JP6004461B2 - 電気めっき方法およびめっき装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子・電気部品の電気めっき方法、特にバイポーラ現象を利用した間接給電による金属表面への電気めっき方法およびその間接給電めっき装置に関する。
従来、図3に示すような複雑な立体形状を有する部品、例えば特許文献1に記載の高耐圧気密端子などに、部分的な電気めっきを施すには、図15のように、部分的に導線を巻きつけたり、噴流や液面を利用してめっき液が接する箇所を選択するか、ブラシ電極やチェーン電極、プローブなどを用いて選択的に給電するなどして対応してきた。そのため、個々の製品に導線を巻きつけたり、コンベヤ式ノズルにセットする作業は工数が大きくコスト負担がかかるものであった。また、各種電極および噴流装置など設備が大掛かりになり大きな投資を必要とするだけでなく、機構が複雑になり、断線やめっき厚のばらつきのリスクが大きくなるなどの欠点があった。また、図6のように平面板状であっても、特許文献2に記載される貫通電極付きの絶縁基板など、絶縁基板に植設され互いに独立する多数の貫通電極にめっきを行う場合、個々の電極面に直接給電することは実用上難しく、現実的なコストとリードタイムで行おうとすると、通常は無電解めっきで対応せざるを得ない。しかし、無電解めっき皮膜は、膜厚が厚くかつ密着性の良いめっきが得難いため、外部環境に曝される気密パッケージの外部電極に用いることができない場合が多く、また化学めっき法のため適さない金属材も多く、該金属材の無電解めっき皮膜を被めっき物に用いた場合に所望の品質を得られないという欠点があった。
ところで、めっき浴中の陰極と陽極との間に、電気力線をさえぎるように導電性の物体があると、その物体は陽極に近い部分が負に帯電し、陰極に近い部分が正に帯電することがある。この現象をバイポーラ現象(双極作用)という。例えば、光沢ニッケルめっき作業のとき、めっきが終わって次のめっき物を入れるため、治具に取り付けた製品を陰極棒から切り離して引き上げるが、そのとき、まだめっき通電中の製品(陰極)と陽極との間をさえぎるようにして引き上げると、製品の陰極側に向いた部分のめっき皮膜が正に帯電するので不動態化して不良品になることが知られている。また、被めっき物の陽極に向いた側が負に帯電して、この部分で金属の電着が起こり、反対に陰極に向いた側は正に帯電して、金属の溶解が起こる。従って、バイポーラ現象は、電気めっきにおいては、めっき皮膜の不均一化を生ずるなど、望ましくない防止すべき現象とされてきた。
このバイポーラ現象を利用した間接給電めっき技術には、例えば特許文献3に記載の合金粉末や黒鉛粉などの微細粉末をめっき液中に懸濁させて、微細粉末の表面にめっきする方法や、特許文献4に記載されるように、平板状の板状体の面上に移動する磁石の磁力を利用して磁性を有する微粒子を吸着配列し、この磁性微粒子の表面に金属層を形成する導電性微粒子の製造装置及び製造方法が開示されている。さらに、特許文献5にはP含有量の大きい無電解Ni−P合金めっき膜の上に、これよりNi含有量が大きいNi−P合金バイポーラめっき膜を同じめっき液を用いて施すことにより、Au、Pd、Ag、Ptなどの貴金属めっき膜の析出を良好にし、Ni−P合金めっき膜と貴金属無電解めっき膜との密着性に優れた電気接点の製造方法が提案されている。
しかしながら、特許文献3および特許文献4は何れも微細粒子状の被めっき物にバイポーラめっきを施すものであり、本発明が目的とする複雑な立体形状を有する端子部品や絶縁物によって互いに独立した多数の電極表面を有する貫通電極付き絶縁基板などの電子・電気部品に対応することができない。また特許文献5に記載された電気接点の製造方法は電気接点となる複層の無電解めっき皮膜を得る方法であり、気密パッケージなどの電子・電気部品に用いることができない。
特開2010−244927号公報 特開2007−067387号公報 特開2002−069689号公報 特開2004−152687号公報 特開2010−202900号公報
