JP6006608B2 - 積層シート、加工物、容器及び包装容器 - Google Patents
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Description
また、透明シートから成形された包装容器では、内容物を見せたいという要求があり、高透明グレードの包装容器が求められている。
高透明性を達成するためには、積層シートを構成する層間で屈折率の変化が少ない原料を組み合わせて使用する、又は層の総数を減らすことが考えられるが、この場合、剥離強度が弱く、高密封性が得られなかったり、バラつきが生じたりして、剥離強度が安定しない不具合を生じる問題があった。
また、表面層と中間層との層間で剥離させるための調整に手間がかかるため、剥離強度が安定しない場合があった。
すなわち、本発明の積層シートは、少なくとも、高密度ポリエチレンを主成分として含む層と、エチレン含量が1.3質量%未満のランダムポリプロピレンを主成分として含む層と、を有し、前記高密度ポリエチレンを主成分として含む層と、前記エチレン含量が1.3質量%未満のランダムポリプロピレンを主成分として含む層と、が隣接していることを特徴とするものである。
(1)剥離層/剥離強度調整層/第一接着層/バリア層/第二接着層/外表層
まず、本発明の第1実施形態を説明する。
[第1実施形態]
第1実施形態の積層シートは、少なくとも、高密度ポリエチレン(High Density Polyethylene;以下、HDPEともいう。)を主成分として含む層と、エチレン含量が1.3質量%未満のランダムポリプロピレン(以下、微エチレンランダムPPともいう。)を主成分として含む層と、を有する。
第1実施形態の積層シートでは、HDPEを主成分として含む層と、微エチレンランダムPPを主成分として含む層と、が隣接していることが好ましい。
また、第1実施形態の積層シートでは、3層以上の積層構造を有し、積層シートの少なくとも一方の表面層がHDPEを主成分として含む層により構成されることが好ましい。
HDPEは、HDPEを主成分として含む層と微エチレンランダムPPを主成分として含む層との間で屈折率の低減が少ないため、高い透明性を有する積層シートを提供できる。HDPEとしては、メルトインデックスが0.02〜50の範囲にあり、かつ密度が0.900〜0.975g/cm3の範囲にあるものが好適に用いられる。
HDPEを主成分として含む層の厚みは、60〜100μmが好ましく、70〜90μmがさらに好ましい。
微エチレンランダムPPを主成分として含む層は、HDPEを主成分として含む層の下層を構成し、積層シートの剥離強度を調整するために設けられる。
ランダムポリプロピレンに1.3質量%未満の微量のエチレンを含有することにより、HDPEを主成分として含む層との剥離強度の調整が容易となる。このうち、エチレン含量は、0.1〜1.2質量%が好ましく、0.3〜1.1質量%がさらに好ましい。
エチレン含量が1.3質量%以上のランダムポリプロピレンでは、各層間の屈折率の変化が大きくなり、積層シートの透明性が悪化する不具合を生じる。また、エチレン含量が0質量%、即ち、ポリプロピレンにエチレンが含まれない、ホモポリプロピレンの場合には、積層シートの透明性は維持されるが、剥離強度が安定しない不具合を生じる。なお、剥離強度が安定しないとは、剥離強度が極端に弱かったり、剥離箇所によって剥離強度の強弱のバラつきが大きくなったりすることをいう。
層間剥離強度の制御は、ランダムポリプロピレンのエチレン含量を上記範囲内で適宜選択することにより容易に行うことができる。
微エチレンランダムPPを主成分として含む層の厚みは、80〜200μmが好ましく、80〜150μmがさらに好ましい。
上記HDPEを主成分として含む層、微エチレンランダムPPを主成分として含む層の他に、設けられるその他の層は、特に限定されるものではないが、以下に示す材料(A)を用いて形成された層を設けることができる。
材料(A)としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)およびこれらのブレンド材料などの材料を好適に用いることができる。ポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂などが挙げられ、ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)などが挙げられる。
また、積層構造が4層以上を有する場合には、上記材料(A)を用いて形成された層の他に、以下に示す材料(B)を用いて形成された層やさらに上記材料(A)を用いて形成された層を設けることができる。
材料(B)としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアクリロニトリル(PAN)などの材料を好適に用いることができる。材料(B)を用いて形成された層は、酸素を遮断する樹脂を使用した層である。この材料(B)を用いて形成された層を備えることにより、酸素透過遮断性を備えた積層シートを提供できる。
したがって、第1実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)積層シートが、微エチレンランダムPPを主成分として含む層を有することで、剥離強度を安定化させることできる。剥離強度の安定化により、積層シートの生産時の剥離強度調整が容易になるため、調整ロス低減による生産効率アップに繋がる。
(2)また、ランダムポリプロピレンのエチレン含量を上記範囲内にすることで、積層シートの透明性を向上させることができる。
(3)積層シートが、HDPEを主成分として含む層を有することで、各層間で屈折率の低減が少ないため、積層シートの透明性をさらに向上させることができる。
[第2実施形態]
[積層シートの構成]
第2実施形態の積層シートは、少なくとも剥離層と剥離強度調整層とを有する。
(a)剥離層/剥離強度調整層
(b)剥離層/剥離強度調整層/基材層
(c)剥離層/剥離強度調整層/第一接着層/バリア層/第二接着層/外表層
(d)剥離層/剥離強度調整層/第一基材層/第一接着層/バリア層/第二接着層/第二基材層
(e)剥離層/剥離強度調整層/第一基材層/第一接着層/バリア層/第二接着層/第二基材層/外表層
等の構造を挙げることができる。上記(d)〜(e)の構造のように、層構成中に複数の基材層が繰り返し設けられていてもよい。このうち、上記(c)の構造が好適である。
なお、上記構成に限定されるものではない。
第2実施形態の積層シート1は、剥離層2と、剥離強度調整層3と、第一基材層4と、第一接着層5と、バリア層6と、第二接着層7と、第二基材層8と、外表層9と、を有する。
第2実施形態の剥離層とは、他の基材とヒートシール可能な層であって、他の基材と第2実施形態の積層シートとを剥離したときに、他の基材と共に剥離する機能を有する層をいう。
例えば、剥離層2は、第2実施形態の積層シート1を加熱することにより、他のフィルム等とヒートシールが出来る。例えば、第2実施形態の積層シート1を容器本体の形状に成形したときに、内容物と接し且つ蓋材のシーラントとヒートシールできる。この場合、蓋材と容器本体とをヒートシールした包装容器の開封時に、蓋材とヒートシールされた部分の剥離層2は、蓋材と共に容器本体から剥離する。
剥離層2としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体などから選ばれる材料を好適に用いることができる。このうち、剥離層2は、HDPEを主成分として含む構成とすることが好ましい。HDPEは、剥離層2と剥離強度調整層3との間で屈折率の低減が少ないため、透明性をさらに向上させた積層シート1を提供できる。HDPEとしては、メルトインデックスが0.02〜50の範囲にあり、かつ密度が0.900〜0.975g/cm3の範囲にあるものが好適に用いられる。
剥離層2の厚みは、60〜100μmが好ましく、70〜90μmがさらに好ましい。
剥離強度調整層とは、前記剥離層と隣接する層である。他の基材と第2実施形態の積層シートとがヒートシールされた後、前記剥離層と当該剥離強度調整層との間で、他の基材と第2実施形態の積層シートが剥離し、剥離後の第2実施形態の積層シートの表面を構成する層をいう。
例えば、剥離強度調整層3は、剥離層2の下層を構成し、積層シート1の剥離強度を調整するために設けられるものである。例えば、第2実施形態の積層シート1を容器本体の形状に成形し、蓋材と容器本体とをヒートシールした包装容器の開封時に、蓋材とヒートシールされた部分の剥離層2は、蓋材と共に容器本体から剥離するが、剥離強度調整層3は蓋材と共に容器本体から剥離せず、剥離層2と剥離強度調整層3との層間剥離の際の強度を調整する。
また、剥離強度調整層3は、剥離層2と第一基材層4の両方の層に相性の良い材料が用いられる。第2実施形態の剥離強度調整層3は、エチレン含量が1.3質量%未満のランダムポリプロピレンを主成分として含んでいる。
ランダムポリプロピレンに1.3質量%未満の微量のエチレンを含有することにより、剥離層2との剥離強度の調整が容易となる。このうち、エチレン含量は、0.1〜1.2質量%が好ましく、0.3〜1.1質量%がさらに好ましい。
エチレン含量が1.3質量%以上のランダムポリプロピレンでは、各層間の屈折率の変化が大きくなり、積層シート1の透明性が悪化する不具合を生じる。また、エチレン含量が0質量%、即ち、ポリプロピレンにエチレンが含まれない、ホモポリプロピレンの場合には、積層シート1の透明性は維持されるが、剥離強度が安定しない不具合を生じる。なお、剥離強度が安定しないとは、剥離強度が極端に弱かったり、剥離箇所によって剥離強度の強弱のバラつきが大きくなったりすることをいう。
層間剥離強度の制御は、剥離強度調整層3を構成するランダムポリプロピレンのエチレン含量を上記範囲内で適宜選択することにより容易に行うことができる。
剥離強度調整層3の厚みは、80〜200μmが好ましく、80〜150μmがさらに好ましい。
第一基材層4は、積層シート1で主要となる層である。
第一基材層4としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)およびこれらのブレンド材料などの材料を好適に用いることができる。ポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂などが挙げられ、ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)などが挙げられる。
また、第一基材層4は、前述した剥離強度調整層3と同一の材料、即ち、エチレン含量が1.3質量%未満のランダムポリプロピレンにより構成されてもよい。
第一基材層4の厚みは、積層シート1や、この積層シート1を用いて成形した容器本体などの強度などに応じて適宜設定することができ、特に限定されないが、200〜600μmが好ましく、200〜500μmがさらに好ましい。厚みが前記下限未満では、強度が不十分となる傾向にある。
第一接着層5は、第一基材層4とバリア層6とを接着する層である。
第一接着層5としては、例えば、ウレタン系のエラストマー、スチレン系のエラストマー、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル(EVA)などの材料を好適に用いることができる。
第一接着層5の厚みは、10〜50μmが好ましく、20〜40μmがさらに好ましい。
バリア層6は、酸素を遮断する樹脂を使用した層である。バリア層6を備えることにより、酸素透過遮断性を備えた積層シート1を提供できる。
バリア層6としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアクリロニトリル(PAN)などの材料を好適に用いることができる。
バリア層6の層厚は、80〜210μmが好ましく、40〜170μmがさらに好ましい。
第二接着層7は、バリア層6と第二基材層8とを接着する層である。
第二接着層7としては、上記第一接着層5で使用する材料と同様の材料を好適に用いることができる。また、上記第一接着層5で使用する材料とは異なる材料を用いてもよい。
第二接着層7の厚みは、10〜50μmが好ましく、20〜40μmがさらに好ましい。
第二基材層8は、上記第一基材層4とともに積層シート1で主要となる層である。
第二基材層8としては、上記第一基材層4で使用する材料と同様の材料を好適に用いることができる。また、上記第一基材層4で使用する材料とは異なる材料を用いてもよい。
第二基材層8の厚みは、積層シート1や、この積層シート1を用いて成形した容器本体などの強度などに応じて適宜設定することができ、特に限定されないが、200〜600μmが好ましく、200〜500μmがさらに好ましい。厚みが前記下限未満では、強度が不十分となる傾向にある。
外表層9は、第二基材層8と相性の良い材料が用いられる。第2実施形態の外表層9は、上記剥離強度調整層3で使用する材料と同様の材料を好適に用いることができる。また、上記剥離強度調整層3で使用する材料とは異なる材料を用いてもよい。
外表層9の厚みは、80〜200μmが好ましく、80〜150μmがさらに好ましい。
[包装容器の構成]
図2は、第2実施形態の包装容器の部分断面図である。
図2に示すように、包装容器10は、内容物が収納される容器本体11と、この容器本体11の中心部に形成された被包装物収納用の開口部12を塞ぐ蓋材13と、を備えている。
蓋材13は、容器本体11の開口部12の周縁から径方向外側に突設されたフラット状のフランジ部14において、ヒートシールされている。
このような包装容器10は、図2に示すように、蓋材13の一部が突出して形成された把持部15がフランジ部14から離れる方向に引っ張られることにより、蓋材13がフランジ部14から剥離されて開封される。
図2に示すように、第2実施形態の蓋材13は、表面基材16とシーラント17とから構成されている2層フィルムである。表面基材16としては、プラスチックの単層フィルム、多層フィルム、紙、アルミ箔、またはこれらの複合材料等が使用される。また、シーラント17としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が使用される。
蓋材13を製造する方法としては、共押出、熱ラミネーション、ドライラミネーションなどの方法やこれらの方法を組み合わせた方法を採用することができる。
なお、第2実施形態では2層フィルムとしたが、単層フィルムであっても、3層以上の多層フィルムであってもいずれでもよく、特に制限はない。
第2実施形態の容器本体11は、前述した第2実施形態の積層シート1を用いて成形した容器である。
図2に示すように、容器本体11は、内容物が収納される凹部18と、凹部18の開口部12の周縁から外側に突設して形成されたフランジ部14と、を備えている。凹部18は、容器本体11の底を形成する底部19と、底部19から立ち上げられて形成された壁部20と、を備えている。フランジ部14は、開口部12の周縁から径方向外側に突設されている。また、フランジ部14は、その面方向が底部19の面方向と平行になるようにフラット状に形成されている。
容器本体11の内層21と、蓋材13のシーラント17とは、容器本体11のフランジ部14において、ヒートシールにより融着される。
容器本体11は、前述した第2実施形態の積層シート1を真空成形、圧空成形等の成形方法により、カップ状やトレー状など任意の形状に成形される。
また、切り込み23は、フランジ部14の全周にわたって設けてもよいし、フランジ部14の一部だけ残しておいてもよい。容器本体11から蓋材13を剥離するときに、容器本体11と蓋材13とが完全に分離せず、蓋材13の一部が容器本体11に付いたままの状態にする場合は、剥離する部分に切り込みを入れ、剥離しない部分には切り込みを入れないようにすればよい。
(1)積層シート1の剥離強度調整層3が、エチレン含量が1.3質量%未満のランダムポリプロピレンを主成分として含むことで、剥離強度を安定化させることできる。剥離強度の安定化により、積層シート1の生産時の剥離強度調整が容易になるため、調整ロス低減による生産効率アップに繋がる。
(2)また、ランダムポリプロピレンのエチレン含量を上記範囲内にすることで、積層シート1の透明性を向上させることができる。
(3)積層シート1の剥離層2が、高密度ポリプロピレンを主成分として含むことで、剥離層2及び剥離強度調整層3との間で屈折率の低減が少ないため、積層シート1の透明性をさらに向上させることができる。
(4)容器本体11は、上記積層シート1を用いて成形しているので、高い透明性を有するとともに、剥離強度を安定化できる。
(5)フランジ部の容器開口部側の内層に切り込みを設けることで、包装容器を開封するときに、容器本体から蓋材を容易に剥離することができる。
なお、第2実施形態の積層シート1では、第一基材層4、第二基材層8を備えた基材層が繰り返し設けられた構成としたが、上記(a)に示す積層構造のように、第一基材層4、第二基材層8を設けない構造としても構わない。このような積層構造とする場合には、剥離強度調整層の厚みを厚くすることで、強度を保つことが考えられる。
また、第2実施形態の積層シート1では、第一基材層4が剥離強度調整層3と同一の材料により構成されていることとしたが、第一基材層4を剥離強度調整層3とは異なる材料により構成してもよい。
また、上記(b)の構造における基材層は、第一基材層4と同一の材料により構成することが好ましい。
なお、実施例および比較例に示した物性の測定方法および評価方法は以下の通りである。
包装容器の容器本体から、サンプル片を「縦10cm×横25mm」の大きさに切り出した。切り出したサンプル片に対してカッターを用いて蓋材のシーラントとヒートシールされた層(例えば、実施例1の場合はHDPE層、なお場合によって剥離層ともいう。)を縦1cm程度剥がし、剥がした部分をセロハンテープで貼付補強した。サンプル片の本体部分を固定しつつ、セロハンテープ補強箇所をプッシュプルゲージ(イマダ社製;製品名デジタルフォースゲージ)に装着して180°の角度で引張り、HDPE層と、透明ランダムポリプロピレン層或いはホモポリプロピレン層と、の間から層間剥離する際の最大強度を測定した。
包装容器の容器本体から、サンプル片を「3cm×3cm」四方の大きさに切り出した。切り出したサンプル片を、ヘイズ測定器(日本電色社製;製品名NDH2000)を用いてヘイズを測定した。
上記(1)及び(2)の評価から、以下の総合判定を行った。
◎:シート剥離強度が0.4〜1.5(kg/25mm幅)でヘイズが30%以下
△:シート剥離強度が0.4〜1.5(kg/25mm幅)から外れる、またはヘイズが30%を超える
×:上記以外
HDPE(プライムポリマー社製;3300F)、透明ランダムポリプロピレン(サンアロマー製PS412M(エチレン含量0.5質量%、MFR=2.5、透明核剤使用))、接着性特殊ポリオレフィン樹脂(三菱化学社製モディックP604V)およびEVOH(日本合成化学社製GH3804B)を用意した。上記原料を用いて積層シートを作製した。
図3に実施例1における積層シートの概略構成を示す。積層シート1Aは、HDPE層2A、透明ランダムポリプロピレン層3A、接着性特殊ポリオレフィン樹脂層5A、EVOH層6A、接着性特殊ポリオレフィン樹脂層7Aおよび透明ランダムポリプロピレン層9Aとした。
また、作製した積層シート1Aの各層の厚みとしては、HDPE層2Aの厚みは80μm、透明ランダムポリプロピレン層3Aの厚みは100μm、接着性特殊ポリオレフィン樹脂層5Aの厚みは30μm、EVOH層6Aの厚みは50μm、接着性特殊ポリオレフィン樹脂層7Aの厚みは30μmおよび透明ランダムポリプロピレン層9Aの厚みは100μmとした。
また図2に示す形状の表面基材16とシーラント17とから構成された蓋材13を用意した。なお、表面基材16を構成する材料としてはナイロンを、シーラント17を構成する材料としてはポリエチレンを使用した。
上記用意した蓋材13と、上記作製した容器本体11とをヒートシールして包装容器10とした。
得られた包装容器について上記評価を行った。その結果を次の表1に示す。
層3Aを形成する透明ランダムポリプロピレン(サンアロマー製PS412M(エチレン含量0.5質量%、MFR=2.5、透明核剤使用))に代えて、ホモポリプロピレン(プライムポリマー社製E203GV(エチレン含量0質量%))を使用した以外は実施例1と同様にして積層シートを作製した。作製した積層シートを用い、実施例1と同様にして包装容器を得た。得られた包装容器について上記評価を行った。その結果を次の表1に示す。
層3Aを形成する透明ランダムポリプロピレン(サンアロマー製PS412M(エチレン含量0.5質量%、MFR=2.5、透明核剤使用))に代えて、透明ランダムポリプロピレン(プライムポリマー社製E233GV(エチレン含量1.3質量%))を使用した以外は実施例1と同様にして積層シートを作製した。作製した積層シートを用い、実施例1と同様にして包装容器を得た。得られた包装容器について上記評価を行った。その結果を次の表1に示す。
層3Aを形成する透明ランダムポリプロピレン(サンアロマー製PS412M(エチレン含量0.5質量%、MFR=2.5、透明核剤使用))に代えて、ホモポリプロピレン(プライムポリマー社製E103WA(エチレン含量0質量%))を使用した以外は実施例1と同様にして積層シートを作製した。作製した積層シートを用い、実施例1と同様にして包装容器を得た。得られた包装容器について上記評価を行った。その結果を次の表1に示す。
一方、比較例1では、シール剥離強度は0.1kg/25mm幅〜開封不可の結果でバラつきが大きすぎるため、HDPE層とホモポリプロピレン層との層間で剥離させるための剥離強度を調整することが困難である。また、透明性の指標であるヘイズが高く、透明性が低い。
比較例2では、透明性指標であるヘイズは、比較例1,3に比べて低く、ある程度の透明性は得られているが、シール剥離強度は0.1kg/25mm幅〜開封不可の結果でバラつきが大きすぎるため、HDPE層と透明ランダムポリプロピレン層との層間で剥離させるための剥離強度を調整することが困難である。
比較例3では、シール剥離強度は0.4〜1.2kg/25mm幅の結果でバラつきが大きいため、HDPE層とホモポリプロピレン層との層間で剥離させるための剥離強度の調整に手間がかかる。また、透明性指標であるヘイズは、比較例1に比べて低いが、十分な透明性が得られているとはいえない。
Claims (10)
- 少なくとも、高密度ポリエチレンを主成分として含む層と、エチレン含量が1.3質量%未満のランダムポリプロピレンを主成分として含む層と、を有し、
前記高密度ポリエチレンを主成分として含む層と、前記エチレン含量が1.3質量%未満のランダムポリプロピレンを主成分として含む層と、が隣接している
ことを特徴とする積層シート。 - 請求項1に記載の積層シートにおいて、
3層以上の積層構造を有し、
前記積層シートの少なくとも一方の表面層が高密度ポリエチレンを主成分として含む層である
ことを特徴とする積層シート。 - 少なくとも剥離層と剥離強度調整層とを有する積層シートであって、
前記剥離強度調整層が、エチレン含量が1.3質量%未満のランダムポリプロピレンを主成分として含み、
前記剥離層は、高密度ポリエチレンを主成分として含む
ことを特徴とする積層シート。 - 下記(1)の層構成を有する積層シートであって、
前記剥離強度調整層が、エチレン含量が1.3質量%未満のランダムポリプロピレンを主成分として含み、
前記剥離層は、高密度ポリエチレンを主成分として含む
ことを特徴とする積層シート。
(1)剥離層/剥離強度調整層/第一接着層/バリア層/第二接着層/外表層 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の積層シートを用いて加熱により成形された加工物。
- 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の積層シートを用いて成形した容器。
- 請求項6に記載の容器において、
前記容器本体は、被包装物収納用の開口部周縁から外側に突設されるフランジ部を備えた
ことを特徴とする容器。 - 請求項6に記載の容器において、
前記容器本体の形状は、カップ状或いはトレー状である
ことを特徴とする容器。 - 蓋材が容器本体のフランジ部において接着された包装容器であって、
前記容器本体が請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の容器であることを特徴とする包装容器。 - 請求項9に記載の包装容器であって、
前記フランジ部の前記容器本体の開口部側の内層に切り込みを設けたことを特徴とする包装容器。
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