JP6004307B2 - 3−(2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ)プロピオン酸の塩またはその水和物およびその製造法 - Google Patents
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Description
また、中間体Aは、2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エタノールをアクリロニトリルとマイケル付加反応に付し、次いで、酸の存在下、アルコールとの反応に付した後、加水分解することによって製造することができる(特許文献2)。しかし、中間体Aは、トルエンなどの有機溶媒に可溶であるため、中間体Aを固体で単離するためには、溶媒濃縮の工程が必要である。さらに、可燃性で麻酔作用を有するシクロヘキサンを使用しなければならない。
また、本発明の製造法は、(1)簡便である、(2)高収率である、(3)高純度である、(4)大量に製造できる、(5)安全である、(6)溶媒濃縮工程を必要としない、(7)可燃性で麻酔作用を持つシクロヘキサンを使用しない、などの特徴を有する。
さらに、本発明の化合物から、簡便な方法で、高収率で、高純度で、大量に、安全に中間体Aおよび中間体Bを製造することができる。
即ち、本発明の化合物は、化合物1の重要な製造中間体であり、本発明の製造法は、中間体Aおよび中間体Bの工業的な製造法として有用である。
本明細書において、特にことわらない限り、各用語は次の意味を有する。
ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を意味する。
C1−6アルキル基とは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチルおよびヘキシル基などの直鎖状または分枝鎖状のC1−6アルキル基を意味する。
C3−8シクロアルキル基とは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチル基などのC3−8シクロアルキル基を意味する。
アリール基とは、フェニル基またはナフチル基を意味する。
C1−6アルコキシ基とは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシおよびヘキシルオキシなどの直鎖状または分枝鎖状のC1−6アルキルオキシ基を意味する。
芳香族炭化水素類とは、ベンゼン、トルエンまたはキシレンを意味する。
ハロゲン化炭化水素類とは、塩化メチレン、クロロホルムまたはジクロロエタンを意味する。
アルコール類とは、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノールまたは2−メチル−2−プロパノールを意味する。
エーテル類とは、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジエチルエーテルを意味する。
ケトン類とは、アセトン、2−ブタノンまたは4−メチル−2−ペンタノンを意味する。
エステル類とは、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルまたは酢酸ブチルを意味する。
アミド類とは、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドまたは1−メチル−2−ピロリドンを意味する。
ニトリル類とは、アセトニトリルを意味する。
スルホキシド類とは、ジメチルスルホキシドを意味する。
有機カルボン酸とは、酢酸、トリクロロ酢酸またはトリフルオロ酢酸を意味する。
有機スルホン酸とは、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸またはp−トルエンスルホン酸を意味する。
Mが、ナトリウムイオン、カルシウムイオンまたはアンモニウムイオンである化合物が好ましい。
Mが、ナトリウムイオンまたはアンモニウムイオンである場合、nが、1であることが好ましい。
Mが、カルシウムイオンである場合、nが、2であることが好ましい。
式[4]の化合物を、塩基の存在下、アクリロニトリルとマイケル付加反応に付すことにより、式[5]の化合物を製造することができる。
この反応は、特許文献2に記載の方法で実施すればよい。
式[5]の化合物を、酸の存在下、一般式[1]のアルコールとの反応に付すことにより、一般式[2]の化合物を製造することができる。
この反応は、特許文献2に記載の方法で実施すればよい。
一般式[2]の化合物を加水分解した後、塩基を反応させることにより、一般式[3]の化合物またはその水和物を製造することができる。
