JP6005420B2 - 消臭性能を有するカチオン可染ポリエステル繊維 - Google Patents

消臭性能を有するカチオン可染ポリエステル繊維 Download PDF

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Description

本発明は、アンモニア等の窒素系化合物、酢酸ガス等のカルボン酸系化合物等を効率的、また長期に亘って除去できる繊維であって、かつ常圧環境下での染色においても濃色性に極めて優れた特性を有した消臭繊維に関する。
ポリエステル繊維は、寸法安定性、強度、耐久性の点から衣料素材のみならず、生活資材素材として不可欠なものとなっている。しかしながら、用途によってはさらに特殊機能の付与が望まれていた。たとえば、家庭、オフィス、病院等の生活環境において様々な悪臭に対する関心が高まり、カーペット、カーテン、病院用シーツ、おしめ等、悪臭を嫌う用途ではできるだけ原因となる悪臭を軽減させる性能を保持しておらず、したがってそのような消臭性能を有するポリエステル繊維及び繊維製品が望まれていた。
ポリエステルにスルホイソフタル酸の金属塩を共重合させると、アンモニア、アミン等の塩基性ガスに対する消臭性能が付与されることが知られている(特開平1−272820号)が、染色した場合、100℃以上の高温高圧で染色しなければならず、そのため染色後において、消臭性能が低下するという問題があった。
特開平1−272820号公報
本発明はこのような従来技術における問題点を解決するものであり、具体的にはアンモニア等の窒素系化合物、酢酸ガス等のカルボン酸系化合物等を効率的、また長期に亘って除去できる繊維であって、かつ常圧環境下でカチオン染料及び分散染料に対して濃色性を示し、さらに常圧染色性を必要とするポリエステル繊維以外の素材との混繊に対しても良好な染色性・糸品位を確保することができる特徴を有し、更には良好な紡糸性を確保できるポリエステル繊維を提供することを課題とする。
本発明者等は上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、特定構造式を有するすくなくとも3種の共重合成分を特定量含有し、常圧環境下でカチオン染料及び分散染料に対して濃色性を示すポリエステル樹脂からなる繊維がアンモニア等の窒素系化合物、酢酸ガス等のカルボン酸系化合物等を効率的、また長期に亘って除去できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、カチオン染料及び分散染料に対して濃色性を示すポリエステル樹脂からなる繊維であって、該ポリエステル樹脂はジカルボン酸成分とグリコール成分からなる共重合体ポリエステルであり、かつ少なくとも3種の共重合成分からなり、ジカルボン酸成分のうち75モル%以上がテレフタル酸及び/又はそのエステル形成性誘導体であり、共重合成分として下記化学式(I)で表される化合物(A)を1.0モル%〜3.5モル%、(B)としてシクロヘキンサジカルボン酸及び/又はそのエステル形成性誘導体を3.0モル%〜7.0モル%、および(C)として脂肪族ジカルボン酸及びそのエステル形成性誘導体を3.0モル%〜7.0モル%を共重合してなり、窒素系化合物の消臭率が80%以上、カルボン酸系化合物の消臭率が80%以上であることを特徴とするポリエステル繊維である。
Figure 0006005420
本発明によれば、アンモニア等の窒素系化合物、酢酸ガス等のカルボン酸系化合物等に対し優れた消臭性能を有し、かつ常圧環境下でのカチオン染料、及び分散染料を用いて染着性が良好なポリエステル繊維を得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について具体的に説明する。
本発明で用いるポリエステル樹脂は、エチレンテレフタレート単位を主たる繰返し単位とするポリエステルであり、その繰り返し単位の75モル%以上がテレフタル酸及び/又はそのエステル形成性誘導体(以下、テレフタル酸成分と称することもある)であり、少なくとも3種以上の共重合成分からなるポリエステル繊維である。
