JP6005012B2 - ワイヤハーネス、および、ワイヤハーネスの製造方法 - Google Patents

ワイヤハーネス、および、ワイヤハーネスの製造方法 Download PDF

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本発明は、圧着端子の圧着部に電線の端部を圧着接続してなるワイヤハーネス及びワイヤハーネスの製造方法に関する。
従来、自動車用ワイヤハーネスにおける電線と端子との接続は、オープンバレル型と呼ばれる端子で電線をかしめて圧着する圧着接合が一般的である。しかし、このようなワイヤハーネスでは、電線と端子の接続部分に水分等が付着してしまうと、電線に用いられる金属表面の酸化が進み、接合部における抵抗が増加してしまう。特に、電線と端子に用いられる金属が異なる場合には、異種金属間腐食が進んでしまう。当該接続部分における金属材料の腐食の進行は、接続部分の割れや接触不良の原因となり、製品寿命への影響を免れない。特に近年では、電線をアルミニウム合金とし、端子を銅合金とするワイヤハーネスが実用化されつつあり、接合部の腐食の課題が顕著になってきている。
ここで、例えばアルミニウムと銅のような異種金属の接触部分に水分が付着すると、腐食電位の違いから、いわゆる電食が発生する恐れがある。特に、アルミニウムと銅との電位差は大きいため、電気的に卑であるアルミニウム側の腐食が進行する。このため、芯線と圧着端子との接続状態が不安定となり、接触抵抗の増加や線径の減少による電気抵抗の増大、さらには断線が生じて電装部品の誤動作、機能停止に至る恐れがある。
これに鑑み、圧着部全体を樹脂によりモールドする方式(特許文献1参照)が提案されている。しかし、この方式ではモールド部が肥大し、これによりコネクタハウジングのサイズを上げる必要が生じ、コネクタも肥大する。このため、ワイヤハーネス全体を高密小型に形成することができなかった。また、モールド成形は、圧着後に個々の圧着部に対して処理するため、組み電線製造の工程が大きく増すこと、及び作業が煩雑である事、等の問題があった。
上記問題に鑑み、一端閉塞型の筒状圧着部を有する端子を用い、この筒状圧着部内に電線の端部を挿入した後、該筒状圧着部をかしめ加工により圧着して、芯線端部を雨水や海水等の付着から保護する技術(特許文献2及び3参照)が提案されており、このような接続構造であれば繁雑な作業も避けることができる。
特開2011−222243号公報 特開2006−331931号公報 特開2001−250602号公報
上述したような筒状圧着部を備えた接続構造にあっては、圧着端子の筒状圧着部内に電線の端部を挿入し、筒状圧着部を、図14(a)に示すような公知の圧着型200によってかしめられる。この際に、圧着型200の受け型202と押圧型204との噛み合い箇所gで、図14(b)に示すように筒状圧着部102の肉壁部分に縮径に伴う圧縮応力が集中し、筒状圧着部102の内面上に端子長手方向に延びる一対のくびれ部又は凹部が発生する。本明細書では、このようなくびれ部又は凹部をパーティングラインと称している。そしてこのようなパーティングライン106は、筒状圧着部102の内面と電線104の絶縁被覆104aとの間に空隙を生じさせ、筒状圧着部102における密閉性能、防水性能を喪失させるおそれがある。圧着初期では、電線104の絶縁被覆104aの弾性故、その表層部がパーティングライン106に追従して一定の密閉性能が得られる場合もあるが、熱負荷等を受けた際にパーティングライン106の箇所において筒状圧着部102の内面と電線104の絶縁被覆104aとが乖離し、筒状圧着部における密閉性能、防止性能が低下する。
それ故、本発明は、圧着端子の筒状の圧着部に電線の端部を圧着接続してなるワイヤハーネスにおいて、圧着部における密閉性能を向上させることを目的とするものである。
前述した目的を達するために第1の発明は、端子と被覆導線とを接続して、ワイヤハーネスを製造する方法であって、前記端子は、前記被覆導線が圧着される被覆圧着部分と、端子本体とを有し、前記被覆圧着部分は、前記被覆導線が挿入される部位を除き、他の部位が封止されており、前記被覆圧着部分に前記被覆導線を挿入し、前記被覆圧着部分を圧着することでパーティングラインが形成され、複数の前記パーティングラインを、前記被覆圧着部分の長手方向に対して不連続に形成することを特徴とするワイヤハーネスの製造方法である。
このようにすることで、パーティングラインが、長手方向に一直線に連続して形成されることがない。したがって、パーティングライン(被覆圧着部分と被覆部との間)に沿って水分が内部に浸入することを抑制することができる。
なお、ここでいう「長手方向」とは、圧着端子の長手方向を指し、また、電線の、圧着端子の筒状の圧着部内に配置された被圧着部分の延在方向と同義でもある。さらに、「被覆圧着部分」とは、筒状の圧着部において、電線の絶縁被覆に対して圧着された部分を指す。
また、本発明のワイヤハーネスの製造方法においては、互いに対向する第1の金型と第2の金型とを用い、前記第1の金型と前記第2の金型の複数の合わせ部の位置が、前記被覆圧着部分の長手方向で互いに異なるように前記第1の金型と前記第2の金型が組み合わされ、前記第1の金型と前記第2の金型によって前記被覆導線の被覆部を前記被覆圧着部分で圧着し、この際に、前記被覆部には、前記合わせ部に対応する複数の前記パーティングラインを形成し、前記被覆圧着部分の長手方向に対して、複数の前記パーティングラインを、前記被覆部の周方向にずれた位置に形成してもよい。ここでいう「周方向」とは筒状の圧着部の周方向を指すものとする。
