JP6003060B2 - ウエハプローバ用ウエハ保持体 - Google Patents

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Description

本発明は、加熱した半導体ウエハにプローブカードを押し当てて電気的特性の検査を行うウエハプローバのウエハ保持体に関する。
従来、半導体の検査工程では、出荷後の不良品の発生を予防するため、検査対象物である半導体基板(以降、半導体ウエハ又は単にウエハとも称する)に対して通常の使用温度よりも高温に加熱する処理を行い、不良になる可能性のある半導体チップを加速的に不良化させて取り除くバーンインが行われている。
かかるバーンイン工程で不良品を取り除くためには、半導体ウエハに半導体回路を形成した後、個々のチップに切断する前に半導体ウエハを加熱しながら各チップの電気的な性能を測定する必要がある。従って、バーンイン工程においてスループットを向上させるためには、加熱プロセスや冷却プロセスに要する時間を短縮することが必要となる。
バーンイン工程では、上記のように半導体ウエハを保持した状態で該半導体ウエハを加熱することが必要となるため、ウエハ載置面を備えたヒータが用いられている。また、ウエハ載置面に載置した半導体ウエハは、その裏面全面をグランド電極に接触させる必要があるため、ヒータには従来から金属製のものが用いられていた。すなわち、バーンイン工程では金属製の平板状ヒータの上に回路が形成された半導体ウエハを載置し、この状態で所定の温度まで加熱しながらチップの電気的特性が測定される。
電気的特性の測定の際は、通電用の電極ピン(プローブピン)を多数備えたプローブカードと呼ばれる測定子が、半導体ウエハに数10kgfから数百kgfの力で押さえつけられる。そのため、ヒータが薄いと変形してしまい、半導体ウエハとプローブピンとの間に接触不良が発生することがあった。これを避けるため、ヒータの剛性を保つ目的で、厚さ15mm以上の厚い金属板を用いることが行われていたが、金属板の厚みが増すとヒータ自身の昇降温に長時間を要し、スループット向上の大きな障害となっていた。
上記の問題を解決するため、特許文献1や特許文献2ではチャックトップに高剛性のセラミックス材料を用いる技術が開示されており、特に特許文献2では、スループット向上のために接触部と冷却部を断熱する構造が示されている。また、特許文献3では図9に示すようなウエハ保持体が開示されており、この構造により高均熱性と高剛性とを併せ持つことが可能になると記載されている。
すなわち、特許文献3のウエハ保持体は、金属製のウエハ載置台1と、それを保持する保持部材2と、保持部材2の下部を支持する複数の支持柱4と、セラミックス製の支持部材5とからなり、ウエハ載置台1と支持部材5が結合部材8で直接結合されている。また、保持部材2の下面側に冷却モジュールと発熱体とからなる温度制御モジュール3が配置されている。
特開2001−033484号公報 特開2006−253630号公報 特開2007−149727号公報
上記したようなプローブカードを用いて半導体ウエハの検査を行うウエハプローバにおいては、ウエハ載置面に載置した半導体ウエハのウエハ面内での均熱性が良好であることが求められており、たとえば直径300mmのウエハ面内では温度レンジを±0.5℃の範囲内にすることが要求されている。これに対してチャックトップに高絶縁性が要求される静電チャックにおいては、熱伝導率がある程度犠牲になるため、温度レンジが±3℃程度とかなり悪くなることが問題になっていた。
また、近年はスループット向上のため、半導体ウエハの全面を一度に検査するいわゆる一括コンタクト方式のウエハプローバが主流になりつつある。この一括コンタクト方式では、温度変化によって生ずるウエハ載置面の平面度変化をより一層抑制することが必要になってきており、この要求を満足できるウエハ保持体が求められている。
これに対して、特許文献3の技術では、金属からなるウエハ載置台1の熱膨張係数がセラミックスからなる支持部材5の熱膨張係数に対して大きく、さらに断熱性能を向上させた構造になっているため、高温時はウエハ載置台1の方が支持部材5よりも温度が高くなり、ウエハ載置台1の熱膨張量が支持部材5の熱膨張量よりもおおよそ2倍以上大きくなる。そして、ウエハ載置台1と支持部材5が結合部材8で直接結合されているため、上記温度変化による熱膨張に伴ってウエハ載置面の平面度が大きく変化することが問題になっていた。
本発明は上記した従来の事情に鑑みてなされたものであり、高剛性を損なわずに高均熱性を達成すると共に、温度変化によって生じるウエハ載置面の平面度変化を抑制することが可能なウエハ保持体を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、熱拡散を企図して高熱伝導率材料で形成したウエハ載置面を有するウエハ載置台の下面に高剛性材料からなる支持板を取り付け、この支持板から下部に伝わる熱を断熱するために当該支持板を低熱伝導材からなる複数の支持柱で支持し、さらにこれら複数の支持柱を保持台で保持し、温度制御のための温度制御ユニットを支持板と保持台の間に設置してなるウエハプローバ用のウエハ保持体について本発明者らは鋭意研究を行った。そして、上記構造のウエハ保持体において、ウエハ載置台と保持体とを直接結合しないよう試みたところ、高均熱性と高剛性とを満たしながら、温度変化が生じてもウエハ載置面の平面度変化を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のウエハプローバ用ウエハ保持体は、上面にウエハ載置面を有するウエハ載置台と、前記ウエハ載置台をその下面から支持する支持板と、前記支持板をその下面から支持する複数の支持柱と、前記複数の支持柱を保持する保持台と、前記支持板の下面に当接して前記ウエハ載置台の温度を制御する温度制御ユニットとからなるウエハプローバ用のウエハ保持体であって、前記複数の支持柱は各々高さ方向に貫通する貫通孔を有しており、該貫通孔を挿通させた結合部材によって前記支持板と前記保持台とが結合されていることを特徴としている。
上記本発明のウエハプローバ用ウエハ保持体においては、支持板及び温度制御ユニットが、それらの厚み方向で互いに連通する貫通孔を有しており、該連通する貫通孔を挿通させたネジ部材でウエハ載置台と温度制御ユニットとが結合されていてもよい。また、上記本発明のウエハプローバ用ウエハ保持体は、温度制御ユニットが、保持台に対向する面から押え板で押さえつけられていてもよい。さらに、上記本発明のウエハプローバ用ウエハ保持体は、結合部材の熱膨張係数が複数の支持柱の熱膨張係数以上であるのが好ましい。
本発明によれば、高剛性及び高均熱性であることに加えて、温度変化が生じてもウエハ載置面の平面度変化が抑えられたウエハプローバ用のウエハ保持体を提供することが可能となる。また、断熱効果が高められているので高い位置精度が得られる上、ウエハの急速な昇温や冷却が可能となる。よって、一括コンタクト方式のウエハプローバにおいても高精度且つ高スループットの検査を実現することが可能となる。
本発明のウエハプローバ用ウエハ保持体の第1の実施形態を模式的に示す縦断面図である。 図1のウエハ保持体の代替例を示す縦断面図である。 本発明のウエハプローバ用ウエハ保持体が備える温度制御ユニットの具体例を模式的に示す縦断面図である。 本発明のウエハプローバ用ウエハ保持体の第2の実施形態を模式的に示す縦断面図である。 本発明のウエハプローバ用ウエハ保持体の第3の実施形態を模式的に示す縦断面図である。 第3の実施形態のウエハ保持体が備える押え板を温度制御ユニットと共に示す縦断面図である。 本発明のウエハプローバ用ウエハ保持体が備えるウエハ載置台に設けられた吸着溝パターンの一具体例を示す平面図である。 本発明のウエハプローバ用ウエハ保持体が備える支持板に設けられた貫通孔の位置関係の例を示す平面図である。 特許文献3のウエハプローバ用ウエハ保持体を示す縦断面図である。
先ず、本発明のウエハプローバ用ウエハ保持体の第1の実施形態を、図1を参照しながら説明する。図1には、本発明の第1の実施形態のウエハ保持体10の縦断面図が模式的に示されている。このウエハ保持体10は、上面にウエハ載置面11aを有するウエハ載置台11と、このウエハ載置台11をその下面から支持する支持板12と、この支持板12をその下面から支持する複数の支持柱14と、これら複数の支持柱14を保持する保持台15と、支持板12の下面に当接してウエハ載置台11の温度を制御する温度制御ユニット13とからなる。そして、複数の支持柱14は各々高さ方向に貫通する貫通孔14aを有しており、各貫通孔14aを挿通させた結合部材18によって支持板12と保持台15とが結合されている。
より具体的に説明すると、ウエハ載置台11は円板形状を有しており、その上面側が検査対象物であるウエハを載置するウエハ載置面11aになっている。このウエハ載置面11aには、たとえば同心円状や放射状の複数のウエハ吸着溝(図示せず)が形成されているのが好ましく、この吸着溝内の空気を真空引きすることによって、載置されたウエハをウエハ載置面11aに吸着させることができる。
ウエハ載置面11aでは均熱性が高いことが望まれるため、ウエハ載置台11は高い熱伝導率を有していることが要求される。具体的には、熱伝導率が200W/mK以上であり、且つヤング率が100GPa以上の金属でウエハ載置台11を形成するのが好ましい。このような物性を有するものであれば具体的な金属の材料は特に問わないが、たとえば、アルミニウムや銅、アルミニウム合金や銅合金が好ましい。
このウエハ載置台11におけるウエハ載置面11aとは反対側の下面に、ウエハ載置台11を支持すべくウエハ載置台11と略同径の円板状の支持板12が当接している。これらウエハ載置台11と支持板12とは、ウエハ載置台11又は支持板12に設けた吸着溝(図示せず)内の空気を真空引きして互いに吸着させるか、又は図2に示す第1の実施形態の代替例のウエハ保持体100のように、ステンレス製のネジ等の取付手段116aを用いることによって取り付けることができる。
なお、図2のように取付手段116aで支持板112をウエハ載置台111に取り付けると、ウエハ載置台111と支持板112の熱膨張係数が互いに異なる場合、温度変化の際生じた熱膨張差によってウエハ載置面111aが反ることが考えられる。この場合は、温度制御ユニット113をウエハ載置台111とほぼ同じ熱膨張係数の材質にすることによって応力を打ち消しあうことが可能となり、よってウエハ載置面111aの反りを抑制できる。
再び図1に戻ると、支持板12は、その下面から複数の支持柱14で支持されており、さらにこれら複数の支持柱14は保持台15で保持されている。支持板12や保持台15は、ウエハ載置台11にかかる荷重に耐えうるよう高剛性である必要があるため、高いヤング率を有していることが要求される。具体的には、ヤング率が200GPa以上のセラミックス又は金属−セラミックス複合体で形成されているのが好ましい。
