JP6003593B2 - 熱媒体循環システム及び熱媒体循環システムの運転方法 - Google Patents

熱媒体循環システム及び熱媒体循環システムの運転方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6003593B2
JP6003593B2 JP2012265451A JP2012265451A JP6003593B2 JP 6003593 B2 JP6003593 B2 JP 6003593B2 JP 2012265451 A JP2012265451 A JP 2012265451A JP 2012265451 A JP2012265451 A JP 2012265451A JP 6003593 B2 JP6003593 B2 JP 6003593B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat medium
impeller
rotation speed
rotational speed
circulation system
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012265451A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014109423A (ja
Inventor
久和 鬼塚
久和 鬼塚
一二三 田畠
一二三 田畠
雅祐 中島
雅祐 中島
一雄 三好
一雄 三好
淳 平田
淳 平田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by IHI Corp filed Critical IHI Corp
Priority to JP2012265451A priority Critical patent/JP6003593B2/ja
Publication of JP2014109423A publication Critical patent/JP2014109423A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6003593B2 publication Critical patent/JP6003593B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Description

本発明は、熱媒体循環システム及び熱媒体循環システムの運転方法に関するものである。
熱輸送を行うヒートポンプは、熱媒体を循環させる循環流路と、循環流路の途中に設置されるターボ圧縮機、凝縮器及び蒸発器とを備えている。このようなヒートポンプは、熱媒体が凝縮器で凝縮されるときの凝縮熱を利用して第1流体を加熱し、熱媒体が蒸発器で蒸発されるときの気化熱を利用して第2流体を冷却することで、第2流体から第1流体に熱を輸送する。
このようなヒートポンプに設置されるターボ圧縮機は、例えば特許文献1に示すように、熱媒体に運動エネルギを付与するインペラと、インペラに接続されるシャフトと、インペラを回転駆動する動力を生成するモータと、モータとシャフトとを接続するギアユニットと、インペラやシャフト等を収容するハウジングとを備えている。
ターボ圧縮機が備えるギアユニットやモータは、潤滑油の供給やメンテナンス性を考慮し、熱媒体が循環される閉ループの系外に配置することが好ましい。このため、インペラ側とギアユニット及びモータ側との間に、シール機構が設置されている。例えば、特許文献1には、ドライガスシール機構によって、ハウジングの内部空間を、インペラ側とギアユニット及びモータ側との空間とに分離する構成が開示されている。このようなドライガスシール機構は、ハウジングの内壁に固定される固定環と、シャフトに固定される回転環とによって構成されており、シャフトの回転に伴って回転環が回転されることによって、固定環と回転環との間に僅かな隙間を形成し、非接触にてシールを行うものである。
特開2012−67616号公報
ところで、ヒートポンプの稼働時、熱媒体は、ターボ圧縮機を通過するときには蒸発器を通過した後であるため気化されている。ヒートポンプが稼働され、インペラが回転駆動されているときには、熱媒体に流れが付与されているため、ターボ圧縮機のシール機構において熱媒体が凝縮することはない。しかしながら、ヒートポンプが停止され、ターボ圧縮機が停止されているときには、熱媒体は、循環流路内において滞留する。このため、気化された熱媒体の一部は、周囲の部材を介した熱伝導によって冷却され、凝縮する場合がある。よって、ヒートポンプの停止時に、液化された熱媒体(以下、凝縮熱媒体と称する)は、ドライガスシール機構に付着して液膜が形成される場合がある。
ドライガスシール機構に凝縮熱媒体が付着すると、粘性の高い凝縮熱媒体とドライガスシール機構との間に摩擦熱が生じ、ドライガスシール機構において局所的に高温の部位が発生する恐れがある。ドライガスシール機構は、上述のように、固定環と回転環とが非接触状態とされることが前提として設計されており、局所的に高温の部位が発生することを想定して設計されていない。このため、凝縮熱媒体によって局所的に高温の部位が発生すると、それを原因としてターボ圧縮機やシール機構を傷め、結果として圧縮機の寿命やメンテナンス周期を短くしてしまう。
なお、このような問題は、ドライガスシール機構に換えてラビリンスシール機構等の非接触式シール機構を有するヒートポンプにおいても、シール面の接液部が微小であるため大きな問題とはならないものの、同様に発生する。また、ヒートポンプに限らず、熱媒体が流れる循環流路と、この循環流路の途中に設置されるターボ機械を有する熱媒体循環システムの全般に同様の問題が発生する。このような熱媒体循環システムとしては、上述のヒートポンプの他に、例えばランキンサイクルを利用した発電システムがある。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、熱媒体が流れる循環流路と、この循環流路の途中に設置されるターボ機械を有する熱媒体循環システムを起動するときに、非接触式シール機構での局所的な高温部位の発生を抑制することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するための手段として、例えば以下の構成を採用する。
本発明の第1の態様は、循環流路にインペラが配置されるターボ機械と、上記インペラに接続されるシャフト周りをシールする非接触式シール機構と、上記インペラの回転数を調節する回転数調節手段とを備える熱媒体循環システムであって、停止された上記インペラを定格回転数で回転させる前に、上記非接触式シール機構に付着した凝縮熱媒体を除去する熱媒体除去手段を備え、上記熱媒体除去手段が、上記非接触式シール機構に付着した凝縮熱媒体が除去されるまでの間、上記定格回転数より少ない回転数で上記インペラを回転させる上記回転数調節手段であるという構成を採用する。
本発明の第1の態様は、上記非接触式シール機構が、上記非接触式シール機構が、上記インペラに接続されるシャフトに固定される回転環と、上記シャフトを収容するハウジングに固定される固定環とを有するドライガスシール機構であり、上記回転数調節手段が、停止された上記インペラを定格回転数で回転させる前に、上記回転環と上記固定環とが接触しない回転数である最小回転数以上の回転数で上記インペラを回転させるという構成をさらに採用することもできる。
本発明の第1の態様は、上記回転数調節手段が、停止された上記インペラを定格回転数で回転させる前に、上記定格回転数と上記最小回転数との間であって、上記最小回転数寄りの回転数で上記インペラを回転させるという構成をさらに採用することもできる。
本発明の第2の態様は、循環流路にインペラが配置されるターボ機械と、上記インペラに接続されるシャフト周りをシールする非接触式シール機構と、上記インペラの回転数を調節する回転数調節手段とを備える熱媒体循環システムの運転方法であって、停止された上記インペラを定格回転数で回転させる前に、上記非接触式シール機構に付着した凝縮熱媒体が除去されるまでの間、上記定格回転数より少ない回転数で上記インペラを回転させることで上記非接触式シール機構に付着した凝縮熱媒体を除去する。
本発明の第1の態様及び第2の態様によれば、停止されたターボ機械のインペラを定格回転数で回転させる前に、非接触式シール機構に付着した凝縮熱媒体を除去する。このため、凝縮熱媒体と非接触式シール機構との間に高い摩擦熱が生じることがなく、非接触式シール機構に局所的な高温部位が生じることを抑制することができる。したがって、本発明の第1の態様及び第2の態様によれば、熱媒体が流れる循環流路と、この循環流路の途中に設置されるターボ機械を有する熱媒体循環システムを起動するときに、非接触式シール機構での局所的な高温部位の発生を抑制することが可能となる。
本発明の一実施形態におけるヒートポンプの概略構成を示すフロー図である。 本発明の一実施形態におけるヒートポンプが備えるターボ圧縮機の縦断面図を含む模式図である。 本発明の一実施形態におけるヒートポンプの起動方法を説明するためのフローチャートである。 本発明の一実施形態におけるヒートポンプの起動方法を説明するためのフローチャートである。 本発明の一実施形態におけるヒートポンプの変形例が備えるターボ圧縮機の縦断面図を含む模式図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る熱媒体循環システム及び熱媒体循環システムの運転方法の一実施形態について説明する。なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
図1は、ヒートポンプ1(熱媒体循環システム)の概略構成を示すフロー図である。この図に示すように、本実施形態のヒートポンプ1は、太線で示す循環流路2と、ターボ圧縮機3(ターボ機械)と、圧縮機出口弁4と、第1気液分離器5と、凝縮器6と、ガスヒータ7と、受液器8と、第1返送部9と、第2返送部10と、第3返送部11と、予熱バイパス弁12と、予熱部13と、膨張弁14と、膨張弁バイパス部15と、蒸発器16と、第2気液分離器17と、圧縮機入口弁18と、バイパス部19と、潤滑油供給部20と、凝縮液回収部21と、計測装置22と、制御装置23とを備えている。
循環流路2は、熱媒体Xが流される閉ループの配管である。ターボ圧縮機3は、循環流路2に設置されており、気化された熱媒体Xを圧縮して吐出するものである。このターボ圧縮機3は、図1に示す、圧縮機入口弁18側から熱媒体Xを吸い込み、圧縮機出口弁4側に吐出する。
図2を参照してターボ圧縮機3の構成についてより詳細に説明する。図2は、ターボ圧縮機3の縦断面を含む模式図である。この図に示すように、ターボ圧縮機3は、インペラ3aと、シャフト3bと、軸受3cと、ギアユニット3dと、モータ3eと、ハウジング3fと、ドライガスシール機構3gと、モータ軸シール3hとを備えている。
インペラ3aは、循環流路2の一部を構成するインペラハウジング3faに収容されており、シャフト3bを介して回転駆動されることによって、気化された熱媒体Xに運動エネルギを付与する。なお、図2に示すように、本実施形態においてインペラ3aは、周方向から吸引した熱媒体Xを軸方向に吐出するラジアルインペラである。
シャフト3bは、インペラ3aに接続され、モータ3eで生成された動力をインペラ3aに伝達する。軸受3cは、ハウジング3fに固定されており、シャフト3bを軸支する。ギアユニット3dは、モータ3eの出力軸に固定される大径の第1ギアと、シャフト3bに固定されると共に第1ギアと噛合する小径の第2のギアとによって構成されており、モータ3eで生成された動力をシャフト3bに伝達する。モータ3eは、不図示の支持機構によって支持されており、本体部がハウジング3fの外部に配置されると共に出力軸の先端がハウジング3fの内部に配置されるギアユニット3dに接続されている。ハウジング3fは、インペラ3aを囲うインペラハウジング3faと、シャフト3b及びギアユニット3dを収容するギアユニットハウジング3fbとから構成されている。インペラハウジング3faの内部空間は、循環流路2の一部を形成しており、熱媒体Xが流される。
ドライガスシール機構3gは、ギアユニットハウジング3fbの内壁に固定される固定環3gaと、シャフト3bに固定される回転環3gbとによって構成されている。このようなドライガスシール機構3gによって、ハウジング3fの内部空間は、インペラ3a側とギアユニット3d側とに分離されている。なお、このドライガスシール機構3gは、シャフト3bの回転に伴って回転環3gbが回転されることによって固定環3gaと回転環3gbとの間に極僅かな隙間を形成するため、インペラ3a側の空間とギアユニット3d側の空間とを非接触でシールすることができる。
モータ軸シール3hは、ギアユニットハウジング3fbに固定され、モータ3eの出力軸を軸支する。このモータ軸シール3hとしては、例えば接触式のシール機構を用いることができる。
図1に戻り、圧縮機出口弁4は、循環流路2の途中部位であって、ターボ圧縮機3の出口付近に設置される開閉弁である。第1気液分離器5は、循環流路2の途中部位であって圧縮機出口弁4の下流側に設置されている。この第1気液分離器5は、供給される熱媒体Xに含まれる液相分を分離して別経路で排出し、第1返送部9に供給する。
凝縮器6は、循環流路2の途中部位であって、第1気液分離器5の下流側に設置されている。この凝縮器6は、循環流路2を流れる熱媒体Xを凝縮し、このときの凝縮熱を利用して外部から供給される流体Y1を加熱する。
ガスヒータ7は、循環流路2の途中部位であって、凝縮器6の下流側と蒸発器16の下流側とが交差する位置に設置されている。このガスヒータ7は、凝縮器6で凝縮されて液化された熱媒体Xと、蒸発器16で気化された熱媒体Xとを熱交換することによって、気化された熱媒体Xの温度を下げる。受液器8は、循環流路2の途中部位であって、ガスヒータ7の下流側に設置されており、液化された熱媒体Xを貯留するタンクである。
第1返送部9は、第1気液分離器5によって循環流路2から分離された熱媒体Xを受液器8に供給する。第2返送部10は、第2気液分離器17によって循環流路2から分離された熱媒体Xを受液器8に供給する。第3返送部11は、蒸発器16とガスヒータ7との間に設けられた返送ラインによって循環流路2から分離された熱媒体Xを受液器8に供給する。
予熱バイパス弁12は、循環流路2の途中部位であって、受液器8の下流側に設置されている。予熱部13は、予熱バイパス弁12をバイパスするようにして循環流路2と接続されており、予熱用ポンプ13aと、予熱用ポンプ13aよりも上流側に配置される開閉弁13bとを備えている。
膨張弁14は、循環流路2の途中部位であって、予熱バイパス弁12の下流側に設置されている。この膨張弁14は、ターボ圧縮機3で昇圧された熱媒体Xの圧力を減圧する。膨張弁バイパス部15は、膨張弁14をバイパスするようにして循環流路2と接続されており、開閉弁15aを備えている。
蒸発器16は、循環流路2の途中部位であって、膨張弁14の下流側に設置されている。この蒸発器16は、循環流路2を流れる熱媒体Xを気化し、このときの気化熱を利用して外部から供給される流体Y2を冷却する。
第2気液分離器17は、循環流路2の途中部位であってガスヒータ7の下流側に設置されている。この第2気液分離器17は、供給される熱媒体Xに含まれる液相分を分離して別経路で排出し、第3返送部11に供給する。
圧縮機入口弁18は、循環流路2の途中部位であってターボ圧縮機3の上流側に設置されている。バイパス部19は、ターボ圧縮機3の出口とターボ圧縮機3の入口とを接続し、ターボ圧縮機3でのサージングを防止するために、必要に応じてターボ圧縮機3から吐出された熱媒体Xをターボ圧縮機3の入口に返送する。このバイパス部19は、返送する熱媒体Xの流量を調節するガスバイパス弁19aを備えている。
潤滑油供給部20は、ターボ圧縮機3と接続されており、潤滑油ポンプ20aと、熱媒体分離部20bとを備えている。潤滑油ポンプ20aは、熱媒体分離部20bに貯留された潤滑油を圧送してターボ圧縮機3に供給する。熱媒体分離部20bは、凝縮液回収部21によってターボ圧縮機3の内部から回収された凝縮液から潤滑油と熱媒体Xとを分離する。
凝縮液回収部21は、ターボ圧縮機3と接続されており、ターボ圧縮機3で発生する潤滑油が混ざった凝縮液を回収して熱媒体分離部20bに供給するものである。この凝縮液回収部21は、凝縮液を回収するか否かを設定する凝縮液回収弁21aを備えている。
計測装置22は、様々な箇所に設置されたセンサと電気的に接続されており、これらのセンサから出力される情報を纏めて制御装置23に入力する。なお、本実施形態のヒートポンプ1では、図1及び図2に示すように、ターボ圧縮機3の出口に、温度を計測するための温度センサ24が設置されている。また、図示していないが、本実施形態のヒートポンプは、温度センサ24以外にも、温度、圧力及び流量のいずれかあるいは複数を計測するセンサが多数設置されている。このようなセンサは、例えば、ターボ圧縮機3のモータ3eの設置空間、凝縮器6の流体Y1の出口、受液器8、蒸発器16から供給された熱媒体Xのガスヒータ7の出口、蒸発器16の流体Y2の入口、圧縮機入口弁18の上流側、及び、圧縮機入口弁18の下流側に設置されている。
制御装置23は、ターボ圧縮機3のモータ3eと電気的に接続されており、モータ3eを制御することによってインペラ3aの回転数を調節するものである。つまり、本実施形態において制御装置23は、本発明の回転数調節手段として機能する。
本実施形態において制御装置23は、ヒートポンプ1の起動時において、停止されたインペラ3aを定格回転数で回転させる前に、定格回転数より少ない回転数で一定期間インペラ3aを回転させることによって、ドライガスシール機構3gに付着した凝縮熱媒体(凝縮されて液化した熱媒体X)を除去する。つまり、本実施形態において制御装置23は、本発明の熱媒体除去手段としても機能する。
例えば、インペラ3aの定格回転数が30000rpmであるとすると、制御装置23は、停止されたインペラ3aを定格回転数で回転させる前に、これよりも少ない回転数にてインペラ3aを回転させる。ただし、このとき、制御装置23は、回転環3gbと固定環3gaとが液膜が消失したのちにも接触しない回転数である最小回転数以上の回転数でインペラ3aを回転させる。
例えば、本実施形態において制御装置23は、最小回転数が4500rpmである場合には、停止されたインペラ3aを定格回転数で回転させる前に、最小回転数に安全係数を掛けた回転数(例えば5000rpm)にてインペラ3aを回転させる。つまり、制御装置23は、停止されたインペラ3aを定格回転数で回転させる前に、定格回転数と最小回転数との間であって、最小回転数寄りの回転数にてインペラ3aを回転させる。なお、安全係数は経験によって決定され、最小回転数は機械的(3gの機械的構造及び性能によって)に決定される。
なお、制御装置23は、モータ3eの他にも、圧縮機出口弁4と、予熱用ポンプ13aと、膨張弁14と、圧縮機入口弁18と、ガスバイパス弁19aと、潤滑油ポンプ20aと、熱媒体分離部20bと、計測装置22と電気的に接続され、これらを制御する。また、制御装置23は、電気的に接続された機器を制御するために必要なプログラムやデータを予め記憶している。
続いて、このように構成された本実施形態のヒートポンプの起動について図3及び図4のフローチャートを参照して説明する。なお、以下に説明する動作は、作業者あるいは制御装置23によって行われる。
まず、循環流路2によって形成される閉ループの真空度の確認が行われる(ステップS1)。ここで、所定の真空度が得られていない場合には、ヒートポンプ1の起動を停止しし、ヒートポンプ1の運転停止(ステップS17)の状態を維持する。閉ループの真空度が所定の値を満足する場合には、蒸発器16において流体Y2(低温側流体)の圧力、温度及び流量の設定を行う(ステップS2)。流体Y2の圧力、温度及び流量が設定値を満足するまで待機する(ステップS3)。流体Y2の圧力、温度及び流量が設定値を満足すると、第2返送部10を開放する。その後、受液器8の圧力及び温度が、設定値を満足するまで待機する(ステップS4)。
受液器8の圧力及び温度が、設定値を満足すると、第1返送部9、第3返送部11及び膨張弁バイパス部15の開閉弁15aが開放され、その後、予熱用ポンプ13aが起動される(ステップS5)。これによって第2返送部10等を介して熱媒体Xが循環流動され、流体Y2との熱交換により予熱される。そして、蒸発器16の出口温度をモニタリングすることにより、熱媒体Xの予熱が完了するまで待機する(ステップS7)。
続いて、圧縮機入口弁18と圧縮機出口弁4とを開放し、ターボ圧縮機3の入口温度が設定を満足するまで待機する(ステップS7)。続いて、潤滑油供給部20の不図示の弁を調節すると共に潤滑油ポンプ20aを起動し、熱媒体分離部20bを確立する(ステップS9)。そして、潤滑油ポンプ20aの差圧が設定値を満足しないとき(ステップS9)には、ステップS17に移行してヒートポンプ1を停止する。一方、潤滑油ポンプ20aの差圧が設定値を満足したときには、凝縮液回収部21を開放すると共にターボ圧縮機3の低速運転を開始する(ステップS10)。
ここでのターボ圧縮機3の低速運転とは、上述のように、停止されたインペラ3aを定格回転数で回転させる前に、定格回転数より少ない回転数で一定期間インペラ3aを回転させることを意味する。このように、ターボ圧縮機3を低速運転させることにより、ドライガスシール機構3gに凝縮された熱媒体Xによる液膜が形成されている場合であっても、これが除去される。なお、液膜が除去される理由としては、遠心力によって熱媒体Xが飛散することや、摩擦力による加熱によって熱媒体Xが気化することが考えられる。ここで、摩擦熱による加温が過大とならないよう、ステップS10におけるインペラ3aの回転数は、出来る限り最小回転数に近いことが好ましい。
そして、ターボ圧縮機3を低速運転させながら、凝縮器6において流体Y1(高温側流体)の圧力、温度及び流量の設定を行う(ステップS11)。流体Y2の圧力、温度及び流量が設定値を満足しないとき(ステップS12)には、ステップS17に移行してヒートポンプ1を停止する。一方、流体Y2の圧力、温度及び流量が設定値を満足するとき(ステップS12)には、ターボ圧縮機3の低速運転が設定時間を経過するまで待機する(ステップS13)。このターボ圧縮機3の低速運転の設定時間は、予め実験等によって得られた結果に基づいて、熱媒体Xの液膜が除去される時間とされている。なお、設定時間については、固定環3gaと回転環3gbとの間隙における温度と飽和蒸気圧とによって設定しても良い。固定環3gaと回転環3gbとの間隙における温度は、固定環3gaの内部に熱電対を埋め込んで測定する方法や放射温度計によって測定する方法が考えられる。
なお、ターボ圧縮機3の低速運転が設定時間を経過した場合であっても、ドライガスシール機構3gから液膜が除去されたことを確認することが好ましい。この確認方法としては、例えば、温度センサ24によってターボ圧縮機3の出口温度を測定し、この温度から飽和蒸気圧を求め、熱媒体Xが凝縮する温度を超えているか否かを見ることが考えられる。また、例えば、液膜によるモータ3eの負荷増加を検出する方法、レーザ等による視認する方法、インペラ3a側の空間とギアユニット3d側の空間との差圧による方法、電気伝導度の違いを測定する方法も考えられる。
そして、ターボ圧縮機3の低速運転が設定時間を経過すると、予熱用ポンプ13aを停止し(ステップS14)、その上でターボ圧縮機3を高速回転させ(ステップS15)、さらに定格運転に移行させる(ステップS16)。その後、作業者によって停止が支持されると、ヒートポンプの運転は停止される(ステップS17)。
以上のような本実施形態のヒートポンプ1によれば、停止されたターボ圧縮機3のインペラ3aを定格回転数で回転させる前に、ドライガスシール機構3gに付着した熱媒体Xによる液膜を除去する。このため、液化された熱媒体Xとドライガスシール機構3gとの間に高い摩擦熱が生じることがなく、ドライガスシール機構3gに局所的な高温部位が生じることを抑制することができる。したがって、本実施形態のヒートポンプ1によれば、ドライガスシール機構3gが局所的な高温によって痛むことを防止し、ドライガスシール機構3gの寿命を長く維持することができる。
また、本実施形態のヒートポンプ1では、ターボ圧縮機3を低速運転させるときに、インペラ3aの回転数を、固定環3gaと回転環3gbとが接触しない最小回転数以上としている。このため、固定環3gaと回転環3gbとが接触した状態でインペラ3aが回転されることがなく、ドライガスシール機構3gの摩耗や熱損傷を防止することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態においては、制御装置23がインペラ3aを低速にて回転させることによってドライガスシール機構3gに付着した熱媒体Xの液膜を除去する構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図5に示すように、ドライガスシール機構3gを加熱するヒータ25(加熱手段)を設置し、このヒータ25でドライガスシール機構3gを加熱することで熱媒体Xを気化させて除去するようにしても良い。このヒータ25は、例えば、回転環3gbやシャフト3bの回転阻害しないように、ドライガスシール機構3gを包み込むように配置することが望ましい。これによって、ドライガスシール機構3gを全体的かつ効率的に昇温させることができる。なお、ドライガスシール機構3gを加熱するときには、インペラ3a側を昇圧することで、差圧による流れ(インペラ3a側の予熱された流体が表面を通過すること、また流れによって蒸発を促進すること)により効率的な液膜除去を行うことが可能となる。
また、上記実施形態においては、ヒートポンプに本発明を適用した例について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ランキンサイクルを利用した発電システムは、同様の循環流路と、循環流路に設置されるタービン(ターボ機械)とを備えている。このような発電システムに本発明を適用することも可能である。
また、上記実施形態においては、本発明の非接触式シール機構がドライガスシール機構3gである構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、非接触式シール機構がラビリンスシール機構であっても良い。
1……ヒートポンプ(熱媒体循環システム)、2……循環流路、3……ターボ圧縮機(ターボ機械)、3a……インペラ、3b……シャフト、3c……軸受、3d……ギアユニット、3e……モータ、3f……ハウジング、3fa……インペラハウジング、3fb……ギアユニットハウジング、3g……ドライガスシール機構(非接触式シール機構)、3ga……固定環、3gb……回転環、3h……モータ軸シール、4……圧縮機出口弁、5……第1気液分離器、6……凝縮器、7……ガスヒータ、8……受液器、9……第1返送部、10……第2返送部、11……第3返送部、12……予熱バイパス弁、13……予熱部、13a……予熱用ポンプ、13b……開閉弁、14……膨張弁、15……膨張弁バイパス部、15a……開閉弁、16……蒸発器、17……第2気液分離器、18……圧縮機入口弁、19……バイパス部、19a……ガスバイパス弁、20……潤滑油供給部、20a……潤滑油ポンプ、20b……熱媒体分離部、21……凝縮液回収部、21a……凝縮液回収弁、22……計測装置、23……制御装置(回転数調節手段、熱媒体除去手段)、24……温度センサ、25……ヒータ(熱媒体除去手段)、X……熱媒体、Y1……流体、Y2……流体

Claims (4)

  1. 循環流路にインペラが配置されるターボ機械と、前記インペラに接続されるシャフト周りをシールする非接触式シール機構と、前記インペラの回転数を調節する回転数調節手段とを備える熱媒体循環システムであって、
    停止された前記インペラを定格回転数で回転させる前に、前記非接触式シール機構に付着した凝縮熱媒体を除去する熱媒体除去手段を備え、前記熱媒体除去手段は、前記非接触式シール機構に付着した凝縮熱媒体が除去されるまでの間、前記定格回転数より少ない回転数で前記インペラを回転させる前記回転数調節手段である熱媒体循環システム。
  2. 前記非接触式シール機構が、前記インペラに接続されるシャフトに固定される回転環と、前記シャフトを収容するハウジングに固定される固定環とを有するドライガスシール機構であり、
    前記回転数調節手段は、停止された前記インペラを定格回転数で回転させる前に、前記回転環と前記固定環とが接触しない回転数である最小回転数以上の回転数で前記インペラを回転させる
    請求項1記載の熱媒体循環システム。
  3. 前記回転数調節手段は、停止された前記インペラを定格回転数で回転させる前に、前記定格回転数と前記最小回転数との間であって、前記最小回転数寄りの回転数で前記インペラを回転させる請求項2記載の熱媒体循環システム。
  4. 循環流路にインペラが配置されるターボ機械と、前記インペラに接続されるシャフト周りをシールする非接触式シール機構と、前記インペラの回転数を調節する回転数調節手段とを備える熱媒体循環システムの運転方法であって、
    停止された前記インペラを定格回転数で回転させる前に、前記非接触式シール機構に付着した凝縮熱媒体が除去されるまでの間、前記定格回転数より少ない回転数で前記インペラを回転させることで前記非接触式シール機構に付着した凝縮熱媒体を除去する熱媒体循環システムの運転方法。
JP2012265451A 2012-12-04 2012-12-04 熱媒体循環システム及び熱媒体循環システムの運転方法 Expired - Fee Related JP6003593B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012265451A JP6003593B2 (ja) 2012-12-04 2012-12-04 熱媒体循環システム及び熱媒体循環システムの運転方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012265451A JP6003593B2 (ja) 2012-12-04 2012-12-04 熱媒体循環システム及び熱媒体循環システムの運転方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014109423A JP2014109423A (ja) 2014-06-12
