JP6005208B2 - 遠隔制御システム、電気機器、および、プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、住居内の電気機器を遠隔制御するための技術に関する。
家庭内の電気機器をネットワークに接続し、コントローラを用いて統合的に管理するHEMS(Home Energy Management System)等のシステムが知られている。このようなシステムでは、コントローラを操作したり、携帯電話等の端末装置からコントローラに指示を送信することにより、電気機器を遠隔操作することができる。しかしながら、電気機器を遠隔操作する際、操作される電気機器の状態や周囲の状況はユーザには不明であるため、安全面で課題がある。
この課題に対し、例えば、特許文献1には、携帯端末から建物内の被操作装置を遠隔操作する際に、建物内を撮影した画像を携帯端末に送信するシステムについて記載されている。このシステムでは、携帯端末のユーザは、受信した画像から被操作装置の周囲の状況を確認することができる。
特開2006−93782号公報
特許文献1に記載のシステムでは、遠隔操作時に受信した建物内の画像から、被操作装置が安全に遠隔操作できる状況にあるか否かをユーザ自身が判断しなければならない。このため、ユーザの判断に誤りがあったり、ユーザが携帯端末を誤作動してしまった場合、周囲が危険な状況であるにもかかわらず、被操作装置が遠隔操作されてしまう虞がある。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、従来よりも安全な遠隔操作を可能にする遠隔制御システム、電気機器、および、プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の遠隔制御システムは、
コントローラと、該コントローラとネットワークを介して接続された電気機器と、を備えた遠隔制御システムであって、
前記コントローラは、
端末装置から受信した前記電気機器に対する遠隔操作の内容を含んだ遠隔操作指示データに基づいて、前記電気機器を制御するための制御信号を生成し、前記電気機器に送信する制御信号送信手段を備え、
前記電気機器は、
傾きを検知するセンサと、
前記センサの検知結果に基づいて、安全に遠隔操作できるか否かを判別する安全判別手段と、
前記コントローラから前記制御信号を受信した際に、前記安全判別手段が安全に遠隔操作できると判別している場合は前記制御信号による処理を実行し、安全に遠隔操作できないと判別している場合は前記制御信号による処理を実行しない制御手段と、を備える、
ことを特徴とする。
本発明によれば、従来よりも安全な遠隔操作が可能となる。
本発明の各実施形態に係る遠隔制御システムの構成を示す図である。 端末装置の構成を示すブロック図である。 コントローラの構成を示すブロック図である。 電気機器の構成を示すブロック図である。 実施形態1における遠隔制御処理の動作を説明するためのフローチャートである。 (A)は、遠隔操作が完了した際に端末装置の表示部に表示される画面の例、(B)は、遠隔操作が実施されなかった際に端末装置の表示部に表示される画面の例を示す図である。 実施形態2におけるコントローラの構成を示すブロック図である。 機器DBの構成例を示す図である。 安全状態判別処理の動作を説明するためのフローチャートである。 実施形態2における遠隔制御処理の動作を説明するためのフローチャートである。 実施形態3におけるコントローラの構成を示すブロック図である。 承認操作定義テーブルの構成例を示す図である。 実施形態3における遠隔制御処理の動作を説明するためのフローチャートである。 遠隔操作の承認を求めるための画面の例を示す図である。
以下、本発明の各実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付す。
≪実施形態1≫
図1は、本発明の実施形態1に係る遠隔制御システム1の全体構成を示す図である。この遠隔制御システム1は、端末装置2と、コントローラ3と、一般家庭における住居8内で使用される複数の電気機器5A,5B,5C,…(それぞれを区別しない場合は、電気機器5と表記する)と、を備える。コントローラ3と各電気機器5とは、宅内ネットワーク4により、通信可能に接続されている。宅内ネットワーク4は、例えば、ECHONETに準じたネットワークである。
端末装置2は、例えば、スマートフォン等の携帯端末である。図1に示すように、端末装置2は、住居8の内外で利用される。端末装置2は、図2に示すように、通信部21と、表示部22と、入力部23と、データ記憶部24と、制御部25と、を備える。
