図1はこの発明の実施例に係る船外機を船体も含めて全体的に示す概略図である。
図1において符号1は2基の船外機10が船体(艇体)12に搭載されてなる、いわゆる2基掛けの船舶を示す。以下、進行方向左側(左舷側)の船外機を「第1船外機」といい、符号10Aで示し、進行方向右側(右舷側)の船外機を「第2船外機」といい、符号10Bで示す。尚、第1船外機10Aと第2船外機10Bは同一構成の船外機であるため、以下、船外機について説明する場合には特に明記する場合を除き、第1船外機10Aについてのみ説明する。
船外機10(10A)はスターンブラケット14およびチルティングシャフト16を介して船体12の後尾(船尾)12aに装着される。
船外機10は内燃機関(以下「エンジン」という(図1で見えず))と、エンジンを被覆するエンジンカバー18を備える。エンジンカバー18の内部空間であるエンジンルームには、エンジンの他に、電子制御ユニット(Electronic Control Unit。以下「ECU」という)20が配置される。ECU20はCPU,ROM,RAMなどを備えたマイクロ・コンピュータからなり、船外機10の動作を制御する。
船外機10はエンジンからの動力をプロペラ22に伝達する動力伝達軸に介挿され、少なくとも1速、2速からなる変速段を有し、エンジンの出力を変速段のうちの選択された変速段で変速してプロペラ22に伝達する変速機24と、船体12に対するチルト角またはトリム角をチルトアップ/ダウンまたはトリムアップ/ダウンによって調整可能なパワーチルトトリムユニット(トリム角調整機構。以下「トリムユニット」という)26を備える。変速機24およびトリムユニット26はECU20によって制御される。
船体12の操縦席28付近には操船者(図示せず)によって回転操作自在なステアリングホイール30が配置される。ステアリングホイール30のシャフト(図示せず)には操舵角センサ32が取り付けられ、操船者によって入力されたステアリングホイール30の操舵角に応じた信号を出力する。
また、操縦席28付近には操船者によって操作自在なシフト・スロットルレバー34が設けられる。シフト・スロットルレバー34は初期位置から前後方向に揺動操作自在とされ、操船者からのシフトチェンジ指示(フォワード(前進)/リバース(後進)/ニュートラル(中立)切り換え指示)と、エンジン回転数の調節指示(スロットル開度指示)を入力する。
シフト・スロットルレバー34の付近にはレバー位置センサ36が取り付けられ、操船者によるシフト・スロットルレバー34の操作位置(操作角)に応じた信号を出力する。
船体12の適宜位置にはGPS(Global Positioning System)信号を受信するGPS受信装置(方位角センサ(方位角検出手段))38が配置される。GPS受信装置38はGPS信号から得られる船舶1の位置情報を示す信号を出力する。
操縦席28付近には、オートスパンカースイッチ40が配置される。オートスパンカースイッチ40は操船者に操作自在に設けられ、操船者によってオン(操作)されるとき、後述するオートスパンカー制御(船体12の方位(船首方向)と位置を一定に保つ制御)の実行指示を示す信号を出力する。尚、操舵角センサ32、レバー位置センサ36,GPS受信装置38およびオートスパンカースイッチ40の出力はECU20に入力される。
図2は船外機10の部分断面拡大側面図、図3は船外機10の拡大側面図である。
図2に示すように、スイベルケース48とスターンブラケット14の付近にはトリムユニット26が配置される。トリムユニット26はチルト角およびトリム角調整用の油圧シリンダと、これら油圧シリンダに油圧回路を介して接続されるチルト/トリム角調整用の電動モータ(いずれも図示せず)とを一体的に備える。トリムユニット26はECU20からのチルトアップ/ダウン信号またはトリムアップ/ダウン信号に基づき電動モータを介してチルト角またはトリム角調整用の油圧シリンダを伸縮させる。これにより、スイベルケース48がチルティングシャフト16を回転軸として回転させられ、船外機10はチルトアップ/ダウンまたはトリムアップ/ダウンさせられる。
船外機10の上部にはエンジン50が搭載される。エンジン50は火花点火式の水冷ガソリンエンジンであり、排気量2200ccを備える。エンジン50は水面上に位置し、エンジンカバー18によって覆われる。
エンジン50の吸気管52にはスロットルボディ54が接続される。スロットルボディ54は内部にスロットルバルブ56を備えると共に、スロットルバルブ56を開閉駆動するスロットル用電動モータ58が取り付けられる。スロットル用電動モータ58を動作させることでスロットルバルブ56が開閉され、エンジン50の吸気量が調量されてエンジン回転数(機関回転数)が調節される。