上記した本発明のポリエステル繊維は、下記化学式(I)で表されるスルホイソフタル酸の金属塩(A)、およびシクロヘキサンジカルボン酸及び/又はそのエステル形成性誘導体(B)、脂肪族ジカルボン酸及びそのエステル形成性誘導体(C)の少なくとも3種が共重合されていることが重要である。原因は明確ではないが、下記化学式(I)で表されるスルホイソフタル酸の金属塩(A)の共重合からなるポリエステル繊維よりも、少なくとも(A)(B)(C)3種の共重合成分からなるポリエステル繊維のほうが消臭力が高く、かつ常圧下での優れた染着率を確保し、延伸を伴わない高速紡糸手法で製糸を行った場合でも、安定な高速曳糸性を有する。
まず本発明のポリエステル消臭繊維は、消臭性、カチオン可染性を得るために共重合成分として下記化学式(I)で表されるスルホイソフタル酸の金属塩(A)を1.0モル%〜3.5モル%含有する共重合ポリエステルである。
Figure 0006005420
上記式(I)で表されるスルホイソフタル酸の金属塩(A)としては、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、又は5−カリウムスルホイソフタル酸、5−リチウムスルホイソフタル酸等のスルホン酸アルカリ金属塩基を有するジカルボン酸成分;5−テトラブチルホスホニウムスルホイソフタル酸、5−エチルトリブチルホスホニウムスルホイソフタル酸などの5−テトラアルキルホスホニウムスルホイソフタル酸などを挙げることができる。
上記式(I)で表されるスルホイソフタル酸の金属塩(A)は1種類のみをポリエステル中に共重合させても、また2種以上を共重合させてもよい。
上記式(I)で表されるスルホイソフタル酸の金属塩(A)を共重合させることにより、従来のポリエステル繊維に比べて消臭力が高く、かつ繊維内部構造に非晶部分を保有させることができ、その結果、分散染料及びカチオン染料に対して常圧染色が可能なポリエステル繊維を得ることができる。
上記式(I)で表されるスルホイソフタル酸の金属塩(A)の共重合量が1.0モル%未満の場合、目的とする消臭率が得られないばかりか、カチオン染料で染色したときに鮮明で良好な色調になるカチオン染料可染性ポリエステルを得ることができない。一方、(A)の共重合量が3.5モル%を超えると、ポリエステルの増粘が著しくなって紡糸が困難になり、しかもカチオン染料の染着座席の増加により繊維に対するカチオン染料の染着量が過剰になって、色調の鮮明性がむしろ失われる。染色物の鮮明性、消臭性および紡糸性等の点から、(A)の共重合量は1.2〜3.0モル%であるのが好ましく、1.5〜2.5モル%であるのがより好ましい。
また、本発明は、上記式(I)で表されるスルホイソフタル酸の金属塩(A)の共重合量が1.2〜3.0モル%、好ましくは1.5〜2.5モル%、またジカルボン酸成分のうちシクロヘキサンジカルボン酸及び/又はそのエステル形成性誘導体が3.0〜7.0モル%、好ましくは4.0〜6.0モル%、また脂肪族ジカルボン酸及び/又はそのエステル形成性誘導体が3.0〜7.0モル%、好ましくは4.0〜6.0モル%の範囲で共重合されていると原因は明確ではないが非常に高い消臭力がある。
シクロヘキサンジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体(B)(以下、シクロヘキサンジカルボン酸成分と称することもある)をポリエチレンテレフタレートに共重合した場合、結晶構造の乱れが小さい特徴を有しているため、高い染着率を確保しながら、消臭性能を維持した繊維を得ることができる。
シクロヘキサンジカルボン酸成分(B)を共重合化することによって、ポリエステル繊維の結晶構造に乱れが生じ、非晶部の配向は低下する。そのため、カチオン染料及び分散染料の繊維内部への浸透が容易となり、カチオン染料及び分散染料の常圧可染性を向上させることが可能となる。
シクロヘキサンジカルボン酸成分(B)の共重合量がジカルボン酸成分において3.0モル%未満では、常圧環境下での染色性が不足する傾向があり、染色性を上げるために染色条件を高温高圧としなければならず、そのため消臭性能を維持することができず、染色性と消臭性能を兼備させることができない。また、ジカルボン酸成分において7.0モル%を超えた場合においても、満足する消臭性能が得られず、さらに染色性に関しては良好な品質を確保できるものの、延伸を伴わない高速紡糸手法で製糸を行った場合、樹脂のガラス転移温度が低いことと繊維内部における非晶部位の配向度が低いことによって、安定な繊維物性や高速捲取中に自発伸長の発生により安定な高速曳糸性を得ることができない。