通信部21は、所定の無線通信インタフェースで構成され、制御部25の制御の下、コントローラ3と所定の無線通信方式に則ったデータ通信を行う。例えば、端末装置2が住居8内にある場合、通信部は、ブルートゥース等の通信プロトコルに従って、コントローラ3とデータ通信を行う。また、端末装置2が住居8外にある場合、通信部21は、インターネット等の外部ネットワーク9を介して、コントローラ3とデータ通信を行う。
表示部22は、液晶表示器等で構成され、制御部25の制御の下、各電気機器5を遠隔操作するためのユーザ操作用の画面等を表示する。
入力部23は、タッチパネル、タッチパッド等から構成され、ユーザからの操作入力を受け付ける処理を行う。例えば、タッチパネルを採用する場合、静電容量の変化を検出する透明な平板状の静電容量センサが、液晶表示器に重ねて実装される。この静電容量センサにより、ユーザの指先や専用のペン等によるタッチ面(ユーザにとっては液晶表示器の表示画面)の接触(押圧)が検出されると、その位置の情報(座標データ)が制御部25に出力される。制御部25は、その位置情報に基づいて、ユーザの操作内容を判別する。ユーザが入力部23を介して入力操作を行うと、その操作内容に応じた信号が制御部25に出力される。
データ記憶部24は、いわゆる二次記憶装置(補助記憶装置)としての役割を担い、例えば、フラッシュメモリ等の読み書き可能な不揮発性の半導体メモリ等で構成される。データ記憶部24は、遠隔操作可能な電気機器5の一覧、各電気機器5の操作内容の一覧等のデータや、各電気機器5の運転状態を示すデータ等を記憶する。また、データ記憶部24は、遠隔操作に係るプログラムを含む各種の制御プログラムや各プログラム実行時に使用される各種のテーブル等も記憶する。
制御部25は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等(何れも図示せず)から構成され、当該端末装置2全体の制御を行う。制御部25は、データ記憶部24に記憶されている各プログラムに応じて、各部を制御し、所定の処理を実行する。
図1に戻り、コントローラ3は、住居8内の所定の場所に設置され、宅内ネットワーク4を介して、各電気機器5を管理する。また、コントローラ3は、近距離無線ネットワークや外部ネットワーク9を介して、端末装置2と接続される。コントローラ3は、端末装置2からの指示に応じた制御信号を電気機器5に送信することにより、電気機器5の運転を制御する。
コントローラ3は、図3に示すように、端末通信部31と、機器通信部32と、表示部33と、入力部34と、データ記憶部35と、制御部36と、を備える。
端末通信部31は、無線通信インタフェースを備え、制御部36の制御の下、外部ネットワーク9や近距離無線ネットワークを介して、住居8内外の端末装置2とデータ通信を行う。機器通信部32は、例えば、LANカード等の通信インタフェースを備え、宅内ネットワーク4に有線又は無線にて通信可能に接続し、制御部36の制御の下、各電気機器5とデータ通信を行う。
表示部33は、液晶表示器等で構成され、制御部36の制御の下、ユーザ操作用の各種画面を表示する。
入力部34は、タッチパネル、タッチパッド等から構成され、ユーザからの操作入力を受け付ける。例えば、入力部34は、ユーザから、電気機器5を操作するための操作指示データを受け付ける。
データ記憶部35は、いわゆる二次記憶装置(補助記憶装置)としての役割を担い、例えば、フラッシュメモリ等の読み書き可能な不揮発性の半導体メモリ等で構成される。データ記憶部35は、電気機器5と通信するためのプログラムや各種データを記憶する。
制御部36は、CPU、ROM、RAM等(何れも図示せず)から構成され、コントローラ3全体の制御を行う。
図1に戻り、電気機器5は、住居8内で使用されるエアコン、照明機器、炊飯器、IH調理器、除湿機等の機器であり、商用電源6からの電力を供給する電力線7に接続されている。電気機器5は、図4に示すように、電気機器5の本来の機能(例えば、エアコンであれば空調機能、照明機器であれば照明機能)を実現するための主機能部(図示せず)の他に、通信部51と、環境取得部52と、データ記憶部53と、制御部54と、を備える。
通信部51は、宅内ネットワーク4を介してコントローラ3と通信するための通信インタフェースである。
環境取得部52は、熱センサ、傾きセンサ、人感センサ、光センサ、カメラ等のセンサを備え、自身を備える電気機器5の周囲の環境を示す環境情報を取得する。なお、電気機器5の種類に応じて、環境取得部52の備えるセンサの種類を適宜変更してもよい。例えば、IH調理器等の高熱を発する電気機器5の場合、環境取得部52は熱センサを必須の構成とするのが望ましいが、テレビ等の電気機器5の場合、環境取得部52は熱センサを備えなくてもよい。
データ記憶部53は、いわゆる二次記憶装置(補助記憶装置)としての役割を担い、例えば、フラッシュメモリ等の読み書き可能な不揮発性の半導体メモリ等で構成される。
制御部54は、CPU、RAM、ROM等を備え、上述した各部を制御する。また、制御部54は、コントローラ3から遠隔操作するための制御信号を受信した際に、環境取得部52が取得した環境情報に基づいて、電気機器5を安全に遠隔操作できるか否かを判別する。そして、電気機器5を安全に遠隔操作することができると判別した場合、制御部54は、この制御信号に基づいた処理を実行する。一方、安全に遠隔操作することができないと判別した場合、制御部54は当該処理を実行しない。
(遠隔制御処理)
続いて、上記のように構成した遠隔制御システム1において、端末装置2から電気機器5を遠隔制御する際の動作について、図5のフローチャートを参照して説明する。
ユーザは、端末装置2の入力部23を操作して、操作対象とする電気機器5とその電気機器5に対する操作内容とを指定する。端末装置2の制御部25は、この指示に応答して、指定されている操作対象の電気機器5を示す情報(例えば、機器ID)と、指定されている操作内容とを含む遠隔操作指示データを生成し、通信部21を介して、コントローラ3に送信する(ステップS101)。
コントローラ3の端末通信部31が遠隔操作指示データを受信すると、制御部36は、受信した遠隔操作指示データによって示される操作内容に基づいて、操作対象の電気機器5を制御するための制御信号を生成し、生成した制御信号を操作対象の電気機器5宛に送信する(ステップS102)。
コントローラ3からの制御信号を受信すると、電気機器5の制御部54は、環境取得部52から現在の電気機器5の温度や周囲の画像データ等の環境情報を取得する。そして、制御部54は、取得した環境情報に基づいて、電気機器5を安全に遠隔操作できるか否かを判別する(ステップS103)。具体的には、制御部54は、取得した環境情報が、当該環境情報に対応して予め設定された、安全性を確保するための条件を満たしているか否かを確認することにより、上記判別を行えばよい。
例えば、環境情報として電気機器5の周囲の温度を取得した場合、制御部54は、温度が45℃以下である場合に、安全に遠隔操作できると判別すればよい。
また、環境情報として電気機器5の傾きを取得した場合、制御部54は、傾きが所定範囲内である場合(水平である場合)に、安全に遠隔操作できると判別すればよい。
また、環境情報として周囲の画像データを取得した場合、制御部54は、この画像データを解析して、電気機器5の周囲に所定サイズ以上の異物がないことを確認し、異物がない場合、当該電気機器5は安全に遠隔操作することができると判別すればよい。なお、異物の有無の判別は、例えば、当該電気機器5の通常の使用状態での画像を予めデータ記憶部53に記憶しておき、今回撮像された画像との差分を検出することにより行えばよい。
安全に遠隔操作できると判別した場合(ステップS103;Yes)、制御部54は、受信した制御信号に応じた処理を電気機器5の図示せぬ主機能部に実行させる(ステップS104)。そして、制御部54は、遠隔操作が完了したことを示すデータ(遠隔操作完了データ)をコントローラ3に送信する(ステップS105)。コントローラ3の制御部36は、電気機器5から受信した遠隔操作完了データを端末通信部31を介して、遠隔操作指示データの送信元である端末装置2に送信する(ステップS106)。コントローラ3からの遠隔操作完了データを受信すると、端末装置2の制御部25は、ユーザに対して、指定した電気機器5に対する遠隔操作が完了したことを報知する(ステップS107)。例えば、制御部25は、図6(A)に示すような画面を表示部22に表示する。
図5に戻り、一方、安全に遠隔操作できないと判別した場合(ステップS103;No)、電気機器5の制御部54は、受信した制御信号に応じた処理を実行せずに、遠隔操作ができないことを示すデータ(遠隔操作不可データ)をコントローラ3に送信する(ステップS108)。なお、遠隔操作不可データには、取得した電気機器5の環境情報を含めることとする。そして、コントローラ3の制御部36は、電気機器5から受信した遠隔操作不可データを端末通信部31を介して、遠隔操作指示データの送信元である端末装置2に送信する(ステップS109)。コントローラ3からの遠隔操作不可データを受信すると、端末装置2の制御部25は、ユーザに対して、指定した電気機器5に対する所望の遠隔操作が実施されなかったことを報知する(ステップS110)。例えば、制御部25は、図6(B)に示すような画面を、表示部33に表示する。以上で遠隔制御処理は終了する。