船外機10は鉛直軸回りに回転自在に支持され、上端がエンジン50のクランクシャフトに接続されるメインシャフト(動力伝達軸)60と、水平軸回りに回転自在に支持され、その一端にプロペラ22が取り付けられるプロペラシャフト(動力伝達軸)62と、メインシャフト60とプロペラシャフト62の間に介挿され、前進用に1速、2速からなる変速段と後進用の変速段(リバース)を有する変速機24とを備える。
プロペラシャフト62はトリムユニット26の初期状態(トリム角θが初期角度(0度)の状態)においてはその軸線62aが船舶1の進行方向に対してほぼ平行となるように配置される。
変速機24の後方位置(船体12の進行方向に対して後方)には変速機24を制御する複数の油圧バルブを備えたバルブユニット64が配置される。
メインシャフト60およびバルブユニット64などはケース66に収容されると共に、ケース66の下部は作動油を受けるオイルパン66aを構成する。
図4は変速機24の油圧回路を模式的に示す油圧回路図である。
図2および図4に示すように、変速機24はメインシャフト60と、メインシャフト60に複数の変速ギヤを介して接続されるカウンタシャフト68とが平行に配置された平行軸式の有段式の変速機構からなる。メインシャフト60およびカウンタシャフト68はそれぞれ2対のベアリング70a,70bによってケース66に保持される。
変速機24について具体的に説明すると、カウンタシャフト68には先端(図2において下方側端部)にピニオンギヤ72aとベベルギヤ72bを介してプロペラシャフト62が接続(連結)される。また、メインシャフト60には図面上からメイン2速ギヤ74、メイン1速ギヤ76、メインドグクラッチC1およびメイン後進ギヤ78が支持され、カウンタシャフト68には2速用油圧クラッチC2、カウンタ2速ギヤ80、カウンタ1速ギヤ82、カウンタドグクラッチCRおよびカウンタ後進ギヤ84が支持される。
メイン1速ギヤ76はメインシャフト60に相対回転自在に支持され、カウンタ1速ギヤ82はメイン1速ギヤ76に噛合し、カウンタシャフト68に相対回転不能に支持される。また、メイン2速ギヤ74はメインシャフト60に相対回転不能に支持され、カウンタ2速ギヤ80はメイン2速ギヤ74に噛合し、カウンタシャフト68に相対回転自在に支持される。
メインドグクラッチC1はメインシャフト60に相対回転不能かつ軸方向移動可能に支持されると共に、一方の軸方向(図4において上方。以下同じ)に所定距離移動するとメイン1速ギヤ76に結合し、メイン1速ギヤ76をメインシャフト60に締結(固定)する。2速用油圧クラッチC2はエンジン50によって駆動される油圧ポンプ86からの油圧が供給されるとき、カウンタ2速ギヤ80をカウンタシャフト68に締結する。
メイン後進ギヤ78はメインシャフト60に相対回転不能に支持され、カウンタ後進ギヤ84はメイン後進ギヤ78に噛合し、カウンタシャフト68に相対回転自在に支持される。
カウンタドグクラッチCRはカウンタシャフト68に相対回転不能かつ軸方向移動可能に支持されると共に、他方の軸方向(図4において下方。以下同じ)に所定距離移動するとカウンタ後進ギヤ84に結合し、カウンタ後進ギヤ84をカウンタシャフト68に締結する。
カウンタ1速ギヤ82には自身の回転数が所定回転数以上になると、カウンタシャフト68とカウンタ1速ギヤ82との締結を解除するワンウェイクラッチ82aが内蔵される。従って、低回転時はエンジン50からの動力はメイン1速ギヤ76とカウンタ1速ギヤ82を介してプロペラ22に伝達されるが、回転数が上昇し、当該回転数が所定回転数以上になると、ワンウェイクラッチ82aが切れてエンジン50からの動力はメイン1速ギヤ76やカウンタ1速ギヤ82を介してはプロペラ22に伝達されなくなる。
図4に示すように、メインドグクラッチC1はシフトフォーク90cを介して1速用シフトアクチュエータ90に接続される。1速用シフトアクチュエータ90は伸縮するアクチュエータであり、伸長するとき、メインドグクラッチC1をメインシャフト60の一方の軸方向に移動させ、収縮するとき、メインドグクラッチC1をメインシャフト60の他方の軸方向に移動させる。具体的には1速用シフトアクチュエータ90は一方の油室90aに油圧が供給されることで伸長し、他方の油室90bに油圧が供給されることで収縮する。
カウンタドグクラッチCRはシフトフォーク94cを介して後進用シフトアクチュエータ94に接続される。後進用シフトアクチュエータ94も1速用シフトアクチュエータ90と同様、伸縮するアクチュエータであり、伸長するとき、カウンタドグクラッチCRをカウンタシャフト68の一方の軸方向に移動させ、収縮するとき、カウンタドグクラッチCRをカウンタシャフト68の他方の軸方向に移動させる。具体的には後進用シフトアクチュエータ94は一方の油室94aに油圧が供給されることで伸長し、他方の油室94bに油圧が供給されることで収縮する。
尚、変速機24の付近には1速用シフトアクチュエータ90が所定距離伸長し、メインドグクラッチC1がメイン1速ギヤ76に結合されたことを検知する前進側シフトスイッチと、後進用シフトアクチュエータ94が所定距離収縮し、カウンタドグクラッチCRがカウンタ後進ギヤ84に結合されたことを検知する後進側シフトスイッチが設けられる(いずれも図示せず)。