本発明に用いられるシクロヘキサンジカルボン酸(B)には、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の3種類の位置異性体があるが、本発明の効果が得られる点からはどの位置異性体が共重合されていても構わないし、また複数の位置異性体が共重合されていても構わない。また、それぞれの位置異性体について、シス/トランスの異性体があるが、いずれの立体異性体を共重合しても、あるいはシス/トランス双方の位置異性体が共重合されていても構わない。シクロヘキサンジカルボン酸誘導体についても同様である。
脂肪酸ジカルボン酸及びそのエステル形成性誘導体成分(C)(以下、脂肪族ジカルボン酸成分と称することもある)についてもシクロヘキンジカルボン酸成分と同様に、ポリエステル繊維の結晶構造に乱れが生じ、非晶部の配向が低下するため、カチオン染料及び分散染料の繊維内部への浸透が容易となり、常圧可染性を向上させることが可能となると共に消臭性能を維持することができる。
更に、脂肪族ジカルボン酸成分(C)をポリエチレンテレフタレートに共重合すると、低温セット性にも効果があり、本発明により得られる繊維を織編物にしてから形態安定化のために熱セットする場合、熱セット温度を低くすることが可能となる。ニット用途において低温セット性は好ましい物性であり、ウール、綿、アクリル、ポリウレタン等のポリエステル以外の素材と複合する場合、熱セットに必要な温度をポリエステル以外の素材の物性が低下しない程度に抑えることが可能となる。また、ポリエステル繊維の単独使いにおいても、一般的な現行ニット用設備に対応が可能となり用途拡大が期待できる。
ジカルボン酸成分中の脂肪族ジカルボン酸成分(C)の共重合量が3.0モル%未満では、常圧環境下での染色性が不足する傾向がある。染色性を上げるために染色条件を高温高圧としなければならず、そのため消臭性能を維持することができず、染色性と消臭性能を兼備させることができない。また、ジカルボン酸成分中の脂肪族ジカルボン酸成分(C)の共重合量が7.0モル%を超えた場合、満足とする消臭性能が得られず、染着率は高くなるものの、延伸を伴わない高速紡糸手法で製糸を行った場合には繊維内部における非晶部位の配向度が低くなり、安定な繊維物性や、高速捲取中での顕著な自発伸長により安定な高速紡糸性を得ることができない。
本発明の脂肪族ジカルボン酸成分(C)として好ましく用いられるものとしては、アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸が例示できる。これらは単独又は2種類以上を併用することもできる。
本発明におけるポリエステル繊維の消臭性、常圧可染性、品位を落とすことのない範囲であれば、テレフタル酸成分、シクロヘキサンジカルボン酸成分、及び脂肪族ジカルボン酸成分以外の他のジカルボン酸成分を共重合しても良い。具体的には、イソフタル酸やナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸成分又はそのエステル形成誘導体を単独であるいは複数の種類を合計10.0モル%以下の範囲で共重合化させてもよい。
更に、本発明のポリエステル繊維には、それぞれ、酸化チタン、硫酸バリウム、硫化亜鉛などの艶消剤、リン酸、亜リン酸などの熱安定剤、あるいは光安定剤、酸化防止剤、酸化ケイ素などの表面処理剤などが添加剤として含まれていてもよい。酸化ケイ素を用いることで、得られる繊維は、減量加工後に繊維表面に微細な凹凸を付与することができ、後に織編物にした場合に濃色化が実現される。更に、熱安定剤を用いることで加熱溶融時やその後の熱処理における熱分解を抑制できる。また、光安定剤を用いることで繊維の使用時の耐光性を高めることができ、表面処理剤を用いることで染色性を高めることも可能である。
これら添加剤は、ポリエステル樹脂を重合によって得る際に、重合系内にあらかじめ加えておいても良い。ただし、一般に酸化防止剤などは重合末期に添加するほうが好ましく、特に重合系に悪影響を与える場合や、重合条件下で添加剤が失活する場合はこちらが好ましい。一方、艶消剤、熱安定剤などは重合時に添加するほうが均一に樹脂重合物内に分散しやすいため好ましい。
