JP6004933B2 - レーザー加工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザー加工装置に関する。特に、アブレーション加工を実施するレーザー加工装置に関する。
IC(Integrated Circuit)、LSI(Large Scale Integration)等のデバイスが形成された半導体ウエーハや、LED(Light Emitting Diode)素子等のデバイスが形成されたサファイヤウエーハの分割予定ラインをレーザー加工装置によってレーザー光線を照射し、表面に溝を形成することで個々のデバイスに分割し、携帯電話、PC(Personal Computer)、LEDライト等の電子機器が製造されている。
この加工工程において、半導体ウエーハやサファイヤウエーハにレーザー光線を照射するとデブリと呼ばれる微細な粉塵が発生・散してデバイスの表面に堆積し、デバイスの品質を低下させることが知られている。その対策として、保護膜を予め塗付してからレーザー加工を施し、保護膜とともに保護膜上に付着したデブリごと洗浄して除去してしまう加工方法や、対物レンズの光軸に沿ってエアーを噴出する噴出口を備えると共に噴出口の周りからデブリを吸引してデブリがデバイスの表面に堆積するのを防止するレーザー加工装置が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3参照)。
特開2007−69249号公報 特開2011−189400号公報 特開2006−032419号公報
しかしながら、実際に加工すると、保護膜やウエーハ自体から発生した気化したデブリが、デブリを吸引する機構に付着して液化して堆積し、堆積した液化したデブリが再度ウエーハ上に落下して、再度ウエーハに付着する虞があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、レーザー加工の際に生じるデブリが再度被加工物に付着することを抑制できるレーザー加工装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のレーザー加工装置は、被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された該被加工物の表面に該被加工物に対して吸収性を有する波長のレーザー光線を照射してレーザー加工溝を形成する集光器を備えたレーザー光線照射手段と、レーザー光線の照射によって加工点付近に生成されるデブリを該集光器の下方に設置した吸引口から吸引して排出するデブリ排出手段と、を備えたレーザー加工装置において、該デブリ排出手段は、該吸引口から斜め上方に延出して吸引源と連通する吸引路と、斜め上方に延出する該吸引路の該吸引口近傍の底面に設けられ、該吸引路に付着して該底面を逆流して流れ落ちる該デブリを貯留する液溜部と、該吸引路の該液溜部と該吸引口の間の該液溜部近傍に設けられ、該液溜部の貯留量を超え該液溜部から流出し該吸引口に向かって逆流する該デブリを検出する流出デブリ検出器と、を備えることを特徴とする。
本発明のレーザー加工装置は、吸引路の内面に付着した液化したデブリが液溜部に貯留されるので、液化したデブリが吸引路を逆流して被加工物に向かって逆流することを抑制できる。また、レーザー加工装置は、万が一、液溜部から液化したデブリが流出した場合、流出デブリ検出器によってデブリが流出したことを一早く確認できる。このために、流出デブリ検出器によってデブリが流出したことを確認すると、早急に加工を停止し、被加工物を退避させることができるため、被加工物に流出したデブリが付着する事を抑制することが可能となった。
図1は、実施形態に係るレーザー加工装置の構成例を示す図である。 図2は、実施形態に係るレーザー加工装置のレーザー光線照射手段とデブリ排出手段などの構成を模式的に示す断面図である。 図3は、実施形態に係るレーザー加工装置のデブリ排出手段の液溜部からデブリが流出した状態を模式的に示す断面図である。 図4は、実施形態に係るレーザー加工装置の液溜部のデブリを検出するフローチャートである。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
