱源とヒートシンクとが第6の発明に係る低酸素加熱環境用放熱部品で接続されることを特徴とする低酸素加熱環境用放熱ユニットが提供される。
(1)第1の発明において、前記C型希土類酸化物は、酸化サマリウム(Sm2O3)、酸化ガドリニウム(Gd2O3)、酸化エルビウム(Er2O3)または酸化イッテルビウム(Yb2O3)であることを特徴とする低酸素加熱環境用熱伝導性樹脂組成物。
(2)第1の発明において、前記C型希土類酸化物の含有量は、樹脂(A)100重量部に対し、1〜100重量部、より好ましくは3〜20重量部であることを特徴とする低酸素加熱環境用熱伝導性樹脂組成物。
(3)第5の発明において、前記低酸素加熱環境下とは、温度が200℃以上であることを特徴とする低酸素加熱環境用熱伝導性樹脂組成物。
また、本発明の低酸素加熱環境用熱伝導性樹脂組成物を用いた放熱部品は、放熱部品の機能の熱安定化が格段に図られることによって、放熱部品を適用した機器の性能が安定し、結果として機器や機器によって製造される製品の品質の安定化を図ることができる。
尚、本発明では、低酸素環境とは、酸素分圧が1.5mmHg(200Pa)以下の環境をいう。また、加熱環境とは、特に限定されないが、通常、温度が150℃以上、好ましくは温度が200℃以上の環境をいう。
以下、項目毎に説明する。
本発明の低酸素加熱環境用熱伝導性樹脂組成物に用いられる樹脂(A)は、公知の樹脂が適用でき、特に限定されないが、より高い耐熱性が要求される場合には、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン系樹脂、フェノール樹脂、ポリアミドイミド、ポリイミドなどの耐熱性樹脂が好ましく、より好ましくはシリコーン系樹脂である。
シリコーン系樹脂としては、公知の付加反応型、縮合型のシリコーン樹脂を適用でき、また、硬化機構も、熱硬化、室温硬化やUV硬化の何れでもよい。
熱源等への密着性の向上の観点から、シリコーンゲルが好ましく、例えば、付加反応型熱硬化シリコーンゲルとしては、東レ・ダウコーニング(株)製の商品名:CF−5106(針入度が150)などが良好であり、このシリコーンゲル材は、原料であるシリコーン樹脂がA液とB液とに分れていて、この両液を所定比率で混合して、加熱することにより、所望の針入度を有するシリコーンゲル材を得ることができるものである。
本発明の低酸素加熱環境用熱伝導性樹脂組成物には、熱伝導性のために、熱伝導性フィラー(B)が用いられる。
熱伝導性フィラー(B)は、熱伝導性充填剤とも言われ、金属、金属酸化物、金属水酸化物、金属窒化物、炭化物など、公知のものを一種又は二種以上を混合して使用できる。例えば、シリカ(石英)、酸化アルミニウム(アルミナ)、水酸化アルミニウム、マグネシア、亜鉛華、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、雲母、フェライト、黒鉛、グラファイト、カーボンナノチューブ、カーボンマイクロコイルなどが挙げられる。中でも、シリコーンゲルやゴムに対する分散性がよく、安価で環境負荷が少ない観点から、水酸化アルミニウムやアルミナが好ましい。また、これらの熱伝導性フィラーは、必要に応じて、シランカップリング剤などで表面処理をしてもよい。
さらに、本発明で使用する熱伝導性フィラー(B)は、例えば、目的とする熱伝導性シリコーンゲル硬化物の熱伝導特性に応じて、選択することができる。例えば、熱伝導率を高くするのであれば、金属系や窒化物系のフィラーが、逆に、高熱伝導率を望まない場合やコスト低減する場合においては、アルミナや水酸化アルミニウム等のフィラーが選択される。水酸化アルミニウムの場合には、難燃性付与効果もある。