加水分解反応は、通常、溶媒の存在下に実施され、使用される溶媒としては、反応に影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、アルコール類、スルホキシド類および水などが挙げられ、これらの溶媒は、混合して使用してもよい。
好ましい溶媒としては、芳香族炭化水素類、アルコール類および水の混合溶媒ならびにアルコール類および水の混合溶媒が挙げられ、トルエン、メタノールおよび水の混合溶媒ならびにメタノールおよび水の混合溶媒がより好ましい。
溶媒の使用量は、特に限定されないが、一般式[2]の化合物に対して0.5〜10倍量(v/w)が好ましく、0.5〜3倍量(v/w)がより好ましい。
この加水分解反応は、塩基の存在下で行われる。
この反応で使用される塩基としては、たとえば、ナトリウム=メトキシド、ナトリウム=エトキシド、カリウム=tert−ブトキシドおよびナトリウム=tert−ブトキシドなどの金属アルコキシド;ならびに水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムなどの無機塩基が挙げられる。
好ましい塩基としては、無機塩基が挙げられ、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムがより好ましい。
塩基の使用量は、一般式[2]の化合物に対して、1倍モル以上用いればよく、好ましくは1〜3倍モルである。
反応温度は、特に限定されないが、0℃から溶媒の沸点以下であればよく、10〜40℃が好ましい。
反応時間は、特に限定されないが、10分間〜50時間であればよく、1〜24時間が好ましい。
加水分解反応で得られた反応混合物に、塩基を作用させることで、一般式[3]の化合物またはその水和物を製造することができる。
加水分解反応で得られる反応混合物に塩基を添加することにより、一般式[3]の化合物またはその水和物を製造することができる。
この反応で使用される有機溶媒としては、たとえば、アルコール類、スルホキシド類および水などが挙げられ、これらの溶媒は、混合して使用してもよい。
好ましい有機溶媒としては、アルコール類および水が挙げられ、2−プロパノールおよび水が好ましく、2−プロパノールおよび水の混合溶媒がより好ましい。
有機溶媒の使用量は、一般式[2]の化合物に対して、1〜10倍量(v/w)が好ましく、3〜5倍量(v/w)がより好ましい。
この反応で使用される塩基としては、たとえば、塩化カルシウム、水酸化カルシウムおよび酢酸カルシウムが挙げられる。
好ましい塩基としては、酢酸カルシウムが挙げられる。
塩基の使用量は、一般式[2]の化合物に対して、0.5倍モル以上用いればよく、好ましくは0.5〜2倍モルである。
塩基は、固体で添加してもよいが、有機溶媒および/または水に溶解して添加することが好ましい。
反応温度は、特に限定されないが、0℃から溶媒の沸点以下であればよく、10〜40℃が好ましい。
反応時間は、特に限定されないが、10分間〜50時間であればよく、1〜24時間が好ましい。
このようにして製造された一般式[3]の化合物またはその水和物は、濾取などの通常の方法で単離することができる。
加水分解反応で得られる反応混合物に酸を添加した後、有機溶媒を加え、分取した有機層に塩基を添加することにより、一般式[3]の化合物またはその水和物を製造することができる。
この反応で使用される酸としては、たとえば、無機酸、有機カルボン酸および有機スルホン酸などが挙げられ、これらの酸は、混合して使用してもよい。
好ましい酸としては、無機酸が挙げられ、塩酸が好ましい。
この反応で使用される有機溶媒としては、たとえば、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、アルコール類およびエステル類などが挙げられ、これらの溶媒は、混合して使用してもよい。
好ましい有機溶媒としては、芳香族炭化水素類、アルコール類およびエステル類が挙げられ、トルエン、2−プロパノールおよび酢酸エチルが好ましく、これらの溶媒は、混合して使用してもよい。
有機溶媒の使用量は、一般式[2]の化合物に対して、1〜10倍量(v/w)が好ましく、3〜5倍量(v/w)がより好ましい。
この反応で使用される塩基としては、たとえば、水酸化ナトリウムおよびアンモニアが挙げられる。
塩基の使用量は、一般式[2]の化合物に対して、1倍モル以上用いればよく、好ましくは1〜3倍モルである。
水酸化ナトリウムは、固体で添加してもよいが、有機溶媒および/または水に溶解して添加することが好ましい。
アンモニアは、アンモニア水および/またはアンモニアガスを用いることが好ましい。
反応温度は、特に限定されないが、0℃から溶媒の沸点以下であればよく、10〜40℃が好ましい。
