JP6004763B2 - 全芳香族ポリアミド溶液の製造方法 - Google Patents

全芳香族ポリアミド溶液の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、パラ型全芳香族ポリアミド溶液の製造方法に関する。さらに詳しくは、低配向のパラ型全芳香族ポリアミド成形体からパラ型全芳香族ポリアミド溶液を製造する方法に関する。
従来、全芳香族ポリアミド成形体は、耐熱性、耐薬品性、良好な機械特性を有するため、主に工業用途として利用されている。特に、パラ型全芳香族ポリアミド繊維は、高い機械特性を活かした金属代替用途や、耐熱性ならびに耐薬品性を活かした防護衣料用途として広く利用されており、今後も需要は高まっている。
ところで、全芳香族ポリアミドは高価な素材であるため、製造・加工工程で発生する中間製品および各工程で発生する屑等の再生または再利用が、コスト低減ならびに環境負荷低減の両面から要望されている。しかしながら、現状は、その大部分が焼却処分されている状況であり、再利用されている一部についても、正規製品と比べて非常に低廉な価格で取り扱われていた。
そこで、成形された全芳香族ポリアミド成形品から、無機塩を用いることなく当該成形品を溶解してポリマー溶液を製造し、当該ポリマー溶液から新たな成形品を製造する方法が検討されている(特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1に記載された方法は、使用する全芳香族ポリアミドがメタ型に限定されており、より強固な化学構造を有するパラ型全芳香族ポリアミドの溶解には、無機塩の添加が必要であった。
そして、パラ型全芳香族ポリアミド成形品から、無機塩を用いて当該成形品を溶解し、ポリマー溶液を製造する方法についても検討がなされている(特許文献2〜4参照)。しかしながら、特許文献2〜4に記載された方法では、パラ型全芳香族ポリアミド成形品を完全には溶解できず、得られるポリマー溶液中には少量の未溶解物が残存していた。
特開平07−286061号公報 特開2007−321069号公報 特開2006−241624号公報 特開2007−321310号公報
本発明は、上記の従来技術を背景になされたものであり、その目的とするところは、パラ型全芳香族ポリアミド成形品から、溶解残りのない均一なパラ型全芳香族ポリアミド溶液を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、低配向のパラ型全芳香族ポリアミド成形体を原料として用い、無機塩を含まない溶媒中で成形体を膨潤させる工程を実施し、その後に無機塩を添加して膨潤した成形体を溶解させることで、上記溶解残りのない均一なパラ型全芳香族ポリアミド溶液を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、複屈折率Δnが0.2以下のパラ型全芳香族ポリアミド成形体を、アミド系溶媒に浸漬して膨潤させ、膨潤パラ型全芳香族ポリアミドを得る膨潤工程と、前記膨潤パラ型全芳香族ポリアミドに無機塩を添加し、膨潤パラ型全芳香族ポリアミドを溶解させる溶解工程と、を含むパラ型全芳香族ポリアミド溶液の製造方法である。
本発明によれば、繊維、フィルム、パルプ等のパラ型全芳香族ポリアミド製品の製造・加工工程で発生する中間製品ならびに製品屑等から、溶解残りのない均一なパラ型全芳香族ポリアミド溶液を得ることができる。したがって、コストの低減および廃棄物排出量の削減による環境負荷低減の両面に寄与することができる。
また、本発明で得られる低配向のパラ型全芳香族ポリアミド成形体から再生された溶液から成形された繊維、パルプ、フィルム等の各種パラ型全芳香族ポリアミド成形品は、フレッシュな原料から成形された成形品と同等の品質を再現することができ、さらに、成形品の製造にあたってプロセスに問題を生じることがない。さらには、フレッシュな原料から成形された成形品には見られない高度なクリープ特性(低伸長性)を発現する。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<パラ型全芳香族ポリアミド>
本発明でいうパラ型全芳香族ポリアミドは、1種または2種以上の2価の芳香族基が、アミド結合により直接連結されたポリマーである。また、芳香族基には、2個の芳香環が酸素、硫黄、または、アルキレン基を介して結合されたもの、あるいは、2個以上の芳香環が直接結合したものも含む。さらに、これらの2価の芳香族基には、メチル基やエチル基等の低級アルキル基、メトキシ基、クロル基等のハロゲン基等が含まれていてもよい。なお、2価の芳香族基を直接連結するアミド結合の位置は、パラ型である。
<パラ型全芳香族ポリアミドの製造方法>
本発明におけるパラ型全芳香族ポリアミドは、従来公知の方法にしたがって製造することができる。例えば、アミド系極性溶媒中で、芳香族ジカルボン酸ジクロライド成分と芳香族ジアミン成分とを低温溶液重合、または界面重合等により反応せしめることにより得ることができる。
[パラ型全芳香族ポリアミドの原料]
(芳香族ジカルボン酸ジクロライド成分)
パラ型全芳香族ポリアミドの製造において使用される芳香族ジカルボン酸クロライド成分としては、特に限定されるものではなく、一般的に公知なものを用いることができる。例えば、テレフタル酸クロライド、2−クロロテレフタル酸クロライド、2,5−ジクロロテレフタル酸クロライド、2,6−ジクロロテレフタル三クロライド、2,6−ナフタレンジカルボン酸クロライド等が挙げられる。また、これらの芳香族ジカルボン酸ジクロライドは、1種類のみならず2種類以上を用いることができ、その組成比は特に限定されるものではない。これらのなかでは、汎用性や得られる繊維の機械的物性等の観点から、テレフタル酸ジクロライドが好ましい。なお、本発明においては、イソフタル酸クロライド等、パラ位以外の結合を形成する少量の成分を用いてもよい。
(芳香族ジアミン成分)
パラ型全芳香族ポリアミドの製造において使用される芳香族ジアミン成分としては、特に限定されるものではなく、一般的に公知なものを用いることができる。例えば、パラフェニオレンジアミン、2−クロロ−パラフェニレンジアミン、2,5−ジクロロ−パラフェニレンジアミン、2,6−ジクロロ−パラフェニレンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン等を挙げることができる。これらは、1種類のみならず2種類以上を用いることができ、その組成比は特に限定されるものではない。なお、本発明においては、m−フェニレンジアミン等、パラ位以外の結合を形成する少量の成分を用いてもよい。
本発明においては、パラフェニレンジアミンと3,4’−ジアミノジフェニルエーテルとを、単独あるいは併用することが好ましい。したがって、本発明用いられる成形品の原料となる全芳香族ポリアミドの例としては、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド、またはポリパラフェニレンテレフタルアミドが好ましい。
<低配向のパラ型全芳香族ポリアミド成形体>
本発明のパラ型全芳香族ポリアミド溶液の製造方法に用いられる低配向のパラ型全芳香族ポリアミド成形品は、その配向の度合いとして、複屈折率Δnが0.2以下の成形体である。複屈折率Δnは、好ましくは0.15以下、さらに好ましくは0.1以下である。複屈折率Δnが0.2を超える場合には、パラ型全芳香族ポリアミド成形体は膨潤するが、完全には溶解しない。