JP6003593B2 true JP6003593B2 (ja) 2016-10-05

Family

ID=51030161

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012265451A Expired - Fee Related JP6003593B2 (ja) 2012-12-04 2012-12-04 熱媒体循環システム及び熱媒体循環システムの運転方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6003593B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0445004Y2 (ja) * 1986-10-29 1992-10-22
JP2557656B2 (ja) * 1987-08-17 1996-11-27 三洋電機株式会社 冷凍装置の能力制御方法
JP2011089455A (ja) * 2009-10-22 2011-05-06 Hitachi Ltd シール機構を備えた装置
JP5740985B2 (ja) * 2011-01-07 2015-07-01 株式会社Ihi 遠心圧縮機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014109423A (ja) 2014-06-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5460663B2 (ja) 発電装置
JP6013987B2 (ja) 発電装置及び発電装置の制御方法
US8739538B2 (en) Generating energy from fluid expansion
US8400005B2 (en) Generating energy from fluid expansion
JP6198673B2 (ja) 熱エネルギー回収装置および制御方法
JP2015200182A (ja) 排熱回収システム及び排熱回収方法
JP2009085044A (ja) 圧縮機およびヒートポンプシステム
JP2016121665A (ja) 熱発電装置
JP6223886B2 (ja) 発電装置
US20140290243A1 (en) Waste-heat recovery system
JP5819806B2 (ja) 回転機駆動システム
JP2013113192A (ja) 廃熱回生システム
JP5851959B2 (ja) 発電装置およびその制御方法
JP6433749B2 (ja) 熱エネルギー回収装置
JP6003593B2 (ja) 熱媒体循環システム及び熱媒体循環システムの運転方法
KR101707744B1 (ko) 압축 장치
JP6060029B2 (ja) 回転機駆動システム
KR102309815B1 (ko) 누설 유체를 재생하는 터보 팽창기
JP2007218507A (ja) ヒートポンプ装置及びその制御方法
JP6511297B2 (ja) 動力発生装置
CN108412561B (zh) 热能回收装置
US11066961B2 (en) Exhaust heat recovery system
JP5671442B2 (ja) 熱エネルギ利用装置及びその運転方法
JP5819796B2 (ja) 回転機駆動システム
JP6005586B2 (ja) バイナリー駆動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151027

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160802

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160809

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160822

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6003593

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees