JP6005069B2 - かすめ入射リフレクタ、リソグラフィ装置、かすめ入射リフレクタ製造方法、およびデバイス製造方法 - Google Patents

かすめ入射リフレクタ、リソグラフィ装置、かすめ入射リフレクタ製造方法、およびデバイス製造方法 Download PDF

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Description

[関連出願の相互参照]
[0001] 本出願は、2011年2月24日に出願された米国仮出願第61/446,257の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
[0002] 本発明は、光学素子、特に、かすめ入射リフレクタに関する。本発明は、さらに、そのようなリフレクタを含むリソグラフィ装置、かすめ入射リフレクタ製造方法、およびEUVリソグラフィによる製品製造方法に関する。
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板上、通常、基板のターゲット部分上に付与する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に用いることができる。その場合、ICの個々の層上に形成される回路パターンを生成するために、マスクまたはレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを用いることができる。このパターンは、基板(例えば、シリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば、ダイの一部、または1つ以上のダイを含む)に転写することができる。通常、パターンの転写は、基板上に設けられた放射感応性材料(レジスト)層上への結像によって行われる。一般には、単一の基板が、連続的にパターニングされる隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。
[0004] リソグラフィは、ICならびに他のデバイスおよび/または構造の製造における重要なステップの1つとして広く認識されている。しかし、リソグラフィを使用して作られるフィーチャの寸法が小さくなるにつれ、リソグラフィは、小型ICあるいは他のデバイスおよび/または構造を製造できるようにするための、より重要な要因になりつつある。
[0005] パターンプリンティングの限界の理論的な推定値は、式(1)に示す分解能のレイリー規準によって与えることができる:
Figure 0006005069
ここで、λは、使用される放射の波長であり、NAは、パターンを印刷するために使用される投影システムの開口数である。k1は、レイリー定数とも呼ばれるプロセス依存調整係数であり、CDは、印刷されたフィーチャのフィーチャサイズ(またはクリティカルディメンジョン)である。式(1)から、フィーチャの最小印刷可能サイズの縮小は、3つの方法、すなわち露光波長λを短くすること、開口数NAを大きくすること、またはk1の値を小さくすること、によって達成可能であるということになる。
[0006] 露光波長を短くし、ひいては最小印刷可能サイズを縮小するために、極端紫外線(EUV)放射源を使用することが提案されている。EUV放射は、5nm〜20nmの範囲内、例えば、13nm〜14nmの範囲内の波長を有する電磁放射である。また、10nm未満、例えば、6.7nmや6.8nmなどの5nm〜10nmの範囲内の波長を有するEUV放射を使用できることがさらに提案されている。そのような放射は、極端紫外線または軟X線と呼ばれる。可能な放射源としては、例えば、レーザ生成プラズマ源、放電プラズマ源、または電子蓄積リングによって与えられるシンクロトロン放射に基づく放射源が含まれる。
[0007] EUV放射は、プラズマを使用して生成することができる。EUV放射を生成する放射システムは、燃料を励起してプラズマを供給するレーザと、プラズマを収容するソースコレクタモジュールとを含み得る。プラズマは、例えば、レーザビームを適切な材料(例えば、スズ)の粒子、適切なガス流または蒸気流(Xeガス、Li蒸気など)などの燃料に誘導することによって生成することができる。結果として得られるプラズマは、放射コレクタを使用して集光される出力放射、例えば、EUV放射を放出する。放射コレクタは、ミラー垂直入射放射コレクタとすることができ、ミラー垂直入射放射コレクタは、放射を受け、その放射をビームに集束させる。ソースコレクタモジュールは、真空環境を提供してプラズマを支持するように配置された囲い構造またはチャンバを含み得る。そのような放射システムは、通常、レーザ生成プラズマ(LPP)源と呼ばれる。
[0008] リソグラフィ装置のようなEUV光学システムは、法線入射リフレクタ(平面ミラーまたは曲面ミラー)およびかすめ入射リフレクタの両方を含み得る。EUV放射の良好なリフレクタを単独で形成する材料が存在しないため、法線入射ミラーを、異なる材料による数十の対の交互層を有する多層構造として構築する必要があり、そのような交互層の組成および厚さは、反射されるべき放射の波長に対して正確に調整される。また、層の厚さ(従って、多層反復構造の周期)は、放射の入射角に関して設定されなければならない。一方、かすめ入射リフレクタは、より簡単な構造、通常、ルテニウム(Ru)などの単一ミラー面層を有する。両方のタイプのリフレクタにおけるEUV波長での反射率は、より長い波長でのリフレクタと比較してすでに低く、これは、典型的なEUVリソグラフィシステムはいくつかのミラーを有し得るという理由で、特別の問題である。例えば、EUVリソグラフィシステムは、9つのミラー、すなわち、照明光学系に2つ、結像光学系に6つ、さらに反射マスクを有し得る。従って、単一ミラーのピーク反射率における1%のわずかな減少であっても、光学システムの光スループットの著しい減少の原因となることが明らかである。
[0009] 入射角が法線に向かって増加するにつれ、かすめ入射リフレクタの反射率は顕著に減少する。本リソグラフィ装置の放射の波長は約13.5nmであり、(0度がリフレクタの表面に平行であることを意味する場合)Ru層は、約25度の入射角までに限って入射放射の50%を反射する。より多い開口数の源を開発するために、この角度を、数度であっても増加させることができることが有益であろう。放射のより短い波長、例えば6.7nmを有する今後のシステムに関して、かすめ入射角の増加に伴い、かすめ入射ミラーの反射率はさらに急速に低下することが分かっている。やはり、数度であっても許容角度を増加させる能力は、そのようなシステムにおいて達成可能な効率および性能に対して大きく貢献するであろう。
[0010] 拡張された角度許容度および高反射率を有するかすめ入射リフレクタを提供することが望ましい。
[0011] 本発明の一実施形態によれば、EUV放射用のかすめ入射リフレクタが提供される。このかすめ入射リフレクタは、第1ミラー層と、該第1ミラー層の下の多層ミラー構造とを備える。第1ミラー層は、第1範囲のかすめ入射角でリフレクタに入射するEUV放射を少なくとも部分的に反射するように、また、入射角の該第1範囲に重なり、かつ該第1範囲を超えて及ぶ入射角の第2範囲でEUV放射を透過させるように構成される。多層ミラー構造は、第2範囲のかすめ入射角でリフレクタに入射し、かつ第1ミラー層を通過する、EUV放射を反射するように構成される。例として、第1ミラー層は、20nm未満の厚さを有し得る。
[0012] 本発明の一実施形態において、かすめ入射リフレクタは、第1ミラー層の上の第2ミラー層をさらに備え得る。第2ミラー層は、角度の第1範囲内にある第3範囲のかすめ入射角でのEUV放射の向上した反射率をもたらすように構成される。例として、第2層は、10nm未満の厚さを有してよく、0度から10度未満まで及ぶかすめ入射角の範囲に対して40%より高い、場合により50%を超える反射率を有する。
[0013] 本発明の別の実施形態において、第1ミラー層は、第2範囲のかすめ入射角でのEUV放射の向上した反射率をもたらすように、多層ミラー構造の表面の一部のみを占め得る。
[0014] 本発明の別の実施形態において、かすめ入射リフレクタは、5nm〜10nmの範囲、特に6nm〜7nm、例えば、6.5nm〜6.8nmの範囲のEUV波長に対して動作するように構成され得る。
[0015] 一例において、第1ミラー層は、15nm〜17nmの範囲の厚さを有してよく、ThOから形成されてよく、0度より大きく12度より小さいかすめ入射角の第1範囲に対して40%より高い反射率を有し得る。
[0016] 別の例において、かすめ入射角の第2範囲は、12度以上かつ14度以下であり得る。多層ミラー構造は、多数の積層エレメントから形成され得る。各積層エレメントは、第1サブユニットと、該第1サブユニットの上の第2サブユニットとを有し得る。第2サブユニットは、該第1サブユニットの屈折率より低い屈折率を有し得る。
[0017] さらなる例において、第1サブユニットおよび第2サブユニットの材料は、Th、La、U、B、重金属元素の窒化物、酸化物、ホウ化物、フッ化物、および軽元素の炭化物からなる群から選択され得る。
[0018] 本発明のさらに別の例において、かすめ入射リフレクタは、13nm〜14nmの範囲、例えば、13.5nmのEUV波長に対して動作するように構成される。
[0019] 一例において、第1ミラー層は、15nm〜17nmの範囲の厚さを有してよく、Ruから形成されてよく、0度より大きく25度より小さいかすめ入射角の第1範囲に対して40%より高い、場合により50%を超える反射率を有する。
[0020] 別の例において、かすめ入射角の第2範囲は、25度以上かつ30度以下であり得る。多層ミラー構造は、多数の積層エレメントから形成され得る。各積層エレメントは、第1サブユニットと、該第1サブユニットの上の第2サブユニットとを有し、該第2サブユニットは、該第1サブユニットの屈折率より低い屈折率を有する。
[0021] さらなる例において、第1サブユニットおよび第2サブユニットの材料は、Mo、Si、Ru、およびダイヤモンドライクカーボンからなる群から選択される。
[0022] 本発明のさらに別の実施形態において、多層ミラー構造の周期および組成のうちの少なくとも1つは、最大反射率のかすめ入射角が多層ミラー構造にわたって変化するように、多層ミラー構造にわたって変化する。
[0023] 本発明のさらに別の実施形態において、上述のようなかすめ入射リフレクタを含むリソグラフィ装置が提供される。
[0024] 本発明のさらに別の実施形態において、極端紫外線(EUV)放射を反射するように構成されたかすめ入射リフレクタを製造する方法が提供される。この方法は、多層ミラー構造の上の第1ミラー層と、多層ミラー構造の上の表面構造とを堆積することを含む。第1ミラー層は、第1範囲のかすめ入射角でリフレクタに入射するEUV放射を少なくとも部分的に反射するように、また、入射角の該第1範囲に重なり、かつ該第1範囲を超えて及ぶ入射角の第2範囲でEUV放射を透過させるように構成される。多層ミラー構造は、第2範囲のかすめ入射角でリフレクタに入射し、かつ第1ミラー層を通過する、EUV放射を反射するように構成される。
[0025] 本発明のさらに別の実施形態において、リソグラフィプロセスによりデバイスを製造する方法が提供される。該方法は、パターニングデバイスを、照明システムを介してEUV放射源からのEUV放射で照明することと、パターニングデバイスの像を、投影システムを介してEUV放射の投影によって基板上に投影することと、を含む。該方法において、照明システムおよび投影システムのうちの少なくとも1つは、上述のようなかすめ入射リフレクタを備える。
[0026] 本発明のさまざまな特徴および利点、ならびに本発明のさまざまな実施形態の構造および動作を、添付の図面を参照して以下に詳細に説明する。本発明は、本明細書に記載の特定の実施形態に限定されない。そのような実施形態は、例示のためにのみ本明細書で示される。本明細書の教示に基づいて、追加の実施形態が当業者には明らかであろう。
[0027] 本発明のいくつかの実施形態を、単なる例として、添付の概略図を参照して以下に説明する。これらの図面において同じ参照符号は対応する部分を示す。
[0028] 図1は、本発明の一実施形態に係る例示的なリソグラフィ装置を示す。 [0029] 図2は、図1に示す装置100のより詳細な図である。 [0030] 図3は、本発明の一実施形態に係る例示的なかすめ入射リフレクタである。 [0031] 図4は、本発明の別の実施形態に係る例示的なかすめ入射リフレクタである。 [0032] 図5は、本発明の別の実施形態に係る例示的なかすめ入射リフレクタである。 [0033] 図6は、本発明の別の実施形態に係る例示的なかすめ入射リフレクタである。 [0034] 図7は、反射率Rに対するEUV放射かすめ入射角θ(度)での、波長が6.7nmであるEUV放射のシミュレーションプロットである。 [0035] 図8は、反射率Rに対するEUV放射かすめ入射角θ(度)での、波長が13.5nmであるEUV放射のシミュレーションプロットである。 [0036] 図9は、本発明の別の実施形態に係る例示的なかすめ入射リフレクタである。 [0037] 図10は、本発明の一実施形態に係るかすめ入射リフレクタの例示的な多層ミラー構造の図である。 [0038] 図11は、入射角θの関数としての多層ミラー構造の周期hのシミュレーションプロットである。
[0039] 本発明の特徴および利点は、これらの図面と併せて以下に記載される詳細な説明からより明らかになるであろう。図面において、同じ参照記号は、全体を通じて対応する要素を特定する。図面において、同じ参照番号は、基本的に、同一の、機能的に同様な、および/または構造的に同様な要素を示す。ある要素が初めて登場する図面は、対応する参照番号における左端の数字によって示される。
[0040] 図1は、本発明の一実施形態に係るソースコレクタモジュールSOを含むリソグラフィ装置100を概略的に示している。このリソグラフィ装置は、
−放射ビームB(例えば、EUV放射)を調整するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、
−パターニングデバイス(例えば、マスクまたはレチクル)MAを支持するように構築され、かつパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1ポジショナPMに連結されたサポート構造(例えば、マスクテーブル)MTと、
−基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持するように構築され、かつ基板を正確に位置決めするように構成された第2ポジショナPWに連結された基板テーブル(例えば、ウェーハテーブル)WTと、
−パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付けられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ以上のダイを含む)上に投影するように構成された投影システム(例えば、反射投影システム)PSと、を備える。
[0041] 照明システムとしては、放射を誘導し、整形し、または制御するための、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、またはその他のタイプの光学コンポーネント、あるいはそれらのあらゆる組合せなどのさまざまなタイプの光学コンポーネントを含むことができる。
[0042] サポート構造MTは、パターニングデバイスの向き、リソグラフィ装置の設計、および、パターニングデバイスが真空環境内で保持されているか否かなどの他の条件に応じた態様で、パターニングデバイスMAを保持する。サポート構造は、機械式、真空式、静電式またはその他のクランプ技術を使って、パターニングデバイスを保持することができる。サポート構造は、例えば、必要に応じて固定または可動式にすることができるフレームまたはテーブルであってもよい。サポート構造は、パターニングデバイスを、例えば、投影システムに対して所望の位置に確実に置くことができる。
[0043] 「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分内にパターンを作り出すように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用できるあらゆるデバイスを指していると、広く解釈されるべきである。放射ビームに付与されたパターンは、集積回路などのターゲット部分内に作り出されるデバイス内の特定機能層に対応し得る。
[0044] パターニングデバイスは、透過型であっても、反射型であってもよい。パターニングデバイスの例としては、マスク、プログラマブルミラーアレイ、およびプログラマブルLCDパネルが含まれる。マスクは、リソグラフィでは公知であり、バイナリ、レベンソン型(alternating)位相シフト、およびハーフトーン型(attenuated)位相シフトなどのマスク型、ならびに種々のハイブリッドマスク型を含む。プログラマブルミラーアレイの一例では、小型ミラーのマトリックス配列が用いられており、各小型ミラーは、入射する放射ビームを様々な方向に反射させるように、個別に傾斜させることができる。傾斜されたミラーは、ミラーマトリックスによって反射される放射ビームにパターンを付ける。
[0045] 照明システムなどの投影システムは、使われている露光放射にとって、あるいは真空の使用といった他の要因にとって適切な、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、またはその他のタイプの光学コンポーネント、あるいはそれらのあらゆる組合せなどのさまざまなタイプの光学コンポーネントを含むことができる。EUV放射に対して真空を用いることが望ましいことがある。というのは、他のガスは放射を吸収し過ぎる場合があるからである。従って、真空壁および真空ポンプを用いて、真空環境をビーム経路全体に提供することができる。
[0046] 本明細書に示されているとおり、リソグラフィ装置は、反射型のもの(例えば、反射型マスクを採用しているもの)である。
[0047] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)以上の基板テーブル(および/または2つ以上のマスクテーブル)を有する型のものであってもよい。そのような「マルチステージ」マシンにおいては、追加のテーブルは並行して使うことができ、または予備工程を1つ以上のテーブル上で実行しつつ、別の1つ以上のテーブルを露光用に使うこともできる。
[0048] 図1を参照すると、イルミネータILは、ソースコレクタモジュールSOから極端紫外線放射ビームを受ける。EUV光を生成する方法としては、EUV範囲の1つ以上の発光線を用いて材料を少なくとも1つの元素、例えばキセノン、リチウム、またはスズを有するプラズマ状態に変換することが含まれるが、必ずしもこれに限定されない。レーザ生成プラズマ(「LPP」)と呼ばれることが多いそのような方法において、必要な線発光素子を有する材料の液滴、流れ、またはクラスタなどの燃料をレーザビームで照射することによって、必要なプラズマを生成することができる。ソースコレクタモジュールSOは、燃料を励起するレーザビームを供給するための図1に示されないレーザを含むEUV放射システムの一部であってよい。結果として得られるプラズマは、出力放射、例えばEUV放射を放出し、この出力放射は、ソースコレクタモジュール内に配置される放射コレクタを使用して集光される。例えば、COレーザを用いて燃料励起のためのレーザビームを供給する場合、レーザおよびソースコレクタモジュールは、別個の構成要素であってもよい。
[0049] そのような場合には、レーザは、リソグラフィ装置の一部を形成しているとはみなされず、また放射ビームは、レーザからソースコレクタモジュールへ、例えば、適切な誘導ミラーおよび/またはビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムを使って送られる。その他の場合においては、例えば、放射源が、DPP源と呼ばれることが多い放電生成プラズマEUVジェネレータである場合、放射源は、ソースコレクタモジュールの一体部分とすることもできる。
[0050] イルミネータILは、放射ビームの角強度分布を調節するアジャスタを含むことができる。一般に、イルミネータの瞳面内の強度分布の少なくとも外側および/または内側半径範囲(通常、それぞれσ-outerおよびσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。さらに、イルミネータILは、ファセット視野ミラーデバイスおよびファセット瞳ミラーデバイスといったさまざまな他のコンポーネントを含むことができる。イルミネータを使って放射ビームを調整すれば、放射ビームの断面に所望の均一性および強度分布をもたせることができる。
[0051] 放射ビームBは、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MT上に保持されているパターニングデバイス(例えば、マスク)MA上に入射して、パターニングデバイスによってパターン形成される。パターニングデバイス(例えば、マスク)MAから反射された後、放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSは、基板Wのターゲット部分C上にビームの焦点をあわせる。第2ポジショナPWおよび位置センサPS2(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、または静電容量センサ)を使って、例えば、さまざまなターゲット部分Cを放射ビームBの経路内に位置決めするように、基板テーブルWTを正確に動かすことができる。同様に、第1ポジショナPMおよび別の位置センサPS1を使い、パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを放射ビームBの経路に対して正確に位置決めすることもできる。パターニングデバイス(例えば、マスク)MAおよび基板Wは、マスクアライメントマークM1およびM2と、基板アライメントマークP1およびP2とを使って、位置合わせされてもよい。
[0052] 例示の装置は、以下に説明するモードのうち少なくとも1つのモードで使用できる。
[0053] 1.ステップモードにおいては、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MTおよび基板テーブルWTを基本的に静止状態に保ちつつ、放射ビームに付けられたパターン全体を一度にターゲット部分C上に投影する(すなわち、単一静的露光)。その後、基板テーブルWTは、Xおよび/またはY方向に移動され、それによって別のターゲット部分Cを露光することができる。
[0054] 2.スキャンモードにおいては、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MTおよび基板テーブルWTを同期的にスキャンする一方で、放射ビームに付けられたパターンをターゲット部分C上に投影する(すなわち、単一動的露光)。サポート構造(例えば、マスクテーブル)MTに対する基板テーブルWTの速度および方向は、投影システムPSの(縮小)拡大率および像反転特性によって決めることができる。
[0055] 3.別のモードにおいては、プログラマブルパターニングデバイスを保持した状態で、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MTを基本的に静止状態に保ち、また基板テーブルWTを動かす、またはスキャンする一方で、放射ビームに付けられているパターンをターゲット部分C上に投影する。このモードにおいては、通常、パルス放射源が採用されており、さらにプログラマブルパターニングデバイスは、基板テーブルWTの移動後ごとに、またはスキャン中の連続する放射パルスと放射パルスとの間に、必要に応じて更新される。この動作モードは、前述の型のプログラマブルミラーアレイといったプログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
[0056] 上述の使用モードの組合せおよび/またはバリエーション、あるいは完全に異なる使用モードもまた採用可能である。
[0057] 図2は、ソースコレクタモジュールSOと、照明システムILと、投影システムPSとを含むリソグラフィ装置100をより詳細に示している。ソースコレクタモジュールSOは、真空環境をソースコレクタモジュールSOの囲い構造220内に維持することができるように構築および配置される。EUV放射放出プラズマ210は、放電生成プラズマ源によって形成することができる。EUV放射は、ガスまたは蒸気、例えば、Xeガス、Li蒸気またはSn蒸気によって生成することができ、非常に高温のプラズマ210が生成されて電磁スペクトルのEUV範囲の放射を放出する。非常に高温のプラズマ210は、例えば、少なくとも部分的にイオン化されたプラズマをもたらす放電によって生成される。Xe、Li、Sn蒸気または他の適切なガスまたは蒸気の、例えば10Paの分圧が、放射を効率よく発生させるために必要となり得る。一実施形態において、励起されたスズ(Sn)のプラズマを設けてEUV放射を生成する。
[0058] 高温のプラズマ210が放出する放射は、放射源チャンバ211の開口内または開口の後ろに位置決めされる任意のガスバリアまたは汚染物質トラップ230(場合によっては汚染物質バリアまたはフォイルトラップとも呼ばれる)を介して、放射源チャンバ211からコレクタチャンバ212内に送られる。汚染物質トラップ230は、チャネル構造を含み得る。また、汚染物質トラップ230は、ガスバリア、またはガスバリアとチャネル構造の組合せを含み得る。本明細書でさらに示される汚染物質トラップまたは汚染物質バリア230は、当該技術分野で公知のように、チャネル構造を少なくとも含む。
[0059] コレクタチャンバ212は、いわゆるかすめ入射コレクタとすることができる放射コレクタCOを含み得る。放射コレクタCOは、上流放射コレクタ側251と下流放射コレクタ側252とを有する。コレクタCOを横切る放射は、格子スペクトルフィルタ240で反射されて仮想放射源点IFに集束することが可能である。仮想放射源点IFは、一般に中間焦点と呼ばれ、ソースコレクタモジュールは、中間焦点IFが囲い構造220の開口221に、または開口221の付近に位置するように配置される。仮想放射源点IFは、放射放出プラズマ210の像である。
[0060] その後、放射は照明システムILを横切る。照明システムILは、パターニングデバイスMAにおける放射ビーム21の所望の角度分布およびパターニングデバイスMAにおける放射強度の所望の均一性を与えるように配置されたファセット視野ミラーデバイス22およびファセット瞳ミラーデバイス24を含み得る。サポート構造MTによって保持されるパターニングデバイスMAで放射ビーム21が反射されると、パターン形成されたビーム26が形成され、パターン形成されたビーム26は、投影システムPSによって、反射要素28、30を介して、ウェーハステージまたは基板テーブルWTによって保持された基板W上に結像される。
[0061] 一般に、図示された要素より数の多い要素が照明光学ユニットILおよび投影システムPSに存在してよい。格子スペクトルフィルタ240は、リソグラフィ装置のタイプによって任意で存在してよい。さらに、図示されたミラーより数の多いミラーが存在してよい。例えば、図2に示すものと比較して、投影システムPS内に追加の1つ〜6つの反射要素が存在してよい。
[0062] 図2に示すコレクタ光学系COは、コレクタ(またはコレクタミラー)の単なる一例として、かすめ入射リフレクタ253、254および255を有する入れ子式コレクタとして描かれている。かすめ入射リフレクタ253、254および255は、光軸Oの周りで軸方向に対称的に配置され、このタイプのコレクタ光学系COは、DPP源と呼ばれることが多い放電生成プラズマ源と組み合わせて使用されることが好ましい。
[0063] あるいは、ソースコレクタモジュールSOは、図3に示すように、LPP放射システムの一部とすることができる。レーザLAは、キセノン(Xe)、スズ(Sn)、またはリチウム(Li)などの燃料内にレーザエネルギーを堆積させるように配置され、それによって電子温度が数10eVの高電離プラズマ210が生成される。イオンの脱励起および再結合中に生成されたエネルギー放射は、プラズマから放出され、囲い構造220において近垂直入射コレクタ光学系COによって集光され、開口221上に集束される。
[0064] 本明細書において、IC製造におけるリソグラフィ装置の使用について具体的な言及がなされているが、本明細書記載のリソグラフィ装置が、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンスパターンおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造といった他の用途を有し得ることが理解されるべきである。当業者にとっては当然のことであるが、そのような別の用途においては、本明細書で使用される「ウェーハ」または「ダイ」という用語はすべて、それぞれより一般的な「基板」または「ターゲット部分」という用語と同義であるとみなしてよい。本明細書に記載した基板は、露光の前後を問わず、例えば、トラック(通常、基板にレジスト層を塗布し、かつ露光されたレジストを現像するツール)、メトロロジーツール、および/またはインスペクションツールで処理されてもよい。適用可能な場合には、本明細書中の開示内容を上記のような基板プロセシングツールおよびその他の基板プロセシングツールに適用してもよい。さらに基板は、例えば、多層ICを作るために複数回処理されてもよいので、本明細書で使用される基板という用語は、すでに多重処理層を包含している基板を表すものとしてもよい。
[0065] 光リソグラフィの関連での本発明の実施形態の使用について上述のとおり具体的な言及がなされたが、当然のことながら、本発明は、他の用途、例えば、インプリントリソグラフィに使われてもよく、さらに状況が許すのであれば、光リソグラフィに限定されることはない。インプリントリソグラフィにおいては、パターニングデバイス内のトポグラフィによって、基板上に創出されるパターンが定義される。パターニングデバイスのトポグラフィは、基板に供給されたレジスト層の中にプレス加工され、基板上では、電磁放射、熱、圧力、またはそれらの組合せによってレジストは硬化される。パターニングデバイスは、レジストが硬化した後、レジスト内にパターンを残してレジストの外へ移動される。
[0066] 「レンズ」という用語は、文脈によっては、屈折、反射、磁気、電磁気、および静電型光学コンポーネントを含む様々な種類の光学コンポーネントのいずれか1つまたはこれらの組合せを指すことができる。EUVリソグラフィにおいて、光学素子は、通常、反射性を有する。「ミラー」という用語は、「リフレクタ」の代替用語として便宜上用いられてよい。意味の違いは意図されていない。
[0067] 図3は、本発明の一実施形態に係る例示的なかすめ入射リフレクタ300を示している。リフレクタ300は、極端紫外線に対して動作するように構成される。図3に示すように、かすめ入射リフレクタ300は、基板330上に形成された、第1ミラー層310と多層ミラー構造320とを含む。
[0068] 第1ミラー層310は、第1範囲のかすめ入射でEUV放射340を反射するように構成される。本例の放射は、約13.5nmの波長を有し得る。例示的な一実施形態において、第1ミラー層310は、20nm未満の厚さを有する。多層ミラー構造320は、第1ミラー層310の下にある。EUV放射340がかすめ入射角の第2範囲のかすめ入射角でリフレクタ300に入射すると、EUV放射340は第1ミラー層310を通過し得る。多層ミラー構造320は、第1ミラー層310を通過するEUV放射340を反射するように構成される。例えばMo/Siの交互層によるそのような構造の設計が関連技術において知られている。本実施形態における用途に関して、構造内の層の組成および周期は、角度の第2範囲内のかすめ入射角に対して選択(調整)される。かすめ入射角の第2範囲は、入射角の第1範囲に重なり、この第1範囲を超えて及ぶ。多層構造の周期は各反復単位の高さを指し、ナノメートル単位で測定され得る。EUV波長でのかすめ入射リフレクタに関して、周期は、例えば、数十ナノメートルであり得る。多層構造の組成は、交互層の材料の選択を指し、また、材料の厚さの比率を指す。比率Γは、一般に、一対の層の総厚さ(すなわち、周期)に対する1つの層の厚さの比率として定義される。従って、比率Γ=0.3を有するMo/Si多層は、28nmのSi層と交互になっている12nmのMo層を含むことができる。
[0069] 本明細書において「かすめ入射角」または「入射角」という用語は、ミラー面の入射点の接平面に対する角度を意味する。すべて平面ミラーである図示の例において、ゼロ入射角は、ミラー面に平行に進む光線をさす。図3において、例示的なかすめ入射角αおよびβが、第1ミラー層310および多層ミラー構造320に対してそれぞれ示されている。かすめ入射角αは、かすめ入射角の第1範囲内にある。かすめ入射角βは、かすめ入射角の第2範囲内にある。
[0070] 従って、第1ミラー層310を多層ミラー構造320とともに、第1ミラー層310が第1範囲のかすめ入射角でEUV放射を反射するように構成され、かつ多層ミラー構造320が第2範囲でEUV放射を反射するように構成されるように、設けることによって、また、第2範囲の放射が単に吸収されるのではなく第1ミラー層を通過するように構成することによって、かすめ入射リフレクタ300は、第1範囲および第2範囲に及ぶかすめ入射角でリフレクタ300に入射するEUV放射を反射することができる。各コンポ310、320の特性を適切に調整することによって、従来のかすめミラーの角度許容度と比較してEUV放射に対する角度許容度を有用に拡張することができる。以下に述べるように、同様の原理を適用して他の波長のリフレクタを設計することができる。なお、調整により第1ミラーが多層ミラー構造の層のうちの1つと形状に関して同一になることがある。その場合、第1ミラー層は、多層ミラー構造の上層によって効果的に形成される。ただし、一般に、材料および/または厚さに関して異なり得る。
[0071] 例えば、角度の第1範囲は、ゼロから約25度まで及び得る一方、第2範囲は、25度未満から例えば30度まで及ぶ。なお、「重なる」という用語は、単に、第1ミラー層310と多層ミラー構造320との複合効果は、連続的な角度範囲にわたって反射率を維持することである、ということを示すために用いられる。個別の層/構造は、それぞれの範囲の重なる部分において、例えば50%を超える反射率(R>0.5)を有する必要はない。所与の入射角でのリフレクタの性能閾値として本例においてR>0.5が用いられるものの、これは単に例のためであり、他の性能閾値を選択することができる。例えば、R>0.4(40%の反射率)が特定の用途において許容性能とみなされてよく、R>60%が別の用途において望まれ得る。
[0072] 図4は、本発明の別の例示的な実施形態に係るかすめ入射リフレクタ400を示している。かすめ入射リフレクタ400は、第1ミラー層310の上に第2ミラー層314を有する点を除いて、図3に示すかすめ入射リフレクタ300と実質的に同様である。
[0073] 第2ミラー層314は、第3範囲のかすめ入射角でEUV放射を反射するように構成される。第3範囲は、角度の第1範囲内にあり、特に、最も小さいかすめ入射角を含む。第1ミラー層310はそのような放射を適当な程度まで反射するが、折り合いをつけて、より高い角度でも反射するように設計される必要がある。第2ミラー層314は、第1ミラー層310のかすめ入射角より完全に小さいかすめ入射角α’でEUV放射を反射しながらより大きい角度で放射を透過させて下の層によって反射されるように設計することができる。例示的な一実施形態において、第2ミラー層314は、10nm未満の厚さを有し、Moから形成される。第2ミラー層314は、例えば0度より大きく10度より小さくすることができるかすめ入射角の第3範囲に対して50%(R>0.5)より高い反射率を有し得る。
[0074] 図5は、本発明の別の実施形態に係る例示的なかすめ入射リフレクタ500を示している。かすめ入射リフレクタ500は、基板530上に形成された多層ミラー構造320の表面の一部のみを占める第1ミラー層510を有する点を除いて、図3に示すかすめ入射リフレクタ300と実質的に同様である。第1ミラー層510は、かすめ入射角のEUV放射340のみ、または主に第1範囲内のEUV放射340が反射されることになる、多層ミラー構造320の表面の位置のみに塗布される。その結果、第2範囲のかすめ入射角のEUV放射340は第1ミラー層510を通過せずに多層ミラー構造320に直接入射する。従って、第1ミラー層510は多層ミラー構造の表面の一部のみを占めるという理由により、第2範囲のかすめ入射角でのEUV放射の反射率が向上する。
[0075] 図6は、本発明の別の実施形態に係る例示的なかすめ入射リフレクタ600を示している。かすめ入射リフレクタ600は、第1ミラー層510の上に第2ミラー層514を有する点を除いて、図5に示すかすめ入射リフレクタ500と実質的に同様である。
[0076] 第2ミラー層514は、第3範囲のかすめ入射角でEUV放射を反射するように構成される。かすめ入射角の第3範囲は、かすめ入射角の第1範囲に収まる。特に、第2ミラー層514は、第1ミラー層510のかすめ入射角と比較して最も小さいかすめ入射角でEUV放射を反射することができる。例示的な一実施形態において、第2ミラー層514は、10nm未満の厚さを有する。第2ミラー層514は、Moから形成され得る。第2ミラー層514は、例えば0度より大きく10度より小さい場合があるかすめ入射角の第3範囲に対して50%より高い反射率を有し得る。
[0077] 本発明の例示的な別の実施形態において、かすめ入射は、5nm〜10nmの範囲、例えば、6nm〜7nmまたは6.5nm〜6.8nmの範囲内のEUV波長に対して動作するように構成される。そうでない場合、リフレクタは、図3〜図6の実施形態に記載したかすめ入射リフレクタのうちの1つまたはそれらのかすめ入射リフレクタの組合せと同様の形態をとってよい。
[0078] 多層ミラー構造は、多数の積層単位を含むことができ、各積層単位は、例えば、第1サブユニットを形成する材料層と、第1サブユニットの上の第2サブユニットを形成する材料層とを有する一対の層を含む。第2サブユニットは、第1サブユニットの屈折率より低い屈折率を有する。第1サブユニットの材料は、Th、La、およびU、ならびにそのような重金属元素の窒化物、酸化物、ホウ化物、およびフッ化物から選択することができる。第2サブユニットの材料は、軽元素、特に、ホウ素B、およびBCまたはBCなどの軽元素の炭化物を含む群から選択することができる。EUV範囲の各波長に関して、材料の選択は非常に特有である。第1ミラー層310または510は、多層構造の第1サブユニットに類似の材料、例えば、ThまたはThOから形成され得る。第2ミラー層314または514は、別の材料、例えば、ThO(Thの第1ミラー層の上にある場合)、またはCsH,もしくはBCやBCの薄層から形成され得る。
[0079] 図7は、反射率Rに対するEUV放射かすめ入射角θ(度)での、2つの例示的なかすめ入射リフレクタについての計算プロットを示している。そのような計算を行い、必要に応じて物理実験で補って、所望の角度範囲にわたる性能に関してリフレクタの設計を最適化することができる。EUV放射の波長は6.7nmである。この例示的なかすめ入射リフレクタのシミュレーションプロットにおいて、第1ミラー層はThOから形成され、多層ミラー構造の第1および第2サブユニットはThOおよびBCの対になる。図7において、曲線710は、周期1nmおよび比率Γ=0.3を有する多層ミラー構造の上の厚さ40nmの第1ミラー層を有するサンプルの反射率を表す。曲線720は、周期15nmおよび比率Γ=0.7を有する多層ミラー構造(BCが上にある)の上の16nmの第1ミラー層の厚さを表す。図7によると、6.7nmの波長を有するEUV放射に関して、厚さ40nmの第1ミラー層を有するかすめ入射リフレクタの反射率と比較して、厚さ16nmの第1ミラー層を有するかすめ入射リフレクタは、12度〜14度の範囲のθに対してより高い反射率を有することが分かる。0度〜12度の範囲のθに関して、厚さ16nmの第1ミラー層を有するかすめ入射リフレクタは、厚さ40nmの第1ミラー層を有するかすめ入射リフレクタと同等の反射率を有する。単一の材料層を含む典型的な公知のかすめ入射リフレクタは、曲線710の例における第1ミラー層と同様に40nmの厚さを有するであろう。曲線710は、どうしてそのような厚い層の下に多層ミラー構造を設けても利点がもたらされないかということを示している。というのは、角度の第1範囲を超える放射は従来のかすめ入射リフレクタを通過しないからである。ただし、所与の反射率に関して、薄い第1ミラー層と、下にある多層ミラー構造とを有するかすめ入射リフレクタは、より高い角度許容度とともに有用な反射率を有することができる。曲線720によって表された16nmという値は、こうしたシミュレーションにおいて最適であることが分かっている。上にある第1ミラー層の厚さは、例えば20nm未満とすることができ、例えば、10nm〜20nmまたは14nm〜20nmの範囲とすることができる。
[0080] 本発明の例示的なさらなる実施形態において、かすめ入射リフレクタは、13nm〜14nmの範囲、例えば、13.5nmのEUV波長に対して動作するように構成され得る。かすめ入射リフレクタの多層ミラー構造は、多数の積層ユニットから形成され、各積層ユニットは、第1サブユニットと、第1サブユニットの上の第2サブユニットとを有し、第2サブユニットは、第1サブユニットの屈折率より低い屈折率を有する。第1サブユニットの材料は、Mo、Ru、およびダイヤモンドライクカーボン(DLC)から選択される。第2サブユニットは、通常Siである。一実施形態において、第1ミラー層は16nmの厚さを有し、Ruから形成される。第1ミラー層は、0度から約25度まで及ぶかすめ入射角の第1範囲に対して50%より高い反射率を有する。
[0081] 多層ミラー構造は、例えば22度から約30度まで及ぶかすめ入射角の第2範囲に対して50%より高い反射率(または許容できる場合、いくらか低い閾値)を有し得る。
[0082] 図8は、反射率Rに対するEUV放射かすめ入射角θ(度)での、2つのかすめ入射リフレクタについての別の計算プロットを示している。EUV放射の波長は13.5nmである。例示的なかすめ入射リフレクタのこのシミュレーションプロットにおいて、第1ミラー層はRuから形成され、多層ミラー構造のユニットは選択されSiおよびMoの対になる。図8において、曲線810は、第1ミラー層が16nmの厚さを有する際に描かれ、多層ミラー構造は16nmの周期を有し、比率Γは0.5である(Siが上にある)。一方、曲線820は、第1ミラー層が20nmの厚さを有する際に描かれ、多層ミラー構造は2nmの周期を有し、比率Γは0.5である。図8は、13.5nmの波長を有するEUV放射を受けて、厚さ20nmの第1ミラー層を有するかすめ入射リフレクタの反射率と比較して、厚さ16nmの第1ミラー層を有するかすめ入射リフレクタは、25度〜30度の範囲のθに対してより高い反射率を有することを示している。0度〜25度の範囲のθに関して、厚さ16nmの第1ミラー層を有するかすめ入射リフレクタは、厚さ20nmの第1ミラー層を有するかすめ入射リフレクタと同等の反射率を有する。従って、所与の反射率に関して、薄い第1ミラー層と、下にある多層ミラー構造とを有するかすめ入射リフレクタは、より高い角度許容度を有することができる。
[0083] 図9は、本発明の一実施形態に係る例示的なかすめ入射リフレクタ900を示している。かすめ入射リフレクタ900は、5nm〜10nmの範囲、例えば、6nm〜7nmまたは6.5nm〜6.8nmの範囲のEUV波長に対して動作するように構成される。かすめ入射リフレクタ900は、基板930上に形成された多層ミラー構造920を含む。かすめ入射リフレクタ900は、次に説明するように、多層ミラー構造920の異なる部分を介して異なるかすめ入射角でEUV放射を反射するように構成される。
[0084] 図10は、図9に示す例示的な多層ミラー構造920を示している。多層ミラー構造920は、EUV放射に対する高い反射率を示し得る。図10に示すように、多層ミラー構造920は、多数の積層ユニット926から形成される。多層ミラー構造920は、数十から数百の積層ユニットを含み得る。
[0085] 各積層ユニット926は、第1サブユニット924と、第1サブユニット924の上の第2サブユニット922とを含む。本明細書に記載される例でのサブユニットは、最も高い有効な境界−振幅反射率を示す単純な材料層である。必要に応じて、より複雑なサブユニットを設けてよい。第2サブユニット922は、第1サブユニット924の屈折率より低い屈折率を有する。ユニットの数は、実際、数十であるが、3つしか図示されていない。一実施形態において、各ユニットの厚さh(反復構造の周期)およびサブユニットの厚さの比率は、所望の波長において、かつ所望の入射角範囲について、さまざまなサブユニットから反射されたEUV放射の光波の位相のアライメントを達成するように構成される。最大の反射率を達成するために、多層ミラー構造の周期および組成のうちの少なくとも1つが、かすめ入射リフレクタ900リフレクタの異なる部分において、図9に示すα、α’、およびβなどの予想入射角に従ってリフレクタの異なる領域間で変化する。従って、図9に示すように、かすめ入射リフレクタ900の異なる領域が異なる周期h=h1、h2、およびh3で構成される場合、異なるかすめ入射角α、α’、およびβでEUV放射をそれぞれ反射する。
[0086] 図11は、多層ミラー(MLM)構造920の周期hの関数としての、および入射角θの関数としての反射率Rの計算プロットを示している。図11において、曲線1010は、シミュレーションプロットのR=0.5の輪郭である。より多くの輪郭、例えば、R=0.9、R=0.8、…R=0.3、R=0.2等が描かれた場合、反射率は、所与の波長に関して、MLMの周期hと入射角の組合せによって複合的に決まることが分かるであろう。曲線1010の左側に向かって、反射率はおおむね増加し、右側に向かって減少する。増加する入射角に関して、R=0.5の輪郭は周期hの非常に特有の範囲の境界となり、反射率はこの範囲の外側で非常に低い。曲線1020は、各入射角の最高反射率Rを示す周期値を示している。かすめ入射角αで放射340を強く反射する、周期h1のMLMが、角度βでは放射をそれほど強く反射しないことが分かる。一方、周期h3のMLMは、角度βで放射をより強く反射するが、角度αでは放射をそれほど強く反射しない。周期hをリフレクタの異なる部分において異なる値h1、h2、h3に設定することによって、曲線1020を用いることにより、対応する予想入射角α、α’、βでの放射に関して反射率を最大化することができる。これは、シミュレーションおよび/または実験によって導出される。
[0087] 図9〜図11に示す変化する角度を伴う構造はそのままで用いることができ、または、図3〜図8に示す実施形態におけるミラー層の下にある多層ミラー構造として用いることができる。MLM構造の組成は、上述の通り、周期を変化させることによって、各周期内の構成材料層の比率を変化させることによって、または両方の組合せによって、変化させることができることが理解されるであろう。原則として、層内の材料層の素性は変化し得る。図11に類似のプロットを計算して、異なる入射角での反射率に対する比率の影響をモデル化することができる。最大反射率の曲線を曲線1020と同様に引き、最適化MLM構造の設計に用いることができる。
[0088] 上記実施形態に記載したかすめ入射リフレクタは、EUV光学システムでの役割によって、湾曲してもよい。
[0089] リソグラフィ装置100において、コレクタチャンバ212は、本発明に係るかすめ入射ミラーを含み得る。照明システムIL、投影システムPS、またはそれら両方は、本発明に係るかすめ入射リフレクタを含み得る。コレクタチャンバ212、照明システムIL、および/または投影システムのかすめ入射リフレクタの数、リフレクタの種類、およびリフレクタの位置は、リソグラフィ装置の所望の動作特性により決定され得る。広範囲の入射角がリフレクタにわたって均一に必要であるかどうか、または上述した変更を用いてリフレクタの異なる部分を異なる予想範囲の入射角に「調整する」ことができるかどうかは、個別の用途によって決まる。
[0090] 本発明のかすめ入射ミラーを、例えば、デバイス製造方法、またはEUV放射とかすめ入射ミラーとを用いる方法において、用いることができる。
製造方法
[0091] 金属コーティングを基板上に塗布する1つの方法は、原子層堆積(ALD)によるものである。ALDは、自己限定的表面反応の交互のステップを用いて原子層を1つずつ堆積する。堆積される材料は、前駆体を介して設けられる。ALD方法は、いくつかの金属、例えば、Mo、Ti、Ru、Pd、Ir、Pt、Rh、Co、Cu、Fe、およびNiについて知られている。ALDの代わりに、電解成長(電気堆積)を用いて金属を堆積してよく、または、蒸発またはスパッタ堆積などによって金属を堆積することもできる。そのような方法の例は、導入部で述べたように先行技術文献に示されている。スパッタリングなどの方法は、Th、B、BC、BCなどの、6倍nm波長に合った材料に対して採用することが出来る。ThO、LaOなどを生成するために、初めにTh層またはLa層を形成し、次にその層を酸化させてよい。あるいは、酸化雰囲気において金属ThまたはLaを堆積することにより、直接、酸化物層を形成してよい。後者の方法は、イオンビームまたは電子ビームにより層を研磨してラフネスを低減させることによって仕上げることができる。
[0092] これらのプロセスは、単独で、または組み合わせて用いることができる。
[0093] いくつかの異なる金属を用いることができるが、モリブデンは、その高融点および実証済みの真空適合性により魅力的な候補である。ただし、特に異なる波長の望ましいおよび/または望ましくない放射が用いられる場合、特徴的性質により他の材料を選択することができる。
[0094] 上記の説明は、制限ではなく例示を意図したものである。従って、当業者には明らかなように、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく本記載の発明に変更を加えてもよい。
[0095] 本発明の範囲は上述の例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきでなく、以下の節および特許請求の範囲ならびにそれらの等価物によってのみ規定されるべきである。
1.極端紫外線(EUV)放射用のかすめ入射リフレクタであって、
第1範囲のかすめ入射角で前記リフレクタに入射するEUV放射を少なくとも部分的に反射するように構成された第1ミラー層であって、入射角の該第1範囲に重なり、かつ該第1範囲を超えて及ぶ入射角の第2範囲でEUV放射を透過させるように構成された第1ミラー層と、
前記第2範囲のかすめ入射角で前記リフレクタに入射し、かつ前記第1ミラー層を通過する、EUV放射を反射するように構成された、前記第1ミラー層の下の多層ミラー構造と、を備える、
かすめ入射リフレクタ。
2.前記第1ミラー層は、20nm未満の厚さを有する、前記1に記載のかすめ入射リフレクタ。
3.角度の前記第1範囲内にある第3範囲のかすめ入射角でのEUV放射の向上した反射率をもたらすように構成された、前記第1ミラー層の上の第2ミラー層をさらに備える、前記1に記載のかすめ入射リフレクタ。
4.前記第2層は、10nm未満の厚さを有し、0度から10度未満まで及ぶかすめ入射角の範囲に対して40%より高い反射率を有する、前記1に記載のかすめ入射リフレクタ。
5.前記第1ミラー層は、前記第2範囲のかすめ入射角でのEUV放射の向上した反射率をもたらすように、前記多層ミラー構造の表面の一部のみを占める、前記1に記載のかすめ入射リフレクタ。
6.前記リフレクタは、6nm〜7nmの範囲のEUV波長に対して動作するように構成される、前記1に記載のかすめ入射リフレクタ。
7.前記第1ミラー層は、15nm〜17nmの範囲の厚さを有し、ThOから形成され、0度より大きく12度より小さいかすめ入射角の前記第1範囲に対して40%より高い反射率を有する、前記6に記載のかすめ入射リフレクタ。
8.かすめ入射角の前記第2範囲は、12度以上かつ14度以下であり、
前記多層ミラー構造は、多数の積層エレメントから形成され、各積層エレメントは第1サブユニットと、該第1サブユニットの上の第2サブユニットとを有し、該第2サブユニットは該第1サブユニットの屈折率より低い屈折率を有する、前記7に記載のかすめ入射リフレクタ。
9.前記第1サブユニットおよび前記第2サブユニットの材料は、Th、La、U、B、重金属元素の窒化物、酸化物、ホウ化物、フッ化物、および軽元素の炭化物からなる群から選択される、前記8に記載のかすめ入射リフレクタ。
10.前記リフレクタは、13nm〜14nmの範囲のEUV波長に対して動作するように構成される、前記1に記載のかすめ入射リフレクタ。
11.前記第1ミラー層は、15nm〜17nmの範囲の厚さを有し、Ruから形成され、0度より大きく25度より小さいかすめ入射角の前記第1範囲に対して40%より高い反射率を有する、前記10に記載のかすめ入射リフレクタ。
12.かすめ入射角の前記第2範囲は、25度以上かつ30度以下であり、
前記多層ミラー構造は、多数の積層エレメントから形成され、各積層エレメントは第1サブユニットと、該第1サブユニットの上の第2サブユニットとを有し、該第2サブユニットは該第1サブユニットの屈折率より低い屈折率を有する、前記11に記載のかすめ入射リフレクタ。
13.前記第1サブユニットおよび前記第2サブユニットの材料は、Mo、Si、Ru、およびダイヤモンドライクカーボンからなる群から選択される、前記12に記載のかすめ入射リフレクタ。
14.前記多層ミラー構造の周期および組成のうちの少なくとも1つは、最大反射率のかすめ入射角が前記多層ミラー構造にわたって変化するように、前記多層ミラー構造にわたって変化する、前記1に記載のかすめ入射リフレクタ。
15.前記1に記載のかすめ入射リフレクタを備える、リソグラフィ装置。
16.極端紫外線(EUV)放射を反射するように構成されたかすめ入射リフレクタを製造する方法であって、
多層ミラー構造の上の第1ミラー層と、前記多層ミラー構造の上の表面構造とを堆積することを含み、
前記第1ミラー層は、第1範囲のかすめ入射角で前記リフレクタに入射するEUV放射を少なくとも部分的に反射するように構成され、該第1ミラー層は、入射角の該第1範囲に重なり、かつ該第1範囲を超えて及ぶ入射角の第2範囲でEUV放射を透過させるように構成され、前記多層ミラー構造は、前記第2範囲のかすめ入射角で前記リフレクタに入射し、かつ前記第1ミラー層を通過する、EUV放射を反射するように構成される、
方法。
17.リソグラフィプロセスによりデバイスを製造する方法であって、
パターニングデバイスを、照明システムを介してEUV放射源からの極端紫外線(EUV)放射で照明することと、
前記パターニングデバイスの像を、投影システムを介して前記EUV放射の投影によって基板上に投影することと、を含み、
前記照明システムおよび前記投影システムのうちの少なくとも1つは、前記1に記載のかすめ入射リフレクタを備える、
方法。

Claims (16)

  1. 極端紫外線(EUV)放射用のかすめ入射リフレクタであって、
    第1範囲のかすめ入射角で前記リフレクタに入射するEUV放射を少なくとも部分的に反射するように構成された第1ミラー層であって、入射角の該第1範囲に重なり、かつ該第1範囲を超えて及ぶ入射角の第2範囲でEUV放射を透過させるように構成された第1ミラー層と、
    前記第2範囲のかすめ入射角で前記リフレクタに入射し、かつ前記第1ミラー層を通過する、EUV放射を反射するように構成された、前記第1ミラー層の下の多層ミラー構造と、
    角度の前記第1範囲内にある第3範囲のかすめ入射角でのEUV放射の向上した反射率をもたらすように構成された、前記第1ミラー層の上の第2ミラー層と、を備える、
    かすめ入射リフレクタ。
  2. 前記第1ミラー層は、20nm未満の厚さを有する、請求項1に記載のかすめ入射リフレクタ。
  3. 前記第2ミラー層は、10nm未満の厚さを有し、0度から10度未満まで及ぶかすめ入射角の範囲に対して40%より高い反射率を有する、請求項1又は2に記載のかすめ入射リフレクタ。
  4. 前記第1ミラー層は、前記第2範囲のかすめ入射角でのEUV放射の向上した反射率をもたらすように、前記多層ミラー構造の表面の一部のみを占める、請求項1乃至のいずれか1項に記載のかすめ入射リフレクタ。
  5. 前記リフレクタは、6nm〜7nmの範囲のEUV波長に対して動作するように構成される、請求項1乃至のいずれか1項に記載のかすめ入射リフレクタ。
  6. 前記第1ミラー層は、15nm〜17nmの範囲の厚さを有し、ThOから形成され、0度より大きく12度より小さいかすめ入射角の前記第1範囲に対して40%より高い反射率を有する、請求項に記載のかすめ入射リフレクタ。
  7. かすめ入射角の前記第2範囲は、12度以上かつ14度以下であり、
    前記多層ミラー構造は、多数の積層エレメントから形成され、各積層エレメントは第1サブユニットと、該第1サブユニットの上の第2サブユニットとを有し、該第2サブユニットは該第1サブユニットの屈折率より低い屈折率を有する、請求項に記載のかすめ入射リフレクタ。
  8. 前記第1サブユニットおよび前記第2サブユニットの材料は、Th、La、U、B、重金属元素の窒化物、酸化物、ホウ化物、フッ化物、および軽元素の炭化物からなる群から選択される、請求項に記載のかすめ入射リフレクタ。
  9. 前記リフレクタは、13nm〜14nmの範囲のEUV波長に対して動作するように構成される、請求項1乃至のいずれか1項に記載のかすめ入射リフレクタ。
  10. 前記第1ミラー層は、15nm〜17nmの範囲の厚さを有し、Ruから形成され、0度より大きく25度より小さいかすめ入射角の前記第1範囲に対して40%より高い反射率を有する、請求項に記載のかすめ入射リフレクタ。
  11. かすめ入射角の前記第2範囲は、25度以上かつ30度以下であり、
    前記多層ミラー構造は、多数の積層エレメントから形成され、各積層エレメントは第1サブユニットと、該第1サブユニットの上の第2サブユニットとを有し、該第2サブユニットは該第1サブユニットの屈折率より低い屈折率を有する、請求項10に記載のかすめ入射リフレクタ。
  12. 前記第1サブユニットおよび前記第2サブユニットの材料は、Mo、Si、Ru、およびダイヤモンドライクカーボンからなる群から選択される、請求項11に記載のかすめ入射リフレクタ。
  13. 前記多層ミラー構造の周期および組成のうちの少なくとも1つは、最大反射率のかすめ入射角が前記多層ミラー構造にわたって変化するように、前記多層ミラー構造にわたって変化する、請求項1乃至12のいずれか1項に記載のかすめ入射リフレクタ。
  14. 請求項1乃至13のいずれか1項に記載のかすめ入射リフレクタを備える、リソグラフィ装置。
  15. 極端紫外線(EUV)放射を反射するように構成されたかすめ入射リフレクタを製造する方法であって、
    多層ミラー構造の上の第1ミラー層と、前記多層ミラー構造の上の表面構造と、前記第1ミラー層の上の第2ミラー層とを堆積することを含み、
    前記第1ミラー層は、第1範囲のかすめ入射角で前記リフレクタに入射するEUV放射を少なくとも部分的に反射するように構成され、該第1ミラー層は、入射角の該第1範囲に重なり、かつ該第1範囲を超えて及ぶ入射角の第2範囲でEUV放射を透過させるように構成され、前記多層ミラー構造は、前記第2範囲のかすめ入射角で前記リフレクタに入射し、かつ前記第1ミラー層を通過する、EUV放射を反射するように構成され、前記第2ミラー層は、角度の前記第1範囲内にある第3範囲のかすめ入射角でのEUV放射の向上した反射率をもたらすように構成された、
    方法。
  16. リソグラフィプロセスによりデバイスを製造する方法であって、
    パターニングデバイスを、照明システムを介してEUV放射源からの極端紫外線(EUV)放射で照明することと、
    前記パターニングデバイスの像を、投影システムを介して前記EUV放射の投影によって基板上に投影することと、を含み、
    前記照明システムおよび前記投影システムのうちの少なくとも1つは、請求項1乃至13のいずれか1項に記載のかすめ入射リフレクタを備える、
    方法。
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