〔実施形態〕
本発明の実施形態に係るレーザー加工装置を図面に基いて説明する。図1は、実施形態に係るレーザー加工装置の構成例を示す図である。図2は、実施形態に係るレーザー加工装置のレーザー光線照射手段とデブリ排出手段などの構成を模式的に示す断面図である。図3は、実施形態に係るレーザー加工装置のデブリ排出手段の液溜部からデブリが流出した状態を模式的に示す断面図である。
実施形態1に係るレーザー加工装置1は、被加工物Wに一旦保護膜P(図2及び図3に示す)を被覆した後、この保護膜Pが被覆された被加工物Wを保持したチャックテーブル10と、レーザー光線照射手段20とを相対移動させることで、被加工物Wにアブレーション加工を施して、被加工物Wにレーザー加工溝S(図2及び図3に示す)を形成するものである。
ここで、被加工物Wは、レーザー加工装置1によりレーザー加工される被加工物であり、本実施形態ではシリコン、サファイア、ガリウムなどを母材とする円板状の半導体ウエーハや光デバイスウエーハである。被加工物Wは、図1に示すように、表面WSに形成された複数のデバイスDが複数のストリートによって格子状に区画されている。被加工物Wは、図1に示すように、デバイスDが複数形成されている表面WSの反対側の裏面が粘着テープTに貼着され、被加工物Wに貼着された粘着テープTに環状フレームFが貼着されることで、環状フレームFに固定される。また、被加工物Wの表面WSには、層間絶縁膜材料としてLow−k材料(主に、ポーラス材料)で構成された図示しない所謂Low−k膜が形成されている。
レーザー加工装置1は、図1に示すように、チャックテーブル10と、レーザー光線照射手段20と、デブリ排出手段40と、制御手段90とを含んで構成されている。レーザー加工装置1は、更に、レーザー加工前後の被加工物Wを収容するカセット50が載置されたカセットエレベータ(図示せず)と、レーザー加工前後の被加工物Wを一時的に載置する仮置き手段60と、レーザー加工前の被加工物Wに保護膜Pを被覆しかつレーザー加工後の被加工物Wから保護膜Pを除去する保護膜形成兼洗浄手段70と、を含んで構成されている。さらに、レーザー加工装置1は、チャックテーブル10とレーザー光線照射手段20とをX軸方向に相対移動させる図示しないX軸移動手段と、チャックテーブル10とレーザー光線照射手段20とをY軸方向に相対移動させる図示しないY軸移動手段と、チャックテーブル10とレーザー光線照射手段20とをZ軸方向に相対移動させる図示しないZ軸移動手段とを含んで構成されている。
カセット50は、粘着テープTを介して環状フレームFに貼着された被加工物Wを複数枚収容するものである。カセット50は、レーザー加工装置1の装置本体2にZ軸方向に昇降自在に設けられている。
仮置き手段60は、カセット50からレーザー加工前の被加工物Wを一枚取り出すとともに、レーザー加工後の被加工物Wをカセット50内に収容するものである。仮置き手段60は、レーザー加工前の被加工物Wをカセット50から取り出すとともにレーザー加工後の被加工物Wをカセット50内に挿入する搬出入手段61と、レーザー加工前後の被加工物Wを一時的に載置する一対のレール62とを含んで構成されている。
保護膜形成兼洗浄手段70は、一対のレール62上のレーザー加工前の被加工物Wが第1の搬送手段81により搬送されてきて、このレーザー加工前の被加工物Wに保護膜Pを被覆するものである。また、保護膜形成兼洗浄手段70は、レーザー加工後の被加工物Wが第2の搬送手段82により搬送されてきて、このレーザー加工後の被加工物Wの保護膜Pを除去するものである。保護膜形成兼洗浄手段70は、スピンナテーブル71を有し、レーザー加工前後の被加工物Wを保持しZ軸方向と平行な軸心回りに回転するスピンナテーブル71と、スピンナテーブル71上のレーザー加工前の被加工物Wに保護膜Pを構成するPVA、PEGやPEO等の水溶性樹脂を含んだ液状樹脂を噴射する塗布ノズル(図示せず)と、スピンナテーブル71上のレーザー加工後の被加工物Wから保護膜Pを除去する洗浄液を噴射する洗浄ノズル(図示せず)とを備えている。