更にこの他に、繊維の断面形状にも注意を払うことが好ましい。すなわち、通常の繊維は丸断面であるが、より比表面積の大きい繊維となすには異形断面にすることが好ましい。異形断面とすることにより、比表面積が増大するので、消臭性能がさらに向上する。異形断面の具体例としてはT字形、U字形、V字形、H字形、Y字形、W字形、3〜14葉形、多角形等を挙げることができるが、本発明においてはこれらの形状に限定されるものではない。また、中実繊維であっても中空繊維であってもよい。なお、該異形断面繊維は直接紡糸によって製造することもできるが、複合繊維から一成分を溶解・除去して得ることもできる。
本発明のポリエステル樹脂は、固有粘度0.50〜0.7であるが、好ましくは0.55〜0.68、より好ましくは0.58〜0.65である。固有粘度が0.7を上回ると、繊維化時の高速紡糸性が著しく乏しくなる。また、紡糸が可能であり、目標の染着率が得られた場合においても、筒編染色生地で染色斑や筋が発生したり織編物の風合いが劣るなど、得られた織編繊維の表面品位が低下し衣料用として好ましくない。また、固有粘度が0.50を下回ると紡糸中に断糸しやすく生産性が乏しくなるばかりでなく、得られた繊維の強度も低いものとなる。更に、紡糸が可能であり、目標の染着率が得られた場合においても、筒編染色生地で染色斑や筋が発生したり織編物の風合いが劣るなど、得られた織編繊維の表面品位が低下し衣料用として好ましくない。
本発明の製造方法の紡糸工程において、ポリエステル樹脂は通常の溶融紡糸装置を用いて口金より紡出する。また、口金の形状や大きさによって、得られる繊維の断面形状や径を任意に設定することが可能である。
次に、本発明のポリエステル樹脂は、例えば単軸押出機や二軸押出機を用いて溶融混練する。溶融混練する際の温度は、スルホイソフタル酸の金属塩(A)、およびシクロヘキサンジカルボン酸及び/又はそのエステル形成性誘導体(B)、脂肪族ジカルボン酸及びそのエステル形成性誘導体(C)の共重合量によって異なるが、斑なく安定に溶融混練し且つ安定な製糸性や品位を得るためには、ポリマーの融点から30〜60℃高い温度範囲で溶融押出するのが好ましく、20〜50℃高い温度範囲とすることがより好ましい。
更に、混練設備を通過してから紡糸頭に至るまでの間の溶融温度についても、スルホイソフタル酸の金属塩(A)、およびシクロヘキサンジカルボン酸及び/又はそのエステル形成性誘導体(B)、脂肪族ジカルボン酸及びそのエステル形成性誘導体(C)の共重合量によって異なるため一概に特定はできないが、溶融斑なく安定な状態で紡出させ、且つ安定な製糸性や品位を得るためには、ポリマーの融点から30〜60℃高い温度範囲で溶融押出するのが好ましく、20〜50℃高い温度範囲とすることがより好ましい。
そして、上記によって溶融紡出したポリエステル繊維を、一旦そのガラス転移温度以下の温度、好ましくはガラス転移温度よりも10℃以上低い温度に冷却する。この場合の冷却方法や冷却装置としては、紡出したポリエステル繊維をそのガラス転移温度以下に冷却できる方法や装置であればいずれでもよく特に制限されないが、紡糸口金の下に冷却風吹き付け筒などの冷却風吹き付け装置を設けておいて、紡出されてきたポリエステル繊維に冷却風を吹き付けてガラス転移温度以下に冷却するのが好ましい。その際に冷却風の温度や湿度、冷却風の吹き付け速度、紡出糸条に対する冷却風の吹き付け角度などの冷却条件も特に制限されず、口金から紡出されてきたポリエステル繊維を繊維の揺れなどを生じないようにしながら速やかに且つ均一にガラス転移温度以下にまで冷却できる条件であればいずれでもよい。そのうちでも、冷却風の温度を20℃〜30℃、冷却風の湿度を20%〜60%、冷却風の吹き付け速度を0.4〜1.0m/秒として、紡出繊維に対する冷却風の吹き付け方向を紡出方向に対して垂直にして紡出したポリエステル繊維の冷却を行うのが、高品質のポリエステル繊維を円滑に得ることができるので好ましい。また、冷却風吹き付け筒を用いて前記の条件下で冷却を行う場合は、紡糸口金の直下にやや間隔を空けてまたは間隔を空けないで、長さが約80〜120cm程度の冷却風吹き付け筒を配置するのが好ましい。