また、熱伝導性フィラー(B)を含有した熱伝導性樹脂組成物においては、熱源やヒートシンクへの良好な接触性及び耐熱性の観点から、前記の樹脂(A)として、シリコーン系樹脂が好ましく、シリコーンゲルなどの軟質のものがより好ましい。
本発明の低酸素加熱環境用熱伝導性樹脂組成物に用いられる熱安定剤(C)は、体心立方晶系構造の希土類酸化物(またはC型希土類酸化物)である。
一般に、希土類は、酸化物として、通常3価が安定であり、M2O3で表される3価の希土類酸化物は、常温常圧下で、A型(六方晶系、)、B型(単斜晶系)およびC型(立方晶系)と呼ばれる3種類の結晶構造をとることが知られている。イオン半径比の大きなLa3+〜Nd3+がA型、中程度のSm3+、Eu3+がB型、これよりも小さなものがC型、が安定である。また、希土類酸化物は、圧力または加熱により、相転移が起こることも知られている(B型は、C型構造を加熱することによりみられ、また、高圧ではA型が安定する。)。
上記C型希土類酸化物としては、好ましくはサマリウム(62Sm)、ユーロピウム(63Eu)、ガドリニウム(64Gd)、テルビウム(65Tb)、ジスプロジウム(66Dy)、ホルミウム(67Ho)、エルビウム(68Er)、ツリウム(69Tm)、イッテルビウム(70Yb)、ルテチウム(71Lu)、すなわち原子番号62(Sm)〜原子番号71(Lu)の体心立方晶系構造(C型)の希土類酸化物などが挙げられ、より好ましくは酸化サマリウム(Sm2O3)、酸化ガドリニウム(Gd2O3)、酸化エルビウム(Er2O3)、酸化イッテルビウム(Yb2O3)、酸化ルテチウム(Lu2O3)などのC型の希土類酸化物が挙げられ、さらに好ましくは原子番号65(Tb)〜原子番号71(Lu)のC型の希土類酸化物である。尚、プロメチウム(61Pm)は、放射性元素であり、非放射性のものは、天然にはその存在が知られず、本発明では、用いない。
また、上記C型希土類酸化物は、耐熱性効果の観点から、比表面積(BET法)が0.05m2/g以上であることが好ましく、0.1〜300m2/gがより好ましく、1〜100m2/gがさらに好ましい。比表面積が0.05m2/g未満であると、樹脂の熱劣化に関与するラジカルのトラップ能力が十分に発揮されない場合がある。
例えば、シリコーン樹脂であるポリジメチルポリシロキサン(PDMS)の真空下での熱による劣化反応は、酸素の不対電子がケイ素のd軌道へ移動することにより起こる軟化劣化反応(低分子環状シロキサンが生成する。)と、PDMS側鎖の解離によりラジカル発生し、ラジカル同士の反応により架橋点が増加する硬化劣化反応に、分類される。そこで、C型の希土類酸化物は、大きな格子定数とイオン半径を有しているために、シリコーン樹脂中の不安定分子を取り込み、その結果、シリコーン樹脂が安定化されると、考察できる。すなわち、希土類酸化物において、C型の結晶構造の格子定数は、1.04〜1.09nmであるのに対し、A型は、0.38〜0.39×0.59〜0.61nmと格子定数が小さく、C型の結晶構造中には、A型より格子内に大きな隙間が存在し、また、クーロンの法則により、電子間に働く引力・斥力は、距離の2乗に反比例するから、格子定数が大きいC型の希土類酸化物は、格子間距離が広いことから、系内の不安定分子を取り込みやすく、不安定分子が希土類金属と近距離に存在できる。加えて、酸素分子に非局在化している3個の電子以外は、全て希土類金属の周辺に局在化していることから、静電相互作用が大きく影響し、シリコーン主鎖中の劣化反応を抑制していると、考察できる。また、最外殻電子が埋まったランタノイド系の酸化物は、その内側に存在する4f軌道の電子状態により、様々な特性を示すことから、電子状態がラジカルのトラッピングしやすさに影響していると、考えている。
また、電気絶縁性が要求される用途や、硬化阻害が発生する付加型シリコーン樹脂への適用には、C型希土類酸化物、または希土類水酸化物が好ましい。