チャックテーブル10は、保護膜形成兼洗浄手段70のスピンナテーブル71上のレーザー加工前の保護膜Pが形成された被加工物Wが第2の搬送手段82により載置されてきて、当該被加工物Wを保持するものである。チャックテーブル10は、表面を構成する部分がポーラスセラミック等から形成された円盤形状であり、図示しない真空吸引経路を介して図示しない真空吸引源と接続され、表面に載置された被加工物Wを吸引することで保持する。チャックテーブル10は、X軸移動手段により、カセット50近傍の搬出入領域TRとレーザー光線照射手段20近傍の加工領域PRとに亘ってX軸方向に移動自在に設けられ、かつY軸移動手段によりY軸方向に移動自在に設けられているとともに図示しない基台駆動源により中心軸線(Z軸と平行である)回りに回転自在に設けられている。
レーザー光線照射手段20は、装置本体2に設けられた加工領域PRに設けられ、かつチャックテーブル10に保持された被加工物Wの表面WSにレーザー光線L(図2などに示す)を照射して、アブレーション加工によりレーザー加工溝Sを形成するものである。レーザー光線Lは、被加工物Wに対して吸収性を有する波長のレーザー光線である。レーザー光線照射手段20は、チャックテーブル10に保持された被加工物Wに対して、Z軸移動手段によりZ軸方向に移動自在に設けられている。レーザー光線照射手段20は、下方が開口したケース21と、レーザー光線Lを発振する発振器(図示せず)と、ケース21内に収容されかつ発振器により発振されたレーザー光線Lを被加工物Wの表面WSに照射してレーザー加工溝Sを形成する集光器22とを備えている。
ケース21のX軸方向に搬出入領域TRから離れた側の側壁21aの下端部には、排出口23が開口している。発振器は、被加工物Wの種類、加工形態などに応じて、発振するレーザー光線Lの周波数が適宜調整される。発振器として、例えば、YAGレーザー発振器やYVOレーザー発振器などを用いることができる。集光器22は、発振器により発振されたレーザー光線Lの進行方向を変更する全反射ミラーやレーザー光線Lを集光する集光レンズなどを含んで構成される。
デブリ排出手段40は、レーザー光線Lの照射によって加工点RP(図2及び図3に示す)付近に生成される液状又は気化したデブリD1(図2及び図3に示す)を吸引口44から吸引して排出するものである。デブリ排出手段40は、図2及び図3に示すように、吸引筒41と、液溜部42と、流出デブリ検出器43とを備えている。吸引筒41は、四角筒状に形成され、一端の吸引口44がレーザー光線照射手段20の排出口23と連通するように、一端がケース21に取り付けられる。吸引口44は、集光器22の下方に設置される。吸引筒41は、ケース21に着脱自在である。吸引筒41の内側には、吸引路45が形成されている。吸引筒41即ち吸引路45は、吸引口44から斜め上方に延出して真空ポンプなどの吸引源46と連通している。吸引筒41即ち吸引路45は、搬出入領域TRから離れる方向に、ケース21即ち吸引口44から延びている。
液溜部42は、吸引口44から吸引源46に向かって斜め上方に延出する吸引路45の吸引口44近傍の底面45aに設けられている。液溜部42は、吸引路45の内面に付着して底面45aを吸引口44に向かって逆流して流れ落ちる液状デブリD2を貯留するものである。液溜部42は、底面45aに形成された段部47により形成された空間である。
