JP6003754B2 - 制動力制御装置 - Google Patents

制動力制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6003754B2
JP6003754B2 JP2013062862A JP2013062862A JP6003754B2 JP 6003754 B2 JP6003754 B2 JP 6003754B2 JP 2013062862 A JP2013062862 A JP 2013062862A JP 2013062862 A JP2013062862 A JP 2013062862A JP 6003754 B2 JP6003754 B2 JP 6003754B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
control
valve
braking force
temperature
electromagnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013062862A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014184942A (ja
Inventor
加藤 英久
英久 加藤
篤史 曽根
篤史 曽根
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2013062862A priority Critical patent/JP6003754B2/ja
Publication of JP2014184942A publication Critical patent/JP2014184942A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6003754B2 publication Critical patent/JP6003754B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Indication Of The Valve Opening Or Closing Status (AREA)
  • Magnetically Actuated Valves (AREA)
  • Valves And Accessory Devices For Braking Systems (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)

Description

本発明は、制動力制御装置に関する。
車両に制動力を作用させるために、作動油の油圧を用いた制動力制御装置が広く用いられている。制動力制御装置は、通過する作動油の流量を調整するバルブを有しており、バルブの開度を制御することで、制動力を発生する制動力発生源に供給される油圧を制御する。ここで、制動力制御装置においては、温度変化がさまざまな影響を与える。例えば、バルブの開度を制御する電子制御ユニットの温度が上昇することで、制動制御、特にABS制御が正常に行われなくなる可能性があるため、電子制御ユニットの自己発熱を抑制する目的で、ABS制御の実行を禁止するものがある(特許文献1参照)。また、作動油は、温度の低下に応じて粘性が増加するため、作動油の温度に応じて、制動制御に影響を与えない範囲でバルブへ通電するものがある(特許文献2参照)。また、バルブは、常温に対して高温時または低温時に応答性が変化するため、バルブの応答時間が長い領域では、短い領域よりもバルブの駆動電圧のパルス幅を長くするものがある(特許文献3参照)。
特開平10−278771号公報 特開2010−247615号公報 特開平10−009434号公報
ところで、車両のうち積載車は、要求される減速度、すなわち目標減速度が大きいため、制動力発生源に供給される油圧の増加性能、すなわち昇圧性能の影響が大きくなる。ここで、バルブの温度やバルブを通過する作動油の温度が著しく低下すると、作動油の粘性が増加したり、バルブ応答性が低下したりするので、昇圧性能が著しく低下する虞がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、バルブあるいはバルブを通過する流体の温度が異常であっても、制動力を確保することができる制動力制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る制動力制御装置は、流体圧供給源と、流体圧に応じた制動力を発生する制動力発生源と、前記制動力発生源に供給される流体圧を調整するバルブと、前記バルブの開度を制御する制動制御を行う制御手段と、前記バルブあるいは前記バルブを通過する流体の温度に関する情報を取得する温度情報取得手段と、を有し、前記制御手段は、前記温度情報が異常である場合に、前記バルブの開度を通常制動制御時よりも大きくする異常時開度制御を行い、前記制御手段は、取得された前記温度が異常である場合であっても、前記制動制御が運転者による制動操作中の制御でない場合には、前記異常時開度制御を禁止することを特徴とする。