メイン1速ギヤ76をメインドグクラッチC1でメインシャフト60に締結すると、エンジン50の出力はメインシャフト60、メイン1速ギヤ76、カウンタ1速ギヤ82、カウンタシャフト68を介してプロペラ22に伝えられ、1速が確立する。
また、メインドグクラッチC1がメイン1速ギヤ76に結合されている状態(このときカウンタドグクラッチCRはいずれのギヤとの結合されずに中立位置)で、カウンタ2速ギヤ80を2速用油圧クラッチC2でカウンタシャフト68に締結すると、エンジン50の出力はメインシャフト60、メイン2速ギヤ74、カウンタ2速ギヤ80、カウンタシャフト68を介してプロペラ22に伝えられ、2速が確立する。
カウンタ後進ギヤ84をカウンタドグクラッチCRでカウンタシャフト68に締結すると、エンジン50の出力はメインシャフト60、メイン後進ギヤ78、カウンタ後進ギヤ84、カウンタシャフト68を介してプロペラ22に伝えられ、リバースが確立する。
また、1速用シフトアクチュエータ90が収縮する一方、後進用シフトアクチュエータ94が伸長し、メインドグクラッチC1とカウンタドグクラッチCRが共に中立位置にあるとき(このとき2速用油圧クラッチC2はオフ(カウンタ2速ギヤ80と非係合))、メインシャフト60とカウンタシャフト68は結合されずにニュートラルとなる。
このように、メインドグクラッチC1,2速用油圧クラッチC2およびカウンタドグクラッチCRによるギヤとシャフトの結合は油圧ポンプ86からメインドグクラッチC1,2速用油圧クラッチC2およびカウンタドグクラッチCRに供給される油圧を制御することで行われる。
この点について詳説すると、油圧ポンプ86がエンジン50により駆動されるとき、オイルパン66aの作動油は油圧ポンプ86によって汲み上げられ、油路100a、ストレーナ102を通って吐出口86aから吐出される。吐出口86aから吐出された作動油は油路100b,100dを介して第1、第2切換バルブ104a,104bに供給され、油路100c,100eを介して第1、第2電磁ソレノイドバルブ106a,106bに供給される。
第1切換バルブ104aは油圧ポンプ86と1速用シフトアクチュエータ90を接続する油路100b,100f,100gに介挿されると共に、油路100fを介して1速用シフトアクチュエータ90の油室90aに接続され,油路100gを介して1速用シフトアクチュエータ90の油室90bに接続される。
第2切換バルブ104bは油圧ポンプ86,2速用油圧クラッチC2および後進用シフトアクチュエータ94を接続する油路100b,100d,100h,100i,100m,100nに介挿されると共に、油路100hを介して後進用シフトアクチュエータ94の油室94aに、油路100i,100mを介して後進用シフトアクチュエータ94の油室94bに、油路100i,100nを介して2速用油圧クラッチC2に接続される。
第1、第2切換バルブ104a,104bの内部には移動自在なスプールが収容され、スプールは一端側(図で左端)でスプリングによって他端側に付勢される。他端側には第1、第2電磁ソレノイドバルブ106a,106bが油路100j,100kを介して接続される。
従って、第1電磁ソレノイドバルブ106aがオン(通電)されると、内部のスプールが変位させられて油路100cと100jが連通し、油圧ポンプ86から供給される油圧は第1切換バルブ104aのスプールの他端側に出力される。これにより、第1切換バルブ104aのスプールは一端側に変位させられ、油路100bの作動油が油路100fに送出されて1速用シフトアクチュエータ90の油室90aに供給される。
一方、第1電磁ソレノイドバルブ106aがオフ(通電が停止)されるときは内部のスプールは変位しないため、油路100cと100jは連通せず、油路100cからの油圧は第1切換バルブ104aのスプールの他端側には出力されない。よって、第1切換バルブ104aのスプールはスプリングによって他端側に付勢されたままである。このため、油路100bの作動油は油路100gを通って1速用シフトアクチュエータ90の油室90bに供給される。
また、第2電磁ソレノイドバルブ106bがオンされて内部のスプールが変位させられると、油路100eと100kが連通して第2切換バルブ104bのスプールが一端側に変位させられるため、油路100dの作動油は油路100iを介して第3切換バルブ104cに供給される。
一方、第2電磁ソレノイドバルブ106bがオフされるときは内部のスプールが変位しないため、油路100eからの油圧は第1切換バルブ104bのスプールの他端側には出力されず、第1切換バルブ104bのスプールはスプリングによって他端側に付勢されたままである。従って、油路100dの作動油は油路100hを通って後進用シフトアクチュエータ94の油室94aに供給される。