流出デブリ検出器43は、吸引路45の液溜部42と吸引口44の間の液溜部42近傍に設けられている。流出デブリ検出器43は、液溜部42の貯留量を超えて液溜部42から流出して、吸引口44に向かって逆流する液状デブリD2を検出するものである。流出デブリ検出器43は、LD(Laser Diode)などの発光素子48と、発光素子48が出射した光を受光するPD(Photodiode)などの受光素子49とを備えている。流出デブリ検出器43は、受光素子49が受光した発光素子48からの光の強さは、所定の強さを下回ると、吸引口44に向かって逆流する液状デブリD2を検出する。
なお、この所定の強さは、発光素子48と受光素子49との間に吸引口44に向かって逆流する液状デブリD2が位置した時に、受光素子49が受光する光の強さである。吸引口44から吸引された液状又は気化したデブリD1(図2及び図3に示す)が発光素子48と受光素子49との間を通った時に受光素子49が受光する光の強さよりも、所定の強さは下回る。本実施形態では、液溜部42と吸引口44との間の底面45aに発光素子48を設け、液溜部42と吸引口44との間の底面45aに対向する天井面45bに受光素子49を設けている。
制御手段90は、レーザー加工装置1を構成する上述した構成要素をそれぞれ制御するものである。制御手段90は、被加工物Wに対する加工動作をレーザー加工装置1に行わせるものである。また、制御手段90は、被加工物Wに対する加工動作をレーザー加工装置1に行わせる際、即ち、レーザー光線照射手段20から被加工物Wの表面WSにレーザー光線Lを照射する際に、デブリ排出手段40の吸引源46に吸引口44から気体を吸引させるものでもある。なお、制御手段90は、例えばCPU等で構成された演算処理装置やROM、RAM等を備える図示しないマイクロプロセッサを主体として構成されており、加工動作の状態を表示する表示手段83や、オペレータが加工内容情報などを登録する際に用いる図示しない操作手段と接続されている。
次に、実施形態に係るレーザー加工装置1を用いた被加工物Wのレーザー加工方法について説明する。まず、デバイスDが形成された表面WSの裏面に粘着テープTを貼着し、さらに、粘着テープTに環状フレームFを貼着する。そして、環状フレームFに粘着テープTを介して貼着された被加工物Wをカセット50内に収容する。
そして、オペレータが加工内容情報を制御手段90に登録し、オペレータから加工動作の開始指示があった場合に、レーザー加工装置1が加工動作を開始する。加工動作において、制御手段90が、レーザー加工前の被加工物Wを搬出入手段61によりカセット50から仮置き手段60まで搬出し、仮置き手段60の一対のレール62上に載置した後、第1の搬送手段81により保護膜形成兼洗浄手段70のスピンナテーブル71まで搬送し、スピンナテーブル71に保持させる。そして、制御手段90が、スピンナテーブル71を降下した後、スピンナテーブル71を中心軸線回りに回転させながら、塗布ノズルから液状樹脂をスピンナテーブル71上の被加工物Wに噴出させる。すると、遠心力により液状樹脂がスピンナテーブル71に保持された被加工物Wの外周に移動する。所定時間経過後に、スピンナテーブル71を停止し、塗布ノズルからの液状樹脂の塗布を停止する。被加工物Wの表面WSに塗付された液状樹脂が硬化することで、被加工物Wの表面WSは、液状樹脂で構成された保護膜Pに被覆される。保護膜Pの被覆が終了すると、制御手段90が、スピンナテーブル71を上昇させ、第2の搬送手段82にスピンナテーブル71から保護膜Pが被覆された被加工物Wを、搬出入領域TRのチャックテーブル10まで搬送させ、チャックテーブル10に保持させる。
次に、制御手段90は、X軸移動手段及びY軸移動手段によりチャックテーブル10を加工領域PRに向かって移動して、撮像手段でチャックテーブル10に保持された被加工物Wを撮像し、チャックテーブル10に保持された被加工物Wのストリートと、レーザー光線Lを照射するレーザー光線照射手段20の集光器22との位置合わせを行なうためのパターンマッチング等の画像処理を実行し、レーザー光線照射手段20のアライメントを遂行する。