このようにすることで、上金型と下金型との合わせ部に形成されるパーティングラインを、長手方向の前後で、周方向にずらして形成することができる。
また、前記第1の金型の一方の側の内面形状と、前記第2の金型の他方の側の内面形状が対応し、前記第1の金型の他方の側の内面形状と、前記第2の金型の一方の側の内面形状が対応し、前記第1の金型と前記第2の金型の合わせ部が、一方の側と他方の側とで異なるように前記第1の金型と前記第2の金型が組み合わせてもよい。
このように、長手方向に上下の刃の形状を変える際、上金型の一方の側の内面形状と、下金型の他方の側の内面形状を対応させ、上金型の他方の側の内面形状と、下金型の一方の側の内面形状を対応させることで、一方の側も他方の側も同様の圧縮量および条件で圧着を行うことができる。
なお、本発明のワイヤハーネスの製造方法においては、上記複数のパーティングラインを形成するにあたり、長手方向に相前後して配置された複数の圧着型を用いてもよい。この場合、上記複数の圧着型は、作動軸線が周方向に互いにずれていてもよい。
また、本発明のワイヤハーネスの製造方法においては、上記複数の圧着型を同時に作動させて、上記複数のパーティングラインを形成してもよい。または、長手方向に相前後する上記複数のパーティングラインを順次形成してもよい。
第2の発明は、被覆導線と端子とが接続されるワイヤハーネスであって、前記端子は、前記被覆導線が圧着される被覆圧着部分と、端子本体とを有し、前記被覆圧着部分は、前記被覆導線が挿入される部位を除き、他の部位が封止されており、前記被覆圧着部分が、前記被覆導線とともに圧着されており、前記被覆圧着部分には、金型の合わせ部に対応するパーティングラインが形成されており、前記パーティングラインが、前記被覆圧着部分の長手方向に対して不連続となるように、前記被覆圧着部分の長手方向に対して複数の前記パーティングラインが形成されていることを特徴とするワイヤハーネスである。
第2の発明によれば、パーティングラインが、長手方向に一直線に形成されることがないワイヤハーネスを得ることができる。したがって、パーティングラインに沿って水分が内部に浸入することを抑制することができる。
なお、本発明のワイヤハーネスにおいては、長手方向に相前後する複数の前記パーティングラインは、互いに周方向に離間していてもよい。また、上記パーティングラインは、互いに周方向に離間しておりかつ隣り合う一方の端の長手方向位置は互いに一致していてもよい。
また、本発明のワイヤハーネスにおいては、長手方向に相前後する上記パーティングラインは、互いに長手方向に離間していてもよい。
また、本発明のワイヤハーネスにおいては、長手方向に相前後する上記パーティングラインが互いに周方向に離間する距離は、上記圧着部の円周長の2%以上であることが好ましい。ここでいう「円周長」とは、筒状の圧着部の内面に沿う円周長を指すものとする。
さらに、本発明のワイヤハーネスにおいては、上記筒状圧着部は、板材を筒状に成形し合わせ目を溶接により密封した構造を有することが好ましい。また、前記被覆導線は、アルミニウムまたはアルミニウム合金製であってもよい。
パーティングラインとして、長手方向に相前後し、互いに不連続である複数のパーティングラインを有する本発明のワイヤハーネスにあっては、圧着部の被覆圧着部分の開口側に位置するパーティングラインの箇所から水分が浸入したとしても、長手方向に相前後するパーティングラインは不連続であるから、浸入した水分が被覆圧着部の閉塞側に位置するパーティングラインに到達するのを防ぐことができる。特にこのような水分浸入の防止は、ワイヤハーネスが熱負荷を受けた場合においても有効である。
したがって、本発明によれば、圧着端子の筒状の圧着部に電線の端部を圧着接続してなるワイヤハーネスの、圧着部における密閉性能を向上させることができる。
ワイヤハーネス1を示す分解斜視図。 図1のA−A線断面図。 ワイヤハーネス1の斜視図。 図3のワイヤハーネス1の長手方向に沿った断面図。 本発明によるパーティングラインの種々の配置例を示したワイヤハーネス1の部分側面図。 本発明のワイヤハーネス1の製造に好適に用いられる圧着装置を示す図であり、(a)は前方側を示した斜視図、(b)は後方側を示した正面図。 (a)は組み付け前の圧着端子及び電線を示す斜視図であり、(b)は図6の圧着装置を用いた本発明のワイヤハーネス1の製造方法を説明する図。 上金型30aと下金型30bを示す図で、(a)は上金型30aと下金型30bが離れた状態を示す図、(b)は組み合わせられた状態を示す図。 上金型30aと下金型30bを示す断面図で、(a)は図8(a)のB−B線断面図、(b)は図8(a)のC−C線断面図。 上金型30aと下金型30bを示す断面図で、(a)は図8(b)のD−D線断面図、(b)は図8(b)のE−E線断面図。 ワイヤハーネス1の圧着方法の説明図であり、(a)は圧着前、(b)は圧着後の状態を示す図。 圧着後の断面図であり、(a)は図11(b)のF−F線断面図、(b)は図11(b)のG−G線断面図。 圧着後のパーティングライン21、22の位置を示す図。 (a)は、従来公知の圧着装置の要部を示した図であり、(b)は(a)の圧着装置によって圧着された筒状圧着部の断面図。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図1はワイヤハーネス1の分解斜視図であって、圧着前の状態を示し、図2は図1のA−A線断面図である。ワイヤハーネス1は、電線7と圧着端子3とを有する。電線7は、絶縁被覆11と露出芯線9aを有する。絶縁被覆11は、導電性を有する芯線9を被覆する絶縁体である。露出芯線9aは、絶縁被覆11の長手方向X(前後方向)の先端(前方)から芯線9の一部が露出する部位である。芯線9は、アルミニウムやアルミニウム合金等のアルミニウム系材料で構成され、より詳細には、複数のアルミニウム合金線等を撚って形成される。