第3切換バルブ104cは第2切換バルブ104bと後進用シフトアクチュエータ94または2速用油圧クラッチC2を接続する油路100i,100m,100nに介挿されると共に、油路100mを介して後進用シフトアクチュエータ94の油室94bに接続され、油路100nを介して2速用油圧クラッチC2に接続される。
第3切換バルブ104cの内部にも移動自在なスプールが収容され、スプールは一端側(図で左端)でスプリングによって他端側に付勢されると共に、他端側には油路100lが接続される。従って、第1電磁ソレノイドバルブ106aがオンされて、第1切換バルブ104aのスプールが一端側に変位させられ、油路100bの作動油が油路100fに送出されると、この作動油の一部が油路100lを介して第3切換バルブ104cの他端側に出力される。これにより、第3切換バルブ104cのスプールは一端側に変位させられ、油路100iの作動油は油路100nを介して2速用油圧クラッチC2に供給されて2速用油圧クラッチC2がオン(カウンタ2速ギヤ80と係合)する。
一方、第1電磁ソレノイドバルブ106aがオフされるときは第1切換バルブ104aのスプールは変位せずにスプリングによって他端側に付勢されたままであるため、第3切換バルブ104cの他端側には油路100lからの作動油が作用せず、第3切換バルブ104cのスプールはスプリングによって他端側に付勢されたままである。よって、油路100iからの作動油は油路100mを通って後進用シフトアクチュエータ94の油室94bに供給される。
以上のように、第1電磁ソレノイドバルブ106aがオンされ、第2電磁ソレノイドバルブ106bがオフされるときは1速用シフトアクチュエータ90の油室90aに油圧が供給される一方、2速用油圧クラッチC2には油圧が供給されないため、メイン1速ギヤ76とメインシャフト60がメインドグクラッチC1で締結されて1速が確立する。尚、このとき後進用シフトアクチュエータ94は油室94aに油圧が供給されて伸長するため、カウンタドグクラッチCRはカウンタ後進ギヤ84には結合されずに中立位置となる。
また、第1、第2電磁ソレノイドバルブ106a,106bが共にオンされるときは1速用シフトアクチュエータ90の油室90aと2速用油圧クラッチC2に油圧が供給されるため、メイン1速ギヤ76とメインシャフト60がメインドグクラッチC1で締結されると共に、カウンタ2速ギヤ80とカウンタシャフト68が2速用油圧クラッチC2で締結されて2速が確立する。
さらに、第1電磁ソレノイドバルブ106aがオフ、第2電磁ソレノイドバルブ106bがオンされるときは1速用シフトアクチュエータ90の油室90bに油圧が供給され、後進用シフトアクチュエータ94の油室94bに油圧が供給されると共に、2速用油圧クラッチC2には油圧が供給されないため、カウンタ後進ギヤ84とカウンタシャフト68がカウンタドグクラッチCRで締結されてリバースが確立する。
第1電磁ソレノイドバルブ106a、第2電磁ソレノイドバルブ106bが共にオフされるときは1速用シフトアクチュエータ90の油室90bと後進用シフトアクチュエータ94の油室94aに油圧が供給されるため、メインドグクラッチC1とカウンタドグクラッチCRが共に中立位置になると共に、2速用油圧クラッチC2にも油圧が供給されないため、メインシャフト60とカウンタシャフト68は結合されずにニュートラルとなる。
尚、油圧ポンプ86からの作動油(潤滑油)は油路100b,100o、レギュレータバルブ108、リリーフバルブ110を介して潤滑部(例えばメインシャフト60、カウンタシャフト68など)にも供給される。
また、第1切換バルブ104a、第1電磁ソレノイドバルブ106aおよび第3切換バルブ104cをバイパスする油路100pにはエマージェンシーバルブ112が配置される。エマージェンシーバルブ112はシステムの動作に万が一不具合が生じたときなどに手動で動かして変速できるようにするための手動バルブである。
図3に示すように、スロットルバルブ56の付近にはスロットル開度センサ120が配置され、スロットルバルブ56の開度THを示す信号を出力する。また、エンジン50のクランクシャフトの付近にはクランク角センサ122が配置され、所定のクランク角度ごとにパルス信号を出力する。さらに、チルティングシャフト16の付近にはトリム角センサ124が配置され、船外機10のトリム角θに応じた信号を出力する。
尚、ECU20と各センサやGPS受信装置38とは例えばNMEA(National Marine Electronics Association。米国船舶用電子機器協会)で規格された通信方式(例えばNMEA2000。具体的にはCAN(Controller Area Network))で通信自在に接続される。
ECU20は変速機24の変速制御とトリムユニット26でトリム角θを調整するトリム角制御を行う。また、ECU20はレバー位置センサ36の出力に基づいてスロットル用電動モータ58の動作を制御し、スロットルバルブ56を開閉させてスロットル開度THを調整するスロットル開度制御も行う。