本発明の低酸素加熱環境用熱伝導性樹脂組成物には、必要に応じて、その他の添加剤を配合することができ、公知の酸化防止剤、安定剤などを配合することができる。
上記の酸化防止剤などの添加剤以外のその他の添加剤としては、例えば、充填剤が挙げられ、粉末充填剤のみならず、難燃剤、着色剤などを含む概念であり、更に具体的には、例えば、粉末充填剤としては、結晶性シリカ、熔融シリカ、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、ホワイトカーボンなどが適用でき、導電性や除電性の付与にはカーボンブラック、膨張黒鉛粉末、粉末状グラファイト、金属微粒子などを、難燃剤としては、粉末状有機ハロゲン化合物、赤リン、三酸化アンチモン、膨張黒鉛、マグネタイト、水酸化アルミニウムなどを、緩衝性改良剤として、有機殻を有する中空フィラー(例えば、日本フィライト社製エクスパンセル(登録商標)など)を、着色剤としては、各種の顔料や染料を、挙げることができ、これら充填剤は、用途により、選択して使用すればよい。
本発明の低酸素加熱環境用熱伝導性樹脂組成物は、熱安定剤(C)としてC型希土類酸化物を添加したことによって、低酸素下、減圧下における耐熱劣化性が著しく優れている。例えば、樹脂(A)がシリコーン樹脂の場合には、真空下250℃においても、従来に比べて、熱劣化の進行が抑制される。また、熱伝導性フィラー(B)の種類と添加量に応じて熱伝導性が付与される。例えば、熱伝導性フィラー(B)がアルミナ、添加量が65容量%の場合の熱伝導率は、約2.0W/m・K(JIS R2616に準拠したプローブ法)である。また、熱伝導フィラー(B)が添加されて熱伝導媒体として使用される場合には、熱源やヒートシンクとの密着性を高めるため、低酸素加熱環境用熱伝導性樹脂組成物の硬度は、JIS K2207に準拠した25℃における針入度が20〜200であることが好ましい。
本発明の低酸素加熱環境用熱伝導性樹脂組成物の調製方法としては、樹脂(A)に、熱伝導性フィラー(B)及び熱安定剤(C)を分散できれば、特に限定されず、公知の方法を適用できる。例えば、樹脂(A)が、液状の付加型硬化性樹脂または縮合型硬化性樹脂の場合、樹脂(A)に、熱伝導性フィラー(B)及び熱安定剤(C)を加えて、ケミカルミキサー等で混合した後、減圧脱泡して、低酸素加熱環境用熱伝導性樹脂組成物を得ることができる。また、樹脂組成物の粘度が高い場合には、ニーダー等で混合すればよい。
また、樹脂(A)が熱可塑性樹脂の場合には、例えば、粉末状の樹脂に、熱伝導性フィラー(B)及び熱安定剤(C)を加えて、ヘンシェルミキサー等で混合した後、加熱ニーダーや加熱二軸押出機で混練して、低酸素加熱環境用熱伝導性樹脂組成物を得ることができる。
さらに、低酸素加熱環境用熱伝導性樹脂組成物を未硬化状態(グリース状)もしくは低架橋状態のグリース状で使用、保管する場合には、低酸素加熱環境用熱伝導性樹脂組成物を容器に充填してもよい。容器としては、その中に低酸素加熱環境用熱伝導性樹脂組成物を充填・封入し、「低酸素加熱環境用熱伝導性樹脂組成物を充填・封入した容器」として、商品として販売するためのものであって、シリンジやチューブ等により代表される。
本発明の低酸素加熱環境用熱伝導性樹脂組成物は、優れた耐熱性と熱伝導性を有するために、低酸素加熱環境用としての放熱部品に好適に用いることができる。
また、放熱部品の形状、形態としては、特に限定されず、例えば、シート状、グリース状、架橋済みグリース状などが挙げられる。また、グラファイトシートや金属シートなどの他の放熱性部品を積層した構造としてもよい。
さらに、本発明の低酸素加熱環境用熱伝導性樹脂組成物をグリース状または架橋済みグリース状で使用する場合には、所望の熱経路面に塗布して用いられる。
