JP6006349B2 - 屈曲式ズームカメラモジュールの防振装置 - Google Patents
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そのため、携帯電話においても、高倍率ズームで、かつ光学手振れ防止機能のついたカメラモジュールの要求が高まっている。
そのため、反射部材の前後にレンズが配置される構成になるが、このレンズ構成は、カメラモジュールの製造上や手振れ防止の検討上の大きな障害となっている。
イメージセンサーを手ぶれに応じて移動させて補正を行う方法は、非常に微細なコントロールを必要とする方法であり、ズームレンズ群の中間の1つのレンズを光軸に垂直に手振れに応じて移動させて補正を行う方法は、移動させたレンズの光軸がずれるために収差が大きくなり、その収差を補正する手段が新たに必要になるため、どちらの方法も技術的には非常に難しいものになっている。
しかしながら、この方法では、反射部材とその前後のレンズとを一体として、入射光軸と反射部材により反射した光軸とにより作られる平面に対し垂直な方向に移動させなければならず、反射部材を反射した光軸と後段のズーム系の光軸とがずれることになり、画像のクオリティーが劣化するという問題点があった。
しかしこの方法では、頂角可変プリズムで発生した収差を補正するために、別途のレンズ群を必要とするばかりでなく、その収差補正は、頂角の微小な変更のたびに最適化しなければならないという問題点があった。
図示した従来の屈曲式レンズモジュールにおいては、プリズムの被写体側にレンズが配置されており、プリズムの動きと連動して被写体側のレンズも動くようになっている。
被写体側のレンズの光軸は、プリズムが動いてもプリズムの反射面に一定角度で入射する。そのため、手ぶれ補正のために反射部材を回動させると、被斜体側のレンズの光軸とプリズム後段のレンズ群の光軸との間にずれを生じてしまう。
同様に、図1の(3)は、X軸を回転軸としてプリズムを負方向に−2度回動させた場合の光軸の状態を示し、プリズムを負方向に回動させると、被写体側レンズもX軸を回転軸として負方向に回動し、被写体側レンズを通った光軸は、プリズムで反射してプリズム以降において、本来の光軸と−2度の角度のずれを生じる。
出願人らは、これまで、ズームレンズ系の小型化を目的に、プリズムの前(被写体側)にレンズを配置しない屈曲式ズームレンズの提案を行っている(特開2007−155948)。この技術を用いれば、プリズムの前にレンズを配置しなくてもよいため、屈曲式ズームレンズの手ぶれ補正に係る諸問題を解決することができるものと考え、鋭意検討の結果、本発明に至った。
図2に示すレンズ配置は、被写体側より反射部材1、ズームレンズ群として1群レンズ2と2群レンズ3、フォーカスレンズ群として3群レンズ4を配置し、その後段に撮像装置(図示しない)を配置した構成になっている。
また、本ズームレンズ系において、1群レンズ2の先頭の負レンズL1を非球面とすることが、ワイド端の歪曲収差の補正の面から更に好ましい。
また、2群レンズ3の最後部面の曲率半径R2BをR2B>0とすることで、主点位置が被写体側寄りに形成されるので2群レンズ3の焦点距離を小さくでき、システムのコンパクト化に好ましく、R2B<0では2群レンズ3の焦点距離を小さくできないので好ましくない。
本ズームレンズ系において、2群レンズ3を前記構成とすることにより、コンパクト化と非点収差の良好な補正が実現できる。
ズームレンズ群を構成するL1〜L5のレンズの光軸は、一致している必要があり、そのズームレンズ群の光軸とオートフォーカスレンズ群の光軸も、同様に一致している必要がある。
本発明に係るズームレンズ系のより詳細なレンズ構成は、特開2007−155948に詳しい。
この手振れ状況を修正するためには、当初決めた画角からのずれを検出して、元の画角方向に補正して追従していく必要がある。
本発明の防振装置は、前記2つの軸を回転軸として反射部材を微少回転させることにより、手振れによる縦方向のブレと横方向のブレの両方向のブレを補正するものである。