従って、本発明は、複雑な立体形状を有する端子部品や、絶縁物によって互いに独立した多数の電極表面を有する貫通電極付き絶縁基板などの電子・電気部品に適用可能なバイポーラ現象を利用した間接給電による電気めっき方法およびその間接給電めっき装置を提供することを目的とする。
本発明によると、バイポーラ現象を利用した間接給電によるめっき装置であって、直流電源と、めっき浴と、このめっき浴中に間隔配置され直流電源に接続した電極治具とを備え、電極治具は、少なくとも2枚の電極板からなる電極対と、電極対の両電極の間に絶縁配置した被めっき物とを含み、電極対は、正極棒に接続した導電材からなるアノード板と、負極棒に接続した導電材からなるカソード板と、アノード板とカソード板との間に挟んで設けられ両極間のめっき液を遮断する絶縁板とを有し、さらに電極対とめっき施工部が接触しないように被めっき物を電極対に配置して正極棒と負極棒に直流電源により(+)と(−)の電圧を印加することを特徴とする間接給電めっき装置が提供される。このとき絶縁板で分断された両めっき液に架け渡して配置した被めっき物は、バイポーラ現象によってアノード板とカソード板との間に挟まれた被めっき物の内部に電位差が生じ、電圧が低い部分(−に帯電した部分)に金属が析出してめっき膜が形成される。従来の電気めっきは、被めっき物へ通電するための接続接点を必要とするが、本発明のめっき装置は、バイポーラ現象を利用した間接給電を用いるため接続接点を必要としない。
本発明の別の観点によると、(1)絶縁板と、アノード板およびカソード板からなる電極対とを準備する工程。(2)アノード板とカソード板との間に、被めっき物を絶縁配置するとともに絶縁板でめっき被覆面とめっきを施さない面とを遮断して固定した電極治具を用意する工程。(3)用意した複数の組立単位をめっき浴に浸漬する工程。(4)アノード板とカソード板との間に、直流電圧を印加してアノード板側(正極側)の面に対峙する被めっき物の表面にバイポーラめっき皮膜を形成する工程を有することを特徴とする間接給電によるめっき皮膜の製造方法が提供される。このとき電極対を不動態化電極とすることで電極板自体の溶出が無く、カソード板に析出した金属は一定頻度で、電極の極性を逆転させアノード板とすることで、再びめっき液中へ溶出させることができる。
本発明はバイポーラ現象を利用した間接給電を利用するため、被めっき物の接続接点を必要とせず複雑な立体形状を有する端子部品の部分めっきを簡便に実施でき、また絶縁物によって互いに独立した多数の電極表面に、一度の作業で効率よくめっきを施すことができる。また、接続接点が無いので導線の断線や接触抵抗の変動を気にすることなく常に一定条件でめっき作業が実施でき、品質の安定しためっき皮膜の形成に寄与する。さらに、特殊な装置を必要とせず、ほとんど治具対応のみで済むため既存のめっき装置を活用でき、しかも不動態化電極を電極対に用いることで電極溶出が無く、カソード板の析出金属も一定頻度で、極性を逆転させて再びめっき液中へ戻して再利用できるので経済的生産に寄与する。
本発明に係るめっき装置10と被めっき物の配置状態を示し、(a)はその全体断面図、(b)はその部分拡大した断面図である。 図1のめっき装置10における各部の斜視図を示し、(a)は電極対を示した斜視図、(b)は被めっき物を含む電極治具を示した斜視図、(c)は複数の電極治具の正極棒および負極棒への取り付け状態を示した斜視図である。 本発明に係るめっき装置10に適用する被めっき物の一例を示し、(a)は被めっき物の気密端子の平面図ならびに正面断面図、(b)はその斜視図である。 本発明に係るめっき装置40と被めっき物の配置状態を示し、(a)はその全体正面図、(b)はその電極周辺の部分断面図、(c)は複数の組立単位の正極棒および負極棒への取り付け状態を示した右側面図である。 図4のめっき装置40における電極治具を示し、(a)は被めっき物を配置した電極治具の斜視図、(b)は複数の組立単位の正極棒および負極棒への取り付け状態を示した部分拡大斜視図である。 本発明に係るめっき装置40に適用する被めっき物の外観を示した図で、(a)は被めっき物の貫通電極付きガラス基板の全体を示した斜視図、(b)はその貫通電極周辺を拡大した斜視図である。 本発明に係るめっき装置40のめっき作業中の被めっき物の一例を示した図で、(a)はガラス基板に設けた貫通電極へ施す間接給電めっきの原理を説明した図、(b)はその拡大図である。 本発明に係るめっき装置50と被めっき物の配置状態を示し、(a)はその全体平面図、(b)はその正面断面図である。 図8のめっき装置50におけるA部の拡大図を示し、(a)は被めっき物を配置したA部の正面断面図、(b)はターンテーブルでアノード板とカソード板との間のめっき液を遮断する前のめっき液の電位勾配を示した図、(c)はめっき作業中の被めっき物の電位勾配とめっき液の電位勾配を比較した図である。 図8のめっき装置50におけるめっき作業中のA部の拡大図を示し、(a)は不溶性の電極対を用いた時の電極反応を示した図、(b)はめっき作業中の被めっき物の断面を示した全体図およびそのアノード板側の電極反応ならびにカソード板側の電極反応を示した図である。 図8のめっき装置50におけるめっき作業中のA部の拡大図を示し、(a)は可溶性の電極対を用いた時の電極反応を示した図、(b)はめっき作業中の被めっき物の断面を示した全体図およびそのアノード板側の電極反応ならびにカソード板側の電極反応を示した図である。 本発明に係るめっき装置50のホルダーの一例を示し、(a)は上端フランジと底面側壁部の導通窓を有するカップ状絶縁ホルダーの側面図、(b)は被めっき物の上端部を直接ブラスチック製ワイヤーで束ねたホルダーのターンテーブルへの装着状態を示した側面図、(c)は被めっき物の両端部を残して樹脂で固定した絶縁ホルダーの側面断面図、(d)は貫通孔を開けた絶縁ホルダーに被めっき物を挿着した絶縁ホルダーの側面断面図である。 本発明に係るめっき装置50の変形例を示し、(a)は遊星ギヤ装置を搭載したターンテーブルの変形例、(b)はめっき浴に複数の電極対を設けた変形例を示す。 本発明に係るめっき装置50に適用する被めっき物の一例を示し、(a)は被めっき物の金属棒の全体図、(b)はその先端部を示した拡大図である。 従来の被めっき物への給電方法を示した図で、(a)は導線による給電を示した斜視図、(b)はチェーン電極とベルト式ノズルを用いた電気めっき法を示した図である。
本発明の実施形態は、バイポーラ現象を利用した間接給電によるめっき装置であって、直流電源と、めっき浴と、このめっき浴中に懸垂され直流電源に接続した正負電極対を有する電極治具とを備え、電極治具は、互い違いに間隔配置したアノード板とカソード板とを含み、アノード板は正極棒と、カソード板は負極棒とにそれぞれ接続され、アノード板とカソード板との間にこれらと互いに接触しないように被めっき物を挟んで配置して正極棒と負極棒に直流電源により(+)と(−)の電圧を印加することを特徴とする間接給電めっき装置が提供される。このとき電極治具に配置される被めっき物は、絶縁板に貫通電極を設けた基板からなり、この基板でめっき液を分断して、バイポーラ現象によってアノード板とカソード板との間に挟まれた貫通電極の表面に電位差を生じさせて、(−)に帯電したアノード側の貫通電極表面に金属が析出してめっき膜が形成される。
本発明の別の実施形態は、(1)絶縁板と、アノード板およびカソード板からなる電極対とを準備する工程。(2)アノード板とカソード板との間に、被めっき物を絶縁配置するとともに絶縁板でめっき被覆面とめっきを施さない面とを遮断して固定した電極治具を用意する工程。(3)用意した単数または複数の電極治具をめっき浴に浸漬する工程。(4)アノード板とカソード板との間に、直流電圧を印加してアノード板側(正極側)の面に対峙する被めっき物の表面にバイポーラめっき皮膜を形成する工程を有することを特徴とする間接給電によるめっき皮膜の製造方法が提供される。