次に、制御手段90は、アライメント情報などに基づいて、X軸移動手段及びY軸移動手段によりチャックテーブル10を加工領域PRに移動させ、基台駆動源によりチャックテーブル10を加工領域PRにおいて中心軸線回りに回転させ、Z軸移動手段によりレーザー光線照射手段20を移動させて、所定のストリートの一端を集光器22の直下に位置付ける。そして、制御手段90は、レーザー光線照射手段20の集光器22からレーザー光線Lを照射しつつ、吸引源46に吸引口44から気体を吸引させて、被加工物Wを保持したチャックテーブル10を、X軸移動手段によりレーザー光線照射手段20に対して所定のストリートに沿って、所定の加工速度で移動させる。こうして、制御手段90は、被加工物Wの表面WS上を矢印X1(図2及び図3に示す)方向に、レーザー光線Lを相対的に移動させる。
すると、レーザー光線Lが照射された所定のストリートには、被加工物W及び保護膜Pの一部が昇華して、図2に示すように、レーザー加工溝Sが形成される。所定のストリートの他端が集光器22の直下に達したら、レーザー光線照射手段20からのレーザー光線Lの照射を停止するとともに、X軸移動手段によるチャックテーブル10の移動を停止する。制御手段90は、前述したように、順にストリートにレーザー光線Lを照射して、これらのストリートにレーザー加工溝Sを形成して、被加工物Wの全てのストリートにレーザー加工溝Sを形成する。
また、レーザー加工溝Sを形成している間、制御手段90は、吸引源46に吸引口44から気体を吸引させているので、被加工物W及び保護膜Pの一部が昇華して生成された液状又は気化したデブリD1は、図2に示すように、吸引口44を通して吸引路45内に吸い込まれる。さらに、吸引口44を通して吸引源46に吸引される際に、液状又は気化したデブリD1の一部は、吸引路45の内面に凝縮・付着して、液状デブリD2となる。この吸引路45の内面に凝縮・付着した液状デブリD2は、底面45aを吸引口44に向かって逆流して流れ落ち、液溜部42内に導入されて貯留される。
全てのストリートにレーザー加工溝Sが形成されると、制御手段90は、X軸移動手段によりチャックテーブル10を搬出入領域TRまで移動させ、第2の搬送手段82にチャックテーブル10上のレーザー加工が施された被加工物Wを保護膜形成兼洗浄手段70のスピンナテーブル71上に載置させ、スピンナテーブル71に保持させる。そして、制御手段90は、スピンナテーブル71を降下させた後、スピンナテーブル71を中心軸線回りに回転させながら、洗浄ノズルから洗浄液をスピンナテーブル71上の被加工物Wに噴出させる。すると、保護膜Pが水溶性樹脂で構成されているので、洗浄液及び遠心力により、保護膜Pがレーザー加工の際に付着したデブリD1,D2とともに被加工物Wの表面WSから除去される(洗い流される)。保護膜Pの除去が終了すると、制御手段90は、スピンナテーブル71の中心軸線回りの回転及び洗浄ノズルからの洗浄液の噴出を停止した後、スピンナテーブル71を上昇させて、第1の搬送手段81により仮置き手段60まで搬送する。制御手段90は、レーザー加工などが施された被加工物Wを搬出入手段61により仮置き手段60からカセット50内に搬入する。
また、制御手段90は、レーザー加工中、図4に示されたフローチャートを実行している。図4は、実施形態に係るレーザー加工装置の液溜部のデブリを検出するフローチャートである。
まず、制御手段90は、液溜部42から液状デブリD2が流出したか否かを判断する(ステップST1)。ここで、吸引口44を通して吸引された液状又は気化したデブリD1が吸引路45の内面に凝縮・付着した液状デブリD2が液溜部42の貯留量を超えると、図3に示すように、液状デブリD2が、液溜部42から流出して吸引口44に向かって逆流する。なお、ステップST1では、受光素子49が受光した発光素子48からの光の強さが所定の強さを下回ると、液溜部42から液状デブリD2が流出したと判断する。
次に、制御手段90は、液溜部42から液状デブリD2が流出したと判断する(ステップST1肯定)と、レーザー光線照射手段20からのレーザー光線Lの照射を停止し、チャックテーブル10を搬出入領域TRに向けて退避させる。(ステップST2)。なお、液溜部42から液状デブリD2が流出していないと判断する(ステップST1否定)と、液溜部42から液状デブリD2が流出したと判断されるまで、ステップST1を繰り返す。
次に、制御手段90は、チャックテーブル10が搬出入領域TRに位置するとX軸移動手段を停止し、吸引源46を停止して、表示手段83に液溜部42から液状デブリD2が流出したことを示す警告を表示する(ステップST3)。そして、制御手段90は、デブリ排出手段40の洗浄をオペレータに促す。液溜部42に溜まった液状デブリD2を洗浄除去する際には、吸引筒41即ちデブリ排出手段40をレーザー光線照射手段20などから取り外し、純水や洗浄液中に浸漬(漬け置き)する。
以上のように、本実施形態に係るレーザー加工装置1によれば、液状又は気化したデブリD1を吸引除去するデブリ排出手段40を備えているが、気化したデブリD1が多い場合、吸引路45の内面に凝縮・付着し、吸引路45を逆流して流れる液状デブリD2を液溜部42に貯留する。このため、吸引路45を逆流して流れる液状デブリD2が、被加工物W上に垂れて、再度被加工物Wに付着することを抑制できる。
また、レーザー加工装置1は、万が一、液溜部42から液状デブリD2が流出した場合、流出デブリ検出器43によって液状デブリD2が流出したことを一早く確認できる。このために、レーザー加工装置1は、流出デブリ検出器43によって液状デブリD2が流出したことを確認すると、早急にレーザー加工を停止し、被加工物Wを搬出入領域TRに退避させる。したがって、レーザー加工装置1は、レーザー加工の際に生じる液状デブリD2が再度被加工物Wに付着することを抑制することができる。
前述した実施形態では、被加工物Wの表面WSに噴射されたPVA、PEGやPEO等の水溶性樹脂を含んだ液状樹脂を硬化させることで、保護膜Pを形成している。しかしながら、本発明では、かならずしも、液状樹脂を完全に硬化(乾燥)させないままの保護膜Pにアブレーション加工を施しても良い。また、本発明では、X軸移動手段、Y軸移動手段及びZ軸移動手段の構成を適宜変更しても良い。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
1 レーザー加工装置
10 チャックテーブル
20 レーザー光線照射手段
22 集光器
40 デブリ排出手段
42 液溜部
43 流出デブリ検出器
44 吸引口
45 吸引路
45a 底面
46 吸引源
D1 液状又は気化したデブリ(デブリ)
D2 液状デブリ(デブリ)
RP 加工点
L レーザー光線
S レーザー加工溝
W 被加工物
WS 表面

Claims (1)

  1. 被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された該被加工物の表面に該被加工物に対して吸収性を有する波長のレーザー光線を照射してレーザー加工溝を形成する集光器を備えたレーザー光線照射手段と、レーザー光線の照射によって加工点付近に生成されるデブリを該集光器の下方に設置した吸引口から吸引して排出するデブリ排出手段と、を備えたレーザー加工装置において、
    該デブリ排出手段は、
    該吸引口から斜め上方に延出して吸引源と連通する吸引路と、
    斜め上方に延出する該吸引路の該吸引口近傍の底面に設けられ、該吸引路に付着して該底面を逆流して流れ落ちる該デブリを貯留する液溜部と、
    該吸引路の該液溜部と該吸引口の間の該液溜部近傍に設けられ、該液溜部の貯留量を超え該液溜部から流出し該吸引口に向かって逆流する該デブリを検出する流出デブリ検出器と、を備えることを特徴とするレーザー加工装置。
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