このように、本実施形態によれば、遠隔操作の対象となる電気機器5が環境情報を取得し、当該電気機器5を安全に遠隔操作できるか否かを判別する。そして、安全に遠隔操作できないと判別した場合、電気機器5は、コントローラ3から受信した制御信号による処理を実行しない。従って、遠隔操作の対象となる電気機器5自身が安全性を判別するため、従来よりも、より安全が確保された遠隔制御が実現できる。
また、本実施形態によれば、周囲が安全でなく遠隔操作されなかった場合は、端末装置2にその旨が報知される。従って、ユーザに有益な情報を提供することが可能となる。
なお、本実施形態では、電気機器5の制御部54は、環境取得部52が取得した環境情報に基づいて、電気機器5を安全に遠隔操作できるか否かを判別した。しかしながら、制御部54は、電気機器5を安全に遠隔制御できるか否かを様々な手法により判別することが可能である。例えば、制御部54は、電気機器5の運転状態や電流波形等から異常を検出し、異常がある場合は安全に遠隔制御できないと判別してもよい。
また、本実施形態では、制御部54は、電気機器5を安全に遠隔制御できないと判別した場合、受信した制御信号による一切の制御を行わなかった。しかし、電気機器5を安全に遠隔制御できないと判別した場合であっても、例えば、制御部54は、端末装置2から要求された操作よりも、電気機器5の能力を低下させる方向の操作に変更して制御を行うようにしてもよい。
≪実施形態2≫
続いて、本発明の実施形態2に係る遠隔制御システムについて説明する。なお、以下の説明において、実施形態1と共通する構成要素等については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施形態2に係る遠隔制御システム1Aの全体構成は、図1に示すように、実施形態1に係る遠隔制御システム1と実質的に同じである。また、遠隔制御システム1Aは、図7に示すように、コントローラ3のデータ記憶部35が、機器DB351を備える。
機器DB(データベース)351には、遠隔操作の対象となる各電気機器5に関する情報が記憶される。具体的には、図8に示すように、機器DB351には、電気機器5毎に、機器ID、機器名称、安全操作情報、環境情報等が記憶されている。
機器IDは、各電気機器5毎に割り振られた通信上のIDである。機器名称とは、例えば、“エアコン”、”除湿機”、等、電気機器5の一般的な名称・通称を示すものであり、コントローラ3や端末装置2において、電気機器5についての情報を表示する際、ユーザが認識できるようにするために使用される。安全操作情報は、電気機器5を安全に遠隔操作できるか否かを示す情報である。環境情報は、電気機器5の環境取得部52によって取得された当該電気機器5の周辺の環境を示す情報である。
また、実施形態2に係る遠隔制御システム1Aでは、電気機器5の制御部54は、定期的に、自身を安全に遠隔制御できるか否かを判別して、判別結果をコントローラ3に送信する安全状態判別処理を実行する。安全状態判別処理の詳細について、図9のフローチャートを用いて説明する。
(安全状態判別処理)
電気機器5に電源が投入されると、電気機器5の制御部54は、予め設定されている監視周期に対応する時間が経過したか否かを判別する(ステップS201)。
監視周期に対応する時間が経過した場合(ステップS201;Yes)、制御部54は、環境取得部52から現在の環境情報を取得し、取得した環境情報に基づいて、電気機器5を安全に遠隔操作できるか否かを判別する(ステップS202)。なお、この処理は、実施形態1の遠隔制御処理(図7)のステップS103と同様な手法によって行えばよい。
続いて、制御部54は、自身の機器IDと、ステップS202の判別の結果を示す情報と、取得した環境情報と、をコントローラ3に送信する(ステップS203)。コントローラ3の制御部36は、受信した情報に基づいて、機器DB351の内容を更新する。なお、コントローラ3の制御部36は、電気機器5を安全に遠隔操作できないことを示す情報を受信した場合、該情報を受信した環境情報とともに端末装置2に送信し、端末装置2の表示部22に表示してもよい。
続いて、処理はステップS201に戻り、制御部54は、定期的に、当該電気機器5を安全に遠隔操作できるか否かを判別し、判別結果をコントローラ3に送信する処理を繰り返す(ステップS201〜ステップS203)。
(遠隔制御処理)
続いて、実施形態2に係る遠隔制御システム1Aで実施される遠隔制御処理について、図10のフローチャートを参照して説明する。
実施形態1と同様に、ユーザは、端末装置2の入力部23を操作し、制御部25はこの操作に応答して、遠隔操作指示データを生成し、通信部21を介して、コントローラ3に送信する(ステップS301)。
コントローラ3の端末通信部31が遠隔操作指示データを受信すると、制御部36は、機器DB351の安全操作情報を参照して、遠隔操作指示データによって示されている操作対象の電気機器5を安全に遠隔操作できるか否かを判別する(ステップS302)。
安全に遠隔操作できると判別した場合(ステップS302;Yes)、制御部36は、受信した遠隔操作指示データによって示される操作内容に基づいて、電気機器5を制御するための制御信号を生成し、生成した制御信号を操作対象の電気機器5宛に送信する(ステップS303)。そして、電気機器5の制御部54は、実施形態1における機器制御処理のステップS104,ステップS105と同様に、受信した制御信号に応じた処理を電気機器5の図示せぬ主機能部に実行させ(ステップS304)、遠隔操作完了データをコントローラ3に送信する(ステップS305)。そして、実施形態1における機器制御処理のステップS106,ステップS107と同様に、コントローラ3の制御部36は、受信した遠隔操作完了データを遠隔操作指示データの送信元である端末装置2に送信し(ステップS306)、端末装置2の制御部25は、指定した電気機器5に対する所望の遠隔操作が完了したことを報知する画面を表示部22に表示する(ステップS307)。
一方、安全に遠隔操作できないと判別した場合(ステップS302;No)、コントローラ3の制御部36は、制御信号の生成や送信を行わず、遠隔操作ができないことを示すデータ(遠隔操作不可データ)を遠隔操作指示データの送信元である端末装置2に送信する(ステップS308)。遠隔操作不可データを受信すると、端末装置2の制御部25は、ユーザに対して、指定した電気機器5に対する所望の遠隔操作が実施されなかったことを報知する画面を表示部33に表示する(ステップS309)。
以上説明したように、本発明の実施形態2に係る遠隔制御システム1Aでは、コントローラ3が、定期的に、安全に遠隔操作できるか否かを示す情報を各電気機器5から受信して保持している。そして、端末装置2から遠隔操作の指示を受信した際に、コントローラ3は、電気機器5を安全に遠隔操作できるか否かを判別し、安全に遠隔操作できない場合は、操作対象の電気機器5に対して制御信号を送信しない。このため、より強固に安全性の確保が図れる。また、コントローラ3は、安全に遠隔操作できない場合は、その旨を直ちに端末装置2に伝える。従って、ユーザは、遠隔操作できない旨をより早く認識することができ、利便性も向上させることができる。
≪実施形態3≫
続いて、本発明の実施形態3に係る遠隔制御システムについて説明する。なお、以下の説明において、実施形態1,2と共通する構成要素等については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施形態1,2では、取得した電気機器5の周囲の環境情報が、当該環境情報に対応して予め設定された、安全性を確保するための条件を満たしているか否かを確認することにより、当該電気機器5を安全に遠隔操作できるか否かを判別した。従って、取得した環境情報が、この条件をかろうじて満たしているような場合であっても、安全と判断されてしまうため、条件の取り方によっては遠隔操作時の安全性を十分に確保できない虞があった。一方、この条件を厳しく設定すれば、高い安全性を確保することはできるが、ほとんどの電気機器5で遠隔操作ができなくなってしまうなど、ユーザの利便性が低下してしまう虞があった。実施形態3では、ユーザの利便性を維持しつつ、さらに高い安全性を確保した遠隔操作を実現することを特徴とする。
実施形態3に係る遠隔制御システム1Bの全体構成は、図1に示すように、実施形態1,2に係る遠隔制御システム1,1Aと実質的に同じである。遠隔制御システム1Bは、図11に示すように、コントローラ3のデータ記憶部35が、承認操作定義テーブル352をさらに備える。
