JP6005122B2 - 複数のテープカートリッジにファイルをスパニングして書込む方法 - Google Patents
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Description
図1は、1つのドライブに対して複数のメディアをロード/アンロードする態様を示している。典型的には、ストレージ・システムは1または2以上のテープドライブを含み、複数のメディアが複数のドライブを使用する。a,b,cメディアの指標を意味するメディアのIDであり、テープライブラリなどのストレージ・システムは、このIDで目的のメディアを特定する。スパニングのために1つのドライブで使用可能で、他のドライブは他の用途に使用されている場合を想定する。1つのドライブに最初のメディアaをロード(マウント)し、ファイルの先頭(最初のファイル部分)を書込む。このドライブはメディアaに、インデックスとしてそのファイルのメタデータを保存する。次にメディアaをアンロード(アンマウント)して。同じドライブに次のメディアbをロードし、ファイルの次のファイル部分を書込む。このドライブはメディアbに、インデックスとしてファイルのメタデータを保存する。次にメディアbをアンロードし、同じドライブに次のメディアcをロードし、ファイルの次のファイル部分を書込む。このドライブはメディアcに、インデックスとしてそのファイルのメタデータを保存する。ここで、1つのファイルのスパニングが完了したことになる。従来のLTFSでは、1つのファイルを複数メディアに書き込む場合に、書き始めの段階において複数メディアに書き込む場合あるとは想定できないので、各メディアは各ファイル部分を独立に保存することになる。
LTFS Format v2.2 では、スパニングファイルと呼ばれる、ファイル“hello_world.txt”を複数のファイル部分 (セグメント) に分割してテープメディア上に保存するフォーマットが策定された。セグメント1にはLTFSファイルの前半部分(Hello)を割当て、セグメント2にはLTFSファイルの後半部分(world!)を割当てている。従来、LTFSでは1つのファイルを複数のテープメディアに跨って保存させることはできなかった。例えばテープメディアの容量を越えるようなファイルサイズのファイルを取り扱えなかった。LTFSのスパニングファイルのサポートにより、1 のファイル “hello_world.txt”を2のセグメントに分割して2つのテープメディアに保存することができるようになった。 “hello_world.txt”のLTFSファイルの前半部分は、セグメント1としてテープAに保存される。“hello_world.txt”のLTFSファイルの後半部分は、セグメント2としてテープBに保存される。
(a)ホストのアプリケーションからのファイルの書込み要求を受取るステップと、
(b)前記要求に応じて、順次受け取る前記ファイルのデータを所定のサイズのセグメントに分割するステップと、
(c)前記ファイルをテープに保存するために、一連の前記セグメントを順次1または複数のテープに書込むステップと、を含み、
(d)前記セグメントの所定のサイズは、前記複数のテープにスパニングされたファイル(スパニングファイル)を他の複数のテープに複製する際の前記他のテープの容量の利用効率及び前記複製の所要時間を基に決定されるステップを更に含む。
(e)複製元の前記テープに書き込まれたスパニングファイルのデータを順次、前記セグメント単位で読み出すステップと、
(f)前記読み出されたセグメントのデータを複製先の複数のテープに順次、前記セグメント単位で書き込みするステップと、
(g)前記(f)のセグメント単位でのデータの書込みステップにおいて、前記複写先の複数のテープの内の第1のテープの記憶容量域の終端までの空き容量が前記セグメントの所定のサイズより小さい場合、前記第1のテープへの書込みできないため、前記セグメントのデータを前記複写先の複数のテープの内の第2のテープに再書き込み(rewrite)するステップと、を含む。
本発明は、複数のストレージにファイルを分割して書込む際に、ファイルのセグメント(ファイルの部分)のサイズを2つの事項を考慮して決定する。第1の事項はセグメントのリライト所要時間である。第2の事項はindexの書き込み所要時間である。これらの2つの事項に基づき、ファイルのセグメントを定めることにより、ストレージの容量の利用効率を損なうことなく、分割して保存されたファイルを格納したストレージの複製の作成を可能にできる。