また、上記の放熱部品は、例えば、図1のように、熱源とヒートシンク等の熱輸送媒体との間に組み込まれて、放熱ユニットが構成されることが望ましい。
本発明の低酸素加熱環境用放熱部品は、本発明の低酸素加熱環境用熱伝導性樹脂組成物の硬化物として使用される場合には、低酸素加熱環境用熱伝導性樹脂組成物を、所望の形状に成形し、硬化して製造される。また、低酸素加熱環境用熱伝導性樹脂組成物の樹脂(A)が付加型硬化性樹脂または縮合型硬化性樹脂の場合には、例えば、金型やロールで成形した後、加熱やUV照射等によって硬化して得られる。さらに、グラファイトシートや金属シートなどの他材質の放熱性部品を積層する場合には、前記成形工程において、一体成形してもよい。
また、低酸素加熱環境用熱伝導性樹脂組成物の樹脂(A)が熱可塑性樹脂の場合には、例えば、低酸素加熱環境用熱伝導性樹脂組成物をペレット化し、射出成形や加熱プレス等で所望の形状に成形して、冷却して硬化させて得られる。また、グラファイトシートや金属シートなどの他材質の放熱性部品を積層する場合には、前記成形工程において、インモールド成形等にて、一体成形すればよい。
さらに、未硬化の低酸素加熱環境用熱伝導性樹脂組成物を目的の箇所に塗布した後、加熱やUV照射等で、硬化させてもよい。特に、細い熱経路部分には、シリンジでビード状に塗布して硬化させることが有効である。
1.樹脂(A)
A−1:CF5106(東レ・ダウコーニング社製 二液付加型シリコーンゲル)を用いた。
A−2:人肌ゲル アスカーC硬度0(エクシールコーポレーション:二液ウレタンゲル)を用いた(実施例20などで評価)。
A−3:コスモゲルHC−04N(コスモ計器社製 ポリエチレン系熱可塑性ゲル)を用いた(実施例21などで評価)。
熱伝導性フィラー(B)として、アルミナ(マイクロン社製AH50−5)を用いた。
熱安定剤(C)として、表1に示す熱安定剤を用いた。
1.熱劣化特性(粘弾性の経時変化)
真空ポンプを用いて、熱硬化用炉内を減圧して、耐熱性試験を実施し、熱伝導性樹脂組成物の複素粘弾率の経時変化を測定し、初期値を基準として、500時間経過後の変化率(初期値0%)で、評価した。図2に、評価装置の概要を示す。評価条件などは、以下のとおり。
(1)熱硬化用炉の設定温度:
・樹脂A−1の場合は、225℃および250℃
・樹脂A−2の場合は、150℃
・樹脂A−3の場合は、150℃
(2)酸素分圧:
酸素分圧は、1.5mmHg(200Pa)以下とした。
(3)複素粘弾率の経時変化:
複素粘弾率の経時変化の測定には、以下の装置を用いた。
・複素粘弾率測定(20℃、10Hz):動的粘弾性測定装置(ティー・エイ・インスツルメント社 ARES−RDA)
熱伝導性の評価として、熱伝導率測定用に60mm×120mm×10mm厚のブロック状試料を作製し、該ブロック状試料が25℃における熱伝導率を、JIS R2616準拠の熱線法で測定した。
測定装置は、京都電子工業株式会社製の熱伝導率計(商品名:QTM−500 PD−11型プローブ)を用いた。
以下の手順で、熱伝導性樹脂組成物を調製し、物性評価を行った。
(調製手順)
樹脂(A−1)100重量部に、熱伝導性フィラー(B)600重量部(アルミナの密度を3.9g/cm3として、組成物全量基準で60.5容量%相当)と、熱安定剤(C)として酸化サマリウム(Sm2O3)0.005重量部を添加して、卓上ミキサー(シンキー社製 泡とり錬太郎)で2分間混合した後、真空脱泡を5分行い、未硬化の熱伝導性樹脂組成物を得た。
次いで、金型で注型して加熱オーブン(大気雰囲気)で、70℃×4hr加熱硬化してφ25mm×2mmの熱伝導性樹脂組成物の評価サンプルを得た。
(物性評価)