さらに、ECU20は入力されたセンサ出力に基づいてエンジン50の燃料噴射量と点火時期を決定し、インジェクタ130を介して決定された噴射量の燃料を供給すると共に、点火装置132を介して決定された点火時期に従って噴射された燃料と吸気の混合気を点火する。
このように、この実施例に係る船外機10の制御装置は操作系(ステアリングホイール30やシフト・スロットルレバー34)と船外機10の機械的な接続が断たれたDBW(Drive By Wire)方式の装置である。
図5はECU20の変速制御動作を示すフロー・チャートである。図示のプログラムはECU20によって所定の周期(例えば100msec)ごとに実行される。
以下説明すると、先ずS(ステップ)10においてシフト位置をレバー位置センサ36の出力値から検出する。具体的には、レバー位置センサ36の出力電圧に基づいてシフト位置がフォワード(前進)、ニュートラル(中立)、リバース(後進)のいずれであるかを判断する。
次いでS12に進んでシフト位置がフォワード(図で「前進」と示す)か否か判断し、肯定されるときはS14に進み、オートスパンカースイッチ40(図で「オートスパンカーSW」と示す)がオフされているか否か、即ち、オートスパンカースイッチ40からオートスパンカー制御の実行指示を示す信号が出力されているか否か判断する。
最初のプログラムループではS14の処理は通例肯定されてS16に進み、前回の(プログラムループでの)シフト位置がフォワードまたはニュートラルであったか否か判断する。
S16で肯定、即ち、前回のシフト位置がフォワードまたはニュートラルで今回のシフト位置がフォワード、換言すれば、シフト位置がフォワードのまま変化していないか、ニュートラルからフォワードに切り換わったときはS18に進み、前進側シフトスイッチ(図で「FWDシフトSW」と示す)がオフ、即ち、メインドグクラッチC1がメイン1速ギヤに結合されていない状態か否か判断する。
S18で肯定されるときはS20に進み、第1電磁ソレノイドバルブ106a(図で「第1SOL」と示す)をオン、第2電磁ソレノイドバルブ106b(図で「第2SOL」と示す)をオフして変速機24の変速段を1速に変速する。
S20において変速機24の変速段が1速に変速されるとメインドグクラッチC1がメイン1速ギヤ76に結合され、前進側シフトスイッチがオンされるので、次回のプログラムループではS18で否定され、S22に進んで第1、第2電磁ソレノイドバルブ106a,106bを共にオンして変速機24の変速段を2速に変速する。
また、S16で否定、即ち、前回のシフト位置がリバースで今回のシフト位置がフォワード、換言すれば、シフト位置がリバースからフォワードに切り換わったときはS24に進み、第1、第2電磁ソレノイドバルブ106a,106bを共にオフしてニュートラルを選択する。
また、S14で否定、即ち、オートスパンカースイッチ40がオンされたときはS26に進み、オートスパンカー制御を実行する。
図6は、オートスパンカー制御動作を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。
図6に示すように、S100において船体12の現在の方位(角)θを検出(取得)する。尚、オートスパンカースイッチ40がオンされた直後の最初のプログラムループでは検出された方位θを後述する方位θの所定時間当たりの変化量(変化角度または回転角度)Δθを算出するための基準方位として定める(記憶(学習)する)。
次いでS102では検出された方位θの所定時間当たりの変化量Δθ、即ち、検出された方位θが基準方位に対してどの程度変位(回転)したかを変化量Δθとして算出する。但し、上記の通り、最初のプログラムループではS100で検出された変位θは基準方位として定められるため、最初のプログラムループで算出される変化量Δθ(S102)は0となる。
次いでS104に進み、算出された変化量Δθが第1所定値Δθ1以上か否か判断する。この実施例では第1所定値Δθ1は時計方向(時計回り)への変化量を示す値であり、具体的には方位θが一定に保たれていないと判断できる値(角度)、例えば+5度とされる。
上記の通り、最初のプログラムループでは変化量Δθは0となるため、S104の判断は否定されてS106に進む。S106では算出された変化量Δθが第2所定値Δθ2以下か否か判断する。第2所定値Δθ2は第1所定値Δθ1とは逆に反時計方向(反時計回り)への変化量を示す値であり、例えば−5度とされる。
最初のプログラムループではS106の判断は否定されてS108に進み、第1、第2電磁ソレノイドバルブ106a,106b(図で「第1SOL」、「第2SOL」と示す)を共にオフしてニュートラルを選択する。
次いでS110に進み、エンジン回転数NEを増減させるエンジン回転数制御(後述)を初期化、即ち、停止する(エンジン回転数制御が実行中であれば停止し、停止中であればそのまま停止する)。
また、S106で肯定、即ち、変化量Δθが第2所定値Δθ2(−5度)以下、換言すると、方位θが基準方位に対して反時計方向に所定角度(5度)以上回転したときはS112に進み、現在のプログラムループで制御対象となっている船外機10が第1船外機10Aか否か判断する。尚、ここでは変化量Δθが第2所定値Δθ2以下、即ち、−5度以下であるから、船体12は反時計方向に変位(回転)していることになる。このため、第1船外機10Aは旋回方向内側の船外機10に相当する。
S112で肯定、即ち、制御対象となっている船外機10が第1船外機10A、換言すれば、旋回方向内側の船外機10と判断されるときはS114に進み、第1船外機10Aの第1電磁ソレノイドバルブ106aをオン、第2電磁ソレノイドバルブ106bをオフして変速機24の変速段を1速に変速する。
次いでS116に進み、変速段を1速に変速後、船体12がさらにどの程度変位(回転)したか(以下「船体回転量」という)を検出する。具体的には、変速段を1速に変速後に改めて方位θを検出し、変速前後の方位θの変位量、即ち、船体回転量を検出する。
次いでS118に進み、検出された船体回転量が所定回転角度θt(例えば2度。以下同じ)以下か否か判断し、否定されるときは処理を終了する一方、肯定されるときはS120に進んでエンジン回転数制御を実行する。
エンジン回転数制御とは、船体12の方位θを基準方位に戻すためにエンジン回転数NEを上げる制御をいう。即ち、変速段を1速に変速したにもかかわらず、船体12の方位θが基準方位に戻ろうとする動きが少ない場合、エンジン回転数制御によってエンジン回転数NEを調整、具体的にはエンジン回転数NEを上げて船体12の方位を基準方位に戻すようにしている。従って、船体回転量が所定回転角度θtを超えるときは船体12が十分に回転し基準方位付近に戻っていると判断できるため、エンジン回転数制御を実行しない一方、船体回転量が所定回転角度θt以下のときは変速段を1速に変速したにもかかわらず船体12が思ったよりも動いていない(基準方位付近に戻っていない)と判断できることから、エンジン回転数制御を実行して船体12の動き(回転)を促進させるものである。
また、S112で否定、即ち、制御対象となっている船外機10が第2船外機10B、即ち、旋回方向外側の船外機10である場合にはS122に進み、第2船外機10Bの第1電磁ソレノイドバルブ106aをオフ、第2電磁ソレノイドバルブ106bをオンして変速機24をリバースに変速する。
次いでS124に進み、リバースに変速後の船体回転量を検出すると共に、S126に進んで検出された船体回転量が所定回転角度θt以下か否か判断し、否定されるときは処理を終了する一方、肯定されるときはS128に進み、上記したエンジン回転数制御を実行する。
また、S104で肯定、即ち、算出された変化量Δθが第1所定値Δθ1(+5度)以上、換言すると、方位θが基準方位に対して時計方向に所定角度(5度)以上回転したときはS130に進み、制御対象となっている船外機10が第2船外機10Bか否か判断する。ここでは変化量Δθが第1所定値Δθ1以上、即ち、+5度以上であるから、船体は時計方向に変位(旋回)していることになる。このため、第2船外機10Bは旋回方向内側の船外機10に相当する。
S130で肯定、即ち、制御対象となっている船外機10が第2船外機10B、換言すると、旋回方向内側の船外機10と判断されるときは、S132に進んで第2船外機10Bの第1電磁ソレノイドバルブ106aをオン、第2電磁ソレノイドバルブ106bをオフして変速機24の変速段を1速に変速する。
次いでS134に進み、変速段を1速に変速後の船体回転量を検出すると共に、S136に進んで検出された船体回転量が所定回転角度θt以下か否か判断し、否定されるときは処理を終了する一方、肯定されるときはS138に進み、エンジン回転数制御を実行する。
また、S130で否定、即ち、制御対象となっている船外機10が第1船外機10A、換言すると、旋回方向外側の船外機10である場合にはS140に進んで第1船外機10Aの第1電磁ソレノイドバルブ106aをオフ、第2電磁ソレノイドバルブ106bをオンして変速機24をリバースに変速する。
次いでS142に進み、リバースに変速後の船体回転量を検出すると共に、S144に進んで検出された船体回転量が所定回転角度θt以下か否か判断し、否定されるときは処理を終了する一方、肯定されるときはS146に進み、エンジン回転数制御を実行する。
以上のように、オートスパンカー制御はオートスパンカースイッチ40がオンされた(S14)のを契機としてまず船体12の基準方位を定める(S100)と共に、変速機24をニュートラルにする(S108)。その後、基準方位に対して船体12の方位θがどの程度変位(回転)したかを方位θの変化量Δθとして算出し(S102)、変化量Δθが時計方向または反時計方向に所定値(第1所定値Δθ1または第2所定値Δθ2)以上変化したとき(S104,S106)、旋回方向内側の船外機10の変速機24を1速に(S114,S132)、旋回方向外側の船外機10の変速機24をリバースに変速する(S122,S140)ものである。このように制御することで船体12の方位θを基準方位に戻すことができるようになる。