このような物性を有するものであれば金属やセラミックスの具体的な材料は特に問わないが、炭化ケイ素、アルミナ、窒化アルミニウムなどのセラミックスや、アルミニウムと炭化ケイ素との複合体、又はシリコンと炭化ケイ素との複合体のうちのいずれかであることが好ましい。さらに、保持台15の熱膨張係数が支持板12の熱膨張係数よりも大きくなるように材質を組み合わせることがより好ましい。
上記支持板12と保持台15とは、結合部材18で直接結合されている。すなわち、複数の支持柱14の各々には、その高さ方向に貫通する貫通孔14aが設けられている。さらに、支持板12及び保持台15において、各支持柱14の上下両端がそれぞれ当接する位置に、厚み方向に貫通する貫通孔12a、15aが設けられている。そして、ウエハ載置面11aに垂直な方向で連通するこれら3つの貫通孔12a、14a、及び15aに対して1本の結合部材18が挿通されており、これにより支持板12と保持台15とが直接的に結合されている。
複数の支持柱14の本数や配置態様には特に制約はないが、4〜25本程度の支持柱14を中心部と外周付近に同心円状で且つ周方向に均等な間隔で配置するのが好ましい。また、各支持柱14の材質や形状にも特に制約はないが、ムライト、アルミナ、又は窒化珪素などのセラミックス、又はムライトとアルミナとの複合体、金属のうちのいずれかからなる円筒形状であることが好ましい。
結合部材18の材質にはコバールやステンレスなどの金属を使用することができるが、結合部材18の熱膨張係数が複数の支持柱14の熱膨張係数以上となるように材質を選択するのがより好ましい。なぜなら、結合部材18の熱膨張係数が複数の支持柱14の熱膨張係数よりも小さい場合、温度変化に伴って支持板12と保持台15とが過剰に引っ張り合うことになり、ウエハ載置面11aにおける平面度の悪化につながるからである。
結合部材18の構造及び結合方法については特に問わないが、たとえば、ステンレス製のボルトを支持板12の貫通孔12aに上側から差し込み、支持柱14の貫通孔14a及び保持台15の貫通孔15aを挿通させた後、保持台15の下側からステンレス製のナットで該ボルトの先端部をネジ締めすればよい。なお、支持板12及び保持台15の両方に貫通孔を設ける代わりに、それらのうちのいずれか一方には螺刻した有底穴を設け、他方の貫通孔と支持柱14の貫通孔とを挿通させたボルトの先端部を該有底穴に螺合させることによって、支持板12と保持台15とを直接結合してもよい。
支持板12の下面には、さらにウエハ載置台11の加熱及び冷却を行う温度制御ユニット13が当接している。この温度制御ユニット13は支持板12と保持台15との間に設置されるので、同じく支持板12と保持台15との間に設置される前述した複数の支持柱14に接触しないように、貫通穴13aが設けられている。温度制御ユニット13は、支持板12に接着剤などの化学的接合手段(図示せず)により接合してもよいし、あるいは図2に示すようにネジなどの機械的な結合手段116bにより結合してもよい。
温度制御ユニット13の構造については特に限定はなく、たとえば図3(a)に示すように基材50内に加熱のために埋め込まれた埋設発熱体50aと、冷却のための冷媒が流れる流路50bとを備えたものや、図3(b)に示すように板状発熱体51と、その下面に設けられた冷却のための冷媒が流れる流路52aを備えた冷却ユニット52とが組み合わさったものなどが挙げられる。
上記の埋設発熱体50aや板状発熱体51には、たとえば金属箔などの金属材料からなる抵抗発熱体を使用することができる。具体的には、ニッケル、ステンレス、銀、タングステン、モリブデン、クロム、又はこれら金属の少なくともいずれかの合金からなる抵抗発熱体を使用することができる。この中では、ステンレスやニクロムが好ましい。ステンレスやニクロムは、抵抗発熱体の回路パターンを加工する際、エッチングなどの手法により比較的精度良く形成することができるからである。また、安価であり、耐酸化性を有するので、使用温度が高温であっても長期間の使用に耐えることができる点においても好ましい。
また、上記埋設発熱体50aや板状発熱体51には、他の部品との絶縁を確保するために、抵抗発熱体を電気絶縁体で挟み込んだ発熱モジュールを使用するのが望ましい。抵抗発熱体を挟み込む電気絶縁体としては、耐熱性を有するものであれば特に制約はなく、たとえばマイカやポリイミド、シリコン樹脂やエポキシ樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。
電気絶縁性の樹脂で抵抗発熱体を挟み込む場合は、抵抗発熱体で発生した熱をよりスムースにウエハ載置台11に伝えるため、樹脂中にフィラーを分散させてもよい。これは、樹脂中にフィラーを分散することによって、シリコン樹脂等の熱伝導を高めることができるからである。フィラーの材質としては、樹脂との反応性が無ければ特に制約はなく、たとえば窒化硼素、窒化アルミニウム、アルミナ、シリカなどの物質を挙げることができる。
上記の基材50や冷却ユニット52の材質には特に制約はないが、アルミニウム、銅、又はその合金は熱伝導率が比較的高いため、特に好ましく用いられる。また、ステンレス、マグネシウム合金、ニッケル、その他の金属材料を使用することもできる。耐酸化性を付与するため、基材50や冷却ユニット52の表面にニッケル、金、銀などの耐酸化性を有する金属膜をメッキや溶射などの手法を用いて形成してもよい。これらの中では、アルミニウムにニッケルメッキを施したものや、銅にニッケルメッキを施したものが耐酸化性にも優れ、また熱伝導率も高く、価格的にも比較的安価であるため、特に好ましい。
また、基材50や冷却ユニット52の材質にセラミックスを使用することもできる。この場合のセラミックスとしては、限定するものではないが、熱伝導率が比較的高く、素早く熱を奪うことができるので、窒化アルミニウムや炭化ケイ素が好適に使用される。あるいは、窒化ケイ素や窒化アルミニウムを使用してもよい。これらは機械的強度が高く、耐久性に優れていることを特徴としている。さらに、比較的安価な、アルミナ、コージライト、ステアタイトなどの酸化物セラミックスを使用してもよい。このように、基材50や冷却ユニット52の材質は種々の中から選択することができ、用途に応じて適宜材質を選択すればよい。
温度制御ユニット13においては、図3(a)や図3(b)に示すように、流路50b、52aに冷媒を流すことによって、加熱された部材から温度制御ユニット13に伝熱された熱を素早く取り除くことができるため、冷却速度を向上させることができる。流路50b、52a内に流す冷媒としては、水のほか、フロリナートなどの液体、窒素や大気などの気体などが選択できる。この中では、比熱の大きさ、価格などを考慮すると水が最も好ましい。
流路52aを備えた冷却ユニット52は、たとえば、2枚のアルミニウム板を用意し、一方のアルミニウム板の片面に冷媒を流す流路を機械加工等によって形成した後、このアルミニウム板の流路が形成された面に他方のアルミニウム板を張り合わせることによって得られる。これらのアルミニウム板には、耐食性及び耐酸化性を向上させるため、全面にニッケルメッキを施すことが好ましい。また、水などの冷媒が漏れないように、たとえば流路の周囲に設けた溝にO−リング等を挿入したうえで、ネジ止めや溶接によって2枚のアルミニウム板を張り合わせるのが好ましい。
冷却ユニット52の別の作製方法としては、2枚の銅(無酸素銅)板を用意し、その一方の銅板の片面に流路を機械加工等によって形成した後、この銅板と他方の銅板とを流路の形成された面が内側となるように対向させ、冷媒の出入口となるステンレス製のパイプと共に、同時にロウ付け接合する方法を挙げることができる。この方法で得られた冷却ユニット52にも、上記と同様に、耐食性及び耐酸化性を向上させるため、ニッケルメッキを全面に施すことが好ましい。なお、基材50にも上記と同様にして流路50bを形成することができる。
このように、本発明のウエハ保持体においては、ウエハ載置台と保持台とを直接結合しない構造を採用しているので、ウエハ載置面の反りを著しく抑えることが可能となる。すなわち、ウエハ載置台と保持台とを結合部材を用いて直接結合すると、温度制御ユニットの発熱体が発熱している状態では、温度制御ユニットから下方への伝熱が複数の支持柱により断熱されているので、ウエハ載置台の温度は保持台の温度よりも十分に高くなる。
その結果、ウエハ載置台の熱膨張量が保持台の熱膨張量よりも著しく大きくなって、該結合部材により保持台に引っ張られることになり、ウエハ載置面の平面度が大きく変化してしまう。これに対して本発明のウエハ保持体では、剛性の高い支持板と保持台とは結合部材で直接結合しているものの、ウエハ載置台と保持台とは直接結合していないので、ウエハ載置面の平面度変化を抑制することが可能となる。
次に、図4を参照しながら本発明の第2の実施形態のウエハ保持体20を説明する。この第2の実施形態のウエハ保持体20も、前述した第1の実施形態のウエハ保持体10と同様に、ウエハ載置面21aを備えたウエハ載置台21、ウエハ載置台21をその下面から支持する支持板22、支持板22をその下面から支持する複数の支持柱24、複数の支持柱24を保持する保持台25、及びウエハ載置台21の温度を制御する温度制御ユニット23からなる。
この第2の実施形態のウエハ保持体20は、さらに支持板22と温度制御ユニット23に、それらの厚み方向で互いに連通する貫通孔22b、23bが複数(図4では連通する2組の貫通孔が示されている)設けられていることを特徴としている。そして、各連通する貫通孔を挿通させた第2結合部材27でウエハ載置台21と温度制御ユニット23とが結合されている。
第2結合部材27の形状や材質は特に問わないが、加熱時の支持板22の熱膨張量と温度制御ユニット23の熱膨張量とを足し合わせた熱膨張量に対してほぼ同等の熱膨張量になるような熱膨張係数の材質を選ぶのが好ましい。たとえば、支持板22がアルミナもしくはシリコンと炭化ケイ素との複合体、温度制御ユニット23が銅製でそれぞれ形成されており、且つこれら支持板22と温度制御ユニット23がほぼ同じ厚みを有しているのであれば、ステンレス製のネジを使用することができる。
さらに、温度変化によるウエハ載置面での反りを低減するために、ウエハ載置台21の熱膨張係数が温度制御ユニット23の熱膨張係数と同程度となる材質を使用するのが好ましく、同じ材質を使用するのがより好ましい。たとえば、ウエハ載置台21が銅(熱膨張係数17.5×10−6/K)の場合、温度制御ユニット23の冷却ユニット52にも同じ銅を使用するのがより好ましい。
次に、図5を参照しながら本発明の第3の実施形態のウエハ保持体30を説明する。この第3の実施形態のウエハ保持体30も、前述した第1の実施形態や第2の実施形態のウエハ保持体10、20と同様に、ウエハ載置面31aを備えたウエハ載置台31、ウエハ載置台31をその下面から支持する支持板32、支持板32をその下面から支持する複数の支持柱34、複数の支持柱34を保持する保持台35、及びウエハ載置台31の温度を制御する温度制御ユニット33からなる。この第3の実施形態のウエハ保持体30は、温度制御ユニット33が、その保持台35に対向する面(すなわち、温度制御ユニット33の下面)から押え板39で押さえつけられていることを特徴としている。
押え板39及びこれにより押さえつけられる温度制御ユニット33の組み合わせとしては、図6(a)に示すような板状発熱体51とそれを押える押え板39や、図6(b)に示すように冷却ユニット52及び板状発熱体51と、これらを押さえつける押え板39などが挙げられる。押え板39の取り付け方法としては、図5に示すように、ウエハ載置台31に螺合する第2結合部材37で結合する方法を挙げることができる。なお、押え板39には、複数の支持柱34に接触しないように、貫通穴39aが設けられている。
温度制御ユニット33の発熱体が発熱している状態では、ウエハ載置台31よりも押え板39の方が温度が高くなるので、押え板39と温度制御ユニット33とが図6(b)に示すような位置関係の場合、ウエハ載置台31と冷却ユニット52とを直接結合するのではなく、ウエハ載置台31と押え板39を直接結合する方が、各部材間の熱膨張量のバランスを取りやすくなり、温度変化に対する平面度変化をより一層抑制することが可能となる。
以上説明したように、本発明のウエハ保持体は、高剛性で反りの心配がない上、ウエハ載置台の熱伝導率が高いので、ウエハ載置面において高い均熱性を確保することが可能となる。さらに、温度変化に対するウエハ載置面の平面度変化を顕著に抑えることが可能となる。従って、このウエハ保持体はウエハプローバに好適に用いることができる。
以上、本発明のウエハ保持体を、複数の実施形態に基づいて説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨から逸脱しない範囲内で種々の代替例や変形例を考えることができる。すなわち、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲及びその均等物に及ぶことに留意すべきである。
[実施例1]
図1に示す構造のウエハ保持体10において、材質が異なることによる均熱性、剛性及び平面度変化への影響を調べるため、各部材の材質を変えた複数種類のウエハ保持体の試料を下記の方法で作製した。なお、本実施例で使用した各部材の材質及びそれらの物性を下記表1に示す。
Figure 0006003060
具体的に説明すると、ウエハ載置台11として、直径310mm、厚み8mmの炭素繊維強化アルミニウム複合材料(Al−C)を用意した。このウエハ載置台11のウエハ載置面11aに、ウエハを真空チャックするため、図7に示すような同心円状の4つのウエハ吸着溝11bと、これらに連通し、ウエハ載置面11aの中心から半径方向に延びる4本の連通溝11cとを形成した。なお、真空引きできるように、4本の連通溝11cの内1本についてはウエハ載置台11の外縁部まで延在させた。さらに、ウエハ載置台11の上下面を研磨加工し、平面度及び平行度を3μmとし、表面粗さをRaで0.02μmに仕上げた。
次に支持板12として、直径310mm、厚み6mmの窒化アルミニウム(AlN)を用意した。この支持板12に、図8(a)に示すように、中心とP.C.D.250mmの周上の6等配位置に、内径6mmの貫通孔12aを設けた。また、ウエハ載置台11を真空吸着するため、支持板12の上面にウエハ載置面11aに設けたウエハ吸着溝11b及び連通溝11cと同様の吸着溝及びこれらに連通する連通溝を形成した。さらに、支持板12の下面には、図8(a)に示すように、P.C.D.240mmの周上の6等配位置に、後述する結合手段116bを結合するためのM4タップを設けた。その後、上下面を研磨加工し、平面度及び平行度を3μmとした。
次に温度制御ユニット13として、図3(b)に示すような板状発熱体51と冷却ユニット52とを用意した。板状発熱体51には、ステンレス箔に所定のパターンでエッチング加工して抵抗発熱体を形成し、これをマイカシートで圧着して挟み込んだもの(直径310mm、厚み0.6mm)を使用した。
一方、冷却ユニット51には、直径310mm、厚み4mmの無酸素銅板を2枚用意し、その一方の無酸素銅板の片面に機械加工等によって流路を形成した後、この無酸素銅板と他方の無酸素銅板とを流路が形成された面が内側となるように対向させ、冷媒の出入口となるステンレス(SUS304)製のパイプと共に、同時にロウ付け接合したものを使用した。なお、耐食性及び耐酸化性を向上させるため、冷却ユニット51の全面にニッケルメッキを施した。
次に結合部材116bとして、長さ10mmのM4ステンレス(SUS304)製ネジ6本を用意し、支持板12の下に温度制御ユニット13としての板状発熱体51及び冷却ユニット52をこの順序で支持板12から遠くなるように配置し、これら冷却ユニット52及び板状発熱体51にあらかじめ設けておいた貫通孔に図2に示すような結合手段116bを挿通させて、支持板12に螺合した。これにより温度制御ユニット13を支持板12に固定した。
次に保持台15として、直径310mm、厚み20mmの純度99.6%のジルコニア(ZrO)を用意した。この保持台15に対して、ウエハ載置面11aに垂直な方向から見て図8(a)の貫通孔12aと同じ位置に、貫通孔15aを設けた。その後、保持台15の上下面を研磨加工し、平面度及び平行度2μmとした。
次に複数の支持柱14として、外径14mm、内径6mm、高さ15mmの円筒状のムライト−アルミナ複合体(以下、ムライト)を7個準備した。これら7個の支持柱14が有する高さ方向に貫通する貫通孔14aが、それぞれ図8(a)に示した貫通孔12aに連通するように、支持板12の下面に並べた。
次に結合部材18として、長さ40mmのM4ステンレス(SUS304)製ネジ7本とステンレス製M4ナット7個を用意した。それらの先端部側をそれぞれ支持板12の貫通孔12aに上面から挿通させ、さらに7個の支持柱14の貫通孔14a及び保持台15の貫通孔15aを挿通させて、該先端部をステンレス(SUS304)製M4ナットでネジ締めした。これにより、支持板12と保持台15とを直接結合した。このようにしてウエハ保持体の試料を作製した。
同様にして、ウエハ載置台11における熱伝導率の違いが均熱性に及ぼす影響を調べるため、さらには支持板12と保持台15の熱膨張係数の関係が温度変化に伴うウエハ載置面の平面度変化にどのように影響するかを調べるため、各部材の材質を変えた複数種類のウエハ保持体の試料を作製した。
すなわち、下記表2に示すように、Al−C、C1020、CrCu、CuW、コルソン合金、及びアルミニウムの6種類のウエハ載置台11と、AlN、炭化珪素(SiC)、及びシリコンと炭化珪素との複合体(Si−SiC)の3種類の支持板12と、ジルコニア、アルミナ、ムライト、及びコージライトの4種類の保持台15とを組み合わせた72種類のウエハ保持体の試料を作製した。
このようにして作製した複数のウエハ保持体の試料の各々に対して、そのウエハ載置面に直径300mmのウエハを載置して真空チャックした。さらに、ウエハ載置台と支持板との間も真空吸着させた状態で、抵抗発熱体に通電して当該ウエハを200℃に加熱した。そして、200℃で温度が安定したときのウエハ面内の温度レンジを測定した。次に、200℃に加熱した状態でウエハの全面に500kgの荷重を印加し、そのときのウエハの荷重たわみ量を測定した。さらに、200℃に加熱した状態での平面度を測定し、加熱前に測定した平面度を差し引いた値を平面度変化量とした。これら測定結果を各部材に使用した材質と共に下記表2に示す。
Figure 0006003060
また、比較例として、図9に示すような特許文献3の実施形態と同じ結合方法となるように、ウエハ載置台1と保持台5とを結合部材8で直接結合し、ウエハ載置台1の材質をAl−Cを除く5種類とした以外は上記と同様に材質を変えて60種類のウエハ保持体の試料を作製した。そして、上記と同様にして200℃で温度が安定したときのウエハ面内の温度レンジ、200℃において500kgの荷重を印加したときのウエハの荷重たわみ量、及び平面度変化量を測定した。この比較例の測定結果を各部材に使用した材質と共に下記表3に示す。
Figure 0006003060
上記表2の結果より、ウエハ載置台11の熱伝導率が高いほど均熱性が良い(温度レンジが小さい)ことが分かった。また、荷重たわみは、ウエハ載置台11のヤング率が低いAl製の試料で大きくなった。さらに表2と表3とを比較して分かるように、ウエハ載置台11と保持台15とを直接結合しないことにより平面度変化の抑制に大きな効果が得られることが分かった。また、平面度変化量は、ウエハ載置台11のヤング率が120GPa以上であって、支持板12の熱膨張係数(α12)が保持台15の熱膨張係数(α15)より小さければ、10μm以下になることも見出した。
特に、α12がα15の半分以下となる材質の組み合わせでは、平面度変化量が6μm以下と非常に良くなることがわかった。これは、複数の支持柱14による断熱効果のため、加熱時は支持板12が200℃であるのに対して保持台15は100℃程度となり、100℃程度の温度差が生じたため、α12がα15の半分以下程度であれば、支持板12の熱膨張量と保持台15の熱膨張量がほぼ等しくなることで、ウエハ載置面11aの反りが抑制できたと解釈できる。
[実施例2]
図2に示す構造のウエハ保持体100を採用した以外は上記実施例1と同様にして各部材の材質を変えた72種類のウエハ保持体の試料を作製し、それらの均熱性及び剛性を試験した。すなわち、ウエハ載置台111においては、ウエハ載置面111aとは反対の面に、P.C.D.240mmの周上の6等配位置にM4のタップを設け、さらにウエハ載置台111の表面にニッケルメッキを施した以外は実施例1のウエハ載置台11と同様にした。
支持板112においては、図8(b)に示すように、真空吸着のための吸着溝や連通溝の代わりに、P.C.D.240mmの周上の6等配位置に取付手段116aを挿通させる内径6mmの貫通孔を設け、さらに下面のP.C.D.280mmの周上の6等配位置に、結合手段116bを結合するためのM4タップを設けた以外は実施例1の支持板12と同様にした。
これにより、実施例1の真空吸着に代えて結合部材116aを用いてウエハ載置台111と支持板112と結合させた。取付手段116aには、長さ10mmのM4ステンレス(SUS304)製ネジ6本を用意し、これらをウエハ載置台111に設けたタップに差し込んでネジ締めした。その他、温度制御ユニット113や複数の支持柱114及び保持台115は実施例1と同様のものを使用した。また、結合手段116bによる温度制御ユニット113と支持板112との固定方法や、結合部材118による保持台115と支持板112との結合方法も実施例1と同様にした。
このようにして作製した複数のウエハ保持体の試料の各々に対して、実施例1と同様にして200℃で温度が安定したときのウエハ面内の温度レンジ、200℃において500kgの荷重を印加したときのウエハの荷重たわみ量、及び平面度変化量を測定した。この比較例の測定結果を各部材に使用した材質と共に下記表4に示す。
Figure 0006003060
上記表4の結果から、ウエハ載置台111の熱伝導率が高ければ高いほど均熱性が良くなる(すなわち、温度レンジが小さくなる)ことが分かった。また、荷重たわみはウエハ載置台111のヤング率が低いAl製のウエハ保持体で大きくなった。平面度変化量は、ウエハ載置台111のヤング率が120GPa以上であって、支持板112の熱膨張係数(α112)が保持台115の熱膨張係数(α115)より小さければ、10μm以下になることも見出した。特に、実施例1と同様に、α112がα115の半分以下となる材質の組み合わせの試料では、平面度変化量は6μm以下と非常に良くなることが分かった。
[実施例3]
図4に示す構造のウエハ保持体20を採用した以外は上記実施例1と同様にして各部材の材質を変えた複数のウエハ保持体の試料を作製し、それらの均熱性及び剛性を試験した。すなわち、ウエハ載置台21においては、実施例1と同様のものを用いたが、ウエハ載置面21aとは反対の面には、結合手段116b用のタップの代わりに、後述する支持板22におけるP.C.D.100mmの周上の3等配位置とP.C.D.270mmの周上の6等配位置に対応する位置に、M4のタップを設け、さらにウエハ載置台21の表面にニッケルメッキを施した。
支持板22においても上記実施例1と同様のものを用いたが、図8(c)に示すように、中心とP.C.D.250mmの周上の6等配位置に設けた内径6mmの貫通孔22aに加えて、真空吸着のための吸着溝や連通溝の代わりにP.C.D.100mmの周上の3等配位置とP.C.D.270mmの周上の6等配位置に内径6mmの貫通孔22bを設けた。
温度制御ユニット23においても上記実施例1と同様のものを用いたが、厚み5mmの無酸素銅板を2枚使用し、温度制御ユニット23のP.C.D.100mmの周上の3等配位置とP.C.D.270mmの周上の6等配位置に内径6mmの貫通孔23bを設けた。
この実施例3では、実施例1の結合部材116bに代えて結合部材27で温度制御ユニット23を取り付けた。すなわち、支持板22の下に板状発熱体51及び冷却ユニット52からなる温度制御ユニット23を配置し、温度制御ユニット23及び支持板22に設けられた貫通孔23b、22bに結合部材27を挿通させ、ウエハ載置台21に設けた上記タップに差し込みながらネジ締めした。これにより温度制御ユニット23をウエハ載置台21に固定した。なお、結合部材27としては、長さ18mmのM4ステンレス(SUS304)製ネジ9本を使用した。
その他、複数の支持柱24及び保持台25には実施例1と同様のものを使用した。また、結合部材28による保持台25と支持板22との結合方法も実施例1と同様にした。なお、ウエハ載置台21と温度制御ユニット23の熱膨張係数の違いによる影響を調べるため、支持板22がAlN、保持台25がジルコニアのウエハ保持体に対しては、冷却ユニット52をC1020で形成した試料ほか、Alで形成した試料も作製した。
このようにして作製した複数のウエハ保持体の試料の各々に対して、実施例1と同様にして200℃で温度が安定したときのウエハ面内の温度レンジ、200℃において500kgの荷重を印加したときのウエハの荷重たわみ量、及び平面度変化量を測定した。この比較例の測定結果を各部材に使用した材質と共に下記表5に示す。
Figure 0006003060
上記表5の結果より、ウエハ載置台1の熱伝導率が高いほど均熱性が良い(温度レンジが小さい)ことがわかった。また、荷重たわみは、ウエハ載置台21のヤング率が低いAl製の試料で大きくなった。平面度変化量は、ウエハ載置台21のヤング率が120GPa以上であって、支持板22の熱膨張係数(α22)が保持台25の熱膨張係数(α25)より小さければ、10μm以下になることも見出した。特に、実施例1と同様に、α22がα25の半分以下となる組み合わせの試料では、平面度変化量は6μm以下と非常に良くなることがわかった。
また、冷却ユニット52の材質が互いに異なる2つの試料を比較して分かるように、ウエハ載置台21の熱膨張係数が冷却ユニット52の熱膨張係数よりも小さいと、平面度変化量は大きくなる傾向があることも分かった。
[実施例4]
図5に示す構造のウエハ保持体30の均熱性及び剛性を試験するため、図3(b)の温度制御ユニットの構造に代えて図6(b)の温度制御ユニット及び押え板の組み合わせ構造にした以外は実施例3と同様にして複数のウエハ保持体の試料を作製した。なお、この実施例4では、支持板32の材質はSi−SiCに、保持台35の材質はアルミナに限定した。
押え板39には、直径310mm、厚み2mmの円板状部材を使用し、材質は、ウエハ載置台31と押え板39の熱膨張係数の違いが与える性能への影響を調べるため、ステンレス(SUS304)、C1020、SUS316、インコネル、及びチタンの5種類を使用した。この押え板39において、ウエハ載置面31aに垂直な方向から見て支持板32の貫通孔32bと同じ位置に、該貫通孔32bと同心軸となるように内径8mmの貫通孔39bを設けた。
そして、第2結合部材37として、長さ20mmのM4ステンレス(SUS304)製ネジ9本を用意した。支持板32の下に冷却ユニット52、発熱体51、及び押え板39をこの順で支持板32から遠くなるように配置し、第2結合部材37を押え板39、発熱体51、及び冷却ユニット52にそれぞれ設けられた貫通孔に挿通させて、ウエハ載置台31に設けたタップに差し込みながらネジ締めした。このようにして押え板39をウエハ載置台31に固定した。
結合部材38としては、長さ40mmのM4ステンレス(SUS304)製ネジ7本とステンレス(SUS304)製M4ナット7個を使用した。上記以外は実施例3と同様にして複数種類のウエハ保持体の試料を作製した。
このようにして作製した複数のウエハ保持体の試料の各々に対して、ウエハ載置面31aに直径300mmのウエハを載置し、抵抗発熱体に通電して当該ウエハを200℃に加熱した。そして、200℃で温度が安定したときのウエハ面内の温度レンジを測定した。次に、200℃に加熱した状態での平面度を測定し、加熱前に測定した平面度を差し引いた値を平面度変化量とし、これら測定結果を、ウエハ載置台31と押え板39の材質の組み合わせと共に下記表6に示す。
Figure 0006003060
上記表6の結果から、冷却ユニット52や押え板39の材質の違いによる温度レンジへの影響はないことが分かった。さらにウエハ載置台31の熱膨張係数が押え板39の熱膨張係数以上であれば、平面度変化量は小さくなることが分かった。ただし、ウエハ載置台31の熱膨張係数が押え板39の熱膨張係数の2倍近くになってくると平面度変化量は大きくなる傾向があることも分かった。
[実施例5]
上記実施例4と同様にして図5に示すような構造のウエハ保持体の試料を作製したが、SUS304、コバール、及びタングステンの3種類の結合部材38と、Al−C、C1020、CrCu、CuW、コルソン合金、及びAlの6種類のウエハ載置台31と、AlN、SiC、及びSi−SiCの3種類の支持板32と、ジルコニア、アルミナ、ムライト、及びコージライトの4種類の保持台35と、SUS316及びムライトの2種類の支持柱34とを組み合わせた432種類のウエハ保持体の試料を作製した。なお、押え板39の材質はSUS316とした。
このようにして作製した複数のウエハ保持体の試料の各々に対して、200℃に加熱した状態での平面度を測定し、加熱前に測定した平面度を差し引いた値を平面度変化量とした。それら測定結果を各部材に使用した材質と共に下記表7〜9に示す。なお、表7は支持板の材料にAlNを用いた場合、表8は支持板の材料にSiCを用いた場合、表9は支持板の材料にSi−SiCを用いた場合である。
Figure 0006003060
Figure 0006003060
Figure 0006003060
上記表7〜9の結果から、結合部材38の熱膨張係数が支持柱34の熱膨張係数よりも小さい場合は、ウエハ載置面31aの平面度変化量が大きくなることがわかった。
10、20、30、100 ウエハ保持体
11、21、31、111 ウエハ載置台
11a、21a、31a、111a ウエハ載置面
12、22、32、112 支持板
13、23、33、113 温度制御ユニット
14、24、34、114 複数の支持柱
15、25、35、115 保持台
18、28、38、118 結合部材
39 押え板

Claims (4)

  1. 上面にウエハ載置面を有するウエハ載置台と、前記ウエハ載置台をその下面から支持する支持板と、前記支持板をその下面から支持する複数の支持柱と、前記複数の支持柱を保持する保持台と、前記支持板の下面に当接して前記ウエハ載置台の温度を制御する温度制御ユニットとからなるウエハプローバ用のウエハ保持体であって、前記複数の支持柱は前記保持台の中心部と外周部とに同心円状で且つ周方向に均等な間隔で配置されており、且つそれらの各々は高さ方向に貫通する貫通孔を備えた円筒形状を有しており、該貫通孔を挿通させた第1の結合部材によって前記支持板と前記保持台とが結合され、前記ウエハ載置台と前記温度制御ユニットとは第2の結合部材で結合され、前記ウエハ載置台、前記支持板、前記保持台、前記複数の支柱柱及び前記温度制御ユニットは、いずれも隣接する部材とは前記第1又は第2の結合部材で直接結合されていないことを特徴とするウエハプローバ用ウエハ保持体。
  2. 前記支持板及び前記温度制御ユニットは、それらの厚み方向で互いに連通する貫通孔を有しており、前記第2の結合部材は該連通する貫通孔を挿通させたネジ部材であることを特徴とする、請求項1に記載のウエハプローバ用ウエハ保持体。
  3. 前記温度制御ユニットは、前記保持台に対向する面から押え板で押さえつけられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のウエハプローバ用ウエハ保持体。
  4. 前記結合部材の熱膨張係数が前記複数の支持柱の熱膨張係数以上であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のウエハプローバ用ウエハ保持体。
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