より詳細には、アルミニウム電線の芯線としては、例えば鉄(Fe)を約0.2質量%、銅(Cu)を約0.2質量%、マグネシウム(Mg)を約0.1質量%、シリコン(Si)を約0.04質量%、残部がアルミニウム(Al)および不可避不純物からなるアルミニウム芯線を用いることができる。他の合金組成として、Feを約1.05質量%、Mgを約0.15質量%、Siを約0.04質量%、残部がAlおよび不可避不純物のもの、あるいは、Feを約1.0質量%、Siを約0.04質量%、残部がAlおよび不可避不純物のもの、Feを約0.2質量%、Mgを約0.7質量%、Siを約0.7質量%、残部がAlおよび不可避不純物のものなどを用いることができる。これらは、さらにTi、Zr、Sn、Mn等の合金元素を含んでいてもよい。このようなアルミニウム芯線を用い、例えば0.5〜2.5sq(mm)、7〜19本撚りの芯線にして用いることができる。芯線の被覆材としては、例えばPE、PPなどのポリオレフィンを主成分としたものやPVCを主成分としたもの等を用いることができる。
圧着端子3は、コネクタ部13(端子本体)と、圧着部5とを有する。コネクタ部13は、長手方向Xの前端部3aから、図示しない雄型コネクタを挿入可能である。コネクタ部13には、雄型コネクタの挿入タブに接触する弾性接触片13aを備える。圧着部5は、挿入口5aから電線7を挿入可能である。
すなわち、圧着端子3は、箱形のコネクタ部13と、該コネクタ部13の後方(電線側)に位置する一端閉塞型の筒状の圧着部5と、これらのコネクタ部13及び圧着部5相互を接続する平坦なトランジッション部15とを一体に有する。圧着端子3は、導電性と強度を確保するために基本的に金属材料(銅、アルミニウム、鋼、又はこれらを主成分とする合金等)の基材で製造されている。ただし、圧着端子に要求される種々の特性を担保するために、例えば圧着端子3の一部又は全部にスズめっきや銀めっき等が施されていてもよい。
また、圧着端子3は、例えばプレス加工により製造される。この場合、まず、表面が錫メッキされた黄銅等の銅合金条を、端子を平面展開した形状に打ち抜く。次いで、中空四角柱体のコネクタ部13と中空円柱体の圧着部5とから構成される立体的な端子形状に曲げ加工することで圧着端子3が製造される。
なお、この例では、コネクタ部13は雄型端子等の挿入タブ(図示省略)の挿入を許容する雌型端子であるが、本発明において、このコネクタ部13の細部の形状は特に限定されない。本発明の他の実施形態では、雌型のコネクタ部13に代えて例えば雄型端子の挿入タブを設けてもよい。
圧着部5は、圧着端子3において、電線7の端部が圧着接合される部位である。圧着部5は、圧着前において、長手方向の一端(後端)に電線7の端部の挿入を許容する挿入口5aを有し、長手方向の他端(前端)はトランジッション部15に接続され、閉塞されている。
圧着端子3の金属基材(銅、アルミニウム、鋼など)とアルミニウム製の電線7との接点に水分が付着すると、両金属の起電力の差からいずれかの金属(合金)が腐食してしまうので、圧着部5は外部より水分等が浸入しないよう電線7の絶縁被覆11を全周にわたって閉鎖的に取り囲むよう構成されている。詳細には、圧着部形状に円状に形成された縁部同士を互いに突合せ、接合部29を形成する。また、圧着部5のコネクタ部13側の端部がつぶされて、封止部26が設けられる。接合部29および封止部26は、例えばレーザ溶接等によって溶接される。
なお、圧着端子3と電線7の芯線9とがアルミニウム同士であっても微妙な合金組成の違いによってそれらの接合部は腐食を生じることがある。本発明において、圧着部5は、電線7の絶縁被覆11を全周にわたって密着状態で取り囲むことができれば腐食に対して一定の効果が得られるため、必ずしも円筒である必要はなく、場合によっては楕円や矩形の管であってもよい。また、圧着部5は径が一定である必要はなく、長手方向で径が変化していてもよい。ただし、圧着部5は、後述のように、圧着時にその内面が電線7の絶縁被覆11の表面と十分に密に接することが可能な形状とすることが好ましい。
圧着部5は、芯線圧着部分17と、被覆圧着部分19とを有する。芯線圧着部分17は、被覆圧着部分19とコネクタ部13との間に位置する。被覆圧着部分19は、挿入口5aに開口するとともに、電線7が挿入口5aから挿入可能なように、長手方向Xへ延びる断面中空の略円筒形状を有する。
このようにすることで、圧着部5は、略筒状の中空体となり、内部に空間が形成される。この結果、電線7が挿入される挿入口5aを除き、圧着部5は、周方向および一方の端部が封止される。
なお、芯線9を覆う絶縁被覆11としては、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン等、この技術の分野において通常用いられるものを選択することができる。
このようにすることで、後述する圧着後において、圧着部5の後端部側(電線挿入側)を被覆圧着部分19と絶縁被覆11との密着によって水密に封止することができる。この際、圧着部5の後端部側以外の他の部位は、接合部29および封止部26によって水密に封止されるため、圧着部5への水分の浸入を防止することができる。
図3及び図4は、圧着後のワイヤハーネスを示したものである。ワイヤハーネス1は、圧着端子3の圧着部5に電線7の露出芯線9aを圧着接続してなるものである。
前述したように、圧着部5は、閉塞側(トランジッション部15側)にて電線7の絶縁被覆11から露出した露出芯線9aを圧着する芯線圧着部分17を有し、これよりも挿入口5a側で電線7の絶縁被覆11を圧着する被覆圧着部分19を有する。芯線圧着部分17では、圧着部5を構成する金属基材と電線7の露出芯線9aとが機械的に圧着接合されることにより、同時に電気的な接合が確保される。被覆圧着部分19では、圧着部5を構成する金属基材と電線7の絶縁被覆11とが機械的に圧着接合され、電線7の引き抜けが防止されるとともに圧着部5と電線7の絶縁被覆11との間にシールが形成されることになる。圧着部5の圧着加工は、基材や電線(芯線)の塑性変形によって行われる。従って、圧着部5は、圧着加工を施すことができるように肉厚を設計される必要があるが、人力加工や機械加工等で接合を自由に行うことができるので、特に限定されるものではない。
しかし、図14を参照して冒頭でも説明したように、従来の筒状の圧着部102は、圧着型200によってかしめた際に、圧着型200の受け型202と押圧型204との噛み合い箇所gで、圧着部102の肉壁部分に縮径に伴う圧縮応力が集中し、圧着部102の内面上に端子長手方向に延びる一対のくびれ部又は凹部が発生する。本明細書では、このようなくびれ部又は凹部をパーティングラインと称している。このようにして形成されたパーティングライン106は、圧着部102の開口端から少なくとも絶縁被覆104aの前方端縁まで連続して形成されることになるので、当該連続するパーティングライン106を介して圧着部102内部の露出芯線に水分が付着する問題がある。なお、パーティングライン106自体が形成されないようにすることも不可能ではないが、製造の複雑化や圧着性低下の懸念がある。
そこで、本発明では、一本の連続して延びるパーティングライン106ではなく、図5(a)〜図5(c)に示すように、複数のパーティングライン21,22(前方側を第1のパーティングライン21とし、後方側を第2のパーティングライン22とする。)が被覆圧着部分19の長手方向に相前後して形成されるようにし、かつ長手方向に相前後する第1及び第2のパーティングライン21,22を不連続としている。また、各パーティングライン21,22の長手方向長さL1,L2は、圧着部5の被覆圧着部分19の長手方向長さLよりも小さい。ここで、上記「不連続」とは、長手方向に相前後する第1及び第2のパーティングライン21,22の隣り合う端、つまり第1のパーティングライン21の後端21aと第2のパーティングライン22の前端22aが繋がっておらず、これらの後端21aと前端22aとの間において、筒状の圧着部5の内面が電線7の絶縁被覆11に密に接触(圧着)することを意味している。
このような構成によれば、仮に被覆圧着部分19の挿入口5a側に位置する第2のパーティングライン22の後端22bから水分が浸入することがあったとしても、第2のパーティングライン22は第1のパーティングライン21とは接続されていないから、浸入した水分は第2のパーティングライン22内に留まるか自然蒸発し、浸入した水分が第1のパーティングライン21ひいては芯線圧着部分17内の露出芯線9aに到達する可能性は低くなる。特にこのような水分の浸入防止は、圧着端子3が熱負荷を受けた場合においても有効となる。なぜなら、熱負荷により、第1及び第2のパーティングライン21,22の領域で、被覆圧着部分19内面と電線7の絶縁被覆11との間に空隙が生じた場合でも、第1及び第2のパーティングライン21,22間の領域では依然として、被覆圧着部分19の内面が電線7に対して密着しているからである。
図5(a)〜図5(c)で示した本発明によるパーティングラインの配置構成について説明すると、図5(a)の例では、長手方向に相前後する第1及び第2のパーティングライン21,22は、互いに周方向に離間しておりかつ隣り合う一方の端同士の長手方向位置は互いに一致している。
図5(b)の例では、長手方向に相前後する第1及び第2のパーティングライン21,22は、互いに周方向に離間しておりかつ周方向にみて互いに部分的に重複している。
図5(a)及び図5(b)の実施形態によれば、被覆圧着部分19の長手方向全体にわたってパーティングライン21,22が存在する。つまり、各パーティングライン21,22の周方向への投影線は被覆圧着部分19の一端から他端まで連続して存在することになるので、当該被覆圧着部分19をより均一に縮径させることができ、これは密閉性の更なる向上に寄与する。
図5(c)の例では、長手方向に相前後するパーティングライン21,22同士は、長手方向に離間している。これによれば、第1及び第2のパーティングライン21,22間でより大きな離間距離を確保することができるので、水分縁切りの点で優れている。なお、図示は省略するが、長手方向に相前後する第1及び第2のパーティングライン21,22を周方向に離間させず、単に長手方向のみに離間させてもよく、このようなワイヤハーネスは比較的容易に製造することができるという利点を有する。
なお、第1及び第2のパーティングライン21,22を周方向に離間させる場合には、周方向に沿った離間距離dは、被覆圧着部分19の内面で測定して、被覆圧着部分19の周長の2%以上とすることが好ましい。上記離間距離dが、被覆圧着部分19の周長の2%未満であると、隣接する第1及び第2のパーティングライン21,22間で水分の縁切り効果(止水性能)が十分に得られないおそれがあるからである。
また、第1及び第2のパーティングライン21,22がそれぞれ複数形成されるよう圧着する場合(図示例では第1及び第2のパーティングライン21,22は各2つ形成されている。)には、複数の第1のパーティングライン21が周上に均等に配置されるとともに、複数の第2のパーティングライン22が周上に均等に配置されるような条件にして圧着することが好ましい。このように第1及び第2のパーティングライン21,22を均等に配置することにより、圧着加工時において、均一な縮径による良好な圧着が得られるからである。
次いで、かかる構成のワイヤハーネス1の製造方法の一例を説明する。まず、金属製(銅合金、アルミ合金、鋼など)の条材から、圧着端子3の展開形状に相当する所定の平面形状を打ち抜き、これを曲げ加工して箱状のコネクタ部13及び筒状の圧着部5を形成する。圧着前の圧着部5は、電線7を無理なく挿入できるような開口径とする。この際、圧着部5は、平面形状からの曲げ加工では断面C字状となっているので、合わせ目を溶接によって接合することで密封構造とする。好ましい溶接法は、レーザ溶接であり、特にはファイバレーザによるレーザ溶接である。勿論、異なる公知の溶接法により行ってもよい。あるいは、中実の金属柱体をドリル等で穿孔したり、平板から絞り加工したりすることで筒状の圧着部5を形成してもよい。
次いで、圧着装置を用いて圧着部の圧着を行うが、その説明の前に本発明のワイヤハーネス1の製造方法の実施に用いることができる圧着装置を例示する。
まず、図6に示すように、ここで用いる圧着装置50は、圧着端子3の圧着部5を圧着する2組の圧着型52,54を備えており、各圧着型52,54は、圧着部5の下面を受けるアンビル又は受け型56,58と、圧着部5を縮径方向に変形させるクリンパ又は押圧型60,62とを有している。
第1の圧着型52と第2の圧着型54とは、長手方向に相前後して配置されている。また、第1の圧着型52と第2の圧着型54とは、各々の作動軸線m1,m2が周方向に互いにずれている。ここで圧着型52,54の「作動軸線」とは、受け型56,58と押圧型60,62とが近接、離隔する方向のことである。図示例では、第1の圧着型52の作動軸線m1は上下方向であり、第2の圧着型54の作動軸線m2は横方向、つまり第1の圧着型52の作動軸線m1及び圧着端子3の長手方向の双方に直交する方向であり、よって、第1の圧着型52の作動軸線m1と第2の圧着型54の作動軸線m2とは周方向に約90度ずれている。
第1の圧着型52の受け型56は、圧着部5の芯線圧着部分17を受ける断面略U字状の受け溝64aを有する前側受け部64と、被覆圧着部分19を受ける断面略U字状の後側受け部66とを、長手方向前後に一体に有している。
第1の圧着型52の押圧型60は、芯線圧着部分17を押圧により変形させる前側押圧部68と、被覆圧着部分19を押圧により変形させる断面略逆さU字状の後側押圧部70とを、長手方向前後に一体に有している。前側押圧部68は、圧着部5の芯線圧着部分17を押圧する凸部68aを受け型56に向けて突出している。
第2の圧着型54の受け型58は、圧着部5の被覆圧着部分19を受ける断面略U字状の受け溝72aを有する受け部72を有している。
第2の圧着型54の押圧型62は、被覆圧着部分19を押圧により変形させる断面略逆さU字状の押圧部74を有している。
なお、図示は省略するが、第1の圧着型52の作動軸線m1と、第2の圧着型54の作動軸線m2とは、周方向でみて相互に一致していてもよい。この場合、第1の圧着型52と第2の圧着型54とで、受け型56,58と押圧型60,62との噛み合い位置が上下方向(作動軸線方向)でみて互いに異なるものを使用すればよい。
そして、このようになる圧着装置50を用いて圧着端子3の圧着部5を圧着加工するにあたっては、図7(a)に示すように電線先端部において絶縁被覆11が剥がされて芯線9が露出した電線7の端部が所定位置に挿入された圧着部5を、第1の圧着型52における受け型56の前側受け部64と後側受け部66とで受けた後、受け型56と押圧型60とで、図7(b)の矢印で示すように、上下方向から加圧して圧着する。これと同時に又はこの前後において、電線7の端部が所定位置に挿入された圧着部5を、第2の圧着型54における受け型58の受け部72とで受けた後、受け型58と押圧型62とで、図7(b)の矢印で示すように、横方向に加圧して圧着する。
圧着部5の圧着加工により、圧着部5の被覆圧着部分19の前方側の左右側部には、第1の圧着型52の受け型56と押圧型60との間に噛み込まれた被覆圧着部分19の肉壁部分によって、第1のパーティングライン21がそれぞれ形成される。左右に位置する第1のパーティングライン21同士は約180度の間隔を空けて形成されている。同様に、圧着部5の後方側の上下側部には、第2の圧着型54の受け型58と押圧型62との間に噛み込まれた被覆圧着部分19の肉壁部分によって、第2のパーティングライン22がそれぞれ形成される。上下に位置する第2のパーティングライン22同士も同様に、約180度の間隔を空けて形成されている。このようにして、被覆圧着部分19に、周方向に相互に略90度ずれた第1のパーティングライン21及び第2のパーティングライン22を有するワイヤハーネスが完成する。
なお、第1の圧着型52による圧着部5の圧着加工と第2の圧着型54による圧着部5の圧着加工とは同時に行うことが好ましく、このようにすれば圧着部5を良好な位置を保持したまま第1及び第2の圧着型52,54による圧着を行うことができる。しかし、第1の圧着型52による圧着部5の圧着加工の後に第2の圧着型54による圧着部5の圧着加工を行ってもよい。ただし、その逆の圧着加工は、あまり好ましくない。そのような加工をすると、圧着部後方から前方に向って圧着することになるので、圧着部の金属の塑性変形による逃げが前方に向ってしまうため、変形量の大きい電線と端子との圧着部に悪影響を及ぼす恐れがあるからである。しかし、そのような方法でも本発明のワイヤハーネスが好適に製造できることもあるので、これを本願の発明の範囲外として意図的に除外するものではない。
次に、ワイヤハーネス1の他の圧着方法について説明する。図8は、圧着に用いられる上金型30a、下金型30bを示す図で、図8(a)は上金型30aと下金型30bが離れた状態を示す図、図8(b)は組み合わせられた状態を示す図である。また、図9、図10は、上金型30aと下金型30bを示す断面図で、図9(a)は図8(a)のB−B線断面図、図9(b)は図8(a)のC−C線断面図、図10(a)は図8(b)のD−D線断面図、図10(b)は図8(b)のE−E線断面図である。なお、以下の説明では、上金型30a、下金型30bを上下に対向させて配置した例を示すが、互いに対向して配置できれば、その方向は問わない。
第1の金型である上金型30aは、受け部31a、押圧部31bを有する。同様に、第2の金型である下金型30bは、押圧部33a、受け部33bを有する。なお、上金型30a、下金型30bは、被覆圧着部分19に対応する圧着金型であり、以下の説明において、芯線圧着部分17に対応する金型については、図示および説明を省略する。
上金型30aと下金型30bは、互いに対向して用いられる。この際、上金型30aの一方の側(図面左側)に受け部31aが配置され、他方の側(図中右側)に押圧部31bが配置される。また、下金型30bの一方の側(図面左側)に押圧部33aが配置され、他方の側(図中右側)に受け部33bが配置される。すなわち、受け部31aと押圧部33aが互いに対向し、押圧部31bと受け部33bが互いに対向する。
図9(a)に示すように、受け部31a、押圧部33aは、ともに略半円状の形状を有する。また、図9(b)に示すように、押圧部31b、受け部33bは、ともに略半円状の形状を有する。なお、受け部31aと受け部33bは、ほぼ同一の形状である。また、押圧部31bと押圧部33aは、ほぼ同一の形状である。すなわち、上金型30aと下金型30bとは、上下に反転した形状である。
図10(a)に示すように、上金型30aと下金型30bとを組み合わせると、受け部31a、押圧部33aによって、略円形の空間が形成される。したがって、圧縮対象の端子を略円形に圧縮することができる。なお、受け部31aは、押圧部33a内に嵌るように組み合わされる。したがって、受け部31aの先端部が、受け部31aと押圧部33aの合わせ部35aとなる。
同様に、図10(b)に示すように、上金型30aと下金型30bとを組み合わせると、押圧部31b、受け部33bによって、略円形の空間が形成される。また、受け部33bは、押圧部31b内に嵌るように組み合わされる。したがって、受け部33bの先端部が、押圧部31bと受け部33bの合わせ部35bとなる。
受け部31aの先端および受け部33bの先端は、強度の確保のために、わずかに厚みを有する。したがって、上金型30aと下金型30bとを組み合わせた際に形成される合わせ部35a、35bには、段差が形成される。なお、合わせ部35a、35bの周方向の位置(高さ方向の位置)は、同一箇所とならないようにずれるように配置される。
図11はワイヤハーネス1の圧着方法を示す概略図である。図11(a)に示すように、まず、上金型30aと下金型30bの間に、被覆圧着部分19が位置するように端子および電線を配置する。この状態から、図11(b)に示すように、上金型30aを降下させて下金型30bに対して押圧することで、被覆圧着部分19が圧縮される。
図12は、圧着後の被覆圧着部分19の断面図であり、図12(a)は図11(b)のF−F線断面図、図12(b)は図11(b)のG−G線断面図である。図12(a)に示すように、被覆圧着部分19の一部には、合わせ部35aに対応する位置に、パーティングライン21が形成される。パーティングライン21は、前述した受け部31a、押圧部33aにより形成される段差によって形成される。
同様に、図12(b)に示すように、被覆圧着部分19の一部には、合わせ部35bに対応する位置に、パーティングライン22が形成される。パーティングライン22は、前述した押圧部31b、受け部33bにより形成される段差によって形成される。パーティングライン21、22の位置では、被覆圧着部分19の金属が、外側に向かって流れるため、その内面(被覆圧着部分19と絶縁被覆11との間)に隙間が形成されやすい。したがって、パーティングラインに沿って水が浸入する恐れがある。
本発明では、図13に示すように、パーティングライン21、22の位置が、被覆圧着部分19の周方向にずれた位置に形成される。すなわち、長手方向の一方の側(図中左側)のパーティングライン21の周方向の位置と、長手方向の他方の側(図中右側)のパーティングライン22の周方向の位置とが異なる。したがって、パーティングライン21、22が、長手方向に一直線上に並ぶことがない。このため、パーティングラインに沿って水分が端子内部に浸入することを抑制することができる。
以上説明したように、本発明によれば、被覆圧着部分19が、異なる形状の型(受け部又は押圧部)を組み合わせた金型によって、圧縮される。したがって、型同士の合わせ部の位置を圧縮位置によって変えることができる。このため、型同士の合わせ部に対応するパーティングラインの位置を、周方向にずらして配置することができる。したがって、パーティングラインを一直線上に形成する場合と比較して、水の浸入を抑制することができる。
また、金型の形状を上下で反転させることで、被覆圧着部の一方の側と他方の側の圧着条件を同じにすることができる。したがって、圧着作業や金型の設計が容易である。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上金型30a、下金型30bの形状は図示した例には限られない。一対の型で圧縮することができる金型であれば、いずれの形状でも適用することができる。また、受け部31a、33bと、押圧部33a、31bの形状をそれぞれ同じものとしたが、別々の形状であってもよい。それぞれの型の合わせ部の位置が異なるように設計することで、パーティングラインを異なる位置に形成することができる。
また、上金型30a、下金型30bは、各型部を2列に形成する例を示したが、2列以上にしてもよい。この場合、少なくとも、一組の型同士の合わせ部が異なる位置に形成されれば、パーティングラインを異なる位置に形成することができる。
次に、本発明に従うワイヤハーネス(実施例試料1)及び比較としてのワイヤハーネス(比較例試料1)を試作し、各試料ついて性能試験を行ったので以下に説明する。
(実施例)
実施例試料1における圧着端子の基材には、厚さ0.25mmの銅合金材FAS−680(古河電気工業(株)製、Ni:2.3質量%、Si:0.6質量%、Sn:0.15%、Zn:0.5質量%、Mg:0.1質量%、残部:Cuおよび不可避不純物)を用い、図3〜5に示した構造を有するものを使用した。電線には、アルミニウム合金線(線径0.43mm)を用いた。なお、芯線の組成は、Fe:0.2質量%、Cu:0.2質量%、Mg:0.1質量%、Si:0.04質量%、残部:Al及び不可避不純物である。芯線の径は2.1mmであり、電線の外径は2.8mmであり、電線の長さは30cmである。そしてこの圧着端子の圧着部に、芯線が露出した電線の端部を挿入し、図6に示した、周方向に90度ずれた2つの圧着型を備える圧着装置を用いて圧着部を圧着した。この際の圧縮率(圧縮後の断面積の、圧縮前の断面積に対する比率)は70%とした。これにより、被覆圧着部分の前方側の左右側部及び後方側の上下側部にそれぞれパーティングラインが形成された。前方側のパーティングラインと後方側のパーティングラインとは、周方向に約90度ずれて形成された。前方側のパーティングラインの長手方向の長さはそれぞれ1mmであり、後方側のパーティングラインの長手方向の長さはそれぞれ1mmであった。また、被覆圧着部分の長手方向長さ(絶縁被覆の芯線側の端縁から圧着部の挿入口端までの距離)は3.5mmであった。
(比較例)
比較例試料1のワイヤハーネスは、図14で説明したような従来公知の圧着装置を用いて圧着部を圧着加工して形成したものであり、被覆圧着部分の左右側部には、被覆圧着部分の全長に延びるパーティングラインがそれぞれ形成された。それ以外の構成は、実施例試料1のワイヤハーネスと同じである。
(密閉性確認試験)
密閉性確認試験は、上記各試料につき、電線の後端部(圧着端子に接続された側とは反対側の端部)にエアーを送り込み、サーマルショック試験(−40℃にて30分放置後、120℃にて30分放置する1サイクルを240サイクル)及び高温放置試験(120℃にて120時間放置)を実施した後の上記エアーの保持圧力を測定することにより行った。
試験の結果、実施例及び比較例の両試料とも初期平均値で50kPaを維持していたが、サーマルショック及び高温放置後の平均値では、実施例試料1のワイヤハーネスが50kPaを維持したが、比較例試料1のワイヤハーネスでは、保持圧力は1kPaに下降した。
これにより、本発明の適用により、ワイヤハーネスの密閉性が向上することが確認された。
例えば、上述の説明では、圧着端子3の圧着部5を、アルミニウムやアルミニウム合金等の卑な金属からなる電線7(芯線9)に圧着接続する例を説明したが、本発明にはこれに限られない。卑な金属以外に、例えば、銅や銅合金等の貴な金属からなる電線導体と圧着部5とを圧着接続してもよい。この場合でも前記実施形態と略同等の作用及び効果を奏することができる。より詳細には、上述の構成の圧着部5は、圧着状態において、水の浸入を防止できるため、例えば、これまで線間止水のためにシールなどが必要であった銅や銅合金等の芯線で構成する電線導体を接続してもよい。
かくして、本発明により圧着端子の圧着部に電線の端部を圧着接続してなるワイヤハーネスにおいて、筒状圧着部における密閉性能を向上させることが可能となった。
1 ワイヤハーネス
3 圧着端子
3a 前端部
5 圧着部
5a 挿入口
7 電線
9 芯線
9a 露出芯線部分
11 絶縁被覆
13 コネクタ部
13a 弾性接触片
15 トランジッション部
17 芯線圧着部分
19 被覆圧着部分
21,22 パーティングライン
21a 後端
22a 前端
22b 後端
26 封止部
29 接合部
30a 上金型
30b 下金型
31a、33b 受け部
31b、33a 押圧部
35a、35b 合わせ部
50 圧着装置
52 第1の圧着型
54 第2の圧着型
56 受け型
58 受け型
60 押圧型
62 押圧型
64 前側受け部
64a 受け溝
66 後側受け部
68 前側押圧部
68a 凸部
70 後側押圧部
72 受け部
72a 受け溝
74 押圧部
102 圧着部
104a 絶縁被覆
106 パーティングライン
200 圧着型
202 受け型
204 押圧型

Claims (13)

  1. 端子と被覆導線とを接続して、ワイヤハーネスを製造する方法であって、
    前記端子は、前記被覆導線が圧着される被覆圧着部分と、端子本体とを有し、
    前記被覆圧着部分は、前記被覆導線が挿入される部位を除き、他の部位が封止されており、
    前記被覆圧着部分に前記被覆導線を挿入し、前記被覆圧着部分を圧着することでパーティングラインが形成され、
    複数の前記パーティングラインを、前記被覆圧着部分の長手方向に対して不連続に形成することを特徴とするワイヤハーネスの製造方法。
  2. 互いに対向する第1の金型と第2の金型とを用い、前記第1の金型と前記第2の金型の複数の合わせ部の位置が、前記被覆圧着部分の長手方向で互いに異なるように前記第1の金型と前記第2の金型が組み合わされ、
    前記第1の金型と前記第2の金型によって前記被覆導線の被覆部を前記被覆圧着部分で圧着し、この際に、前記被覆部には、前記合わせ部に対応する複数の前記パーティングラインを形成し、前記被覆圧着部分の長手方向に対して、複数の前記パーティングラインを、前記被覆部の周方向にずれた位置に形成することを特徴とする請求項1記載のワイヤハーネスの製造方法。
  3. 前記第1の金型の一方の側の内面形状と、前記第2の金型の他方の側の内面形状が対応し、
    前記第1の金型の他方の側の内面形状と、前記第2の金型の一方の側の内面形状が対応し、
    前記第1の金型と前記第2の金型の前記合わせ部が、一方の側と他方の側とで異なるように前記第1の金型と前記第2の金型が組み合わされることを特徴とする請求項2記載のワイヤハーネスの製造方法。
  4. 長手方向に相前後して配置された複数の圧着型によって複数の前記パーティングラインを形成し、前記複数の圧着型は、各々作動軸線が周方向に互いにずれていることを特徴とする請求項1記載のワイヤハーネスの製造方法。
  5. 前記複数の圧着型を同時に作動させて、複数の前記パーティングラインを形成することを特徴とする請求項4記載のワイヤハーネスの製造方法。
  6. 長手方向に相前後する複数の前記パーティングラインを順次形成することを特徴とする請求項4記載のワイヤハーネスの製造方法。
  7. 被覆導線と端子とが接続されるワイヤハーネスであって、
    前記端子は、前記被覆導線が圧着される被覆圧着部分と、端子本体とを有し、
    前記被覆圧着部分は、前記被覆導線が挿入される部位を除き、他の部位が封止されており、
    前記被覆圧着部分が、前記被覆導線とともに圧着されており、前記被覆圧着部分には、金型の合わせ部に対応するパーティングラインが形成されており
    前記パーティングラインが、前記被覆圧着部分の長手方向に対して不連続となるように、前記被覆圧着部分の長手方向に対して複数の前記パーティングラインが形成されていることを特徴とするワイヤハーネス。
  8. 複数の前記パーティングラインは、互いに周方向に離間していることを特徴とする請求項7記載のワイヤハーネス。
  9. 複数の前記パーティングラインは、互いに周方向に離間しておりかつ周方向に沿って互いに部分的に重複していることを特徴とする請求項7または請求項8に記載のワイヤハーネス。
  10. 長手方向に相前後する前記パーティングラインは、互いに長手方向に離間していることを特徴とする請求項7記載のワイヤハーネス。
  11. 複数の前記パーティングラインが互いに周方向に離間する距離は、前記被覆圧着部分の円周長の2%以上であることを特徴とする請求項8又は請求項9記載のワイヤハーネス。
  12. 前記被覆圧着部分は、板材を筒状に成形し合わせ目を溶接により密封した構造を有することを特徴とする請求項7から請求項11のいずれかに記載のワイヤハーネス。
  13. 前記被覆導線は、アルミニウムまたはアルミニウム合金製であることを特徴とする請求項7から請求項12のいずれかに記載のワイヤハーネス。
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