また、変速機24を上記のように制御したものの依然として船体12の戻りが十分でない場合には、さらにエンジン回転数制御(S118,S120等)も併せて行うことにより迅速かつ確実に船体12を基準方位に戻すことができるようになる。
図5の説明に戻ると、S12で否定、即ち、シフト位置がフォワードでないときはS2
8に進み、シフト位置がニュートラルか否か判断し、肯定されるときはS30に進んで前進側シフトスイッチがオフ、かつ後進側シフトスイッチ(図で「RVSシフトSW」と示す)がオンか否か、換言すると、メインドグクラッチC1がメイン1速ギヤ76に結合されておらず、かつカウンタドグクラッチCRがカウンタ後進ギヤ84に結合されていない状態、即ち、メインドグクラッチC1、カウンタドグクラッチCRが共に中立位置にあるか否か判断する。
S30で肯定されるときは処理を終了する一方、否定されるときはS32に進んで第1、第2電磁ソレノイドバルブ106a,106bを共にオフしてニュートラルを選択する。
また、S28で否定、即ち、シフト位置がリバースのときはS34に進み、前回のシフト位置がリバース(図で「後進」と示す)またはニュートラルであったか否か判断し、肯定されるときはS36に進み、後進側シフトスイッチがオンか否か判断する。
S36で否定されるときは、処理を終了する一方、肯定されるときはS38に進んで第1電磁ソレノイドバルブ106aをオフ、第2電磁ソレノイドバルブ106bをオンしてリバースを選択する。
また、S34で否定、即ち、前回のシフト位置がフォワードで今回のシフト位置がリバース、換言すれば、シフト位置がフォワードからリバースに切り換わったときはS40に進み、第1、第2電磁ソレノイドバルブ106a,106bを共にオフしてニュートラルを選択する。
図7は上記の処理の一部を説明するタイム・チャートである。
先ず、時刻t1でオートスパンカースイッチ40がオンされると(S14)、現在の船体12の方位θを検出し、検出された方位θを基準方位として定める(S100)と共に、すべての船外機10A,10Bの第1、第2電磁ソレノイドバルブ106a,106b(図で「第1SOL」、「第2SOL」と示す)を共にオフして変速機24をニュートラルにする(S108)。
次に、変化量Δθが第2所定値Δθ2以下、即ち、船体12の方位θが反時計方向に所定角度以上変位していると判断されると(図7の(a)の状態。S106)、時刻t2において旋回方向内側の船外機10に相当する第1船外機10Aの第1電磁ソレノイドバルブ106aをオン、第2電磁ソレノイドバルブ106bをオフして変速機24の変速段を1速に変速する(S114)と共に、旋回方向外側の船外機10に相当する第2船外機10Bの第1電磁ソレノイドバルブ106aをオフ、第2電磁ソレノイドバルブ106bをオンして変速機24をリバースに変速する(S122)。
時刻t3では変化量Δθが第2所定値Δθ2を超えてほぼ基準方位に戻ったことから(S106)、第1、第2電磁ソレノイドバルブ106a,106bを共にオフしてすべての船外機10A,10Bの変速機24をニュートラルにする(S108)。
ところで、上記の通り、変化量Δθや変位方向に応じて各船外機10Aまたは10Bの変速機24を制御することにより、方位θを基準方位に戻すことが可能になるが、方位θが基準方位にある場合であっても、例えば船体12が前方からの風の影響により後方に流される場合がある(図7の(b)の状態)。そこで、このような場合には時刻t4に示すように、すべての船外機、即ち、第1、第2船外機10A,10Bの第1電磁ソレノイドバルブ106aをオン、第2電磁ソレノイドバルブ106bをオフして変速機24の変速段を1速に変速し、船体12に対して前方への推力を与えるようにした。これにより、船体12は風上からの強い風に対しても船体12を所定位置に維持することができるようになる。
従って、例えば上記とは逆に船体12の方位θが基準方位にあるが、船首が風下にあり、ニュートラルのままでは船体12が前方(進行方向)に流される状況にある場合には、すべての船外機10A,10Bの第1電磁ソレノイドバルブ106aをオフ、第2電磁ソレノイドバルブ106bをオンして変速機24をリバースに変速し、船体12に対して後方への推力を与えるようにすれば、上記と同様に船体12を所定位置に維持することができるようになる。
即ち、図6のフロー・チャートでは説明を省略したが、オートスパンカー制御中、船体12の方位θが基準方位付近に戻っているとしても、前方あるいは後方からの風等の影響によって船体12が前方あるいは後方に流されるような状況になった場合にはすべての船外機10A,10Bの変速機24を1速またはリバースに変速することにより、船体12に前方または後方への推力を与えて船体12を方位θのみならず、前後方向の位置においても所定位置に維持できるようにした。