ブレ検出手段によって検出された情報は、反射部材の駆動部を制御するコントローラーに送られ、コントローラーでは、X軸、Y軸それぞれの駆動部の駆動及び駆動スピードを制御する。
本発明の防振装置を有するカメラモジュールは、携帯電話等に用いるため、できるだけ小型であることが望ましい。そのため、モータを駆動源とした場合、モータの回転運動を直線運動に変換して反射部材に伝達することで、駆動部の省スペース化を行うことができる。
この方法によれば、反射部材の回転軸と同方向にモータを設置する必要がなく、モジュールの空いたスペースにモータを設置することができ、モジュールの小型化が可能になる。
図3に示す本発明の一実施形態に係る方式は、反射部材としてプリズムを用い、反射部材の被写体側にレンズを配置せず、かつ反射部材の後段に反射部材と一体的に動作するレンズを持たない構成となっている。
図3の(1)に示すように、反射部材(プリズム)の回動により、反射部材(プリズム)の被写体側の光軸と反射部材(プリズム)の後段のレンズ群の光軸との角度は、4度傾くが、反射部材(プリズム)の後段の光軸はずれることはない。
A3によると、A1と同様、被写体側の光軸と反射部材(プリズム)の後段のレンズ群の光軸との角度は、4度傾くが、反射部材(プリズム)の後段の光軸はずれることはない。
そのため、本発明によれば、非常に小型で安価な手ぶれ補正機能を有するカメラモジュールが提供できる。
図4に示すように、撮影光学系は、最も被写体側に反射部材として反射部材(プリズム)1が配置され、その後段にズームレンズ群として1群レンズ2、2群レンズ3、オートフォーカスレンズ群として3群レンズ4、イメージセンサーのカバーガラス(IRカットフィルター兼用)5、イメージセンサー6を配置した構成となっている。
反射部材(プリズム)1の駆動は、第1反射部材駆動部30と第2反射部材駆動部40で行い、第1反射部材駆動部30はX軸を回転軸として反射部材(プリズム)1を回動させるための駆動部であり、第2反射部材駆動部40はY軸を回転軸として反射部材(プリズム)1を回動させるための駆動部である。
つまり、どの方向に手振れが発生しても、第1反射部材駆動部30と第2反射部材駆動部40を駆動して手振れ方向に反射部材(プリズム)1を追従させることにより、任意の方向の手振れを修正することができる。
図5は、本発明の一実施形態に係る屈曲式ズームカメラモジュールの防振装置の駆動部及び反射部材保持部材の分解斜視図であり、図6は、X軸部材とY軸部材からなる反射部材保持部材の概略図であり、図7は、反射部材駆動部と反射部材保持部材の連結状態を示す概略図であり、図8は、反射部材、反射部材保持部材、反射部材駆動部が、モジュールのハウジング内に納められた概略図を示している。
X軸回転突起部51aは、X軸部材51の両側面のX軸中心と同一となる位置に備えられ、反射部材(プリズム)1のX軸中心の回動の軸となると共に、Y軸部材52との連結部位となる。
X軸連結切欠き部51cは、X軸駆動部のX軸ナット35のX軸ナット突起部35aに連結し、X軸ナット35の動きがX軸部材51に伝達される。また、X軸連結切欠き部51cの形状は、X軸ナット35の上下動による連結部位のずれに対応可能なように、縦よりも横が長い形状で設けられている。
X軸ナット35には、X軸ナット35の回転停止のためのX軸回転止め(図示せず)が設けられ、X軸回転止めは、モジュールハウジングに設けられた回転止めの溝(図示せず)に、上下動可能なように嵌合している。この回転止めにより、X軸モータ31の回転に伴ってX軸ナット35が回転するのではなく、X軸モータ31の正逆回転により、ねじを切ったX軸スクリューねじ34をX軸ナット35が上下に駆動する。
Y軸部材52には、Y軸回転孔部52cと同一平面にY軸腕部52bが形成され、Y軸腕部52bの先にはY軸連結孔52dが開孔している。
Y軸ナット45には、X軸ナット35と同様、Y軸ナット回転止めが設けられ、Y軸モータ41の回転に伴って、ねじを切ったY軸スクリューねじ44をY軸ナット45が上下に駆動する。
また、Y軸腕部52bの端部に設けられたY軸連結孔52dの形状は、Y軸ナット45の上下動による連結部位のずれに対応可能なように、縦よりも横が長い形状で設けられている。
2 1群レンズ
3 2群レンズ
4 3群レンズ
L1 1群レンズの第1レンズ
L2 1群レンズの第2レンズ
L3 2群レンズの第1レンズ
L4 2群レンズの第2レンズ
L5 2群レンズの第3レンズ
L6 3群レンズの第1レンズ
5 イメージセンサーのカバーガラス
6 イメージセンサー
7 被写体側の光軸
8 イメージセンサー側の光軸
10 第1レンズ駆動部
20 第2レンズ駆動部
30 第1反射部材駆動部
31 X軸モータ
32 X軸第1ギヤ
33 X軸第2ギヤ
34 X軸スクリューねじ
35 X軸ナット
35a X軸ナット突起部
40 第2反射部材駆動部
41 Y軸モータ
42 Y軸第1ギヤ
43 Y軸第2ギヤ
44 Y軸スクリューねじ
45 Y軸ナット
45a Y軸ナット突起部
45b Y軸ナット回転止め
50 反射部材保持部材
51 X軸部材
51a X軸回転突起部
51b X軸腕部
51c X軸連結切欠き部
52 Y軸部材
52a Y軸切欠き部
52b Y軸腕部
52c Y軸回転孔部
52d Y軸連結孔
60 コントローラー
70 ブレ検出手段
80 反射部材ハウジング
80a Y軸ナット回転止め用溝部
Claims (3)
- 被写体側より、反射部材、ズームレンズ群、フォーカスレンズ群、撮像装置が順に配置された屈曲式ズームレンズ装置において、
手振れの状態を検出するためのブレ検出手段と、
該ブレ検出手段から出力された信号に基づいて前記反射部材の駆動装置を制御する制御装置と、
前記ズームレンズ群の光軸と前記反射部材の反射面とが交わる点で、前記ズームレンズ群の光軸と前記反射部材の反射面に反射した光軸とにより作られる平面に対し垂直な軸と、前記ズームレンズ群の光軸と一致する軸と、を回転軸として、前記反射部材を回動させるために該反射部材を回転可能に保持する保持部材と、
モータと該モータの回転動作を上下方向の動作に変換する変換手段を備え、前記保持部材を、前記回転軸を中心に回動させるための駆動装置と、を有し、
前記駆動装置は、前記反射部材のX軸回動のためのX軸モータと、Y軸回動のためのY軸モータと、を有し、
前記駆動装置の変換手段は、前記X軸及びY軸モータのシャフトにそれぞれ設けられた第1ギヤと、該各第1ギヤとそれぞれ連動する第2ギヤと、該各第2ギヤにそれぞれ取り付けられたねじを切ったスクリューねじと、該各スクリューねじにそれぞれ取り付けられたナットから構成され、前記X軸及びY軸モータの回転により前記各スクリューねじに取り付けられた前記各ナットを上下方向に動作させ、
前記保持部材は、前記反射部材を保持し、前記反射部材をX軸方向に回動させるためのX軸部材と、該X軸部材を保持し、前記反射部材をY軸方向に回動させるためのY軸部材と、を有し、
前記X軸部材は、前記反射部材のX軸中心と同一の位置に備えられたX軸回転突起部と、前記X軸モータのナットと連結し該ナットの上下方向の動作により前記反射部材をX軸方向で回動させるX軸腕部と、を有し、
前記Y軸部材は、X軸回転突起部を保持するためのY軸切欠き部と、前記Y軸モータのナットと連結し該ナットの上下方向の動作により前記反射部材をY軸方向で回動させるY軸腕部と、Y軸の回転シャフトが挿入されるY軸回転孔部と、を有し、
前記反射部材の駆動装置のX軸及びY軸モータは、前記反射部材の周囲に回転軸を同一方向に向けて配置され、
前記反射部材及び駆動装置のモータは、前記反射部材の周囲に設けられた反射部材ハウジングの同一面上に配置されていることを特徴とする屈曲式ズームカメラモジュールの防振装置。 - 前記反射部材は、プリズムであることを特徴とする請求項1記載の屈曲式ズームカメラモジュールの防振装置。
- 前記ブレ検出手段は、振動型ジャイロスコープであることを特徴とする請求項1記載の屈曲式ズームカメラモジュールの防振装置。
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