承認操作定義テーブル352には、ユーザからの承認が必要な遠隔操作が定義されたテーブルである。例えば、図12に示すように、承認操作定義テーブル352には、周囲の環境の条件を示す環境条件情報と、該環境条件情報が示す条件下でユーザからの承認があれば実行してもよい電気機器5を特定する情報(機器ID、機器名称)及びその操作内容とが対応付けられて登録されている。例えば、この図の先頭のエントリから、周囲の温度が40〜45℃である場合、ユーザからの承認が得られれば、エアコンの運転を開始する遠隔操作が可能であることがわかる。
(遠隔制御処理)
続いて、実施形態3に係る遠隔制御システム1Bで実施される遠隔制御処理について説明する。この遠隔制御処理では、図10に示すフローチャートのステップS302でYesと判別された際に、図13に示す処理が行われる以外は、図10に示すフローチャートと実質的に同じステップが実行される。従って、既に説明したステップについては適宜簡略化して説明する。
端末装置2の制御部25は、遠隔操作指示データを生成・送信し(図10、ステップS301)、コントローラ3の制御部36は、遠隔操作指示データによって示されている操作対象の電気機器5を安全に遠隔操作できるか否かを判別する(ステップS302)。例えば、制御部36は、操作対象の電気機器5の周囲の温度が45℃未満である場合に、安全に遠隔操作できると判別すればよい。そして、安全に遠隔操作できると判別した場合(ステップS302;Yes)、コントローラ3の制御部36は、機器DB351と承認操作定義テーブル352とを参照して、受信した遠隔操作指示データによって示されている操作が、ユーザからの承認が必要な操作であるか否かを判別する(図13のステップS401)。具体的には、制御部36は、受信した遠隔操作指示データによって示されている電気機器5に対する操作が承認操作定義テーブル352に登録されており、且つ、当該操作に対応する環境条件情報が示す環境条件に、当該電気機器5の環境情報が合致する場合に、承認が必要な操作であると判別すればよい。
ユーザからの承認が必要でないと判別した場合(ステップS401;No)、図10のステップS303に処理は移り、制御部36は、制御信号を生成して電気機器5に送信する。そして、電気機器5で制御信号に応じた処理が実行され、端末装置2で操作が完了したことが報知される(ステップS304〜ステップS307)。
一方、ユーザからの承認が必要な操作であると判別した場合(ステップS401;Yes)、制御部36は、遠隔操作指示データの送信元である端末装置2に、操作に対する承認を要求するための承認要求データを送信する(ステップS402)。なお、この承認要求データには、機器DB351に保存されている操作対象の電気機器5の環境情報を含める。
承認要求データを受信すると、端末装置2の制御部25は、図14に示すような、操作に対する承認を受け付けるための画面を表示部22に表示させる。ユーザは、入力部23を介して、承認するための操作(この例では、「承認する」ボタンのクリック)をすると、制御部25は、操作を承認したことを示す承認データをコントローラ3に送信する。図13に戻り、コントローラ3では、承認要求データを送信してから所定時間以内(例えば、5分以内)に承認データを受信すると(ステップS403;Yes)、図10のステップS303に処理は移り、制御部36は、制御信号を生成して電気機器5に送信する。そして、電気機器5で制御信号に応じた処理が実行され、端末装置2で操作が完了したことが報知される(ステップS304〜ステップS307)。
図13に戻り、一方、承認要求データを送信してから所定時間以内に承認データを受信しなかった場合(ステップS403;No)、図10のステップS308に処理は移り、制御部36は、制御信号の生成や送信を行わず、遠隔操作不可データを端末装置2に送信する。そして、端末装置2の制御部25は、その旨を報知する(ステップS309)。
以上説明したように、本発明の実施形態3に係る遠隔制御システム1Bでは、予め設定された、安全性を確保するための条件を満たしている場合であっても、電気機器5の周囲の環境によっては、ユーザの承認を求める。従って、ユーザの利便性を維持しつつ、高い安全性を確保することができる。
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない部分での種々の修正は勿論可能である。
例えば、上記各実施形態では、端末装置2とコントローラ3間は、無線によるデータ通信を行っていたが、所定の通信線を介した有線によるデータ通信を行うようにしてもよい。