次に時刻t5では風速が弱まるなどして変速段を1速にしておく必要がなくなったため(依然、船体12の方位θは基準方位付近にある)、第1、第2電磁ソレノイドバルブ106a,106bを共にオフして変速機24を再びニュートラルにする。
その後、今度は変化量Δθが第1所定値Δθ1以上となり、船体12の方位θが基準方位に対して時計方向に変位したため(図7の(c)の状態。S104)、時刻t6において旋回方向内側の船外機10に相当する第2船外機10Bの第1電磁ソレノイドバルブ106aをオン、第2電磁ソレノイドバルブ106bをオフして変速機24の変速段を1速に変速する(S132)一方、旋回方向外側の船外機10に相当する第1船外機10Aの第1電磁ソレノイドバルブ106aをオフ、第2電磁ソレノイドバルブ106bをオンして変速機24の変速段をリバースに変速する(S140)。
以上の如く、この発明の実施例にあっては、それぞれ船体12に取り付け可能であると共に、内燃機関(エンジン)50からの動力をプロペラ22に伝達する動力伝達軸(メインシャフト60、プロペラシャフト62、カウンタシャフト68)に支持される1速ギヤ(メイン1速ギヤ76、カウンタ1速ギヤ82)、2速ギヤ(メイン2速ギヤ74、カウンタ2速ギヤ80)および後進ギヤ(メイン後進ギヤ78、カウンタ後進ギヤ84)を少なくとも含む選択可能な複数のギヤを有し、前記内燃機関からの動力を前記複数のギヤのうちの選択されたギヤを介して前記プロペラに伝達する変速機24を備えた複数基の船外機10(10A,10B)の制御装置において、前記船体の方位角θを検出する方位角検出手段(GPS受信装置38。ECU20。S100)と、前記検出された方位角θの所定時間当たりの変化量Δθを算出する船体方位角変化量算出手段(EUC20。S102)と、前記算出された変化量Δθに基づいて前記複数のギヤのうちのいずれかのギヤを選択するように前記それぞれの船外機の変速機の動作を制御する変速機制御手段(ECU20。S104,S106,S108,S114,S122,S132,S140)とを備える如く構成、即ち、実際の船体12の動きを検出して船外機10の変速機24を制御する如く構成したので、船体12に風の影響のみならず潮流などの影響が作用したとき、その作用は方位角θの変化量Δθとして検出でき、検出された変化量Δθに基づき変速機24の動作を制御するので船首方向(方位θ)と位置を一定に保つことができる。
また、操船者の操作自在に設けられ、操船者によって操作されるとき、前記検出された方位角θを記憶するように指示する方位角記憶指示手段(オートスパンカースイッチ40。ECU20。S14)と、前記方位角記憶指示手段の指示に応じて前記検出された方位角θを記憶する方位角記憶手段(ECU20。S100)とを備えると共に、前記船体方位角変化量算出手段は、前記記憶された方位角θに基づいて前記方位角θの所定時間当たりの変化量Δθを算出する(ECU20。S102)如く構成したので、操船者の操作によって船首方向と位置を一定に保つことができる。
また、前記変速機制御手段は、前記算出された変化量Δθが所定値(第1所定値、第2所定値)Δθ1,Δθ2以上のとき、前記船体の旋回方向内側に位置する船外機10については前記複数のギヤのうちの1速ギヤを選択する(ECU20。S114,S132)如く構成したので、一層船首方向と位置を一定に保つことができる。
また、前記変速機制御手段は、前記算出された変化量Δθが所定値Δθ1,Δθ2以上のとき、前記船体の旋回方向外側に位置する船外機10については前記複数のギヤのうちの後進ギヤを選択する(ECU20。S122,S140)如く構成したので、一層船首方向と位置を一定に保つことができる。
また、前記変速機制御手段は、前記算出された変化量Δθが所定値未満のとき、全ての船外機(10A,10B)について同一のギヤを選択する如く構成したので、船体12が方位θのみならず、前後方向に移動した場合であっても船体12の位置を所定位置に戻すことできる。
尚、実施例では、船外機を例に説明したが、変速機を備えた船内外機についても本発明を適用することができる。
また、実施例では、2基の船外機10A,10Bを備えた船舶1を例に説明したが、3基以上の船外機を備えた船舶にも本発明は適用される。
また、第1所定値Δθ1、第2所定値Δθ2、所定回転角度θt、エンジン50の排気量などを具体的な値で示したが、それらは例示であって限定されるものではない。
また、オートスパンカー制御を終了する場合、オートスパンカースイッチ40をオフにすることで終了するようにしても良いのはもちろんであるが、オートスパンパー制御を実行後、方位θが基準方位に戻ったら、あるいは戻ってから所定時間が経過したら自動的にオートスパンカー制御を終了するようにしても良い(この場合、オートスパンカー制御を再び実行したい場合には改めてオートスパンカースイッチ40をオンする)。