スパニングファイルを作成する際の複写元テープA及びBと、そのスパニングファイルの複製の際の複写先テープC及びDとの間で、使用されるテープドライブ及び通信回線の状況が異なる。そのためのスパニングファイルの複製を作成する際に、定期的シンク(periodic sync)に起因するindexを書き込むタイミングのばらつきによる index の総容量の変動が生じる。図3は、この総容量の変動がスパニングファイルの中盤のセグメント2を保存するテープをシフトさせていることを示す。ファイル“foo_bar_baz.txt” を前半部分(foo)、中盤部分(bar)、後半部分(baz)の 3の セグメント(セグメント1,2,3)に分割して、スパニングファイルとして2のテープに保存する。テープAは、ファイルの前半部分(foo)を割り当てたセグメント1とファイルの中盤部分(bar)を割当てたセグメント2を格納する。テープBは、ファイルの後半部分(baz)を割当てたセグメント3を格納する。このようにして、1つのファイルは3つのセグメントに分割されて、スパニングファイルとして2つのテープに書き込まれている。一方で、スパニングファイルの複製ではテープCには中盤部分(bar)を割当てたセグメント2が収まらなかったとの想定で前半部分(foo)のセグメント1のみを保存している。テープD に中盤部分(bar)を割当てたセグメント2と後半部分(baz)を割当てたセグメント3を保存している。この複製の際に、テープA上の index の総量がテープC上のindexより大きくなり、セグメントが テープCに収まらない状況は発生する。図3において、テープCに保存されるindexの総量が増加していることを、テープCの楕円アイコンをテープAのものより大きく表している。 テープC及びDにスパニングファイルの複製作成する時の書込み転送速度が、テープA及びBにスパニングファイルを書込み際の転送速度と異なることにより、定期的シンクによる、indexのデータ量が変動する。例えば、テープC及びDにスパニングファイルを書込む転送速度が、テープA及びBへのスパニングファイルの書込み際の転送速度より低い場合が起こりうる。転送速度が低く書き込み所要時間が長くなると、テープ一本書き込む間の定期的シンクの回数が増えるためindexの総量が増える。この場合、indexのデータ量は、テープA及びB上に比べてテープC及びD上の方が多く書込まれる。一定時間にはテープC及びD上に多く数のセグメントが書き込まれるため、その分indexのデータ量もシンクのタイミングで多く書き込まれる。テープCのDPにindexのデータ量が多く書き込まれため、テープDにはファイルの中盤部分に対応するセグメント2のデータを保存できる残存容量を確保できない。そのため、ファイルシステム(LTFS)は、セグメント2の中盤部分の書込みをテープCへ実行すると、その書込み動作が失敗してエラー応答を受け取る。同じセグメント2のデータについて、次のテープDへの再書込み(rewrite)をしなければならないため、余分な時間を費やす必要がある。この余分な時間を、セグメントのリライト所要時間(time of rewrite segment)と言う。
図4は、LTFSにより2つのパーティションに区分けされたテープを示す。
LTO5テープドライブは、テープの長手方向に沿った書き込み領域のラップ(wrap)を往復しながらデータを書く。LTFSではこのラップ2本分(1往復分)をインデックス・パーティションとして利用している。テープの先端部(BOT:Beginning of Tape)から終端部(EOT:End of tape)に渡ってIPとDPとの2つに区分される。ヘッドが同時に読み書きする単位がトラックであり、トラック16本がラップ1本に相当する。LTO5のテープカートリッジでは、テープ長手方向は約800m、横手方向はラップ数80本の幅である。IPとDPとは2本のラップの保護領域(guard band)で区分される。テープはラップの長手方向に前後に進行し、BOTおよびEOTにおいて進行する向きを反転することをラップターン(wrap turn)と呼ぶ。テープドライブのヘッドに対してテープの長手方向のBOTからEOTの移動時間は60〜90秒である。長手方向の半分のテープ移動時間は30〜45秒程度である。
テープドライブ60は、ホスト300のアプリケーションからファイルシステム(LTFS)を介してファイルの読み書き要求を受け取る。テープドライブは、通信I/F(インターファース)110と、バッファ120と、記録チャネル130と、読書きヘッド140と、制御部150と、位置決め部160と、モータドライバ170と、モータ180とを含む。
図6は、セグメントのサイズとDPに記録されるindexの総容量との相関関係を示す。