このとき電極対をNi材やNi合金材などの不動態化金属材またはカーボン電極などの不溶性電極とすることで電極板自体の溶出が無く、カソード板に析出した金属は一定頻度で、電極の極性を逆転させアノード板とすることで、再びめっき液中へ溶出させることができる。このように極性を逆転させてめっき金属の系外への持ち出しを最小限に抑える。このとき、被めっき金属材またはめっき皮膜は、アノード側が溶出してもよい条件では導電性を有する金属材であれば差し支えなく使用できる。また、アノード側を溶出させない条件においては、被めっき金属材またはめっき皮膜を高電圧で不動態化する金属材、例えばNi、Fe、Al、Cu、ステンレス鋼、Ni合金、Fe合金、Al合金、Cu合金など、より好ましくはNiまたはNi合金で構成することでアノード電極側の被めっき金属材の溶出を防止できる。
本発明の実施例1は、図1ないし図3に示すようなバイポーラ現象を利用した間接給電によるめっき装置10であって、直流電源11と、シアン化金カリウム、クエン酸およびクエン酸塩を含んだ酸性金めっき液浴組成からなるめっき浴12と、このめっき浴12中に間隔配置され直流電源11に接続した複数の電極治具13とを備え、電極治具13は、被めっき物14を整列配置し正極棒15に接続した導電材からなるアノード板16と、このアノード板16に当接して被めっき物14が脱落しないように設けたスリット枠体17と、負極棒18に接続した導電材からなるカソード板19と、アノード板16とカソード板19との間に挟んで設けられ両極間のめっき液を遮断する絶縁板20とを含み、アノード板16とカソード板19には、めっき形成部が接触しないように被めっき物14を配置して正極棒15と負極棒18に直流電源11により(+)と(−)の電圧を印加することを特徴とした間接給電めっき装置10が提供される。このとき絶縁板20で分断された両めっき液に架け渡して配置した被めっき物14は、バイポーラ現象によってアノード板16とカソード板19との間に挟まれた被めっき物14の内部に電位差が生じ、図1(b)に示すように、電圧が低い部分すなわち(−)に帯電した部分に金属が析出して金めっき膜が形成される。なお、めっき浴12中の電極治具13には、被めっき物14を整列配置させない空のダミー電極治具を両浴端部に備えるのが好ましい。
そして本発明の間接給電めっき装置10を利用して図3に示すようなセンサー用気密端子からなる被めっき物の外環金属31に絶縁ガラス32で封着されたリード33の内側端のみに金めっき材からなる部分めっき皮膜34を施すことができる。すなわち図2(a)に示すように(1)絶縁板30と、アノード板26およびカソード板29からなる電極対を準備する工程。図2(b)に示すように(2)アノード板26とカソード板29との間に、被めっき物24を絶縁配置するとともに絶縁板30でめっき被覆面とめっきを施さない面とを遮断して固定した電極治具23を用意する工程。図2(c)のように(3)用意した電極治具23の各アノード板26を正極棒25に接続すると同時に電極治具23の各カソード板29を負極棒28に接続してめっき浴に浸漬する工程。そして図1(a)に示すように(4)アノード板16とカソード板19との間に、直流電源11より直流電圧を印加してアノード板16側(正極側)の面に対峙する被めっき物の表面に間接給電によるめっき皮膜を形成する工程からなるめっき皮膜の製造方法を用いて、図3に示した気密端子のリード33の内側端に金めっき材の部分めっき皮膜34を施す。このときアノード板16およびカソード板19からなる電極対は、ステンレス鋼材製の不動態化電極とすることで電極板自体の溶出が無く、カソード板19に析出した金属は一定頻度で、電極の極性を逆転させアノード板16とすることで、再びめっき浴12中へ溶出させることができる。このように極性を逆転させてめっき金属の系外への持ち出しを抑える。
本発明の実施例2は、図4および図5に示すようなバイポーラ現象を利用した間接給電によるめっき装置40であって、直流電源41と、シアン化銀、シアン化カリウム、炭酸カリウムを含んだ銀めっき液浴組成からなるめっき浴42と、直流電源41に接続した電気ケーブル91を配線したフレーム92でめっき浴42中に懸垂された電極治具43とを備え、さらに電極治具43は、互い違いに間隔配置した平板状のアノード板46とカソード板49とを設けたホルダー93を含み、アノード板46は正極棒45と、カソード板49は負極棒48とにそれぞれ接続され、アノード板46とカソード板49との間にこれらと互いに接触しないように平板状の被めっき物44を挟んで配置して正極棒45と負極棒48に直流電源41により(+)と(−)の電圧を印加することを特徴とした間接給電めっき装置40が提供される。このとき電極治具43に配置される被めっき物44は、図6に示すように、絶縁ガラス板94に貫通電極95を設けた貫通電極付きガラス基板64からなり、図7に示すように、このガラス基板74自体でめっき液を分断して、バイポーラ現象によってアノード板76とカソード板79との間に挟まれた貫通電極95の露出面に電位差を生じさせて、図7(b)に示すように、(−)に帯電したアノード側の貫通電極95の表面に金属が析出して銀めっき膜96が形成される。この実施例2では、被めっき物である貫通電極付きガラス基板の絶縁ガラス板94部分が絶縁板を兼ねている。
本発明の間接給電めっき装置40を利用して図6に示すような、絶縁ガラス板94に貫通電極95を設けた貫通電極付きガラス基板64のアノード側の貫通電極95表面に金属が析出して銀めっき膜96を施すことができる。すなわち図4の(b)に示すように(1)ガラス基板44と、ホルダー93にアノード板46およびカソード板49からなる少なくとも一組の電極対を準備する工程。図5に示すように(2)アノード板56とカソード板59との間に、ガラス基板54を絶縁配置するとともにガラス基板54自体でめっき被覆面とめっきを施さない面とを遮断するように固定した電極治具53を用意する工程。図4(a)に示すように(3)単数ないし複数用意した電極治具43の各アノード板46を正極棒45に接続すると同時に各カソード板49を負極棒48に接続してめっき浴42に浸漬する工程。そして、(4)アノード板46とカソード板49との間に、直流電源41を用いて直流電圧を印加してアノード板46側(正極側)の面に対峙する被めっき物の表面に間接給電による銀めっき皮膜を形成する工程からなるめっき皮膜の製造方法によって、図6および図7(b)に示すような貫通電極付きガラス基板64のビア露出面に銀めっき皮膜96を施す。貫通電極の両側にめっきを施す場合には、先ず片側に所望の2倍のめっき皮膜を着けておき、電極の極性を反転させ他方に所望の厚みのめっきを着ければよい。このときアノード板46およびカソード板49からなる電極対は、ステンレス鋼材製の不動態化電極とすることで電極板自体の溶出が無く、カソード板46に析出した金属は一定頻度で、電極の極性を逆転させればアノード板49となるので、再びめっき浴42中へ溶出させることができる。このように極性を逆転させてめっき金属の系外への持ち出しを抑える。また、ガラス基板上の多数のビア電極表面に生成するめっき皮膜を、高電圧で不動態化するNi材で構成することで、アノード電極側のビア電極材の溶出を防止しても良い。
本発明の実施例3は、図8および図9に示すようなバイポーラ現象を利用した間接給電によるめっき装置50であって、直流電源81と、シアン化銀、シアン化カリウム、炭酸カリウムを含んだ銀めっき液浴組成からなるめっき浴82と、直流電源81に接続され電極部をめっき浴82に浸漬したアノード板86およびカソード板89と、めっき浴82中に懸垂されて作業中に回転駆動するターンテーブル90とを備え、さらにターンテーブル90は、棒状の被めっき物84を装着したホルダー93を含み、ホルダー93の被めっき物84は、めっき作業中ターンテーブル90の回転によってアノード板86とカソード板89とに挟まれた間を接触しないよう循環通過させながら、アノード板86とカソード板89との間に直流電源81により(+)と(−)の電圧を印加することを特徴とした間接給電めっき装置50が提供される。このときホルダー93に配置される被めっき物84は、その両端を除き互いの接触面と絶縁材のホルダーで囲み、少なくとも被めっき物84の装着部を通してめっき液がホルダーの上下面に対流移動し難い程度にホルダー93に固定される。そして、アノード板86とカソード板89との間をターンテーブル90で仕切り、両電極間のイオンの流れに抵抗が生ずるように遮断すると、図9に図示したようにバイポーラ現象により、棒状の被めっき物84の露出端面にめっき液に対して大きな電位差を持ち分極が生ずるため、電極と接触させなくても電極反応が起こり、図10(b)に示すように、(−)に帯電したアノード側の被めっき物84の露出端面に金属が析出して銀めっき膜が形成される。実施例3では、ホルダー93およびターンテーブル90が絶縁板の働きをする。
実施例3のバイポーラ現象を利用した間接給電によるめっき装置50に用いるホルダー93の形状は、棒状の被めっき物84を装着できかつ被めっき物84の両端面がアノード板86およびカソード板89の電界に感応して分極できる形状であればよい。例えば、図9(a)に示すような上端にフランジを有する絶縁テーパー管のほか、図12(a)ないし(d)に示す何れかの形状に変形できる。すなわち、図12(a)は上端にフランジを有しさらに底面側壁部に導通窓の開いたカップ状の絶縁ホルダーであり、特に限定しないが、カップ底板をステンレス板などの不動態化金属材で構成すると、底板部に当接する被めっき物の分極を助長し、かつ被めっき物の金属溶出も抑制できより好ましい。カップ底板を不動態化金属材で構成した場合、図示しないが、カップ状絶縁ホルダーの側壁部に設けた導通窓は省略してもよい。さらに、図12(b)は被めっき物の上端部を直接プラスチック製ワイヤーで束ねたもの、図12(c)は被めっき物の両端部を残して樹脂で固定したもの、図12(d)は貫通孔を開けた絶縁性の整列治具に被めっき物を挿着したものに変形できる。
さらに、実施例3のバイポーラ現象を利用した間接給電によるめっき装置50に用いるターンテーブル90は、めっき厚のばらつきを小さくするため、図13(a)に示すような遊星ギヤ装置97を追加して搭載したホルダーに自転運動をするように変形できる。また、該めっき装置50のアノード板86およびカソード板89からなる電極対は、作業時間を短縮するため、図13(b)に示すように複数設けてもよい。
本発明の間接給電めっき装置50を利用して、例えば図15に示すような、長さLが25mm、直径φが1mmのNiめっき材などの棒状金属材の先端面に部分銀めっき膜34を施すことができる。すなわち、(1)ターンテーブル90と、被めっき物84を装着したホルダー93と、アノード板86およびカソード板89からなる少なくとも一組の電極対を準備する工程。図8に示すように(2)アノード板86とカソード板89との間に、ホルダー93を搭載したターンテーブル90を絶縁配置するとともにターンテーブル90でめっき被覆面とめっきを施さない面とを遮断するように設置する工程。(3)アノード板86を直流電源81の正極に接続すると同時にカソード板89を該電源の負極に接続してめっき浴82に浸漬する工程。そして、(4)アノード板86とカソード板89との間に、直流電源81を用いて直流電圧を印加してアノード板86側(正極側)の面に対峙する被めっき物の表面に間接給電による銀めっき皮膜を形成する工程からなるめっき皮膜の製造方法によって、図15に示すような棒状金属材の片側端面に銀めっき皮膜を施す。棒状金属材の両側端面にめっきを施す場合には、先ず片側に所望の2倍のめっき皮膜を着けておき、電極の極性を反転させ他方に所望の厚みのめっきを着ければよい。
このとき、図10に示すように、アノード板86およびカソード板89からなる電極対にカーボン材やステンレス製の不溶性電極を用いてアルカリ銀浴でめっきを行う場合は、被めっき物をステンレス鋼材やNiめっき材などアルカリで不動態化する金属材を適用し、電極対には水素電圧、酸素電圧を超える高い電圧をかけておき、電極間に被めっき物を挿入すると、カソード側に面した被めっき物の端面に酸素が発生し、アノード側に面した被めっき物の端面に銀めっき膜が形成される。電極板自体の溶出が無いので、カソード板86に析出した金属は一定頻度で、電極の極性を逆転させればアノード板89となるので、再びめっき浴82中へ溶出させることができる。また、図11に示すように、アノード板86およびカソード板89からなる電極対を銀などの可溶性電極を用いてアルカリ銀浴でめっきを行う場合は、析出反応が起こる程度の比較的低い電圧にして、被めっき物は、Cu材かSnめっき材のようなアルカリで不動態化せず溶出する金属材を適用し、電極間に被めっき物を挿入すると、カソード側に面した被めっき物の端面でCuもしくはSnが溶出し、アノード側に面した被めっき物の端面にわずかにCuもしくはSnを含んだ銀合金めっき膜が形成される。銀電極が少なくなれば、電気分解で増えたカソード側の銀電極と入れ替えればよい。
本発明は、気密端子や電子部品パッケージ電極などの電子部品の電気めっきに用いられ、特に一括給電が困難である複雑な形状への部分めっきや互いに独立した多数の電極に電気めっきを施すのに有効である。
10,40,50,60・・・間接給電めっき装置、
11,41,81・・・直流電源、 12,42,82・・・めっき浴、
13,23,43,53・・・電極治具、
14,24,44,54,84・・・被めっき物、
15,25,45,55・・・正極棒、
16,26,46,56,76,86・・・アノード板、
17・・・スリット枠体、 18,28,48,58・・・負極棒、
19,29,49,59,79,89・・・カソード板、 20,30・・・絶縁板、
31・・・外環金属、 32・・・絶縁ガラス、 33・・・リード、
34・・・部分めっき皮膜、 64・・・貫通電極付きガラス基板、
90・・・ターンテーブル、 91・・・電気ケーブル、 92・・・フレーム、
93・・・ホルダー、 94・・・絶縁ガラス板、 95・・・貫通電極、
96・・・めっき槽、 97・・・遊星ギヤ装置。

Claims (5)

  1. バイポーラ現象を利用した間接給電によるめっき装置であって、直流電源と、めっき浴と、前記直流電源に接続され電極部を前記めっき浴に浸漬したアノード板およびカソード板と、前記めっき浴中に懸垂されて作業中に回転駆動するターンテーブルとを備え、さらに前記ターンテーブルは、棒状の被めっき物を装着したホルダーを含み、前記ホルダーの被めっき物は、めっき作業中前記ターンテーブルの回転によって前記アノード板と前記カソード板とに挟まれた間を接触しないよう循環通過させながら、前記アノード板と前記カソード板との間に前記直流電源により(+)と(−)の電圧を印加することを特徴とする間接給電めっき装置。
  2. 前記アノード板および前記カソード板は、不動態化金属材であることを特徴とする請求項1に記載の間接給電めっき装置。
  3. 絶縁ターンテーブルと、被めっき物を装着したホルダーと、アノード板およびカソード板からなる少なくとも一組の電極対とを準備する工程、前記アノード板と前記カソード板との間に、前記ホルダーを搭載した前記絶縁ターンテーブルを絶縁配置するとともに前記絶縁ターンテーブルでめっき被覆面とめっきを施さない面とを遮断するように設置する工程、前記アノード板を直流電源の正極に接続すると同時に前記カソード板を該直流電源の負極に接続してめっき浴に浸漬する工程、前記アノード板と前記カソード板との間に、前記直流電源を用いて直流電圧を印加して前記アノード板側(正極側)の面に対峙する前記被めっき物の表面に間接給電によるめっき皮膜を形成する工程からなるめっき皮膜の製造方法。
  4. 前記電極対は、不動態化金属材であることを特徴とする請求項3に記載のめっき皮膜の製造方法。
  5. 前記めっき皮膜は、高電圧で不動態化する金属材であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のめっき皮膜の製造方法。
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