本発明のパラ型全芳香族ポリアミド溶液の製造方法に用いられる低配向のパラ型全芳香族ポリアミド成形体は、上記の複屈折率を有するものであれば特に限定されるものではない。公知の製造方法により製造される各種成形品そのものであってもよいし、パラ型全芳香族ポリアミド成形体の製造現場、あるいはパラ型全芳香族ポリアミド成形体を用いた各種製品への加工現場等で発生する中間製品または屑であってもよい。なかでも、表面積が大きいため膨潤・溶解しやすく、またアラミド成形体の中でも生産量が多いことからパラ型全芳香族ポリアミド繊維の製造工程で発生した繊維屑を用いることが最も好ましい。
<パラ型全芳香族ポリアミド溶液の製造方法>
本発明のパラ型全芳香族ポリアミド溶液の製造方法は、複屈折率Δnが0.2以下のパラ型全芳香族ポリアミド成形体からパラ型全芳香族ポリアミド溶液を製造する方法であって、複屈折率Δnが0.2以下のパラ型全芳香族ポリアミド成形体を、アミド系溶媒に浸漬して膨潤させ、膨潤パラ型全芳香族ポリアミドを得る膨潤工程と、前記膨潤パラ型全芳香族ポリアミドに無機塩を添加し、膨潤パラ型全芳香族ポリアミドを溶解させる溶解工程と、を含む。
[膨潤工程]
膨潤工程においては、複屈折率Δnが0.2以下の低配向のパラ型全芳香族ポリアミド成形体をアミド系溶媒中に浸漬して膨潤させ、膨潤パラ型全芳香族ポリアミドを得る。このとき、用いるアミド系溶媒が無機塩を含まないことが重要である。
(アミド系溶媒)
本発明に用いるアミド系溶媒は、特に限定されるものではなく、パラ型全芳香族ポリアミドの重合に用いうるものであればよい。例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム等の有機極性アミド系溶剤が挙げられる。これらの中では、取り扱い性や安定性および溶媒の毒性等の観点から、N−メチル−2−ピロリドンを用いることが好ましい。
膨潤工程におけるアミド系溶媒の使用量は、膨潤させるパラ型全芳香族ポリアミド成形体の重量に対して、7〜15倍程度とすることが好ましい。使用量が7倍未満の場合には、膨潤が不十分となり好ましくない。一方で、15倍を超える場合には、ポリマー溶液中のポリマー濃度が低下するため、生産性が低下する。
(温度)
膨潤工程においては、低配向のパラ型全芳香族ポリアミド成形体が浸漬したアミド系溶媒の温度を、30℃〜100℃の範囲とすることが好ましい。より好ましくは、40℃〜80℃の範囲である。アミド計溶媒の温度が30℃未満では、成形体内部まで膨潤が進行せず未膨潤の部分が残り、未膨潤の部分が残った状態で次段階の溶解工程を実施すると、未膨潤部分が凝集物となって残留しやすくなる。また、100℃を超えると、用いるアミド系溶媒の取り扱い上、危険を伴うため好ましくない。
(浸漬時間)
膨潤工程における低配向のパラ型全芳香族ポリアミド成形体のアミド系溶媒への浸漬時間については、使用する成形体の形状および処理温度により異なるが、未膨潤の部分が残らない状態とするためには、およそ数時間以上を必要とする。
[溶解工程]
溶解工程においては、上記の膨潤工程で得られた膨潤パラ型全芳香族ポリアミドに無機塩を添加し、膨潤パラ型全芳香族ポリアミドを溶解させる。
(無機塩の種類)
溶解工程で添加する無機塩としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のハロゲン化物であれば、特に限定されるものではない。アミド系溶媒への溶解性の観点から、塩化リチウム等のアルカリ金属塩化物塩、および塩化カルシウム等のアルカリ土類金属塩化物塩から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、特にコスト面から、塩化カルシウムの使用が最も好ましい。
(無機塩の添加量)
溶解工程において添加する無機塩の添加量は、原料として用いた低配向のパラ型全芳香族ポリアミド成形体の質量に対して50〜160質量%の範囲とすることが好ましい。さらには、65〜130質量%とすることがより好ましい。添加量が50質量%未満の場合には、膨潤パラ型全芳香族ポリアミドのアミド系溶媒に対する溶解性が不十分となるため好ましくない。また、160質量%を超える場合には、無機塩自体をアミド系溶媒に完全に溶解させることが困難となるため好ましくない。