次に、より効率的な生産性で且つ安定した品位の延伸糸を得る方法として、紡出後に一旦ガラス転移温度以下に糸条を冷却した後、引き続いてそのまま直接加熱帯域、具体的にはチューブ型加熱筒などの装置内を走行させて延伸熱処理し給油後に3500〜5500m/分の速度で捲取ることで延伸糸を得ることができる。加熱工程における加熱温度は延伸しやすい温度、すなわちガラス転移温度以上で融点以下の温度が必要であり、具体的にはガラス転移温度よりも30℃以上高いことが好ましく、50℃以上高いことがより好ましい。また融点よりも20℃以上低いことが好ましく、30℃以上低いことがより好ましい。これにより、冷却工程においてガラス転移温度以下に冷えた糸条が加熱装置で加熱されることで分子運動を促進活発化し延伸を行う。
油剤は加熱装置による延伸処理工程通過後に付与する。これにより油剤による延伸断糸が少なくなる。油剤としては通常ポリエステルの紡糸に用いられるものであれば制限はない。給油方法としてはギヤポンプ方式によるオイリングノズル給油またはオイリングローラー給油のいずれでもよい。ただし、紡糸速度が高速化するにつれて前者の方式の方が糸条に斑無く、安定した油剤付着が可能である。油剤の付着量については特に制限はなく、断糸や原糸毛羽の抑制効果と織編物の工程に適した範囲であれば適宜調節しても良い。
そのうちでも、油剤の付着量を0.3〜2.0%とすることが高品質のポリエステル繊維を円滑に得ることができるので好ましく、0.3〜1.0%とすることがより好ましい。
そして、上述した一連の工程からなる延伸したポリエステル繊維を、3500〜5500m/分で引き取ることが必要であり、引き取り速度4000〜5000m/分であることが撚り好ましい。ポリエステル繊維の引き取り速度が3500m/分未満の場合は生産性が低下し、また加熱帯域において繊維の延伸が十分に行われなくなり、得られるポリエステル繊維の機械的物性が低下する。引き取り速度が5500m/分を超えた場合は安定な高速紡糸性が得られにくく、また加熱帯域において繊維の延伸が十分に行われなくなり、得られるポリエステル繊維の機械的物性が低下する。
本発明で得られるポリエステル繊維のカチオン染料及び分散染料の染着率は、90℃での染着率が90%以上であり、且つ95℃での染着率が95%以上である必要がある。これらの染着率を下回ると、中〜低分子量染料(SE〜Eタイプ)の易染性染料においても十分な染着率が得られないため一般衣料用途としては好ましくなく、更にウール、綿、アクリル、ポリウレタンなど、ポリエステル以外の素材と交編、交織しても、常圧環境下で十分な染色性を得ることが困難となる。
本発明のポリエステル繊維は、上記製造方法による延伸糸に限られるものではなく、最終製品に求められる品質や良好な工程通過性を確保するために、最適な紡糸手法を選択することができる。より具体的には、スピンドロー方式や、紡糸原糸を採取した後に別工程で延伸を行う2−Step方式、また延伸を行わず非延伸糸のまま引き取り速度が2000m/分以上の速度で捲取る方式においても、任意の糸加工工程を通過させた後に製品化することで、良好な常圧可染性品位を有するポリエステル製品を得ることができる。
以下、実施例によって本発明を詳しく説明するが、これらは本発明を限定するものでない。なお、ジカルボン酸、グリコール成分共重合量、ポリエステル樹脂のガラス転移温度、融点、固有粘度、本発明で得られる繊維の消臭率、染着率、K/S、繊度、繊維の各物性の評価は以下の方法に従った。
<ジカルボン酸、グリコール成分共重合量>
共重合量は、該ポリエステル繊維を重トリクロロ酢酸溶媒中に5.0wt%/volの濃度で溶解し、50℃で500MHz H−NMR(日本電子製核磁気共鳴装置LA−500)装置を用いて測定した。
<固有粘度>
溶媒としてフェノール/テトラクロロエタン(体積比1/1)混合溶媒を用い30℃でウベローデ型粘度計(林製作所製HRK−3型)を用いて測定した。
<消臭率>
15cmに静置したテドラーバッグ(容積3リットル)に試料3gを入れて密封し、ついでシリンジを用いて所定の濃度の臭気成分を含む空気を、全ガス量3リットルとなるようにテドラーバッグ内に注入した。該注入ガスはアンモニア40ppm、酢酸40ppm、であった。ガスを注入して特定時間経過後にテドラーバッグ内のガスをマイクロシリンジでサンプリングし、酢酸のガス濃度をガスクロマトグラフィ(島津製作所社製GC−7A型)にて測定し、臭気成分の除去率を下記式により算出した。アンモニアはガス検知管(北川社製、アンモニア用)を用い、直接テドラーバッグ内のガス濃度を測定し、臭気成分の除去率を算出した。なお試料は95℃で染色した筒編地あるいは110℃で染色した筒編地を用いた。
除去率(%)=〔(C―C)/C〕×100
:初期ガス濃度
C :時間後のガス濃度
<染色及び染着率>
得られた繊維の筒編地を精練した後、以下の条件で染色し、還元洗浄をした後、染着率を求めた。
(カチオン染色)
染料:Cathilon Red CD-FGLH 3.0%omf
助剤:Na2SO4 10.0%、CH3COONa 0.5%、CH3COOH(50%)
浴比1:50
染色温度×時間:90℃〜110℃×40分
(分散染色)
染料:Dianix NavyBlue SPH conc5.0%omf
助剤:Disper TL:1.0cc/l、ULTRA MT−N2:1.0cc/l
浴比:1/50
染色温度×時間:90〜95℃×40分
(還元洗浄)
水酸化ナトリウム:1.0g/L
ハイドロサルファイトナトリウム:1.0g/L
アミラジンD:1.0g/L
浴比:1/50
還元洗浄温度×時間:80℃×20分
(染着率)
染色前の原液及び染色後の残液をそれぞれアセトン水(アセトン/水=1/1混合溶液)で任意の同一倍率に希釈し、各々の吸光度を測定した後に、以下に示す式から染着率を求めた。
吸光度測定器:分光光度計 HITACHI
HITACHI Model 100−40
Spectrophotometer
染着率=(A−B)/A×100(%)
ここで、A及びBはそれぞれ以下を示す。
A:原液(アセトン水希釈溶液)吸光度
B:染色残液(アセトン水希釈溶液)吸光度
<染着濃度(K/S)>
染着濃度は、染色後サンプル編地の最大吸収波長における反射率Rを測定し、以下に示すKubelka−Munkの式から求めた。
分光反射率測定器:分光光度計 HITACHI
C−2000S Color Analyzer
K/S=(1−R) /2R
<繊度>
JIS L−1013の測定方法に準拠して測定した。
<紡糸性>
以下の基準に従って紡糸性評価を行った。
◎:24hrの連続紡糸を行い、紡糸時の断糸が何ら発生せず、しかも得られたポリエステル繊維には毛羽・ループが全く発生していないなど、紡糸性が極めて良好である
○:24hrの連続紡糸を行い、紡糸時の断糸が1回以下の頻度で発生し、得られたポリエステル繊維に毛羽・ループが全く発生していないか、あるいは僅かに発生したものの、紡糸性がほぼ良好である
△:24hrの連続紡糸を行い、紡糸時の断糸が3回まで発生し、紡糸性が不良である
×:24hrの連続紡糸を行い、紡糸時の断糸が3回よりも多く発生し、紡糸性が極めて不良である
(実施例1)
ジカルボン酸成分のうち88.3モル%がテレフタル酸であり、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を1.7モル%、且つ1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を5.0モル%、アジピン酸を5.0モル%それぞれ含んだ全カルボン酸成分とエチレングリコール、及び所定の添加剤とでエステル交換反応及び重縮合反応を行い、本発明のポリエステル樹脂重合物を得た。この原料を基に、孔数24個(断面形状が5葉型)の口金を用いて紡糸温度260℃、単孔吐出量=1.57g/分で紡出し、温度25℃、湿度60%の冷却風を0.5m/秒の速度で紡出糸条に吹付け糸条を60℃以下にした後、紡糸口金下方1.2mの位置に設置した長さ1.0m、入口ガイド系8mm、出口ガイド系10mm、内径30mmφチューブヒーター(内温185℃)に導入してチューブヒーター内で延伸した後、チューブヒーターから出てきた糸条にオイリングノズルで給油し2個の引き取りローラーを介して3500m/分の速度で捲取り、84T/24fのポリエステルフィラメントを得た。その時の製糸化条件と紡糸性、及び得られた繊維の消臭性能の結果を表1に示した。本発明の製造方法で得られたポリエステル繊維の染着率は、90℃で93%、95℃で96%、K/S=29と良好な常圧可染性を示した。
(実施例2〜10)
ポリエステル樹脂のカチオン可染成分と1,4−シクロヘキサンジカルボン酸及び脂肪族ジカルボン酸、またイソフタル酸の共重合成分および共重合量、あるいは断面形状を変更した以外は実施例1と同様にして共重合物を得た。更に、この重合物を実施例1と同様の手法で紡糸して84T/24fのポリエステルフィラメントを得た。得られた繊維の物性を表1に示した。いずれも良好な紡糸性、消臭性、常圧可染性(染着率、K/S)であり、何ら問題のない品質であった。
(比較例1〜10)
ポリエステル樹脂のカチオン可染成分(A)、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(B)及び脂肪族ジカルボン酸(C)としてアジピン酸のいずれかの共重合量を変更した以外は実施例1と同様にして共重合物を得た。更に、この重合物を実施例1と同様の手法で紡糸して84T/24fのポリエステルフィラメントを得た。
比較例1では、アジピン酸成分を共重合していないため消臭率、染着率、染着濃度が不十分であった。そのため染色性を上げるため、染色温度を110℃に上げたところ染着率、染着濃度は向上したが、消臭率は低下した。
比較例2では、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を共重合していないため消臭率、染着率、染着濃度が不十分であった。そのため染色性を上げるため、染色温度を110℃に上げたところ染着率、染着濃度は向上したが、消臭率は低下した。
比較例3では、5−ナトリウムスルホイソフタル酸の共重合量が多いため、紡糸性に劣る結果となった。
比較例4では、5−ナトリウムスルホイソフタル酸の共重合量が少ないため消臭率、染着率、染着濃度が不十分であった。そのため染色性を上げるため、染色温度を110℃に上げたところ染着率、染着濃度は向上したが、消臭率(酢酸ガス)は低下した。
比較例5では、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の共重合量を15.0モル%とし、テレフタル酸の共重合量を78.3モル%とした。紡糸性に劣り、満足する繊維が得られなかった。
比較例6では、アジピン酸の共重合量が多いため紡糸性が劣り、満足する繊維が得られなかった。
比較例7では、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の共重合量が少ないため消臭率が不十分であった。
比較例8では、アジピン酸の共重合量が少ないため消臭率が不十分であった。
比較例9では、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の共重合量が多いため染着率、染着濃度は十分であったが、消臭率が劣るものとなった。
比較例10では、アジピン酸の共重合量が多いため染着率、染着濃度は十分であったが、消臭率が劣るものとなった。
Figure 0006005420
本発明のポリエステル繊維は染色性と消臭性能を兼ね備えているので、衣料用素材のみならず生活資材素材として有用である。

Claims (2)

  1. カチオン染料及び分散染料に対して濃色性を示すポリエステル樹脂からなる繊維であって、該ポリエステル樹脂はジカルボン酸成分とグリコール成分からなる共重合体ポリエステルであり、かつ少なくとも3種の共重合成分からなり、ジカルボン酸成分のうち75モル%以上がテレフタル酸及び/又はそのエステル形成性誘導体であり、共重合成分として下記化学式(I)で表される化合物(A)を1.0モル%〜3.5モル%、(B)としてシクロヘキサンジカルボン酸及び/又はそのエステル形成性誘導体を3.0モル%〜7.0モル%、および(C)として脂肪族ジカルボン酸及びそのエステル形成性誘導体を3.0モル%〜7.0モル%を共重合してなり、窒素系化合物の消臭率が80%以上、カルボン酸系化合物の消臭率が80%以上であることを特徴とするポリエステル繊維。
    Figure 0006005420
  2. 繊維の断面形状が、丸断面、または異形断面である請求項1に記載のポリエステル繊維
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