また、端末装置2は、携帯可能な端末装置に限定されない。例えば、住居8の壁等に埋め込まれる等して、所定の場所に固定されていてもよい。
また、ユーザは、端末装置2のみならず、コントローラ3の入力部34を操作して、各電気機器5を遠隔操作することも可能である。また、コントローラ3の表示部33に、遠隔操作が完了したことや、遠隔操作が実施されなかったことを報知する画面や、遠隔操作に対する承認を求めるための画面を表示してもよい。
また、例えば、本発明に係るコントローラ3の動作を規定する動作プログラムを既存のパーソナルコンピュータや情報端末機器等に適用することで、当該パーソナルコンピュータ等を本発明に係るコントローラ3として機能させることも可能である。
また、このようなプログラムの配布方法は任意であり、例えば、CD−ROM(Compact Disk Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto Optical Disk)、メモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布してもよいし、インターネットなどの通信ネットワークを介して配布してもよい。
1,1A,1B 遠隔制御システム、2 端末装置、3 コントローラ、4 宅内ネットワーク、5 電気機器、6 商用電源、7 電力線、8 住居、9 外部ネットワーク、21,51 通信部、31 端末通信部、32 機器通信部、52 環境取得部、22,33 表示部、23,34 入力部、24,35,53 データ記憶部、25,36,54 制御部、351 機器DB、352 承認操作定義テーブル

Claims (5)

  1. コントローラと、該コントローラとネットワークを介して接続された電気機器と、を備えた遠隔制御システムであって、
    前記コントローラは、
    端末装置から受信した前記電気機器に対する遠隔操作の内容を含んだ遠隔操作指示データに基づいて、前記電気機器を制御するための制御信号を生成し、前記電気機器に送信する制御信号送信手段を備え、
    前記電気機器は、
    傾きを検知するセンサと、
    前記センサの検知結果に基づいて、安全に遠隔操作できるか否かを判別する安全判別手段と、
    前記コントローラから前記制御信号を受信した際に、前記安全判別手段が安全に遠隔操作できると判別している場合は前記制御信号による処理を実行し、安全に遠隔操作できないと判別している場合は前記制御信号による処理を実行しない制御手段と、を備える、
    ことを特徴とする遠隔制御システム。
  2. 前記電気機器は、前記安全判別手段が判別した安全に遠隔操作できるか否かを示す安全操作情報を前記コントローラに送信する安全操作情報送信手段をさらに備え、
    前記コントローラの前記制御信号送信手段は、前記遠隔操作指示データで制御対象に指定されている前記電気機器の安全操作情報が安全に遠隔操作できないことを示している場合、前記電気機器に前記制御信号を送信しない、
    ことを特徴とする請求項1に記載の遠隔制御システム。
  3. 前記コントローラは、前記遠隔操作指示データによる遠隔操作が実施されなかった場合に、その旨を報知する報知手段をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遠隔制御システム。
  4. コントローラとネットワークを介して接続される電気機器であって、
    傾きを検知するセンサと、
    前記センサの検知結果に基づいて、安全に遠隔操作できるか否かを判別する安全判別手段と、
    前記コントローラから自身を制御するための制御信号を受信した際に、前記安全判別手段が安全に遠隔操作できると判別している場合は前記制御信号による処理を実行し、安全に遠隔操作できないと判別している場合は前記制御信号による処理を実行しない制御手段と、を備える、
    ことを特徴とする電気機器。
  5. コントローラとネットワークを介して接続され、傾きを検知するセンサを備える電気機器を、
    前記センサの検知結果に基づいて、安全に遠隔操作できるか否かを判別する安全判別手段、
    前記コントローラから自身を制御するための制御信号を受信した際に、前記安全判別手段が安全に遠隔操作できると判別している場合は前記制御信号による処理を実行し、安全に遠隔操作できないと判別している場合は前記制御信号による処理を実行しない制御手段、
    として機能させるプログラム。
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