また、上記制動力制御装置において、前記制御手段は、前記制動力発生源の要求昇圧勾配に基づいた要求流量を実現するために、前記バルブを駆動する駆動電流の出力波形モードを決定するものであり、前記異常時開度制御は、前記流量を最も増加することができる出力波形モードに基づいて前記バルブを駆動することが好ましい。
また、上記制動力制御装置において、前記運転者による制動操作中の制御とは、ABS制御であり、前記制御手段は、前記ABS制御中の前記流体の減圧から次の減圧までのサイクルが所定以下である場合に、前記異常時開度制御を禁止することが好ましい。
本発明に係る制動力制御装置は、温度情報が異常、例えば制動制御が想定する温度範囲を超える場合や、温度情報を取得することができない場合などであっても、バルブの開度を通常制動制御時よりも大きくする異常時開度制御を行うことで、通常制動制御において要求されたバルブの開度よりも実際のバルブの開度が小さくても、異常時開度制御により実際のバルブの開度を大きくさせることができるので、制動力を確保することができる。
図1は、実施形態に係る制動力制御装置の構成例を示す図である。 図2は、実施形態に係る制動力制御装置が有する制御装置のブロック図である。 図3は、実施形態に係る制動力制御装置の電磁開閉弁駆動制御のフローチャート図である。 図4は、実施形態に係る制動力制御装置の異常時開度制御を含む温度補正制御のフローチャート図である。 図5は、ABS制御中におけるホイールシリンダ圧力Pwiと時間との関係を示す図である。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
〔実施形態〕
図1は、実施形態に係る制動力制御装置の構成例を示す図である。図2は、実施形態に係る制動力制御装置が有する制御装置のブロック図である。但し、本実施形態は、制動力制御装置10の作動に関するソフトウェア的構成にその要旨を有しているので、図1および図2に表れているハードウェア的構成そのものは公知のものであり、後述する電磁開閉弁22L、22R、電磁開閉弁24、電動機32、アキュムレータ38、電磁開閉弁42FL〜42RR、電磁開閉弁46FL〜46RR、油圧センサ52、制御装置58は、油圧ユニットとしてユニット化されている。制動力制御装置10は、本実施形態では、ECB(Electronically Controlled Brake)システム、すなわちブレーキ・バイ・ワイヤであり、運転者によるブレーキペダル12の踏み込み操作、すなわち制動操作に応答して流体、本実施形態では、制動用の作動油を圧送するマスターシリンダ14を有している。ブレーキペダル12とマスターシリンダ14との間にはドライストロークシミュレータ16が設けられている。
マスターシリンダ14は、図1に示すように、第一のマスターシリンダ室14Aと第二のマスターシリンダ室14Bとを有し、これらのマスターシリンダ室14Aおよび14Bにはそれぞれ左前輪用の油圧導管18Aおよび右前輪用の油圧導管18Bの一端が接続されている。油圧導管18Aおよび18Bの他端にはそれぞれ左前輪および右前輪に制動力を発生するホイールシリンダ20FLおよび20FRが接続されている。
油圧導管18A、18Bの途中にはそれぞれ常開型の電磁開閉弁(マスターカット弁)22L、22Rがそれぞれ設けられている。これらの電磁開閉弁22Lおよび22Rはそれぞれ第一のマスターシリンダ室14Aおよび第二のマスターシリンダ室14Bとこれらに対応するホイールシリンダ20FLおよび20FRとの連通を選択的に遮断する遮断弁として機能する。またマスターシリンダ14と電磁開閉弁22Lとの間の油圧導管18Aには常閉型の電磁開閉弁24を介してウェットストロークシミュレータ26が接続されている。
マスターシリンダ14にはリザーバ28が接続されており、リザーバ28には送油導管30の一端が接続されている。送油導管30には電動機32により駆動されるオイルポンプ34が接続されており、オイルポンプ34の吐出側の油圧供給導管36には油圧を蓄圧するアキュムレータ38が接続されている。送油導管30には油戻り導管40の一端が接続されている。リザーバ28、オイルポンプ34、アキュムレータ38等は、作動油の油圧に応じた制動力を発生するための制動力発生源であるホイールシリンダ20FL、20FR、20RL、20RR内に供給される圧力(流体圧)を調整、特に昇圧するための流体圧供給源である。
尚、図1には示されていないが、オイルポンプ34の吸入側の送油導管30と吐出側の油圧供給導管36とを連通接続する導管が設けられ、該導管の途上にはアキュムレータ38内の圧力が基準値を越えた場合に開弁し吐出側の油圧供給導管36より吸入側の送油導管30へ油を戻すリリーフ弁が設けられている。