また、さらに、無機塩の添加量は、本発明によって製造される最終的なパラ型全芳香族ポリアミド溶液の質量に対して、10質量%以下とすることが好ましい。10質量%を超える場合には、無機塩がパラ型全芳香族ポリアミド溶液に完全に溶解しない場合がある。
(温度)
溶解工程における系の温度は、パラ型全芳香族ポリアミドの溶解性を高める観点からは高いほうが良いが、アミド系溶媒の熱劣化・分解を避けるために、130℃以下とすることが好ましい。さらに好ましくは、50〜120℃の範囲とする。
(その他)
溶解工程においては、より均一なパラ型全芳香族ポリアミド溶液を速やかに得るために、せん断応力下にて混練を実施することが好ましい。せん断応力下にて混練を実施すると、溶解性を向上させることができ、工業的に大変有益となる。
用いる混練装置としては、せん断混練りできるものであれば特に制限はなく、例えば、一軸押出機、二軸押出機等のスクリュー式押出機、バンバリーミキサー、プラネタリーミキサー、ローラー、ニーダー等を挙げることができる。
<パラ型全芳香族ポリアミド溶液>
本発明によって得られるパラ型全芳香族ポリアミド溶液は、引き続き、公知の手段によって繊維、フィルム、パルプ等の成形品に成形することができる。このとき、本発明で得られたパラ型全芳香族ポリアミド溶液には、必要に応じて、例えば、安定剤、難燃剤、離型剤、着色剤、艶消し剤、帯電防止剤、接着性向上樹脂、フィラー等の添加物を含有させることも可能である。
(パラ型全芳香族ポリアミドの濃度)
本発明によって製造されるパラ型全芳香族ポリアミド溶液に対するパラ型全芳香族ポリアミドの濃度は、特に限定されるものではなく、次工程で成形される成形品に応じて適宜設定することができる。なお、次工程において繊維を成形する際には、繊維の生産性および溶液の粘性の観点から、5〜10質量%とすることが好ましい。
<パラ型全芳香族ポリアミド溶液から得られる成形品>
本発明によって得られるパラ型全芳香族ポリアミド溶液から成形した成形品は、フレッシュな原料から成形された成形品と同等の品質を再現することができる。
(繊維)
得られる成形品が例えば繊維の場合には、破断強度が20〜25cN/dtex、初期弾性率が450〜600cN/dtexであるパラ型全芳香族ポリアミド繊維を得ることができる。
また、得られる繊維のクリープ性としては、温度24℃、試験応力0.56N/dtexにて100時間のクリープ試験の場合、伸長率が0.3%以下となる。伸長率が0.3%以下であれば、イヤホンコード等の補強材として使用した場合に、応力による繊維の伸長を抑制することが可能となり、十分な補強効果を得ることができる。なお、伸長率は、0.25%以下であることがさらに好ましく、0.23%以下であることが最も好ましい。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに詳しく具体的に説明する。ただし、これらの実施例および比較例は本発明の理解を助けるためのものであって、これらの記載によって本発明の範囲が限定されるものではない。
<測定方法>
実施例および比較例における各特性値は、以下の方法で測定した。
(1)固有粘度
ポリマーを98%濃硫酸に溶解し、オストワルト粘度計を用い30℃で測定した。
(2)複屈折率Δn
ニコン社製の偏光顕微鏡「ECLIPSE E600W POL」を使用し、緑色光線(波長546nm)を用いて干渉縞法によって測定した。
(3)破断強度、初期弾性率
引張試験機(INSTRON社製、商品名:INSTRON、型式:5565型)により、糸試験用チャックを用いて、ASTM D885の手順に基づき、以下の条件で測定を実施した。
[測定条件]
測定環境 温度:25±5℃
湿度:65±10%
試験片 :320mm
試験速度 :250mm/分
チャック間距離:500mm
(4)伸長率(クリープ特性)
応力緩和試験機(株式会社安田精機製作所製、型式:NO145A−PC型)により、以下の条件で測定を実施し、下記式により得られる値を伸長率(クリープ特性)として求めた。
[測定条件]
温度 :24℃
試験応力 :0.56N/dtex
時間 :100時間
[式3]
伸長率(%)=試験前後で伸長した長さ/試験前の試料長
<参考例>
[パラ型全芳香ポリアミド溶液の製造]
窒素を内部にフローしている攪拌槽に、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略記する)を入れ、パラフェニレンジアミンと3,4’−ジアミノジフェニルエーテルが当モルとなるよう秤量して投入し、溶解させた。得られたジアミン溶液に、テレフタル酸ジクロライドを、ジアミン総モル量と略当モル秤量して投入し、反応させた。反応終了後、水酸化カルシウムで中和し、パラ型全芳香族ポリアミド溶液(コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド溶液)を得た。
得られたパラ型全芳香族ポリアミド溶液を再沈し、測定したパラ型全芳香族ポリアミド溶液中のパラ型全芳香族ポリアミドポリマーの固有粘度は、3.35であった。
[パラ型全芳香族ポリアミド繊維の製造]
孔径0.3mmの紡糸口金から、上記で得られたパラ型全芳香族ポリアミド溶液を吐出し、半乾半湿式紡糸法により、エアーギャップ約10mmを介してNMP濃度30質量%の水溶液中に紡出して繊維状に凝固させた後、水洗、乾燥し、次いで、温度500℃下で10倍に延伸した後、巻き取ることにより、全芳香族ポリアミド延伸繊維(コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド延伸繊維)(繊維軸方向の複屈折率Δn:0.38)を得た。
得られたパラ型全芳香族ポリアミド繊維の物性を表1に示す。
[低配向パラ型全芳香族ポリアミド繊維の採取]
本実施例および比較例で用いる低配向パラ型全芳香族ポリアミド繊維として、上記のパラ型全芳香族ポリアミド繊維の製造において、紡糸パック交換時に発生する繊維状凝固物(繊維軸方向の複屈折率Δn:0.02)、および糸切れにより発生する延伸前乾燥糸(繊維軸方向の複屈折率Δn:0.15)を採取した。
<実施例1>
[パラ型全芳香族ポリアミド溶液の製造]
(膨潤工程)
参考例において採取した繊維状凝固物(繊維軸方向の複屈折率Δn:0.02)を原料として用いた。なお、用いた繊維状凝固物の形状は種々異なるものであり、該凝固物の直径は0.07〜1mmと多岐に渡っていた。
繊維状凝固物に対して、NMPを質量比で10倍量加え、60℃にて1時間、30℃にて2時間の合計3時間の浸漬を実施して繊維状凝固物を膨潤させ、膨潤パラ型全芳香族ポリアミドを得た。
(溶解工程)
上記で得られた膨潤パラ型全芳香族ポリアミドに、NMP/塩化カルシウム=86/14(質量比)のスラリーを、原料とした繊維状凝固物の質量に対して塩化カルシウムの添加量が67質量%となる量を添加し、浅田鉄工株式会社製プラネタリーミキサー(製品名:PVM−5)を用いて、60℃に加熱して120分間の混練を実施し、パラ型全芳香族ポリアミド溶液を得た。得られたパラ型全芳香族ポリアミド溶液におけるパラ型全芳香族ポリアミドの濃度は、6質量%であった。また、パラ型全芳香族ポリアミド溶液には、目視で確認できる未溶解成分はなく、透明な溶液であった。
得られたパラ型全芳香族ポリアミド溶液を再沈し、測定したパラ型全芳香族ポリアミド溶液中のパラ型全芳香族ポリアミドポリマーの固有粘度は、3.36であった。
[パラ型全芳香族ポリアミド繊維の製造]
上記で製造されたパラ型全芳香族ポリアミド溶液を用い、前述の参考例で実施した方法と同一の方法で、パラ型全芳香族ポリアミド繊維を製造した。得られたパラ型全芳香族ポリアミド繊維の物性を表1に示す。
<実施例2>
[パラ型全芳香族ポリアミド溶液の製造]
(膨潤工程)
参考例において採取した延伸前乾燥糸(繊維軸方向の複屈折率Δn:0.15)を原料として用いた。なお、用いた延伸前乾燥糸の形状は、繊維径0.03mm程度でばらつきは小さかった。
延伸前乾燥糸に対して、NMPを質量比で9倍量加え、60℃にて1時間、30℃にて2時間の合計3時間の浸漬を実施して延伸前乾燥糸を膨潤させ、膨潤パラ型全芳香族ポリアミドを得た。
(溶解工程)
上記で得られた膨潤パラ型全芳香族ポリアミドに、NMP/塩化カルシウム=89/11(質量比)のスラリーを、原料とした延伸前乾燥糸の質量に対して塩化カルシウムの添加量が67質量%となる量を添加し、浅田鉄工株式会社製プラネタリーミキサー(製品名:PVM−5)を用いて、60℃に加熱して120分間の混練を実施し、パラ型全芳香族ポリアミド溶液を得た。得られたパラ型全芳香族ポリアミド溶液におけるパラ型全芳香族ポリアミドの濃度は、6質量%であった。また、パラ型全芳香族ポリアミド溶液には、目視で確認できる未溶解成分はなく、透明な溶液であった。
得られたパラ型全芳香族ポリアミド溶液を再沈し、測定したパラ型全芳香族ポリアミド溶液中のパラ型全芳香族ポリアミドポリマーの固有粘度は、3.38であった。
[パラ型全芳香族ポリアミド繊維の製造]
上記で製造されたパラ型全芳香族ポリアミド溶液を用い、前述の参考例で実施した方法と同一の方法で、パラ型全芳香族ポリアミド繊維を製造した。得られたパラ型全芳香族ポリアミド繊維の物性を表1に示す。
<比較例1>
[パラ型全芳香族ポリアミド溶液の製造]
(膨潤工程)
参考例において採取した延伸糸(繊維軸方向の複屈折率Δn:0.38)を原料として用いた。なお、用いた延伸糸の形状は、繊維径0.01mm程度でばらつきは極めて小さかった。
延伸糸に対して、NMPを質量比で15倍量加え、60℃にて3時間、30℃にて15時間の合計18時間の浸漬を実施して延伸糸を膨潤させ、膨潤パラ型全芳香族ポリアミドを得た。
(溶解工程)
上記で得られた膨潤パラ型全芳香族ポリアミドに、NMP/塩化カルシウム=86/14(質量比)のスラリーを、原料とした延伸糸の質量に対して塩化カルシウムの添加量が100質量%となる量を添加し、浅田鉄工株式会社製プラネタリーミキサー(製品名:PVM−5)を用いて、60℃に加熱して120分間の混練を実施し、パラ型全芳香族ポリアミドとNMPと塩化カルシウムの混合物を得た。得られたパラ型全芳香族ポリアミドとNMPと塩化カルシウムの混合物におけるパラ型全芳香族ポリアミドの濃度は、4質量%であった。なお、当該混合物中で膨潤パラ型全芳香族ポリアミドは、溶解には至らず膨潤している状態のままであった。
得られたパラ型全芳香族ポリアミドとNMPと塩化カルシウムの混合物を再沈し、測定したパラ型全芳香族ポリアミド溶液中のパラ型全芳香族ポリアミドポリマーの固有粘度は、4.62であった。
[パラ型全芳香族ポリアミド繊維の製造]
上記で製造されたパラ型全芳香族ポリアミド混合物を用い、前述の参考例で実施した方法と同一の方法で、パラ型全芳香族ポリアミド繊維の製造を試みた。しかしながら、吐出不良により紡糸することができなかった。
<比較例2>
(膨潤工程)
参考例において採取した繊維状凝固物(繊維軸方向の複屈折率Δn:0.02)を原料として用いた。なお、用いた繊維状凝固物の形状は種々異なるものであり、該凝固物の直径は0.07〜1mmと多岐に渡っていた。また、本例においては、膨潤工程において無機塩を添加した。
繊維状凝固物に対して、NMP/塩化カルシウム=95.8/4.2(質量比)の溶液を質量比で15.7倍量(原料とした繊維状凝固物の質量に対して塩化カルシウムの添加量が67質量%)加え、20℃にて40分間浸漬して攪拌することにより、膨潤パラ型全芳香族ポリアミドを得た。
(溶解工程)
上記で得られた膨潤パラ型全芳香族ポリアミドを、浅田鉄工株式会社製プラネタリーミキサー(製品名:PVM−5)を用いて、60℃に加熱して120分間の混練を実施し、パラ型全芳香族ポリアミド溶液を得た。得られたパラ型全芳香族ポリアミド溶液におけるパラ型全芳香族ポリアミドの濃度は、6質量%であった。なお、得られたパラ型全芳香族ポリアミド溶液には、目視で数mmの未溶解物が存在していた。
得られたパラ型全芳香族ポリアミド溶液を再沈し、測定したパラ型全芳香族ポリアミド溶液中のパラ型全芳香族ポリアミドポリマーの固有粘度は、3.37であった。
[パラ型全芳香族ポリアミド繊維の製造]
上記で製造されたパラ型全芳香族ポリアミド溶液を用い、前述の参考例で実施した方法と同一の方法で、パラ型全芳香族ポリアミド繊維の製造を試みた。しかしながら、吐出不良により紡糸することができなかった。
<比較例3>
[パラ型全芳香族ポリアミド溶液の製造]
(膨潤工程)
参考例において採取した延伸前乾燥糸(繊維軸方向の複屈折率Δn:0.15)を原料として用いた。なお、用いた延伸前乾燥糸の形状は、繊維径0.03mm程度でばらつきは小さかった。また、本例においては、膨潤工程において無機塩を添加した。
延伸前乾燥糸に対して、NMP/塩化カルシウム=95.8/4.2(質量比)の溶液を重量比で15.7倍量(原料とした繊維状凝固物の質量に対して塩化カルシウムの添加量が67質量%)加え、20℃にて40分間浸漬して攪拌することにより、膨潤パラ型全芳香族ポリアミドを得た。
(溶解工程)
上記で得られた膨潤パラ型全芳香族ポリアミドを、浅田鉄工株式会社製プラネタリーミキサー(製品名:PVM−5)を用いて、60℃に加熱して120分間の混練を実施し、パラ型全芳香族ポリアミド溶液を得た。得られたパラ型全芳香族ポリアミド溶液におけるパラ型全芳香族ポリアミドの濃度は、6質量%であった。なお、得られたパラ型全芳香族ポリアミド溶液には、目視で数mmの未溶解物が存在していた。
得られたパラ型全芳香族ポリアミド溶液を再沈し、測定したパラ型全芳香族ポリアミド溶液中のパラ型全芳香族ポリアミドポリマーの固有粘度は、3.42であった。
[パラ型全芳香族ポリアミド繊維の製造]
上記で製造されたパラ型全芳香族ポリアミド溶液を用い、前述の参考例で実施した方法と同一の方法で、パラ型全芳香族ポリアミド繊維の製造を試みた。しかしながら、吐出不良により紡糸することができなかった。
Figure 0006004763

Claims (5)

  1. 複屈折率Δnが0.2以下のパラ型全芳香族ポリアミド成形体を、無機塩を含まないアミド系溶媒に浸漬して膨潤させ、膨潤パラ型全芳香族ポリアミドを得る膨潤工程と、前記膨潤パラ型全芳香族ポリアミドに無機塩を添加し、膨潤パラ型全芳香族ポリアミドを溶解させる溶解工程と、を含むパラ型全芳香族ポリアミド溶液の製造方法。
  2. 前記パラ型全芳香族ポリアミド成形体が、パラ型全芳香族ポリアミド繊維の製造工程で発生した生産屑である請求項1記載のパラ型全芳香族ポリアミド溶液の製造方法。
  3. 前記無機塩が、アルカリ金属塩化物塩およびアルカリ土類金属塩化物塩から選ばれる少なくとも1種である請求項1または2いずれか記載のパラ型全芳香族ポリアミド溶液の製造方法。
  4. 前記無機塩の添加量を、前記パラ型全芳香族ポリアミド成形体の質量に対して50〜160質量%とする請求項1から3いずれか記載のパラ型全芳香族ポリアミド溶液の製造方法。
  5. パラ型全芳香族ポリアミド溶液におけるパラ型全芳香族ポリアミドの濃度を、パラ型全芳香族ポリアミド溶液の質量に対して5〜10質量%とする請求項1から4いずれか記載のパラ型全芳香族ポリアミド溶液の製造方法。
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