得られた熱伝導性樹脂組成物の評価サンプルにて、前記の熱劣化特性(粘弾性の経時変化)と熱伝導性(熱伝導率)を評価した。その評価結果を表2に示す。
実施例1において、熱安定剤(C)の種類及び添加量を表2の通りの配合とした以外は、実施例1と同様にして、熱伝導性樹脂組成物の各評価サンプルを得た。また、前記の熱劣化特性(粘弾性の経時変化)と熱伝導性(熱伝導率)を評価した。それらの評価結果を表2に示す。
なお、表2における熱安定剤(C)の種類の表示は、表1の略号としている。
実施例3及び実施例6において、それぞれの熱安定剤(C)として、比表面積を表3及び表4の通りに変更した試薬を用いた以外は、実施例3及び実施例6と同様にして、熱伝導性樹脂組成物の各評価サンプルを得た。また、前記の熱劣化特性(粘弾性の経時変化)と熱伝導性(熱伝導率)を評価した。それらの評価結果を表3に示す。
実施例1において、熱安定剤(C)の添加量を5重量部とし、さらに、樹脂(A−1)100重量部に対して、アセチレンブラックを2重量部添加した以外は、実施例1と同様にして、熱伝導性樹脂組成物の評価サンプルを得た。また、前記の熱劣化特性(粘弾性の経時変化)と熱伝導性(熱伝導率)を評価した。その評価結果を表4に示す。
実施例3において、表4の通り、樹脂(A−1)をウレタン系の樹脂(A−2)、ポリエチレン系の樹脂(A−3)にそれぞれ変更した以外は、実施例3と同様にして、熱伝導性樹脂組成物の各評価サンプルを得た。また、前記の熱劣化特性(粘弾性の経時変化)と熱伝導性(熱伝導率)を評価した。それらの評価結果を表4に示す。
実施例3において、熱伝導性フィラー(B)の添加量を262重量部(アルミナの密度を3.9g/cm3として、組成物全量基準で40容量%相当)とした以外は、実施例3と同様にして、熱伝導性樹脂組成物の評価サンプルを得た。また、前記の熱劣化特性(粘弾性の経時変化)と熱伝導性(熱伝導率)を評価した。その評価結果を表4に示す。
実施例3において、熱伝導性フィラー(B)の添加量を917重量部(アルミナの密度を3.9g/cm3として、組成物全量基準で70容量%相当)とした以外は、実施例3と同様にして、熱伝導性樹脂組成物の評価サンプルを得た。また、前記の熱劣化特性(粘弾性の経時変化)と熱伝導性(熱伝導率)を評価した。その評価結果を表4に示す。
実施例3において、熱安定剤(C)を表5の通りそれぞれのA型希土類酸化物とした以外は、実施例3と同様にして、熱伝導性樹脂組成物の各評価サンプルを得た。また、前記の熱劣化特性(粘弾性の経時変化)と熱伝導性(熱伝導率)を評価した。それらの評価結果を表5に示す。
実施例3において、熱安定剤(C)を酸化鉄に代えた以外は、実施例3と同様にして、熱伝導性樹脂組成物の評価サンプルを得た。また、前記の熱劣化特性(粘弾性の経時変化)と熱伝導性(熱伝導率)を評価した。その評価結果を表5に示す。
実施例20、21において、熱安定剤(C)を酸化セリウムとした以外は、実施例20、21と同様にして、熱伝導性樹脂組成物の各評価サンプルを得た。また、前記の熱劣化特性(粘弾性の経時変化)と熱伝導性(熱伝導率)を評価した。それらの評価結果を表5に示す。
実施例3〜6において、それぞれの熱安定剤(C)の添加量を0.003重量部とした以外は、実施例3〜6と同様にして、熱伝導性樹脂組成物の評価サンプルを得た。また、前記の熱劣化特性(粘弾性の経時変化)と熱伝導性(熱伝導率)を評価した。それらの評価結果を表6に示す。
実施例3〜6において、熱安定剤(C)の添加量を105重量部として、それぞれの熱伝導性フィラー(B)の添加量を表6の通りとした以外は、実施例3〜6と同様にして、熱伝導性樹脂組成物の評価サンプルを得た。また、前記の熱劣化特性(粘弾性の経時変化)と熱伝導性(熱伝導率)を評価した。それらの評価結果を表6に示す。
(1)実施例3〜6と比較例1〜4との比較、及び図3、4の結果から、低酸素加熱雰囲気においては、希土類酸化物からなる熱安定剤(C)のうち、C型希土類酸化物を適用した場合は、A型希土類酸化物に比べて、複素弾性率の経時的変化が小さく、著しく熱劣化が抑制されていることがわかる。特に、実施例6の酸化イッテルビウムを熱安定剤(C)とすることで、その効果が顕著となっている。
また、従来から慣用されている酸化鉄を熱安定剤(C)とした比較例5と比べても、低酸素加熱雰囲気においては、C型希土類酸化物を熱安定剤(C)とした実施例3〜6の熱劣化抑制効果が高いことがわかる。
(2)実施例1〜10と比較例8〜15との比較から、C型希土類酸化物を熱安定剤(C)とする際には、その添加量は、樹脂(A)100重量部に対して、0.005〜100重量部の範囲で良好な熱劣化の抑制効果が発揮されることがわかる。
(3)実施例3と実施例11〜14、並びに実施例6と実施例15〜18から、熱安定剤(C)であるC型希土類酸化物の比表面積は、0.05m2/g以上が好ましいことがわかる。
(4)実施例19のように、第二の熱安定剤(C)としてカーボン系を複合しても、本発明の効果が得られることがわかる。
(5)実施例20〜21と比較例6〜7との比較から、樹脂(A)がシリコーン系以外でも、本発明の効果が得られることがわかる。
(6)実施例3、22、23の評価結果から、熱伝導性フィラー(B)の好ましい配合量の範囲(本発明の第3の発明に係る特定範囲)において、本発明の効果が得られることがわかる。
(7)なお、表5には記載していないが、比較例2及び比較例5について、大気中で熱劣化特性を評価したところ、それぞれ225℃で40%、27%、250℃で250%、210%であり、このことから、従来慣用されているA型希土類酸化物の酸化セリウムや、酸化鉄からなる熱安定剤(C)は、大気中レベルの酸素加熱雰囲気下では、優れた耐熱性効果を付与できるが、低酸素加熱雰囲気では、熱劣化を抑制する効果に乏しいことがわかる。
2 熱源
3 ヒートシンク
4 低酸素加熱環境用放熱ユニット
OV オーブン
P 真空ポンプ
PG 真空計
Claims (6)
- 樹脂(A)に、少なくとも熱伝導性フィラー(B)及び熱安定剤(C)を分散してなる、酸素分圧が1.5mmHg(200Pa)以下の低酸素加熱環境下で用いられる熱伝導性樹脂組成物であって、
熱安定剤(C)は、体心立方晶系構造の希土類酸化物(またはC型希土類酸化物)であり、かつ該C型希土類酸化物の含有量は、樹脂(A)100重量部に対し、0.005〜100重量部であることを特徴とする低酸素加熱環境用熱伝導性樹脂組成物。 - 前記C型希土類酸化物は、比表面積(BET法)が0.05m2/g以上であることを特徴とする請求項1に記載の低酸素加熱環境用熱伝導性樹脂組成物。
- 前記熱伝導性フィラー(B)の含有量は、樹脂組成物全量に対し、40〜70容量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の低酸素加熱環境用熱伝導性樹脂組成物。
- 前記樹脂(A)がシリコーン樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の低酸素加熱環境用熱伝導性樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の低酸素加熱環境用熱伝導性樹脂組成物またはその硬化物を含むことを特徴とする低酸素加熱環境用放熱部品。
- 熱源とヒートシンクとが請求項5に記載の低酸素加熱環境用放熱部品で接続されることを特徴とする低酸素加熱環境用放熱ユニット。
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