反応時間は特に限定されないが、10分間〜50時間であればよく、1〜24時間が好ましい。
このようにして製造された一般式[3]の化合物またはその水和物は、濾取などの通常の方法で単離することができる。
一般式[3]の化合物またはその水和物に酸を反応させることによって、中間体Aを製造することができる。
この反応は、通常、溶媒の存在下に実施され、使用される溶媒としては、反応に影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、エステル類、ケトン類および水などが挙げられ、これらの溶媒は、混合して使用してもよい。
好ましい溶媒としては、芳香族炭化水素類、エーテル類、エステル類およびケトン類から選ばれる一種以上の溶媒ならびに水との混合溶媒が挙げられ、トルエン、1,2−ジメトキシエタン、酢酸エチルおよびアセトンから選ばれる一種以上の溶媒ならびに水との混合溶媒がより好ましい。
溶媒の使用量は、特に限定されないが、一般式[3]の化合物またはその水和物に対して1〜10倍量(v/w)が好ましく、3〜5倍量(v/w)がより好ましい。
この反応で使用される酸としては、たとえば、無機酸、有機カルボン酸および有機スルホン酸が挙げられ、これらの酸は、混合して使用してもよい。
好ましい酸としては、無機酸が挙げられ、塩酸が好ましい。
酸の使用量は、一般式[3]の化合物またはその水和物に対して、1倍モル以上用いればよく、好ましくは1〜3倍モルである。
反応温度は、特に限定されないが、0℃から溶媒の沸点以下であればよく、10〜40℃が好ましい。
反応時間は特に限定されないが、10分間〜50時間であればよく、1〜24時間が好ましい。
Mがカルシウムイオンの場合、中間体Aを単離せずに、そのまま次の反応に用いる方法が好ましい。
中間体Aに活性化剤を反応させることにより、反応性誘導体を製造することができる。
反応性誘導体としては、たとえば、酸ハロゲン化物、酸無水物、活性化アミドおよび活性化エステルなどが挙げられ、酸ハロゲン化物が好ましい。
反応性誘導体を製造する方法としては、たとえば、塩化チオニル、塩化オキサリル、三塩化リンおよび五塩化リンなどのハロゲン化剤を用いる酸ハロゲン化物の製造;クロロギ酸エチル、クロロギ酸イソブチルおよびピバロイルクロリドなどの酸ハロゲン化物との縮合による酸無水物の製造;イミダゾールとの縮合による活性化アミドの製造;カルボニルジイミダゾールなどの活性化アミド化剤による活性化アミドの製造;ならびにp−ニトロフェノールおよび2−メルカプトベンゾチアゾールなどとの縮合による活性エステルの製造などが挙げられる。
反応性誘導体の製造としては、ハロゲン化剤を用いる酸ハロゲン化物の製造が好ましく、塩化チオニルを用いる酸クロリドの製造がより好ましい。
活性化剤の使用量は、活性化剤の種類により異なるが、たとえば、塩化チオニルの場合、中間体Aに対して、0.5倍モル以上あればよく、好ましくは、1〜2倍モルである。
この反応は、通常、溶媒の存在下に実施され、使用される溶媒としては、反応に影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、エステル類、ケトン類、アミド類、ニトリル類およびスルホキシド類などが挙げられ、これらは混合して使用してもよい。
好ましい溶媒としては、芳香族炭化水素類およびエーテル類が挙げられ、トルエンおよび1,2−ジメトキシエタンがより好ましい。
溶媒の使用量は、特に限定されないが、好ましくは、中間体Aに対して1〜20倍量(v/w)、より好ましくは1〜10倍量(v/w)である。
反応温度は特に限定されないが、好ましくは−60〜150℃、より好ましくは、−30〜120℃である。
反応時間は特に限定されないが、10分間〜50時間、好ましくは、30分間〜20時間である。
このようにして得られた反応性誘導体は、単離精製することもできるが、単離せずに次の反応に進むことが好ましい。
反応性誘導体を塩基の存在下、3−アゼチジノールまたはその塩と反応させることにより、中間体Bを製造することができる。
この反応に使用される塩基としては、たとえば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)およびピリジンなどの有機塩基;ならびに水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸水素カリウムなどの無機塩基などが挙げられる。
好ましい塩基としては、無機塩基が挙げられ、より好ましくは水酸化ナトリウムである。
塩基の使用量は、中間体Aに対して、1倍モル以上用いればよく、好ましくは、1〜10倍モルである。
3−アゼチジノールまたはその塩の使用量は、中間体Aに対して、1倍モル以上用いればよく、好ましくは、1〜2倍モルである。
また、3−アゼチジノールまたはその塩は、有機溶媒および/または水に溶解して用いることが好ましい。
3−アゼチジノールまたはその塩を溶解させる溶媒としては、たとえば、アルコール類および水などが挙げられ、これらは混合して使用してもよい。
好ましい溶媒としては、水およびアルコール類の混合溶媒が好ましく、水および2−プロパノールの混合溶媒がより好ましい。
溶媒の使用量は、特に限定されないが、好ましくは、中間体Aに対して1〜20倍量(v/w)、より好ましくは1〜10倍量(v/w)である。
反応温度は特に限定されないが、好ましくは−60〜100℃、より好ましくは、−30〜50℃である。
反応時間は特に限定されないが、10分間〜50時間、好ましくは、30分間〜20時間である。
このようにして得られた中間体Bは、濾取などの通常の方法で単離することができる。
(1)純度試験
被験物質として、実施例1〜6および比較例1〜3の化合物を用いた。
被験物質の純度を高速液体クロマトグラフィー法により測定した。
検出器:紫外吸光光度計
測定波長:230nm
カラム:XTerra RP18 3.5μm、内径4.6×長さ100mm
カラム温度:40℃
移動相:40%CH3CN 0.05mol/L リン酸緩衝液 pH3.0
流量:1.0mL/分
検出器:紫外吸光光度計
測定波長:230nm
カラム:SunFire C18 3.5μm、内径4.6×長さ100mm
カラム温度:40℃
移動相:33%CH3CN 0.02mol/L リン酸緩衝液 pH3.0
流量:1.0mL/分
*2)中間体AのHPLC純度
*3)式[4]の化合物から一般式[3]の化合物またはその水和物の収率
*4)一般式[3]の化合物またはその水和物から中間体Aの収率
*5)式[4]の化合物から中間体Aの収率
式[4]の化合物から一般式[3]のナトリウム塩の製造(実施例3)において、純度は99.9%であり、収率は99%であった。一般式[3]のナトリウム塩から中間体Aの製造(実施例4)において、純度は99.9%、収率は98%であった。式[4]の化合物から一般式[3]のナトリウム塩を単離した後、中間体Aの製造(実施例3、4)において、純度は99.9%であり、収率は97%であった。
一方、一般式[3]の化合物を単離しない製造(比較例1および2)において、中間体Aの純度は98.4〜99.4%であり、収率は85〜89%であった。
本発明の製造法を用いることにより、中間体Aを高純度で、高収率で製造することが可能になった。
*2)中間体AのHPLC純度
*3)中間体BのHPLC純度
*4)式[4]の化合物から一般式[3]の化合物またはその水和物の収率
*5)一般式[3]の化合物またはその水和物から中間体Bの収率
*6)式[4]の化合物から中間体Bの収率
本発明の製造法を用いることにより、中間体Bを高純度で、高収率で製造することが可能になった。
各実施例において各略号は、以下の意味を有する。
Bu:ブチル、tBu:tert−ブチル、Me:メチル、Pr:プロピル
DMSO-d6:重ジメチルスルホキシド
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エタノール150gおよび40%(w/w)ベンジルトリメチルアンモニウム=ヒドロキシド水溶液3.52gのトルエン145mL溶液に19〜31℃でアクリロニトリル51.4gを滴下し、20〜23℃で1時間撹拌した。この反応混合物に塩酸22.5mLおよびメタノール150mLを加え、3〜25℃で塩化水素77.9gを導入後、2.5時間還流した。冷却後、反応混合物に水300mLおよびトルエン150mLを加えた。有機層を分取し、メタノール150mLを加え、20%(w/w)水酸化ナトリウム水溶液337gを滴下し、30℃で2.5時間撹拌した。この反応混合物に、水150mLを加え、塩酸でpH2.0に調整した。有機層を分取し、トルエン450mLを加え、19〜32℃でアンモニア17.6gを導入した。冷却後、析出物を濾取し、白色固体の3−(2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ)プロピオン酸のアンモニウム塩の1水和物236gを得た。
1H-NMR(400 MHz, D2O)δ(ppm):
2.40(2H,t,J=6.8Hz),2.82(2H,dt,J=7.0,1.7Hz),3.57(2H,dt,J=7.0,2.7Hz),3.62(2H,dt,J=6.8,1.5Hz),7.06(1H,dd,J=8.3,1.2Hz),7.21(1H,dd,J=5.4,2.7Hz),7.39(1H,dd,J=5.4,3.4Hz),7.50-7.55(1H,m),7.68(1H,dd,J=8.3,2.9Hz).
HPLC純度:99.5%
水分値:6.6%
実施例1で得られた3−(2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ)プロピオン酸のアンモニウム塩の1水和物25.0gを水108mLおよび酢酸エチル4.6mLに溶解し、室温で塩酸を9.29g滴下した。析出物を濾取し、白色固体の3−(2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ)プロピオン酸21.5gを得た。
CDCl3中における1H-NMRは、比較例1の値と一致した。
HPLC純度:99.5%
2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エタノール100gおよび40%(w/w)ベンジルトリメチルアンモニウム=ヒドロキシド水溶液2.35gのトルエン100mL溶液に17〜31℃でアクリロニトリル34.2gを滴下し、21〜22℃で1時間撹拌した。この反応混合物に塩酸15mLおよびメタノール100mLを加え、2〜18℃で塩化水素52.7gを導入後、3.5時間還流した。冷却後、反応混合物に水200mLおよびトルエン100mLを加えた。有機層を分取し、メタノール100mLおよび20%(w/w)水酸化ナトリウム水溶液180mLを加え31〜38℃で1.5時間撹拌した。この反応混合物に、水200mLおよびトルエン100mLを加え、塩酸でpH2.1に調整した。有機層を分取し、2−プロパノール100mLおよび水酸化ナトリウム24.7gの水40mL溶液を滴下した。アセトン200mLを滴下後、析出物を濾取し、白色固体の3−(2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ)プロピオン酸のナトリウム塩の3水和物182gを得た。
1H-NMR(400 MHz, D2O)δ(ppm):2.40(2H,t,J=7.0Hz),2.76(2H,t,J=7.1Hz),3.43-3.53(2H,m),3.55-3.62(2H,m),6.92-7.01(1H,m),7.10-7.17(1H,m),7.25-7.34(1H,m),7.40-7.47(1H,m),7.60(1H,d,J=8.3Hz).
HPLC純度:99.9%
水分値:17.5%
実施例3で得られた3−(2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ)プロピオン酸のナトリウム塩の3水和物36.2gを水110mLおよびアセトン10mLに溶解し、室温で6mol/L塩酸を20mL滴下した。析出物を濾取し、白色固体の3−(2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ)プロピオン酸27.1gを得た。
CDCl3中における1H-NMRは、比較例1の値と一致した。
HPLC純度:99.9%
2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エタノール100gおよび40%(w/w)ベンジルトリメチルアンモニウム=ヒドロキシド水溶液2.35gのトルエン95mL溶液に20〜30℃でアクリロニトリル34.2gを滴下し、24〜28℃で1時間撹拌した。この反応混合物に塩酸15mLおよびメタノール100mL加え、0〜21℃で塩化水素64.7gを導入後、3時間還流した。冷却後、反応混合物に水200mLおよびトルエン100mLを加えた。有機層を分取し、メタノール100mLを加え、水酸化カリウム63.0gの水100mL溶液を滴下し、26〜33℃で1時間撹拌した。この反応混合物に、水200mLを加えた。水層を分取し、酢酸23.6g、2−プロパノール200mLおよび水400mLを加え、70〜71℃で酢酸カルシウム1水和物49.4gの水200mL溶液を滴下した。冷却後、析出物を濾取し、白色固体の3−(2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ)プロピオン酸の1/2カルシウム塩の1水和物151gを得た。
1H-NMR(400 MHz, DMSO-d6)δ(ppm):2.24(2H,t,J=7.2Hz),2.87(2H,t,J=7.0Hz),3.52-3.63(4H,m),7.21(1H,d,J=8.4Hz),7.36(1H,d,J=5.4Hz),7.65-7.73(2H,m),7.85(1H,d,J=8.4Hz).
HPLC純度:99.9%
水分値:6.4%
実施例5で得られた3−(2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ)プロピオン酸の1/2カルシウム塩の1水和物115gにトルエン250mL、水200mLおよび塩酸35.7mLを加え、室温で0.5時間撹拌した。有機層を分取し、水で洗浄した。有機層を減圧下に溶媒113mLを留去後、塩化チオニル52.3gおよびトルエン13mLを加え、1時間還流した。冷却後、この反応混合物を水酸化ナトリウム36.8g、3−アゼチジノール塩酸塩48.1g、水100mLおよび2−プロパノール200mLの混合物に−5〜4℃で滴下し、トルエン50mLで洗浄後、4℃で0.5時間撹拌した。反応混合物に、トルエン200mLおよび水300mLを加え、38℃で有機層を分取した。水200mLを加え塩酸でpH2.6に調整し有機層を分取した。常圧下に溶媒を235mL留去後、トルエン400mLを加え、常圧下に溶媒を100mL留去した。冷却後、析出物を濾取し、白色固体の1−(3−(2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ)プロピオニル)アゼチジン−3−オール117gを得た。
CDCl3中における1H-NMRは、比較例3の値と一致した。
HPLC純度:100.0%
2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エタノール50.0gのトルエン50mL懸濁液に、40%(w/w)ベンジルトリメチルアンモニウム=ヒドロキシド水溶液2.35gを加え、8〜15℃でアクリロニトリル17.9gを滴下し、10〜20℃で1.5時間撹拌した。この反応混合物に塩酸1.25mLを加えた後、プロパノール100mLおよび水5.05gを加え、硫酸55.0gを滴下後、6時間還流した。冷却後、反応混合物に水100mLを加えた。有機層を分取し、メタノール50mLを加え、水酸化カリウム31.5gの水50mL溶液を滴下し、室温で1.5時間撹拌した。この反応混合物に、トルエン75mLおよび水75mLを加えた。水層を分取し、トルエン100mLを加え、6mol/L塩酸でpH0.9に調整し、有機層を分取した。減圧下に溶媒を留去後、トルエン50mLおよびシクロヘキサン125mLを加えた。析出物を濾取し、白色固体の3−(2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ)プロピオン酸59.6gを得た。
HPLC純度:98.4%
2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エタノール260gのトルエン260mL懸濁液に、2−プロパノール43.8gおよびカリウム=tert−ブトキシド1.64gを加え、0.5時間撹拌した。反応混合物を15℃まで冷却後、アクリロニトリル116gを滴下し、15〜25℃で1時間撹拌した。反応混合物に塩酸6.5mL、メタノール520mLおよび水78.9gを加え、10〜25℃で塩化水素310gを導入後、3時間還流した。冷却後、反応混合物に水780mLおよびトルエン520mLを加え、有機層を分取した。有機層に、メタノール260mLおよび水酸化カリウム164gの水260mL溶液を滴下し、30〜35℃で2時間撹拌した。反応混合物に水260mLを加え、水層を分取した。水層に、トルエン520mLおよび水260mLを加え、塩酸234mLを滴下し、有機層を分取した。有機層から溶媒390mLを減圧下に留去し、シクロヘキサン1040mLを加え、析出物を濾取し、白色固体の3−(2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エトキシ)プロピオン酸326gを得た。
HPLC純度:99.4%
Claims (1)
- 2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)エタノールを、塩基の存在下、アクリロニトリルとマイケル付加反応に付した後、酸の存在下、一般式
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