セグメントのサイズを小さくすればするほど、セグメントの再書き込み所要時間を低減できる。一方、セグメントのサイズを小さくすればするほど一本のテープメディアに保存されるセグメントの数が増え、index の容量増大に繋がる。第5世代LTO テープメディアに対しデータを読み書きする際の転送速度は140MB/sec である。これは、DP をファイルで埋め尽くすのに169分 (= 1.425[TB] * 1000 * 1000 / 140 [MB/sec] / 60) かかる。つまり、書き込み中に33回 定期的シンクによるindexの書き込みが発生することを意味する。各セグメントのサイズと DP 中に占めるindex の総容量をグラフで示すと図6のようになる。セグメントのサイズが10GBであれば DPに記録されるindexの総容量は3MB 弱である。反対に、例えばセグメントのサイズを1MB にすると、DPに記録されるindexの総容量は23GBにも及ぶ。
スパニングファイルの複製において、ストレージの容量の利用効率は、次に与える第1要因、第2要因、及び第3要因に依存する。一連のセグメントを書き込む過程でのテープ終端直前での特定のセグメントの書込みの際に、テープの記憶域終端までの空容量を越えると書込みエラーとなる。リライト(rewrite)所要時間(第1要因)とは、書込みエラーとなったセグメントを次のテープに再度買い込みをする必要があり、その再書込みのための時間を意味する。DPに定期的シンクによるメタ情報(index)の書込み所要時間(第2要因)は、複製時でのオーバーヘッドとなる。例えば、33回のシンクによりindexを33回書き込むことが書き込み所要時間を増加させる要因となる。合計所要時間(第3要因)は、スパニングファイルの複製を作成する際の評価時間を意味する。図7は、合計所要時間は、リライト所要時間(第1要因)と定期的シンクでのindexの書込みの所要時間(第2要因)と合計である。所要時間の観点で見れば、セグメントのリライト所要時間と index の書き込み所要時間が最小になるセグメントのサイズ (100MB程度) が好適である。また、この100MB という値は、テープメディアの容量の有効活用という観点でも、DPの容量 1.425TBに対し高々0.001%であるという観点で好ましい。この値は、あるセグメントが書き込めなかった時の影響の観点からも好ましい。
図8は、図2及び図3において、ファイルの書込み要求を受け取った場合の本発明のスパニング態様を示す。ファイルシステム(LTFS)が、容量が大きなファイルを複数のセグメントに分割して1または複数のテープに、次のステップを行っても良い。また、同様な処理を、LTFSを利用するアプリケーションが行っても良い。
(802)ホストのアプリケーションからファイルシステム(LTFS)が書き込み要求を受け取った場合である。
(804)LTFSは、テープカートリッジの空き容量は一定の容量または一定の割合以上であるか確認する。ファイルを分割するセグメントのサイズ(セグメントサイズ)を、空き容量に基づいて決定する。
(806)テープカートリッジの空き容量が一定の容量以上である場合(806でYES)、テープカートリッジの空き容量に基づいて最大セグメントサイズを選択できる。
(808)テープカートリッジの空き容量が一定の容量より小さい場合(806でNO)セグメントのリライト所要時間(第1の要因)とindex書き込み所要時間と(第2の要因)とに基づいて最大セグメントサイズを決定する。
(810)順次アプリケーションから送られてくるファイルのデータについて、書き込むとセグメントの最大サイズを越えるかを確認する。
(812)LTFSはファイルのデータをセグメントの最大サイズまで書き込みできる。
(814)LTFSは、このセグメントをクローズ(Close)する。
(816)ファイルのアプリケーションから受け取る後続のデータのために新たなセグメントを生成(Create)する。
(818)アプリケーションから送られるファイルのデータのサイズがセグメントサイズに満たない場合(810でNO)、ファイルのデータの終端部と見なせる。この場合、かかるデータを最終のセグメントとしてテープに書き込む。
(820)ステップ818にファイルの最終セグメントが書き込まれ、ファイルのスパニングによる書込み終了する。
この読み出し方法を使用して元のテープA及びBからスパニングファイルが読み出され、セグメント単位で先のテープC及びDに書込み、複製作成(図3参照)される。
(902)ファイルシステム(LTFS)がホストのアプリケーションからファイルの読み出し要求を受け取った場合である。
(904)LTFSは、読み出し要求された要求されたファイルについて順次(シーケンシャルに)読み出される順次データのサイズがセグメントサイズを越えるか確認する。LTFSは、テープに保存されたindexを参照して要求されたファイルが分割されたスパニングファイルことを特定できる。
(906)読み出される順次データのサイズがセグメントサイズを越える場合(904でYES)、ファイルを分割したセグメントを特定して、セグメントサイズまでのデータを読み出す。
(908)そのセグメントを閉じる(Close)する。
(910)要求されたファイルの後続のデータを含む次のセグメントを特定して、そのセグメントを開く(Open)する。
(912)要求されたファイルについて読み出される順次データのサイズがセグメントのサイズを越えない場合(904でNO)、ファイルの終端のセグメントのデータを読み出しである。
(914)ステップ912においてファイルの最終データ即ち、最終セグメントの読み出しで読み出しが終了する。
60…テープドライブ(テープ装置)、
110…通信I/F(インターフェース)、
120…バッファ、
130…記録チャネル、
140…読み書きヘッド、
150…制御部(コントローラ、読み書き制御を含む)、
160…位置決め部
170…モータドライバ、
180…モータ、
300…ホスト(ユーザ・アプリケーションとファイルシステムを含む)、
Claims (12)
- テープ装置システムにおいて、ファイルをスパニングにしてテープに書込む方法であって、
(a)ホストからのファイルの書込み要求を受取るステップと、
(b)前記要求に応じて、順次受け取る前記ファイルのデータを所定のサイズのセグメントに分割するステップと、
(c)前記ファイルをテープに保存するために、一連の前記セグメントを順次1または複数のテープに書込むステップと、を含み、
(d)前記セグメントの所定のサイズは、前記複数のテープにスパニングされたファイル(スパニングファイル)を他の複数のテープに複製する際の前記他のテープの容量の利用効率及び前記複製の所要時間を基に決定されるステップを更に含む、書込みする方法。 - 前記(d)の前記セグメントの所定のサイズを決定するステップは、前記テープの空き容量に基づいて前記所定のサイズを決定する請求項1に記載の方法。
- 前記(d)の前記セグメントの所定のサイズを決定するステップは、前記スパニングファイルを他の複数のテープに複製する際の前記複製の所要時間を、前記セグメントのリライト所要時間及び前記セグメントのメタ情報(index)の書き込み所要時間に基づいて決
定する請求項1に記載の方法。 - 前記所定のサイズは、前記テープの空き容量が減少するに従って小さくなるように決定される請求項2に記載の書込み方法。
- 前記(d)の前記セグメントの所定のサイズを決定するステップは、前記テープの空き容量の値が一定の割合以上の場合に、実行される請求項3に記載の書込み方法。
- 前記所定のサイズは、前記テープの全記憶容量域の前半部分に書込むセグメント数を低減するように決定される請求項3に記載の書込み方法。
- 前記所定のサイズは、前記テープの全記憶容量域の前半部分に書込むセグメントのサイズより、前記テープの全記憶容量の端部付近に書込むセグメントについて小さくなるように決定される請求項3に記載の書込み方法。
- 請求項1〜7の何れか1項の記載の書込み方法により、前記テープ装置システムにおいて所定のサイズのセグメントで複数の前記テープにスパニングされたファイル(スパニングファイル)を複製する方法であって、
(e)複製元の前記テープに書き込まれたスパニングファイルのデータを順次、前記セグメント単位で読み出すステップと、
(f)前記読み出されたセグメントのデータを複製先の複数のテープに順次、前記セグメント単位で書き込みするステップと、
(g)前記(f)のセグメント単位でのデータの書込みステップにおいて、前記複製先の複数のテープの内の第1のテープの記憶容量域の終端までの空き容量が前記セグメントの所定のサイズより小さい場合、前記第1のテープへの書込みできないため、前記セグメントのデータを前記複製先の複数のテープの内の第2のテープに再書き込み(rewrite)するステップと、
を含むスパニングファイルを複製する方法。 - 請求項1〜7の何れか1項の各ステップを実行する、テープ装置システム。
- 請求項1〜7の何れか1項の各ステップを前記テープ装置システムに実行させるコンピュータ・プログラム。
- 請求項8の各ステップをテープ装置システムにおいて実行する、テープ装置システム。
- 請求項8の各ステップをテープ装置システムに実行させるコンピュータ・プログラム。
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