オイルポンプ34の吐出側の油圧供給導管36は、常閉型の電磁開閉弁42FLおよび油圧導管44FLを経てホイールシリンダ20FLと接続されている。同様に、オイルポンプ34の吐出側の油圧供給導管36は、常閉型の電磁開閉弁42FRおよび油圧導管44FRを経てホイールシリンダ20FRと接続され、常閉型の電磁開閉弁42RLおよび油圧導管44RLを経てホイールシリンダ20RLと接続され、常閉型の電磁開閉弁42RRおよび油圧導管44RRを経てホイールシリンダ20RRと接続されている。
ホイールシリンダ20FL、20FR、20RL、20RRは、またそれぞれ油圧導管44FL、44FR、44RL、44RRおよび常閉型の電磁開閉弁46FL、46FR、46RL、46RRを経て油戻り導管40に接続されている。
電磁開閉弁42FL、42FR、42RL、42RRは、制動力発生源であるホイールシリンダ20FL、20FR、20RL、20RRのそれぞれに供給される油圧を調整、特に昇圧(油圧保持)するバルブ、すなわち昇圧弁または油圧保持弁として機能する。また、電磁開閉弁46FL、46FR、46RL、46RRは、ホイールシリンダ20FL、20FR、20RL、20RRのそれぞれの油圧を調整、特に減圧するバルブ、すなわち減圧弁または油圧保持弁として機能する。これらの電磁開閉弁42FL〜42RR、46FL〜46RRは互いに協働してアキュムレータ38内の流体圧供給源に基づいて各ホイールシリンダ20FL〜20RRへ供給される油圧を個別に増減制御することができる。
常開型の電磁開閉弁22L、22Rは、駆動電流が供給されない非制御モード時には開弁状態に維持され、常閉型の電磁開閉弁42FL〜42RR、46FL〜46RRは、駆動電流が供給されない非制御モード時には閉弁状態に維持される。また電磁開閉弁42FL〜42RR、46FL〜46RRの何れかが故障し、対応するホイールシリンダ20FL〜20RR内の圧力を正常に制御できなくなった場合には、これらの電磁開閉弁42FL〜42RR、46FL〜46RRは非制御モードとされ、これにより左右前輪のホイールシリンダ20FL、20FR内の圧力は直接マスターシリンダ14により制御される。
第一のマスターシリンダ室14Aと電磁開閉弁22Lとの間の油圧導管18Aには該油圧導管内の圧力を第一のマスターシリンダ油圧として検出する第一の油圧センサ48Aが設けられている。同様に第二のマスターシリンダ室14Bと電磁開閉弁22Rとの間の油圧導管18Bには該油圧導管内の圧力を第二のマスターシリンダ油圧として検出する第二の油圧センサ48Bが設けられている。ブレーキペダル12には運転者によるブレーキペダルの踏み込みストロークを検出するストロークセンサ50が設けられている。オイルポンプ34の吐出側の油圧供給導管36には該導管内の圧力、すなわち電磁開閉弁42FL〜42RRよりもオイルポンプ34側における作動油の圧力をアキュムレータ圧力Pfrとして検出する油圧センサ52が設けられている。更に、図示の制動装置では、ホイールシリンダ20FL、20FR、20RL、20RR内の圧力が、それぞれ油圧センサ54FL、54FR、54RL、54RRにより圧力Pwi(i=fl、fr、rl、rr)として検出されるようになっている。但し、本実施形態の制御に関して、ホイールシリンダ20FL〜20RR内の圧力が上記の閾値に達したことをマスターシリンダ油圧によって推定する限りに於いては、油圧センサ54FL〜54RRは設けられなくてもよい。各車輪の回転速度は、それぞれ車輪速センサ56FL、56FR、56RL、56RRよりVwi(i=fl、fr、rl、rr)として検出されるようになっている。以上の構成、特に各種のセンサに係る構成は、この種の制動装置の油圧回路の一般的な構成として記したものであり、その全てが本実施形態に関与するものではない。
電磁開閉弁22L、22R、電磁開閉弁24、電動機32、電磁開閉弁42FL〜42RR、電磁開閉弁46FL〜46RRは、図2に示すように、制御装置58により制御される。制御装置58は、バルブの開度を制御する制動制御を行う制御手段であり、マイクロコンピュータ60と駆動回路62よりなっている。マイクロコンピュータ60には、油圧センサ48Aおよび48Bよりそれぞれ第一および第二のマスターシリンダ油圧を示す信号、ストロークセンサ50よりブレーキペダル12の踏み込みストロークを示す信号、油圧センサ52よりアキュムレータ圧力Pfrを示す信号、油圧センサ54FL〜54RRよりそれぞれホイールシリンダ20FL〜20RR内の圧力Pwi(i=fl、fr、rl、rr)を示す信号、車輪速センサ56FL〜56RRより各車輪の回転速度Vwi(i=fl、fr、rl、rr)を示す信号、温度センサ64により温度Tを示す信号の他に、図には示されていない車速センサより車速を示す信号、ヨーレートセンサより車体のヨーレートを示す信号、前後加速度センサより車体の前後加速度を示す信号、横加速度センサより車体の横加速度を示す信号等のその他センサ66からの信号が供給される。
ここで、温度センサ64は、温度情報取得手段であり、バルブあるいはバルブを通過する流体の温度に関する情報を取得するものである。温度センサ64は、本実施形態では、上記油圧ユニットに内蔵されており、油圧ユニットの温度Tを計測するものである。油圧ユニットの温度Tは、油圧ユニットに内蔵されている電磁開閉弁42FL〜42RR、46FL〜46RRおよびこれらを通過する作動油の温度に関する情報である。なお、温度センサ64は、電磁開閉弁42FL〜42RR、46FL〜46RRの温度あるいは作動油の温度を直接計測するものでもよい。
マイクロコンピュータ60(以下、単に「マイコン60」と称する)は、制動制御ルーチンを記憶しており、ブレーキペダル12が踏み込まれると電磁開閉弁24を開弁すると共に、電磁開閉弁22Lおよび22Rを閉弁し、その状態にて油圧センサ48A、48Bにより検出されたマスターシリンダ油圧およびストロークセンサ50より検出された踏み込みストロークに基づき要求されている制動力を演算し、ホイールシリンダ20FL〜20RRの各々に対する目標ホイールシリンダ圧力Pwti(i=fl、fr、rl、rr)を演算し、各ホイールシリンダ20FL〜20RRの圧力Pwi(i=fl、fr、rl、rr)が目標ホイールシリンダ圧力Pwtiになるよう電磁開閉弁42FL〜42RR、46FL〜46RRを駆動制御(フィードバック制御)、すなわち電磁開閉弁駆動制御を行う。また、マイコン60は、各車輪の回転速度Vwi(i=fl、fr、rl、rr)に基づいてABS制御をおこなう。ABS制御は、車輪のスリップ率に基づいて各車輪のロック状態を判定し、ロックと判定された車輪に対応するホイールシリンダ20FL〜20RRの油圧をロックと判定されなくなるまで電磁開閉弁46FL〜46RRにより減圧し、ロックと判定されなくなると電磁開閉弁42FL〜42RRにより増圧し、これを繰り返す制動制御であり、ABS制御を実現できるように電磁開閉弁駆動制御を行う。
次に、実施形態に係る制動力制御装置の作動制御を説明する。図3は、実施形態に係る制動力制御装置の電磁開閉弁駆動制御のフローチャート図である。図4は、実施形態に係る制動力制御装置の異常時開度制御を含む温度補正制御のフローチャート図である。図5は、ABS制御中におけるホイールシリンダ圧力Pwiと時間との関係である。上記フローチャートに沿った制御演算は、図2に示すマイコン60により車輌の運転中、例えば数ミリセカンド〜数十ミリセカンドの周期にて、電磁開閉弁ごとに繰り返されている。なお、本実施形態では、電磁開閉弁駆動制御は、ホイールシリンダ圧力Pwiを昇圧する場合、すなわち電磁開閉弁46FL〜46RRが非制御モード時の閉弁状態で電磁開閉弁42FL〜42RRを駆動制御する場合について説明する。また、以下の説明においては、電磁開閉弁42FL〜42RRのうち任意の1つ電磁開閉弁42xに対する電磁開閉弁駆動制御および温度制御を行う場合について説明する。
まず、電磁開閉弁42xに対する電磁開閉弁駆動制御では、マイコン60は、ブレーキペダル12が踏み込まれると、油圧センサ48A、48Bにより検出されたマスターシリンダ油圧およびストロークセンサ50より検出された踏み込みストロークに基づき、目標ホイールシリンダ圧力Pwtiを算出する(ステップST1)。
次に、マイコン60は、算出された目標ホイールシリンダ圧力Pwtiに基づいて要求昇圧勾配xを算出する(ステップST2)。ここでは、マイコン60は、目標ホイールシリンダ圧力Pwtiと油圧センサ54FL〜54RRにより検出されたホイールシリンダ圧力Pwiとのそれぞれの差分である要求昇圧ΔPwを算出し、要求昇圧ΔPwを達成するための単位時間当たりの昇圧、すなわち要求昇圧勾配xを算出する。
次に、マイコン60は、要求昇圧勾配xに基づいて要求流量Qreqを算出する(ステップST3)。ここでは、マイコン60は、要求昇圧勾配xを達成することができる要求流量Qreqを図示しない流量Qと圧力Pとの消費液量線図に基づいて算出する。例えば、下記の式(1)を用いて要求流量Qreqを算出する。ここで、マイコン60は、下記の式(1)に示すように、勾配の急変を避けるため、消費液量線図上の前後2点Q(P+Po)、Q(P-Po)を結ぶ勾配となる要求流量Qreqを算出することが好ましい。
req=x×(dQ/dP)=x×(Q(P+Po)−Q(P-Po))/2Po・・・(1)
次に、マイコン60は、要求流量Qreqを実現するための出力波形モードを決定する(ステップST4)。ここでは、マイコン60は、電磁開閉弁42xを駆動する駆動電流、すなわちコイル電流Iの出力波形が異なるモードを複数、本実施形態では、LOW(ロウ)モード、MID(ミッド)モード、HIGH(ハイ)モードの3つの出力波形モードと、後述する異常時開度制御において用いられるHHIGH(ハイハイ)モードとから1つを決定する。なお、HHIGH(ハイハイ)モードは、異常時開度制御においてのみ用いられるため、通常は上記3つの出力波形モードから1つを決定する。
ここでは、マイコン60は、まず出力波形モードの決定の基準となるLOW流量QlowおよびMID流量Qmidを算出する。LOW流量QlowおよびMID流量Qmidは、電磁開閉弁42xの前後における作動油の圧力差ΔPに基づいて算出する。例えば、下記の式(2)、式(3)を用いてLOW流量QlowおよびMID流量Qmidを算出する。ここで、KlowおよびKmidは、予め設定された係数であり、Klow<Kmidである。
low=Klow×√(Pfr−Pw) ・・・(2)
mid=Kmid×√(Pfr−Pw) ・・・(3)
また、マイコン60は、LOW流量QlowおよびMID流量Qmidに基づいて出力波形モードを決定する。マイコン60は、Qreq>0.75×QmidであればHIGHモード、Qreq>0.75×QlowであればMIDモード、Qreq≦0.75×QlowであればLOWモードに決定する。
次に、マイコン60は、決定された出力波形モードに基づいて電磁開閉弁42xのDuty〔%〕を決定する(ステップST5)。ここでは、マイコン60は、決定した出力波形モードをどれだけ出力すれば要求流量Qreqとなるかを算出する。マイコン60は、まず、決定された出力波形モードに基づいて利用することができる流量である利用可能流量Qavaを算出する。例えば、下記の式(4)を用いて利用可能流量Qavaを算出する。ここで、Kmodeは、上記決定された出力波形モードに基づいて予め設定された係数であり、Klow<Kmid<Khighである。次に、マイコン60は、要求流量Qreqと、利用可能流量Qavaと、下記の式(5)とに基づいてDutyを算出する。
ava=Kmode×√(Pfr−Pw) ・・・(4)
Duty=Qreq/Qava×100 ・・・(5)
次に、マイコン60は、算出されたDutyに基づいて電磁開閉弁42xの駆動パターンを算出する(ステップST6)。ここでは、マイコン60は、算出されたDutyに基づいた実際のON時間TON、OFF時間TOFFの時間配分、コイル電流Iを算出する。コイル電流Iは、通過流量(要求流量Qreq)、ON時間TON、OFF時間TOFF、出力波形モードなどモデル化したもので算出される。
次に、マイコン60は、コイル電流補正を実施する(ステップST7)。ここでは、マイコン60は、算出されたコイル電流Iを温度センサ64により計測された温度Tに基づいて補正する。マイコン60は、例えば、下記の式(6)を用いてコイル電流Iを補正する。ここで、Kcoilは、予め設定された係数であり、1>Kcoil>0である。
I=I×(1+Kcoil(T−TB)) ・・・(6)
次に、マイコン60は、算出されたコイル電流Iに基づいて電磁開閉弁42xを駆動制御する(ステップST8)。つまり、マイコン60は、電磁開閉弁駆動制御において温度Tに基づいて補正されたコイル電流Iにより電磁開閉弁42xを駆動制御することで、ホイールシリンダ圧力Pwiを増加、すなわち昇圧する。
次に、電磁開閉弁42xに対する温度制御では、温度センサ64は、まず、温度計測を実施する(ステップST10)。ここでは、温度センサ64は、油圧ユニットの温度Tの計測を実施する。
次に、マイコン60は、温度Tが取得できたか否か判定する(ステップST11)。ここでは、温度センサ64による温度Tの計測が正常に実施されているか否か、すなわち温度センサ64が未計測状態であるか否かを判定する。マイコン60により温度Tが取得できない場合とは、温度センサ64の故障(例えば、温度センサ64の計測結果、想定されている上限値や下限値にはりついた状態)などが該当する。なお、温度センサ64が未計測状態であることは、温度情報が異常であることに含まれる。
次に、マイコン60は、温度Tが取得できたと判定する(ステップST11肯定)と、温度Tが異常であるか否かを判定する(ステップST12)。ここでは、マイコン60は、計測された温度Tが予め設定された想定内の温度範囲内であるか否かを判定することで、コイル電流Iの温度Tに基づいた補正を行うことができるか否かを判定する。なお、想定内の温度範囲とは、車両が走行する環境温度に応じた温度Tの範囲であり、例えば100℃〜−25℃程度である。
次に、マイコン60は、温度Tが正常であると判定する(ステップST12否定)と、決定された出力波形モードを維持する(ステップST13)。ここでは、マイコン60は、温度Tが計測され、計測された温度Tが異常ではない、すなわち温度情報が異常ではないので、電磁開閉弁駆動制御において決定された出力波形モードを変更しない。
次に、マイコン60は、温度Tを維持する(ステップST14)。ここでは、マイコン60は、温度Tが計測され、計測された温度Tが異常ではないので、電磁開閉弁駆動制御において用いられる温度Tを変更しない。つまり、電磁開閉弁駆動制御において実行される温度Tに基づいたコイル電流Iの補正を許可する。
また、マイコン60は、温度Tが取得できないと判定する(ステップST11否定)、あるいは温度Tが異常であると判定する(ステップST12肯定)と、ABS制御中であるか否かを判定する(ステップST15)。ここでは、マイコン60は、温度Tが未計測、あるいは計測された温度Tが異常である、すなわち温度情報が異常であると判定すると、電磁開閉弁42xの昇圧性能が著しく低下している可能性があるので、本実施形態では、異常時開度制御を行う条件である車両の減速中において大きな制動力(減速度)を必要する状態であるか否かを判定する。
次に、マイコン60は、ABS制御中であると判定する(ステップST15肯定)と、ABS制御における初回増圧であるか否かを判定する(ステップST16)。ここで、初回増圧とは、図5のAに示すように、ABS制御が開始された際に、ロックと判定された車輪に対応するホイールシリンダ圧力Pwiを減圧した後、ロックと判定されなくなることで電磁開閉弁42xにより増圧することをいう。
また、マイコン60は、図4に示すように、初回増圧であると判定する(ステップST16肯定)と、出力波形モードをHHIGHモードに決定する(ステップST18)。ここでは、マイコン60は、温度情報が異常であり、ABS制御中であるので、異常時開度制御を行う。本実施形態では、マイコン60は、異常時開度制御として、電磁開閉弁駆動制御において決定された出力波形モードがLOWモード、MIDモード、HIGHモードのいずれであっても、流量Qを最も増加することができる出力波形モードであるHHIGHモードに変更する。従って、上記利用可能流量Qavaは、式(4)のKmodeがKhhighとなる。Khhighは、Khigh<Khhighであるので、利用可能流量Qavaは最も大きい値に算出される。
次に、マイコン60は、温度TをTBとする(ステップST20)。ここでは、マイコン60は、温度情報に異常があるので、電磁開閉弁駆動制御において温度Tに基づいたコイル電流Iの補正を禁止する。本実施形態では、温度TをTBとすることで、上記式(6)がI=Iとなることで、コイル電流Iの温度Tに基づいた補正を禁止する。
次に、マイコン60は、初回増圧でないと判定する(ステップST16否定)と、ABS制御における1サイクルが所定時間以下であるか否かを判定する(ステップST17)。ここで、1サイクルとは、図5に示すように、ABS制御中においてホイールシリンダ圧力Pwiの減圧から増圧を挟んで次の減圧までの時間間隔Lである。また、所定時間とは、例えば500msecである。
次に、マイコン60は、ABS制御における1サイクルが所定時間以下でないと判定する(ステップST17否定)と、出力波形モードをHHIGHモードに決定(ステップST18)し、温度TをTBとする(ステップST20)。つまり、マイコン60は、電磁開閉弁42xの昇圧性能が不十分でありホイールシリンダ圧力Pwiの増圧を速やかに実行できない場合は、ABS制御中の異常時開度制御を維持する。
また、マイコン60は、ABS制御中でないと判定する(ステップST15否定)と、決定された出力波形モードを維持する(ステップST19)。ここでは、マイコン60は、温度情報が異常であっても、ABS制御中でなければ、電磁開閉弁駆動制御において決定された出力波形モードを変更せず、異常時開度制御を行わない、すなわち禁止する。これにより、温度情報が異常であり、電磁開閉弁42xの昇圧性能が不十分あるいは不明であっても、フィードバック制御による効果が大きい制御や、ABS制御などの車両の危機回避に影響が少ない制動制御においては、異常時開度制御を行わないことで、運転者が体感する減速度の変化を抑制することができるので、違和感を抑制することができる。なお、ABS制御中でなくても、温度情報が異常であれば、温度TをTBとし(ステップST20)、電磁開閉弁駆動制御において温度Tに基づいたコイル電流Iの補正を禁止する。
次に、マイコン60は、ABS制御における1サイクルが所定時間以下であると判定する(ステップST17肯定)と、決定された出力波形モードを維持する(ステップST19)。つまり、マイコン60は、電磁開閉弁42xの昇圧性能が十分でありホイールシリンダ圧力Pwiの増圧を速やかに実行できる場合は、ABS制御中であっても、異常時開度制御を維持しない、すなわち禁止する。これにより、ABS制御中において、運転者が体感する減速度の変化を抑制することができるので、違和感を抑制することができる。なお、異常時開度制御が禁止されても、温度情報が異常であれば、温度TをTBとし(ステップST20)、電磁開閉弁駆動制御において温度Tに基づいたコイル電流Iの補正を禁止する。
以上のように、本実施形態に係る制動力制御装置10では、温度情報が異常であると、電磁開閉弁(バルブ)の昇圧性能が著しく低下している可能性があるので、電磁開閉弁の開度を通常制動制御時、ABS制御を除く制動制御時における開度よりも大きくする異常時開度制御を行う。従って、通常制動制御において要求された電磁開閉弁の開度よりも実際の電磁開閉弁の開度が小さくても、異常時開度制御により実際の電磁開閉弁の開度を大きくさせることができる。これにより、例えば、−30℃以下の極低温環境下で、電磁開閉弁の昇圧性能が著しく低下している状態においても、ABS制御に代表される車両の危機回避に影響が大きい制動制御中における油圧コントロール性の低下を抑制でき、制動力を確保することができる。また、車両のうち、荷台に積載物を搭載するような積載車においては、大きな制動力(減速度)が要求されるため、本実施形態に係る制動力制御装置10を積載車に搭載することで、積載車におけるフューエルセーフ性を大きく向上させることができる。
なお、上記実施形態では、異常時開度制御において、出力波形モードを電磁開閉弁駆動制御で用いられる出力波形モードよりも流量Qを最も増加することができる出力波形モードであるHHIGHモードを用いたが、これに限定されるものではなく、電磁開閉弁駆動制御で用いられる出力波形モードのうち、流量Qを最も増加することができる出力波形モードであるHIGHモードを用いてもよい。
また、上記実施形態では、ABS制御中でなければ異常時開度制御を禁止する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、制動制御が運転者による制動操作中の制御でなければ異常時開度制御を禁止するようにしてもよい。あるいは、制動制御が運転者による制動操作中の制御であり、電磁開閉弁42xの昇圧性能が十分でありホイールシリンダ圧力Pwの増圧を速やかに実行できる場合は、異常時開度制御を禁止してもよく、これにより運転者が体感する減速度の変化を抑制することができる。
10 制動力制動装置
12 ブレーキペダル
14 マスターシリンダ
16 ドライストロークシミュレータ
18A、18B 油圧導管
20FL、20FR、20RL、20RR ホイールシリンダ
22L、22R 電磁開閉弁
24 電磁開閉弁
26 ウェットストロークシミュレータ
28 リザーバ
30 送油導管
32 電動機
34 オイルポンプ
36 油圧供給導管
38 アキュムレータ
40 油戻り導管
42FL、42FR、42RL、42RR 電磁開閉弁
44FL、44FR、44RL、44RR 油圧導管
46FL、46FR、46RL、46RR 電磁開閉弁
48A、48B 油圧センサ
50 ストロークセンサ
52 油圧センサ
54FL、54FR、54RL、54RR 油圧センサ
56FL、56FR、56RL、56RR 車輪速センサ
58 制御装置
60 マイクロコンピュータ
62 駆動回路
64 温度センサ
66 その他センサ

Claims (3)

  1. 流体圧供給源と、
    流体圧に応じた制動力を発生する制動力発生源と、
    前記制動力発生源に供給される流体圧を調整するバルブと、
    前記バルブの開度を制御する制動制御を行う制御手段と、
    前記バルブあるいは前記バルブを通過する流体の温度に関する情報を取得する温度情報取得手段と、
    を有し、
    前記制御手段は、前記温度情報が異常である場合に、前記バルブの開度を通常制動制御時よりも大きくする異常時開度制御を行い、
    前記制御手段は、取得された前記温度が異常である場合であっても、前記制動制御が運転者による制動操作中の制御でない場合には、前記異常時開度制御を禁止する
    とを特徴とする制動力制御装置。
  2. 請求項1に記載の制動力制御装置において
    前記運転者による制動操作中の制御とは、ABS制御であり、
    前記制御手段は、前記ABS制御中の前記流体の減圧から次の減圧までのサイクルが所定以下である場合に、前記異常時開度制御を禁止する制動力制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の制動力制御装置において
    前記制御手段は、前記制動力発生源の要求昇圧勾配に基づいた要求流量を実現するために、前記バルブを駆動する駆動電流の出力波形モードを決定するものであり、
    前記異常時開度制御は、流量を最も増加することができる出力波形モードに基づいて前記バルブを駆動する制動力制御装置。
JP2013062862A 2013-03-25 2013-03-25 制動力制御装置 Expired - Fee Related JP6003754B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013062862A JP6003754B2 (ja) 2013-03-25 2013-03-25 制動力制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013062862A JP6003754B2 (ja) 2013-03-25 2013-03-25 制動力制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014184942A JP2014184942A (ja) 2014-10-02
JP6003754B2 true JP6003754B2 (ja) 2016-10-05

Family

ID=51832894

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013062862A Expired - Fee Related JP6003754B2 (ja) 2013-03-25 2013-03-25 制動力制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6003754B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112377544B (zh) * 2020-11-20 2022-02-15 徐州徐工矿业机械有限公司 全工况自动调节的电液比例湿盘制动冷却系统及控制方法
JP2023131936A (ja) * 2022-03-10 2023-09-22 株式会社アドヴィックス 車両の制動制御装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3915209B2 (ja) * 1997-12-03 2007-05-16 住友電気工業株式会社 ブレーキ液温の検出方法及びブレーキ液圧の制御方法
JP2006199146A (ja) * 2005-01-20 2006-08-03 Toyota Motor Corp ブレーキ液圧制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014184942A (ja) 2014-10-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3851043B2 (ja) ブレーキ液圧制御装置
WO2018003539A1 (ja) ブレーキ装置およびブレーキ装置の液漏れ検知方法
US20110006593A1 (en) Brake control apparatus
US8506022B2 (en) Brake apparatus and method for controlling the brake apparatus
US20180290636A1 (en) Brake Control Device
US8768591B2 (en) Method for operating a boosted brake system of a vehicle and control device for a boosted brake system of a vehicle
JP4946985B2 (ja) ブレーキ制御装置
JP6003754B2 (ja) 制動力制御装置
US8899697B2 (en) Hydraulic brake system for vehicle
JP4978503B2 (ja) 車輌用制動装置
JP2010076585A (ja) ブレーキ制御装置
JP6699622B2 (ja) 車両の制動制御装置
US11364890B2 (en) Braking device for vehicle
JP5983041B2 (ja) 車両の運動制御装置
KR102231112B1 (ko) 차량의 능동 유압 부스터 시스템 및 그 제어방법
US20220332301A1 (en) Brake device for vehicle
JP6082949B2 (ja) 車両の制動装置
KR102385099B1 (ko) 전자식 브레이크 시스템 및 제어 방법
JP4400128B2 (ja) 車両用制動制御装置
JP6781580B2 (ja) 車両用制動装置
WO2023008574A1 (ja) 制動制御装置
JP5977691B2 (ja) ブレーキ制御装置
JP5761057B2 (ja) ブレーキ制御装置
JP5708336B2 (ja) 制動制御装置
JP6525670B2 (ja) 車両用ブレーキ液圧制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150406

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160301

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160415

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160809

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160822

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6003754

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees